JP3684670B2 - 積層フィルム及びこれを用いた耐煮沸破袋性に優れた包装袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ポリアミド系の積層フィルムおよび該フィルムを用いた包装袋に関するものであり、より詳しくは、例えば水分含有食品や薬品等の包装袋、あるいは沸水処理やレトルト処理等などの過酷な処理、特に極めて過酷な処理である含気煮沸処理(気体を含んだ状態での煮沸処理を意味し、煮沸処理による気体と水蒸気の急激な膨張によって強力な破袋力を受ける、以下同じ)にも耐える強度特性を備えた積層フィルム、およびこの積層フィルムを用いた包装袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ポリアミド系の二軸延伸フィルムは、強靭性、耐ピンポール性、耐屈曲性および耐熱性等に優れていることから、様々の用途で広く利用されている。それらのポリアミドフィルムを包装袋として使用する際には、通常はその片面もしくは両面に印刷を施してその上に接着剤層を設け、更にその上にドライラミネート法や押出ラミネート法によりシーラント層を設けるなどしてポリアミド系の積層フィルムを製造し、この積層フィルムを用いて袋を作製する。そしてこの袋内に内容物を充填し、開口部をヒートシールすることによって密封包装体とする。この様な包装袋は、たとえば味噌や醤油などの調味料、スープやレトルト食品等の水分含有食品あるいは薬品などの包装用として使用されている。
【0003】
また近年、食文化の向上により本物指向が強くなり、たとえば麺類等のインスタント食品においても、乾麺タイプから生麺タイプへの切替えが進んでいる。生麺タイプの場合は、生麺を密封包装した後で加熱殺菌処理が行われるが、この加熱殺菌処理は、内部に気体が封入された含気状態で行われるため、熱により密封体内部の空気および水蒸気が急激に膨張し、シール部に引き剥し方向の大きな力がかかる。そのため、従来の包装材料に要求されてきた通常の耐水接着性のみでは耐シール性が不十分であり、含気煮沸処理によって生じる内圧にも耐え得る高レベルの耐水接着性が必要になってくる。味覚に対する消費者の要求は益々高度化する傾向があり、こうした要求に答えるため、含気煮沸処理条件も一段と過酷になってきている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記の様な事情に着目してなされたものであって、その目的は、煮沸処理やレトルト処理等の熱処理、とりわけ含気煮沸処理時においても高い耐破袋性を発揮し得る様なポリアミド系の積層フィルム、および該積層フィルムを用いた耐煮沸破袋性に優れた包装袋を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決することのできた本発明の積層フィルムとは、ポリアミド系基層フィルムの少なくとも片面に、接着剤層を介してシーラント層が形成された積層フィルムにおいて、接着剤層としてガラス転移点が10℃以下の架橋樹脂を用い、好ましくは該接着剤層厚みを1〜3.5g/m2 の範囲としたものであるところにその特徴を有している。
【0006】
上記ポリアミド系基層フィルムは、接着剤層の形成面側に接着改質層を設けたものを使用し、また該ポリアミド系基層フィルムとして、90℃の熱水中で縦方向または横方向に75%伸長させた時の、縦方向応力および横方向応力のいずれかもしくは両方が6.5×107 Pa以下であるものを使用することにより、得られる積層フィルムの耐煮沸破性を一段と優れたものとすることができるので好ましい。そして、該積層フィルムのシーラント層同士をシールして製袋すれば、内部に気体を含む状態でも非常に優れた耐煮沸破袋性を有する包装袋を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
上記の様に本発明では、ポリアミド系基層フィルムの少なくとも片面に接着剤層を介してシーラント層を設けた積層フィルムにおいて、接着剤層の構成素材としてガラス転移点が10℃以下の架橋樹脂を使用するところにその特徴を有しており、この様な積層フィルムの特性は、上記接着剤層の厚みを1〜3.5g/m2 の範囲に設定し、またポリアミド系基層フィルムとして、「90℃の熱水中で縦方向または横方向に75%伸長させた時の、縦方向応力および横方向応力のいずれかもしくは両方が6.5×107 Pa以下」のものを使用することによって容易に達成される。
【0008】
上記本発明においてポリアミド系基層フィルムとは、ポリアミド系樹脂を主成分とするフィルムであり、ポリアミド系樹脂としては、たとえば3員環以上のラクタム類の重縮合によるポリアミド系樹脂、ω−アミノ酸の重縮合によるポリアミド系樹脂、二塩基酸とジアミンとの重縮合によるポリアミド系樹脂が挙げられる。
【0009】
ここで3員環以上のラクタム類としては、ω−カプロラクタム、エナントラクタム、カプリルラクタム、ラウリルラクタム等;ω−アミノ酸としては、6−アミノカプロン酸、7−アミノヘプタン酸、9−アミノノナン酸、11−アミノウンデカン酸等;二塩基酸としては、アジピン酸、グルタル酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ウンデカジオン酸、ドデカジオン酸、ヘキサデカジオン酸、エイコサンジオン酸、エイコサジエンジオン酸、2,2,4−トリメチルアジピン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、2、6−ナフタレンジカルボン酸、キシリレンジカルンボン酸等;
ジアミン類としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサジエチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、2,2,4(または2,4,4)−トリメチルヘキサメチレンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ビスー(4,4’−アミノシクロヘキシル)メタン、メタキシリレンジアミン等が挙げられる。
【0010】
これらを重縮合して得られる重合体またはこれらの共重合体としては、たとえばナイロン6、ナイロン7、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6・6、ナイロン6・9、ナイロン6・11、ナイロン6・12、ナイロン6T、ナイロン6I、ナイロンMXD6、ナイロン6/6・6、ナイロン6/12、ナイロン6/6T、ナイロン6/6I、ナイロン6/MXD6等が挙げられる。
【0011】
上記ポリアミド系基層フィルムは、目的性能を損なわない限度で各種の添加剤、たとえば酸化防止剤、耐光剤、ゲル化防止剤、滑剤、ブロッキング防止剤、顔料、帯電防止剤、界面活性剤等を含有していても良い。
【0012】
ポリアミド系基層フィルムは、公知のフィルム製造法、たとえばTダイ法、インフレーション法などによって製造することができ、このフィルムは単層フィルムであってもよく、また共押出し等により多層構造としたものであっても勿論構わない。
【0013】
本発明における接着剤層は、上記ポリアミド系基層フィルムとシーラント層との接着を目的として設けられるもので、該接着剤層の構成素材としては、ガラス転移点が10℃以下の架橋樹脂を使用することが必要であり、より好ましくは8℃以下のものが勧められる。即ち該接着剤層を構成する素材のTgが10℃を超えるものでは、該接着剤層が脆くなって積層フィルムが全体として脆弱になり、該積層フィルムを製袋して含気煮沸処理した時に、膨張力がシール部に集中的に作用して破袋を起こし易くなる。又この接着剤層は煮沸処理条件下で十分な耐水性を示すことが必要であり、煮沸耐水性が不足する場合は積層フィルムが煮沸処理時に層間剥離を起こして構造強度が低下し、製袋後煮沸した時の耐破袋性が極端に劣化してくる。そのため該接着剤層としては優れた耐煮沸耐水性を確保するため架橋樹脂を使用することが必須となる。
【0014】
この様な要件を満たす架橋樹脂の好ましい例としては、主剤がポリエステル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエーテル系樹脂、あるいはそれらの複合樹脂などが挙げられ、架橋剤としては、イソシアネート系化合物、オキサゾリン系化合物、エポキシ系化合物、シラン系化合物、メラミン系化合物、フェノール・ホルムアルデヒド系樹脂などが挙げられる。これらの中でも特に好ましいのは、ポリエステル系あるいはポリエステルウレタン系樹脂と多官能イソシアネートとの組合せである。尚、該接着剤層のガラス転移点を10℃以下にする手段としては、主剤となる樹脂として低めのガラス転移点を有する樹脂を選択使用する方法である。
【0015】
この接着剤層は、主剤となる上記樹脂と架橋剤の溶液もしくはエマルションを常法に従ってポリアミド系基層フィルム上(もしくはその表面に形成される接着改質層上)に塗布することによって形成すれば良く、その好ましい厚さは乾燥量で1〜3.5g/m2 、より好ましくは1.5〜3.0g/m2 の範囲である。
【0016】
該接着剤層と上記ポリアミド系基層フィルムとの間には、任意の方式で任意の図柄の印刷インキ層を設けることができる。印刷インキ層の構成素材としては、セルロース系誘導体をバインダーとするインキあるいは合成樹脂をバインダーとするグラビアインキが主として使用される。特に、末端に水酸基等の官能基を有する塩化ビニル、ポリエステル、ポリエーテルポリオール等をバインダーとし硬化剤を併用したインキは好ましいものとして推奨される。この印刷インキ層は全面または部分的にあるいは任意の図柄で印刷により形成される。
【0017】
次にシーラント層の構成樹脂としては、LDPE(低密度ポリエチレン)、EVA(エチレン−ビニルアセテート共重合体)、アイオノマー、PP(ポリプロピレン)等の合成樹脂を好ましいものとして例示することができ、これらの樹脂を、ポリアミド系基層フィルムの少なくとも片面に設けた接着剤層の表面に押出しラミネート法やドライラミネート法等によって積層される。該シーラント層の種類、組成、厚み、構成等は特に制限されない。即ちこのシーラント層は、単層あるいは2層以上の複層のどちらでもよく、2層構造とする場合のベース層とシール層の厚み構成比等も一切制限がない。
【0018】
上記の様にシーラント層の構成は、上記要求特性を満たし得る限度で任意に選択できるが、最終の積層フィルムとしたときのシールエネルギーは大きい方が好ましく、そのためには、例えば、シーラント層におけるシール面側のポリマー組成がエチレン含有量2〜8重量%であるエチレンランダム共重合ポリプロピレン系重合体100重量部に対し、ポリオレフィン系エラストマーを0〜7重量部配合してなるポリプロピレン系無延伸フィルムが特に好ましいものとして推奨される。
【0019】
上記の様に本発明の積層フィルムは、基本的には、ポリアミド系基層フィルム−接着剤層−シーラント層よりなる3層積層構造で、接着剤層のガラス転移点が10℃以下という値を満足するものであればその目的を果たすことができるが、積層間の耐水接着性を一層高めるため、上記ポリアミド系基層フィルムと接着剤層の間に接着改質層を設けることは、好ましい方法として推奨される。ここで用いられる接着改質層の例としては、ポリエステル系樹脂をイソシアネート、オキサゾリン、メラミン、エポキシ化合物、シラン化合物等で架橋したもの;アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、あるいはポリウレタン系樹脂のアクリルグラフト共重合体など、あるいはこれらの樹脂を多官能性化合物で架橋した架橋樹脂等が好ましい例として挙げられる。該接着改質層には、本発明の特長を損なわない範囲で帯電防止剤、無機滑剤、有機滑剤等の添加剤を含有させても構わない。
【0020】
この様に、接着改質層を設けたポリアミド系積層フィルムを使用すると、積層フィルムにおける層間の耐水接着性が一層高められ、含気煮沸処理時のシール強度が一段と高められるので好ましい。
【0021】
上記構成からなる本発明の積層フィルムは、その優れた特性を活かして様々の形態の包装に利用できるが、その特長が最も有効に発揮されるのは、内容物を含気状態で密封包装するための包装袋としての利用である。
【0022】
そして本発明の包装袋は、上記積層フィルムにおけるシーラント層同士をヒートシール等によりシールし製袋してなるものであり、この袋内に被包装物を含気状態で密封包装した状態で煮沸処理したときでも、該積層フィルムに付与された含気煮沸処理時の前記変形度特性が有効に発揮され、あるいは更に接着改質層を設けることによって一段と高められた耐水接着性が有効に発揮されて、煮沸処理時の層間剥離が抑えられ、後述する含気煮沸パンク試験等においても非常に優れた特性を示す包装袋を与える。
【0023】
ここで含気状態での包装とは、内容物を気体を含んだ状態で密封包装することを意味しており、気体とは、空気、酸素、二酸化炭素、窒素等の単体、混合物、化合物等が含まれる。気体の量は内容物の種類によっても変わってくるので一律に規定することはできないが、生麺用包装体では、通常は袋の内容量に対し3体積%程度以上封入することが多い。
【0024】
また上記において煮沸処理とは、熱水あるいは蒸気中での煮沸処理あるいはレトルト処理を言い、処理温度や処理時間は特に規定しないが、殺菌を目的とする場合は70℃以上で行われることが多い。
【0025】
この様に、ガラス転移点が10℃以下である接着剤層を介してポリアミド系基層フィルムとシーラント層を積層した本発明の積層フィルムは、例えば含水食品の包装材料として好適に使用することができ、また、該積層フィルムのシーラント層同士をシールして製袋した包装袋は、耐含気煮沸パンク性において非常に優れた特性を発揮する。従って、この袋を生麺の密封包装に適用した場合、加熱殺菌工程での熱膨張による破袋を可及的に抑えることができ、最終密封包装段階での製品歩留りを著しく高めることが可能となる。
【0026】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明は、もとより下記実施例により制限をうけるものではなく、前後記の趣旨に適合しうる範囲で変更を加えて実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術範囲に含まれる。
【0027】
なお、本明細書で採用した測定、評価法は下記の通りである。
(1)接着剤層を構成する架橋樹脂のガラス転移点の測定
一液タイプの場合は、接着剤溶液あるいはエマルジョンを、二液タイプの場合は、主剤と架橋剤の混合溶液あるいはエマルジョンを、所定量、必要により架橋触媒を添加(ラミネート時に用いるのと同じ配合比で)配合したものをテフロン板の上に塗布し、50℃で3日間エージングして架橋反応を起こさせる。該架橋膜を示差走査型熱量計を用いてサーモグラフを測定しTgを求める。
【0028】
(2)含気煮沸パンク性の測定
積層フィルムを用いて、内寸130mm×130mmの三方シール袋に製袋し、内部に水200ccと空気200ccを充填して密封する。この密封袋を90℃の熱水中で60分間煮沸処理し、シール部から破袋したものの数から下記式によって破袋率を算出する。
破袋率(%)=(破れた密封袋数/試験した密封袋数)×100
【0029】
(3)熱水中のポリアミド系基層フィルムの伸長応力の測定
ポリアミド系基層フィルムを幅15mmに裁断してサンプルとし、これを90℃の熱水中に保持し引張り試験機により100mm/minの引張速度で伸長させ、伸長度75%の時の応力を伸長応力とする。
【0030】
実施例1
ポリカプロアミド樹脂98部とポリアミドエラストマー2部ブレンド物からなる厚さ25μmのポリアミドフィルムの片面に、接着改質層としてアクリルグラフトポリエステル樹脂を0.15g/ 2の厚さで塗付形成したポリアミド系基層フィルム(熱水中での伸長応力:縦方向2.0×10 7 Pa、横方向5.9×10 7 Pa)の接着改質層表面に、主剤としてTgが−16℃の芳香族/脂肪族ポリエステルポリオール、架橋剤がヘキサメチレンジイソシアネート三量体よりなるポリエステルポリウレタン系接着剤(架橋反応後のTg:5℃)を接着剤として使用し、接着剤層厚みが2.5g/m2となる様に常法に従ってドライラミネート法により、厚さ40μmの無延伸ポリプロピレンフィルム(東洋紡績社製「パイレンP1503」)を積層して積層フィルムを得た。
【0031】
該積層フィルムの煮沸パンク率は0%であり、この積層フィルムを用いて生麺の密封包装を行なったところ、加熱殺菌工程での熱膨張による破袋の発生率は極めて低く、実用性の高いものであった。
【0032】
比較例1
上記実施例1の方法において、接着剤層のTgを12℃(主剤のポリエステルポリオールをTgが−3℃の芳香族/脂肪族ポリエステルに変更)した以外は、上記実施例1と全く同様にして積層フィルムを製造した。得られた積層フィルムの煮沸パンク率は20%であり、この積層フィルムを製袋して生麺用の密封包装袋として使用したところ、加熱殺菌工程での熱膨張による破袋の発生率が高く低品質であった。
【0033】
比較例2
上記比較例1の方法で、接着剤層の厚みを4.0g/m2 とした以外は、比較例1と同様にして積層フィルムを製造した。得られた積層フィルムの煮沸パンク率は55%であり、この積層フィルムを製袋して生麺用の密封包装袋として使用したところ、加熱殺菌工程での熱膨張による破袋の発生率が高く低品質であった。
【0034】
参考例1
前記実施例1において、接着剤層の厚みを4.5g/m2 とした以外は実施例1と全く同様にして積層フィルムを製造した。得られた積層フィルムの煮沸パンク率は10%であった。
【0035】
実施例2
前記実施例1の方法において、接着改質層塗布面に、グラビアインキ(東洋インキ社製「ラミエース61白」二液タイプ)をグラビア印刷して印刷インキ層を形成した以外は、実施例1と全く同様にして積層フィルムを製造した。得られた積層フィルム積層体の煮沸パンク率は0%であり、この積層フィルムを用いて生麺の密封包装を行なったところ、加熱殺菌工程での熱膨張による破袋の発生率は極めて低く、実用性の高いものであった。
【0036】
比較例3
上記実施例2において、接着剤層を前記比較例1で用いたものと同じものに変更した以外は、実施例2と同様にして積層フィルムを製造した。この積層フィルムの煮沸パンク率は25%であり低品質であった。
【0037】
実施例3〜5
前記実施例1において、接着改質層を以下に示す様に変更し、且つ接着剤層としてTgが2℃のポリエステルポリウレタン系接着剤(主剤としてTgが−22℃の芳香族/脂肪族ポリエステルポリオールを使用)を使用した以外は、実施例1と同様にして積層フィルムを製造した。
【0038】
(接着改質層組成)
実施例3:線状ポリエステル樹脂(東洋紡績社製「バイロン300」)/ポリイソシアネート(日本ポリウレタン社製「アロネートL」)
実施例4:水分散タイプポリウレタン樹脂(大日本インキ社製「ハイドランHW−140」)/トリメチロールメラミン(大日本インキ社製「ベッカミンPM−N」)
実施例5:水分散タイプポリエステル樹脂(東洋紡績社製「バイロナールMD1930」)/ブロックイソシアネート(第1工業薬品社製「エラストロンBN11」)
これらの実施例で得られた各積層フィルムの煮沸パンク率はいずれもが0%であり、これらの積層フィルムを用いて生麺の密封包装を行なったところ、加熱殺菌工程での熱膨張による破袋の発生率は極めて低く、実用性の高いものであった。
【0039】
比較例4〜6
上記実施例3〜5において、接着剤層を比較例1で用いたのと同じものに変更した以外は、上記実施例3〜5と同様にして積層フィルムを製造した。得られた積層フィルムの煮沸パンク率はいずれも20〜40%の範囲であり、低品質のものであった。
【0040】
【発明の効果】
本発明の積層フィルムは以上の様に構成されており、ポリアミド系基層フィルムにガラス転移点が低くて柔軟性を有しており、且つ架橋構造を有する耐熱水性に優れた樹脂からなる接着剤層を介してシーラント層が形成され、好ましくは基層と接着剤層との間に接着改質層を設けた積層構造とすることによって、煮沸、レトルト処理の厳しい処理、特に極めて過酷な処理である耐含気煮沸パンク性に優れ、生麺をはじめとする水分含有食品等の様々な物品の包装分野において広く活用することができる。
【0041】
そして、この様な特性を備えた積層フィルムは、基層フィルムとして、90℃の熱水中で縦・横方向伸長時の応力の規定されたポリアミド系基層フィルムを使用することによって、より確実かつ簡単に得ることができ、更には、この積層フィルムにおけるシーラント層同士をシールして製袋することにより、該袋内に気体を含んだ状態で被包装物を密封包装して煮沸処理したときでも、優れた耐破袋性を示す包装袋を得ることができる。

Claims (3)

  1. ポリアミド系基層フィルムの少なくとも片面に、接着剤層を介してシーラント層が形成された積層フィルムにおいて、接着剤層としてガラス転移点が10℃以下の架橋樹脂が使用され、上記ポリアミド系基層フィルムの上記接着剤層が形成される面側に接着改質層が設けられており、前記ポリアミド系基層フィルムは、90℃の熱水中で縦方向または横方向に75%伸長させた時の縦方向および横方向応力のいずれか、もしくは両方が6.5×107Pa以下であることを特徴とする積層フィルム。
  2. 接着剤層の厚みが1〜3.5g/m2である請求項1に記載の積層フィルム。
  3. 請求項1または2に記載の積層フィルムのシーラント層同士をシールして製袋したものであることを特徴とする耐煮沸破袋性に優れた包装袋。
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