JP3681907B2 - 導電性接着剤およびこれを用いた電子部品の実装方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を回路基板に装着するための導電性接着剤、および同接着剤を用いた電子部品の実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品実装用接合剤として、銀、パラジウム等の金属粉を樹脂に充填した導電性接着剤や、クリーム半田等が知られている。
導電性接着剤は、その流動性を向上させるため、粘度が1〜50cps程度の溶剤や希釈剤を、接着剤総重量に対し2重量部以上含有させている。
例えば、大きさが25μm程度の不定形で、タップ密度が3〜4.5g/cm3程度の銀粉を分散させたエポキシ樹脂に、ブチルカルビトール系の溶剤やグリシジルエーテル型希釈剤を添加している。
【0003】
このような溶剤型導電性接着剤は、溶剤や希釈剤によって粘度を調製することができるため、ある程度の量の金属粉を含ませることができる。また、溶剤や希釈剤は、樹脂前駆体を硬化させて電子部品を固定する加熱工程で揮発するため、加熱硬化後の接着剤は、金属粉の充填率が高く、その体積抵抗は、1×10-5〜10-4Ωcm程度と低い。したがって、溶剤型導電性接着剤は、電子部品実装用接着剤として用いるには適している。
しかし、チクソ比(高せん断時の粘度に対する低せん断時の粘度の比;以下、E型粘度計を用いた場合のロータ回転数5rpmでの粘度に対するロータ回転数0.5rpmでの粘度の比をいう。)が3程度と小さく、チクソトロピー性が低い。
そのため、印刷または塗布方式にこの接着剤を使用すると、基板上で接着剤がダレて拡がり、隣接する電極間が電気的に短絡したり、接着剤層の厚みが薄くなって、電子部品の電極と接着剤とが接触しなかったりする。特に、ポリイミドフィルム基板等の薄くてうねりやすい基板では、この問題が顕著である。
一方、エポキシ樹脂に溶剤や希釈剤を添加しない無溶剤型導電性接着剤を電子部品実装用に用いることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、無溶剤型導電性接着剤は、体積抵抗が1×10-3Ωcm程度と高く、電子部品の実装に用いるには問題があった。
また、無溶剤型導電性接着剤は、樹脂中に充填される金属粉の量が多いため、非常に粘性が高く、チクソトロピー性に乏しい。そのため、塗布や印刷形式に使用するには、適度なチクソトロピー性を付与する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑み、電子部品を回路基板に安定して実装でき、優れた品質の電子回路基板を製造できる無溶剤型導電性接着剤を提供することを目的とする。
また、上記の接着剤を用いて、電子部品を基板上に実装する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の無溶剤型導電性接着剤は、エポキシ樹脂100重量部、潜在性硬化剤2〜30重量部、および銀粉200〜500重量部からなり、前記銀粉が薄片状で、かつそのタップ密度が5g/cm3以上、50%平均粒径が1.0μm以上10μm以下であることを特徴とする。
ここにおいて、前記エポキシ樹脂が、少なくとも1種類の多官能型エポキシ樹脂を含むと好適である。
また、本発明による電子部品の実装方法は、装着しようとする回路基板の電極に上記導電性接着剤を印刷または塗布する工程、前記電極に電子部品を装着する工程、および加熱して前記エポキシ樹脂を硬化させ前記部品を基板上に固定する工程を含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記のように、本発明の導電性接着剤は、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、および銀粉からなる無溶剤型導電性接着剤であって、前記銀粉は、薄片状であり、そのタップ密度が5g/cm3以上、50%平均粒径が1.0μm以上10μm以下である。タップ密度は、5〜7g/cm 3 であるとより好適である。
このような構成をとることによって、本発明は、電子部品実装用に適した導電性接着剤となる。以下に、その理由を順次説明する。
【0007】
薄片状の銀粉は、硝酸銀溶液のような銀塩溶液から無電解法によって銀を析出させて得られたもので、この銀粉は、厚みが1〜2μm程度あるため、接着剤中で細かく破砕されることはない。
また、この銀粉のタップ密度は、従来よりも大きいため、同じ体積中に含まれる銀粉の充填率が高い。
したがって、本発明の無溶剤型導電性接着剤は、従来の溶剤型導電性接着剤と同程度の低い体積抵抗を有する。
【0008】
さらに、従来の無溶剤型導電性接着剤は、チクソ比が1.0〜2.5程度と低いが、本発明の無溶剤型導電性接着剤は、チクソ比4〜7程度のチクソトロピー性を有する。
通常、接着剤のチクソ比が4以上あれば、印刷したり塗布したりした場合、接着剤がダレて拡がることがない。
したがって、本発明の導電性接着剤は、その形状保持性が良好であり、接着剤層を厚膜に形成することが可能である。そのため、基板の電極間が短絡したり、電子部品の電極と接着剤とが接触しなかったりすることがない。
特に、回路基板の厚さが0.4mm以下であっても、電子部品と基板との電気的接続を安定しておこなうことができる。
さらに、微細な間隔で塗布または印刷することができ、特に、0.3mm以下のファインピッチ印刷が可能となる。
なお、50%平均粒径とは、全銀粒子を粒径の大きさに並べたときの中央値(メジアン値)を意味する。
【0009】
導電性接着剤に含まれる潜在性硬化剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、2重量部より少ないと、十分に硬化せず、30重量部より多いと、室温で保存している間に硬化する場合があって、保存性が低下する。エポキシ樹脂に対して、潜在性硬化剤を2〜30重量部とすると確実に硬化できると共に保存性も良くて好適である。
また、エポキシ樹脂が、少なくとも1種の多官能型エポキシ樹脂を含むと、得られる接着剤の接着強度を向上させることができて好ましい。
【0010】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
《実施例1〜5》
エポキシ樹脂として、表1に示す樹脂を用いた。
【0011】
【表1】
【0012】
硬化剤としては、2−メチルイミダゾールアジン(油化シェルエポキシ(株)社製;商品名:エピキュアM12AZ)を用いた。また、銀粉Aとして、硝酸銀溶液から無電解法で析出させた銀粉を用いた。この銀粉Aのタップ密度は、5.3g/cm3、50%平均粒径は、3.2μmであった。
そして、上記各配合成分を表2に示す重量比で混合して、導電性接着剤(実施例1〜5)を作製した。
【0013】
【表2】
【0014】
《比較例1〜5》
銀粉として、実施例で用いた銀粉Aおよび表3に示す銀粉B〜Dを用いる他は、実施例と同様の配合成分を用いた。
【0015】
【表3】
【0016】
そして、各配合成分を表4に示す重量比で混合して、導電性接着剤(比較例1〜5)を作製した。
【0017】
【表4】
【0018】
上記のようにして得られた接着剤について、各種特性を測定した。その測定方法は以下の通りである。
1)チクソ比:コーン角度3°のE型粘度計を用い、30℃、0.5rpmでロータを回転させたときの、2回転目のロータに作用する粘性抵抗トルクから粘度を測定し、同様にして、5rpmでロータを回転させたときの粘度を測定して、5rpmでの粘度に対する0.5rpmでの粘度の比から算出した。
2)ダレ拡がり率:開口径φ5mmのメタルマスクを用いて基板上に接着剤を印刷し、印刷直後の径φ0と、 25℃、50%RHにて1時間放置した後の径φ1を測定し、(φ1−φ0)/φ0×100から算出した。
3)膜厚:開口径φ1mm、厚み100μmのメタルマスクを用いて基板上に接着剤を印刷し、25℃、50%RHにて1時間放置した後の接着剤の厚みを測定した。
4)接着強度:JIS−K−6850に準じて測定した。
5)硬化時間:基板上に接着剤を印刷し、リフロー炉にて、温度150℃で40秒、50秒、60秒、70秒、および80秒の各時間加熱した後、触針法で硬化を確認した。最も短い時間で硬化を確認できた時間を硬化時間とした。
6)保存安定日数:接着剤の製造直後の粘度(η0)をE型粘度計で測定した後、この接着剤を25±1℃で放置した。そして、定期的に、E型粘度計で粘度(η1)を測定した。η1≧2×η0となるまでに要した日数を保存安定日数とした。
各接着剤の特性測定の結果を表5に示す。
【0019】
【表5】
【0020】
表5から明らかなように、本発明による導電性接着剤は、チクソ比が高く、ダレて拡がることがほとんどなかった。したがって、形成された接着剤層の膜厚も厚かった。さらに、接着強度に優れ、硬化時間および保存安定日数も実用に適した範囲内であった。
【0021】
次に、実施例1で作製した接着剤と、比較例6として用意したt−ブチルカルビトールを含む導電性接着剤(粒径40μmの不定形銀粉含有、チクソ比2.5)とを用いて、以下のようにしてIC部品の実装の良否を評価した。
まず、0.3mmピッチにて、各接着剤を基板上の電極に印刷した。この電極上にパッケージIC部品を装着した後、リフロー炉にて接着剤を加熱硬化させた。そして、隣接する電極間の電気的短絡の発生の有無を調べた。
また、各接着剤を厚さ100μmの基板上の電極にそれぞれ印刷し、バンプ高が60μmのベアICを装着した後、リフロー炉にて接着剤を加熱硬化させた。そして、回路基板の電極とベアICのバンプ電極との間の導通不良の発生の有無を調べた。
その結果、比較例6の接着剤は、ダレて拡がり、基板上の電極間で電気的短絡が発生した。また、基板電極と部品電極との間で導通不良の部分があった。
実施例1で作製した接着剤は、比較例6のような電気的短絡や導通不良の発生はなく、良好に部品を基板上に実装することができた。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、回路基板上に電子部品を高精度に実装できる導電性接着剤を提供できる。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を回路基板に装着するための導電性接着剤、および同接着剤を用いた電子部品の実装方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、電子部品実装用接合剤として、銀、パラジウム等の金属粉を樹脂に充填した導電性接着剤や、クリーム半田等が知られている。
導電性接着剤は、その流動性を向上させるため、粘度が1〜50cps程度の溶剤や希釈剤を、接着剤総重量に対し2重量部以上含有させている。
例えば、大きさが25μm程度の不定形で、タップ密度が3〜4.5g/cm3程度の銀粉を分散させたエポキシ樹脂に、ブチルカルビトール系の溶剤やグリシジルエーテル型希釈剤を添加している。
【0003】
このような溶剤型導電性接着剤は、溶剤や希釈剤によって粘度を調製することができるため、ある程度の量の金属粉を含ませることができる。また、溶剤や希釈剤は、樹脂前駆体を硬化させて電子部品を固定する加熱工程で揮発するため、加熱硬化後の接着剤は、金属粉の充填率が高く、その体積抵抗は、1×10-5〜10-4Ωcm程度と低い。したがって、溶剤型導電性接着剤は、電子部品実装用接着剤として用いるには適している。
しかし、チクソ比(高せん断時の粘度に対する低せん断時の粘度の比;以下、E型粘度計を用いた場合のロータ回転数5rpmでの粘度に対するロータ回転数0.5rpmでの粘度の比をいう。)が3程度と小さく、チクソトロピー性が低い。
そのため、印刷または塗布方式にこの接着剤を使用すると、基板上で接着剤がダレて拡がり、隣接する電極間が電気的に短絡したり、接着剤層の厚みが薄くなって、電子部品の電極と接着剤とが接触しなかったりする。特に、ポリイミドフィルム基板等の薄くてうねりやすい基板では、この問題が顕著である。
一方、エポキシ樹脂に溶剤や希釈剤を添加しない無溶剤型導電性接着剤を電子部品実装用に用いることが検討されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、無溶剤型導電性接着剤は、体積抵抗が1×10-3Ωcm程度と高く、電子部品の実装に用いるには問題があった。
また、無溶剤型導電性接着剤は、樹脂中に充填される金属粉の量が多いため、非常に粘性が高く、チクソトロピー性に乏しい。そのため、塗布や印刷形式に使用するには、適度なチクソトロピー性を付与する必要があった。
本発明は、上記課題に鑑み、電子部品を回路基板に安定して実装でき、優れた品質の電子回路基板を製造できる無溶剤型導電性接着剤を提供することを目的とする。
また、上記の接着剤を用いて、電子部品を基板上に実装する方法を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の無溶剤型導電性接着剤は、エポキシ樹脂100重量部、潜在性硬化剤2〜30重量部、および銀粉200〜500重量部からなり、前記銀粉が薄片状で、かつそのタップ密度が5g/cm3以上、50%平均粒径が1.0μm以上10μm以下であることを特徴とする。
ここにおいて、前記エポキシ樹脂が、少なくとも1種類の多官能型エポキシ樹脂を含むと好適である。
また、本発明による電子部品の実装方法は、装着しようとする回路基板の電極に上記導電性接着剤を印刷または塗布する工程、前記電極に電子部品を装着する工程、および加熱して前記エポキシ樹脂を硬化させ前記部品を基板上に固定する工程を含むことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
上記のように、本発明の導電性接着剤は、エポキシ樹脂、潜在性硬化剤、および銀粉からなる無溶剤型導電性接着剤であって、前記銀粉は、薄片状であり、そのタップ密度が5g/cm3以上、50%平均粒径が1.0μm以上10μm以下である。タップ密度は、5〜7g/cm 3 であるとより好適である。
このような構成をとることによって、本発明は、電子部品実装用に適した導電性接着剤となる。以下に、その理由を順次説明する。
【0007】
薄片状の銀粉は、硝酸銀溶液のような銀塩溶液から無電解法によって銀を析出させて得られたもので、この銀粉は、厚みが1〜2μm程度あるため、接着剤中で細かく破砕されることはない。
また、この銀粉のタップ密度は、従来よりも大きいため、同じ体積中に含まれる銀粉の充填率が高い。
したがって、本発明の無溶剤型導電性接着剤は、従来の溶剤型導電性接着剤と同程度の低い体積抵抗を有する。
【0008】
さらに、従来の無溶剤型導電性接着剤は、チクソ比が1.0〜2.5程度と低いが、本発明の無溶剤型導電性接着剤は、チクソ比4〜7程度のチクソトロピー性を有する。
通常、接着剤のチクソ比が4以上あれば、印刷したり塗布したりした場合、接着剤がダレて拡がることがない。
したがって、本発明の導電性接着剤は、その形状保持性が良好であり、接着剤層を厚膜に形成することが可能である。そのため、基板の電極間が短絡したり、電子部品の電極と接着剤とが接触しなかったりすることがない。
特に、回路基板の厚さが0.4mm以下であっても、電子部品と基板との電気的接続を安定しておこなうことができる。
さらに、微細な間隔で塗布または印刷することができ、特に、0.3mm以下のファインピッチ印刷が可能となる。
なお、50%平均粒径とは、全銀粒子を粒径の大きさに並べたときの中央値(メジアン値)を意味する。
【0009】
導電性接着剤に含まれる潜在性硬化剤は、エポキシ樹脂100重量部に対して、2重量部より少ないと、十分に硬化せず、30重量部より多いと、室温で保存している間に硬化する場合があって、保存性が低下する。エポキシ樹脂に対して、潜在性硬化剤を2〜30重量部とすると確実に硬化できると共に保存性も良くて好適である。
また、エポキシ樹脂が、少なくとも1種の多官能型エポキシ樹脂を含むと、得られる接着剤の接着強度を向上させることができて好ましい。
【0010】
【実施例】
以下に、具体的な実施例を挙げて、本発明をより詳細に説明する。
《実施例1〜5》
エポキシ樹脂として、表1に示す樹脂を用いた。
【0011】
【表1】
【0012】
硬化剤としては、2−メチルイミダゾールアジン(油化シェルエポキシ(株)社製;商品名:エピキュアM12AZ)を用いた。また、銀粉Aとして、硝酸銀溶液から無電解法で析出させた銀粉を用いた。この銀粉Aのタップ密度は、5.3g/cm3、50%平均粒径は、3.2μmであった。
そして、上記各配合成分を表2に示す重量比で混合して、導電性接着剤(実施例1〜5)を作製した。
【0013】
【表2】
【0014】
《比較例1〜5》
銀粉として、実施例で用いた銀粉Aおよび表3に示す銀粉B〜Dを用いる他は、実施例と同様の配合成分を用いた。
【0015】
【表3】
【0016】
そして、各配合成分を表4に示す重量比で混合して、導電性接着剤(比較例1〜5)を作製した。
【0017】
【表4】
【0018】
上記のようにして得られた接着剤について、各種特性を測定した。その測定方法は以下の通りである。
1)チクソ比:コーン角度3°のE型粘度計を用い、30℃、0.5rpmでロータを回転させたときの、2回転目のロータに作用する粘性抵抗トルクから粘度を測定し、同様にして、5rpmでロータを回転させたときの粘度を測定して、5rpmでの粘度に対する0.5rpmでの粘度の比から算出した。
2)ダレ拡がり率:開口径φ5mmのメタルマスクを用いて基板上に接着剤を印刷し、印刷直後の径φ0と、 25℃、50%RHにて1時間放置した後の径φ1を測定し、(φ1−φ0)/φ0×100から算出した。
3)膜厚:開口径φ1mm、厚み100μmのメタルマスクを用いて基板上に接着剤を印刷し、25℃、50%RHにて1時間放置した後の接着剤の厚みを測定した。
4)接着強度:JIS−K−6850に準じて測定した。
5)硬化時間:基板上に接着剤を印刷し、リフロー炉にて、温度150℃で40秒、50秒、60秒、70秒、および80秒の各時間加熱した後、触針法で硬化を確認した。最も短い時間で硬化を確認できた時間を硬化時間とした。
6)保存安定日数:接着剤の製造直後の粘度(η0)をE型粘度計で測定した後、この接着剤を25±1℃で放置した。そして、定期的に、E型粘度計で粘度(η1)を測定した。η1≧2×η0となるまでに要した日数を保存安定日数とした。
各接着剤の特性測定の結果を表5に示す。
【0019】
【表5】
【0020】
表5から明らかなように、本発明による導電性接着剤は、チクソ比が高く、ダレて拡がることがほとんどなかった。したがって、形成された接着剤層の膜厚も厚かった。さらに、接着強度に優れ、硬化時間および保存安定日数も実用に適した範囲内であった。
【0021】
次に、実施例1で作製した接着剤と、比較例6として用意したt−ブチルカルビトールを含む導電性接着剤(粒径40μmの不定形銀粉含有、チクソ比2.5)とを用いて、以下のようにしてIC部品の実装の良否を評価した。
まず、0.3mmピッチにて、各接着剤を基板上の電極に印刷した。この電極上にパッケージIC部品を装着した後、リフロー炉にて接着剤を加熱硬化させた。そして、隣接する電極間の電気的短絡の発生の有無を調べた。
また、各接着剤を厚さ100μmの基板上の電極にそれぞれ印刷し、バンプ高が60μmのベアICを装着した後、リフロー炉にて接着剤を加熱硬化させた。そして、回路基板の電極とベアICのバンプ電極との間の導通不良の発生の有無を調べた。
その結果、比較例6の接着剤は、ダレて拡がり、基板上の電極間で電気的短絡が発生した。また、基板電極と部品電極との間で導通不良の部分があった。
実施例1で作製した接着剤は、比較例6のような電気的短絡や導通不良の発生はなく、良好に部品を基板上に実装することができた。
【0022】
【発明の効果】
本発明によれば、回路基板上に電子部品を高精度に実装できる導電性接着剤を提供できる。
Claims (4)
- エポキシ樹脂100重量部、潜在性硬化剤2〜30重量部、および銀粉200〜500重量部からなり、前記銀粉が薄片状で、かつそのタップ密度が5g/cm3以上、50%平均粒径が1.0μm以上10μm以下であり、チクソ比が4〜7であり、溶剤および希釈剤のいずれも含有しないことを特徴とする無溶剤型導電性接着剤。
- 前記エポキシ樹脂が、少なくとも1種類の多官能型エポキシ樹脂を含む請求項1記載の導電性接着剤。
- 請求項1または2記載の導電性接着剤を回路基板の電極に印刷または塗布する工程、前記電極に電子部品を装着する工程、および加熱して前記エポキシ樹脂を硬化させ前記部品を基板上に固定する工程を含むことを特徴とする電子部品の実装方法。
- 厚さ0.4mm以下の回路基板を用いる請求項3記載の電子部品の実装方法。
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JP31255398A JP3681907B2 (ja) | 1998-11-02 | 1998-11-02 | 導電性接着剤およびこれを用いた電子部品の実装方法 |
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JP31255398A JP3681907B2 (ja) | 1998-11-02 | 1998-11-02 | 導電性接着剤およびこれを用いた電子部品の実装方法 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2000136368A JP2000136368A (ja) | 2000-05-16 |
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JP5257574B2 (ja) * | 2007-12-10 | 2013-08-07 | 福田金属箔粉工業株式会社 | 無溶剤型導電性接着剤 |
JP6085724B2 (ja) * | 2015-01-29 | 2017-02-22 | バンドー化学株式会社 | 接合用組成物 |
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