JP3682769B2 - 円筒外面走査装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、円筒外面走査装置に関し、より特定的には、その円筒外面に刷版が装着される記録ドラムと、当該ドラムの円周方向および軸方向に光ビームを走査して、刷版に対する露光を行う露光部とを備える、円筒外面走査装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、カラー印刷物は、露光工程や印刷工程等いくつかの工程を経て作製される。この露光工程に先立って、カラー印刷物の原稿画像は、複数色に、典型的には、Y(黄)、M(紅)、C(藍)およびK(黒)の4色に色分解され、これによって、各色毎の画像データが生成される。このような画像データが、露光工程で用いられる円筒外面走査装置に与えられる。また、円筒外面走査装置が内部に備える記録ドラムの外面には、いわゆるPS版(Presensetized Plate)等のシート状の刷版が装着される。ここで、PS版とは、アルミニウム版、プラスチックシート、および紙等の版材表面に、感光層が予め塗布された刷版である。
【0003】
この露光工程において、当該円筒外面走査装置は、与えられた画像データに基づいて、色分解された色毎の画像を刷版上に描くために、記録ドラムの外面に装着された刷版を露光ヘッドによって露光する。つまり、原稿画像が上記YMCKに色分解された場合、4枚の刷版に、互いに異なる色毎の画像が当該円筒外面走査装置によって描かれる。
【0004】
また印刷工程で用いられる印刷機は、各色の露光済みの刷版に対応する色のインキを塗りつけて重ね刷りし、カラー印刷物を作製する。このとき、各色の画像がずれた状態で重ね刷りされると、粗悪なカラー印刷物が作製されてしまう。このような画像のずれを防止するために、刷版の所定位置には、印刷工程の位置決め基準となる印刷工程用位置決め孔が、予め露光工程の前に形成される。この印刷工程用位置決め孔を、印刷機の版胴に設けられたピンと嵌合することにより刷版の位置決めが行われる。なお、製版の段階でまだ使用される印刷機が決まっていない等、製版後に印刷工程用位置決め孔を開ける場合もある。
【0005】
また、上述した画像ずれのもう一つの原因として、露光工程で描かれた画像が各色の刷版に対してずれることも考えられる。このような刷版に対する露光工程での画像ずれを防止するために、当該円筒外面走査装置の記録ドラムの外周面上に、それぞれの刷版を位置決めするための位置決めピンが設けられており、上記印刷工程用孔と同時に刷版の一端に上記位置決めピンと嵌合する記録ドラム用位置決め切り欠きが形成される。つまり、各色毎の刷版は、露光工程前にそれぞれに上記記録ドラム用および印刷工程用位置合わせ孔を形成することにより、露光工程で上記記録ドラム用位置決め切り欠きを基準にすることによって互いの露光画像を位置合わせし、印刷工程では、上記印刷工程用位置決め孔を基準にすることによって互いの印刷画像を位置合わせされる。
【0006】
図19は、刷版に形成される記録ドラム用位置決め切り欠きと上記記録ドラムに設けられるピンとの相互の位置関係の一例を模式的に示した図である。なお、上記印刷工程用孔は、印刷機の仕様に合わせて設けられる孔であるので、ここでは説明を簡単にするために省略する。図19(a)において、記録ドラム160の外周表面には、位置決めピン170aおよび170bと先端クランプ180a〜cとが設けられている。刷版150には、位置決めピン170の位置と合致するように、記録ドラム用位置決め切り欠き151aおよび151bが形成されている。位置決め切り欠き151aは、位置決めピン170aと同じ内径を有した半円形状であり、位置決め切り欠き151bは、位置決めピン171bの半円形状を横方向に延ばした半小判型形状である。なお、位置決めピン170の中心間ピッチと位置決め切り欠き151の中心間ピッチとは、同じピッチJで配置される。
【0007】
刷版150は、記録ドラム160に装着されるとき、図示X方向に搬送装置(図示しない)により搬送され、位置決めピン170と位置決め切り欠き151とが嵌合することにより位置決めされる。その後、先端クランプ180a〜cによって、刷版150の一方端が記録ドラム160に挟持されることにより固定される。図19(b)は、記録ドラム160に位置決めされ固定された刷版150の状態を概略的に示した図である。図19(b)に示すように、記録ドラム160の円筒軸方向は位置決めピン170aと位置決め切り欠き151aとが嵌合することにより位置決めされ、円周方向(図示X方向)は2本の位置決めピン170と2つの位置決め切り欠き151とが嵌合することにより位置決めされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
図20は、刷版150が記録ドラム160に位置決めされ固定される状態を示した図19(b)のs方向から見た側断面図である。なお、図20(a)は位置決めピン170および先端クランプ180付近の状態を示す側断面図であり、図20(b)は位置決めピン170付近を拡大した側断面図である。図20(a)において、位置決めピン170は、半径rの円筒型のピン171の内部をボルト172で締着されることにより記録ドラム160に固定されている。先端クランプ180は、先端クランプ軸181を中心に回動するように配置され、スプリング182によって一方の端部が付勢されることにより図示Fcl方向に回動し、刷版150の一方端をクランプする。ここで、刷版150は、搬送装置の搬送ローラ190によって、位置決めピン170の中心軸の垂線に対して角度Mの搬送角度で記録ドラム160に搬送される。そして、刷版150は、搬送ローラー190によって図示Fr方向に搬送され、刷版150に形成されている位置決め切り欠き151と位置決めピン170とが嵌合する(図示刷版150aの状態)。次に、刷版150の一方端が、先端クランプ180を図示Fcl方向に回動させることにより、記録ドラム160に挟持されることにより固定される。その後、記録ドラム160が図示Fd方向に回転し、刷版150は、搬送装置から完全に離脱し記録ドラム160の外周面に密着して巻き付けられる(図示刷版150bの状態)。
【0009】
ここで、位置決めピン170と嵌合する基準切り欠き151が、クランプされるときの状態を詳述する。図20(a)および(b)において、搬送装置によって記録ドラム160に搬送され、基準切り欠き151と位置決めピン170とが嵌合したとき、基準切り欠き部は記録ドラム160の円筒外周面から距離H浮いた状態になる。この距離Hは、
H≧r・tanM
である。次に、刷版150は、引き続き搬送ローラ190によって図示Fr方向の駆動力を受けながら、先端クランプ180によって一方端がクランプされる。このクランプ動作により、上記基準切り欠き部は記録ドラム160の円筒外周面に押しつけられる。つまり、基準切り欠き部は、Fr方向の駆動力を受け位置決めピン170と接触しながら距離H移動することになる。このとき、刷版150は、位置決めピン170との摩擦力によって記録ドラム160の円筒外周面方向の移動を妨げられるため、基準切り欠きを中心に変形が生じ、変形部分と記録ドラム160の円筒外周面とが密着しない。図21は、変形が生じた刷版150を模式的に示した平面図である。図21において、この記録ドラム160の円筒外周面と密着していない変形部分UaおよびUbは、他の密着している刷版150の領域と比較すると記録ドラム160から浮いた状態となる。変形部分UaおよびUbが、刷版150の露光領域Wと重なり、その浮き量が露光ヘッド光学系の焦点深度を超えると、変形部分UaおよびUbに露光される画像にボケが生じる。このように露光画像にボケが生じた場合、この刷版150を印刷に用いると印刷不良が発生する。
【0010】
上述した距離Hを少なくするために、位置決めピン170の中心軸に対して垂直(すなわち、図20(a)の角度M=0)に刷版150を搬送する方法が考えられる。しかしながら、そのような記録ドラム160と搬送装置との位置合わせは困難であり、刷版150のたわみ等の影響も加わるため、距離Hを0にすることは難しく、刷版150の変形を防止することができなかった。
【0011】
それ故に、本発明の目的は、記録ドラムの外面に刷版を装着し露光する円筒外面走査装置において、記録ドラムの外面に、刷版を変形させずに正確に位置決めすることが可能な円筒外面走査装置を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段および発明の効果】
上記目的を達成するために、本発明は、以下に述べるような特徴を有している。
第1の発明は、装着された刷版に対して露光を行う円筒外面走査装置であって、
刷版をその円筒外面に装着し、かつ自身の円筒軸を中心に回転する記録部と、
少なくとも1つ記録部に刷版を位置決めする切り欠きを露光前の刷版の一方端に形成する切り欠き形成部と、
記録部の円筒外面に配置され、刷版の一方端を記録部の円筒外面に挟持することにより刷版を記録部に固定するクランプ部と、
切り欠きが形成された刷版を記録部のクランプ部に搬送する搬送部と、
少なくとも1つ記録部の円筒外面に固定され、搬送部によって刷版が搬送される方向に傾斜した傾斜部を有し、刷版の切り欠きと傾斜部とを嵌合することにより刷版を記録部に位置決めする位置決めピンとを備え、
搬送部は、切り欠きが形成された刷版をクランプ部に搬送するとき、位置決めピンの傾斜部に切り欠きを嵌合させ、
クランプ部は、搬送部によって搬送され位置決めピンの傾斜部と切り欠きとが嵌合した状態の刷版を記録部に固定する。
【0013】
第1の発明によれば、記録部に刷版を位置決めする位置決めピンに、刷版が記録部に搬送される方向に予め設定された角度傾けた傾斜部を設けることにより、刷版が記録部にクランプされるときに生じる変形を防止することができる。これにより、記録部に装着された刷版は、全ての面を記録部に密着して固定することができるため、露光ヘッドによる露光で全ての面が露光ヘッドの焦点深度範囲になるため、画像ボケ等の印刷不良を防止することができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
記録部の円筒部のクランプ部を通る接線に対する、搬送部が刷版をクランプ部に搬送する角度αと、
接線に垂直で、かつ記録部の円筒部の中心とクランプ部とを結ぶ直線に対する、傾斜部の搬送部によって刷版が搬送される方向の傾斜角度βと、
傾斜部に対して切り欠きが嵌合するときの刷版の角度γとは、
関係式γ=90°−α−βで設定される。
【0015】
第2の発明によれば、位置決めピンに対して嵌合部が嵌合するときの刷版の角度は、傾斜部の傾斜角度によって小さくなるため、刷版は、クランプ時の位置決めピンとの摩擦力が低減することにより、刷版の変形を防止することができる。
【0016】
第3の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
傾斜部は、位置決めピンの少なくとも一部にテーパ部を形成し、その小端側が記録部の円筒外面に固定されることにより形成される。
【0017】
第3の発明によれば、位置決めピンの一部をテーパ形状に形成し、その小端側を記録部の円筒外面に固定することにより、簡単に傾斜部を設けることができる。
【0018】
第4の発明は、第3の発明に従属する発明であって、
位置決めピンのテーパ部のテーパ角度は、30°で設定される。
【0019】
第4の発明によれば、位置決めピンの傾斜部をテーパ角度30°に設定することにより、完全にクランプ時の刷版の変形を防止することができる。
【0020】
第5の発明は、第1の発明に従属する発明であって、
傾斜部は、位置決めピンの少なくとも一部に円筒部を形成し、その中心軸を搬送部によって刷版が搬送される方向に傾斜した状態で記録部の円筒外面に固定されることにより形成される。
【0021】
第5の発明によれば、位置決めピンを円筒型で形成し、その中心軸を搬送部側に傾けて配置することにより、簡単に傾斜部を設けることができる。
【0022】
第6の発明は、第5の発明に従属する発明であって、
位置決めピンの円筒部の傾斜角度は、15°で設定される。
【0023】
第6の発明によれば、位置決めピンの傾斜部を傾斜角度15°で設定することにより、完全にクランプ時の刷版の変形を防止することができる。
【0024】
第7の発明は、少なくとも1つの切り欠きがその一方端に形成された刷版に対して露光を行う円筒外面走査装置であって、
刷版をその円筒外面に装着し、かつ自身の円筒軸を中心に回転する記録部と、
記録部の円筒外面に配置され、刷版の一方端を記録部の円筒外面に挟持することにより刷版を記録部に固定するクランプ部と、
刷版を記録部のクランプ部に搬送する搬送部と、
少なくとも1つ記録部の円筒外面に固定され、搬送部によって刷版が搬送される方向に傾斜した傾斜部を有し、刷版の切り欠きと傾斜部とを嵌合させることにより刷版を記録部に位置決めする位置決めピンとを備え、
搬送部は、切り欠きが形成された刷版をクランプ部に搬送するとき、位置決めピンの傾斜部に切り欠きを嵌合させ、
クランプ部は、搬送部によって搬送され位置決めピンの傾斜部と切り欠きとが嵌合した状態の刷版を記録部に固定する。
【0025】
第7の発明によれば、記録部に刷版を位置決めする位置決めピンに、刷版が記録部に搬送される方向に予め設定された角度傾けた傾斜部を設けることにより、予め嵌合部が形成されていた刷版が記録部にクランプされるときに生じる変形を防止することができる。これにより、記録部に装着された刷版は、全ての面を記録部に密着して固定することができるため、露光ヘッドによる露光で全ての面が露光ヘッドの焦点深度範囲になるため、画像ボケ等の印刷不良を防止することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の一実施形態に係る円筒外面走査装置の構成を示す分解図である。当該円筒外面走査装置において、略直方体形状のフレーム1の各部に、大略的に、収納/搬送機構2、駆動機構3、パンチユニット4、記録ドラム5、露光ヘッド6および電装部7が取り付けられている。なお、駆動機構3は、図1を明確にするため、同図には示されていない。
【0027】
ここで、図2は、図1に示す1点鎖線A−A’に沿う断面を矢印Bの方向から見たときの収納/搬送機構2を示す図である。なお、図2に示す構成の全てが、図1に示されていないことを注釈しておく。図1および図2において、収納/搬送機構2は、2枚の側板21により挟み込まれ固定される2枚のトレイ22および23、送りローラ24、ローディング用の搬送ローラ25、およびアンローディング用の搬送ローラ26を備えている。このように、2枚のトレイ22および23は、2枚の側板21によって、上下配置されかつ一体的に構成される。なお、トレイ23はトレイ22の直上に配置されるので、以降、トレイ23を上トレイ23と称し、さらに、トレイ22を下トレイ22と称する。
【0028】
送りローラ24は、下トレイ22に収納された刷版を搬送ローラ25の方向へ搬送するためのローラである。上記搬送ローラ25および搬送ローラ26は、それぞれ一方の側板21から他方のそれへと架け渡されるように配置される2個1組のローラである。また、搬送ローラ25は、下トレイ22の先端に近接する位置で、2個1組のローラが上下で当接するように配置されている。さらに、搬送ローラ26は、上トレイ23の先端に近接する位置で、2個1組のローラが当接するように配置される。以上のような送りローラ24および搬送ローラ25は、一方の側板21に固定されたモータM50とベルト(図示せず)で連結されており、当該モータM50が生成する駆動力を受けて回転する。また、搬送ローラ26は、一方の側板21に固定されたモータM54とベルト(図示せず)で連結されており、当該モータM55が生成する駆動力を受けて回転する。
【0029】
また、下トレイ22および上トレイ23の所定箇所には、小孔27および28が形成され、当該小孔27および28の直下にはセンサPH50およびPH54が固定される。このセンサPH50およびPH54は、小孔27および28の直上に刷版があるか否かを検出する。
【0030】
以上の構成を有する収納/搬送機構2は、図1中、1点鎖線の矢印αで示すようにフレーム1の上部に固定される。ただし、収納/搬送機構2は、2枚の側板21から外側に突出する回転軸29を回転中心として、所定範囲内で回転する(図1および図2中の矢印β参照)。駆動機構3は、かかる収納/搬送機構2の回転を実現する。図3は、図1に示す矢印Cの方向から見たときの駆動機構3を示す図である。また、図4は、図3に示す駆動機構3の分解図である。
【0031】
図3および図4において、駆動機構3は、カムフォロアガイド31、モータM55、カムギア32、およびカムフォロア33を2個ずつ備え、さらに、センサ検出版34、センサPH55およびPH56を少なくとも1個備える。各カムフォロアガイド31は、直方体形状の外形を有しており、この直方体に小判型の貫通孔が形成される。各カムフォロアガイド31は、両方の貫通孔が収納/搬送機構2を介して対向するように、各側板21に1個ずつ固着される(図4参照)。各モータM55は、互いに収納/搬送機構2を介して対向するように、各側板21の近傍に配置されており、かつフレーム1に固定される。各カムギア32は、各側板21に対向するようにフレーム1に固定される。ただし、各カムギア32は、各モータM55が生成する駆動力を受け、自身の軸を中心として回転する。各カムフォロア33は、各カムギア32が有する一方面(側板21との対向面)の外縁に固定されており、当該カムギア32の軸を中心として円運動する。また、各カムフォロア33は、カムフォロアガイド31の貫通孔の上下幅と略同一径の円盤形状を有しており、図4中の1点鎖線の矢印Dで示すように、当該貫通孔に填り込む。これによって、各カムフォロアガイド31と各カムギア32とが、各カムフォロア33により連結され、その結果、収納/搬送機構2は駆動機構3により支持される。
【0032】
また、円盤形状のセンサ検出版34は、一方のカムギア32と同心円をなすように配置されており、当該カムギア32と一緒に回転する。センサ検出版34の外周上には、一個のスリット35が形成されている。センサPH55およびPH56は、回転するセンサ検出版34に形成されたスリット35を検出できるようにフレーム1に固定されている。
【0033】
以下、上記のような構成の駆動機構3の動作を、図5を参照して説明する。なお、モータM55は、図5を明確にするため、同図には示されていないことを注釈しておく。図5(a)において、センサPH55は、自身の直上に位置するセンサ検出版34のスリット35を検出している。かかる検出時、各カムフォロア33は、自身が円運動可能な範囲の最下端近傍に位置するため、収納/搬送機構2は、当該最下端近傍に対応する位置(以下、下位置と称す)で駆動機構3により支持される。この時、各カムギア32が、各モータM55により生成された駆動力を受けて、矢印γが示す方向に回転し始めると、各カムフォロア33は、同方向に、つまり、現在位置する最下端近傍から上方向に円運動し始める。これによって、各カムフォロア33は、各カムフォロアガイド31が固定されている収納/搬送機構2を下位置から上方向に移動させる。
【0034】
ところで、図5(b)において、センサ検出版34のスリット35は、上記カムギア32の回転と一緒に、センサPH55の直上の位置から矢印γの方向に円運動し、やがて、センサPH56の直上に位置する。センサPH56は、自身の直上に位置するスリット35を検出する。かかる検出時、各モータM55は駆動力の生成を停止する。これによって、各カムフォロア33は、円運動可能な範囲の最上端近傍に位置し、収納/搬送機構2は、当該最上端近傍に対応する位置(以下、上位置と称す)で駆動機構3に支持されて停止する。以上の駆動機構3の動作により、収納/搬送機構2は下位置と上位置との間を上下動する。
【0035】
次に、図1に示すパンチユニット4について説明する。図6は、図1に示す1点鎖線E−E’に沿う断面を矢印Fの方向から見たときのパンチユニット4を示している。まず、図1において、パンチユニット4は、少なくとも2個のパンチャー41と、取付用部材42とを含む。各パンチャー41は、図6に示すように、大略的に、本体43、センサPH62、モータM60、およびパンチ44を有する。本体43には、隙間45が形成されており、当該隙間45には、第1の供給パスライン(後述)を搬送されてくる刷版が挿入される。センサPH62は、隙間45に刷版が挿入されたか否かを検出する。モータM60は、センサPH62が刷版を検出すると、駆動力を生成する。この駆動力は、本体内部のカム機構(図示せず)により、パンチ44を上下動させる力に変換される。パンチ44は、このカム機構から伝達された力を受けて上下動して、隙間45内に載置された刷版を打ち抜く。これによって、刷版の一方端には基準切り欠きが形成される。また、取付用部材42は、略直方体形状の外形を有しており、その長手方向に沿って溝46が形成されている。この溝46には、各パンチャー41が取り付けられる。なお、取付用部材42に上記溝46を形成せず、ノック穴およびボルト穴等を形成することにより、パンチャー41を固定してもかまわない。以上のパンチユニット4は、図1において1点鎖線の矢印δで示すようにフレーム1上に固定される。
【0036】
次に、図1に示す記録ドラム5について説明する。図7は、図1に示す1点鎖線G−G’に沿う断面を矢印Hの方向から見たときの記録ドラム5およびその周辺を示す図である。図1および図7において、記録ドラム5は、フレーム1内であって、収納/搬送機構2およびパンチユニット4の斜め下の位置に配置される。記録ドラム5は、略円筒形状を有しており、モータM1が生成する駆動力を受け、当該円筒の軸を中心として回転する。この記録ドラム5の外面(環状面)には、第2の供給パスライン(後述)を搬送されてくる刷版P(図1中、斜線を付した部分参照)が巻き付けられ装着される。
【0037】
また、当該円筒外面走査装置は、記録ドラム5の外面上に刷版Pを固定するための構成として、少なくとも2個の位置決めピン51と、先端クランプ52と、後端クランプ53とを備える。これらの位置決めピン51は、当該記録ドラム5の外面上に固定されており、第2の供給パスライン(後述)を搬送されてくる刷版の一方端を、パンチャー41で形成された切り欠きと位置決めピン51とが嵌合しながら先端クランプ52によってクランプ可能に構成されている(クランプ状態については、後述する)。後端クランプ53は、記録ドラム5の外面に対して着脱自在に構成されており、当該記録ドラム5から離脱している時には、図示しない第1のクランプ駆動部により保持されているが、記録ドラム5に取り付けられた時には、第2の供給パスライン(後述)を搬送されてくる刷版の他方端をクランプする。
【0038】
また、ロータリーエンコーダ54は、記録ドラム5の回転軸に取り付けられており、種々の角度位置を検出する。当該円筒外面走査装置では、先端クランプ52がクランプする第1の角度位置X、後端クランプ53の配置位置に関連する第2の角度位置Z、および先端クランプ52のクランプ解除する第3の角度位置Qが予め規定されている。各角度位置は、図7に示したように、予め定められた基準線Sを基準とする。先端クランプ52は、第1の角度位置Xに位置する時に、図示しない第1のクランプ駆動部により駆動され、刷版の一方端をクランプし、また、第3の角度位置Qに位置する時に、図示しない第2のクランプ駆動部により駆動され、クランプしていた刷版の一方端を解放する。また、後端クランプ53は、第2の角度位置で、図示しない第3のクランプ駆動部により記録ドラム5の外面上に取り付けられ、刷版の他方端をクランプする。かかる外面上に取り付けられた後端クランプ53は、さらに、第2の角度位置Zに位置する時に、第3のクランプ駆動部により当該外面上から取り外され、刷版の他方端を解放する。なお、第1〜第3のクランプ駆動部に関しては、これら自体が本願発明を構成するものではないため、詳細な説明を省略する。
【0039】
さらに、当該円筒外面走査装置は、記録ドラム5の外面上に刷版を密着させるための構成として、記録ドラム5の外面上に形成される複数の刷版吸着用の小孔および溝(図示せず)と共に真空系を構成するブロア(図示せず)と、記録ドラム5の近傍に配置されるスクイズローラ(図示せず)とを備えている。これら孔および溝、ブロア並びにスクイズローラとに関しては、本願発明の趣旨と関係が無いため、それらの詳細な説明を省略する。
【0040】
次に、露光ヘッド6について説明する。露光ヘッド6は、図1中の1点鎖線εで示すように、記録ドラム5に近接して配置されるテーブル61上に載置されており、送りねじ機構62が生成する駆動力により、記録ドラム5の回転軸に対して平行な方向に送られつつ、後述する電装部7から与えられる画像データに基づいて変調された光ビームを、記録ドラム5と一緒に回転する刷版上で走査し、これによって露光を行う。
【0041】
電装部7は、図1中の1点鎖線の矢印ζで示すように、フレーム1の側部に取り付けられている。また、電装部7は、上述の構成各部と電気的に接続されており、当該構成各部との間で信号の送受を行いつつ、当該円筒外面走査装置の動作を制御する。
【0042】
次に、収納/搬送機構2と刷版Pとの動作について説明する。なお、図8〜図13、図17および図18は、当該収納/搬送機構2と刷版Pとの動作を示す側面概略図である。以下、図9〜図13、図17および図18を参照して、当該収納/搬送機構2と刷版Pとの動作について説明する。
【0043】
まず、パンチングされるべき刷版Pが、図8に示すように、収納/搬送機構2の下トレイ22に供給される。この刷版Pは、オペレータの手作業により下トレイ22に供給されたり、当該円筒外面走査装置に付加的に取り付けられる自動刷版供給機構(図示せず)により自動的に供給されたりする。収納/搬送機構2のセンサPH50は、上記刷版Pが供給されたことを検出すると、その旨を示す検出信号を電装部7に出力する。電装部7は、上記検出信号が入力すると、下トレイ22に現在収納されている刷版Pに対するパンチング処理工程を開始するため、各モータM55を駆動する。駆動機構3は、各モータM55が駆動力を受けて、収納/搬送機構2を下位置から上位置に移動させる。これによって、図9に示すように、収納/搬送機構2の搬送ローラ25と、パンチユニット4の隙間45とが一直線上に配置され、それらの間に、2点鎖線の矢印ηで示すような第1の供給パスラインが形成される。
【0044】
電装部7は、第1の供給パスラインが形成された後、モータM50を駆動する。送りローラ24および搬送ローラ25は、図10に示すように、モータM50の駆動力を受けて、収納/搬送機構2からパンチユニット4へと刷版Pを供給する方向(矢印θ参照)に回転する。以降、この送りローラ24および搬送ローラ25の回転を正回転と称する。これによって、刷版Pは、下トレイ22の面上を送りローラ24の回転により搬送ローラ25の方向へと送られ、搬送ローラ25により、その一方端側から第1の供給パスライン上に送り出される。送り出された刷版Pは、第1の供給パスライン上を直線的に搬送され、さらに、この第1の供給パスラインの途中で、センタリング機構(図示せず)により、各パンチャー41に対する位置を調整される。位置調整された刷版Pは、やがて各パンチャー41の隙間45に導かれる。
【0045】
各パンチャー41のセンサPH62は、自身の直下に刷版Pの一方端が到達したことを検出すると、その旨を示す検出信号を電装部7に出力する。電装部7は、この検出信号に応答して、モータM50の駆動を停止する。上述のように、刷版Pは、左右方向に関してはセンタリング機構により位置調整され、前後方向に関してはセンサPH62の検出結果に基づいて位置調整される。これによって、パンチユニット4は、刷版Pに対して、正確な位置に切り欠きを形成することができる(詳細な切り欠き位置および形状については、後述する)。
【0046】
電装部7は、刷版Pの位置調整完了後、パンチユニット4のモータM60を駆動する。各パンチ44は、各モータM60が生成する駆動力により上下動し、自身の直下に位置する刷版Pを打ち抜いて、当該刷版Pに切り欠きを形成する。
【0047】
電装部7は、パンチング終了後、モータM50を駆動する。送りローラ24および搬送ローラ25は、図11に示すように、モータM50の駆動力を受けて、パンチ済みの刷版Pをパンチユニット4から収納/搬送機構2へと引き抜く方向(矢印ι参照)に、略一定速度で回転する。以降、この送りローラ24および搬送ローラ25の回転を負回転と称する。これらの負回転により、パンチ済みの刷版Pは、第1の供給パスラインを逆行して下トレイ22内に再収納される。
【0048】
次に、電装部7はモータM50の駆動を停止した後、各モータM55を駆動する。駆動機構3は、図12に示すように、各モータM55の駆動力を受けて、収納/搬送機構2を上位置から下位置に移動させ、下位置で停止させる。これによって、収納/搬送機構2と記録ドラム5とが対向するように配置される。続いて、下トレイ22に現在収納されている刷版Pのローディングが実行される。
【0049】
電装部7は、モータM1を駆動させ、記録ドラム5を先端クランプ52が角度位置Xになる位置で停止させる。ここで、先端クランプ52の角度位置Xでは、下位置に位置する収納/搬送機構2と記録ドラム5とが、搬送ローラ25から伸びる直線と記録ドラム5の外面と接するような(または、交差するような)配置関係となる。このような直線と外面との接点(または交点)が、角度位置Xと規定される。さらに、搬送ローラ25と角度位置Xに位置する先端クランプ52とを結ぶ線分κが第2の供給パスラインとして規定される。
【0050】
そして、電装部7は、モータM50を駆動する。これによって、送りローラ24および搬送ローラ25を、上述と同様に正回転し、図13に示すように、刷版Pを下トレイ22から第2の供給パスライン上に記録ドラム5に向けて送り出す(矢印λ参照)。
【0051】
ここで、パンチユニット4で切り欠きが形成された刷版Pと記録ドラム5に固定されている位置決めピン51との位置関係について説明する。図14は、刷版Pに形成される位置決め切り欠き44eと記録ドラム5に設けられる位置決めピン51との相互の位置関係を模式的に示した図である。図14(a)において、記録ドラム5の外周表面には、上述したように位置決めピン51aおよび51bと先端クランプ52a〜cとが設けられている。刷版Pの一方端には、上述したように、位置決めピン51と合致するように、パンチユニット4で位置決め切り欠き44aeおよび44beが形成されている。位置決め切り欠き44aeは、位置決めピン51aと同じ半径rの半円形状であり、位置決め切り欠き44beは、位置決めピン51bの半径rの半円形状を横方向に延ばした短幅rの半小判型形状である。なお、位置決めピン51の中心間ピッチと位置決め切り欠き44eの中心間ピッチとは、同じピッチJで配置/形成されてる。
【0052】
刷版Pは、記録ドラム5に図示X方向に搬送装置(図示しない)により搬送され、位置決めピン51と位置決め切り欠き44eとが嵌合することにより位置決めされる。その後、先端クランプ51a〜cによって、刷版Pの一方端が記録ドラム5に挟持されることにより固定される。図14(b)は、記録ドラム5に位置決めされ固定された刷版Pの状態を概略的に示した図である。図14(b)に示すように、記録ドラム5の円筒軸方向は位置決めピン51aと位置決め切り欠き44aeとが嵌合することにより位置決めされ、円周方向(図示X方向)は2本の位置決めピン51と2つの位置決め切り欠き44aeおよび44beとが嵌合することにより位置決めされる。
【0053】
次に、先端クランプ52と位置決めピン51の構造について説明する。図15は、刷版Pが記録ドラム5に位置決めされ固定される状態を示した図14(b)のs方向から見た側断面図である。なお、図15(a)は位置決めピン51および先端クランプ52付近の状態を示す側断面図であり、図15(b)は位置決めピン51付近を拡大した側断面図である。図15(a)および(b)において、先端クランプ52は、先端クランプ軸521を中心に回動するように配置され、スプリング522によって一方の端部が付勢されることにより図示Fcl方向に回動し、刷版Pの一方端をクランプする。なお、図示の先端クランプ52の状態は、上述した第1のクランプ駆動部(図示しない)によって、スプリング522が配置されている側の端部52Pが下方に押し下げられている。位置決めピン51は、基準テーパ角度2Tのテーパ部と円筒部とを有した略円筒型のピン511の内部をボルト512で締着されることにより記録ドラム5に固定されている。なお、ピン511は、テーパ部小端径側が記録ドラム5の円筒外周面と接触し、収納/搬送機構2側の上記接触点は、位置決めピン51の中心から距離rに配置される。なお、位置決めピン51の中心軸は、記録ドラム5の円筒中心と先端クランプ軸521の回転中心とを結ぶ直線と平行に配置される。
【0054】
上述したように、収納/搬送機構2の搬送ローラ25から記録ドラム5に刷版Pが搬送される。このとき、刷版Pは、収納/搬送機構2の搬送ローラ25によって、位置決めピン51の中心軸の垂線に対して角度Mの搬送角度で図示Fr方向に記録ドラム5へ搬送される。そして、刷版Pは、一方端が記録ドラム5の円筒外周面と接触し、刷版Pに形成されている位置決め切り欠き44eと位置決めピン51のテーパ部とが嵌合する(図示の刷版Pの状態)。次に、上述した第1のクランプ駆動部(図示しない)が先端クランプ52の端部52Pを開放することにより、先端クランプ52がスプリング522に付勢され、図示Fcl方向に回動する。この駆動により、刷版Pの一方端は、先端クランプ52によって記録ドラム5に挟持されることにより固定される。
【0055】
ここで、搬送ローラ25によって刷版Pが記録ドラム5に搬送され、位置決め切り欠き44eと位置決めピン51とが嵌合したとき(すなわち、先端クランプ52によって、刷版Pの一方端がクランプされる前の状態)、位置決め切り欠き部は記録ドラム5の円筒外周面から距離H浮いた状態になる。この距離Hは、
H≧r・tanM
である。次に、刷版Pは、引き続き搬送ローラ25によって図示Fr方向の駆動力を受けながら、先端クランプ52によって一方端がクランプされる。このクランプ動作により、上記位置決め切り欠き部は、記録ドラム5の円筒外周面に押しつけられる。つまり、上記位置決め切り欠き部は、Fr方向の駆動力を受け位置決めピン51と接触しながら距離H移動することになる。このとき、刷版Pは、位置決めピン51との摩擦力によって記録ドラム5の円筒外周面方向の移動を妨げられるため、位置決め切り欠き44eを中心に変形が生じることが考えられる。しかし、本実施形態においては、刷版Pは、ピン511のテーパ部と接触するために、従来の円柱形状と比較すると上記摩擦力が低減することにより、刷版Pの変形を防止することができる。本発明者は、この効果を以下のように確認している。
【表1】
この結果からわかるように、刷版Pの搬送角度Mが3.7°の場合、位置決めピン51のテーパ角度2Tを30°以上に設定することにより、刷版Pの変形を防止することができる。このテーパ角度2は、刷版Pの搬送条件(搬送角度、刷版Pの板厚等)に合わせて設定してもかまわない。
【0056】
ここで、上述した位置決めピン51では、テーパ部が形成された実施例を説明したが、従来と同様の円筒型の位置決めピンでもかまわない。図16は、円筒型の位置決めピンを用いて刷版Pが記録ドラム5に位置決めされ固定される状態を示した図14(b)のs方向から見た側断面図である。なお、図16(a)は位置決めピン51および先端クランプ52付近の状態を示す側断面図であり、図16(b)は位置決めピン51付近を拡大した側断面図である。
【0057】
図16(a)および(b)において、位置決めピン51は、半径rの円筒部を有した略円筒型のピン513の内部をボルト512で締着されることにより記録ドラム5に固定されている。なお、位置決めピン51の中心軸は、記録ドラム5の円筒中心と先端クランプ軸521の回転中心を結ぶ直線に対して、収納/搬送機構2の方向に角度T傾けて配置される。その他の構成については、上述した図15の構造と同様であるので、同一の参照符号を付して説明を省略する。
【0058】
上述したように、収納/搬送機構2の搬送ローラ25から記録ドラム5に刷版Pが搬送される。このとき、刷版Pは、収納/搬送機構2の搬送ローラ25によって、記録ドラム5の円筒中心と先端クランプ軸521の回転中心とを結ぶ直線の垂線に対して角度Mの搬送角度で図示Fr方向に記録ドラム5へ搬送される。そして、刷版Pは、一方端が記録ドラム5の円筒外周面と接触し、刷版Pに形成されている位置決め切り欠き44eと位置決めピン51とが嵌合する(図示の刷版Pの状態)。次に、上述した第1のクランプ駆動部(図示しない)が先端クランプ52の端部52Pを開放することにより、先端クランプ52がスプリング522に付勢され、図示Fcl方向に回動する。この駆動により、刷版Pの一方端は、先端クランプ52によって記録ドラム5に挟持されることにより固定される。
【0059】
ここで、搬送ローラ25によって刷版Pが記録ドラム5に搬送され、位置決め切り欠き44eと位置決めピン51とが嵌合したとき(すなわち、先端クランプ52によって、刷版Pの一方端がクランプされる前の状態)、位置決め切り欠き部は記録ドラム5の円筒外周面から距離H浮いた状態になる。この距離Hは、上述した図15の実施例と同様に、
H≧r・tanM
である。次に、刷版Pは、引き続き搬送ローラ25によって図示Fr方向の駆動力を受けながら、先端クランプ52によって一方端がクランプされる。このクランプ動作により、上記位置決め切り欠き部は、記録ドラム5の円筒外周面に押しつけられる。つまり、上記位置決め切り欠き部は、Fr方向の駆動力を受け位置決めピン51と接触しながら距離H移動することになる。このとき、刷版Pは、位置決めピン51との摩擦力によって記録ドラム5の円筒外周面方向の移動を妨げられるため、位置決め切り欠き44eを中心に変形が生じることが考えられる。しかし、本実施例においても、刷版Pは、図15で説明したテーパ角度2Tのテーパ部を有した位置決めピンと同じ角度Tで位置決めピン51と接触している。すなわち、テーパ角度2Tのテーパ部を有した位置決めピンと同様の効果が得られることは、言うまでもない。
【0060】
その後、電装部7は、モータM1を、図17の矢印μで示す方向に、つまり、刷版Pを自身の外面に巻き付けることが可能な方向に回転する。以下、記録ドラム5の矢印μ方向への回転を正回転と称する。
【0061】
これによって、刷版Pは、図17に示すように、下トレイ22から排出されながら、記録ドラム5の外面上に巻き付けられていく。また、刷版Pは、記録ドラム5に装着される最中、スクイズローラによりその外面に押しつけられ、さらに上述した真空系による真空吸着により、記録ドラム5の外面上に密着する。やがて、刷版Pは、搬送ローラ25および記録ドラム5の回転により下トレイ22から完全に排出される。そして、図18に示すように、先端クランプ52が、第1の角度位置Xから角度Yだけ円運動すると、刷版Pの他方端(後端)は、現在第3のクランプ駆動部に保持されている後端クランプ53の直下(つまり、第2の角度位置Z)に到達する。
【0062】
そして、電装部7は、角度YでモータM1の駆動を停止する。これによって、刷版Pの他方端(後端)は、保持された後端クランプ53の直下に停止する。その後、電装部7が第3のクランプ駆動部を駆動すると、図18中の矢印νで示すように、各後端クランプ53が記録ドラム5の外面上に取り付けられる。これによって、各後端クランプ53は、刷版Pの他方端をクランプし、記録ドラム5の外面上に当該他方端を固定する。
【0063】
その後、電装部7は、原稿画像を色分解して得られる画像データを露光ヘッド6に出力し、同時にモータM1を駆動することにより記録ドラム5を駆動させることにより装着された刷版Pに対して露光処理を行う。
【0064】
このようにして、当該円筒外面走査装置では、記録ドラムに刷版を位置決めする位置決めピンを、予め設定されたテーパ角度を有するテーパ形状あるいは刷版が記録ドラムに搬送される方向に予め設定された角度傾けることにより、刷版が記録ドラムにクランプされるときに生じる変形を防止することができる。これにより、記録ドラムに装着された刷版は、全ての面を記録ドラムに密着して固定することができるため、露光ヘッドによる露光で全ての面が露光ヘッドの焦点深度範囲になるため、画像ボケ等の印刷不良を防止することができる。
【0065】
なお、上記実施形態では、刷版に位置決め用の切り欠きを形成するためのパンチユニットを装備した円筒外面走査装置を例にとって本発明を説明したが、本発明は、このような円筒外面走査装置以外でも実施可能である。すなわち、予め位置決め用の嵌合部が形成された刷版を使用することもできるので、円筒外面走査装置は、必ずしもパンチユニットを備えていなくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る円筒外面走査装置の構成を示す分解図である。
【図2】図1に示す1点鎖線A−A’に沿う断面を矢印Bの方向から見たときの収納/搬送機構2を示す図である。
【図3】図1に示す矢印Cの方向から見たときの駆動機構3を示す図である。
【図4】図3に示す駆動機構3の分解図である。
【図5】図3および図4に示す駆動機構3の動作を説明するための図である。
【図6】図1に示す1点鎖線E−E’に沿う断面を矢印Fの方向から見たときのパンチユニット4を示している。
【図7】図1に示す1点鎖線G−G’に沿う断面を矢印Hの方向から見たときの記録ドラム5及びその周辺を示す図である。
【図8】刷版Pが収納/搬送機構2の下トレイ22に供給された時の様子を示す図である。
【図9】第1の供給パスラインを説明する図である。
【図10】送りローラ24及び搬送ローラ25の正回転を示す図である。
【図11】送りローラ24及び搬送ローラ25の負回転を示す図である。
【図12】先端クランプ52の第1の角度位置Xを説明するための図である。
【図13】刷版Pのローディング時に、送りローラ24及び搬送ローラ25が正回転する様子を示す図である。
【図14】刷版Pに形成される位置決め切り欠き44eと記録ドラム5に設けられる位置決めピン51との相互の位置関係を模式的に示した図である。
【図15】刷版Pが記録ドラム5に位置決めされ固定される状態を示した図14(b)のs方向から見た側断面図である。
【図16】円筒型の位置決めピンを用いて刷版Pが記録ドラム5に位置決めされ固定される状態を示した図14(b)のs方向から見た側断面図である。
【図17】記録ドラム5の正回転により、その外面に刷版Pが巻き付けられる様子を示す図である。
【図18】先端クランプ52が、記録ドラム5の回転により、先端クランプ52が第1の角度位置Xから角度Yだけ円運動したときの様子を示す図である。
【図19】従来の刷版に形成される記録ドラム用位置決め切り欠きと上記記録ドラムに設けられるピンとの相互の位置関係の一例を模式的に示した図である。
【図20】従来の刷版150が記録ドラム160に位置決めされ固定される状態を示した図19(b)のs方向から見た側断面図である。
【図21】従来の変形が生じた刷版150を模式的に示した平面図である。
【符号の説明】
1…フレーム
2…収納/搬送機構
22…下トレイ
23…上トレイ
24…送りローラ
25…ローディング用の搬送ローラ
3…駆動機構
4…パンチユニット
41…パンチャー
44…パンチ
45…すき間
5…記録ドラム
51…位置決めピン
511、513…ピン
512…ボルト
52…先端クランプ
521…先端クランプ軸
522…スプリング
6…露光ヘッド
7…電装部
P…刷版
Claims (7)
- 装着された刷版に対して露光を行う円筒外面走査装置であって、
前記刷版をその円筒外面に装着し、かつ自身の円筒軸を中心に回転する記録部と、
少なくとも1つ前記記録部に前記刷版を位置決めする切り欠きを露光前の前記刷版の一方端に形成する切り欠き形成部と、
前記記録部の円筒外面に配置され、前記刷版の一方端を前記記録部の円筒外面に挟持することにより前記刷版を前記記録部に固定するクランプ部と、
前記切り欠きが形成された刷版を前記記録部の前記クランプ部に搬送する搬送部と、
少なくとも1つ前記記録部の円筒外面に固定され、前記搬送部によって前記刷版が搬送される方向に傾斜した傾斜部を有し、前記刷版の切り欠きと前記傾斜部とを嵌合することにより前記刷版を前記記録部に位置決めする位置決めピンとを備え、
前記搬送部は、前記切り欠きが形成された前記刷版を前記クランプ部に搬送するとき、前記位置決めピンの傾斜部に前記切り欠きを嵌合させ、
前記クランプ部は、前記搬送部によって搬送され前記位置決めピンの傾斜部と前記切り欠きとが嵌合した状態の前記刷版を前記記録部に固定する、円筒外面走査装置。 - 前記記録部の前記円筒部の前記クランプ部を通る接線に対する、前記搬送部が前記刷版を前記クランプ部に搬送する角度αと、
前記接線に垂直で、かつ前記記録部の円筒部の中心と前記クランプ部とを結ぶ直線に対する、前記傾斜部の前記搬送部によって前記刷版が搬送される方向の傾斜角度βと、
前記傾斜部に対して前記切り欠きが嵌合するときの前記刷版の角度γとは、
関係式γ=90°−α−βで設定される、請求項1に記載の円筒外面走査装置。 - 前記傾斜部は、前記位置決めピンの少なくとも一部にテーパ部を形成し、その小端側が前記記録部の円筒外面に固定されることにより形成される、請求項1に記載の円筒外面走査装置。
- 前記位置決めピンのテーパ部のテーパ角度は、30°で設定される、請求項3に記載の円筒外面走査装置。
- 前記傾斜部は、前記位置決めピンの少なくとも一部に円筒部を形成し、その中心軸を前記搬送部によって前記刷版が搬送される方向に傾斜した状態で前記記録部の円筒外面に固定されることにより形成される、請求項1に記載の円筒外面走査装置。
- 前記位置決めピンの円筒部の傾斜角度は、15°で設定される、請求項5に記載の円筒外面走査装置。
- 少なくとも1つの切り欠きがその一方端に形成された刷版に対して露光を行う円筒外面走査装置であって、
前記刷版をその円筒外面に装着し、かつ自身の円筒軸を中心に回転する記録部と、
前記記録部の円筒外面に配置され、前記刷版の一方端を前記記録部の円筒外面に挟持することにより前記刷版を前記記録部に固定するクランプ部と、
前記刷版を前記記録部の前記クランプ部に搬送する搬送部と、
少なくとも1つ前記記録部の円筒外面に固定され、前記搬送部によって前記刷版が搬送される方向に傾斜した傾斜部を有し、前記刷版の切り欠きと前記傾斜部とを嵌合させることにより前記刷版を前記記録部に位置決めする位置決めピンとを備え、
前記搬送部は、前記切り欠きが形成された前記刷版を前記クランプ部に搬送するとき、前記位置決めピンの傾斜部に前記切り欠きを嵌合させ、
前記クランプ部は、前記搬送部によって搬送され前記位置決めピンの傾斜部と前記切り欠きとが嵌合した状態の前記刷版を前記記録部に固定する、円筒外面走査装置。
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