JP3684899B2 - 圧縮流体処理ノズル - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、糸条に圧縮流体処理加工を施して糸条の長手方向へ均一なループや交絡、たるみ等を有する嵩高糸を得る圧縮流体処理ノズルに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フィラメント糸に必要に応じて液体付与手段で液体例えば水を付与し、圧縮流体処理ノズルで圧縮流体処理を行ってフィラメント糸の長手方向へ連続して均一なループや交絡、たるみ等を有する嵩高糸を得る方法およびその方法に用いる圧縮流体処理ノズルとしては、特公昭34−8969号公報、特公昭35−6684号公報等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来の水を付与して嵩高糸を得る手段では、フィラメント糸に付与した原糸油剤、原糸モノマーやオリゴマー、付与水中のカルシウム塩やマグネシウム塩等が圧縮流体処理ノズルを構成しているジェットコアの内部、特にジェットコアの入り側内部に堆積して、リラックス状態で圧縮流体処理中のフィラメント糸の走行張力が次第に低下し、嵩高糸の長手方向のループムラや交絡ムラが生じ、加工安定性や糸質安定性が低下してしまう。そのため、1〜1.5日に1回の割合で前記ノズルをはずして特にジェットコアを洗浄する必要があった。そのため、生産性の向上を図れないという問題があった。
【0004】
この発明の目的は、圧縮流体処理加工中に圧縮流体処理ノズルの一部を構成するジェットコアの内壁に汚れを付着させないようにして、従来よりも圧縮流体処理ノズルの洗浄周期を長くし、生産性の向上を図った圧縮流体処理ノズルを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために請求項1によるこの発明の圧縮流体処理ノズルは、加工すべき糸条を供給して圧縮流体処理加工を行う圧縮流体処理ノズルであって、この圧縮流体処理ノズルが、ボディ本体と、このボディ本体内に設けられた回転可能なノズルハウジングと、このノズルハウジングに設けられた前記糸条を供給して圧縮流体処理を施すジェットコアとで構成され、前記ノズルハウジングに被駆動伝達部材を装着せしめるとともに、前記ボディ本体内に前記被駆動伝達部材に回転を伝達せしめる駆動伝達部材を設けてなることを特徴とするものである。
【0006】
したがって、加工すべき糸条がノズル本体とノズルハウジングとジェットコアで構成されている圧縮流体処理ノズルの前記ジェットコア内へ供給されると共に、このジェットコアに圧縮流体が送られて糸条の長手方向へ均一なループや交絡、たるみ等が形成されて嵩高糸が得られる。しかも、圧縮流体処理加工を糸条に施している間、前記ノズルハウジングが回転されることにより、ジェットコアが回転されるので、ジェットコアの糸条の入り側内壁には、糸条が固定しておらず、常にジェットコアの内壁に沿って相対的に移動される。而して、糸条はジェットコアの内壁に固定せず移動されているから、汚れがジェットコアの内壁に付着しても常に走行している糸条でもって、除去されるので、圧縮流体処理ノズルの洗浄周期が従来より長くなり、生産性の向上が図られると共に、糸質の安定化が図られる。
【0007】
ノズルハウジングに被駆動伝達部材が装着されていると共に、ボディ本体内に前記被駆動伝達部材に回転を伝達せしめる駆動伝達部材が設けられているから、圧縮流対処理ノズルそのもののメンテナンスが簡単で、操作性、取扱いがよく、糸掛け操作性もよい。しかも、全体の構造が簡単である。
【0008】
請求項2によるこの発明の圧縮流体処理ノズルは、請求項1の圧縮流体処理ノズルにおいて、前記駆動伝達部材に一方の駆動軸を一体化せしめると共にジェットボックス内に固定された支持部材に他方の駆動軸を設け、前記ジェットコアに形成された圧縮流体噴射孔に前記ノズルハウジングに形成された圧縮流体通路を介して前記ボディ本体に設けられた一方の圧縮流体処理用配管を連通せしめると共に前記支持部材に他方の圧縮流体処理用配管を設け、前記他方の駆動軸,圧縮流体処理用配管に一方の駆動軸,圧縮流体処理用配管をそれぞれほぼ同時に着脱可能に接続せしめてなることを特徴とするものである。
【0009】
したがって、支持部材に設けられている他方の駆動軸の回転がノズル本体に設けられた一方の駆動軸を介して駆動伝達部材に伝達され、さらに被駆動伝達部材を介してノズルハウジングが回転されるので、ジェットコアが回転される。また、圧縮流体は支持部材に設けられた他方の圧縮流体処理用配管に供給されると、ノズル本体に設けられた一方の圧縮流体処理用配管を介して圧縮流体通路に送られ圧縮流体噴射孔からジェットコア内へ噴射されて糸条の長手方向へ均一なループ,交絡,たるみ等が形成され嵩高糸が得られる。
【0010】
しかも、他方の駆動軸,圧縮流体処理用配管が一方の駆動軸,圧縮流体処理用ノズルにそれぞれほぼ同時に着脱可能に接続されているから、ノズル本体が支持部材に対してワンタッチで簡単に着脱される。
【0011】
請求項3によるこの発明の圧縮流体処理ノズルは、請求項1又は2の圧縮流体処理ノズルにおいて、前記ノズルハウジングに前記ジェットコアを着脱可能に設けてなることを特徴とするものである。
【0012】
したがって、ジェットコアがノズルハウジングより簡単に外れるので、あらゆる糸種の加工のジェットコアが簡単に交換される。
【0013】
請求項4によるこの発明の圧縮流体処理ノズルは、請求項1,2又は3の圧縮流体処理ノズルにおいて、前記被駆動伝達部材、駆動伝達部材が、それぞれウオームホイール、ウオームであることを特徴とするものである。
【0014】
したがって、被駆動伝達部材,駆動伝達部材がそれぞれウオームホイール、ウオームであるから、簡単な機構でもってノズルハウジングに回転が伝達される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0016】
図1,図2および図3を参照するに、エア加工機1は、ジェットボックス3を備えており、このジェットボックス3内の例えば後部に支持部材5が固定されており、この支持部材5には、糸条としてのフィラメント糸に圧縮流体処理加工を施す圧縮流体処理ノズル7が着脱可能に設けられている。このノズル7は主としてボディ本体9とノズルハウジング11とジェットコア13とで構成されている。このジェットコア13はノズルハウジング11に着脱可能に設けられていると共に、ノズルハウジング11は前記ボディ本体9に回転可能に設けられている。
【0017】
前記ジェットボックス3内の上方にはジェットボックス3の上壁3Uより液体付与手段としての水付けノズル15が設けられていると共に、水付け部17が設けられている。また、ジェットボックス3の上壁3Uにはヤーンガイド19,21が設けられていると供に前壁にはヤーンガイド23が設けられている。前記ジェットボックス3における右側壁3Rの内側にはヤーンガイド25,27が設けられている。
【0018】
前記水付けノズル15には液体としての例えば水を供給する配管29の一端が接続されていると供に配管29の他端は図示省略の液体供給源としてのタンクに接続されている。前記圧縮流体処理ノズル7のジェットコア13には圧縮エアを噴射せしめる複数の圧縮流体噴射孔としてのエア噴射孔31が円周方向へ適宜な間隔で設けられている。
【0019】
前記ノズルハウジング11には前記ジエツトコア13を内臓した圧縮流体室33が設けられており、この圧縮流体室33は前記各エア噴射孔31に連通されている。前記ノズルハウジング11には圧縮流体通路としてのエア供給孔35が設けられ、前記圧縮流体室33に連通されている。また、前記ボディ本体9にエア供給孔35に連通した一方の圧縮流体処理用配管37が設けられており,圧縮流体処理用配管37にはワンタッチ継手(オス)39が接続されている。また、前記支持部材5には他方の圧縮流体処理用配管41が接続されていると共に、圧縮流体処理用配管41の他端は図示省略のエア供給源に接続されている。この圧縮流体処理用配管41の先端にはワンタッチ継手(メス)43が接続されており、このワンタッチ継手(メス)43には前記ワンタッチ継手(オス)39がワンタッチで着脱可能に設けられている。
【0020】
前記ジェットボックス3の上方には芯フィラメント糸C、鞘フィラメント糸Eを前記圧縮流体処理ノズル7に供給するための供給ローラ45,47が設けられていると共に、加工された嵩高糸(流体加工糸)Yを図示省略の巻取りローラへ送り出すための送り出しローラ(リラックスローラ)49がジェットボックス3の下方に設けられている。
【0021】
上記構成により、図示省略の流体供給源より液体としての例えば水がポンプで吐出され、配管29から水付けノズル15に送られる。この水付けノズル15の水付け部17で芯フィラメント糸Cに加熱された水が付与されるものである。
【0022】
また、図示省略の圧縮エア供給源より圧縮エアが吐出され、圧縮流体処理用配管41,37を経てエア供給孔37,35を通りさらに圧縮流体室33を経て圧縮流体処理ノズル7のジェットコア13におけるエア噴射孔31に供給されると共に噴射されて芯フィラメント糸Cと鞘フィラメント糸Eとに圧縮流体処理加工が施されて嵩高糸Yが得られるものである。
【0023】
したがって、図示省略の供給パッケージから芯フィラメント糸C、鞘フィラメント糸Eがそれぞれ引き出されて供給ローラ45,47で送り出される。この供給ローラ45で送り出された芯フィラメント糸Cはヤーンガイド19を経て、水付けノズル15の水付け部17で加熱された水が付与される。水が付与された芯フィラメント糸Cはヤーンガイド25を通り圧縮流体処理ノズル7のジェットコア13に送られる。
【0024】
一方、鞘フィラメント糸Eは供給ローラ47で送り出されてヤーンガイド21、ヤーンガイド27を経て圧縮流体処理ノズル7のジェットコア13に送られる。このジェットコア13に送られた芯フィラメント糸Cと鞘フィラメント糸Eとに圧縮流体処理加工が施されてループや交絡、たるみを長手方向へ均一に有した嵩高糸Yが得られて送り出しローラ(リラックスローラ)49を経て図示省略の巻取りローラに巻取られることになる。
【0025】
前記圧縮流体処理ノズル7は、図2および図3によく示されているように、主にボディ本体9とノズルハウジング11とジェットコア13とで構成されていて、ノズルハウジング11に被駆動伝達部材としての一例のウオームホイール51が装着されていると共に、このウオームホイール51には前記ボディ本体9内に設けられた駆動伝達部材としてのウオーム53が噛合されている。このウオーム53には図2において水平方向へ延伸した回転自在な一方の駆動軸55が前記ボディ本体9内に軸受57を介して回転自在に支承が装着されている。なお、ウオームホイール51,ウオーム53は例えばステンレス,真鍮,黄銅などの錆びない材質からできているのがよい。
【0026】
一方の駆動軸55には図1に示されているように、継手59を介して前記ボディ本体9内に設けられている他方の駆動軸61に着脱可能に設けられている。この駆動軸61の後端には前記ジェットボックス3の後方に設けられたプーリ63が装着されている。このプーリ63と別の駆動プーリ65とにはゴムなどからなるベルト67が巻回されている。前記駆動プーリ67には駆動シャフト69を介して駆動モータ71が連結されている。図3において前記ウオームホイール51の右側にはカラー73を介してカバー75が複数のボルト77で前記ボディ本体7の後部に取り付けられている。前記一方の駆動軸55が他方の駆動軸61に接続されているときには、ボディ本体9が回らないように回り止めの役目を果たしている。
【0027】
上記構成により、駆動モータ71を駆動せしめると、駆動シャフト69を介して駆動プーリ65が回転される。この駆動プーリ65が回転されることにより、ベルト67、プーリ63を介して駆動軸61,55が回転され、さらにウオーム53,ウオームホイール51を介して前記ノズルハウジング11が回転されることになる。ジェットコア13はノズルハウジング11内に設けられているので、一緒に回転されることになる。
【0028】
したがって、圧縮流体処理用配管41より圧縮流体がエア供給孔37,35を経て圧縮流体室33に送られると、複数のエア噴射孔31からジェットコア13の導糸孔13H内へ圧縮流体が噴射され、ジェットコア13の導糸孔13H内へ供給された芯フィラメント糸Cと鞘フィラメント糸Eとに圧縮流体処理が施され、長手方向へ均一なループや交絡,たるみ等の嵩高糸Yが得られる。
【0029】
前記ジェットコア13の導糸孔13H内へ芯フィラメント糸Cと鞘フィラメント糸Eとが供給されて圧縮流体により嵩高糸Yが得られているとき、ノズルハウジング11は上述したごときウオームホイール51の回転で、図4に矢印で示したごとく回転されているから、ジェットコア13も同方向へ一緒に回転され、芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eはジェットコア13の内壁に一定の場所において固定して走行しておらず、常にジェットコア13の内壁における内周に沿って接触して走行されている。
【0030】
したがって、芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eの原糸オリゴマーなどの汚れがジェットコア13における導糸孔13Hの内壁に付着しようとするが、ノズルハウジング11,ジェットコア13の回転で、芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eはジェットコア13の一定の場所に常時固定しておらず、ジェットコア13における導糸孔13Hの内壁における内周に沿って移動しているので、汚れがジェットコア13における導糸孔13Hの内壁に付着したとしても、この付着場所に芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eが再度通過したときに汚れを除去せしめることができる。而して、ジェットコア13における導糸孔13Hの内壁には汚れが付着しないので、圧縮流体処理ノズル7の洗浄周期を、従来よりも長くすることができるので生産性の向上を図ることができる。また、ジェットコア13における導糸孔13Hの内壁には汚れが付着しなくなるから、芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eの走行張力の変動が従来よりも小さくなるから、安定した加工が得られ、糸質の安定した良好な嵩高糸を得ることができる。
【0031】
前記ノズルハウジング11にウオームホイール51が装着されていると共に、ボディ本体9内に前記ウオームホイール51に回転を伝達せしめるウオーム53が設けられているから、圧縮流体処理ノズル7そのもののメンテナンスを簡単に行うことができると共に、操作性、取扱いをよくすることができ、糸掛け操作性をよくすることができる。しかも、全体の構造を簡単にすることができる。
【0032】
また、支持部材5に設けられている他方の駆動軸61の回転がボディ本体9に設けられた一方の駆動軸55を介してウオーム53に伝達され、さらにウオームホイール51を介してノズルハウジング11が回転されるので、ジェットコア13が回転される。また、圧縮流体は支持部材5に設けられた他方の圧縮流体処理用配管41に供給されると、ボディ本体9に設けられた一方の圧縮流体処理用配管37を介して圧縮流体通路としてのエア供給孔35に送られ、エア噴射孔31からジェットコア13内に噴射されて糸条の長手方向へ均一なループ,交絡,たるみ等が形成され嵩高糸を得ることができる。
【0033】
しかも、他方の駆動軸61,圧縮流体処理用配管41が一方の駆動軸55,圧縮流体処理用配管37にそれぞれほぼ同時に着脱可能に接続されているから、ボディ本体9が支持部材5に対してワンタッチで簡単に着脱できる。
【0034】
前記ジェットコア13をノズルハウジング11より簡単に外すことができるので、あらゆる糸種の加工のジェットコアを簡単に交換することができる。
【0035】
さらに、被駆動伝達部材,駆動伝達部材がそれぞれウオームホイール51,ウオーム53であるから、簡単な機構でもってノズルハウジング11に回転を容易に伝達せしめることができる。
【0036】
前記ノズルハウジング11を回転せしめる回転手段として、ウオームホイール51をノズルハウジング11に装着し、前記ウオーム53をプーリ63,65,ベルト67および駆動モータ71を用いて回転せしめているが、スプロケット,チエンおよび駆動モータでもってウオーム53を回転せしめるようにしても構わない。また、ウオームホイール51,ウオーム53の代わりにそれぞれギヤを用いてもよい。ノズルハウジング11の回転は一方の回転ではなく、他方向の回転でもよく、さらに、正逆転を行うようにしても構わない。
【0037】
前記ノズルハウジング11を常時一方向又は他方向に連続して回転させるのではなく、ラックとピニオンなどを使って往復動可能に回動せしめるようにしても構わない。ノズルハウジング11の回転や往復動可能な回動を、連続して行うのではなく、一時的に停止しせしめて間歇的に回転又は回動せしめるようにしてもよい。要はノズルハウジング11を固定した状態ではなく、あらゆるどんな手段でもって回転せしめることを包含するものである。
【0038】
(実施例)
芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eにそれぞれナイロン6のFDY70D−24Fを用い、糸速400m/min、芯フィラメント糸Cのオーバーフィードを+35%、ノズルハウジング11を1回転30秒の条件下で、図1に示したエア加工機1でもって圧縮流体処理加工を行った。
【0039】
その結果、従来のノズル洗浄時期を1日〜1.5日に1回行っていたものが、本実施例では4日〜5日に1回の交換ですむようになった。すなわち、従来よりも3〜4倍の圧縮流体処理ノズル7の洗浄時期を遅らせることができた。したがって、生産性が従来よりも大幅に向上せしめることができた。しかも、加工の安定性、糸質の安定性は従来とほとんど変わらず、均一な嵩高糸が得られた。
【0040】
なお、この発明は前述した発明の実施の形態に限定されることなく、適宜な変更を行うことにより、その他の態様で実施し得るものである。本実施の形態では液体付与手段としての水付けノズル15で芯フィラメント糸Cに水を付与せしめる例で説明したが、水付けノズル15がなくても実施可能である。また、芯フィラメント糸C,鞘フィラメント糸Eを用いてコア加工について説明したが、芯フィラメント糸Cのみを用いてシングル加工を行うことも可能である。
【0041】
【発明の効果】
以上のごとき発明の実施の形態より理解されるように、請求項1の発明によれば、加工すべき糸がボディ本体と、ノズルハウジングと、ジェットコアで構成されている圧縮流体処理ノズルの前記ジェットコア内へ供給されると共に、このジェットコアに圧縮流体が送られて糸条の長手方向へ均一なループや交絡,たるみ等が形成された嵩高糸を得ることができる。しかも、圧縮流体処理加工を糸条に施している間、前記ノズルハウジングが回転されることにより、ジェットコアが回転されるので、ジェットコアの糸条の入り側内壁には固定しておらず、糸条が常にジェットコアの内壁に沿って相対的に移動される。而して、糸条はジェットコアの内壁に固定せず移動されているから、汚れがジェットコアの内壁に付着しても常に走行している糸条でもって除去されるので、圧縮流体処理ノズルの洗浄周期を従来より長くすることができ、生産性の向上を図ることができると共に糸質の安定化を図ることができる。
【0042】
ノズルハウジングに被駆動伝達部材が装着されていると共に、ボディ本体内に前記被駆動伝達部材に回転を伝達せしめる駆動伝達部材が設けられているから、圧縮流体処理ノズルそのもののメンテナンスを簡単に行うことができると共に、操作性,取扱いをよくすることができ、糸掛け操作性もよくすることができる。しかも、全体の構造を簡単にすることができる。
【0043】
請求項2の発明によれば、支持部材に設けられている他方の駆動軸の回転がノズル本体に設けられた一方の駆動軸を介して駆動伝達部材に伝達され、さらに、被駆動伝達部材を介してノズルハウジングが回転されるので、ジェットコアが回転される。また、圧縮流体は支持部材に設けられた他方の圧縮流体処理用配管に供給されると、ボディ本体に設けられた一方の圧縮流体処理用配管を介して圧縮流体通路に送られ圧縮流体噴射孔からジェットコア内へ噴射されて糸条の長手方向へ均一なループ,交絡,たるみ等が形成され嵩高糸を得ることができる。
【0044】
しかも、他方の駆動軸,圧縮流体処理用配管が一方の駆動軸,圧縮流体処理用配管にそれぞれほぼ同時に着脱可能に接続されているから、ボディ本体が支持部材に対してワンタッチで簡単に着脱できる。
【0045】
請求項3の発明によれば、ジェットコアがノズルハウジングより簡単に外れるので、あらゆる糸種の加工のジェットコアを簡単に交換せしめることができる。
【0046】
請求項4の発明によれば、被駆動伝達部材,駆動伝達部材がそれぞれウオームホイール,ウオームであるから、簡単な機構でもってノズルハウジングに回転を容易に伝達せしめることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を実施するエア加工機の主要部の斜視図である。
【図2】圧縮流体処理ノズル部分の左側面断面図である。
【図3】図2における正面断面図である。
【図4】この発明の動作を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 エア加工機
3 ジェットボックス
5 支持部材
7 圧縮流体処理ノズル
9 ボディ本体
11 ノズルハウジング
13 ジェットコア
15 水付けノズル(液体付与手段)
19〜27 ヤーンガイド
31 エア噴射孔(圧縮流体噴射孔)
33 圧縮流体室
35 エア供給孔(圧縮流体通路)
37 一方の圧縮流体処理用配管
39 ワンタッチ継手(オス)
41 他方の圧縮流体処理用配管
43 ワンタッチ継手(メス)
51 ウオームホイール(被駆動伝達部材)
53 ウオーム(駆動伝達部材)
55 一方の駆動軸
61 他方の駆動軸
63 プーリ
65 駆動プーリ
67 ベルト
69 駆動シャフト
71 駆動モータ
C 芯フィラメント糸
E 鞘フィラメント糸
Y 嵩高糸

Claims (4)

  1. 加工すべき糸条を供給して圧縮流体処理加工を行う圧縮流体処理ノズルであって、この圧縮流体処理ノズルが、ボディ本体と、このボディ本体内に設けられた回転可能なノズルハウジングと、このノズルハウジングに設けられ前記糸条を供給して圧縮流体処理を施すジェットコアとで構成され、前記ノズルハウジングに被駆動伝達部材を装着せしめると共に、前記ボディ本体内に前記被駆動伝達部材に回転を伝達せしめる駆動伝達部材を設けてなることを特徴とする圧縮流体処理ノズル。
  2. 前記駆動伝達部材に一方の駆動軸を一体化せしめると共にジェットボックス内に固定された支持部材に他方の駆動軸を設け、前記ジェットコアに形成された圧縮流体噴射孔に前記ノズルハウジングに形成された圧縮流体通路を介して前記ボディ本体に設けられた一方の圧縮流体処理用配管を連通せしめると共に前記支持部材に他方の圧縮流体処理用配管を設け、前記他方の駆動軸,圧縮流体処理用配管に一方の駆動軸,圧縮流体処理用配管をそれぞれほぼ同時に着脱可能に接続せしめてなることを特徴とする請求項1記載の圧縮流体処理ノズル。
  3. 前記ノズルハウジングに前記ジェットコアを着脱可能に設けてなることを特徴とする請求項1又は2記載の圧縮流体処理ノズル。
  4. 前記被駆動伝達部材,駆動伝達部材が、それぞれウオームホイール,ウオームであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の圧縮流体処理ノズル。
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