JP3683045B2 - 湿気硬化型シーリング材の包装容器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、湿気硬化型シーリング材の包装容器にかかわり、更に詳しくは容器本体の内部にフィルム状の内袋を介して充填した湿気硬化型のシーリング材に硬化したシーリング材の硬化物が脱落して侵入するのを有効に防止すると共に、同時容器本体の内部からシーリング材を取り出す際に、ポンプのフォロアープレートの底面がシーリング材で汚れないように構成した湿気硬化型シーリング材の包装容器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
一般に、湿気硬化型のシーリング材(一液型湿気硬化型のシーリング材)の保管,輸送には、厳密な湿気防止が必要であり、従来では、図2に示すように、ドラム缶等の容器1内にアルミラミネートフィルム等で形成した湿気防止用の内袋2を介して湿気硬化型のシーリング材Wを充填し、シーリング材Wの上面は、中空円盤状のポリエチレン板4を載置させたり、また図3に示すように、アルミラミネートシート3を被せて保管していた。なお、5はポリエチレン板4の中空部6に貼り付けたフィルム、7は乾燥剤、8はシール剤9を介して容器1の開口部1aに介在させるプラスチックシート、10は容器蓋を示している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
然しながら、上記のような中空円盤状のポリエチレン板4を載置させた構成の場合、内袋2とポリエチレン板4の外周縁部との間が気密性がないため、シーリング材Wの上部コーナ部Wxにおいて硬化が進行すると言う問題があり、またアルミラミネートシート3を被せる方法の場合にも、シーリング材Wの取り出し時にアルミラミネートシート3を剥がす際に周縁部で硬化したシーリング材の硬化物Wが、シーリング材Wに混入し、品質の低下を来すと言う問題があった。
【0004】
更に、アルミラミネートシート3を剥がして、シーリング材Wを取り出す場合には、シーリング材Wの上面に、図4に示すように、ポンプのフォロアープレート11を載置して、ポンプにより抽出を行うものであるが、フォロアープレート11の底面11aには、シーリング材Wが付着して、硬化した後には、清掃し難いと言う問題があった。
【0005】
この発明は、かかる従来の問題点に着目して案出されたもので、シーリング材の取り出し時に、アルミラミネートシートと内袋との周縁部で硬化したシーリング材の硬化物が、シーリング材内に脱落して混入し、シーリング材の品質の低下を有効に防止させるようにした湿気硬化型シーリング材の包装容器を提供することを目的とするものである。
【0006】
また、この発明は、シーリング材を取り出す場合には、ポンプのフォロアープレートの底面が、シーリング材により汚れるのを防止することが出来るようにした湿気硬化型シーリング材の包装容器を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するため、フィルム状の内袋をアルミラミネート内袋で構成すると共に、シートをアルミラミネートシートで構成し、前記アルミラミネート内袋の内側とアルミラミネートシートの周縁当接部とを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビードにより気密的に接着したことを要旨とするものである。
【0008】
前記アルミラミネート内袋の内側は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティングを施し、アルミラミネートシートの周縁当接部は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティングを施すものである。
また、前記湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティング材料として、ポリエチレン樹脂を使用し、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティング材料として、ポリエステル樹脂を使用するものである。
【0009】
またこの発明は、フィルム状の内袋をアルミラミネート内袋で構成すると共に、シートをアルミラミネートシートで構成し、前記アルミラミネート内袋の開口側を、シーリング材の上面から所定の高さに形成すると共に、アルミラミネート内袋の内側とアルミラミネートシートの周縁当接部とを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビードにより気密的に接着したことを要旨とするものである。
【0010】
前記アルミラミネート内袋の内側は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しないポリエチレン樹脂等を樹脂コーティングを施し、アルミラミネートシートの周縁当接部は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着するポリエステル樹脂等を樹脂コーティングを施すものである。
また、前記アルミラミネート内袋の開口側の高さは、アルミラミネートシートを取り除いた後、アルミラミネート内袋の開口側をシーリング材上に被せてポンプのフォロアープレートを載置する際、フォロアープレートの底面がシーリング材で汚れない程度の高さに形成するものである。
【0011】
この発明は、上記のように構成され、アルミラミネート内袋の内側は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティングを施し、アルミラミネートシートの周縁当接部は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティングを施すことにより、シーリング材の取り出し時に、アルミラミネートシートと内袋との周縁部で硬化した接着剤が、シーリング材内に脱落して混入するのを防止し、シーリング材の品質の低下を有効に防止させるようにしたものである。
【0012】
また、アルミラミネート内袋の開口側の高さは、アルミラミネートシートを取り除いた後、アルミラミネート内袋の開口側をシーリング材上に被せてポンプのフォロアープレートを載置する際、フォロアープレートの底面がシーリング材で汚れない程度の高さに形成することで、ポンプのフォロアープレートの底面が、シーリング材により汚れるのを防止することが出来るようにしたものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に基づきこの発明の実施の形態を説明する。
なお、従来例と同一構成要素は、同一符号を付して説明は省略する。
図1は、この発明の実施形態を示す容器本体1Aの断面図であって、容器本体1Aの内部には、アルミラミネートフィルム等で形成した湿気防止用の内袋2Aを介して湿気硬化型のシーリング材Wを充填し、このシーリング材Wの上面には、アルミラミネートシート3Aを配設して湿気硬化型シーリング材Wを収容している。
【0014】
この発明の第1実施形態では、前記アルミラミネートの内袋2Aの内側とアルミラミネートシート3Aの周縁当接部Pとを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビード12により気密的に接着してある。
即ち、前記アルミラミネートの内袋2Aの内側は、湿気硬化型シーリング材Wの硬化物が付着しないポリエチレン樹脂等の樹脂コーティングを施し、またアルミラミネートシート3Aの周縁当接部Pは、ポリエステル樹脂等の湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティングを施してある。
【0015】
このように構成することで、シーリング材Wの取り出し時に、アルミラミネートシート3Aと内袋2Aとの周縁部で硬化したシーリング材Wの硬化物13が、シーリング材W内に脱落して混入するのを防止し、シーリング材Wの品質の低下を有効に防止させるが出来るものである。
また、この発明の第2実施形態としては、フィルム状の内袋をアルミラミネートの内袋2Aで構成すると共に、シートをアルミラミネートシート3Aで構成し、前記アルミラミネートの内袋2Aの開口側2Xを、シーリング材Wの上面から所定の高さHに形成すると共に、アルミラミネートの内袋2Aの内側とアルミラミネートシート3Aの周縁当接部Pとを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビード12により気密的に接着して構成するものである。
【0016】
前記アルミラミネートの内袋2Aの内側は、湿気硬化型シーリング材Wの硬化物が付着しないポリエチレン樹脂等の樹脂コーティングを施し、またアルミラミネートシート3Aの周縁当接部Pは、ポリエステル樹脂等の湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティングを施してある。
即ち、前記アルミラミネートの内袋2Aの開口側の高さHは、アルミラミネートシート3Aを取り除いた後、図4に示すように、アルミラミネートの内袋2Aの開口側2Xをシーリング材W上に被せてポンプのフォロアープレート11を載置する際、フォロアープレート11の底面11aがシーリング材Wで汚れない程度の高さに形成するものである。
【0017】
以上のように、この第2実施形態では、アルミラミネートの内袋2Aの開口側2Xの高さHは、アルミラミネートシート3Aを取り除いた後、アルミラミネートの内袋2Aの開口側2Xをシーリング材W上に被せてポンプのフォロアープレート11を載置する際、フォロアープレート11の底面11aがシーリング材Wで汚れない程度の高さHに形成することで、ポンプのフォロアープレート11の底面11aが、シーリング材Wにより汚れるのを防止して、再度利用することが出来るようにしたものである。
【0018】
【発明の効果】
この発明は、上記のようにフィルム状の内袋をアルミラミネート内袋で構成すると共に、シートをアルミラミネートシートで構成し、前記アルミラミネート内袋の内側とアルミラミネートシートの周縁当接部とを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビードにより気密的に接着したので、シーリング材の取り出し時に、アルミラミネートシートと内袋との周縁部で硬化したシーリング材の硬化物が、シーリング材内に脱落して混入し、シーリング材の品質の低下を有効に防止させることが出来る効果がある。
【0019】
また、この発明は、フィルム状の内袋をアルミラミネート内袋で構成すると共に、シートをアルミラミネートシートで構成し、前記アルミラミネート内袋の開口側を、シーリング材の上面から所定の高さに形成すると共に、アルミラミネート内袋の内側とアルミラミネートシートの周縁当接部とを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビードにより気密的に接着したので、シーリング材を取り出す場合には、ポンプのフォロアープレートの底面が、シーリング材により汚れるのを防止することが出来る効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態を示す容器本体の断面図である。
【図2】従来の中空円盤状のポリエチレン板をシーリング材上に載置させた容器本体の断面図である。
【図3】従来のアルミラミネートシートをシーリング材上に載置させた容器本体の断面図である。
【図4】従来の容器本体の内袋から、ポンプのフォロアープレートでシーリング材を取り出す工程を示す断面図である。
【符号の説明】
1A 容器本体 2A 内袋
3A アルミラミネートシート 2X 開口側
4 ポリエチレン板 5 フィルム
6 中空部 7 乾燥剤
8 プラスチックシート 10 容器蓋
11 フォロアープレート 11a 底面
12 シーラントビード 13 接着剤
W シーリング材 P 周縁当接部
Claims (7)
- 容器本体の内部に、フィルム状の内袋を介して湿気硬化型のシーリング材を充填し、このシーリング材の上面にシートを配設して成る湿気硬化型シーリング材の包装容器において、
前記フィルム状の内袋をアルミラミネート内袋で構成すると共に、シートをアルミラミネートシートで構成し、前記アルミラミネート内袋の内側とアルミラミネートシートの周縁当接部とを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビードにより気密的に接着したことを特徴とする湿気硬化型シーリング材の包装容器。 - 前記アルミラミネート内袋の内側は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティングを施し、アルミラミネートシートの周縁当接部は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティングを施した請求項1に記載の湿気硬化型シーリング材の包装容器。
- 前記湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティング材料として、ポリエチレン樹脂を使用し、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティング材料として、ポリエステル樹脂を使用した請求項1または請求項2に記載の湿気硬化型シーリング材の包装容器。
- 容器本体の内部に、フィルム状の内袋を介して湿気硬化型のシーリング材を充填し、このシーリング材の上面にシートを配設して成る湿気硬化型シーリング材の包装容器において、
前記フィルム状の内袋をアルミラミネート内袋で構成すると共に、シートをアルミラミネートシートで構成し、前記アルミラミネート内袋の開口側を、シーリング材の上面から所定の高さに形成すると共に、アルミラミネート内袋の内側とアルミラミネートシートの周縁当接部とを、湿気硬化型のシーリング材から成るシーラントビードにより気密的に接着したことを特徴とする湿気硬化型シーリング材の包装容器。 - 前記アルミラミネート内袋の内側は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティングを施し、アルミラミネートシートの周縁当接部は、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティングを施した請求項4に記載の湿気硬化型シーリング材の包装容器。
- 前記湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着しない樹脂コーティング材料として、ポリエチレン樹脂を使用し、湿気硬化型シーリング材の硬化物が付着する樹脂コーティング材料として、ポリエステル樹脂を使用した請求項4または請求項5に記載の湿気硬化型シーリング材の包装容器。
- 前記アルミラミネート内袋の開口側の高さは、アルミラミネートシートを取り除いた後、アルミラミネート内袋の開口側をシーリング材上に被せてポンプのフォロアープレートを載置する際、フォロアープレートの底面がシーリング材で汚れない程度の高さに形成する請求項4,請求項5または請求項6に記載の湿気硬化型シーリング材の包装容器。
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