JP3683823B2 - 遊技媒体貸出システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パチンコ機やパチスロ機等の遊技機に用いられる遊技媒体を貸し出すための遊技媒体貸出システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
現在、パチンコ機やパチスロ機等の遊技機を設置した遊技店で遊技を行う場合には、例えば一旦現金でプリペイドカード等の記録媒体を購入し、この記録媒体に付与された価値情報に応じてパチンコ玉やメダル等の遊技媒体を借り受ける方法が主流となっている。
【0003】
こうした遊技媒体の貸出システムにおいては、記録媒体に金額または金額に相当する価値を示す価値情報そのものを磁気記録するタイプのものと、遊技店の管理装置が保有した価値情報を検索するための識別情報のみを磁気記録するタイプのものとがある。前者の場合には、カード処理ユニットが記録媒体を読み取ることで直接価値情報を取得することができるため、一方、後者の場合には、カード処理ユニットが読み取った識別情報を基に管理装置から価値情報を取得することができるため、いずれにおいても価値情報を上限として遊技媒体の貸し出しを行うことが可能となる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、価値情報そのものを磁気記録した記録媒体を適用する遊技媒体貸出システムにあっては、記録媒体とその価値情報とが常に一体化されているため、いずれの遊技店で使用しようとも遊技媒体の貸し出しが可能である。しかしながら、記録媒体に記録された価値情報を改竄する等の不正行為が多発する虞れがあり、防犯上の観点に立てば必ずしも好ましいものとはいえない。
【0005】
これに対して識別情報のみを磁気記録した記録媒体を適用する遊技媒体貸出システムでは、価値情報の改竄といった不正行為を有効に防止できるため、防犯上きわめて有利となる。しかしながら、記録媒体の価値情報を保有する管理装置は、遊技店毎に個別に設置されるものである。例えば、遊技店「A」で発行されたプリペイドカードは、当該遊技店「A」によってのみその価値情報が保有されており、他の遊技店「B」や「C」に価値情報が存在しない。従って、遊技店「A」で発行された記録媒体を遊技店「B」や「C」に設置されたカード処理ユニットに挿入したとしても、それぞれの価値情報を取得することができないため遊技媒体の貸し出しが不可能となり、遊技者に対する利便性の点で劣る。なお、こうした問題は、遊技媒体を発行するカード発行機、遊技媒体の価値情報を現金に精算するカード精算機、有効期限の過ぎた記録媒体に新たな有効期限を設定するカード更新機等、記録媒体を取り扱う記録媒体処理装置全般についても共通するものである。
【0006】
この発明は、上記従来技術による課題を解決するためになされたものであり、価値情報の改竄といった不正行為を有効に防止しつつ、遊技者の利便性を向上させることのできる遊技媒体貸出システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するためになされたものであり、請求項1に係る遊技媒体貸出システムは、記録媒体に関連して記憶された価値情報に基づいて遊技媒体の貸し出しを行うようにした遊技媒体貸出システムであって、記録媒体の価値情報を自店で保有していない場合、該記録媒体に記録された価値情報の保有場所に関わる記録情報に基づいて当該価値情報を保有する他店を特定し、該特定した他店から前記価値情報を自店に取り込んで保有するとともに、前記記録媒体の保有場所に関わる記録情報を自店のものに更新することを特徴とする。
【0008】
また、請求項2に係る遊技媒体貸出システムは、記録媒体に関連して記憶された価値情報に基づいて遊技媒体の貸し出しを行うようにした遊技媒体貸出システムであって、前記記録媒体が、自身の固有識別情報を保持するとともに、最終使用遊技店の識別情報を記録するための最終店情報記録領域を有して成り、さらに、相互に通信可能となるように遊技店毎に設置され、記録媒体の価値情報をその固有識別情報に関連づけて保有する管理装置と、記録媒体が挿入された場合に該記録媒体に記録された固有識別情報および最終使用遊技店の識別情報を含めて自店の管理装置に価値情報の取得要求を与える一方、当該記録媒体の最終店情報記録領域に対して自身が設置されている遊技店の識別情報を記録可能な記録媒体処理装置とを備え、前記記録媒体処理装置から与えられた最終使用遊技店の識別情報が他店のものであった場合に自店の管理装置が、この最終使用遊技店の識別情報および記録媒体の固有識別情報に基づいて該当する遊技店を特定し、該特定した遊技店の管理装置から価値情報を取得することによってこれを前記記録媒体の固有識別情報に関連づけて自身に保有するとともに、前記記録媒体処理装置に転送し、さらに前記記録媒体処理装置を介して前記記録媒体の最終店情報記録領域に自店の識別情報を記録することを特徴とする。
【0009】
また、請求項3に係る遊技媒体貸出システムは、前記記録媒体に、該記録媒体を発行した遊技店の識別情報を記録する発行店情報記録領域を設けたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項4に係る遊技媒体貸出システムは、前記記録媒体が、遊技店の管理装置に会員情報を登録した遊技者に対して付与する会員カードであり、前記管理装置が他店の管理装置から価値情報を取得する際に前記会員情報も併せて取得することを特徴とする。
【0011】
また、請求項5に係る遊技媒体貸出システムは、前記管理装置が、他店の管理装置と直接通信を行うことを特徴とする。
【0012】
また、請求項6に係る遊技媒体貸出システムは、前記管理装置が、中央管理装置を通じて他店の管理装置と通信を行うことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る遊技媒体貸出システムの好適な実施の形態を詳細に説明する。
【0014】
図1は、本実施の形態である遊技媒体貸出システムの概略構成を示すブロック図、図2は、遊技店の概略構成を示すブロック図である。ここで例示する遊技媒体貸出システムは、複数の遊技店10とこれら複数の遊技店10を統括的に管理する中央管理コントローラ100とを主要構成要素とするもので、記録媒体として会員カードおよびプリペイドカードを適用する。
【0015】
会員カードは、住所や氏名等の会員情報を登録した会員に対して遊技店10が発行する合成樹脂製のカード(JIS2)であり、各種情報を磁気記録するための磁気ストライプを備えている。会員カードの磁気ストライプには、図3に示すように、会員カードを発行した遊技店10の識別情報を記録するための店コード記録領域MF1、会員の識別情報を記録するための会員コード記録領域MF2、会員カードを最後に使用した遊技店10の識別情報(以下単に最終店コードという)を記録するための最終店コード記録領域MF3等の記録領域が設けてある。また、図にはしていないものの、会員カードの表面には、発行した店コード、会員コード等の情報が印字してあり、記録内容の一部を目視できるようになっている。
【0016】
これに対してプリペイドカードは、任意の遊技者に対して都度発行される紙製のカードであり、上述した会員カードと同様に、各種情報を磁気記録するための磁気ストライプを備えている。プリペイドカードの磁気ストライプには、図4に示すように、プリペイドカードを発行した遊技店10の識別情報を記録するための店コード記録領域PF1、プリペイドカードの固有識別情報を記録するためのカード識別コード記録領域PF2、プリペイドカードの最終店コードを記録するための最終店コード記録領域PF3、プリペイドカードを発行した日付を記録するための日付記録領域PF4等の記録領域が設けてある。このプリペイドカードの表面には、発行した店コード、カード識別コード発行金額等の情報が印字してあり、記録内容の一部を目視できるようになっている。
【0017】
これら会員カードおよびプリペイドカードには、それぞれ遊技媒体を借り受ける際の基準となる価値情報を付与してある。本実施の形態の場合、それぞれの価値情報は、上述したように、カードそのものには記録しておらず、後述するターミナルコントローラ20にのみ格納してある。具体的には、会員カードの場合、その価値情報が会員の識別情報に関連づけてターミナルコントローラ20に格納してあり、一方、プリペイドカードの場合、その価値情報が該プリペイドカードの固有識別情報に関連づけてターミナルコントローラ20に格納してある。また、会員カードには特別に有効期限を設定していないものの、プリペイドカードには発行日から一定の期間、例えば8日間を有効期限として設定してある。
【0018】
図2に示すように、本実施の形態の遊技媒体貸出システムの構成要素である遊技店10には、それぞれ「島」と呼ばれるグループごとに複数の遊技機30が並設してあるとともに、各島にカード発行機40、カード処理ユニット50、カード精算機60、カード更新機70等の記録媒体処理装置が適宜設けてある。なお、以下においては、図1中の遊技店名「A1」、遊技店名「A2」および遊技店名「A3」がそれぞれ同一の資本Aの下に運営されたチェーン店であり、また遊技店名「B」が資本Aとは異なる資本Bの下に運営された単独店舗であるとして説明する。
【0019】
遊技機30は、パチンコ玉を遊技媒体として遊技を行うパチンコ機、メダルを遊技媒体として遊技を行うパチスロ機等である。カード発行機40は、会員カードに関連づけられた価値情報に対する加算処理、並びにプリペイドカードの発行処理を主機能とするものであり、各遊技店10に数台ずつ設置してある。カード処理ユニット50は、会員カードやプリペイドカードに関連づけられた価値情報を上限とする遊技媒体の貸し出し処理を主機能とするものである。このカード処理ユニット50は、遊技店10に設置された複数の遊技機30それぞれに対して1台ずつペアとなるように用意され、遊技機30の相互間に挟まれる形で設置してある。カード精算機60は、会員カードやプリペイドカードに関連づけられた価値情報を現金に精算する処理を主機能とするもので、各遊技店10に数台ずつ設置してある。カード更新機70は、プリペイドカードに設定された有効期限を更新する処理を主機能とするもので、各遊技店10に数台ずつ設置してある。
【0020】
上述した遊技機30、カード発行機40、カード処理ユニット50、カード精算機60およびカード更新機70は、各島に設けた島コントローラ80を通じてターミナルコントローラ20と称される管理装置の制御下にある。ターミナルコントローラ20は、各遊技店10に少なくとも1台設置してあり、設置した遊技店10の統括管理、例えばカード管理、会員の管理、売上管理等を行うとともに、上述したように、会員カードおよびプリペイドカードの価値情報を保有管理する部分である。このうちチェーン店である遊技店10に設置されたターミナルコントローラ20に関しては、例えばISDNなどの公衆回線網を通じて相互に直接通信できるように設定してある。また、単独店舗である遊技店10に設置されたターミナルコントローラ20に関しては、チェーン店に設置されたターミナルコントローラ20とは直接通信できないものの、中央管理コントローラ100を通じて相互に通信することができるように設定してある。
【0021】
中央管理コントローラ100は、当該遊技媒体貸出システムの契約遊技店10に設置したすべてのターミナルコントローラ20との間において適宜通信を行うことにより、遊技店10毎の売上集計、カード管理、機器管理等を行う部分である。また、この中央管理コントローラ100では、有効期限の過ぎてしまったプリペイドカードの価値情報およびその固有識別情報をターミナルコントローラ20から吸い上げ、これを自身で保有管理する処理も行っている。
【0022】
次に、図5乃至図8に示すフローチャートに従って、本実施の形態の遊技媒体貸出システムの動作について順次説明していく。
【0023】
図5は、カード発行機40において実施されるプリペイドカード発行処理を示すものである。このプリペイドカード発行処理では、ステップS101において利用者が貨幣、もしくはデビットカードを投入すると、投入金額以下の選択ボタンが有効化され、当該有効化した選択ボタンの操作待ちとなる(ステップS102)。ステップS102において利用者が所望の選択ボタンをON操作すると、このON操作された選択ボタンの金額情報を含めたカード発行許可要求を、島コントローラ80を通じて自店のターミナルコントローラ20に与え(ステップS103)、その後、カード発行許可の受信待機状態となる(ステップS104)。
【0024】
この間、カード発行許可要求を受信したターミナルコントローラ20は、ON操作された選択ボタンの金額に対応する価値情報を固有の識別情報に対応づけて自身の記憶部に格納した後、島コントローラ80を通じて許可要求の発信元となるカード発行機40にカード発行許可を送信する。このカード発行許可には、発行するプリペイドカードの価値情報に対応づけた固有識別情報が含まれる。
【0025】
ターミナルコントローラ20からのカード発行許可を受信したカード発行機40は、予め内部に装填されたロール紙に対して適宜切断・印字・記録処理を施すことにより、プリペイドカードを作成する(ステップS105)。このプリペイドカードの磁気ストライプには、日付記録領域PF4に発行の日付、店コード記録領域PF1および最終店コード記録領域PF3にそれぞれ発行遊技店10である自店の識別情報、カード識別コード記録領域PF2にターミナルコントローラ20から与えられた固有識別情報がそれぞれ磁気記録されることになる。また、プリペイドカードの表面には、発行した店コード、カード識別コード、発行金額等の情報および当該プリペイドカードの有効期限が印字されることになる。最後にこのプリペイドカードを利用者に対して発行し(ステップS106)、手順をリターンさせる。
【0026】
なお、ステップS101において貨幣が投入され、かつステップS102でON操作された選択ボタンの価値情報が当該投入貨幣よりも小さい場合には、プリペイドカードの発行前後において遊技者に釣り銭が払い出される。一方、ステップS101においてデビットカードが投入された場合には、プリペイドカードの発行前後において当該デビットカードが遊技者に返却される。
【0027】
次に、上記のようにして発行されたプリペイドカード、あるいは会員に対して予め発行した会員カードを、カード発行機40、カード処理ユニット50、カード精算機60に挿入した場合のカード受入処理について説明する。図6は、カード処理ユニット50で実施されるカード受入処理を示したフローチャート、図7は、図6のカード受入処理に伴って自店のターミナルコントローラ20で実施される価値情報取得要求受信処理を示したフローチャートである。
【0028】
まず、カード受入処理では、図6のステップS201において利用者がカード、例えばプリペイドカードを挿入すると、カード処理ユニット50が、当該プリペイドカードに磁気記録された内容の読み取りを行う(ステップS202)。
【0029】
プリペイドカードの読み取りを行ったカード処理ユニット50は、そのカード識別コード記録領域PF2に記録された固有識別情報および最終店コード記録領域PF3に記録された遊技店10の識別情報を含めた価値情報取得要求を、島コントローラ80を通じて自店のターミナルコントローラ20に与える(ステップS203)。
【0030】
一方、図7のステップS301においてカード処理ユニット50から価値情報取得要求を受信したターミナルコントローラ20は、該価値情報取得要求に含まれる最終店コードが自店のものであるか否かを判断する(ステップS302)。最終店コードが自店のものであれば、価値情報取得要求に含まれるプリペイドカードの固有識別情報を基に自身が保有する価値情報を読み出すとともに、この読み出した価値情報を、島コントローラ80を通じて取得要求の発信元となるカード処理ユニット50に送信し(ステップS303)、手順を後述するステップS309に進める。
【0031】
これに対して最終店コードが自店のものでなかった場合には、つまり自店のターミナルコントローラ20が価値情報を保有していない場合には、当該最終店コードから価値情報を保有している遊技店10を割り出し(ステップS304)、この割り出した遊技店10に設置されているターミナルコントローラ20に対して価値情報の取得要求を行う(ステップS305)。この場合、上述したように、チェーン店間においては、ターミナルコントローラ20相互が直接情報の授受を行うようにしているため、例えば近接する遊技店10間においては中央管理コントローラ100を経ることなく価値情報の授受が可能になる。一方、単独店舗との間においては、中央管理コントローラ100を経由してターミナルコントローラ20相互が情報の授受を行うようにしているため、例えば遠隔の遊技店10相互で価値情報を授受できる等、広範に亘る価値情報の授受が可能になる。
【0032】
ステップS306において、相手側の遊技店10から価値情報を受信すると、これを自身の記憶部に格納し(ステップS307)、さらにこの価値情報および最終店コードの記録更新要求を、島コントローラ80を通じて取得要求の発信元となるカード処理ユニット50に送信する(ステップS308)。
【0033】
図6のステップS204において自店のターミナルコントローラ20から価値情報を受信したカード処理ユニット50は、操作ボタン(カード処理ユニット50の場合は貸出ボタン)の操作入力待ちとなる(ステップS205)。ステップS205において利用者である遊技者が操作ボタンをON操作すると、このON操作された操作ボタンに対応する遊技媒体を投出し、その後、投出した遊技媒体の分だけ価値情報を減算するように自店のターミナルコントローラ20に対して更新要求を与える(ステップS206)。
【0034】
図7のステップS309において価値情報の更新要求を受信したターミナルコントローラ20は、当該プリペイドカードの価値情報を更新し(ステップS310)、今回の処理を終了する。
【0035】
一方、価値情報の更新要求を送信したカード処理ユニット50は、図6のステップS207においてターミナルコントローラ20から最終店コードの更新要求があったか否かを判断する。ターミナルコントローラ20から最終店コードの更新要求があった場合には、つまりプリペイドカードの価値情報を他店のターミナルコントローラ20から取得し、これを新たに自店のターミナルコントローラ20が保有することになった場合には、プリペイドカードの最終店コード記録領域PF3を自店の識別情報に更新し(ステップS208)、この更新したプリペイドカードを遊技者に返却して(ステップS209)、今回の処理を終了する。これに対して最終店コードの更新要求がなかった場合には、つまりプリペイドカードの価値情報を元々自店のターミナルコントローラ20が保有していた場合には、ステップS208を経ることなくプリペイドカードを遊技者に返却して(ステップS209)、今回の処理を終了する。この結果、いずれの場合であっても、カード処理ユニット50から返却されるプリペイドカードには、その最終店コード記録領域PF3に、当該カード処理ユニット50が設置されている遊技店10、すなわちプリペイドカードの価値情報を保有したターミナルコントローラ20を設置した遊技店10の識別情報が記録されるようになる。ただし、プリペイドカードの店コード記録領域PF1に変化はないため、如何なる遊技店10で使用しようとも発行した遊技店10を特定することが可能である。
【0036】
以降同様の動作を繰り返し行うことにより、プリペイドカードを如何なる遊技店10のカード処理ユニット50で使用した場合にも、常にその価値情報を確実に取得し、該取得した価値情報を上限とした遊技媒体の貸し出しが可能となるため、遊技者の利便性が著しく向上するようになる。しかも、プリペイドカードそのものには価値情報を記録していないため、価値情報の改竄といった不正行為を有効に防止することができる。
【0037】
上述したカード受入処理は、プリペイドカードを用いて遊技媒体を借り受ける場合について説明したが、会員カードを用いて遊技媒体を借り受ける場合の動作も同様である。ただし、会員カードにあっては、その性質上、チェーン店間での使用に制限するなどの処置をとっても構わない。また、会員カードの場合、その価値情報の保有場所のみを変更したのでは、価値情報と会員情報とが異なる遊技店で保有されてしまうことになり、必ずしも好ましいものとはいえない。従って、価値情報の保有場所を変更する際に会員情報の保有場所も併せて変更する、あるいは図9に示す変形例のように、チェーン店となる遊技店10と中央管理コントローラ100との間に当該チェーン店用の管理センタ90を設置し、この管理センタ90でチェーン店すべての会員情報を一元管理する、等々の方法を適用すれば、会員カードの他店利用を円滑に具現化することができるようになる。
【0038】
さらに、カード処理ユニット50についてのみ説明しているが、カード発行機40において会員カードの価値情報に加算処理を行う場合やカード精算機60においてプリペイドカードの価値情報や会員カードの価値情報を現金に精算する処理を行う場合も同様の手順によって可能である。この場合、前者にあっては、図6のステップS201で会員カードの挿入とともに貨幣、もしくはデビットカードの挿入を判断し、またステップS205において利用者が操作ボタン(カード発行機40の場合は加算金額選択ボタン)をON操作すると、ステップS206においてこのON操作された操作ボタンに対応する金額分だけ価値情報を加算するように自店のターミナルコントローラ20に対して更新要求を与える処理を実施する。一方、後者にあっては、図6のステップS205において利用者が操作ボタン(カード精算機60の場合は精算金額選択ボタン)をON操作すると、このON操作された操作ボタンに対応する貨幣が投出され、その後、ステップS206において投出した貨幣の金額分だけ価値情報を減算するように自店のターミナルコントローラ20に対して更新要求を与えることになる。
【0039】
次に、有効期限の過ぎてしまったプリペイドカードをカード更新機70に挿入した場合のカード受入処理について説明する。図8は、このカード更新機70で実施される期限切れカード受入処理を示したフローチャートである。なお、本実施の形態の遊技媒体貸出システムでは、上述したように、中央管理コントローラ100が、有効期限の過ぎてしまったプリペイドカードの価値情報およびその固有識別情報をターミナルコントローラ20から吸い上げ、これを自身で保有管理しているものとする。
【0040】
まず、期限切れカード受入処理では、図8のステップS401において利用者が有効期限の過ぎたプリペイドカードを挿入すると、カード更新機70が、当該プリペイドカードに磁気記録された内容の読み取りを行う(ステップS402)。
【0041】
プリペイドカードの読み取りを行ったカード更新機70は、その固有識別情報を含めたカード発行許可要求を、島コントローラ80を通じて自店のターミナルコントローラ20に与える(ステップS403)。
【0042】
カード更新機70からカード発行許可要求を受信したターミナルコントローラ20は、プリペイドカードの固有識別情報を含めた価値情報取得要求を中央管理コントローラ100に送信し、価値情報の取得待機状態となる。ターミナルコントローラ20から価値情報取得要求を受信した中央管理コントローラ100は、固有識別情報に基づいて自身が保有しているプリペイドカードの価値情報を読み出し、これをターミナルコントローラ20に送信する。中央管理コントローラ100から価値情報を取得したターミナルコントローラ20は、これをプリペイドカードの固有識別情報に対応づけて自身の記憶部に格納した後、島コントローラ80を通じて許可要求の発信元となるカード更新機70にカード発行許可を送信する。
【0043】
ステップS404においてターミナルコントローラ20からのカード発行許可を受信したカード更新機70は、予め内部に装填されたロール紙に対して適宜切断・印字・記録処理を施すことにより、新たなプリペイドカードを作成する(ステップS405)。このプリペイドカードの磁気ストライプには、日付記録領域PF4に新たな発行の日付、店コード記録領域PF1および最終店コード記録領域PF3にそれぞれ発行遊技店10である自店の識別情報、カード識別コード記録領域PF2にターミナルコントローラ20から与えられた固有識別情報がそれぞれ磁気記録されることになる。また、プリペイドカードの表面には、発行した店コード、カード識別コード、発行金額等の情報および当該プリペイドカードの有効期限が印字されることになる。最後にこのプリペイドカードを利用者に対して発行し(ステップS406)、手順をリターンさせる。
【0044】
このようにして、カード更新機70から発行されたプリペイドカードにあっても、磁気ストライプのフォーマットおよび表面の印字内容が、カード発行機40から発行されたプリペイドカードと同一である。従って、自身に価値情報を記録しないプリペイドカードでありながら、複数の遊技店10での使用が可能となり、価値情報の改竄といった不正行為を有効に防止しつつ、遊技者の利便性を著しく向上させることができるようになる。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、記録媒体に関連して記憶された価値情報に基づいて遊技媒体の貸し出しを行うようにした遊技媒体貸出システムであって、自店が価値情報を保有しない記録媒体の読み取りを行った場合に、該記録媒体に記録された価値情報の保有場所に関わる記録情報に基づいて当該価値情報を保有する他店を特定し、該特定した他店から前記価値情報を自店に取り込んで保有するとともに、前記記録媒体の保有場所に関わる記録情報を自店のものに更新するようにしているため、記録媒体に価値情報を記録しない場合であっても、複数の遊技店での使用が可能となり、価値情報の改竄といった不正行為を有効に防止しつつ、遊技者の利便性を向上させることができるようになる。
【0046】
また、請求項2の発明によれば、記録媒体に関連して記憶された価値情報に基づいて遊技媒体の貸し出しを行うようにした遊技媒体貸出システムであって、記録媒体が、自身の固有識別情報を保持するとともに、最終使用遊技店の識別情報を記録するための最終店情報記録領域を有して成り、さらに、相互に通信可能となるように遊技店毎に設置され、記録媒体の価値情報をその固有識別情報に関連づけて保有する管理装置と、記録媒体が挿入された場合に該記録媒体に記録された固有識別情報および最終使用遊技店の識別情報を含めて自店の管理装置に価値情報の取得要求を与える一方、当該記録媒体の最終店情報記録領域に対して自身が設置されている遊技店の識別情報を記録可能な記録媒体処理装置とを備え、前記記録媒体処理装置から与えられた最終使用遊技店の識別情報が他店のものであった場合に自店の管理装置が、この最終使用遊技店の識別情報および記録媒体の固有識別情報に基づいて該当する遊技店を特定し、該特定した遊技店の管理装置から価値情報を取得することによってこれを前記記録媒体の固有識別情報に関連づけて自身に保有するとともに、前記記録媒体処理装置に転送し、さらに前記記録媒体処理装置を介して前記記録媒体の最終店情報記録領域に自店の識別情報を記録するようにしているため、記録媒体に価値情報を記録しない場合であっても、複数の遊技店での使用が可能となり、価値情報の改竄といった不正行為を有効に防止しつつ、遊技者の利便性を向上させることができるようになる。
【0047】
また、請求項3の発明によれば、記録媒体に、該記録媒体を発行した遊技店の識別情報を記録する発行店情報記録領域を設けているため、記録媒体の発行店を特定することが可能になる。
【0048】
また、請求項4の発明によれば、前記記録媒体が、遊技店の管理装置に会員情報を登録した遊技者に対して付与する会員カードであり、前記管理装置が他店の管理装置から価値情報を取得する際に前記会員情報も併せて取得するようにしているため、会員カードの他店での利用も可能になり、遊技者の利便性が一層向上する。
【0049】
また、請求項5の発明によれば、前記管理装置が、他店の管理装置と直接通信を行うようにしているため、近接する遊技店間においては中央管理装置を経ることなく価値情報の授受が可能になる。
【0050】
また、請求項6の発明によれば、前記管理装置は、中央管理装置を通じて他店の管理装置と通信を行うようにしているため、広範に亘って価値情報の授受が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である遊技媒体貸出システムの概略構成を示すブロック図である。
【図2】遊技店の概略構成を示すブロック図である。
【図3】図1に示した遊技媒体貸出システムで適用される会員カードのデータフォーマットを示す模式図である。
【図4】図1に示した遊技媒体貸出システムで適用されるプリペイドカードのデータフォーマットを示す模式図である。
【図5】図1に示した遊技媒体貸出システムで実施されるプリペイドカード発行処理を示すフローチャートである。
【図6】図1に示した遊技媒体貸出システムで実施されるカード受入処理を示すフローチャートである。
【図7】図1に示した遊技媒体貸出システムで実施される価値情報取得要求受信処理を示すフローチャートである。
【図8】図1に示した遊技媒体貸出システムで実施される期限切れカード受入処理を示すフローチャートである。
【図9】図1に示した遊技媒体貸出システム概略構成の変形例を示すブロック図である。
【符号の説明】
10 遊技店
20 ターミナルコントローラ
30 遊技機
40 カード発行機
50 カード処理ユニット
60 カード精算機
70 カード更新機
80 島コントローラ
90 管理センタ
100 中央管理コントローラ
MF1 店コード記録領域
MF2 会員コード記録領域
MF3 最終店コード記録領域
PF1 店コード記録領域
PF2 カード識別コード記録領域
PF3 最終店コード記録領域
PF4 日付記録領域

Claims (6)

  1. 記録媒体に関連して記憶された価値情報に基づいて遊技媒体の貸し出しを行うようにした遊技媒体貸出システムであって、
    記録媒体の価値情報を自店で保有していない場合、該記録媒体に記録された価値情報の保有場所に関わる記録情報に基づいて当該価値情報を保有する他店を特定し、該特定した他店から前記価値情報を自店に取り込んで保有するとともに、前記記録媒体の保有場所に関わる記録情報を自店のものに更新することを特徴とする遊技媒体貸出システム。
  2. 記録媒体に関連して記憶された価値情報に基づいて遊技媒体の貸し出しを行うようにした遊技媒体貸出システムであって、
    前記記録媒体が、自身の固有識別情報を保持するとともに、最終使用遊技店の識別情報を記録するための最終店情報記録領域を有して成り、
    さらに、
    相互に通信可能となるように遊技店毎に設置され、記録媒体の価値情報をその固有識別情報に関連づけて保有する管理装置と、
    記録媒体が挿入された場合に該記録媒体に記録された固有識別情報および最終使用遊技店の識別情報を含めて自店の管理装置に価値情報の取得要求を与える一方、当該記録媒体の最終店情報記録領域に対して自身が設置されている遊技店の識別情報を記録可能な記録媒体処理装置と
    を備え、前記記録媒体処理装置から与えられた最終使用遊技店の識別情報が他店のものであった場合に自店の管理装置が、この最終使用遊技店の識別情報および記録媒体の固有識別情報に基づいて該当する遊技店を特定し、該特定した遊技店の管理装置から価値情報を取得することによってこれを前記記録媒体の固有識別情報に関連づけて自身に保有するとともに、前記記録媒体処理装置に転送し、さらに前記記録媒体処理装置を介して前記記録媒体の最終店情報記録領域に自店の識別情報を記録することを特徴とする遊技媒体貸出システム。
  3. 前記記録媒体に、該記録媒体を発行した遊技店の識別情報を記録する発行店情報記録領域を設けた請求項1または2に記載の遊技媒体貸出システム。
  4. 前記記録媒体が、遊技店の管理装置に会員情報を登録した遊技者に対して付与する会員カードであり、前記管理装置が他店の管理装置から価値情報を取得する際に前記会員情報も併せて取得する請求項2または3に記載の遊技媒体貸出システム。
  5. 前記管理装置は、他店の管理装置と直接通信を行う請求項2〜4のいずれか1項記載の遊技媒体貸出システム。
  6. 前記管理装置は、中央管理装置を通じて他店の管理装置と通信を行う請求項2〜4のいずれか1項記載の遊技媒体貸出システム。
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