JP3682519B2 - 容器内材料の計量制御装置 - Google Patents
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【発明の属する技術分野】
本発明は薬品工業、化学工業、食品工業等の分野で使用する容器内材料、例えば、薬品等の粉、粒体の計量装置であって、複数の計量手段でもって、連続的に自動計量ができる容器内材料の計量制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術に於ける粉体等の計量装置は、ホッパー内の下部に配置したスクリューコンベアを設けた粉体切出機によって、該ホッパー内に貯留した粉体の設定量を受入容器に供給するものであった。そして、当該受入容器内への供給量が設定値を過ぎた場合は、人手により過計量分の粉体等を当該受入容器から取出すものであった。
【0003】
また、他の従来の技術としては、粉体等の計量装置は単一で構成されており、該粉体等の供給量が設定量より越えたときの当該粉体等の過計量分や不足したときの不足計量分の移し替えを必要とするための大型の計量容器の外に別の受入容器等を備える構成であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記した従来の技術によれば、前者の場合、粉体等の設定量を越えて当該受入容器に該粉体等を供給したときには、人手によって当該過計量分の粉体等を該受入容器から取出すので、過計量分を越えた取出しに伴う前記受入容器への再供給作業や取出し不足分に伴う再取出し作業が必要となった。
また、当該粉体等の設定値を下廻って当該受入容器に該粉体等を供給したときは、当該不足計量分の粉体等を該受入容器へ再供給するので不足計量分に伴う供給作業が必要となった。
而して、前記受入容器に当該粉体等の設定値まで完全に供給するのに時間がかかると共に取出し、再供給作業が煩わしく、労力を伴うものであった。
【0005】
また、後者の場合に於いては、単一の計量装置で前記大型の計量容器や前記大型の計量容器内粉体等を計測するので、計測誤差が発生し易く、設定量の粉体等を正確かつ適正に計量容器に供給することが困難であった。更に、前記大型の計量容器に供給する粉体等の設定量より過計量分や不足計量分の粉体等を移し替えるための別の受入容器が必要となり、前記大型の計量容器に当該粉体等の供給設定値まで供給する時間がかかると共に、計量装置の構造が複雑かつ大型化するものであった。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る容器内材料の計量制御装置は、投入容器の重量を計測する第1計量手段と、該第1計量手段から搬送されて前記投入容器に収容されかつ所定回数投入された投入容器内材料を計測する第2計量手段とを備えてなり、前記投入容器内材料を連続的かつ自動的に計測しながら前記第2計量手段に具備した粉体切出装置及び受入容器に供給されるものであって前記第2計量手段すなわち前記粉体切出装置の小型化を図ることを目的としたもので、次の構成、手段から成立する。
【0007】
請求項1記載の発明によれば、容器内材料を収容した投入容器を列設・載置した第1コンベアと、該第1コンベア上の投入容器の重量を第1重量計で計測した後、該投入容器を上方位置まで上昇させるリフタとでなる搬送装置を備え、前記投入容器を該リフタから移動させる第2コンベアと、該投入容器の容器内材料をモータで反転させて粉体フードに所定回数投入するドラム反転部とでなるドラム投入機を有し、前記粉体フードと、該粉体フードに最初から完了まで投入された容器内材料の重量を計測する第2重量計とを有しかつ重量を計測しながら受入器へ前記容器内材料を供給する粉体切出装置を備えたことを特徴とする容器内材料の計量制御装置である。
【0008】
請求項2記載の発明によれば、前記搬送装置及び前記ドラム投入機がトラバーサに搭載されたことを特徴とする請求項1記載の容器内材料の計量制御装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る容器内材料の計量制御装置の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本発明に係る容器内材料の計量制御装置の一例であって実施の形態を示す正面図である。
1は第1計量手段を構成する第1計量器であって、重量計1a及びシリンダ1bを有してなる。
該第1計量器1は第1計量手段を構成し、投入容器2及び容器内材料2aの重量を計測する。該投入容器2は、ドラム缶等の容器であって粉状体若しくは粒状体の薬品や食品等の容器内材料2aを収容している。
3は搬送装置であって、第1コンベア3a及びリフタ3bで構成されている。該第1コンベア3aは、図1に示すように前記投入容器2を列設して載置している。蓋開閉装置4はモータ4aを備えており、該蓋開閉装置4の回転軸4bを矢印P1で示す方向に回転させて、前記投入容器2の蓋2bを本体から取り外す。そして該投入容器2は、前記シリンダ1bによって持上げられた重量計1a上に載置され、それにより重量を計測された後、リフタ3bで投入容器2を前記第1コンベア3aから上方位置まで上昇させる。そして、該投入容器2はドラム投入機5で後記する第2コンベア5bに移動される。
該ドラム投入機5は、モータ5cを備えたドラム反転部5a及び前記第2コンベア5bを備えており、第1コンベア3aの上方位置から第2コンベア5bに移動された投入容器2を前記モータ5cの駆動でもって該ドラム反転部5aで矢印P2方向に反転させて該投入容器2内の容器内材料2aを第2計量器6の粉体切出装置7に投入している。
【0011】
前記第2計量器6は、第2計量手段であって、粉体切出装置7及び該粉体切出装置7の重量を計測する重量計8で構成されている。該粉体切出装置7は投入フードとしての粉体フード7aと切出機7bで構成されており、該粉体フード7aの下方位置には撹拌羽根7cを有している。
尚、9はトラバーサであり、前記第1計量器1、前記搬送装置3及び前記ドラム投入機5を載置しており、その下面部は回転ローラ9aを装備し、前記第1計量器1、前記搬送装置3、前記蓋開閉装置4及び前記ドラム投入機5を移動自在とし、工場内等の各所や前記粉体切出装置7若しくは前記第2計量器6の場所まで移動させる。また前記トラバーサ9は、前記第1計量器1、前記搬送装置3、前記蓋開閉装置4及び前記ドラム投入機5と共に前記粉体切出装置7及び前記第2計量器6も一緒に搭載してもよい。
【0012】
10は受入容器であって、前記粉体切出装置7の排出口7dの下側に配置されており、前記第1計量器1から搬送されて所定回数投入された容器内材料2aを前記第2計量手段で計測した後、供給される容器である。
該受入容器10は下面部にローラ10aを備えており、該受入容器10内に供給された薬品や食品等の材料10bを製品加工するために工場内包装工程ライン等に運搬される。
【0013】
図中、11は第1計量手段制御部であり、前記第1計量器1と中央制御盤(PLC)12との間に接続され、前記投入容器2の重量等の計量信号を受信し、該中央制御盤(PLC)12に信号を出力する。
13は第2計量手段制御部であり、前記第2計量器6と中央制御盤(PLC)12との間に接続され、前記粉体切出装置7に於ける最初の容器内材料2aの重量や投入された容器内材料2aの総重量等の計量信号を記憶し制御する。
前記中央制御盤(PLC)12は、表面部に操作部12aを備えており本装置14の開始又は終了等を司り、前記粉体切出装置7への投入容器2の投入回数を演算し、これに基づく動作指示信号等を前記搬送装置3等や本装置14に搭載された各装置に伝送する。
【0014】
次に、上述した本発明に係る容器内材料の計量制御装置の実施の形態の動作を説明する。
【0015】
本発明に係る容器内材料の計量制御装置の実施の形態の動作について、図2、図3に示すフローチャートに基づき詳述する。
先ず、前記第2計量器6により、前記粉体切出装置7内に於ける粉体残量等を重量計8で計測し、その計測値つまり指示値がB(kg)とする。
この計測値B(kg)は粉体切出装置7内に残留している粉体重量のみを示しており、前記第2計量器6に空の状態に於ける該粉体切出装置7を載置したときでは、該第2計量器6の計量値はステップ1に示すようにゼロキャンセルとなっている。
【0016】
次に、前記受入容器10に所定重量の粉体10bを供給するためには前記中央制御部(PLC)12の操作部12aを入力操作して、ステップ2に示すように粉体供給量A(kg)に設定し、該中央制御部(PLC)12に記憶させる。
更にステップ3に示すように、前記操作部12aに設けたスタートボタン(図示せず)をプッシュし、粉体重量の計量が開始されることとなる。前記中央制御部(PLC)12は、ステップ4に示すように、前記第2計量器6から第2計量手段制御部13を介して、前記指示値B(kg)の信号取込みを行い、前記粉体切出装置7へ投入する投入容器2の投入容器数つまり投入回数Cを計算する。
すなわち、C=(A−B)/D
ここに於いて、A:投入容器10への粉体所定供給量(kg)B:粉体残量の指示値(kg)、D:投入容器1個当りの容器内材料の重量(kg)
但し、Cが整数でない場合には切上げる。この動作はステップ5に示している。
ここにおいて、前記Dの実施例値としては15が選定される。
【0017】
次に、前記中央制御部(PLC)12は本装置14各部位に前記投入容器2の投入回数が(C−1)回の粉体重量分を前記受入容器10に供給する旨の指示信号を出力する。この動作はステップ6に示している。
そこで、ステップ7に示すように前記搬送装置3、ドラム投入機5及び粉体切出装置7が起動する。而して、前記第1コンベア3a及びリフト3bでなる搬送装置3が動作する。前記蓋開閉装置4のモータ4aの回転動作によって、投入容器2の蓋2bが取外される。そして、前記第1計量器1により、当該投入容器2の総量つまり、投入容器2及び容器内材料2aの重量が計量されて計量信号は該第1計量手段制御部11を介して中央制御部(PLC)12に伝送されて記憶される。
また、前記投入容器2は搬送装置3により搬送され、前記ドラム投入機5の第2コンベア5bまで搬送され、該ドラム回転部5aによって反転される。
粉体フード7aを介して前記粉体切出装置7には反転された前記投入容器2により1個の1回分の容器内材料2aが投入される。
【0018】
該容器内材料2aの投入動作が完了すれば、該投入容器2は空の状態となり、前記ドラム反転部5aにより復帰し、前記ドラム投入機5及び前記搬送装置3が前記と逆の動作をするので前記投入容器2は元の位置すなわち第1計量手段に載置し、空の状態に於ける投入容器2の自重が計量される。この計量信号は前記第1計量手段制御部11を介して前記中央制御部(PLC)12に以下同様に伝送され空の状態の投入容器2の重量が記憶されて、投入1回分に於ける容器内材料2aの重量が計算される。前記投入容器2内の容器内材料2aの1回分が前記粉体取出装置7に投入されると同時に、前記排出口7dから受入容器10へ供給される。
而して、投入容器2の容器内材料2aが計量されつつ受入容器10への投入が開始されるので全体の計量時間が短くなる。また前記最初の当該材料の残量を前記排出口7dから排出すると共に、前記投入容器2の前記粉体切出装置7への投入毎、つまり(C―1)回のそれぞれについて、前記排出口7dから前記受入容器10への投入動作を行なう。そして前記第2計量器6はその都度投入された容器内材料2aの重量を計量し、その計量データは前記中央制御部(PLC)12に送信されている。
【0019】
そして、上述したように、前記投入容器2が前記粉体切出装置7内に(C−1)回の容器内材料2aを投入完了すれば、前記第2計量器6が前記第2計量手段制御部13を介して前記中央制御部(PLC)12の信号を送信するので該中央制御部(PLC)12は前記(C―1)回分の容器内材料2aの全量又は粉体切出装置7への排出量を信号データとして記憶し、ステップ8の動作で示すような判断を実行する。更に、又、前記容器内材料2aの全量が前記粉体切出装置7の排出口7dから排出されたかどうかステップ9で判断を行ない、これが完了すればステップ10で示すように装置14は一旦停止する。
【0020】
次に、図3のフローチャートに示すように、前記中央制御部(PLC)12は投入容器2の前記粉体切出装置7への最後の一回投入指示を前記搬送装置3等に信号の出力を行ない前述と同様な動作で、投入容器2による粉体切出装置7への容器内材料2aの投入動作をさせる。この状態はステップ11で示している。
【0021】
ステップ12では、前記中央制御部(PLC)12は受入容器10の容器内材料2aの所定供給量A(kg)に対し、前記投入容器2の(C−1)回数による前記粉体切出装置7へ投入した総重量Q(kg)と前記最初の粉体切出装置7の残重量、すなわち指示値B(kg)とが、前記受入容器10内に投入されていると判断し、次のように、受入容器10に供給すべき投入容器2内材料2aの残量Z(kg)を計算する。すなわち、Z=A−(Q+B)
但し、Q:受入容器10に投入した容器内材料10bの総重量(kg)である。この状態はステップ12に示している。
そして、当該前記中央制御部(PLC)12はステップ13に示すように残重量Z(kg)の切出し指令を実行し、前記粉体切出装置7を起動し、排出口7dから残重量Z(kg)分の投入容器2の容器内材料2aを排出する。
この状態はステップ14に示している。
また前記第2計量器6は計量信号を前記第2計量手段制御部13を介して、前記中央制御部(PLC)12に伝送し、該中央制御部 (PLC)12は残重量がZ(kg)であるかどうかステップ15に示すように判断実行し、適正であればステップ16によって、本装置14は停止される。そして、前記受入容器10への投入すべき容器内材料10aの所定供給量(kg)が決定すれば、本装置14は再動作を行なう。また、前記容器内材料2aは粉、粒体に拘らず液体等の被計量体であればよく、この場合は、切出機7を制御バルブ付きの液体排出装置に変更すれば、同じ作用効果が得られる。
【0022】
本発明の装置は、前記粉体切出装置7が、前記最初の当該材料の残量及び前記投入容器2が(C−1)回投入分の容器内材料2aを貯留して、前記粉体切出装置7の排出口7dから排出し、前記受入容器10へ供給することもできる。
【0023】
このように本発明に係る容器内材料計量制御装置の実施の形態によれば、第1計量手段で投入容器2の重量を計量しながら、当該投入容器2を容器内材料2aを前記粉体切出装置7に投入し、次に該投入容器2の容器内材料2aを前記粉体切出装置7に投入しながら、排出口7dから受入容器10へ供給し、更に受入容器10にて前記容器内材料2aを供給しながら次回の投入容器2の重量を計量できる装置であり、全自動化又は小型化でもって、本装置を構成することができる。
【0024】
【発明の効果】
本発明に係る容器内材料の計量制御装置は上述の構成、動作を有するので、次の効果がある。
【0025】
請求項1記載の発明によれば、容器内材料を収容した投入容器を列設・載置した第1コンベアと、該第1コンベア上の投入容器の重量を第1重量計で計測した後、該投入容器を上方位置まで上昇させるリフタとでなる搬送装置を備え、前記投入容器を該リフタから移動させる第2コンベアと、該投入容器の容器内材料をモータで反転させて粉体フードに所定回数投入するドラム反転部とでなるドラム投入機を有し、前記粉体フードと、該粉体フードに最初から完了まで投入された容器内材料の重量を計測する第2重量計とを有しかつ重量を計測しながら受入器へ前記容器内材料を供給する粉体切出装置を備えたことを特徴とする容器内材料の計量制御装置を提供する。
このような構成としたので、投入容器の容器内材料を第1重量計及び第2重量計で計量するので計量時間が迅速であって、計量値が極めて正確であると共に、薬品や食品等の材料計量には好適となる。また、第1コンベアから搬送された投入容器の容器内材料をドラム投入機によって自動的に粉体フードに投入計量できるので、多種、多量の投入容器内材料を自動化でもって計量を行うことができること及び第2計量手段に特異のホッパー等を備える必要がなく、構成が簡単であって、前記粉体切出装置の小型化及び計量装置全体の高さ等を低く設定でき、その小型化が図れるという効果がある。また、本装置でもって、完全自動化による計量装置を提供し、無人化により容器内材料の重量を計量することができる効果がある。
【0026】
請求項2記載の発明によれば、前記搬送装置及び前記ドラム投入機がトラバーサに搭載されたことを特徴とする請求項1記載の容器内材料の計量制御装置を提供する。
このような構成としたので、請求項1記載の発明の効果に加えて、投入容器の容器内材料の計量装置を例えば、工場内に固定することなく移動可能となるので、容器内材料の計量を実施しながら容器内材料の包装作業等ライン等に隣接させて配置でき、製品工程の時間短縮化及び工場スペースの有効活用が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る容器内材料の計量制御装置の実施の形態を示す正面図である。
【図2】本発明に係る容器内材料の計量制御装置の実施の形態の動作を示すフローチャートであって、投入容器の計量開始から本装置停止までのステップを示すものである。
【図3】本発明に係る容器内材料の計量制御装置の実施の形態の動作を示すローチャートであって、投入容器の最後の1回投入から本装置停止までのステップを示すものである。
【符号の説明】
1 第1計量器
1a 重量計
1b シリンダ
2 投入容器
2a 容器内材料
2b 蓋
3 搬送装置
3a 第1コンベア
3b リフタ
4 蓋開閉装置
4a モータ
4b 回転軸
5 ドラム投入機
5a ドラム反転部
5b 第2コンベア
5c モータ
6 第2計量器
7 粉体切出装置
7a 粉体フード
7b 切出機
7c 撹拌バネ
7d 排出口
8 重量計
9 トラバーサ
9a 回転ローラ
10 受入容器
10a ローラ
10b 容器内材料
11 第1計量手段制御部
12 中央制御部(PLC)
12a 操作部
13 第2計量手段制御部
14 本装置
Claims (2)
- 容器内材料を収容した投入容器を列設・載置した第1コンベアと、該第1コンベア上の投入容器の重量を第1重量計で計測した後、該投入容器を上方位置まで上昇させるリフタとでなる搬送装置を備え、前記投入容器を該リフタから移動させる第2コンベアと、該投入容器の容器内材料をモータで反転させて粉体フードに所定回数投入するドラム反転部とでなるドラム投入機を有し、前記粉体フードと、該粉体フードに最初から完了まで投入された容器内材料の重量を計測する第2重量計とを有しかつ重量を計測しながら受入器へ前記容器内材料を供給する粉体切出装置を備えたことを特徴とする容器内材料の計量制御装置。
- 前記搬送装置及び前記ドラム投入機がトラバーサに搭載されたことを特徴とする請求項1記載の容器内材料の計量制御装置。
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