JP3683156B2 - 固体物質の表面分析方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、励起イオン脱離法による固体物質の表面状態を分析する方法に関し、特に、水素等の軽元素の分析に適したプロトン走査顕微鏡を用いた固体物質の表面状態の分析法に関する。
【0002】
【従来の技術】
固体物質の表面分析を行う方法には、X線電子分光法、オージェ電子分光法、X線吸収分光法、二次イオン質量分光法、グロー放電発光分光分析法等、種々の目的で種々の分析法が存在する。固体物質の表面に存在する水素等の軽元素の分布状態等を測定する方法としては、二次イオン質量分光法、電子励起イオン脱離法(ESD:electron stimulated desorption)等がよく知られている。二次イオン質量分光法は、試料にイオンビームを照射し、試料から放出されるイオンを質量分析する方法であり、電子励起イオン脱離法は、試料に電子ビームを照射し、試料から放出されるイオンを質量分析する方法である。
【0003】
ところが、二次イオン質量分光法は、試料に照射するイオンビームを収束して小さなビーム径とすることは非常に難しく、実際、イオンビームのビーム径は通常10〜100μm程度と非常に大きく、分解能は非常に悪いものとなる。したがって、二次イオン質量分光法では微小領域のイオン分析を行うことが非常に難しいのである。これに対し、電子励起イオン脱離法では、電子ビームを用いるので、試料に照射するときのビーム径を小さくして表面走査を行うことは可能であるが、これまで、例えば水素原子の固体物質表面における分布を測定しようとする場合、水素原子をプロトンとして試料表面から効率よく脱離させるために必要な300〜800eV程度の低エネルギーで大きな電流、細いビーム径を得ることが困難で、感度が非常に悪く実用に供することはできないものとなっていた。つまり、ビーム径を小さくすれば分解能を向上させることはできるが、通常のフィラメントでビーム電流を大きくするとビーム径が大きくなってしまうので、分解能が悪くなり、微小領域の水素原子の分析を行うことが難しくなってしまうという問題である。
【0004】
本発明者らが開発した特開平10−269983号公報に示す走査型プロトン顕微鏡は、それまでの電子励起イオン脱離法が抱える上記問題を解決するためになされたものであり、最も軽い元素である水素であっても、微小領域に存在するものを感度よく、高い分解能で分析でき、その分布を2次元画像化することを可能とした。その手段としての特徴は、10-8〜10-9Pa程度の超高真空を達成してスペクトルのバックグランドのプロトンレベルを小さくした上で、電子ビーム照射系として、300〜800eV程度の低エネルギーで、数nA程度の大きな電流がとれ、しかもビーム径は大きくても700nm程度にできるような構成としたことにある。
【0005】
そして、もう一つの特徴は、イオンの質量分析手段として、飛行時間(TOF:time of flight)型質量分析を採用したことにある。このTOFの原理は、次式に関係付けられる値から質量を分析するものである。
【0006】
t=L・(2m)1/2/[(Ek)1/2+(Ek+q・Vs)1/2]
t:脱離したイオンの飛行時間
L:飛行距離(試料とイオン検知部との距離)
q:イオンの電荷
m:イオンの質量
k:イオンの運動エネルギー
s:試料のバイアス電圧(試料とイオン検知部との間に印加される電圧)
つまり、電子ビームの1パルスが試料に照射されると、励起の瞬間からイオンが放出され、検知部に達するイオンの飛行時間tは電子ビームの照射からスペクトルのピークまでの時間として測定できる。飛行距離Lは試料とイオン検知部との距離で定まっており、イオンの電荷qは既知であり、イオンの運動エネルギーEkおよびバイアス電圧Vsも既知であるので、質量mを求めることができるというものである。したがって、水素原子の存在の有無を測定すべくプロトンを検知する場合には、qとしてプロトンの電荷をとり、Ekとしてプロトンの運動エネルギーをとればよい。
【0007】
このような原理を利用し、これまで、上記走査型プロトン顕微鏡等によって、水素原子を始めとする固体物質表面に存在する各種原子の分布が調査され、ある原子がある領域にどの程度存在するかを正確に測定し、2次元画像としてその情報を得ることに成功していた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上記TOFの原理におけるイオンの運動エネルギーEkは、そのイオン脱離する原子の種類およびイオン脱離する前の原子がどのような状態で結合されているか、例えば、結合の種類、結合されている部分の物質の種類等から決定される固有値であり、たとえ原子の種類が同じでも、固体物質表面での化学結合状態によって異なるものとなっている。しかし、これまで行われていたいかなる励起イオン脱離分析においても、その原子の種類にのみ着目してその原子の分布のみを分析するものであり、その原子の固体物質表面での化学結合状態に着目してその分布を分析することは行われていなかった。
【0009】
本発明者は、化学結合状態の違いを測定し、特定原子の特定の化学結合状態の分布等を得ることができれば、これまでより一歩進んだ固体物質の表面分析が可能になると考えた。そして、化学結合状態によって異なるイオン運動エネルギーEkに着目し、上記TOFの原理に基づいて、特定のイオン運動エネルギーEkに対応する特定原子のイオンのみを分離して測定することにより、特定原子の特定の化学結合状態の分布等を得ることができるとの知見を得た。本発明は、その知見に基づくものであり、固体物質表面に存在する特定原子の特定の化学結合状態を分析する分析方法を提供することを課題としている。
【0010】
また、これまでの飛行時間型質量分析装置では、分析の対象となる原子が軽元素である場合、特に最も軽元素である水素原子の場合、その原子がイオン化して飛行する速度は極めて速く、飛行時間に対するスペクトルにおいて、種々のイオン運動エネルギーEkに対応するピークを分離することは極めて難しいものとなっていた。本発明者は、上記走査型プロトン顕微鏡のもつ高い時間分解能を利用して、それまで実現できなかった水素等の軽元素原子のイオン脱離におけるイオン運動エネルギーEkの異なるピークを分離することに成功した。本発明は、この成功によってもたらされたものであり、水素等の軽元素原子の特定化学結合状態の分布等を、迅速にかつ高感度、高分解能に分析できる固体物質の表面分析方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の固体物質の表面分析方法では、少なくとも試料表面の水素原子をプロトンとして効率よく脱離できる所定の低エネルギーで所定の電流、所定のビーム径を有する荷電粒子、光子あるいは電磁波のいずれかの照射線を間欠的に試料に照射し、かつ試料の所定範囲を走査する照射線照射手段と、前記試料との間に所定の電圧を印加され該試料から所定距離だけ離間して配置され該試料から放出されたイオンを受け止めて検知する検知部を有し、該イオンの質量を分析する飛行時間型質量分析手段とを備える走査プロトン顕微鏡を用いて行う固体物質表面分析方法であって、前記試料と前記検知部との間に印加する前記所定電圧を適正化することで、該試料表面に存在する原子の化学結合状態に応じて異なる飛行時間のうち特定の飛行時間を有する前記イオンを分離して検知し、前記試料とした固体物質の表面状態を分析することを特徴とする。
【0012】
つまり、本発明の固体物質の表面分析方法は、励起イオン脱離法におけるTOFの原理を利用し、特定の原子のイオン脱離の際、その原子の固体物質表面における化学結合状態に対応する固有のイオン運動エネルギーEkをもつイオンを検知することにより、その固体物質の表面の状態を分析する方法である。TOFに関する上記式においてイオン運動エネルギーEkは、イオン脱離するイオンの初速度を決定する。したがって、イオン脱離後一定の飛行距離を飛行するそのイオンの飛行時間は、イオン運動エネルギーEkによって異なるものになり、すなわち、その原子の固体物質表面における化学結合状態によって異なるものとなる。本発明の分析方法は、この飛行時間の相違するイオンを検出することにより、固体物質の表面状態を分析するものであり、従来から行われてきた特定原子の存在分布と異なり、特定原子の特定の化学結合状態の分布、その原子が存在する物質の領域ごとの同定等、さらに一歩進んだ固体物質の表面分析が可能となる。また試料と試料から脱離したイオンが受け止められる飛行時間型質量分析手段の検知部との間に印加されるバイアス電圧を調整することにより、高精度に、特定の化学結合状態にある特定の原子のみを検知するものである。
【0015】
照射線に電子ビームを用いた場合には、前述した本発明者らが開発した走査型プロトン顕微鏡を用いる態様の分析方法となる。その態様での分析方法は、その走査型プロトン顕微鏡の高い時間分解能を利用して、軽元素の原子、特に水素原子では不可能であった化学結合状態の違いを検知でき、水素等の軽元素原子の特定化学結合状態の分布等を、迅速にかつ高感度、高分解能に分析できる固体物質の表面分析方法となる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の固体物質の表面分析方法に関する実施形態について、一般的な実施形態および上記走査型プロトン顕微鏡を用いた実施形態に分け、詳しく説明する。
【0017】
〈一般的な実施形態〉
本発明の固体物質表面分析方法は、荷電粒子、光子あるいは電磁波のいずれかの照射線を固体物質の表面に照射し、該固体物質の表面に存在する原子をイオンとして脱離させて該固体物質表面から所定の飛行距離だけ飛行させ、該原子が該固体物質の表面に存在した際の化学結合状態に応じて異なる飛行時間のうち特定の飛行時間を有するイオンを検知して、該固体物質の表面状態を分析する固体物質の表面分析方法である。
【0018】
固体物質表面に照射する照射線は、荷電粒子、光子あるいは電磁波のいずれかである。具体的には、α線、β線(電子線)、陽電子線、陽子線、γ線、X線等を使用でき、イオン脱離させて検出する原子によってその照射線を選択すればよい。水素等の軽元素をイオン脱離させて検出する場合には、効率よく励起させてイオン脱離させることのできるエネルギーとし易い、その照射領域を小さくつまり絞り込んで照射できる等の利点を考慮すれば、照射線は電子ビームであることが望ましい。
【0019】
特定の化学結合状態の原子がイオン脱離したイオンを検知する装置は、飛行時間型質量分析装置であればよく、既に公知の分析装置を使用できる。しかし、化学結合の違いによる同じ原子のイオンの飛行時間の差は小さく、その差を識別できる程度の時間分解能を必要とする。質量の大きな原子の場合、化学結合の違いによる飛行時間の差は比較的大きく、これに対して、質量の小さな原子は化学結合の違いによる飛行時間の差は極めて小さい。したがって、イオン脱離させて検出する原子の種類に応じて、適切な飛行時間型質量分析装置を用いればよい。
【0020】
照射線は、固体物質の表面の一定の領域を照射できるものであればよい。例えば、広い領域を照射できるものであれば、その領域に存在する特定の化学結合状態の特定の原子の量の大小を測定できる。また、狭い領域に絞り込んで照射し、この照射位置を順次移動させることもできる。いわゆる固体物質表面を走査する態様の分析方法である。1つの照射領域ごとの特定の化学結合状態の特定の原子の存在量を検知した上で、それを2次元的に繋ぎ合わせ、2次元分布等を得ることができる。この場合、その2次元分布情報を画像処理して、領域ごとの特定の化学結合状態の特定の原子の存在量が例えば濃淡として表される2次元画像の形式で出力するような態様で実施することもできる。
【0021】
励起させてイオン脱離させる原子は、単独の原子であってもよく、また、例えばOHをOH-として脱離可能であること等から、原子団であってもよい。また、イオン脱離させる原子は、物質表面に吸着している原子でもよく、また、その物質を構成している一部の原子であってもよい。したがって、本分析方法の分析する固体物質の表面とは、表面近傍つまり表層部をも含む意味である。
【0022】
また、固体物質表面における原子の化学的結合状態とは、例えば、その原子が吸着している場合であれば、その固体物質の吸着している部分の物質の種類とその吸着物の種類との関係等によって決定される状態であり、その原子が固体物質を構成している原子であれば、他の原子との結合関係等によって決定される状態を意味する。
【0023】
本発明の固体物質表面分析方法は、固体物質の表面に存在した際の化学結合状態に応じて異なる飛行時間のうち特定の飛行時間を有するイオンを検知して分析するものであるが、検知するイオンは1種類とは限らず、異なる2種以上の原子のイオン、あるいは、同じ種類の原子のイオンであって化学的結合状態の異なる原子が脱離したイオンを、同時に検知するものであってもよい。
【0024】
〈走査型プロトン顕微鏡による実施形態〉
上述したように、本発明の実施形態は、その目的に応じ種々の形態にて実施することができる。しかし、水素等の軽元素の原子を励起してイオン脱離させ、化学結合状態に応じた特定のイオンのみを検出するためには、それなりの特殊な態様の分析方法を実施しなければならない。以下に、本発明者らによって開発された走査型プロトン顕微鏡を使用した実施形態であって、電子励起イオン脱離飛行時間型質量分析法(TOF−ESD)により、水素等の軽元素の原子の特定の化学結合状態の分布等を、迅速にかつ高感度、高分解能に分析できる実施形態について、その走査型プロトン顕微鏡の構成を中心に説明する。
【0025】
この走査型プロトン顕微鏡は、真空度が少なくとも10-8Pa以上の超高真空を達成する排気手段と、少なくとも試料表面のプロトンを効率よく脱離できる所定の低エネルギーで所定の電流、所定のビーム径を有する電子ビームを間欠的に試料に照射し、かつ試料の所定範囲を走査する電子ビーム照射手段と、試料から放出されたイオンの質量を分析する飛行時間型質量分析手段とを備える。図1に、その走査型プロトン顕微鏡の一実施形態の全体構成を示す。図中、1は分析室、2は排気系、3は試料、4はグリッド、5はマルチチャンネルプレート(以下、MCPと称す)、6はスクリーン、7は電子銃、8はパルスアンプ、9はマルチチャンネルアナライザ(以下、MCAと称す)、10は電子銃電源、11は走査用電源、12は表示部、13はパルス発振装置、14はパターン観察窓を示す。
【0026】
分析室1には、試料3、グリッド4、MCP5、スクリーン6が収納されている。試料3、グリッド4、MCP5、スクリーン6にはそれぞれ所定の電圧が印加されている。グリッド4は3枚または4枚の同心球型のグリッドメッシュで構成されている。MCP5はイオンを電子パルスに変換して増倍するものであり、2枚の平板型のMCPで構成される。スクリーン6は電子のコレクタであり、イオンがMCP5到達するとそれに応じた電流を出力するものである。そして、スクリーン6の電流出力はパルスアンプ8で増幅され、MCA9に入力されて分析が行われることになる。
【0027】
グリッド4、MCP5、スクリーン6は、飛行時間型質量分析器(以下、TOF−MSと称す)を構成しているものであり、脱離したイオンを受け止める飛行時間型質量分析手段における検知部となる。ここで、試料3の表面とグリッド4との間の距離は略100mm程度の飛行距離を持たせるようにするのがよい。このようにすることによって、試料3の電子回折、オージェ電子分光および放出イオンの角度分布がその場観察できる。
【0028】
分析室1の内部は排気系2により10-8〜10-9Pa程度の超高真空となされている。これによって、分析室1内の残留ガスの水素、水等が試料3の表面に吸着してプロトン検出時のバックグランドへの影響を極力減少させることができる。このような排気系2は、イオンポンプあるいはターボ分子ポンプ等で構成することができる。
【0029】
電子銃7は、試料3の表面から水素を効率よく脱離できる300〜800eV程度の低エネルギーで、1nA程度の大電流が得られ、かつ700nm程度の小さいビーム径の電子ビームを照射できるように構成されている。
【0030】
ところで、プロトンを高感度で検出するためには検出立体角を大きくとることが重要であり、そのためには検出器を試料に近づけるようにすればよい。TOF−MSの場合には、グリッド4は試料3の表面上の点を中心とする半円周上に位置するように配置されており、グリッド4の面積によって試料3から発生したイオンの検出立体角が決まるため、大きなメッシュを用いるのが感度に対して有利であることが知られている。
【0031】
ところが、グリッド4のメッシュを大きくすると、相対的に電子銃7のサイズは小さな構造でないと組み込むことはできない。そこで、電子銃7としては、本発明者らが開発した電界放射型の超小型低加速電子銃を用いるのが望ましい。その構造の例を図2を参照して説明する。
【0032】
図2において、取付フランジ28にサポート27を取付け、これに全長142mmに設計した電子銃本体が保持されている。取付フランジ28には電源接続フランジ29が接続されて電子銃本体への電力供給がなされるようになっている。このような超小型の構成にして分析室1に組み込まれている。
【0033】
電界放射型電子銃ユニット(以下、FEGユニットと称す)20は、図3に示すように、フィラメント23、サプレサー電極24、引き出し電極25、陽極26全てを碍子22上に組み立て、これら各電極を貫通する孔Hを設けてFEGユニットの電子銃室を外部雰囲気と連通させる構成となされている。なお、低加速FEGでは、磁界による影響を除くため磁気シールドが必要となるが、走査プロトン顕微鏡では、分析室1の内部または外部に磁気シールドが施されているため、FEGユニット専用の磁気シールドは必要ないものである。また、低加速電圧であるためFEGの電極構造は絶縁が容易となり、碍子22上に4つの電極を組み立ててユニット化しても放電などの問題は生じないことが確認されている。
【0034】
また、図3に示すように、FEGユニットに電子銃室を貫通する孔Hを設け、分析室を10-8Pa程度の超高真空に排気する排気系2により、孔Hを通して電子銃室を真空引きする。このため、全長が短い超小型のFEGユニットを超高真空に排気することができる。
【0035】
このように低加速電圧であるため、碍子22上に4つの電極を組み立ててユ
ニット化できること、専用の磁気シールドが不要となること、電子銃室を真空引きするための特別の排気ポンプが不要となること等からFEGユニットを小型化でき、また、4つの電極を組み込んだ状態で組み立て精度のチェックができるため、動作時の光軸を正確に得ることができる。
【0036】
この電子銃の内部には、電子銃アライメント(光軸調整用)30、コンデンサレンズ40、コンデンサレンズアライメント(光軸調整用)50、アパーチャ60、偏向器70、71、非点補正器80、81、対物レンズ90が組み込まれている。
【0037】
上述したように、低加速電圧であるためコイル等は小さくても動作し、磁界レンズを小型化することができるが、分析室1は超高真空であるため、磁界レンズのコイル材料からの放出ガスが問題となる。従来用いられているポリイミド被覆の線材では放出ガスが多く、超高真空まで排気することができない。そこで、コンデンサレンズ40、対物レンズ90の磁界型レンズのコイルとして、アルミナ(Al23)またはシリカ等を被覆した線材(銅線)を用いる。このような被覆線材を用いることにより放出ガスを減少させて10-8Pa程度の超高真空まで排気することが可能となっている。
【0038】
また、偏向器70、71としては静電型の偏向器を用いる。静電型の偏向器とすることにより、コイルは不要となり、超高真空下でも問題がなく、磁界タイプの偏向器よりもほぼ半分のリード線で済ませることができるので偏向器70、71を小型化することができる。なお、図2に示す構成ではコンデンサレンズ40を組み込むようにしているが、コンデンサレンズ40を省略して対物レンズ90のみにしてもよいものである。
【0039】
ところで、以上のような構成の超小型低加速電子銃を用いたとしても、電子ビームに収差があるとビーム径が大きくなってしまうので、分解能が悪いものとなってしまう。そこで、必要な電流がとれ、しかも収差係数を小さくするために、電子銃7の対物レンズを小さくし、かつ試料3に可能な限り近づけてワーキングディスタンスを小さくする必要がある。このとき、電子銃7はグリッド4の検出立体角の範囲外に配置することは当然である。実際、図2に示す構成の電子銃において、対物レンズ90の直径を25mm、先端の頂角が50°で、収差係数として球面収差係数100mm、色収差係数14mmの特性をもつ超小型の対物レンズを得ることができた。この収差特性は通常の走査電子顕微鏡に用いられる電子銃と同程度である。
【0040】
このような超小型電子銃を用いると、TOF−MSと組み合わせて試料3の近傍に配置することができる。そして、この場合、検出立体角として2.8rad程度にすることができるため、TOF−MSの感度に影響しないで、微小ビーム径を得ることができる。
【0041】
このような電子銃7を用いることによって、300eV、ビーム電流1nAにて700nm程度のビーム径が得られることが確認されている。また、電子銃7の使用電圧は最大3kV程度であるため、電子銃7の内部のコイルも小型にでき、しかも発熱も少ないため、コイルを冷却する特別の装置も必要なく、超小型にても安定して動作することが確認されている。
【0042】
さて、電子銃電源10は、電子銃7の内部の各部に必要な電圧あるいは電流を供給する。また、電子銃7は、パルス発振装置13から走査用電源11を介して与えられる制御信号によって、電子ビームを間欠的に、即ちパルス状に放射する、いわゆるビームチョッピングを行う。電子ビームを放射する時間は50〜150nsec程度とするのがよい。走査用電源11は、偏向電圧を生成して電子銃7の偏向器に印加するものである。
【0043】
以上、構成の各部について説明したが、次に動作について説明する。パルス発振装置13は、電子銃7に電子ビームの1パルスの照射を指示すると同時に、MCA9に対して、TOFの原理を示した上記関係式に基づくスペクトルの分析動作の開始を指示する。
【0044】
つまり、電子ビームの1パルスが試料3に照射されると、励起の瞬間からイオンが放出され、までのイオンの飛行時間tは上記式で与えられるのであるが、飛行時間tは電子銃7に電子ビームの1パルスの照射を指示してからスペクトルのピークまでの時間として測定でき、飛行距離LはTOF−MSの構造で定まっており、イオンの電荷qは既知であり、イオンの運動エネルギーEkおよび試料のバイアス電圧Vs (試料3と検知部との間に印加された電圧)も既知であるので、質量mを求めることができるのである。従って、プロトンを検出する場合には、qとしてプロトンの電荷をとり、Ekとしてプロトンの運動エネルギーをとればよい。
【0045】
このように、飛行時間tの測定からイオンの質量が検出できるのであるが、この走査プロトン顕微鏡はプロトンをはじめとして質量数の小さい軽元素を観察することが主たる目的であるので、飛行距離Lは小さくてよく、従って装置を小型化することができるものである。
【0046】
また、電子ビームの1パルスで1スペクトルが測定できるために非常に高速での測定が可能である。なお、得られたスペクトルの信号強度が弱い場合には、数百パルスによるスペクトルの積算を行えば感度を向上させることができる。1000パルスの積算を行ったとしても測定時間は高々30msec 程度であり、短時間での測定が可能であることが確認されている。
【0047】
試料3のある位置での測定が終了すると、走査用電源11から電子銃7に、電子ビームの照射位置を変更する制御信号が送られ、その後、パルス発振装置13から走査用電源11を介して電子銃7に電子ビームの照射を指示する制御信号が与えられる。このことによって、試料3上の各位置においてプロトンをはじめとする各種のイオンスペクトルを測定することができる。
【0048】
そして、表示部12は、イオンスペクトル中の検出しようとするイオンに対応する飛行時間のイオンの強度をMCA9から取り込み、走査用電源11から与えられた電子ビームの照射位置を変更する制御信号に基づいて、電子ビームの走査に同期させて内部の画像メモリ(図示せず)中に記憶することによって2次元画像化し、イオン強度に応じて輝度あるいは色を変えて表示する。これによって、試料3の表面上の脱離イオンの分布を2次元画像として観察することが可能となる。例えば、試料3上に128×128の画素位置を設定し、それらの各画素位置での脱離イオンの強度を1000回積算するとして、一つの2次元画像を得るための測定時間は8分程度と非常に高速に行うことができることが確認されている。従って、試料3からプロトンをはじめとする各種のイオンが脱離または拡散していく状況を動的に観察することも可能である。
【0049】
以上、走査型プロトン顕微鏡の構成と、励起されて離脱した所定原子のイオンの分析について説明した。ここで本発明の固体物質の表面分析方法は、所定のイオンの存在を分析するのではなく、固体物質の表面に存在する特定の化学的結合状態の特定の原子について分析するものであるから、その原子がイオン脱離した際の特定のイオン運動エネルギーを有するイオンを分離して検出するものでなくてはならない。したがって、上記走査型プロトン顕微鏡においては、イオンの種類によって決定されるスペクトルの中から、特定のピークを検出可能なものでなければならない。
【0050】
図4に、上記走査型プロトン顕微鏡によって得られる2種の異なるプロトンのピークを概念的に示す。この図4は、試料バイアス電圧(試料と検知部と間に印加された電圧)Vsに対する飛行時間の変化を示している。ちなみにバイアス電圧はV1<V2<V3の関係となっている。このように、同じプロトンに対するピークであっても、固体物質表面での水素原子の結合状態によって、例えば、それがイオン脱離したプロトンの検知部までの飛行時間において異なる2つのピークH(1)+、H(2)+が存在する。時間分解能の低い質量分析手段では分析不可能であったプロトンのピークも、この走査型プロトン顕微鏡によれば、分析が可能となった。
【0051】
また、図4から判るように、バイアス電圧Vsが高くなるほど、飛行時間が短く、かつ、そのピークの高さは高くなる。したがって、このスペクトルが示す2つのピークH(1)+、H(2)+をそれぞれ精度よく分離して検出するためには、その装置の時間分解能に応じて、適切なバイアス電圧を選択すればよいこととなる。ちなみにバイアス電圧が低すぎるときには、その2つのピークは明確に分離しなくなり、バイアス電圧が高すぎる場合は、2つのピークに対する飛行時間の差がなくなり、極めて高い時間分解能を必要とし、分析装置が極めて高価なものとなってしまう。
【0052】
実際に、特定の化学結合状態の特定原子の分布状態についての2次元画像を得ようとする場合は、上記走査型プロトン顕微鏡において、電子ビームのパルス照射から開始する測定時間を所定長さの時間チャンネルに分割し、該当するチャンネルにおける脱離イオンの強度を測定し、そのイオン強度から画像処理を行えばよい。また、複数のチャンネルにおけるイオン強度を測定して同時に画像処理することで、同種あるいは異種原子の異なる化学結合状態の原子についての複数の分布画像を同時に得ることもできる。
【0053】
【実施例】
上記走査型プロトン顕微鏡を用いて行った固体物質表面での化学結合状態の異なる水素原子および酸素原子の分布状態、詳しくは、吸着している状態の相違する水素原子および酸素原子の分布状態についての分析を、実施例として以下に示す。
【0054】
試料は、シリコン(Si)とシリコン酸化物(SiO2)とが交互にミクロン単位の層状をなすものであり、その層状構造が表出している面を走査面とした。この試料は、超高真空中で表面汚染層を除去した後に分析に供した。
【0055】
分析における走査型プロトン顕微鏡の諸条件は、以下のようなものとした。電子ビームのエネルギーは600eV、ビーム電流2nA、ビーム径0.3μmパルス間隔は約15μsec、一測定点当たり1000パルスのビーム照射を行った。試料の表面の電子ビーム照射位置から、検知部のグリッドまでの距離を112mmとし、試料バイアス電圧を20Vとした。2次元分布画像としての画素数つまり照射位置は128×128とした。ちなみに、試料1つを分析するのに要した時間は82minであった。
【0056】
図5に、走査した領域の一部におけるイオンスペクトルを示す。図5は3次元グラフであり、左右軸は電子ビームを照射してからの時間つまりイオンの飛行時間を示し、前後軸は走査位置、上下軸はイオン強度をそれぞれ示す。この図から判るように、飛行時間約2.5μsecおよび約2.8μsecに化学結合状態の異なる水素原子が脱離したそれぞれのイオンのピークH(1)+、H(2)+が存在し、また、飛行時間約8.7μsecおよび約10.5μsecに化学結合状態の異なる酸素原子が脱離したそれぞれのイオンのピークO(1)+、O(2)+が存在していることが確認できる。
【0057】
次に、図6に、飛行時間2.3〜2.7μsec、2.7〜3.0μsec、9.4〜9.9μsec、および10〜10.5μsecに相当する4つの測定時間チャンネルにおけるイオン強度を測定し、得られた同じ表面領域における化学結合状態の異なる水素原子および酸素原子の分布状態の2次元画像(ESD画像)を、対応する表面領域における走査型電子顕微鏡画像(SEM画像)とともに示す。
【0058】
図6(a)は、SEM画像であり、白く見える部分がシリコン層であり、黒く見える部分がシリコン酸化物層である。図6(b)〜図6(e)は、ESD画像であり、白く見える部分は、イオンが測定された部分つまり対応する化学結合状態の原子が吸着していた部分を表しており、また、より白くなるほどイオン強度が大きいつまりより多く吸着していたことを表している。図6(b)は図5のピークH(1)+に対応するものであり、シリコン酸化物層から脱離したH+イオン像であることが確認できる。同様に、図6(c)、図6(d)、図6(e)は、それぞれ図5のピークH(2)+、O(1)+、O(2)+に対応し、それぞれ、主にシリコン層から脱離したH+イオン像、シリコン酸化物層から脱離したO+イオン像、主にシリコン層から脱離したO+イオン像であることが確認できる。なお、図6(c)、図6(e)は、イオン像の境界が不鮮明であり、ピークH(2)+およびO(2)+に対応するH+イオンおよびO+イオンは、シリコン酸化物層から脱離したものも検出されていることが判る。これは、シリコン層に吸着する水素原子および酸素原子と同じ化学結合状態で、両者がいくらかの割合でシリコン酸化物層にも吸着していることを示している。
【0059】
以上のことを総合すれば、図5に示すような1種の原子の飛行時間の異なるピークの脱離イオン強度をそれぞれ分離して測定し、それぞれ別々に信号強度として取り込んで描画させれば、図6に示すような化学結合状態を識別した分布画像が得られることが、容易に理解できる。すなわち、本発明の固体物質の表面分析方法を用いれば、特定の化学結合状態を有する特定原子の分布状態を始めとして、固体物質表面を構成する物質の同定等種々の表面状態を分析できることになる。
【0060】
【発明の効果】
本発明は、イオン脱離飛行時間型質量分析法において、固体物質表面に存在する原子の化学的結合状態に対応する飛行時間を有する脱離イオンを検知することによって、その固体物質の表面状態を分析する方法である。このような特徴を持つ本発明の固体物質の表面分析法を用いれば、従来から行われてきた特定原子の存在分布と異なり、特定原子の特定の化学結合状態の分布、その原子が存在する物質の領域ごとの同定等、さらに一歩進んだ固体物質の表面分析が可能となる。
【0061】
また、走査型プロトン顕微鏡を用い、バイアス電圧を適正化して行う態様の本発明の固体物質の表面分析法では、その走査型プロトン顕微鏡の高い時間分解能を利用し、軽元素の原子、特に水素原子では不可能であった化学結合状態の違いを検知でき、水素等の軽元素原子の特定化学結合状態の分布等を、迅速にかつ高感度、高分解能に分析できる。
【0062】
本発明の固体物質の表面分析方法は、その応用範囲は広く、特に、金属材料学の分野において、水素化物からの水素と他の汚染吸着物からの水素との識別、材料の水素脆性の挙動調査、水素吸蔵合金、水素燃料電池等の設計、機能診断等の電極開発等に大きな威力を発揮するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の固体物質の表面分析方法において使用できる走査型プロトン顕微鏡の一実施形態の全体構成を示す。
【図2】 図1に示す走査型プロトン顕微鏡に好適な電界放射型超小型低加速電子銃の構造を示す。
【図3】 図2に示す電界放射型超小型低加速電子銃を構成する電界放射型電子銃ユニットの構造を示す。
【図4】 図1に示す走査型プロトン顕微鏡によって得られる2種の異なるプロトンのピークを概念的に示す。
【図5】 実施例の水素原子および酸素原子の分布状態分析で得られた走査領域の一部におけるイオンスペクトルを示す。
【図6】 実施例の水素原子および酸素原子の分布状態分析で得られた画像であって、同じ表面領域における化学結合状態の異なる水素原子および酸素原子の分布状態の2次元画像(ESD画像)、および、対応する表面領域における走査型電子顕微鏡画像(SEM画像)を示す。
【符号の説明】
1:分析室 2:排気系 3:試料
4:グリッド
5:マルチチャンネルプレート(MCP)
6:スクリーン 7:電子銃、8:パルスアンプ
9:マルチチャンネルアナライザ(MCA)
10:電子銃電源 11:走査用電源
12:表示部 13:パルス発振装置
14:パターン観察窓

Claims (1)

  1. 少なくとも試料表面の水素原子をプロトンとして効率よく脱離できる所定の低エネルギーで所定の電流、所定のビーム径を有する荷電粒子、光子あるいは電磁波のいずれかの照射線を間欠的に試料に照射し、かつ試料の所定範囲を走査する照射線照射手段と、
    前記試料との間に所定の電圧を印加され該試料から所定距離だけ離間して配置され該試料から放出されたイオンを受け止めて検知する検知部を有し、該イオンの質量を分析する飛行時間型質量分析手段と、
    を備える走査プロトン顕微鏡を用いて行う固体物質表面分析方法であって、
    前記試料と前記検知部との間に印加する前記所定電圧を適正化することで、該試料表面に存在する原子の化学結合状態に応じて異なる飛行時間のうち特定の飛行時間を有する前記イオンを分離して検知し、前記試料とした固体物質の表面状態を分析する固体物質の表面分析方法。
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