JP2909955B2 - 空気調和装置の運転制御装置 - Google Patents

空気調和装置の運転制御装置

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JP2909955B2
JP2909955B2 JP7160278A JP16027895A JP2909955B2 JP 2909955 B2 JP2909955 B2 JP 2909955B2 JP 7160278 A JP7160278 A JP 7160278A JP 16027895 A JP16027895 A JP 16027895A JP 2909955 B2 JP2909955 B2 JP 2909955B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、空気調和装置の運転制
御装置に関し、特に、湿度制御対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、空気調和装置には、特公平1
−20339号公報に開示されているように、除湿運転
機能を備えたものがある。この空気調和装置は、除湿運
転を開始すると、室内ファンを微風状態に設定すると同
時に、圧縮機の運転及び停止を繰り返し、室内熱交換器
における冷媒蒸発をデューティ制御して室内を除湿する
ようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置
においては、インバータ等による容量制御が行われてな
いので、圧縮機の能力が一定であり、除湿運転を行って
いるものの、間欠的に冷房運転を行っているに過ぎず、
除湿に限界がある等の理由から、快適な空調運転が行わ
れていないという問題があった。
【0004】一方、近年、圧縮機及び室内ファンをイン
バータ制御して圧縮機の容量及び室内ファンの風量を多
段に制御し、冷房運転の精度を向上させるようにしてい
る。この従来の冷房運転は、顕熱能力と潜熱能力との関
係が一定であり、つまり、顕熱比(SHF)を一定に制
御しているので、圧縮機の能力を増大させるに従って室
内ファンの風量も増大し、逆に、圧縮機の能力を低下さ
せるに従って室内ファンの風量も低下するようにしてい
る。
【0005】したがって、例えば、冷房運転の開始時
は、室内の保有熱量が大きいので、圧縮機を高容量で運
転し、且つ室内ファンを高風量で運転する。つまり、圧
縮機及び室内ファンをインバータ制御する場合、圧縮機
の周波数を高周波数にし、且つ室内ファンの回転数を高
回転数にする。
【0006】その後、冷房負荷が低下すると、圧縮機の
周波数を低周波数にし、且つ室内ファンの回転数を低回
転数にする。そして、この圧縮機の周波数及び室内ファ
ンの回転数は、顕熱負荷とバランスする状態に保持され
ることになる。
【0007】しかしながら、上記の制御では、ユーザに
とって“温冷感”に対しては快適な状態にあるものの、
潜熱能力が不足しているため、湿度が高く、“蒸し暑
さ”を感じることになる。この場合、従来、乾球温度の
設定温度、つまり、設定室内温度を低下させて“蒸し暑
さ”を除去している。
【0008】ところが、これでは、設定室内温度を下げ
ているので、“冷え過ぎ”の状態になり、“やや寒い温
冷感”の状態で冷房運転していることになる。このた
め、体に悪い空調となり、快適な空調が行われていない
という問題があった。
【0009】また、従来より一般的に行われている除湿
運転は、顕熱負荷及び潜熱負荷が低い冷房運転状態とほ
ぼ同様であり、圧縮機を低周波数にし、且つ室内ファン
の回転数を低回転数にしている。この結果、顕熱能力が
低いものの、潜熱能力も低いので、“蒸し暑さ”を確実
に除去することができず、また、潜熱能力を高くする
と、顕熱能力も上昇するので、上述したように“やや寒
い温冷感”の除湿運転となり、快適性に劣るという問題
があった。
【0010】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもの
で、冷房運転時に十分な湿度制御を行えるようにして
“蒸し暑さ”等を解消し、快適な空調を行えるようにす
ることを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明が講じた手段は、顕熱能力を低下させるこ
となく潜熱能力を変化させるようにしたものである。
【0012】具体的に、図1に示すように、請求項1に
係る発明が講じた手段は、先ず、容量可変の圧縮機(2
1)と、熱源側熱交換器(23)と、膨張機構(24)と、
風量可変の利用側ファン(3F)を備えた利用側熱交換器
(31)とが順に接続されて少なくとも冷房運転の可能な
冷媒回路(11)が設けられている。そして、室内温度を
検出する室温検出手段(Th-r)と、該室温検出手段(Th
-r)の検出温度が設定温度になるように上記圧縮機(2
1)の容量と利用側ファン(3F)の風量とを制御する室
温制御手段(51)とが設けられている。更に、利用側熱
交換器(31)における冷媒の蒸発温度を検出する蒸発温
度検出手段(Th-e)が設けられている。加えて、上記室
温検出手段(Th-r)が検出した室内温度の設定温度に対
する差温が所定値になると、室温制御手段(51)に代
り、上記室内温度の設定温度と室内の目標湿度とに基づ
いて蒸発温度の目標温度を導出すると共に、上記蒸発温
度検出手段(Th-e)の検出温度が目標温度になるように
潜熱能力を変化させる湿度制御手段(52)が設けられて
いる。
【0013】また、請求項2に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明において、上記湿度制御手段
(52)が、所定の顕熱能力を保持して潜熱能力を増大さ
せるように構成されたものである。
【0014】また、請求項3に係る発明が講じた手段
は、上記請求項2の発明において、上記湿度制御手段
(52)が、圧縮機(21)の容量を増大させると同時に、
利用側ファン(3F)の風量を低下させて潜熱能力を増大
させるように構成されたものである。
【0015】また、請求項4に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明において、上記湿度制御手段
(52)が、所定の顕熱能力を保持して潜熱能力を減少さ
せるように構成されたものである。
【0016】また、請求項5に係る発明が講じた手段
は、上記請求項4の発明において、上記湿度制御手段
(52)が、圧縮機(21)の容量を減少させると同時に、
利用側ファン(3F)の風量を増大させて潜熱能力を減少
させるように構成されたものである。
【0017】また、請求項6に係る発明が講じた手段
は、上記請求項1の発明において、上記蒸発温度検出手
段(Th-e)が、利用側熱交換器(31)における中間冷媒
温度を検出するように該利用側熱交換器(31)に設けら
れたものである。
【0018】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、
先ず、冷房運転は、室温制御手段(51)が、室内温度の
制御を優先して行い、設定温度に基づいて圧縮機(21)
の容量及び利用側ファン(3F)の風量を所定値に制御す
る。そして、室温検出手段(Th-r)が検出した室内温度
が設定温度になったか否かを判定し、設定温度になるま
で通常の冷房運転を実行し、圧縮機(21)の容量及び利
用側ファン(3F)の風量を所定値に制御する。
【0019】その後、上記室内温度がほぼ設定温度にな
ると、湿度制御手段(52)が潜熱能力を制御し、蒸発温
度検出手段(Th-e)が検出した検出温度が目標温度にな
っているか否かを判定する。具体的に、請求項6に係る
発明では、蒸発温度検出手段(Th-e)が利用側熱交換器
(31)における冷媒管の中間部分の中間冷媒温度を検出
し、この中間冷媒温度が目標温度であるか否かを判定す
る。
【0020】そして、請求項2及び請求項3に係る発明
では、室内湿度が高い場合、圧縮機(21)の容量と利用
側ファン(3F)の風量とを演算し、利用側ファン(3F)
の風量を低下させて利用側熱交換器(31)の熱交換能力
を低下させ、その上で、圧縮機(21)の容量を増大さ
せ、低圧圧力を低下させる。これによって、顕熱能力が
そのままで潜熱能力を増大させて除湿能力を増加させ、
除去する水分量を増大させる。
【0021】また、請求項4及び請求項5に係る発明で
は、室内湿度が低い場合、圧縮機(21)の容量と利用側
ファン(3F)の風量とを演算し、利用側ファン(3F)の
風量を増大させて利用側熱交換器(31)の熱交換能力を
増加させ、その上で、圧縮機(21)の容量を低下させ、
低圧圧力を上昇させる。これによって、顕熱能力がその
ままで潜熱能力を低下させて除湿能力を減少させ、除去
する水分量を減少させる。
【0022】
【発明の効果】従って、請求項1に係る発明によれば、
室内温度Triの設定温度Trsetに対する差温が所定値に
なると、目標湿度RH-Tになるように潜熱能力を増減変化
させるので、顕熱負荷を除去しつつ湿度を制御すること
ができることから、快適性の向上を図ることができる。
【0023】また、蒸発温度検出手段(Th-e)の検出蒸
発温度を用いるので、湿度検出手段を設ける必要がな
く、部品点数の増加を防止することができる。つまり、
上記蒸発温度検出手段(Th-e)の検出蒸発温度は他のア
クチュエータの制御にも用いることができるので、検出
手段の共用化を図ることができ、構造の簡素化を図るこ
とができる。
【0024】また、請求項2及び3に係る発明では、室
内湿度が高い場合に潜熱能力を増大させので、室内の除
湿を確実に行うことができ、“蒸し暑さ”を解消するこ
とができる。特に、所定の顕熱能力を保持し且つ圧縮機
(21)の容量を増大させると同時に利用側ファン(3F)
の風量を低下させて潜熱能力を増大させるので、室内温
度の低下を防止することができ、“冷え過ぎ”の状態に
回避することができる。この結果、体に良い空調を行う
ことができることから、快適性の向上を図ることができ
る。
【0025】また、請求項4及び5に係る発明では、室
内湿度が低い場合に潜熱能力を低下させので、室内の除
湿を低減することができ、“乾燥し過ぎ”を回避するこ
とができる。特に、所定の顕熱能力を保持し且つ圧縮機
(21)の容量を低下させると同時に利用側ファン(3F)
の風量を増大させて潜熱能力を低減させるので、室内温
度の低下を防止することができ、“乾燥し過ぎ”の状態
を回避することができる。
【0026】更に、利用側ファン(3F)の風量増大によ
る入力増大に比して圧縮機(21)の容量低下による入力
低減が大きいことから、消費電力の低減を図ることがで
き、電力費の節減を図ることができる。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。そこで、先ず、本発明の前提となる湿度セ
ンサを備えた空気調和装置について説明する。
【0028】図2に示すように、空気調和装置(10)
は、所謂セパレートタイプに構成されており、一台の室
外ユニット(20)に対して一台の室内ユニット(30)が
接続されて1つの冷媒回路(11)を構成している。
【0029】上記室外ユニット(20)には、容量可変の
圧縮機(21)と、冷房運転サイクル時には図中実線の如
く、暖房運転サイクル時には図中破線の如く切換わる四
路切換弁(22)と、冷房運転時に凝縮器として、暖房運
転時に蒸発器として機能する熱源側熱交換器である室外
熱交換器(23)と、冷媒を減圧するための膨張機構を構
成する電動膨張弁(24)とが設けられている。
【0030】上記圧縮機(21)は、コンプレッサモータ
(CM)の周波数がインバータによって可変に調節されて
圧縮機容量が可変に構成されている。また、上記室外熱
交換器(23)には熱源側ファンである室外ファン(2F)
が設けられ、該室外ファン(2F)は、外ファンモータ
(FM-O)の回転数がインバータによって可変に調節され
て風量が可変に構成されている。
【0031】一方、上記室内ユニット(30)には、冷房
運転時に蒸発器として、暖房運転時に凝縮器として機能
する利用側熱交換器である室内熱交換器(31)が設けら
れている。上記室内熱交換器(31)には利用側ファンで
ある室内ファン(3F)が設けられ、該室内ファン(3F)
は、内ファンモータ(FM-I)の回転数がインバータによ
って可変に調節されて風量が可変に構成されている。
【0032】そして、上記圧縮機(21)と四路切換弁
(22)と室外熱交換器(23)と電動膨張弁(24)と室内
熱交換器(31)とが順に冷媒配管(12)によって接続さ
れて冷媒回路(11)が構成され、該冷媒回路(11)は、
冷媒の循環により熱移動を生ぜしめるように冷房運転サ
イクルと暖房運転サイクルとに四路切換弁(22)の切換
えによって可逆運転可能な閉回路に構成されている。
【0033】図3は、上記空気調和装置(10)における
電気制御系(40)の要部を示しており、交流電源(41)
から交流電力が電力変換部(42)に供給され、該交流電
力は、電力変換部(42)で所定の制御電力に変換されて
いる。更に、上記制御電力は、例えば、インバータ回路
からなる周波数制御部(43)と回転数制御部(44)とに
供給され、該周波数制御部(43)及び回転数制御部(4
4)から駆動電力が圧縮機(21)のコンプレッサモータ
及び室内ファン(3F)の内ファンモータ(FM-I)に供給
されている。尚、図示しないが、室外ファン(2F)の外
ファンモータ(FM-O)にも電力変換部(42)から室内フ
ァン(3F)と同様に回転数制御部を介して駆動電力が供
給されている。
【0034】更に、上記電力変換部(42)と周波数制御
部(43)と回転数制御部(44)とは、CPU(50)から
制御信号を受け、該周波数制御部(43)がコンプレッサ
モータ(CM)を周波数制御して圧縮機(21)の容量を制
御する一方、上記回転数制御部(44)が内ファンモータ
(FM-I)を回転数制御して室内ファン(3F)の風量を制
御している。
【0035】また、上記CPU(50)には、室内ユニッ
ト(30)が設置される室内の室内温度Triを検出する室
温検出手段である室温センサ(Th-r)が接続されると共
に、この前提技術では室内湿度RHを検出する湿度センサ
(Hu-r)が接続される一方、圧縮機(21)の回転数を検
出する圧縮機回転数センサ(Th-p)と、室内ファン(3
F)の回転数を検出するファン回転数センサ(Th-f)と
が接続されている。そして、上記CPU(50)は、室温
センサ(Th-r)の検出温度Triと湿度センサ(Hu-r)の
検出湿度RHと各回転数センサ(Th-p,Th-f)の検出回転
数とに基づいて圧縮機(21)の容量と室内ファン(3F)
の風量とを制御すると共に、電動膨張弁(24)の開度及
び室外ファン(2F)の風量等を制御している。
【0036】また、上記CPU(50)には、室温制御手
(51)と湿度制御手段(52)とが設けられている。該
室温制御手段(51)は、室温センサ(Th-r)の検出温度
Triが設定温度Trsetになるように圧縮機(21)の容量
と利用側ファン(3F)の風量とを制御している。具体的
に、該室温センサ(Th-r)は、周波数制御部(43)と回
転数制御部(44)とに周波数信号及び回転数信号を出力
して圧縮機(21)の周波数(圧縮機(21)の容量)と室
内ファン(3F)の回転数(室内ファン(3F)の風量)と
を制御している。
【0037】この前提技術における上記湿度制御手段
(52)は、室温センサ(Th-r)が検出する室内温度Tri
の設定温度Trsetに対する差温が所定値になると、室温
制御手段(51)に代り、湿度センサ(Hu-r)の検出湿度
RHが目標湿度(快適湿度)RH-Tになるように潜熱能力を
増大させている。つまり、該湿度制御手段(52)は、所
定の顕熱能力を保持しつつ、圧縮機(21)の周波数を増
大させると同時に、室内ファン(3F)の回転数を低下さ
せ、潜熱能力を増大させて除湿能力を増加させるように
構成されている。
【0038】 −潜熱能力の制御原理− そこで、上記湿度制御手段(52)が潜熱能力を増大させ
る基本的原理について説明する。
【0039】図4は、圧縮機(21)の周波数と室内ファ
ン(3F)の風量との変化に対する顕熱能力と潜熱能力と
の関係を示している。この図4において、室内ファン
(3F)の風量を一定として圧縮機(21)の周波数をH1か
らH5に増大すると、破線A1〜A5に沿って顕熱能力及び潜
熱能力が変化し、つまり、顕熱能力が増大するに従って
潜熱能力も増大することになる。一方、圧縮機(21)の
周波数を一定として室内ファン(3F)の風量をA1からA5
に増大すると、実線H1〜H5に沿って顕熱能力及び潜熱能
力が変化し、潜熱能力が低下するに従って顕熱能力が増
大することになり、逆にいうと、室内ファン(3F)の風
量を低下すると、顕熱能力が低下するに従って潜熱能力
が増大することになる。
【0040】従来の冷房運転は、顕熱比(SHF)を一
定に制御しているので、顕熱能力と潜熱能力とが対応し
ており、状態点SP-1から冷房運転を開始すると、圧縮機
(21)を高周波数で且つ室内ファン(3F)を高風量(高
回転数)で運転する。その後、冷房負荷が低下するに従
って、状態点SP-2及び状態点SP-3に移行し、圧縮機(2
1)の周波数及び室内ファン(3F)の風量を低下させる
ことになり、顕熱能力及び潜熱能力は図4において状態
線C1に沿ってほぼ直線的に変化することになる。
【0041】一方、図4における変化線L1,L2,L3は、
空調の対象となる部屋の冷房負荷を示しており、変化線
L1は木造住宅の部屋の冷房負荷を、変化線L2はマンショ
ンの部屋の冷房負荷を、変化線L3は高気密住宅の部屋の
冷房負荷を示している。これらの冷房負荷は、外気が上
昇(昼間)し、日照量及び室内外の温度差が増加すると
図4の右側に移行し、早朝及び夜間は図4の左側に時間
と共に移行することになる。このように、顕熱負荷は、
一日の時間によって変化するが、潜熱負荷は、一定値の
ままである。この理由は、潜熱負荷は、換気量と、在室
人数等の室内発熱とによって決まることから、理論上は
一定値となる。
【0042】したがって、従来の冷房運転は、運転の開
始初期では保有熱量が多きため、状態点SP-1となり、圧
縮機(21)を高周波数で且つ室内ファン(3F)を高風量
で運転するが、冷房負荷と冷房能力がバランスする状態
点SP-3では、侵入熱量のみの処理となり、圧縮機(21)
を低周波数で且つ室内ファン(3F)を低風量で運転する
ことになる。この結果、例えば、木造住宅の部屋L1では
潜熱能力の不足(図4のマル印の1参照)が生じ、“蒸
し暑さ”を感じることになる。
【0043】そこで、上述したように、室内ファン(3
F)の風量を一定として圧縮機(21)の周波数を増大す
ると、顕熱能力の増大に伴って潜熱能力も増大する一
方、圧縮機(21)の周波数を一定として室内ファン(3
F)の風量を低下すると、顕熱能力の低下に伴って潜熱
能力が増大する点に着目した。つまり、顕熱負荷が低下
すると、圧縮機(21)の周波数を増大させると同時に、
室内ファン(3F)の回転数を低下させ、潜熱能力を増大
させて除湿能力を増加させるようにしている。
【0044】詳述すると、上記室内ファン(3F)の回転
数を低下させると、室内熱交換器(31)の熱交換能力が
低下することから、圧縮機(21)の吸込側である低圧圧
力、具体的に、蒸発器となっている室内熱交換器(31)
の冷媒圧力が低下することになる。その上、圧縮機(2
1)の周波数である容量を増大していることから、低圧
圧力が低下し、室内熱交換器(31)における冷媒管表面
の露点温度が低下し、凝縮する水分量が増大することに
なる。
【0045】図5は、図4に示す圧縮機(21)の周波数
と室内ファン(3F)の風量との関係を示しており、顕熱
が1000Wの状態において潜熱能力の変化は、圧縮機
(21)の周波数の増大に伴って室内ファン(3F)の風量
が低下する関係にあることを示している。このことか
ら、所定の潜熱能力に対応した周波数が決まると、室内
ファン(3F)の風量、つまり、室内ファン(3F)の回転
数が定まることになる。
【0046】逆に、圧縮機(21)の周波数を低下させる
と同時に、室内ファン(3F)の回転数を増加させると、
潜熱能力が低下して除湿能力が低下することになり、つ
まり、除湿し過ぎが防止されることになる。以上の原理
に基づいて、潜熱能力の増加又は減少を行うようにして
いる。
【0047】 −空調運転− 次に、本発明の前提となる空気調和装置(10)の冷房運
転及び暖房運転の動作について説明する。
【0048】先ず、上記冷媒回路(11)の冷房運転サイ
クル時においては、圧縮機(21)より吐出した高圧の冷
媒が、室外熱交換器(23)で凝縮して液化し、この液冷
媒が、電動膨張弁(24)で減圧した後、室内熱交換器で
蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。一方、暖房運
転サイクル時においては、圧縮機(21)より吐出した高
圧の冷媒が、室内熱交換器(31)で凝縮して液化し、こ
の液冷媒が、電動膨張弁(24)で減圧した後、室外熱交
換器(23)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。
【0049】 −制御運転− 次に、冷房運転時における圧縮機(21)などの前提の制
御動作について説明する。尚、図6は詳細な制御動作を
示し、図7は概念的動作を示している。
【0050】そこで先ず、図7に基づいて、本制御にお
ける基本概念の動作について説明すると、本実施例の冷
房運転制御は、室内温度Triの制御を優先して行うこと
としており、ステップST21において、室内温度Triが
安定したか否かを判定する。つまり、室内温度Triが設
定温度Trsetになるまで室温制御手段(51)が通常の冷
房運転を実行する。その後、室内温度Triが安定する
と、ステップST22に移り、室内湿度RHが目標湿度RH-T
になっているか否かを判定する。そして、室内湿度RHが
高い場合、ステップST23に移り、湿度制御手段(52)
が圧縮機(21)の周波数と室内ファン(3F)の回転数と
を演算し、続いて、ステップST24に移り、周波数信号
と回転数信号を出力して除湿を行うことになる。
【0051】次に、詳細な制御動作を図6に基づき説明
する。先ず、冷房運転を開始すると、ステップST1にお
いて、室内温度の設定温度TrsetがCPU(50)に入力
される。続いて、ステップST2に移り、CPU(50)の
室温制御手段(51)が設定温度Trsetに基づいて圧縮機
(21)の周波数信号を周波数制御部(43)に出力し、圧
縮機(21)の周波数が制御されて容量が所定値に制御さ
れる。
【0052】更に、上記ステップST2からステップST3
に移り、室温センサ(Th-r)が検出した室内温度Triが
設定温度Trsetより低くなったか否かを判定する。そし
て、現在の室内温度Triが設定温度Trsetより高い場
合、つまり、冷房負荷が大きく、顕熱負荷が高い場合で
あるので、ステップST3の判定がNOとなってステップ
ST4に移り、室温センサ(Th-r)の検出信号を取り込む
ことになる。
【0053】その後、上記ステップST2に移り、室温制
御手段(51)が検出室内温度Triと設定温度Trsetとに
基づいて圧縮機(21)の周波数信号を周波数制御部(4
3)に出力し、圧縮機(21)の周波数を制御する。その
際、圧縮機(21)の容量制御に対応して室内ファン(3
F)の風量も制御する。そして、このステップST2から
ステップST4の動作を繰り返して冷房運転を実行し、こ
のステップST2からステップST4までが室温制御ループ
を構成している。
【0054】つまり、上記室温制御手段(51)が通常の
冷房運転を実行し、室内温度制御を優先して行い、図8
の状態線C2に示すように、先ず、冷房負荷を除去する。
具体的に、下記の表1に示すように、室内温度Triが設
定温度Trsetになるまで、すなわち、室内温度Triが安
定するまでは、圧縮機(21)を高周波数で且つ室内ファ
ン(3F)を高風量にした後、冷房負荷の低下に伴って圧
縮機(21)の周波数及び室内ファン(3F)の風量を順次
低下し、顕熱能力及び潜熱能力を共に比例的に低下させ
る。また、上記室内温度Triが上昇した場合は、圧縮機
(21)の周波数及び室内ファン(3F)の風量を共に比例
的に増大させて顕熱能力及び潜熱能力を共に比例的に増
大させ、この増減動作を繰り返すことになる。
【0055】
【表1】
【0056】その後、室内温度Triが設定温度Trsetよ
り低くなると、上記ステップST3の判定がYESとなっ
て室温制御ループを抜けてステップST11に移り、湿度
制御ループに移行する。つまり、図8の状態点SP-4にお
いて、圧縮機(21)の周波数及び室内ファン(3F)の風
量が顕熱負荷に対応してバランスしていることになる。
【0057】続いて、上記ステップST11において、湿
度制御手段(52)が湿度制御を実行し、つまり、湿度セ
ンサ(Hu-r)が検出した室内湿度RHを取り込むことにな
る。そして、上記ステップST11からステップST12に
移り、現在の室内湿度RHが予めメモリに記憶されている
目標湿度RH-Tになっているか否かを判定する。具体的
に、室内湿度RHと目標湿度RH-Tとの湿度差ΔRH(ΔRH=
RH−RH-T)が5%より小さいか否かを判定する。
【0058】この湿度差ΔRHが5%以内である場合、上
記ステップST12の判定がYESとなってステップST1
3に移り、現在の運転状態を保持し、具体的に、現在の
圧縮機(21)の周波数及び室内ファン(3F)の風量を維
持して上記ステップST4に戻り上述の動作を繰り返すこ
とになる。
【0059】一方、上記湿度差ΔRHが5%以上である場
合、上記ステップST12の判定がNOとなってステップ
ST14に移り、現在の圧縮機(21)の周波数及び室内フ
ァン(3F)の風量を補正することになる。つまり、例え
ば、現在の圧縮機(21)の周波数及び室内ファン(3F)
の風量が、図8における状態点SP-4である場合で、室内
湿度RHが目標湿度RH-Tに比較して高い場合、居住者は
“蒸し暑さ”を感じている状態にある。
【0060】そこで、上記湿度制御手段(52)は、圧縮
機(21)の周波数を増大させると同時に、室内ファン
(3F)の回転数を低下させ、図8における状態点SP-5に
設定し、顕熱能力をそのままに保持して潜熱能力を増大
させて除湿能力を増加させる。この点が、上記表1の湿
度コントロールにおける実線矢符に示すように、本発明
も最も特徴とする点であり、通常の冷房運転では、圧縮
機(21)の周波数及び室内ファン(3F)の風量を共に比
例的に低下させていたのに代り、室内ファン(3F)の回
転数を低下させて室内熱交換器(31)の熱交換能力を低
下させ、その上で、圧縮機(21)の周波数を増大させ、
低圧圧力を低下させて凝縮する水分量を増大させるよう
にしている。
【0061】そして、上記圧縮機(21)の補正として
は、例えば、現在の周波数出力Comp.outに定数Chを加算
して新たな周波数出力Comp.out(Comp.out=Comp.out+
Ch)とする比例制御(P制御)を行う。また、室内ファ
ン(3F)の補正としては、圧縮機(21)と同様に比例制
御(P制御)を行い、圧縮機(21)の周波数出力Comp.o
utに定数(-11 )を掛けると共に、定数(1100)を加算
して新たな回転数Fan.out(rpm)とする(Fan.out(rpm)=
−11×Comp.out+1100)。
【0062】その後、上記ステップST14からステップ
ST4に戻り上述の動作を繰り返すことになり、上記ステ
ップST11からステップST14までが湿度制御ループを
構成している。この湿度制御ループは、上述したように
除湿のみを行うのではなく、冷房運転を行いつつ除湿を
行うようにしており、つまり、顕熱負荷を除去しつつ潜
熱能力の増大によって除湿を行っている。
【0063】以上のように、本発明の前提となる空気調
和装置(10)によれば、室内温度Triの設定温度Trset
に対する差温が所定値になると、検出湿度RHが目標湿度
RH-Tになるように潜熱能力を増大させるので、室内の除
湿を確実に行うことができ、“蒸し暑さ”を解消するこ
とができる。
【0064】更に、所定の顕熱能力を保持し且つ圧縮機
(21)の容量を増大させると同時に室内ファン(3F)の
風量を低下させて潜熱能力を増大させるので、室内温度
の低下を防止することができ、“冷え過ぎ”の状態に回
避することができる。この結果、体に良い空調を行うこ
とができることから、快適性の向上を図ることができ
る。
【0065】具体的に、図9の空気線図に示すように、
室内空気状態が●印の状態にある場合、従来、顕熱能力
と潜熱能力とを一定の比率(顕熱比SHF一定)で除湿
するので、ユーザは“蒸し暑さ”を感じて設定室内温度
を下げるため、◎印の空気状態になり、“冷え過ぎ”の
状態になっていたのに対し、本実施例では顕熱能力を一
定のまま潜熱能力を増大させるので、○印の空気状態と
することができ、“蒸し暑さ”のみを解消することがで
きる。
【0066】次に、本発明の最も特徴とする点について
説明する。本発明の特徴とするところは、上記図3にお
いて鎖線で示すように、前提技術で設けられた湿度セン
(Hu-r)に代えて、蒸発温度検出手段である熱交セン
サ(Th-e)を用いたものである。
【0067】上記熱交センサ(Th-e)は、室内熱交換器
(31)における冷媒の蒸発温度を検出するように構成さ
れている。具体的に、図10及び図11に示すように、
室内熱交換器(31)は、冷媒管(3a)に多数のフィン
(3b,3b,…)が取り付けられて構成され、上記熱交セ
ンサ(Th-e)は、冷媒管(3a)における冷媒の入口側と
出口側との間の中間部分に取り付けられて中間冷媒温度
を検出している。
【0068】一方、湿度制御手段(52)は、室温センサ
(Th-r)が検出した室内温度の設定温度に対する差温が
所定値になると、室温制御手段(51)に代り、上記室内
温度の設定温度Triと室内の目標湿度RT-Tとに基づいて
蒸発温度である検出熱交温度の目標温度ET-Tを導出する
と共に、上記熱交センサ(Th-e)の検出熱交温度ETが目
標温度ET-Tになるように潜熱能力を増大させている。
【0069】そこで、上述した熱交温度ETによって室内
湿度を制御し得る理由について説明する。図12に示す
空気線図において、例えば、室内の空気状態が状態点S
である場合、乾球温度が26℃で、露点温度が17.5
℃である。
【0070】一方、室内温度の設定は、乾球温度で行わ
れるため、乾球温度26℃における快適湿度を60%と
すると、室内熱交換器(31)の熱交温度ETは、17.5
℃以下にする必要がある。つまり、熱交温度ETを17.
5℃以下でなければ、侵入負荷に対して除湿を行い室内
湿度を60%に保つことができないことになる。
【0071】以上のことから、室内温度の設定温度Trs
etと目標湿度RH-Tがセットされると、あるべき熱交温度
ETを想定することができる。つまり、顕熱負荷と潜熱負
荷とが所定範囲内にあると仮定する場合には、実験的に
目標の熱交温度ET-Tは露点温度より3℃〜4℃低く設定
するればよいことになる。
【0072】したがって、例えば、室内温度の設定温度
Trsetが26℃の場合は目標の熱交温度である目標温度
ET-Tを13℃とし、室内温度の設定温度Trsetが25℃
の場合は熱交温度の目標温度ET-Tを12℃とし、この目
標温度ET-Tを予めメモリに記憶させている。
【0073】 −制御運転− 次に、冷房運転時における圧縮機(21)などの制御動作
について説明する。尚、図13及び図14は、前提技術
における図6及び図7に対応しており、図13は詳細な
制御動作を示し、図14は概念的動作を示している。
【0074】そこで、図14に基づいて、本制御におけ
る基本概念の動作について説明すると、本実施例の冷房
運転制御は、上記図7の動作とほぼ同様であり、先ず、
室内温度Triの制御を優先して行うこととしており、ス
テップST41において、室内温度Triが安定したか否か
を判定する。つまり、室内温度Triが設定温度Trsetに
なるまで室温制御手段(51)が通常の冷房運転を実行す
る。その後、室内温度Triが安定すると、ステップST4
2に移り、室内熱交換器(31)の熱交温度ETが目標温度
ET-Tに対して所定範囲内であるか否かを判定する。そし
て、熱交温度ETが所定範囲外である場合、ステップST4
3に移り、湿度制御手段(52)が圧縮機(21)の周波数
と室内ファン(3F)の回転数とを演算し、続いて、ステ
ップST44に移り、周波数信号と回転数信号を出力して
除湿を行うことになる。
【0075】次に、詳細な制御動作を図13に基づき説
明する。先ず、冷房運転を開始すると、実施例1におけ
る図6のステップST1からステップST4と同様に制御さ
れ、室内温度Triが安定して該室内温度Triが設定温度
Trsetより低くなると、ステップST3の判定がYESと
なって室温制御ループを抜けてステップST31に移り、
湿度制御ループに移行する。
【0076】そして、上記ステップST31において、湿
度制御手段(52)が湿度制御を実行し、熱交センサ(Th
-e)が検出した熱交温度ETを取り込むことになる。続い
て、ステップST32に移り、現在の熱交温度ETが予めメ
モリに記憶されている目標温度ET-Tに対して所定範囲内
になっているか否かを判定する。具体的に、熱交温度ET
と目標温度ET-Tとの温度差ΔET(ΔET=ET−ET-T)が±
1℃の範囲内(−1<ΔET<+1)か否かを判定する。
【0077】この温度差ΔETが±1℃の範囲内である場
合、上記ステップST32の判定がYESとなってステッ
プST33に移り、現在の運転状態を保持し、ステップST
4に戻ることになる。
【0078】一方、上記温度差ΔETが±1℃の範囲外で
ある場合、上記ステップST32の判定がNOとなってス
テップST34に移り、現在の圧縮機(21)の周波数及び
室内ファン(3F)の風量を補正することになる。つま
り、実施例1と同様に、現在が図8における状態点SP-4
である場合、室内湿度RHが目標湿度RH-Tに比較して高
く、居住者は“蒸し暑さ”を感じている状態にある。
【0079】そこで、上記湿度制御手段(52)は、圧縮
機(21)の周波数を増大させると同時に、室内ファン
(3F)の回転数を低下させ、図8における状態点SP-5に
移行し、顕熱能力がそのままで潜熱能力を増大させて除
湿能力を増加させる。この点が、本発明の特徴点であ
り、通常の冷房運転では、圧縮機(21)の周波数及び室
内ファン(3F)の風量を共に比例的に低下させていたの
に代り、室内ファン(3F)の回転数を低下させると共
に、圧縮機(21)の周波数を増大させ、低圧圧力を低下
させて凝縮する水分量を増大させるようにしている。
【0080】そして、上記圧縮機(21)の補正として
は、前提技術と同様に、例えば、現在の周波数出力Com
p.outに定数Chを加算して新たな周波数出力Comp.out(C
omp.out=Comp.out+Ch)とする比例制御(P制御)を
行う。また、室内ファン(3F)の補正としては、圧縮機
(21)と同様に比例制御(P制御)を行い、圧縮機(2
1)の周波数出力Comp.outに定数(-11 )を掛けると共
に、定数(1100)を加算して新たな回転数Fan.out(rpm)
とする(Fan.out(rpm)=−11×Comp.out+1100)。
【0081】その後、上記ステップST34からステップ
ST4に戻り上述の動作を繰り返すことになり、上記ステ
ップST31からステップST34までが湿度制御ループを
構成している。
【0082】−実施例の効果− 以上のように、本実施例によれば、室内温度Triの設定
温度Trsetに対する差温が所定値になると、室内の目標
湿度RH-Tになるように潜熱能力を増大させるので、室内
の除湿を確実に行うことができ、“蒸し暑さ”を解消す
ることができる。
【0083】更に、所定の顕熱能力を保持し且つ圧縮機
(21)の容量を増大させると同時に室内ファン(3F)の
風量を低下させて潜熱能力を増大させるので、室内温度
の低下を防止することができ、“冷え過ぎ”の状態に回
避することができる。この結果、体に良い空調を行うこ
とができることから、快適性の向上を図ることができ
る。
【0084】この点、前提技術と同様に、図9の空気線
図に示すように、室内空気状態が●印の状態にある場
合、従来、顕熱能力と潜熱能力とを一定の比率(顕熱比
SHF一定)で除湿するので、ユーザは“蒸し暑さ”を
感じて設定室内温度を下げるため、◎印の空気状態にな
り、“冷え過ぎ”の状態になっていたのに対し、本実施
例では顕熱能力を一定のまま潜熱能力を増大させるの
で、○印の空気状態とすることができ、“蒸し暑さ”の
みを解消することができる。
【0085】また、熱交センサ(Th-e)の検出蒸発温度
ETを用いるので、湿度センサ(Hu-r)を設ける必要がな
く、部品点数の増加を防止することができる。つまり、
上記熱交センサ(Th-e)の検出蒸発温度ETは他のアクチ
ュエータの制御にも用いることができるので、検出手段
の共用化を図ることができ、構造の簡素化を図ることが
できる。
【0086】 <その他の実施例> 上記実施例において、圧縮機(21)及び室内ファン(3
F)を比例制御(P制御)するようにしたが、本発明
は、圧縮機(21)及び室内ファン(3F)を比例積分制御
(PI制御)してもよく、また、ファジィ制御するよう
にしてもよい。要するに、熱交温度ETが目標温度ET-Tに
なるように潜熱能力を増大させる制御であればよい。
【0087】また、上記実施例は、室内を除湿する場合
について説明したが、請求項4及び請求項5の発明の実
施例として、除湿能力を低減するようにしてもよい。つ
まり、高気密住宅において、室内湿度が低くなり過ぎる
場合、湿度制御手段(52)は、圧縮機(21)の周波数を
低下させると同時に、室内ファン(3F)の回転数を増大
させ、図8における状態点SP-4から状態線C4に沿って、
顕熱能力がそのままで潜熱能力を低下させて除湿能力を
低下させる。この点、上記表1の湿度コントロールにお
ける鎖線矢符に示すように、通常の冷房運転では、圧縮
機(21)の周波数及び室内ファン(3F)の風量を共に比
例的に低下させていたのに代り、室内ファン(3F)の回
転数を増大させて室内熱交換器(31)の熱交換能力を増
大させ、その上で、圧縮機(21)の周波数を低下させ、
低圧圧力を上昇させて凝縮する水分量を減少させる。こ
の除湿能力の低減制御についても、冷房運転を行いつつ
潜熱能力を低下させることになる。
【0088】この結果、室内温度の低下を防止して“乾
燥し過ぎ”の状態を回避することができる。更に、室内
ファン(3F)の風量増大による入力増大に比して圧縮機
(21)の容量低下による入力低減が大きいことから、消
費電力の低減を図ることができ、電力費の節減を図るこ
とができる。
【0089】また、上記実施例においては、冷房運転を
行いつつ除湿能力の増大又は低下を行うようにしたが、
ドライ運転として別個の制御で実行するようにしてもよ
く、また、冷房運転の1つとして制御を実行するように
してもよいことは勿論である。
【0090】また、上記実施例の制御系には、図4及び
図8に示す圧縮機(21)の周波数と室内ファン(3F)の
回転数との関係を示す顕熱と潜熱との特性図をメモリに
マップとして記憶させ、このマップに基づいて圧縮機
(21)及び室内ファン(3F)を制御するようにしてもい
ことは勿論である。
【0091】また、上記実施例は、室外ユニット(20)
と室内ユニット(30)とを1台づつ備えた空気調和装置
(10)について説明したが、本発明は、複数の室内ユニ
ット(30)を備えたマルチ形のものであってもよく、ま
た、複数台の室外ユニット(20)を備えたものであって
もよいことは勿論である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】空気調和装置の冷媒回路図である。
【図3】電気制御系統を示す制御ブロック図である。
【図4】圧縮機周波数及びファン風量に対する顕熱と潜
熱との特性図である。
【図5】ファン風量に対する圧縮機容量の特性図であ
る。
【図6】前提技術となる空調制御のフロー図である。
【図7】図6の空調制御の概略動作を示すフロー図であ
る。
【図8】図6の室温制御及び除湿制御を示す圧縮機周波
数及びファン風量に対する顕熱と潜熱との特性図であ
る。
【図9】図6の室温制御及び除湿制御を示す空気線図で
ある。
【図10】実施例の室内熱交換器を示す正面図である。
【図11】図10の室内熱交換器の側面図である。
【図12】本実施例の制御を説明する空気線図である。
【図13】本実施例の空調制御のフロー図である。
【図14】図13の空調制御の概略動作を示すフロー図
である。
【符号の説明】
10 空気調和装置 11 冷媒回路 20 室外ユニット 21 圧縮機 22 四路切換弁 23 室外熱交換器 24 電動膨張弁 30 室内ユニット 31 室内熱交換器 3F 室内ファン 40 電気制御系 50 CPU 51 室温制御手段 52 湿度制御手段 Th-r 室温センサ Hu-r 湿度センサ Th-e 熱交センサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) F24F 11/02 102

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 容量可変の圧縮機(21)と、熱源側熱交
    換器(23)と、膨張機構(24)と、風量可変の利用側フ
    ァン(3F)を備えた利用側熱交換器(31)とが順に接続
    されて少なくとも冷房運転可能な冷媒回路(11)と、 室内温度を検出する室温検出手段(Th-r)と、 該室温検出手段(Th-r)の検出温度が設定温度になるよ
    うに上記圧縮機(21)の容量と利用側ファン(3F)の風
    量とを制御する室温制御手段(51)と、 利用側熱交換器(31)における冷媒の蒸発温度を検出す
    る蒸発温度検出手段(Th-e)と、 上記室温検出手段(Th-r)が検出した室内温度の設定温
    度に対する差温が所定値になると、室温制御手段(51)
    に代り、上記室内温度の設定温度と室内の目標湿度とに
    基づいて蒸発温度の目標温度を導出すると共に、上記蒸
    発温度検出手段(Th-e)の検出温度が目標温度になるよ
    うに潜熱能力を変化させる湿度制御手段(52)とを備え
    ていることを特徴とする空気調和装置の運転制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 湿度制御手段(52)は、所定の顕熱能力を保持して潜熱
    能力を増大させるように構成されていることを特徴とす
    る空気調和装置の運転制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 湿度制御手段(52)は、圧縮機(21)の容量を増大させ
    ると同時に、利用側ファン(3F)の風量を低下させて潜
    熱能力を増大させるように構成されていることを特徴と
    する空気調和装置の運転制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 湿度制御手段(52)は、所定の顕熱能力を保持して潜熱
    能力を減少させるように構成されていることを特徴とす
    る空気調和装置の運転制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 湿度制御手段(52)は、圧縮機(21)の容量を減少させ
    ると同時に、利用側ファン(3F)の風量を増大させて潜
    熱能力を減少させるように構成されていることを特徴と
    する空気調和装置の運転制御装置。 【請求項6請求項1記載の空気調和装置の運転制御
    装置において、 蒸発温度検出手段(Th-e)は、利用側熱交換器(31)に
    おける中間冷媒温度を検出するように該利用側熱交換器
    (31)に設けられていることを特徴とする空気調和装置
    の運転制御装置。
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