JP3685094B2 - 回路遮断器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、回路遮断器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、前面が開口する箱形に形成されたボディに前面開口から部品を組み込んだ後にボディの前面側にカバーを被着して組み立てられる回路遮断器が提供されている(特開平8−264098号公報等参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例では、ボディにカバーを被着した状態でカバー前面に形成されたハンドル挿通孔から突出するハンドルを投入位置に操作して過電流に対する引外し装置の特性試験を行う際、ボディとカバーが固定されていないとボディからカバーが浮き上がってしまい、ハンドルがカバーのハンドル挿通孔周縁に当たって不用意に回動して主回路の接点が開放状態となる虞があった。このため、ボディとカバーをねじで固定した完成品の状態で特性試験を行ない、特性試験の結果に応じて引外し装置の特性調整を行う場合に工具を用いてはねじを外し、ボディからカバーを取り除く必要があり、特性試験並びに特性調整作業が非常に煩わしいという問題があった。
【0004】
本発明は上記問題に鑑みて為されたものであり、その目的とするところは、特性試験並びに特性調整作業が容易に行える回路遮断器を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、上記目的を達成するために、前面が開口する箱形に形成され、複数の隔壁により区分けされた内部の複数のスペースにそれぞれ主回路の各極を収納するボディと、ボディの前面側に被着されるカバーと、少なくとも一部がカバー前面に設けられたハンドル挿通孔を通して露出するハンドルと、ハンドルに取り付けられてハンドルの回動支点となるハンドル軸と、ボディに取り付けられてハンドル軸を軸支するフレームと、少なくともハンドルの回動操作に応じて各極の主接点を開閉する開閉機構と、主回路に異常電流が流れたときに開閉機構を作動させて主回路を強制的に開極させる引外し手段とを備え、カバー内側にハンドル軸の端部に係止する係止部を設けたことを特徴とし、ハンドル軸の端部に係止部を係止することでボディとカバーを仮止めすることができる。このため、ボディとカバーをねじで固定しなくてもボディからカバーが浮き上がるのを防ぎ、ハンドルがカバーのハンドル挿通孔周縁に当たって不用意に主回路が開放状態になる虞を無くして特性試験が容易に行えるようになる。また、ハンドル軸の端部と係止部の係止状態を解除すればボディとカバーを簡単に分離することができ、従来例に比べて特性調整作業が容易に行える。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、ハンドル軸の両端部にそれぞれ係止する一対の係止部を設けたことを特徴とし、カバーをボディに安定した状態で仮止めすることができる。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、カバーを熱可塑性樹脂で形成したことを特徴とし、カバーが弾性変形し易くなってハンドル軸の端部に簡単に係止部を係止することができる。
【0008】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、互いに対向するボディの隔壁間にフレームが配設され、ボディにカバーが被着された状態で各隔壁と突き合わされる複数の補助隔壁がカバーの内側に形成され、ハンドル軸の端部に対向する補助隔壁に係止部が設けられたことを特徴とし、係止部が設けられた補助隔壁の弾性変形を利用することでハンドル軸の端部に簡単に係止部を係止することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図1〜図17を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0010】
本実施形態の回路遮断器は、住宅用分電盤の主幹開閉器に用いられる中性線欠相保護付の漏電遮断器であって、直方体状に形成された合成樹脂製のケース1を有する。ケース1は前面が開口する箱形に形成されたボディ1aと、背面が開口する箱形に形成されてボディ1a前面に被着されるカバー1bとで構成される。ボディ1aの上端部には端子台30が形成されており、端子台30にはそれぞれ端子ねじ32を有したねじ付き端子よりなる3つの入力端子3,3,3が左右方向に並設されており、中央の入力端子3に単相3線式の中性線が接続され、両側の入力端子3,3に電圧線が接続される。端子台30には、隣り合う入力端子3,3間を絶縁する絶縁壁35が形成されている。また、図3に示すようにボディ1aの上端部の右端部から上方へ端子取付部10が連続一体に突出しており、端子取付部10の右側面から3つの出力端子4,4,4が突出する形で配置されている。而して、入力端子3,3,3と出力端子4,4,4とは1対1で対応付けされており、入力端子3,3,3にはそれぞれ電圧線及び中性線の電線導体(図示せず)が接続され、出力端子4,4,4にはそれぞれ母線となる導電バー(図示せず)が端子ねじを用いて接続される。また、端子取付部10の内部には後述する接続線7を収納する収納部15が形成され、この収納部15と端子台30とが隔壁27によって仕切られている。
【0011】
図3に示すように、ボディ1a内には、ボディ1aの幅方向(図3における左右方向)に並設された3つの主接点26,26,26と、開閉機構部5と、主接点26,26,26が介挿された電路(主回路)に流れる漏洩電流や地絡電流等の漏電電流を検出する零相変流器CTと、漏電電流が流れたときに主接点26,26,26を強制的に開極させるように開閉機構部5を作動させる第1の電磁釈放装置9Aと、零相変流器CTの検出出力に応じて第1の電磁釈放装置9Aの動作制御を行う漏電保護回路50と、中性線の欠相が発生したときに主接点26,26,26を強制的に開極させるように開閉機構部5を作動させる第2の電磁釈放装置9Bと、中性線の欠相を検出して第2の電磁釈放装置9Bの動作制御を行う欠相保護回路51と、上記電路に短絡電流や過負荷電流のような異常電流が流れたときに主接点26,26,26を強制的に開極させるように開閉機構部5を作動させる引外し装置6,6とが収納されており、3極の主接点26,26,26をケース1(カバー1b)の前面に露設した単一のハンドル2によって開閉操作可能としてある。
【0012】
ボディ1aには内部空間を各極毎に区分けする隔壁28が形成され、カバー1bにも同様に内部空間を各極毎に区分けする補助隔壁72が形成されており、ボディ1aとカバー1bを結合してケース1を組み立てれば、ボディ1aの隔壁28とカバー1bの補助隔壁72が突き合わされて、主接点26を含む3つの電路を絶縁し且つ収納する3つのスペースが形成される。
【0013】
主接点26は、入力端子3,3,3の端子板31,31,31の下端縁から延設されたL字状の接点保持片33,33,33の先端部に固着された固定接点21,21,21と、導電性金属により短冊状に形成された可動接触子25,25,25の長手方向の一端部に固着され固定接点21,21,21に接離する可動接点22,22,22とで構成される。ここで、電圧線に接続される両側の入力端子3,3に対応する可動接触子25,25は編組線よりなる接続線7a,7aにより各々引外し装置6,6に接続され、さらに引外し装置6,6が被覆電線からなる接続線7b,7bを介して上記各入力端子3,3に対応する出力端子4,4に接続される。また、中性線に接続される中央の入力端子3に対応する可動接触子25は接続線7bを介して上記入力端子3に対応する出力端子4に接続される。また、これらの接続線7b,7b,7bはケース1の下部に収納された零相変流器CTのトロイダルコアの貫通孔に挿通されるとともにボディ1a内部の下面および右側面に沿ってケース1内に形成されたL字状の収納部15内で引き回してある。
【0014】
カバー1b前面の中央位置、すなわちケース1内に形成された3つのスペースのうちの中央のスペースに対向する位置には矩形状に開口するハンドル挿通孔29が形成される。また、ケース1内部のハンドル挿通孔29の近傍には、ハンドル2を軸支するハンドル軸8の両端部を受ける軸受け孔12eを備えたフレーム12が設けられる。フレーム12は金属板で形成され、図5に示すように略同形状の一対の側片12a,12aと、両側片12a,12aを端縁で連結する連結片12bと、各側片12a、12aの下端縁より外側に突出する固定片12cとを備える。固定片12cにはねじ孔12dが形成されており、ボディ1a底面における隔壁28の長手方向延長線上に突設された取付台(図示せず)にねじ止めして固定される。ハンドル2は合成樹脂の成型品からなり、ハンドル挿通孔29を通してケース1の前面に突出する操作部2aを有し、操作部2aの背面にはハンドル軸8を受ける軸受け部2cが設けられるとともに、軸受け部2cの下方に突出するリンク軸受け部2bが設けられる。なお、操作部2aとリンク軸受け部2bとは一直線上にはなく略く字形になるように互いの突出方向が設定されている。而して、軸受け部2cに挿通したハンドル軸8の両端部をフレーム12の両側片12a,12aに設けた軸受け孔12e,12eに挿通することにより、ハンドル2がフレーム12に回動自在に取り付けられる。すなわち、ハンドル2は操作部2aがハンドル挿通孔29の開口面と略面一になる位置(図8参照)と、操作部2aがハンドル挿通孔29から突出する位置(図9参照)との間でハンドル軸8を支点として回動し起伏自在になっている。ここで、ハンドル2の軸受け部2cの外周に鋏形ばねよりなるハンドル復帰ばね16が装着されており、ハンドル復帰ばね16の一端に設けた係止片16aがフレーム12の一方の側片12aに形成された引掛溝12jに引掛係止されており、このハンドル復帰ばね16のばね力によって操作部2aがケース1前面から起立する向きにハンドル2が付勢されている。
【0015】
ところで、図2に示すようにカバー1b上側の側壁70bからはボディ1aの絶縁壁35,35と突き合わされる絶縁壁71、71が外側に突設されている。また、カバー1bの内側には幅方向(図2における左右方向)に対向する一対の補助隔壁72,72がカバー1b上側の側壁70bから前壁70aに跨って突設されている。さらに、前壁70a略中央の補助隔壁72,72に挟まれた部位に矩形のハンドル挿通29が開口しており、補助隔壁72,72の対向面におけるハンドル挿通孔29に望む部位には、補助隔壁72,72間に配置されるハンドル軸8の端部に係止する係止部73,73がそれぞれ設けてある。この係止部73,73はカバー1bの背面(開口面)側から前壁70a側に向かうに従って突出量が大きくなるように補助隔壁72,72の長手方向に突設され、互いに対向する面に傾斜面73a,73aが形成されている。
【0016】
而して、カバー1bをボディ1aに被着する際、ハンドル挿通孔29にハンドル2の操作部2aを挿通するようにしてカバー1bをボディ1aの前面に押しつけると、フレーム12の軸受け孔12eから突出したハンドル軸8の両端部が各々係止部73,73の傾斜面73a,73aと摺接し、係止部73,73が突設されている補助隔壁72,72が互いに離れる向き(カバー1bの幅方向)に撓むため、やがてハンドル軸8の端部が係止部73を乗り越えて係止部73がハンドル軸8の端部に係止することになる(図1参照)。すなわち、ハンドル軸8の端部に係止部73,73を係止することでボディ1aとカバー1bを仮止めすることができる。このため、ボディ1aとカバー1bをねじ等で固定しなくてもボディ1aからカバー1bが浮き上がるのを防ぎ、ハンドル2がカバー1bのハンドル挿通孔29周縁に当たって不用意に主回路の主接点26が開放状態になる虞を無くすことができ、従来例に比較して特性試験が容易に行えるようになる。また、カバー1bをボディ1aから引き離す方向に引っ張れば、ハンドル軸8の端部と係止部72の係止状態を解除してボディ1aとカバー1bを簡単に分離することができるから、特性試験の結果に応じて必要となる特性調整作業が従来例に比較して容易に行える。なお、係止部73を一対の補助隔壁72,72にそれぞれ設けてハンドル軸8の両端部にそれぞれ係止するようにしているので、カバー1bをボディ1aに安定した状態で仮止めすることができる。また、カバー1bを熱可塑性樹脂で形成すれば、カバー1bと一体に形成されている補助隔壁72,72が弾性変形し易くなってハンドル軸8の端部に簡単に係止部73を係止することができる。さらに本実施形態では、図2に示すように補助隔壁72,72の上端部を前壁70bを介して連結しているのに対し、補助隔壁72,72の下端部を連結させておらず、係止部73が設けてある補助隔壁72,72の下端部近傍を撓み易くしてボディ1aに対するカバー1bの脱着を容易にしている。
【0017】
開閉機構部5はハンドルリンク11、ラッチ板13、可動枠17を備える。ハンドルリンク11は、図5に示すように略短冊形の一対の脚片11c,11cと、脚片11c,11cの下端部に橋架された円筒形の駆動軸11bとを有し、脚片11c,11cを連結する連結片11dと、ハンドル2のリンク軸受け部2bの軸孔に挿通したリンク軸36の両端部が挿通されるリンク軸受け孔11a,11aが各脚片11c,11cの上端部に形成されている。リンク軸受け孔11a,11aから各脚片11c,11cの外側へ突出するリンク軸36の両端部が、フレーム12の両側片12a,12aに形成されている下方に凸となる弧状に湾曲したガイド溝12f,12fに挿入係止されており、このガイド溝12f,12fによってハンドルリンク11の移動範囲が規制される。
【0018】
ラッチ板13は略く字形に形成されたラッチ片13aと、ラッチ片13aの上端部両側より同一方向へ突設された一対の腕片13b,13bとを有する。腕片13b,13bの先端部には略半円形の軸受け溝13c,13cが形成されており、フレーム12の両側片12aの対向する面に突設された軸突起12g,12gを各軸受け溝13c,13cで支承することにより、ラッチ板13がフレーム12に回動自在に取り付けられる。なお、ハンドルリンク11の駆動軸11bがラッチ板13並びに可動枠17の中央前端部に当接させてある(図8参照)。
【0019】
また、図6に示すように可動枠17は絶縁性を有する合成樹脂成型品からなり、3つの可動接触子25,25,25がそれぞれ挿通係止される係止溝17aが並設され、ケース1の隔壁27並びに隔壁27と対向する内壁面に前後方向(図3における紙面に垂直な方向)に沿って形成された溝部14に両端部が係止されてケース1の前後方向(図8における上下方向)に移動自在にケース1内に収納される。一方、可動接触子25,25,25は、可動接点22と反対側の端部がボディ1a内底面より突設された係止片18に係止されるとともに、可動枠17の係止溝17aに係止される部位と係止片18に係止される端部との間の部位がコイルばね19によってケース1の前方に付勢されている。このコイルばね19は、一端側がボディ1a内底面の溝部14と係止片18との間に突設されている突起20に挿着され、他端側が可動接触子25に当接している。
【0020】
引外し部材60は、図5及び図8に示すように3つの可動接触子25,25,25を跨ぐようにケース1の左右幅方向に沿って配設される基片60aと、基片60aの長手方向略中央の端縁より下方に突設された略L字形の脚片60bと、基片60aの長手方向両端部近傍より側方へ突設された略三角形状の駆動片60c,60eと、各駆動片60c,60eの先端部から基片60aの長手方向と略平行に突設された第1及び第2の係合部60d,60fとが合成樹脂により一体に形成されている。また、脚片60bの屈曲部位には回動軸37を挿通する軸受け孔を具備した軸受け部60gが形成されており、フレーム12の両側片12aに形成された軸受け孔12i,12iに軸受け部60gの両端から突出する回動軸37の端部をそれぞれ支承することにより、引外し板60がフレーム12に回動自在に取り付けられる。ここで、軸受け部60gの外周には鋏形ばねよりなる引外し部材復帰ばね61が装着されており、引外し部材復帰ばね61の一端に設けた係止片61aがフレーム12の一方の側片12aに引掛係止され、この引外し部材復帰ばね61のばね力によって脚片60bがラッチ板13に近づく向き(図8における時計回り)に引外し部材60が付勢されている。
【0021】
而して、図9に示すように主接点26が開極した状態(開放状態)から操作部2aを伏せるようにハンドル2を回動させるとリンク軸受け部2bがラッチ板13の方へ倒れるように回動し、これに伴ってハンドルリンク11がリンク軸36を支点として図9中時計回りに回動する。このハンドルリンク11の回動に伴ってハンドルリンク11の駆動軸11bがラッチ板13のラッチ片13aに摺接しながら可動接触子25に近づく向き(図8における下方向)へ移動し、コイルばね19のばね力に抗して可動枠17を下方へ押駆動することによって可動接触子25が下方へ移動する。そして、ハンドル軸8とハンドルリンク11の駆動軸11bとを結ぶ直線よりもリンク軸36がラッチ板13側(図8における右側)へ移動すると、ラッチ板13の下端部が引外し部材60の脚片60bの先端に当接してラッチされるため、操作部2aがハンドル挿通孔29の開口面と略面一になる位置でハンドル2が保持される。このとき、ハンドルリンク11の駆動軸11bによって可動枠17が下方へ押圧されるため、可動枠17の係止溝17aに係止された3つの可動接触子25,25,25も下方へ押駆動され、図8に示すように各可動接触子25の先端部に固着されている可動接点22が各々対向する固定接点21に接触して主接点26が閉極した状態(投入状態)となる。なお、上述の説明とは逆に図8に示す投入状態から操作部2aを起立させる方向へハンドル2を回動すれば、ハンドルリンク11の駆動軸11bが前方へ移動し、コイルばね19のばね力によって可動枠17が上方へ移動するために可動接点22が固定接点21から離れて主接点26が開極し、図9に示す開放状態となる。なお、図5に示すようにハンドル2の操作部2aには一端側略中央より突出する突起2dが突設されており、主接点26が開極した開放状態においてラッチ板13のラッチ片13a上端縁に突起2dが当接し(図9参照)、ラッチ板13の回動が規制されている。
【0022】
上述のように構成される開閉機構部5は、主接点26の閉極状態において主回路に漏電電流が流れれば第1の電磁釈放装置9Aの作動により、中性線に欠相が生じれば第2の電磁釈放装置9Bの作動により、短絡電流や過負荷電流などの異常電流が流れれば引外し装置6,6の作動により、引外し部材60が駆動されてラッチ板13のラッチ状態が解除されて主接点26を強制的に開極させるように機能する。
【0023】
第1の電磁釈放装置9Aは、図6に示すように漏電保護回路50の出力により通電されて励磁される第1の電磁石と、励磁された第1の電磁石により移動させられてラッチ板13のラッチ状態を解除するように引外し部材60を駆動する第1のプランジャ93Aとを具備する。第1の電磁石は、漏電保護回路50の出力により通電されて励磁されるコイル90と、絶縁材料により両端部に開口を有する筒状に形成されて外側にコイル90が巻装されるコイル枠91と、磁性体により上方に開放する略コ字型に形成されたヨーク92とで構成され、第1のプランジャ93Aがコイル枠91内部に出没自在に挿入される。コイル枠91は軸方向両端部に外鍔91a,91bを有する角筒状に形成され、一方の外鍔91bの軸方向に直交する方向の両端部にはコイル90の端末を接続するコイル端子91c,91cが植設されており、これらの端子91c,91cが漏電保護回路50に接続される。漏電保護回路50では、後述するように零相変流器CTの2次巻線の出力が所定レベルを越えるとコイル90に通電して励磁する。また、コイル枠91の外鍔91bの図6における右方には突部95がコイル枠91と一体に突設されている。この突部95は、後述する第1のストッパ部材94Aが上下方向に移動自在に挿通されるストッパ部材挿通孔95aと、テストスイッチを構成する固定接点板96を支持する支持台95bとを有し、内部がコイル枠91の内部空洞に連通し且つ端部が開口させてある。また、突部95の支持台95bには固定接点板96が支持されるとともに、帯板状の導電部材を略へ字形に折曲してなる可動接点板97の基端部97aが固定され、可動接点板97の先端の接触部97bと固定接点板96とが接離自在に対向する。而して、固定接点板96と可動接点板97とでテストスイッチSWが構成されており、後述するようにテスト釦42の押操作によって撓められた可動接点板97の接触部97bが固定接点板96と接触導通してテストスイッチSWがオンすると試験回路52が作動して零相変流器CTに不平衡電流を流して擬似的に漏電状態を作り出すようになっている。
【0024】
第1のストッパ部材94Aは合成樹脂により矩形平板状に形成され、図6に示すように中央に第1のプランジャ93Aが挿通する挿通窓94cが開口する本体94aと、本体94aの一端側角部より下方に垂設されて先端部に係合突起94dが突出した腕部94bとを備える。また、本体94aの挿通窓94c前方の内周面からは図6における下方へ突出する取付突部94eが形成されている。而して、コイルばねからなるストッパ部材復帰ばね98の一端部に取付突部94eを嵌合して取り付け、腕部94bの側から突部95のストッパ部材挿通孔95aに第1のストッパ部材94Aを挿入すれば、ストッパ部材挿通孔95aの内壁面に形成されている係止段部95cにストッパ部材復帰ばね98の他端部が係止し、ストッパ部材復帰ばね98により反挿入方向へ付勢された状態で第1のストッパ部材94Aが突部95に取り付けられる。
【0025】
第1のプランジャ93Aは磁性を有する金属板を折曲することにより、図6に示すように下方に開放する断面形状略コ字形の主部93aと、主部93aの右側端面より外側へ略ハ字状に開く脚片93b,93bとが一体に形成されている。ここで、片方の脚片93bを略鈎形に折曲することでその下端に駆動片93cが一体に形成されている。而して、コイルばねからなるプランジャ復帰ばね99に内挿した主部93aの左端を、突部95の開口から突部95に取り付けられた第1のストッパ部材94Aの挿通窓94cを通過してコイル枠91の内部にまで挿入することにより、コイル枠91の右端側の開口から突部95の開口を通して第1のプランジャ93Aが出没自在となる。ここで、図12に示すように突部95の内部は開口側の大径部位とコイル枠91側の小径部位とからなり、開口から大径部位内に挿入されたプランジャ復帰ばね99が小径部位の開口周縁部と第1のプランジャ93Aの脚片93b,93bとの間に圧縮状態で介装され、プランジャ復帰ばね99によって第1のプランジャ93Aがコイル枠91への反挿入方向へ付勢される。また、第1のストッパ部材94Aは、本体94aの挿通窓94c後方の周縁部94fが第1のプランジャ93Aの主部93aの開放端縁に当接してストッパ部材挿通孔95aからの抜け止めが図られている。
【0026】
ヨーク92は、図6に示すように両側片92a,92aがコイル90の軸方向に沿って外鍔91a,91aに当接するようにコイル枠91の後方側に取着される。ここで、右端側の側片92aには第1のプランジャ93Aを逃がすための逃がし溝92bが形成されており、この逃がし溝92bを通してコイル枠91の内部に第1のプランジャ93Aが挿入される。また、左端側の側片92aはコイル枠91の上端側の開口を略半分程度被う寸法に形成されており、この開口を通して第1のプランジャ93Aの左端部とヨーク92の左端側の側片92aとが対向させてある。
【0027】
ところで、第1のプランジャ93Aの上端部には連結部101を介して漏電表示部材100Aが取り付けられる。漏電表示部材100は、後述するように第1のプランジャ93Aに連動して漏電表示位置と非漏電表示位置の間をスライド移動するものであって、非磁性材料によって矩形板状に形成され、前面右側部分には漏電状態を表す文字(例えば、「漏電」の2文字)が印刷等の適宜の方法で表示されている。また、漏電表示部材100の左側端縁の中央からは略L字形の連結部101が一体に形成されており、漏電表示部材100と連結部101とで全体が略コ字形となっている。連結部101はコイル枠91の内部に挿通可能な幅寸法であって、先端には第1のプランジャ93Aに固定される固定部102が一体に形成されている。この固定部102は連結部101よりも幅細であって先端部が二股に形成され、両端縁には係合爪102a,102aが突設されている。一方、第1のプランジャ93Aの主部93の左端縁からは固定部102を前後方向から狭持する3つの取付爪93d,93d,93dが突設されるとともに、固定部102の係合爪102a,102aを係合する係合溝93e,93eが主部93aの上部に形成されている。
【0028】
而して、図12に示すように漏電表示部材100がコイル枠91の前方に位置する向きで、コイル枠91の左端側の開口縁とヨーク92の側片92aの先端縁との隙間から固定部102並びに連結部101をコイル枠91の内部に挿入し、第1のプランジャ93Aの取付爪93d、93d、93dに固定部102を狭持させ且つ係合爪102a,102aを係合溝93e,93eに係合することで固定部102が第1のプランジャ93Aに抜け止め状態で固定される。その結果、コイル枠91の左端側の開口から突出した連結部101が外鍔91aを跨ぐようにコイル枠91の前面側へ折り返され、漏電表示部材100がコイル枠91の前面と略平行に配置されることになる。但し、第1のプランジャ93Aがコイル枠91の内部から抜け出る方向に移動すると、図14に示すように連結部101がコイル枠91の外鍔91aに当接して第1のプランジャ93Aの抜け止めが図られる。
【0029】
なお、図6に示すように第2の電磁釈放装置9B並びに第2のストッパ部材94Bは、それぞれ第1の電磁釈放装置9A並びに第1のストッパ部材94Aと同一構成であるから同一の構成要素に同一の符号を付して説明を省略する。また、欠相表示部材110は漏電表示部材100と同一構成を有し、後述するように第2のプランジャ93Bに連動して欠相表示位置と非欠相表示位置の間をスライド移動するものであって、第2のプランジャ93Bの左端部に連結部111を介して取り付けられる。欠相表示部材110は非磁性材料によって矩形板状に形成され、前面右側部分には欠相状態を表す文字(例えば、「欠相」の2文字)が印刷等の適宜の方法で表示されている。
【0030】
一方、図6に示すように、可動枠17には第1のストッパ部材94A並びに第2のストッパ部材94Bの腕部94b、94bがそれぞれ進退自在に挿入される凹溝17b,17dが形成されるとともに、凹溝17b,17dの前端部には各腕部94b,94b先端の係合突起94d,94dが係合して抜け止めされる係合突部17c,17eが形成されている。
【0031】
上述のように構成される第1の電磁釈放装置9Aと漏電表示部材100、並びに第2の電磁釈放装置9Bと欠相表示部材110は、図3に示すようにケース1内に形成された3つのスペースのうちの隣り合わない両端のスペース(電圧線と接続する極が収納されるスペース)にそれぞれ配設される。このとき、図4に示すように漏電表示部材100がケース1(カバー1b)前面に形成された表示窓40Aに対向し、欠相表示部材110が同じくケース1(カバー1b)前面に形成された表示窓40Bに対向するとともに、テストスイッチSWを構成する可動接点板97がケース1(カバー1b)前面に押し込み自在に配設されたテスト釦42と対向する。ここで、2つの表示窓40A,40Bを、3つの極の並列方向(ケース1の幅方向)と略直交する方向(図4における上下方向)においてケース1前面の略同一の位置、すなわち、ケース1の下端から各表示窓40A,40Bの下端縁までの距離が略等しい位置に開口してあるため、ケース1前面から見た見栄えが良くなるものである。
【0032】
図7は第1の電磁釈放装置9Aを駆動する漏電保護回路50、第2の電磁釈放装置9Bを駆動する欠相保護回路51、並びに漏電試験用の試験回路52の回路図を示している。漏電保護回路50では、零相変流器CTの2次巻線の出力が電圧に変換されて漏電保護用IC50aの検出端子に入力され、漏電電流が流れることによって検出端子の入力電圧が所定レベルを越えると漏電保護用IC50aで漏電検出が行われて漏電検出信号が出力端子より出力され、この漏電検出信号でサイリスタSCR1をオンさせ、第1の電磁釈放装置9Aのコイル90に励磁電流を流して主接点26を開極し、負荷保護を図るのである。また、試験回路52は、電圧極に接続される2つの入力端子T1,T2間に常開のテストスイッチSW、抵抗RT、零相変流器CTのトロイダルコアの貫通孔に挿通するリード線Lxの直列回路を接続してなり、テストスイッチSWがオンされたときにリード線Lxに電流を流すことにより零相変流器CTに不平衡電流を流して擬似的に漏電状態を作り出している。
【0033】
一方、欠相保護回路51では、入力端子T1,T2からの入力電圧がダイオードブリッジDBにより全波整流されて欠相保護用IC51aに入力され、また、中性線と接続する入力端子T3からの検出線Lnが入力端子T1,T2間に接続された分圧抵抗R8,R9の分圧点に接続され、この分圧点がさらに抵抗R5,R6,R12,R13を通じて欠相保護用IC51aの検出端子に接続してある。検出端子の電圧は電源及び負荷が正常に接続されている場合には振幅の揃った脈流電圧が現れることになるが、中性線が断線して欠相が生じると、2つの電圧線の各相の負荷による分圧比によって交互に大小となる脈流電圧になり、この検出端子の電位が所定レベルを越えると欠相保護用IC51aで欠相検出が行われて欠相検出信号が出力端子より出力され、この欠相検出信号でサイリスタSCR2をオンさせ、第2の電磁釈放装置9Bのコイル90に励磁電流を流して主接点26を開極し、負荷保護を図るのである。なお、これら漏電保護回路50、欠相保護回路51並びに試験回路52は、矩形平板状のプリント基板53に漏電保護用IC50aや欠相保護用IC51a等の回路部品を実装して構成され、図3並びに図8に示すようにケース1内部に収納される。
【0034】
次に、上述のように構成される第1の電磁釈放装置9Aの動作を説明する。まず、主回路に漏電電流が流れていない正常時においては、図11に示すように零相変流器CTの2次側に不平衡電流が流れないために漏電保護回路50がコイル90に通電せず、よってコイル90が励磁されないことからプランジャ復帰ばね99のばね力によって第1のプランジャ93Aがコイル枠91の内部から突出し、連結部101がコイル枠91の外鍔91aに当接する位置で停止する。このとき、可動枠17はハンドルリンク11に押し下げられて図11中下方へ移動し主接点26を閉極させている。また、第1のストッパ部材94Aは、腕部94bの係合突起94dが可動枠17の係合突部17cに係合しているために可動枠17の移動に合わせて下方へ引っ張られている。なお、この状態(正常状態)では第1のプランジャ93Aの駆動片93cは引外し部材60の基片60aに設けられた凹溝60hに挿通されて引外し部材60と干渉しないようになっている。このとき、連結部101によって第1のプランジャ93Aに連結されている漏電表示部材100は非漏電表示位置である移動範囲の一方の端位置(図11における右端の位置)にあり、ケース1の前面に設けられた表示窓40Aには漏電表示部材100の前面左側部分、すなわち漏電状態を示す文字が記されていない部位が臨み、表示窓40Aを通して非漏電状態(正常状態)であることが表示される。
【0035】
一方、地絡事故が発生して零相変流器CTの2次側に不平衡電流が流れれば、上述したように漏電保護回路50の出力によって第1の電磁釈放装置9Aのコイル90に通電される。通電によりコイル90が励磁されると、コイル90−第1のプランジャ93A−ヨーク92を通る磁路の磁気抵抗を小さくするように第1のプランジャ93Aに対して吸引力が働き、プランジャ復帰ばね99のばね力に抗して第1のプランジャ93Aがコイル枠91の内部に引き込まれて図11における左方へ移動する。第1のプランジャ93Aが左方へ移動すると、第1のプランジャ93Aの駆動片93cが引外し部材60の第1の係合部60dと係合して第1の係合部60dが突設されている駆動片60cに図11における左向きの力を作用させる。この左向きの力によって引外し部材60が引き外し部材復帰ばね61のばね力に抗して図11における反時計回りに回動し、引外し部材60の脚片60bとラッチ板13の先端部とのラッチが解除される。すると、図10に示すようにラッチ板13による支えがなくなったハンドルリンク11がラッチ板13に近づく向き(図10及び図11における右向き)に移動し、リンク軸36がハンドル軸8とハンドルリンク11の駆動軸11bとを結ぶ直線よりも可動枠17側(図10における左側)へ移動するから、ハンドル復帰ばね16のばね力によってハンドル2が起立方向(図10における時計回り)に回動し、それに合わせてハンドルリンク11の駆動軸11bが図10における左方向へ移動する。このため、ハンドルリンク11による可動枠17への押圧力が作用しなくなって、コイルばね19のばね力によって可動接触子25並びに可動枠17も図10における上方へ移動して主接点26が強制的に開極(トリップ)される(図12参照)。また、可動枠17の上方への移動によって腕部94bの係合突起94dと可動枠17の係合突部17cとの係合が外れ、ストッパ部材復帰ばね98のばね力によって第1のストッパ部材94Aが上方へ移動し、第1のストッパ部材94Aの本体94aの周縁部94fが第1のプランジャ93Aの主部93a下端側に形成されている凹溝状の係合部93fと係合する。このとき、第1のプランジャ93Aの右方への移動に伴って漏電表示部材100が漏電表示位置である移動範囲の他方の端位置(図12における左端の位置)に移動し、ケース1前面の表示窓40Aに漏電表示部材100の前面右側部分、すなわち漏電状態を示す文字が記されている部位が臨み、表示窓40Aを通して漏電状態であることが表示される。なお、表示窓40Aには漏電表示の文字を拡大するためのレンズ41が嵌め込まれており、漏電表示の文字が見やすくなっている。
【0036】
一方、主接点26が開極すれば零相変流器CTの2次側に不平衡電流が流れなくなり、漏電保護回路50による通電が停止してコイル90が励磁されなくなって第1のプランジャ93Aにも吸引力が働かず、プランジャ復帰ばね99のばね力によって第1のプランジャ93Aが図12における右方向へ移動しようとするが、上述のように第1のストッパ部材94Aの本体94aの周縁部94fが第1のプランジャ93Aの主部93a下端側に形成されている係合部93fと係合するため、図13に示すように第1のプランジャ93Aの移動が第1のストッパ部材94Aによって僅かの距離に規制され、漏電表示部材100が漏電表示位置で静止する。ここで、上述のように主接点26の開極により第1のプランジャ93Aが僅かに右方向へ移動すると、第1のプランジャ93Aの駆動片93cによる左向きの力が引外し部材60の駆動片60cに作用しなくなるため、引外し部材復帰ばね61のばね力により引外し部材60が図13における時計回りに回動して元の位置に復帰する。言い換えると、漏電検出による主接点26の強制開極後に引外し部材60が元の位置に復帰可能なように第1の係合部60dの厚み(直径方向の寸法)t1を設定しているのである。而して、上述したようにハンドル2を操作して主接点26を閉極させるリセット動作を行えば、可動枠17の下方への移動によって腕部94bの係合突起94dと可動枠17の係合突部17cとが係合し、ストッパ部材復帰ばね98のばね力に抗して第1のストッパ部材94Aが下方へ移動して第1のストッパ部材94Aの本体94aの周縁部94fと第1のプランジャ93Aの係合部93fとの係合が外れ、プランジャ復帰ばね99のばね力により第1のプランジャ93Aが右方へ移動して図8の投入状態に復帰する。
【0037】
次に、第2の電磁釈放装置9Bの動作を説明する。まず、中性線の欠相が生じていない正常時においては、図14に示すように欠相保護回路51がコイル90に通電せず、よってコイル90が励磁されないことからプランジャ復帰ばね99のばね力によって第2のプランジャ93Bがコイル枠91の内部から突出し、連結部101がコイル枠91の外鍔91aに当接する位置で停止する。このとき、可動枠17はハンドルリンク11に押し下げられて図14中下方へ移動し主接点26を閉極させている。また、第2のストッパ部材94Bは、腕部94bの係合突起94dが可動枠17の係合突部17eに係合しているために可動枠17の移動に合わせて下方へ引っ張られている。なお、この状態(正常状態)では第1のプランジャ93Bの駆動片93cは引外し部材60の基片60aに設けられた凹部60iに挿通されて引外し部材60と干渉しないようになっている。このとき、連結部101によって第2のプランジャ93Bに連結されている欠相表示部材110は非欠相表示位置である移動範囲の一方の端位置(図14における右端の位置)にあり、ケース1の前面に設けられた表示窓40Bには欠相表示部材110の前面左側部分、すなわち欠相状態を示す文字が記されていない部位が臨み、表示窓40Bを通して非欠相状態(正常状態)であることが表示される。
【0038】
一方、中性線が欠相すれば、上述したように欠相保護回路51の出力によって第2の電磁釈放装置9Bのコイル90に通電される。通電によりコイル90が励磁されると、コイル90−第2のプランジャ93B−ヨーク92を通る磁路の磁気抵抗を小さくするように第2のプランジャ93Bに対して吸引力が働き、プランジャ復帰ばね99のばね力に抗して第2のプランジャ93Bがコイル枠91の内部に引き込まれて図14における左方へ移動する。第2のプランジャ93Bが左方へ移動すると、第2のプランジャ93Bの駆動片93cが引外し部材60の第2の係合部60fと係合して第2の係合部60fが突設されている駆動片60eに図14における左向きの力を作用させる。この左向きの力によって引外し部材60が引き外し部材復帰ばね61のばね力に抗して図14における反時計回りに回動し、引外し部材60の脚片60bとラッチ板13の先端部とのラッチが解除される。すると、第1の電磁釈放装置9Aの場合と同様に、ハンドルリンク11による可動枠17への押圧力が作用しなくなって、コイルばね19のばね力によって可動接触子25並びに可動枠17も図14における上方へ移動して主接点26が強制的に開極(トリップ)される(図15参照)。また、可動枠17の上方への移動によって腕部94bの係合突起94dと可動枠17の係合突部17eとの係合が外れ、ストッパ部材復帰ばね98のばね力によって第2のストッパ部材94Bが上方へ移動し、第2のストッパ部材94Bの本体94aの周縁部94fが第2のプランジャ93Bの主部93a下端側に形成されている凹溝状の係合部93fと係合する。このとき、第2のプランジャ93Bの右方への移動に伴って欠相表示部材110が欠相表示位置である移動範囲の他方の端位置(図15における左端の位置)に移動し、ケース1前面の表示窓40Bに欠相表示部材110の前面右側部分、すなわち欠相状態を示す文字が記されている部位が臨み、表示窓40Bを通して欠相状態であることが表示される。なお、表示窓40Bにも欠相表示の文字を拡大するためのレンズ41が嵌め込まれており、欠相表示の文字が見やすくなっている。
【0039】
一方、主接点26が開極すれば、欠相保護回路51による通電が停止してコイル90が励磁されなくなって第2のプランジャ93Bにも吸引力が働かず、プランジャ復帰ばね99のばね力によって第2のプランジャ93Bが図15における右方向へ移動しようとするが、第1の電磁釈放装置9Aと同様に第2のストッパ部材94Bの本体94aの周縁部94fが第2のプランジャ93Bの主部93a下端側に形成されている係合部93fと係合するため、図16に示すように第2のプランジャ93Bの移動が第2のストッパ部材94Bによって僅かの距離に規制され、欠相表示部材110が欠相表示位置で静止する。ところが、上述のように主接点26の開極により第2のプランジャ93Bが僅かに右方向へ移動しても、第2のプランジャ93Bの駆動片93cによる左向きの力が引外し部材60の駆動片60eに作用したままであるため、引外し部材60は元の位置に復帰することができない。言い換えると、欠相検出による主接点26の強制開極後には引外し部材60が元の位置に復帰不可能なように第2の係合部60fの厚みt2を設定しているのである(t1<t2)。而して、この場合にはハンドル2を操作しても腕部94bの係合突起94dと可動枠17の係合突部17eとが係合せず、欠相検出による主接点26の強制開極をリセットすることはできない。すなわち、欠相が発生して負荷バランスが不平衡となっている場合にハンドル2を操作して主接点26を閉極すると、負荷に過電圧が印加されて負荷が故障する虞があるが、本実施形態では第2のストッパ部材94Bによって第2のプランジャ93Bの復帰が阻止されている状態では第2のプランジャ93Bにてラッチ部材13をラッチしない位置に引外し部材60を保持しているから、ハンドル2を操作しても主接点26が閉極することがなく、負荷に過電圧が印加されるのを防ぐことができるのである。
【0040】
一方、第2の電磁釈放装置9Bにより主接点26が強制開極された場合のリセットは以下のようにして行う。すなわち、第2のストッパ部材94Bと対向するケース1(カバー1b)前面に貫設されているリセット孔43から細い棒状の冶具を挿入し、この冶具の先端で第2のストッパ部材94Bの本体94a上部を押圧することにより、ストッパ部材復帰ばね98のばね力に抗して第2のストッパ部材94Bを図16における下方へ移動させれば、第2のストッパ部材94Bの本体94aの周縁部94fと第2のプランジャ93Bの係合部93fとの係合が外れ、プランジャ復帰ばね99のばね力により第2のプランジャ93Bが右方へ移動し、第2の電磁釈放装置9Bが正常時の状態に復帰する。その結果、第2のプランジャ93Bの駆動片93cによる左向きの力が引外し部材60の駆動片60eに作用しなくなるため、引外し部材復帰ばね61のばね力により引外し部材60が図16における時計回りに回動して図17に示すように元の位置に復帰する。そして、この状態ではハンドル2を操作して主接点26を閉極させるリセット動作を行えば、図14に示す主接点26の投入状態に復帰させることができる。
【0041】
【発明の効果】
請求項1の発明は、前面が開口する箱形に形成され、複数の隔壁により区分けされた内部の複数のスペースにそれぞれ主回路の各極を収納するボディと、ボディの前面側に被着されるカバーと、少なくとも一部がカバー前面に設けられたハンドル挿通孔を通して露出するハンドルと、ハンドルに取り付けられてハンドルの回動支点となるハンドル軸と、ボディに取り付けられてハンドル軸を軸支するフレームと、少なくともハンドルの回動操作に応じて各極の主接点を開閉する開閉機構と、主回路に異常電流が流れたときに開閉機構を作動させて主回路を強制的に開極させる引外し手段とを備え、カバー内側にハンドル軸の端部に係止する係止部を設けたので、ハンドル軸の端部に係止部を係止することでボディとカバーを仮止めすることができ、このため、ボディとカバーをねじで固定しなくてもボディからカバーが浮き上がるのを防ぎ、ハンドルがカバーのハンドル挿通孔周縁に当たって不用意に主回路が開放状態になる虞を無くして特性試験が容易に行えるようになり、また、ハンドル軸の端部と係止部の係止状態を解除すればボディとカバーを簡単に分離することができ、従来例に比べて特性調整作業が容易に行えるという効果がある。
【0042】
請求項2の発明は、請求項1の発明において、ハンドル軸の両端部にそれぞれ係止する一対の係止部を設けたので、カバーをボディに安定した状態で仮止めすることができるという効果がある。
【0043】
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において、カバーを熱可塑性樹脂で形成したので、カバーが弾性変形し易くなってハンドル軸の端部に簡単に係止部を係止することができるという効果がある。
【0044】
請求項4の発明は、請求項1又は2又は3の発明において、互いに対向するボディの隔壁間にフレームが配設され、ボディにカバーが被着された状態で各隔壁と突き合わされる複数の補助隔壁がカバーの内側に形成され、ハンドル軸の端部に対向する補助隔壁に係止部が設けられたので、係止部が設けられた補助隔壁の弾性変形を利用することでハンドル軸の端部に簡単に係止部を係止することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す半断面図である。
【図2】同上におけるカバーの背面図である。
【図3】同上のカバーを外した状態の正面図である。
【図4】同上の正面図である。
【図5】同上における開閉機構部の一部省略した分解斜視図である。
【図6】同上における第1及び第2の電磁釈放装置の分解斜視図である。
【図7】同上における漏電保護回路、欠相保護回路並びに試験回路の回路図である。
【図8】同上の閉極時の側面断面図である。
【図9】同上のハンドルによる開極時の側面断面図である。
【図10】同上の強制開極直前の側面断面図である。
【図11】同上の閉極時の側面断面図である。
【図12】同上の漏電検出により強制開極した瞬間の側面断面図である。
【図13】同上の漏電検出により強制開極した後の側面断面図である。
【図14】同上の閉極時の側面断面図である。
【図15】同上の欠相検出により強制開極した瞬間の側面断面図である。
【図16】同上の欠相検出により強制開極した後の側面断面図である。
【図17】同上の第2の電磁釈放装置をリセットしたときの側面断面図である。
【符号の説明】
1a ボディ
1b カバー
2 ハンドル
8 ハンドル軸
12 フレーム
72 補助隔壁
73 係止部

Claims (4)

  1. 前面が開口する箱形に形成され、複数の隔壁により区分けされた内部の複数のスペースにそれぞれ主回路の各極を収納するボディと、ボディの前面側に被着されるカバーと、少なくとも一部がカバー前面に設けられたハンドル挿通孔を通して露出するハンドルと、ハンドルに取り付けられてハンドルの回動支点となるハンドル軸と、ボディに取り付けられてハンドル軸を軸支するフレームと、少なくともハンドルの回動操作に応じて各極の主接点を開閉する開閉機構と、主回路に異常電流が流れたときに開閉機構を作動させて主回路を強制的に開極させる引外し手段とを備え、カバー内側にハンドル軸の端部に係止する係止部を設けたことを特徴とする回路遮断器。
  2. ハンドル軸の両端部にそれぞれ係止する一対の係止部を設けたことを特徴とする請求項1記載の回路遮断器。
  3. カバーを熱可塑性樹脂で形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の回路遮断器。
  4. 互いに対向するボディの隔壁間にフレームが配設され、ボディにカバーが被着された状態で各隔壁と突き合わされる複数の補助隔壁がカバーの内側に形成され、ハンドル軸の端部に対向する補助隔壁に係止部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2又は3記載の回路遮断器。
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