JP3684860B2 - 空気調和機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、例えば冷媒の蒸発潜熱を利用して室内空気の冷却・除湿を行う冷凍サイクルを備えた空気調和機に関する。
【0002】
【従来の技術】
冷媒の蒸発潜熱を利用して室内空気の冷却・除湿を行う冷凍サイクルを備えた空気調和機の一例として、家庭用のエアコンが挙げられる。このエアコンは、圧縮機、凝縮器および凝縮器へ室外空気を送風する送風機を備えた室外機と、蒸発器および蒸発器へ室内空気を送風する送風機を備えた室内機とを冷媒管で連結して冷凍サイクルを構成する構造となっている。そこで、蒸発器により冷却された空気を室内へ送風することにより冷房を行う。
【0003】
この冷房時に、室内空気をその露点温度以下まで冷却することにより室内空気中の湿気が凝縮し、それを回収することによって同時に除湿も行う。
さらに、エアコンの動作モードには、一般に、室内の冷却を主目的に行う「冷房モード」と、除湿を主目的に行う「除湿モード」がある。
【0004】
しかしながら、この「除湿モード」の運転時には、室内空気の温湿度条件、特に湿度によってエアコンの除湿性能が大きく異なるにも係わらず、あらかじめ決められた送風量で除湿運転が行われている場合が多く、各室内空気の雰囲気に対応した除湿運転が行われず、十分な除湿性能が得られないという問題点があった。
【0005】
そこで、十分な除湿性能を得るために、空気調和機に相対湿度検出手段を具備し、その検出された相対湿度から最大除湿量が得られる蒸発器の表面温度を求め、この表面温度になるよう蒸発器への送風量を制御することが、特開平5−126384号公報に開示されている。
【0006】
図10は特開平5−126384号公報に示された従来の空気調和機の除湿制御を示すブロック図、図11のその空気調和機の構成を示す構成図である。
図において、13は空気調和機、14は凝縮機、15は膨張弁、16はエバポレータ(蒸発器)、17は送風機、18は送風機、19はエバポレータ16の表面温度を検出する温度センサ、20は制御回路、21は圧縮機、22、23、24、25は冷媒管、26は目標エバポレータ表面温度設定部、27は送風量制御部、28は相対湿度演算部である。
【0007】
次に動作について説明する。
除湿運転については、相対湿度演算部28により室内空気の相対湿度が演算され、この相対湿度から最大除湿量の得られるエバポレータ16の目標表面温度を求める。この目標表面温度と温度センサ19により実測されたエバポレータ16の表面温度とを比較し、この比較結果に基づいて送風機18によるエバポレータ16表面への室内空気の送風量を送風量制御部27により制御し、室内空気の雰囲気に応じた最大の除湿量を得る。なお、これらの制御は制御回路20により行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来の空気調和機では、室内空気の除湿量を多くすることを念頭においた除湿制御が行われており、この制御方法では、例えば凝縮機14による凝縮温度や、圧縮機21周辺の高圧側と蒸発器(エバポレータ16)周辺の低圧側の圧力差などの冷凍サイクル動作の効率については考慮されていないため、除湿効率のよい状態で制御されているとはいえず、蒸発器(エバポレータ16)の目標表面温度、すなわち最大除湿量を得るために多大な電気入力を必要とすることがあるという問題点があった。
【0009】
ここで、除湿効率とは、除湿量を空気調和機の電気入力で除した値であり、単位電気入力当たりの除湿量を示すものである。
また、室内空気が比較的低湿度の場合には、蒸発器(エバポレータ16)の目標表面温度を得るために送風量を大きく絞らなければならず、このため低温空気を小風量で吹き出すことになり、室内へ冷気が入り込み、温度が必要以上に下がってしまい、室内の快適性を悪化させてしまうという問題点があった。
【0010】
この発明の目的は、上述のような課題を解決するためになされたもので、除湿効率がよく、室内の快適性を悪化させることのない空気調和機を得るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る空気調和機は、室内空気の乾球温度を検出する室内温度検出手段と、室内空気の相対湿度を検出する室内相対湿度検出手段と、蒸発器の冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、圧縮機の運転周波数を制御する運転周波数制御手段と、を備え、室内温度検出手段による室内温度と室内相対湿度検出手段による相対湿度に基づいて所定の除湿効率の得られる蒸発器の目標蒸発温度を求め、この目標蒸発温度と蒸発温度検出手段による蒸発温度に基づいて蒸発器送風機の送風量を制御するとともに、室内温度検出手段による室内温度と設定された目標室内温度との偏差に基づいて運転周波数制御手段により圧縮機の運転周波数を制御するものである。
【0013】
また、凝縮器へ送風する凝縮器送風機と、を備え、目標蒸発温度と蒸発温度検出手段による蒸発温度との偏差に基づいて蒸発器送風機の送風量を設定するとともに、所定の除湿効率が得られる圧縮機の運転周波数と凝縮器送風機の風量の関係に基づいて、圧縮機の運転周波数に応じた凝縮器送風機の送風量を設定するものである。
【0014】
また、室内温度検出手段による室内温度と蒸発器送風機の送風量と蒸発温度検出手段による蒸発温度に基づいて室内空気の相対湿度を求めるである。
【0015】
また、室内温度検出手段による室内温度と室内相対湿度検出手段による相対湿度に基づいて所定の除湿効率の得られる蒸発器の目標蒸発温度を求め、蒸発温度検出手段による蒸発温度よりも所定温度低い温度値が目標蒸発温度に近づくように蒸発器送風機の送風量を制御するものである。
【0016】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の実施の形態1である空気調和機の構成図、図2は室内相対湿度が一定、かつ室内温度が変化した場合の冷媒の蒸発温度と空気調和機の除湿効率との関係を示す図、図3は室内温度が一定、かつ室内相対湿度が変化した場合の冷媒の蒸発温度と空気調和機の除湿効率との関係を示す図である。
【0017】
図において、1は冷媒を圧縮する圧縮機、2は凝縮器、3は膨張手段を示す絞り機構、4は蒸発器であり、圧縮機1と、凝縮器2、絞り機構3、蒸発器4が冷媒管9により連結されて冷凍サイクルを形成する。5は四方弁、6は凝縮器2に近接して設置され、凝縮器2へ室外空気を送風する凝縮器送風機、7は蒸発器3に近接して設置され、蒸発器3へ室内空気を送風する蒸発器送風機である。
【0018】
10は蒸発器4に設けられ、例えば温度センサーからなる冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段、11は蒸発器送風機7の送風路に設けられ、例えば温度センサーからなり、室内空気の乾球温度を検出する室内温度検出手段、12は蒸発器送風機7の送風路に設けられ、例えば相対湿度センサーからなる室内相対湿度検出手段である。8は空気調和機の運転制御を行う制御器であり、制御器8の入力側には蒸発温度検出手段10、室内温度検出手段11、室内相対湿度検出手段12が接続され、出力側には圧縮機1、蒸発器送風機7、凝縮器送風機8が接続される。
【0019】
次に動作について説明する。
まず、室内温度検出手段11及び室内相対湿度検出手段12によりそれぞれ検出された室内温度Ta、室内相対湿度Raが制御器8に入力され、制御器8ではこの室内温度Ta、室内相対湿度Raにより除湿効率が最大となる冷媒の蒸発温度を求め、この蒸発温度を目標蒸発温度Te*として決定する。そこで、蒸発温度検出手段10により検出された蒸発温度Teが目標蒸発温度Te*に近づくように蒸発器送風機7の送風量の制御を行う。これにより、蒸発器4による室内の除湿効率が最大となる。
【0020】
ここで、除湿効率最大となる蒸発温度の決定方法について説明する。
冷凍サイクルを形成してなる空気調和機にて除湿を行う場合の除湿効率は、図2、図3に示すように、任意の室内空気条件毎に除湿効率最大となる蒸発温度があり、図2のように同じ室内相対湿度であっても室内温度が高いほどその蒸発温度も高いという特性があり、また、図3のように同じ室内温度であっても室内相対湿度が高いほどその蒸発温度も高いという特性がある。
【0021】
さらに、この除湿効率最大となる蒸発温度Te*は、室内空気の温度Taと相対湿度Raの組み合わせに対応して一義的に決定できる特性を有し、室内温度と室内相対湿度から例えば以下に示す数式1で演算することが可能である。
Te*=36.186×Ra−36.101+Ta ・・・ 数式1
よって、室内温度と室内相対湿度を検出すれば、除湿効率最大となる目標蒸発温度Te*はこの数式1により求めることができる。
【0022】
以上のように、室内空気温度および室内相対湿度に対応した最も除湿効率の高い目標蒸発温度を数式1により算出して、蒸発温度を目標蒸発温度Te*に近づくように蒸発器送風機の送風量の制御することにより、除湿効率の高い空気調和機の運転を行うことができる。
【0023】
実施の形態2.
図4はこの発明の実施の形態2である空気調和機の除湿運転制御のブロック線図、図5は最大除湿効率が得られる蒸発温度Temaxにおける室内温度Taと室内相対湿度Raの関係を示す図である。なお、空気調和機の構成図は図1と同じであり、図1を流用する。
図において、S1は周波数設定アルゴリズム、S2は目標蒸発温度設定アルゴリズム、S3は送風機風量設定アルゴリズム、S4は冷凍サイクル動特性、S5は室内負荷である。なお、制御器8は運転周波数制御手段を示す。
【0024】
次に動作について説明する。
まず、目標室内温度Ta*を設定する。この設定は、ユーザーが好みに合わせて手動で設定する場合や、制御器8により予め設定されている場合などがある。そこで、周波数設定アルゴリズムS1では、室内温度検出手段11により検出された室内温度Taと目標室内温度Ta*との偏差ΔTaに基づいて、制御器8により圧縮機1の運転周波数Fzが設定される。この運転周波数Fzの制御方法は、例えば偏差ΔTaに対する比例制御などにより行われる。
【0025】
目標蒸発温度設定アルゴリズムS2では、室内温度検出手段11により検出された室内温度Taと室内相対湿度検出手段12により検出された室内相対湿度Raに基づいて、目標蒸発温度Te*が設定される。すなわち、図5のデータを予め制御器8内に記憶しておき、検出された室内温度Taと室内相対湿度Raに基づいて最大除湿効率が得られる冷媒の蒸発温度Temaxを目標蒸発温度Te*として設定する。
【0026】
送風機風量設定アルゴリズムS3では、蒸発温度検出手段10により検出された蒸発温度Teと目標蒸発温度設定アルゴリズムS2により設定された目標蒸発温度Te*との偏差ΔTeに基づき蒸発器送風機の風量Neを設定する。この蒸発器送風機7の風量Neの制御方法は、例えば偏差ΔTaに対する比例制御などがある。
【0027】
また、最大除湿効率となる圧縮機1の運転周波数Fzと凝縮器送風機2の風量Ncの関係を予め制御器8内に記憶しておき、周波数設定アルゴリズムS1により設定された運転周波数Fzから凝縮器送風機2の風量Ncを設定する。さらに、外気温度検出手段を設けて、運転周波数Fzと凝縮器送風機2の風量Ncの関係に補正をかけてもよい。
【0028】
冷凍サイクル動特性S4では、室内温度Ta、室内相対湿度Ra、運転周波数Fz、凝縮器送風機2の風量Nc、蒸発器送風機7の風量Neにより、蒸発器の吹出温度Tao、吹出相対湿度Raoが定まる。
室内負荷S5では、蒸発器の吹出温度Tao、吹出相対湿度Raoにより、室内温度Ta、室内相対湿度Raが定まる。さらに、これら室内温度Ta、室内相対湿度Raは任意の時間間隔でフィードバックされる。
【0029】
以上のように、室内温度Taと目標室内温度Ta*との偏差ΔTaにより圧縮機1の運転周波数Fzを設定するので、従来のように室内温度Taを必要以上に下げることがないため、快適性を悪化させることなく空気調和機を駆動させることができる。
【0030】
また、室内温度Taと室内相対湿度Raにより最大除湿効率が得られるときの蒸発温度Temaxを目標蒸発温度Te*として設定し、蒸発温度Teと目標蒸発温度Te*との偏差ΔTeにより蒸発器送風機の風量Neを設定し、この設定された運転周波数Fzから最大除湿効率となる凝縮器送風機の風量Ncを設定するので、常に最も効率の良い除湿効率の状態で運転されることになり、省エネルギーを行うことができる。
【0031】
実施の形態3.
図6はこの発明の実施の形態3である空気調和機の蒸発器における入口空気状態と蒸発温度の関係を示す空気線図、図7は最大除湿効率が得られる蒸発器送風機風量における室内温度Taと室内相対湿度Raの関係を示す図、図8は空気調和機の室内相対湿度Raの推定方法のフローチャートである。なお、空気調和機の構成図は図1と同じであり、図1を流用する。また、図5も流用する。
【0032】
次に動作の概要について説明する。
まず、図6に示すように、蒸発器4における入口空気状態の室内温度Taが同じであっても室内相対湿度がRa1、Ra2と異なる場合には、最大除湿効率を実現する蒸発温度がTe1、Te2となり、異なることになる。
一方、図7に示すように、圧縮機1の運転周波数Fz、室内温度Ta、室内相対湿度Raが決まれば、最大除湿効率となるときの蒸発器送風機7の風量Veは一義的に求まる。
これらのことを利用し、室内温度Ta、蒸発温度Teを検出し、蒸発器送風機7の風量Ve、圧縮機1の運転周波数Fzより室内相対湿度Raを推定する。これにより、相対湿度センサー等の室内相対湿度検出手段の設置を省くようにする。
【0033】
次に図8を用いて詳細動作について説明する。
例えば空気調和機の圧縮機1の運転周波数Fzを22Hz、室内温度Taを24℃の状態であるとする。
まず、ステップS10で、室内温度検出手段11により室内温度Taを検出する。ステップS11で、室内温度Ta、現在の圧縮機1の運転周波数Fzに基づき図7より基準となる蒸発器送風機7の風量を例えばMi(4.8m3/min)に設定する。この風量Miは室内相対湿度Raが70%の場合に最大除湿効率になる風量である。
【0034】
ステップS12で、室内温度検出手段11による室内温度Taと上述の蒸発器送風機7の風量に対応した室内相対湿度Raに基づき図5より最大除湿効率となる冷媒の蒸発温度Temaxを求め、これを目標蒸発温度Te*とする。室内温度Taが24℃、室内相対湿度Raが70%であれば、Temax=Te*=13.2℃となる。
【0035】
ステップ13で、蒸発温度Teが一定の温度に安定するまで待機し、Teが一定温度になったらステップS14で蒸発温度Teを検出する。その後、ステップS15で、蒸発温度Teが、目標蒸発温度Te*に対して、どの範囲にあるか判定する。すなわち、目標蒸発温度Te*に対して上下に温度差ΔTe(=1.8℃)を設けて、Te*−ΔTe<Te<Te*+ΔTeの範囲にあるか判定する。もし、蒸発温度Teがこの範囲内である場合には室内相対湿度Raが70%となり、ステップS19へ進み、室内相対湿度Raは確定する。
【0036】
もし、この範囲内でなければ、ステップS16に進み、Te*−ΔTe>Teの範囲にあるか判定する。この範囲である場合には、ステップS17へ進み、図7より蒸発器送風機7の風量をLo(3.3m3/min)に変更し、室内相対湿度Raを60%に確定する。
また、上記範囲以外である場合には、Te*+ΔTe>Teの範囲にあることになり、ステップS18へ進み、図7より蒸発器送風機7の風量をHi(6.9m3/min)に変更し、室内相対湿度Raを80%に確定する。
以上の動作を任意の時間間隔ごとに行い、室内相対湿度Raを推定する。
【0037】
以上のように、室内温度Taと蒸発器送風機の風量Veと蒸発温度Teの関係から室内相対湿度を推定することにより、相対湿度センサー等の室内相対湿度検出手段を設置することなく室内相対湿度を検出でき、室内相対湿度検出手段の設置スペースを省くことができるとともに、コスト低減が計れる。
【0038】
実施の形態4.
実施の形態4では室内冷房負荷が小さい場合での冷房運転について述べる。
図9はこの発明の実施の形態4である空気調和機の冷房モードでの制御処理手順を示すフローチャートである。なお、空気調和機の構成図は図1と同じであり、図1を流用する。
【0039】
次に動作について説明する。
まず、ステップS20で、冷房モード、すなわち室内空気の冷却を主目的に行われる運転をスタートする。ステップS21で、室内温度検出手段11により室内温度Ta及び室内相対湿度検出手段12により室内相対湿度を検出する。
【0040】
ステップS22で、ユーザによる手動設定また制御器8による予め設定された目標室内温度Ta*と室内温度Taとの比較を行い、両者の温度差が大きい場合、例えば1.0℃以上であればステップS24へ進み、高顕熱比運転モードに入る。一方、その温度差が小さい場合、例えば1.0℃未満であればステップS23へ進む。
【0041】
ステップS23で、室内が高湿度であるかどうか、例えば70%以上であるかどうかを判別し、70%以下であればステップS24へ進み、高顕熱比運転モードに入る。一方、70%以上、すなわち、室内が高湿であり、かつ目標室内温度と室内温度との差が小さい場合には、ステップS25へ進み、低顕熱比運転モードに入る。その後、ステップS26で、所定時間経過した後、ステップS21へ戻り、上記動作を繰り返す。
【0042】
上記動作において、高顕熱比運転モードでは、あらかじめ目標室内温度Ta*と室内温度Taの偏差により決定される圧縮機1の運転周波数Fz、および蒸発器送風機7の風量Veで運転されるが、低顕熱比運転モードでは、蒸発温度検出手段10により現在の蒸発温度Teを検出し、目標蒸発温度Te*を蒸発温度Teより低く、例えば2℃低く設定する(Te*=Te−2℃)。そして、蒸発器送風機7の送風量を蒸発温度がTe*に近づくように制御を行う。
なお、この高顕熱比運転モードと低顕熱比運転モードは利用者が手動で切り替えてもよい。
【0043】
以上のように、室内冷房負荷が小さい場合での冷房運転時においても、低顕熱比運転モードにより室内の相対湿度を確実に下げることができる。
【0044】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0045】
室内温度検出手段による室内温度と室内相対湿度検出手段による相対湿度に基づいて所定の除湿効率の得られる蒸発器の目標蒸発温度を求め、この目標蒸発温度と蒸発温度検出手段による蒸発温度に基づいて蒸発器送風機の送風量を制御するとともに、室内温度検出手段による室内温度と設定された目標室内温度との偏差に基づいて運転周波数制御手段により圧縮機の運転周波数を制御するので、室内空気温度および室内相対湿度に対応させ、最も除湿効率の高い蒸発温度で運転が行われ、電気入力に対して最大の除湿量を得ることができ、室内温度を必要以上に下げることなく、除湿運転することができ、快適性を悪化させることがない。
【0047】
また、目標蒸発温度と蒸発温度検出手段による蒸発温度との偏差に基づいて蒸発器送風機の送風量を設定するとともに、所定の除湿効率が得られる圧縮機の運転周波数と凝縮器送風機の風量の関係に基づいて、圧縮機の運転周波数に応じた凝縮器送風機の送風量を設定するので、圧縮機の運転周波数の変化に応じて最も除湿効率のよい状態で運転できる。
【0048】
また、室内温度検出手段による室内温度と蒸発器送風機の送風量と蒸発温度検出手段による蒸発温度に基づいて室内空気の相対湿度を求めるので、室内相対湿度検出手段を設けることなく室内相対湿度を検出できる。
【0049】
また、室内温度検出手段による室内温度と室内相対湿度検出手段による相対湿度に基づいて所定の除湿効率の得られる蒸発器の目標蒸発温度を求め、蒸発温度検出手段による蒸発温度よりも所定温度低い温度値が目標蒸発温度に近づくように蒸発器送風機の送風量を制御するので、室内冷房負荷が小さい場合の冷房運転においても室内の相対湿度を確実に下げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の構成図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の冷媒の蒸発温度と除湿効率の関係を示す図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を示す空気調和機の冷媒の蒸発温度と除湿効率の関係を示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態2を示す空気調和機の除湿運転制御のブロック線図である。
【図5】 この発明の実施の形態2を示す空気調和機の室内温度と室内相対湿度の関係を示す図である。
【図6】 この発明の実施の形態3を示す空気調和機の蒸発器における入口空気状態と蒸発温度の関係を示す空気線図である。
【図7】 この発明の実施の形態3を示す空気調和機の室内温度と室内相対湿度の関係を示す図である。
【図8】 この発明の実施の形態3を示す空気調和機の室内相対湿度の推定方法のフローチャートである。
【図9】 この発明の実施の形態4を示す空気調和機の冷房モードでの制御処理手順を示すフローチャートである。
【図10】 従来の空気調和機の除湿制御を示すブロック図である。
【図11】 従来の空気調和機の構成を示す構成図である。
【符号の説明】
1 圧縮機、 2 凝縮器、 3 絞り機構、 4 蒸発器、 6 凝縮器送風機、 7 蒸発器送風機、 8 制御器、 9 冷媒管、 10 蒸発温度検出手段、 11 室内温度検出手段、 12 室内相対湿度検出手段。
Claims (4)
- 圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張手段からなる冷媒回路を形成し、前記蒸発器へ室内空気を送風する蒸発器送風機を備え、室内空気の除湿を行う空気調和機において、
室内空気の乾球温度を検出する室内温度検出手段と、
室内空気の相対湿度を検出する室内相対湿度検出手段と、
前記蒸発器の冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、
前記圧縮機の運転周波数を制御する運転周波数制御手段と、
を備え、
前記室内温度検出手段による室内温度と前記室内相対湿度検出手段による相対湿度に基づいて所定の除湿効率の得られる前記蒸発器の目標蒸発温度を求め、この目標蒸発温度と前記蒸発温度検出手段による蒸発温度に基づいて前記蒸発器送風機の送風量を制御するとともに、前記室内温度検出手段による室内温度と設定された目標室内温度との偏差に基づいて前記運転周波数制御手段により圧縮機の運転周波数を制御することを特徴とする空気調和機。 - 前記凝縮器へ送風する凝縮器送風機と、を備え、
前記目標蒸発温度と前記蒸発温度検出手段による蒸発温度との偏差に基づいて前記蒸発器送風機の送風量を設定するとともに、
所定の除湿効率が得られる前記圧縮機の運転周波数と前記凝縮器送風機の風量の関係に基づいて、前記圧縮機の運転周波数に応じた前記凝縮器送風機の送風量を設定することを特徴とする請求項1項記載の空気調和機。 - 前記室内温度検出手段による室内温度と前記蒸発器送風機の送風量と前記蒸発温度検出手段による蒸発温度に基づいて室内空気の相対湿度を求めることを特徴とする請求項1記載の空気調和機。
- 圧縮機、凝縮器、蒸発器、膨張手段からなる冷媒回路を形成し、前記蒸発器へ室内空気を送風する蒸発器送風機を備え、室内空気の除湿を行う空気調和機において、
室内空気の乾球温度を検出する室内温度検出手段と、
室内空気の相対湿度を検出する室内相対湿度検出手段と、
前記蒸発器の冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温度検出手段と、
を備え、
前記室内温度検出手段による室内温度と前記室内相対湿度検出手段による相対湿度に基づいて所定の除湿効率の得られる前記蒸発器の目標蒸発温度を求め、前記蒸発温度検出手段による蒸発温度よりも所定温度低い温度値が前記目標蒸発温度に近づくように前記蒸発器送風機の送風量を制御することを特徴とする空気調和機。
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