JP3684615B2 - ポリウレタン樹脂の水系分散体 - Google Patents

ポリウレタン樹脂の水系分散体 Download PDF

Info

Publication number
JP3684615B2
JP3684615B2 JP14993795A JP14993795A JP3684615B2 JP 3684615 B2 JP3684615 B2 JP 3684615B2 JP 14993795 A JP14993795 A JP 14993795A JP 14993795 A JP14993795 A JP 14993795A JP 3684615 B2 JP3684615 B2 JP 3684615B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyurethane resin
parts
aqueous dispersion
water
ionic functional
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP14993795A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH093126A (ja
Inventor
壽一 澤口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Ink SC Holdings Co Ltd filed Critical Toyo Ink SC Holdings Co Ltd
Priority to JP14993795A priority Critical patent/JP3684615B2/ja
Publication of JPH093126A publication Critical patent/JPH093126A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3684615B2 publication Critical patent/JP3684615B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Polyurethanes Or Polyureas (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、貯蔵安定性に優れたポリウレタン樹脂の水系分散体に関する。さらに詳しくは、金属、木材、紙、皮革、ガラス、繊維、プラスチック、発泡体、コンクリートなどの被覆に用いられる、乾燥後の耐水・耐アルカリ・耐熱水性に優れたポリウレタン水系分散体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、低公害、省資源、取り扱いの容易さ、火災に対する危険性の少なさという観点から、各種ポリマーの水性化が検討されている。水性化された各種ポリマーは、塗料、印刷インキ、接着剤分野等で実用化されており、ポリウレタン樹脂に関しても同様である。
しかしながら、水性化のためにはカルボキシル基等の親水性官能基を樹脂中に組み込む必要があり、それら親水性官能基の過剰な存在は、乾燥後の塗膜物性、特に耐水性、耐アルカリ性、耐熱水性を低下させるという問題があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、貯蔵安定性に優れ、かつ、乾燥後の諸物性に優れたポリウレタン樹脂の水系分散体の提供を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
すなわち、本発明は、イオン性官能基価0.25〜1.8(meq/g)のイオン性官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と、イオン性官能基価が 0.35(meq/g)以下でかつ(A)のイオン性官能基価より小さいポリウレタン樹脂(B)とを含むポリウレタン樹脂の水系分散体を提供する。
【0005】
ポリウレタン樹脂(A)のイオン性官能基価が 0.25(meq/g)に満たないと、ポリウレタン樹脂(B)と混合後に水性化が困難であり、1.8(meq/g)を越える場合は、ポリウレタン樹脂(B)と混合しても耐水性・耐アルカリ性に劣る。
また、ポリウレタン樹脂(B)のイオン性官能基価が 0.35(meq/g)を越える場合は、耐水性・耐アルカリ性に劣る。
【0006】
さらに、ポリウレタン樹脂(A)とポリウレタン樹脂(B)のイオン性官能基価がそれぞれ上述の範囲を満たし、かつ、両樹脂のイオン性官能基価の差が0.01〜0.4(meq/g)のとき、樹脂(A)と樹脂(B)が密に絡み合い安定な複合樹脂エマルジョンとなる。そのため、安定性が特に優れ、また、乾燥後の特性に優れたポリウレタン樹脂の水系分散体を得ることができる。
【0007】
本発明に用いられるポリウレタン樹脂は、ヒドロキシ化合物やアミン化合物などの活性水素化合物、有機ポリイソシアネート、さらにポリウレタン樹脂(A)についてはカルボキシル基等のイオン性官能基含有化合物を反応させて得られるものであり、製法については特に限定をしない。
【0008】
ヒドロキシ化合物としては、水、低分子量グリコール類、低分子量ポリオール類、高分子量ジオールが使用できるほか、ビスフェノールAやビスフェノールFなどのビスフェノール類、ビスフェノールAやビスフェノールFにエチレンオキサイド、プロピオンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加させたグリコール類も用いることができる。
【0009】
低分子量グリコール類としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブタンジオール、プロパンジオール、1,6-ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジメタノール、アチレングリコール、3,9-ビス(1,1- ジメチル-2- ヒドロキシエチル)-2,2,8,10- テトラオキソスピロ[5,5] ウンデカン等が挙げられる。
低分子量ポリオール類としては、トリメチロールプロパン、グリセリンなどのトリオール類、ペンタエリストールなどのテトラオール類等が挙げられる。
【0010】
高分子量ジオールとしては、ポリエーテルジオール類やポリエステルジオール類が挙げられる。
ポリエーテルジオール類としては、テトラヒドロフラン、あるいはエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの重合体、共重合体またはグラフト重合体、またはヘキサンジオール、メチルヘキサンジオール、ヘプタンジオール、オクタンジオールあるいはこれらの混合物の縮合によるポリエーテルグリコール類、プロポキシル化またはエトキシル化されたポリエーテルグリコール類等が挙げられる。
【0011】
ポリエステルジオール類としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、メチル−1,5-ペンタンジオール、オクタンジオール、シクロヘキサンジオール、2-エチル−1,3-ヘキサンジオール、ビスフェノールA、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等の飽和あるいは不飽和の低分子量グリコールと、脂肪族あるいは芳香族二塩基酸または芳香族二塩基酸エステルとから縮合反応により得られるポリエステルジオールや、ε−ポリカプロラクトンなどの環状エステル化合物の開環重合により得られる末端水酸基の反応生成物を用いることができる。
【0012】
アミン化合物としては、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、1,7-ジアミノヘプタン、1,8-ジアミノオクタン、キシリレンジアミン、1,4'−ジアミノ-3,3'-ジメチルジシクロヘキシルメタン、3,9-ビス(3- アミノプロピル)-2,4,8,10- テトラオキシスピロウンデカンなどのジアミン類、トリアミノプロパン等のトリアミン類、これらと有機ポリイソシアネート化合物またはポリエポキシ化合物との反応によって得られる末端アミノ基または水酸基の反応生成物を用いることができる。
【0013】
さらに、必要に応じてモノアミン化合物を分子量調整剤として用いてもよい。モノアミン化合物としては、ジ-n- ブチルアミン等のジアルキルアミン類の他、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、2-アミノ-2- メチル-1- プロパノール、トリ(ヒドロキシメチル) アミノメタン、2-アミノ-2- エチル-1,3- プロパンジオール等の水酸基を有するアミン類、モノメチルヒドラジン、1,1-ジメチルヒドラジン、ベンジルヒドラジン等のアルキルヒドラジン類、ホルムヒドラジド、アセトヒドラジド、ラウリン酸ヒドラジドなどのヒドラジド類等を用いることができる。
【0014】
また、本発明のポリウレタン樹脂の水系分散体をインキ等に使用する場合には、基材等への密着性を付与するため、ポリヒドラジン化合物を用いてもよい。具体的には、シュウ酸ジヒドラジド、マロン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、ドデカン二酸ジヒドラジド、ヘキサデカンジオヒドラジド、エイコサン二酸ジヒドラジド、マレイン酸ジヒドラジド、フマル酸ジヒドラジド、イタコン酸ジヒドラジド、フタル酸ジヒドラジド、炭酸ジヒドラジド、カルボジヒドラジド、チオカルボジヒドラジド、4,4'- オキシビスベンゼンスルホニルヒドラジド、ポリアクリル酸ヒドラジド等が挙げられる。
【0015】
イオン性官能基含有化合物としては、例えばカルボキシル基含有化合物があり、具体的には、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸等のジメチロールアルカン酸、ジアミノカルボン酸、低分子グリコールと脂肪族あるいは芳香族多塩基酸無水物との付加・縮合反応によって得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール、ジメチロールアルカン酸と開始剤としてラクトンを付加開環重合させたカルボキシル基含有ポリオール等が挙げられる。
【0016】
カルボキシル基以外のイオン性官能基としては、第4級アンモニウム基、第3級アミノ基、スルホネート基、スルホン酸基、スルホニウム基、ホスフィン酸基、硫酸エステル基等がある。また、これらのイオン性官能基を含有化合物の具体例としては、アミノ酸やアミノスルホン酸並びにそれらのオキシアルキル化生成物およびポリエステル化生成物、ジアミノベンゼンスルホン酸ナトリウム、グリセリンモノ燐酸エステル2ナトリウム塩、ヒドロキシエチルホスフォン酸ナトリウム、ジメチロールホスフィン酸ナトリウム、N-メチルエタノールアミン、5-スルホイソフタル酸ナトリウム単位を有するポリエステルポリオールなどが挙げられる。
【0017】
また、イオン性官能基含有成分の他にポリオキシエチレン単位を親水性の成分として含んでもよく、例えば、従来公知のポリエチレングリコール、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコール共重合物、特開昭 63-305119号公報に開示される側鎖にポリオキシエチレン単位を有するジイソシアネートなどを用いることができる。
【0018】
有機ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5-ナフタレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジメリールジイソシアネート、水添トリレンジイソシアネート、ビス−クロロメチル−ジフェニルメタン−ジイソシアネート、2,6-ジイソシアネート−ベンジルクロライドなどのジイソシアネート類、あるいはこれらとグリコール類またはジアミン類との両末端イソシアネートアダクト体、あるいはこれらの混合物が挙げられ、必要に応じてトリフェニルメタントリイソシアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネートなどの3官能以上のポリイソシアネート類もこれらに混合して用いることができる。また、バイエル社製「デスモジュールシリーズ」等の市販のポリイソシアネートアダクト体を用いることもできる。
さらに、必要に応じてモノイソシアネート類を分子量調整剤として用いてもよい。
【0019】
本発明に用いられるポリウレタン樹脂を合成するには、ヒドロキシ化合物やアミン化合物などの活性水素化合物、有機ポリイソシアネート、さらにポリウレタン樹脂(A)についてはカルボキシル基等のイオン性官能基含有化合物を、従来公知の方法に従って室温〜140 ℃、好ましくは40〜100 ℃で反応させる。
すなわち、これらの化合物を一括仕込みで反応させるワンショット法や末端イソシアネートプレポリマーを生成した後に、鎖延長剤および/または末端停止剤で高分子量化・分子量調節するプレポリマー法により反応させる。特に好ましいのは後者の方法である。
【0020】
プレポリマー法における、末端イソシアネートプレポリマー調製時のイソシアネート基と活性水素の比は、約1.01〜3.00:1、好ましくは1.03〜2.50:1の範囲が適当である。また、末端イソシアネートプレポリマー調製時には、必要に応じて従来公知のウレタン化触媒、例えばジラウリン酸ジブチル錫、オクチル酸錫、トリエチルアミン、N,N-ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウム、ジエチル亜鉛テトラ(n- ブトキシ) チタンなどを用いることができる。
【0021】
さらに、前記プレポリマーの調製は無溶剤下でも行いうるが、反応の均一化や粘度調整のためにイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤を使用することもできる。具体的にはアセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドラフラン、ジグライム、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンなどが挙げられ、これらの単独あるいは混合系が用いられる。これらのうちで、脱溶剤工程で容易に除去できるものが好ましい。
【0022】
プレポリマー調製に続く鎖延長・末端停止反応においては、鎖延長剤および/または末端停止剤を水や前記のイソシアネート基に対して不活性な有機溶剤で希釈した溶液を前記プレポリマーに滴下して反応させることもできるし、逆に前記プレポリマーを鎖延長剤および/または末端停止剤溶液に滴下して反応させることもできる。鎖延長剤および/または末端停止剤の使用量は、プレポリマー中の遊離イソシアネート基1個に対して活性水素が 0.3〜1.9 個になる量が好ましい。この範囲外では、得られる水系分散体の保存安定性や皮膜強度の低下、変着色などの悪影響が見られる。鎖延長反応は、活性水素とイソシアネートの反応性に応じて室温〜95℃の範囲で行うことができる。
【0023】
樹脂(A)および樹脂(B)の分子量は、ともに重量平均分子量で7000〜200000、さらには 20000〜50000 の範囲が好ましい。分子量が7000未満の場合には、乾燥後の耐水性が劣り、200000を越える場合には、水系分散体の調製が困難となる。
樹脂(A)と樹脂(B)との含有比率は、固形分比で10/90〜90/10、さらには30/70〜70/30が好ましい。
【0024】
樹脂(A)および樹脂(B)の配合及び水系分散の方法は、従来公知の方法でよく特定されない。例えば、(1) 樹脂(A)と樹脂(B)の溶剤溶液を混合し、これを適当な対イオンで中和した後に水を加えてもよいし、(2) それぞれを中和・水添したものを混合してもよい。しかし、樹脂同士の絡み合いのためには、(1) の方法が好ましい。
得られたポリウレタン樹脂の水系分散体は、そのまま使用することもできるが、加熱、減圧操作等によって水とともに有機溶剤を共沸除去する工程を採用するのが一般的である。
【0025】
イオン性官能基、例えばカルボキシル基のイオン化に用いられる塩基性化合物としては、アンモニア、モノエチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2-アミノ-2- エチル-1- プロパノールなどの有機アミン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの無機アルカリ類などが挙げられ、一種または二種以上を組み合わせて用いられる。
これらの中でも、乾燥後の耐水性を向上させるためには、水溶性であり、かつ熱により容易に解離する揮発性の高いものが好ましく、特にアンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミンが好ましい。
【0026】
本発明のポリウレタン樹脂の水系分散体に、通常の架橋剤を添加することにより、皮膜強度、耐薬品性がさらに優れた硬化塗膜を形成することができる。
例えば、ポリウレタン樹脂(A)のイオン性官能基がカルボキシル基の場合には、ポリアジリジン化合物、ポリエポキシ化合物、ポリカルボジイミド化合物、金属キレート化合物、ポリオキサゾリン化合物、ポリイソシアネート、ブロック化ポリイソシアネート、部分的又は完全にエーテル化されたアミノ樹脂などが架橋剤として使用できる。これらの架橋反応は室温で生じさせることもできるし、加熱や公知の反応触媒の添加によって促進させることもできる。
【0027】
これらの硬化剤成分を、樹脂(A)および樹脂(B)の混合段階で添加し、しかる後中和・転相を行うと、硬化剤成分がエマルジョン内部に遍在し、かつカルボキシル基がエマルジョンの外側に配向するため、得られる水系分散体は長期にわたり安定で、かつ乾燥後には優れた耐水性を示す。
【0028】
特に、ポリウレタン樹脂(A)のイオン性官能基がカルボキシル基である本発明のポリウレタン樹脂の水系分散体に脂環式エポキシ含有化合物を添加した系では、長期間にわたり分散体の優れた安定性が保たれ、同時に塗膜の耐水・耐アルカリ性をさらに向上させることができる。脂環式エポキシ含有化合物の具体例としては、 UNION CARBIDE社製「UVR6110 」、「UVR6128 」、ダイセル社製「セロキサイド2080」等のジエポキシド、ダイセル社製「エポリートGT-300」、「エポリートGT-400」等のポリエポキシド等が挙げられる。
【0029】
脂環式エポキシ含有化合物の添加量は、エポキシ基(eq)/カルボキシル基(eq)= 0.5〜1.5 とすることが好ましい。 0.5より少ないと、親水性であるカルボキシル基が乾燥皮膜中に多く残存するため添加効果が十分でなく、 1.5を越えると低分子量の脂環式エポキシ含有化合物が残存し、ボイル性能等が低下する。
【0030】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、実施例中「部」は「重量部」を、「%」は「重量%」をそれぞれ表す。
【0031】
(合成例1)
温度計、撹拌機、還流冷却管および窒素ガス導入管を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、平均分子量(以下、Mwという)3000のポリテトラメチルエーテルグリコール 71.75部、2,2-ジメチロールプロピオン酸 14.35部、ネオペンチルグリコール0.60部、イソホロンジイソシアネート 48.60部をメチルエチルケトン106.05部中で80℃で4時間反応させて末端イソシアネートプレポリマーとし、しかるのち40℃まで冷却してからメチルエチルケトン 52.55部を加え、末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液を得た。
次に、イソホロンジアミン 11.72部、メチルエチルケトン 90.04部および水 63.04部を混合したものに、得られた末端イソシアネートプレポリマーの溶剤溶液の仕込量の8割(235.12部)を室温で徐々に添加して60℃で3時間反応させ、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液aを得た。
【0032】
(合成例2)
下記の原料から、合成例1と同様にして、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液bを得た。
・ポリテトラメチルエーテルグリコール(Mw3000) 72.15部
・ネオペンチルグリコール 10.75部
・2,2-ジメチロールプロピオン酸 3.45部
・イソホロンジイソシアネート 48.90部
・メチルエチルケトン 106.05部
・メチルエチルケトン 52.55部
・イソホロンジアミン 11.80部
・メチルエチルケトン 90.04部
・水 63.04部
【0033】
(合成例3)
下記の原料から、合成例1と同様にして、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液cを得た。
・ポリテトラメチルエーテルグリコール(Mw3000) 112.15部
・ネオペンチルグリコール 3.60部
・2,2-ジメチロールプロピオン酸 1.95部
・イソホロンジイソシアネート 25.85部
・メチルエチルケトン 106.05部
・メチルエチルケトン 52.55部
・イソホロンジアミン 5.16部
・メチルエチルケトン 91.39部
・水 63.04部
【0034】
(合成例4)
下記の原料から、合成例1と同様にして、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液dを得た。
・ポリテトラメチルエーテルグリコール(Mw3000) 112.75部
・ネオペンチルグリコール 4.80部
・イソホロンジイソシアネート 26.00部
・メチルエチルケトン 106.05部
・メチルエチルケトン 52.55部
・イソホロンジアミン 5.16部
・メチルエチルケトン 91.39部
・水 63.04部
【0035】
合成例1〜4で得られたポリウレタン樹脂の溶剤溶液の性状を表1に示す。なお、分子量はゲル濾過クロマトグラフィにより屈折率検出器を用いてポリスチレン換算にて測定した。
【0036】
【表1】
Figure 0003684615
【0037】
(実施例1)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液a47.8部とポリウレタン樹脂の溶剤溶液c47.6部を混合し、28%アンモニア水2.51部を加え、室温で混合しながら水 52.42部を徐々に加えた後、減圧下50℃でメチルエチルケトンの全量を留去したのち水を加え固形分調整を行い、固形分28.1%、粘度13.9cps.、粒径 181.6nmのポリウレタン樹脂の水系分散体Aを得た。なお、粒径は光散乱光度計にて測定した。
【0038】
(実施例2)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液a47.8部、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液d47.8部、28%アンモニア水2.01部、水 53.05部を用い、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂の水系分散体Bを得た。
【0039】
(実施例3)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液b47.8部、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液c47.6部、28%アンモニア水2.01部、水 52.92部を用い、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂の水系分散体Cを得た。
【0040】
(実施例4)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液b47.8部、ポリウレタン樹脂の溶剤溶液d47.8部、28%アンモニア水1.50部、水 53.56部を用い、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂の水系分散体Dを得た。
【0041】
(実施例5)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液b47.8部とポリウレタン樹脂の溶剤溶液c47.6部を用い、さらにこれに脂環式エポキシ(UCC社製「UVR6110」)0.85部を加え混合した後、28%アンモニア水2.01部、水 54.90部を加え、実施例1と同様の方法でポリウレタン樹脂の水系分散体Eを得た。
【0042】
(比較例1)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液a95.5部にアンモニア4.01部を加え混合し、室温で混合しながら水 50.89部を徐々に加えた後、実施例1と同様の方法で相転換を行い、ポリウレタン樹脂の水系分散体Fを得た。ただし、これは樹脂の水系分散体というよりも水溶液であった。
【0043】
(比較例2)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液b95.5部にアンモニア3.01部を加え混合し、室温で混合しながら水 51.89部を徐々に加えた後、実施例1と同様の方法で相転換を行い、ポリウレタン樹脂の水系分散体Gを得た。
【0044】
(比較例3)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液c 94.34部にアンモニア0.50部を加え混合し、室温で混合しながら水 54.60部を徐々に加えた後、実施例1と同様の方法で相転換を行ったが、ゲル化し転相が不可能だった。
【0045】
(比較例4)
ポリウレタン樹脂の溶剤溶液d 95.24部を室温で混合しながら水 54.90部を徐々に加えた後、実施例1と同様の方法で相転換を行ったが、ゲル化し転相が不可能だった。
【0046】
実施例1〜5および比較例1及び2で得られたポリウレタン樹脂の水系分散体の性状ならびに耐アルカリ性を評価した結果を表2に示す。
耐アルカリ性は、得られたポリウレタン樹脂の水系分散体を直径40mmφ、深さ 2mmのテフロン容器中に流し込み、40℃で3日間かけて乾燥したものを、25℃の0.2%NaOH水溶液に2日浸せきし、白化程度および溶出率の2項目で評価した。
【0047】
(1)白化程度
アルカリ浸せきによる白化程度を目視により観察した。評価基準は以下の通りである。
◎:全く白濁を生じない。
○:やや白みを生じる。
△:やや透明性がある。
×:白濁している。
(2)溶出率
アルカリ浸せき後の樹脂を蒸留水で2度洗浄した後、 150℃のオーブンで1時間乾燥し重量を測定した。この重量と浸せき前の重量の差を浸せき前の重量で割った数値を 100倍したものを溶出率として算出した。
【0048】
【表2】
Figure 0003684615
*1:粒径測定不能
【0049】
【発明の効果】
本発明により、安定でかつ乾燥後には耐水・耐アルカリ性に優れたポリウレタン樹脂の水系分散体を供給することが可能となった。

Claims (4)

  1. イオン性官能基価0.25〜1.8(meq/g)のイオン性官能基を有するポリウレタン樹脂(A)と、イオン性官能基価が 0.35(meq/g)以下でかつ(A)のイオン性官能基価より小さいポリウレタン樹脂(B)とを含むポリウレタン樹脂の水系分散体。
  2. ポリウレタン樹脂(A)のイオン性官能基がカルボキシル基である請求項1記載のポリウレタン樹脂の水系分散体。
  3. ポリウレタン樹脂(A)と(B)のイオン性官能基価の差が0.01〜0.4(meq/g)である請求項1または2記載のポリウレタン樹脂の水系分散体。
  4. 脂環式エポキシ含有化合物を含む請求項2記載のポリウレタン樹脂の水系分散体。
JP14993795A 1995-06-16 1995-06-16 ポリウレタン樹脂の水系分散体 Expired - Lifetime JP3684615B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14993795A JP3684615B2 (ja) 1995-06-16 1995-06-16 ポリウレタン樹脂の水系分散体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP14993795A JP3684615B2 (ja) 1995-06-16 1995-06-16 ポリウレタン樹脂の水系分散体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH093126A JPH093126A (ja) 1997-01-07
JP3684615B2 true JP3684615B2 (ja) 2005-08-17

Family

ID=15485832

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP14993795A Expired - Lifetime JP3684615B2 (ja) 1995-06-16 1995-06-16 ポリウレタン樹脂の水系分散体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3684615B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4567995B2 (ja) * 2003-03-26 2010-10-27 三洋化成工業株式会社 熱可塑性ポリウレタンエラストマー
JP4542393B2 (ja) * 2004-08-20 2010-09-15 大日精化工業株式会社 ポリウレタン樹脂系水性分散体組成物

Also Published As

Publication number Publication date
JPH093126A (ja) 1997-01-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3493796B2 (ja) 水性ポリウレタン樹脂塗料
EP2945973B1 (en) Radiation curable aqueous compositions with reversible drying
CN100439412C (zh) 特别用于涂料组合物的聚氨酯加成聚合物杂化物颗粒的含水分散体
EP0098752B1 (en) Process for producing aqueous dispersions of polyurethanes
US5521246A (en) Low temperature self-crosslinking aqueous urethane-vinyl polymers for coating applications
JPH09241347A (ja) 水性ポリウレタン−ウレア、その調製方法、及び塗料におけるその使用
CA2034857A1 (en) Production of polyurethane polymers, the polymers so produced and compositions containing them
CN109942781B (zh) 一种uv固化蓖麻油基水性聚氨酯分散体及其制备方法与应用
JPH10158345A (ja) ポリウレタンハイブリッド分散液の製造方法、被覆製剤、その製造方法および被覆した物品
JP2017515959A (ja) 制御されたポリマー流を有する放射線硬化性水性組成物
CN109535372B (zh) 一种水性聚氨酯及其制备方法
JP3970955B2 (ja) ポリウレタン水性組成物
JP3019176B2 (ja) 放射線硬化性ポリウレタンエマルジョン組成物の製造方法
JPH07102204A (ja) 水性印刷インキ組成物
US4963637A (en) Acid containing isocyanate-terminated prepolymers, salt prepolymers and polymers thereof
JP3359396B2 (ja) ポリウレタン水性組成物
EP0296098A2 (en) Crosslinked polyurethane emulsion, process and prepolymer for its production and process for forming coatings from said emulsion
US5763526A (en) Urethane prepolymer, process for producing urethane prepolymer, isocyanate compound, and polyurethane dispersion
JP3684615B2 (ja) ポリウレタン樹脂の水系分散体
WO2004022627A1 (ja) 液状カルボン酸基含有ポリエステルオリゴマー及び水性ポリウレタン樹脂及びその製造方法
JP3052740B2 (ja) 包装用表刷り水性印刷インキ組成物および包装用材料
JPH08188734A (ja) 水性印刷インキ
JPH04198361A (ja) 低温硬化性組成物
JP3531252B2 (ja) ポリウレアオリゴマーおよびそれを含有してなる水性印刷インキ
JPH0753661A (ja) 水性ポリウレタン及びそれを含有する水性樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050421

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050510

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050523

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110610

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610

Year of fee payment: 7

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120610

Year of fee payment: 7

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130610

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140610

Year of fee payment: 9

EXPY Cancellation because of completion of term