JP3683936B2 - 鋼管杭打撃工法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、鋼管製の杭を低振動,低騒音で地中に打設して、杭を地中に堅く埋込む鋼管杭打撃工法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、鋼管杭の施工は、鋼管杭をリーダに保持し、地中に直接、またはアースオーガ等であらかじめ掘削した孔内に建込んだ状態で、鋼管杭の頭部を打撃して打設する方法がとられている。また、コンクリート杭では、杭の先端に杭先端支持器を配置し、ワイヤによって槌打ちハンマーを作動して杭先端支持器の管体側面を杭の下部側面に摺動させながら底面を槌打ちし、次いで押込用ハンマーの作動によって杭の上端面を押付け、杭の下端を地中に進入した杭先端支持器の底面に押付ける方法も行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前者の鋼管杭の頭部を地上で打撃して地中に打設する方法は、当然のことながら大きい振動,騒音を発生する。また、打撃により杭が撓み易く、打撃効率の低下を招き、垂直精度も悪くなりがちである。さらに、鋼管杭の頭部を打撃するものであるから打設は地盤面(G.L.)までが限度である。したがって、鋼管杭の頭部を地中にまで打設しようとするときは、杭の上部にいわゆる“ヤットコ”と称する介在部材を継ぎ足して打ち進め、打設後この介在部材を引き抜くという面倒な作業を強いられていた。
【0004】
また、後者の杭の先端に配置した杭先端支持器の底面を槌打ちし、杭の上端面を押付ける方法は、杭の内部で槌打ちをするものの、杭先端支持器の底板と杭の先端とが離間した状態で、杭の上端に槌打ちあるいは静荷重を負荷する必要があり、杭の頭部を打撃する場合ほどではないにしても、少なからぬ振動,騒音を発生する問題がある。そして、杭先端支持器の底面を槌打ちしたときに、杭先端支持器の底板と杭の先端とが離間するので、例えば地中に水の層があるような場合は、杭内に水の浸入を招き、打撃力を低下させる結果となる。さらに、杭の上端に押込み装置を必要とするので、高所への重量物の設置となって、杭打機全体の安定度を損なう欠点がある。
【0005】
一方、杭の頭部を打撃する方法と異なり、杭先端支持器の底面を槌打ちする方法では、杭の内部にハンマーを嵌入する際に、クレーンの吊りワイヤに吊られたハンマーを杭に導入することが困難である。なんとなれば、杭の頭部を打撃する方法では、リーダの支柱にガイド部材により支持される杭の上方から、同様にリーダの支柱にガイド部材により支持したハンマーを配置することにより、確実に杭との芯合わせを行うことができたが、杭の内部にハンマーを嵌入して打撃する方法では、ハンマーをガイド部材で支持したのでは杭への導入が不可能であるので、吊りワイヤで吊った自由状態にあるハンマーを杭の内部に収めなければならないためである。
【0006】
本発明は、従来技術の有する上記した課題を解決し、低振動,低騒音で効率良く打設ができ、かつ、杭内へのハンマーの導入を容易とした鋼管杭打撃工法およびその装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、鋼管杭の先端部に底板を一体に溶接接合し、この鋼管杭を、地中に直接あるいは予備的に掘削形成した孔内に建込んだ状態で、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するハンマーにより杭先端部のみを鋼管杭の内部から打撃して、地中に打設する鋼管杭打撃工法であって、前記ハンマーは、打設すべき最小サイズの鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するコアのハンマーを設け、打設すべき鋼管杭の内径に応じて、前記コアのハンマーの外径に等しい内径を有し、かつ、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するアウターにより前記コアのハンマーを囲繞して構成したことを特徴とする鋼管杭打撃工法を構成した。
【0008】
また、先端部に底板を一体に溶接接合した鋼管杭を、地中に直接あるいは予備的に掘削形成した孔内に建込んだ状態で、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するハンマーにより杭先端部のみを内部から打撃して、地中に打設することを特徴とする鋼管杭打撃装置であって、鋼管杭の打設方向を案内するガイド部材と、鋼管杭内へのハンマーの導入を容易とするためのハンマー位置決め部材とを備え、前記ガイド部材は、リーダの支柱に摺動自在に支持され、鋼管杭の外周部を把持しており、前記ハンマー位置決め部材は、上部に蓋を有し、下部を開放した有蓋円筒体であって、リーダの支柱に摺動自在に支持され、前記蓋に穿設した穴を貫通する吊りワイヤに吊持されたハンマーの上部側に被嵌されてなり、ハンマーの上部側が鋼管杭内に収嵌されたとき、ハンマーと離脱して鋼管杭の頭部に載置されるものであり、前記ハンマーは、打設すべき最小サイズの鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するコアのハンマーを設け、打設すべき鋼管杭の内径に応じて、前記コアのハンマーの外径に等しい内径を有し、かつ、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するアウターにより前記コアのハンマーを囲繞して構成したことを特徴とする鋼管杭打撃装置を構成した。
【0009】
【作用】
上記の工法の採用により、鋼管杭は底板をハンマーにより打撃され、下から引っ張られる状態で直進性よく打設される。底板は鋼管杭に一体に溶接接合されているので、密閉状態にあり、打設中に水等が浸入するおそれがない。また、上記の装置とすることにより、鋼管杭とハンマーとは、ガイド部材とハンマー位置決め部材とにより、リーダに対して一定の間隔を保持する。
【0010】
【実施例】
以下に、本発明の実施例を図面に基づき詳細に説明する。図1は、本発明に係る鋼管杭打撃工法およびその装置の実施例について示す一部断面側面図である。ベースマシン51上のブーム52の先端に取付けたリーダブラケット53にリーダ10を懸垂し、その一側にオーガ装置54およびスクリュー55を設け、他側に吊りワイヤ1を垂設する。そして、吊りワイヤ1の先端にハンマー2を吊持している。吊りワイヤ1はベースマシン51上の図示しないウィンチにより、巻き上げ,巻き下げられるようになっている。リーダ10に沿って、地中に打設されるべき鋼管杭3が配設される。
【0011】
鋼管杭3は、あらかじめその先端部に底板3aが当てられ、溶接により一体に接合されている。鋼管杭3は、ガイド部材4によりその打設方向を案内されている。ガイド部材4は、図2および図3に示すように、リーダ10の支柱10a,10aに沿って摺接するガイド部4aと、鋼管杭3の外周部を囲繞して把持する把持部4bとからなり、リーダ10の支柱10a,10aと鋼管杭3との間に、ガイド部4aにより規制される一定の間隔s1 を保持し、鋼管杭3の打設方向を案内する。
【0012】
吊りワイヤ1により吊持されるハンマー2は、鋼管杭3の上方よりこの鋼管杭3の内部に導入されるが、このハンマー2には、あらかじめハンマー位置決め部材5が被嵌されている。すなわち、ハンマー位置決め部材5は、図2および図4に示すように、上部に蓋5′を有し、下部を開放した有蓋円筒体からなり、ハンマー2の頭部2aにキャップ状に被嵌されている。ハンマー位置決め部材5の側部には、リーダ10の支柱10a,10aに沿って摺接するガイド部5aが設けられ、リーダ10の支柱10a,10aとハンマー2との間に、ガイド部5aにより規制される一定の間隔s2 を保持している。
【0013】
ハンマー2は、鋼管杭3の内径よりやや細い外径を有し、吊りワイヤ1を巻き下げると、鋼管杭3の上方よりハンマー位置決め部材5が被嵌された状態で、リーダ10の支柱10a,10aに摺接しつつ降下する。したがって、ハンマー2は、ハンマー位置決め部材5により動きが規制されて空中で不安定に揺れることなく、リーダ10の支柱10a,10aに沿って垂直に降下する。この際、鋼管杭3とハンマー2とは、ガイド部材4とハンマー位置決め部材5とにより、リーダ10の支柱10a,10aに対して一定の間隔s1 ,s2 を保持するので、ハンマー2と鋼管杭3との芯合わせが行え、ハンマー2の鋼管杭3内への導入が極めて容易である。
【0014】
ハンマー2は、図2の状態から鋼管杭3の内部に導入され、その上部側が鋼管杭3内に収嵌されたとき、図5に示すように、ハンマー2のみが降下して、ハンマー位置決め部材5は、ハンマー2と離脱して鋼管杭3の頭部に載置され、取り残されるように構成されている。すなわち、ハンマー位置決め部材5には、その蓋5′にハンマー2の上部に設けた後述するスイベル装置7が貫通可能な穴5b(図4参照)が穿設されており、ハンマー位置決め部材5が鋼管杭3の頭部に達した以後は、スイベル装置7および吊りワイヤ1がこの穴5bを貫通してハンマー2のみが鋼管杭3内を降下する構成となっている。この場合、ハンマー位置決め部材5の下部に、鋼管杭3の頭部に嵌合する鍔5cを形成しておくと、ハンマー2を鋼管杭3に導入した後、この鍔5cが鋼管杭3の頭部に嵌合し、鋼管杭3のいわゆる“横ぶれ”を防ぎ効果的である。
【0015】
鋼管杭3の内部に収嵌された図5に示すハンマー2は、吊りワイヤ1を巻き下げてゆくと、図6に示すように、鋼管杭3の先端部の底板3aに到達する。この状態でハンマー2が鋼管杭3内における所定位置まで吊りワイヤ1を巻き上げ、その位置からハンマー2を自由落下させることにより、鋼管杭3は杭先端部である底板3aが打撃される。鋼管杭3は、地中に直接、またはアースオーガ等であらかじめ掘削した孔内に建込んだ状態で、このようにその底板3aが打撃され、下から引っ張られる状態で直進性よく打設される。この際、底板3aは鋼管杭3に一体に溶接接合されているので、密閉状態にあり、たとえ地中に水の層があるような場合でも、鋼管杭3の内部に水が浸入することがない。また、ハンマー2を自由落下させることにより、鋼管杭3の底板3aを打撃するので、鋼管杭3の頭部が地盤面(G.L.)より低い位置となっても、更に打ち進めることができる。なお、アースオーガ等であらかじめ地盤を掘削する場合は、支持層に達する手前まで削孔し、この孔内に鋼管杭3を建て込み、鋼管杭3の底板3aを打撃して、支持層まで打設するとよい。
【0016】
一方、ハンマー2により鋼管杭3の底板3aを打撃するに過程において、吊りワイヤ1がねじれ、鋼管杭3内でハンマー2が回転して安定した打撃が行えない場合がある。このような場合に備えて、本実施例では、吊りワイヤ1とハンマー2との間に、吊りワイヤ1のねじれを防止するスイベル装置7を介設している。スイベル装置7は、図7に示すように、吊りワイヤ1に接続されるシャフト7aと、このシャフト7aに外嵌され、下部をハンマー2に接合したボディー7bとを、ナット7cで結合し、シャフト7aとボディー7bとの間にベアリング7dを支承した構造であり、吊りワイヤ1に対してハンマー2を回転自在としてねじれを防止したものである。
【0017】
また、前述のように、図6のハンマー2は、その外径が鋼管杭3の内径に比べてやや細く、ハンマー2と鋼管杭3との隙間が小さいので、ハンマー2で鋼管杭3の底板3aを打撃する際、ハンマー2の下方の空気を鋼管杭3内に圧縮し、クッションの作用をすることにより、打撃エネルギーが減少してしまうという問題点があった。そこで、本実施例では、図8の(a)および(b)に示すように、ハンマー2の外側面の複数箇所(図では4箇所)に、上部から下部に達する溝2bを形成し、打撃の瞬間ハンマー2の下方の空気を図の矢印で示すように上方に逃がし、打撃エネルギーの減少を極力抑えるように構成した。
【0018】
ところで、この種の杭打ち工法では、杭の許容支持力を
R=WH/(5S+ 0.1)
但し、式中、R=杭の許容支持力( ton),W=錘重量( ton),H=錘落下高(m),S=最終沈下量(m)
で算出することが、建築基準工法施工令で定められているが、鋼管杭3の底板3aをハンマー2により打撃する本工法では、オペレータが杭打ち作業をする際、ハンマー2がどの辺の位置にあるかを視認することができず、錘落下高(H)を推定で把握することとなり、上記の公式に則って杭の許容支持力(R)を正確に算出することができない。そこで、本実施例では、図6に示すように、吊りワイヤ1に所定の間隔ごとにマーキング8を施して、ハンマー位置決め部材5の上方に位置する吊りワイヤ1のマーキング8をオペレータが目視することにより、鋼管杭3内におけるハンマー2の位置を推認できるように構成したものである。このマーキング8は、ハンマー位置決め部材5の上端位置を境にして上下方向に所定の間隔(例えば1m間隔)で表示し、現場における鋼管杭3の長さに対応させて色分けして識別できるようにすると効果的である。なお、マーキング8は、吊りワイヤ1にマーキング部材を取付けて構成してもよいが、リーダブラケット53のシーブ56(図1参照)に巻かれるとき障害とならないように、吊りワイヤ1に色材(ペンキ等)を刷毛塗りやスプレーで形成することが望ましい。
【0019】
次に、鋼管杭3は、打設するべき地盤によってその径および長さがその都度選定されるが、鋼管杭3の底板3aを打撃するハンマー2も鋼管杭3の内径に応じて、それぞれ選定されるものである。ハンマー2の外径が鋼管杭3の内径に対して小さ過ぎると、打撃力が弱く、打撃中杭内でハンマー2がいわゆる暴れてしまい、叩く位置が定まらず、片寄って叩いたりする結果、杭が曲がって打ち込まれることはいうまでもない。しかし、鋼管杭3の内径に応じて何種類ものハンマー2を現場で用意することは面倒であり、経済効率も悪い。図9の(a)および(b)は、この点の改良を図ったもので、打設すべき最小サイズの鋼管杭3(図6)の内径よりやや細い外径を有するコアのハンマー21を製造する。そして、所望の鋼管杭の内径よりやや細い外径を有し、コアのハンマー21を囲繞するアウター22を別途用意し、このアウター22にコアのハンマー21を入れ蓋体23を被せてビス24により固定する。これにより、1つのコアのハンマー21で、必要とする何種類かの肉厚を変えたアウター22を交換して、所望の外径のハンマー2を組み立て、何種類ものハンマーを代用させることができ、コストダウンが図れると共に、現場へ搬送する場合も重量が軽くなる。なお、アウター22の外側面に、上部から下部に達する溝22aを形成しておくと、前記同様、打撃の瞬間ハンマー2の下方の空気を上方に逃がし、打撃エネルギーの減少を抑えることができる。
【0020】
上記の実施例は、図1に示すように、吊りワイヤ1の先端にハンマー2を吊持し、吊りワイヤ1をウィンチで巻き上げ、鋼管杭3の内部でハンマー2を自由落下させて打撃する工法であるが、図10は他の実施例について示すものである。本実施例では、吊りワイヤ1の先端部にケーシング30を固定する。ケーシング30は、鋼管杭3の内径よりもやや小さい外径を有し、その内部に油圧シリンダ31を固定すると共に、この油圧シリンダ31のロッド31aの先端にハンマー2の上部を接続する。そして、この油圧シリンダ31のロッド31aの伸張,縮退を繰り返し、鋼管杭3の底板3aに打撃を与えるものであり、吊りワイヤ1の巻き上げ作業が不要である。なお、図中、32は切換バルブ、33は油圧ホースである。この場合も、ケーシング30を鋼管杭3の内部に導入するときは、ハンマー位置決め部材5にケーシング30の上部を被嵌しておき、位置決めされた状態で芯出しを行い、ハンマー位置決め部材5は、ケーシング30の上部側が鋼管杭3内に収嵌されたとき、ケーシング30と離脱して鋼管杭3の上部に載置されるものである。
【0021】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、先端部に底板を一体に溶接接合した鋼管杭を、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するハンマーにより杭先端部のみを内部から打撃して地中に打設するので、下から引っ張られる状態で直進性よく打設されると共に、鋼管杭の頭部を地上で打撃する従来の工法に比較して、低振動,低騒音で杭打ちすることができる。また、鋼管杭3の頭部が地盤面(G.L.)より低い位置となっても、更に打ち進めることができ、従来の工法のように、杭の上部に介在部材を継ぎ足して打ち進め、打設後この介在部材を引き抜くという面倒な作業は不要である。
【0022】
また、従来の他の工法である杭の先端に配置した杭先端支持器の底面を槌打ちし、杭の上端面を押付ける方法のように、杭の上端に槌打ちあるいは静荷重を負荷する必要がないので、より低振動,低騒音で杭打ちすることができると共に、鋼管杭と杭先端部である底板と溶接一体化しているため、たとえ掘削土中に水の層があっても、杭内に水が浸入することがないので、水の浸入により打撃力を低下させるという従来の工法の欠点が解消される。したがって、地中に鋼管杭を堅く埋込むことができる。そして、さらに強度を上げたい場合は、鋼管杭内に鉄筋を設置し硬化剤を注入した杭を建て込むことができる。
【0023】
一方、本発明に係る鋼管杭打撃装置は、鋼管杭のガイド部材とハンマー位置決め部材を備えることから、ハンマーは、ハンマー位置決め部材により動きが規制されて空中で不安定に揺れることなく、リーダの支柱に沿って垂直に降下し、かつ、鋼管杭とハンマーとがリーダに対して一定の間隔を保持するので、ハンマーと鋼管杭との芯合わせが行え、ハンマーの鋼管杭内への導入が極めて容易に行える。さらに、ハンマー位置決め部材が鋼管杭の頭部に達すると、ハンマー位置決め部材の鍔が鋼管杭の頭部に嵌合し、鋼管杭の“横ぶれ”を防止できる効果がある。
【0024】
また、吊りワイヤとハンマーとの間にスイベル装置を介設しているので、吊りワイヤに対してハンマーが回転自在となり、吊りワイヤがねじれて鋼管杭内でハンマーが回転するようなことがなく、安定した打撃を行うことができる。この場合、ハンマーの外側面に、上部から下部に達する溝を形成しておくことにより、ハンマーが杭先端部を打撃する際に、下方の空気を鋼管杭内に圧縮することがなく、打撃エネルギーの減少を抑えることができる。
【0025】
さらに、吊りワイヤに所定の間隔ごとにマーキングを施しておくことにより、オペレータがハンマーの存在を目視しなくとも、鋼管杭内におけるハンマーの位置を推認することができ、所定の位置からハンマーを落下することにより、前記公式に則って杭の許容支持力(R)を正確に算出することができる。
【0026】
さらにまた、打設すべき最小サイズの鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するコアのハンマーを製造し、所望の鋼管杭の内径よりやや細い外径を有し、コアのハンマーを囲繞するアウターを別途用意することにより、1つだけのコアのハンマーで、必要とする何種類かの肉厚を変えたアウターを交換して、所望の外径のハンマーを組み立て、何種類ものハンマーを代用させることができ、コストダウンが図れる。
【0027】
加えて、ハンマーの上部に油圧シリンダのロッドを接続し、油圧ハンマーにより杭先端部を打撃する構成とすることにより、吊りワイヤの巻き上げ作業が不要となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る鋼管杭打撃工法およびその装置の実施例について示す一部断面側面図である。
【図2】図1の一部を拡大した一部断面側面図である。
【図3】図2の III− IIIにおける拡大断面図である。
【図4】図2の IV− IVにおける拡大断面図である。
【図5】図2の状態から鋼管杭の内部にハンマーが収嵌した状態を示す一部断面側面図である。
【図6】図5の状態からハンマーが鋼管杭の杭先端部に到達した状態を示す断面側面図である。
【図7】スイベル装置の構造を示す断面図である。
【図8】(a)および(b)は、鋼管杭の杭先端部をハンマーが打撃した状態の実施態様を示す平面断面図および側面断面図である。
【図9】(a)および(b)は、ハンマーの実施態様を示す平面図および側面断面図である。
【図10】鋼管杭を油圧ハンマーにより打設する実施態様を示す側面断面図である。
【符号の説明】
1 …吊りワイヤ
2 …ハンマー
2a…頭部
2b…溝
3 …鋼管杭
3a…底板
4 …ガイド部材
4a…ガイド部
4b…把持部
5 …ハンマー位置決め部材
5′…蓋
5a…ガイド部
5b…穴
5c…鍔
7 …スイベル装置
7a…シャフト
7b…ボディー
7c…ナット
7d…ベアリング
8 …マーキング
10 …リーダ
10a…支柱
21 …コアのハンマー
22 …アウター
22a…溝
23 …蓋体
24 …ビス
30 …ケーシング
31 …油圧シリンダ
31a…ロッド
32 …切換バルブ
33 …油圧ホース
51 …ベースマシン
52 …ブーム
53 …リーダブラケット
54 …オーガ装置
55 …スクリュー
56 …シーブ

Claims (8)

  1. 鋼管杭の先端部に底板を一体に溶接接合し、この鋼管杭を、地中に直接あるいは予備的に掘削形成した孔内に建込んだ状態で、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するハンマーにより杭先端部のみを鋼管杭の内部から打撃して、地中に打設する鋼管杭打撃工法であって、
    前記ハンマーは、打設すべき最小サイズの鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するコアのハンマーを設け、打設すべき鋼管杭の内径に応じて、前記コアのハンマーの外径に等しい内径を有し、かつ、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するアウターにより前記コアのハンマーを囲繞して構成したことを特徴とする鋼管杭打撃工法。
  2. 前記ハンマーは、その外側面に、上部から下部に達する溝が形成されてなることを特徴とする請求項1に記載の鋼管杭打撃工法。
  3. 先端部に底板を一体に溶接接合した鋼管杭を、地中に直接あるいは予備的に掘削形成した孔内に建込んだ状態で、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するハンマーにより杭先端部のみを内部から打撃して、地中に打設することを特徴とする鋼管杭打撃装置であって、鋼管杭の打設方向を案内するガイド部材と、鋼管杭内へのハンマーの導入を容易とするためのハンマー位置決め部材とを備え、前記ガイド部材は、リーダの支柱に摺動自在に支持され、鋼管杭の外周部を把持しており、前記ハンマー位置決め部材は、上部に蓋を有し、下部を開放した有蓋円筒体であって、リーダの支柱に摺動自在に支持され、前記蓋に穿設した穴を貫通する吊りワイヤに吊持されたハンマーの上部側に被嵌されてなり、ハンマーの上部側が鋼管杭内に収嵌されたとき、ハンマーと離脱して鋼管杭の頭部に載置されるものであり、
    前記ハンマーは、打設すべき最小サイズの鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するコアのハンマーを設け、打設すべき鋼管杭の内径に応じて、前記コアのハンマーの外径に等しい内径を有し、かつ、当該鋼管杭の内径よりやや細い外径を有するアウターにより前記コアのハンマーを囲繞して構成したことを特徴とする鋼管杭打撃装置。
  4. 前記ハンマーは、その外側面に、上部から下部に達する溝が形成されてなることを特徴とする請求項に記載の鋼管杭打撃装置。
  5. ハンマー位置決め部材の下部に、鋼管杭の頭部に嵌合する鍔を形成したことを特徴とする請求項3または請求項に記載の鋼管杭打撃装置。
  6. 吊りワイヤとハンマーとの間に、吊りワイヤのねじれを防止するスイベル装置を介設したことを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載の鋼管杭打撃装置。
  7. 吊りワイヤには、鋼管杭内におけるハンマーの位置を推認し得るように、所定の間隔ごとにマーキングを施したことを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載の鋼管杭打撃装置。
  8. ハンマーの上部に油圧シリンダのロッドを接続し、油圧ハンマーにより杭先端部を打撃することを特徴とする請求項ないし請求項のいずれかに記載の鋼管杭打撃装置。
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