JP3681617B2 - 竪型射出成形機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、竪(たて)型射出成形機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、竪型射出成形機においては、床上に配設された固定プラテン、及び該固定プラテンより上方において、上下方向に移動自在に配設された可動プラテンを備え、前記固定プラテンにベースプレートが配設され、該ベースプレートに沿ってスライドテーブルが水平方向に移動自在に配設され、該スライドテーブルに固定金型が、前記可動プラテンに可動金型が取り付けられるようになっている。
【0003】
前記スライドテーブルを移動させるために、ボールねじ軸及びボールナットから成るボールねじが使用され、ボールねじ軸とボールナットとが螺(ら)合させられる。また、前記ベースプレート上に、前記ボールねじ軸が回転自在に支持されるとともに、モータが取り付けられ、前記スライドテーブルにボールナットが取り付けられる。
【0004】
したがって、前記モータを駆動することによってボールねじ軸を回転させ、前記スライドテーブルを移動させ、固定金型を可動金型と対向する型締位置に置き、可動金型を下方に移動させて固定金型と当接させることによって型閉じ及び型締めを行い、射出ノズルから成形材料を射出し、前記可動金型と固定金型との間に形成されたキャビティ空間に成形材料を充填(てん)し、該成形材料を冷却することによって、成形品が成形される。次に、可動金型を上方に移動させて固定金型から離すことによって型開きを行い、続いて、前記スライドテーブルを移動させ、前記固定金型を前記可動金型から離れた退避位置に置き、前記成形品を取り出すことができる。
【0005】
なお、前記退避位置において、固定金型にインサート品をセットすることもできる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来の竪型射出成形機においては、前記ボールねじ軸を前記スライドテーブルに隣接させて配設する必要があるので、竪型射出成形機が大型化してしまう。また、固定金型にインサート品をセットしたり、固定金型から成形品を取り出したりする際に、ボールねじ軸を避けて作業を行う必要があるので、作業効率が低下してしまう。
【0007】
本発明は、前記従来の竪型射出成形機の問題点を解決して、小型化することができ、作業効率を向上させることができる竪型射出成形機を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
そのために、本発明の竪型射出成形機においては、固定プラテンと、該固定プラテンより上方に、タイバーに沿って移動自在に配設された可動プラテンと、該可動プラテンに取り付けられた可動金型と、前記固定プラテン上に配設されたベースプレートと、該ベースプレート上に配設された一対のレールと、該レールに沿って移動自在に配設されたスライドテーブルと、該スライドテーブルに取り付けられた固定金型と、前記スライドテーブルを移動させるために回転運動を発生させる駆動手段と、前記ベースプレートに沿って配設された第1の部材、及び前記スライドテーブルに固定された第2の部材を備え、前記駆動手段の駆動に伴って、回転運動を直線運動に変換し、前記スライドテーブルを移動させ、前記固定金型を型締位置及び退避位置に選択的に置く一つの伝動ユニットとを有する。
【0009】
そして、前記スライドテーブルは下面に形成された溝内に、前記各レールと摺動する案内レールを備える。また、前記第1の部材は、前記溝内において一方の案内レールと隣接させられ、かつ、スライドテーブルを貫通させて延在させられる。
【0010】
本発明の他の竪型射出成形機においては、さらに、前記第1の部材は、前記一方のレールとベースプレートの縁との間で延在させられる。
本発明の更に他の竪型射出成形機においては、さらに、前記ベースプレートは、互いに直角の方向に二つ配設される。そして、前記スライドテーブルは各ベースプレートに沿ってそれぞれ配設される。また、前記各スライドテーブルに固定金型がそれぞれ取り付けられる。
【0011】
本発明の更に他の竪型射出成形機においては、さらに、前記スライドテーブルに二つの固定金型が取り付けられる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
図1は本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の第1の状態を示す平面図、図2は本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の正面図、図3は本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の側断面図、図4は本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の第2の状態を示す平面図である。
【0014】
図において、11は固定プラテンであり、該固定プラテン11は図示されないフレームを介して床上に配設される。前記固定プラテン11より上方には、該固定プラテン11と対向させて上下方向に移動自在に図示されない可動プラテンが配設され、図示されない型締装置を作動させることによって、前記可動プラテンをタイバー12に沿って上下方向に移動させることができる。
【0015】
そして、前記固定プラテン11上に支持部材14、18を介してベースプレート15が配設される。該ベースプレート15は、固定プラテン11のほぼ全体にわたって、かつ、一端を固定プラテン11から突出させて延在させられるとともに、前記ベースプレート15に沿ってスライドテーブル16が水平方向に移動自在に配設され、該スライドテーブル16に図示されない固定金型が取り付けられる。一方、前記可動プラテンに前記固定金型と対向させて可動金型が取り付けられる。前記固定金型及び可動金型によって金型装置が構成される。
【0016】
前記スライドテーブル16を移動させるために、ベースプレート15上に、互いに所定の距離を置いて一対のレール17が長手方向に配設される。また、各レール17に対応させて、スライドテーブル16の下面には、一対の溝19が形成され、各溝19にレール17と摺(しゅう)動する案内レール21が配設され、スライドテーブル16に取り付けられる。
【0017】
そして、前記ベースプレート15上における、一方のレール17とベースプレート15の縁との間で、かつ、溝19内に、第1の部材としてのボールねじ軸22が、ベースプレート15に沿って、長手方向に延在させて、かつ、レール17と平行に配設される。前記ボールねじ軸22は、側壁16a、16bを介してスライドテーブル16を貫通して延び、ベースプレート15の両端に取り付けられた二つのベアリング25、26によって回転自在に支持される。また、側壁16aに第2の部材としてのボールナット23が固定され、前記ボールねじ軸22とボールナット23とが螺合させられる。なお、ボールねじ軸22及びボールナット23によって、回転運動を直線運動に変換する運動方向変換手段としてのボールねじが構成されるとともに、伝動ユニットが構成される。
【0018】
前記ボールねじ軸22におけるベアリング25側の端部には、カップリング28を介して駆動手段としてのモータ29が配設され、該モータ29を正方向又は逆方向に駆動し、ボールねじ軸22を正方向又は逆方向に回転させると、前記スライドテーブル16がレール17に沿って移動し、前記固定金型を、可動金型と対向する型締位置S1、及び可動金型から離れた退避位置S2に選択的に置く。なお、前記ベースプレート15上における両端近傍にストッパ35、36が配設され、前記スライドテーブル16をストッパ35、36に当接させたときに、前記固定金型がそれぞれ型締位置S1及び退避位置S2に位置決めされる。
【0019】
本実施の形態においては、モータ29を駆動することによってボールねじ軸22を回転させるようにしているが、ボールねじ軸をベースプレート15に固定し、スライドテーブル16に取り付けられたモータを駆動することによってボールナットを回転させることもできる。
【0020】
そして、前記型締位置S1において、可動金型を下方に移動させて固定金型と当接させることによって型閉じ及び型締めを行い、射出ノズルから成形材料を射出し、前記可動金型と固定金型との間に形成されたキャビティ空間に成形材料を充填し、該成形材料を冷却することによって、成形品が成形される。次に、可動金型を上方に移動させて固定金型から離すことによって型開きを行い、続いて、前記スライドテーブル16を移動させ、前記固定金型を退避位置S2に置き、前記成形品を取り出すことができる。なお、成形品を取り出すために、前記退避位置S2における前記スライドテーブル16より下方に、図示されないエジェクタ機構が配設され、前記スライドテーブル16の中央に貫通穴31が形成され、該貫通穴31を前記エジェクタ機構のエジェクタピン32が選択的に貫通させられ、かつ、上下方向に移動自在に配設される。したがって、エジェクタ機構を作動させることによって、エジェクタピン32を上方に移動させると、型開きに伴って固定金型から成形品を突き出すことができる。前記エジェクタ機構を作動させるための駆動手段として図示されないモータが使用される。
【0021】
なお、前記退避位置S2において、固定金型に図示されないインサート品をセットすることもできる。
【0022】
この場合、前記ボールねじ軸22は、前記スライドテーブル16を貫通させられるとともに、溝19内に収納されて延在させられるので、ベースプレート15の幅をスライドテーブル16の幅と等しくすることができるだけでなく、高さ方向の寸法を小さくすることができ、竪型射出成形機を小型化することができる。また、固定金型にインサート品をセットしたり、固定金型から成形品を取り出したりする際に、ボールねじ軸22を避けて作業を行う必要がないので、作業効率を向上させることができる。
【0023】
本実施の形態においては、スライドテーブル16が移動自在に配設され、固定金型が型締位置S1及び退避位置S2に選択的に置かれるようになっているが、例えば、図示されないモード選択スイッチを配設し、第1、第2のモードを選択することができるようにし、第1のモードにおいては、スライドテーブル16が移動自在に配設され、固定金型が型締位置S1及び退避位置S2に選択的に置かれ、第2のモードにおいては、スライドテーブル16が固定され、固定金型が型締位置S1に置かれるようにすることもできる。この場合、型締位置S1にエジェクタ機構が配設され、型締位置S1において成形品を突き出すことができる。
【0024】
本実施の形態においては、前記スライドテーブル16をストッパ35、36に当接させたときに、前記固定金型がそれぞれ型締位置S1及び退避位置S2に位置決めされるようになっているが、前記モータ29に配設されたエンコーダ37の検出値に基づいて、スライドテーブル16の位置を算出し、前記固定金型を型締位置S1及び退避位置S2に位置決めすることもできる。
【0025】
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0026】
図5は本発明の第2の実施の形態における竪型射出成形機の平面図である。
【0027】
この場合、固定プラテン11上に、互いに直角の方向に第1、第2のベースプレート55、75が配設され、第1のベースプレート55は、固定プラテン11の長手方向におけるほぼ全体にわたって、かつ、一端を固定プラテン11から突出させて延在させられ、第2のベースプレート75は、固定プラテン11の幅方向におけるほぼ全体にわたって、かつ、一端を固定プラテン11から突出させて延在させられる。そして、前記第1のベースプレート55に沿って第1のスライドテーブル56が水平方向に移動自在に配設され、該第1のスライドテーブル56に図示されない第1の固定金型が取り付けられる。また、前記第2のベースプレート75に沿って第2のスライドテーブル76が水平方向に移動自在に配設され、該第2のスライドテーブル76に図示されない第2の固定金型が取り付けられる。一方、図示されない可動プラテンに前記第1、第2の固定金型と選択的に対向させて図示されない可動金型が取り付けられる。前記第1、第2の固定金型及び可動金型によって金型装置が構成される。
【0028】
そして、前記第1のスライドテーブル56を移動させるために、第1のベースプレート55上に、互いに所定の距離を置いて一対の第1のレール57が長手方向に配設される。また、各第1のレール57に対応させて、第1のスライドテーブル56の下面には、一対の溝19(図3)が形成され、各溝19に第1のレール57と摺動する案内レール21が配設され、第1のスライドテーブル56に取り付けられる。
【0029】
そして、前記第1のベースプレート55上における、一方の第1のレール57と第1のベースプレート55の縁との間で、かつ、溝19内に、第1の部材としてのボールねじ軸62が、第1のベースプレート55に沿って、長手方向に延在させて、かつ、第1のレール57と平行に配設される。前記ボールねじ軸62は側壁56a、56bを介して第1のスライドテーブル56を貫通して延び、二つのベアリング65(図においては、一つのベアリング65だけが示される。)によって回転自在に支持される。また、側壁56bに第2の部材としてのボールナット63が固定され、前記ボールねじ軸62とボールナット63とが螺合させられる。なお、ボールねじ軸62及びボールナット63によって、回転運動を直線運動に変換する第1の運動方向変換手段としてのボールねじが構成されるとともに、伝動ユニットが構成される。
【0030】
前記ボールねじ軸62におけるベアリング65側の端部には、カップリング68を介して第1の駆動手段としてのモータ69が配設され、該モータ69を正方向又は逆方向に駆動し、ボールねじ軸62を正方向又は逆方向に回転させると、前記第1のスライドテーブル56が第1のレール57に沿って矢印A方向に移動し、前記第1の固定金型を、可動金型と対向する型締位置S11に置いたり、可動金型から離れた退避位置S12に置いたりすることができる。なお、前記第1のスライドテーブル56をストッパ91、92に当接させたときに、前記固定金型がそれぞれ型締位置S11及び退避位置S12に位置決めされる。また、95はモータ69のエンコーダである。
【0031】
前記第2のスライドテーブル76を移動させるために、第2のベースプレート75上に、互いに所定の距離を置いて一対の第2のレール77が長手方向に配設される。また、各第2のレール77に対応させて、第2のスライドテーブル76の下面には、一対の溝19が形成され、各溝19に第2のレール77と摺動する案内レール21が配設され、第2のスライドテーブル76に取り付けられる。なお、第1 、第2のレール57、77の互いに交差する部分e〜hには、干渉を防止するための溝が形成される。
【0032】
そして、前記第2のベースプレート75上における、一方のレール77と第2のベースプレート75の縁との間で、かつ、溝19内に、第1の部材としてのボールねじ軸82が、第2のベースプレート75に沿って、長手方向に延在させて、かつ、第2のレール77と平行に配設される。前記ボールねじ軸82は側壁76a、76bを介して第2のスライドテーブル76を貫通して延び、第2のベースプレート75に取り付けられた二つのベアリング85(図においては、一つのベアリング85だけが示される。)によって回転自在に支持される。また、側壁76aに第2の部材としてのボールナット83が固定され、前記ボールねじ軸82とボールナット83とが螺合させられる。なお、ボールねじ軸82及びボールナット83によって、回転運動を直線運動に変換する第2の運動方向変換手段としてのボールねじが構成されるとともに、伝動ユニットが構成される。
【0033】
前記ボールねじ軸82におけるベアリング85側の端部には、カップリング88を介して第2の駆動手段としてのモータ89が配設され、該モータ89を正方向又は逆方向に駆動し、ボールねじ軸82を正方向又は逆方向に回転させると、前記第2のスライドテーブル76が第2のレール77に沿って矢印B方向に移動し、前記第2の固定金型を、前記型締位置S11、及び可動金型から離れた退避位置S13に選択的に置く。なお、前記第2のスライドテーブル76をストッパ93、94に当接させたときに、前記固定金型がそれぞれ型締位置S11及び退避位置S13に位置決めされる。また、96はモータ89のエンコーダである。
【0034】
そして、前記型締位置S11において、可動金型を下方に移動させて、第1の固定金型と当接させることによって型閉じ及び型締めを行い、射出ノズルから成形材料を射出し、前記可動金型と第1の固定金型との間に形成されたキャビティ空間に成形材料を充填し、該成形材料を冷却することによって、成形品が成形される。次に、可動金型を上方に移動させて第1の固定金型から離すことによって型開きを行い、続いて、前記第1のスライドテーブル56を移動させ、前記第1の固定金型を退避位置S12に置き、前記成形品を取り出すことができる。
【0035】
そして、前記第1の固定金型を退避位置S12に置くために、前記第1のスライドテーブル56を移動させている間、第2のスライドテーブル76が移動させられ、退避位置S13に置かれていた第2の固定金型は型締位置S11に置かれる。また、該型締位置S11において、前記可動金型を下方に移動させて、第2の固定金型と当接させることによって型閉じ及び型締めを行い、射出ノズルから成形材料を射出し、前記可動金型と第2の固定金型との間に形成されたキャビティ空間に成形材料を充填し、該成形材料を冷却することによって、成形品が成形される。次に、可動金型を上方に移動させて第2の固定金型から離すことによって型開きを行い、続いて、前記第2のスライドテーブル76を移動させ、前記第2の固定金型を退避位置S13に置き、前記成形品を取り出すことができる。
【0036】
この場合、前記ボールねじ軸62、82は、それぞれ、第1、第2のベースプレート55、75上に、かつ、前記第1、第2のスライドテーブル56、76を貫通させられるとともに、溝19内に収納されて延在させられる。したがって、第1、第2のベースプレート55、75の幅をそれぞれ第1、第2のスライドテーブル56、76の幅と等しくすることができるだけでなく、高さ方向の寸法を小さくすることができるので、竪型射出成形機を小型化することができる。また、第1、第2の固定金型に図示されないインサート品をセットしたり、第1、第2の固定金型から成形品を取り出したりする際に、ボールねじ軸62、82を避けて作業を行う必要がないので、作業効率を向上させることができる。
【0037】
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。なお、第1の実施の形態と同じ構造を有するものについては、同じ符号を付与することによってその説明を省略する。
【0038】
図6は本発明の第3の実施の形態における竪型射出成形機の平面図である。
【0039】
この場合、固定プラテン11上にベースプレート155が配設され、該ベースプレート155は、固定プラテン11の長手方向における全体にわたって、かつ、両端を固定プラテン11から突出させて延在させられる。そして、前記ベースプレート155に沿って第1、第2のスライドテーブル156、176が長手方向に移動自在に配設され、該第1、第2のスライドテーブル156、176に図示されない第1、第2の固定金型が取り付けられる。一方、図示されない可動プラテンには前記第1、第2の固定金型と選択的に対向させて図示されない可動金型が取り付けられる。前記第1、第2の固定金型及び可動金型によって金型装置が構成される。
【0040】
前記第1、第2のスライドテーブル156、176を移動させるために、ベースプレート155上に、互いに所定の距離を置いて一対のレール157が長手方向に配設される。そして、前記ベースプレート155上における、一方のレール157とベースプレート155の縁との間で、かつ、溝19内に、第1の部材としてのボールねじ軸182が、ベースプレート155に沿って、長手方向に延在させて、かつ、レール157と平行に配設される。前記ボールねじ軸182は、側壁156a、156bを介して第1のスライドテーブル156を、また、側壁176a、176bを介して第2のスライドテーブル176を貫通して延び、二つのベアリング165、166によって回転自在に支持される。また、側壁156a、176aに第2の部材としてのボールナット163が固定され、前記ボールねじ軸182とボールナット163とが螺合させられる。なお、ボールねじ軸182及びボールナット163によって、回転運動を直線運動に変換する運動方向変換手段としてのボールねじが構成されるとともに、伝動ユニットが構成される。
【0041】
前記ボールねじ軸182におけるベアリング165側の端部には、カップリング168を介して駆動手段としてのモータ189が配設され、モータ189を正方向又は逆方向に駆動し、ボールねじ軸182を正方向又は逆方向に回転させると、前記第1、第2のスライドテーブル156、176がベースプレート155に沿って移動し、前記第1、第2の固定金型を、可動金型と対向する型締位置S21及び可動金型から離れた退避位置S22、S23にそれぞれ選択的に置く。なお、前記第1のスライドテーブル156をストッパ191に当接させたときに前記第1の固定金型は退避位置S22に、第2のスライドテーブル176をストッパ192に当接させたときに前記第2の固定金型は退避位置S23に、それぞれ位置決めされる。また、196はモータ189のエンコーダである。
【0042】
前記各実施の形態においては、運動方向変換手段としてボールねじが使用されるが、ボールねじに代えてラックアンドピニオンを使用することもできる。この場合、ラックによって第1の部材が、ピニオンによって第2の部材が構成される。
【0043】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0044】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、竪型射出成形機においては、固定プラテンと、該固定プラテンより上方に、タイバーに沿って移動自在に配設された可動プラテンと、該可動プラテンに取り付けられた可動金型と、前記固定プラテン上に配設されたベースプレートと、該ベースプレート上に配設された一対のレールと、該レールに沿って移動自在に配設されたスライドテーブルと、該スライドテーブルに取り付けられた固定金型と、前記スライドテーブルを移動させるために回転運動を発生させる駆動手段と、前記ベースプレートに沿って配設された第1の部材、及び前記スライドテーブルに固定された第2の部材を備え、前記駆動手段の駆動に伴って、回転運動を直線運動に変換し、前記スライドテーブルを移動させ、前記固定金型を型締位置及び退避位置に選択的に置く一つの伝動ユニットとを有する。
【0045】
そして、前記スライドテーブルは下面に形成された溝内に、前記各レールと摺動する案内レールを備える。また、前記第1の部材は、前記溝内において一方の案内レールと隣接させられ、かつ、スライドテーブルを貫通させて延在させられる。
【0046】
この場合、前記第1の部材は、スライドテーブルを貫通させられるとともに、溝内に収納されて延在させられるので、ベースプレートの幅をスライドテーブルの幅と等しくすることができるだけでなく、高さ方向の寸法を小さくすることができ、竪型射出成形機を小型化することができる。また、固定金型にインサート品をセットしたり、固定金型から成形品を取り出したりする際に、第1の部材を避けて作業を行う必要がないので、作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の第1の状態を示す平面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の正面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の側断面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態における竪型射出成形機の第2の状態を示す平面図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態における竪型射出成形機の平面図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態における竪型射出成形機の平面図である。
【符号の説明】
11 固定プラテン
15、155 ベースプレート
16 スライドテーブル
22、62、82、182 ボールねじ軸
23、63、83、163 ボールナット
29、69、89、189 モータ
55、75 第1、第2のベースプレート
56、156 第1のスライドテーブル
76、176 第2のスライドテーブル
S1、S11、S21 型締位置
S2、S12、S13、S22、S23 退避位置
Claims (4)
- (a)固定プラテンと、
(b)該固定プラテンより上方に、タイバーに沿って移動自在に配設された可動プラテンと、
(c)該可動プラテンに取り付けられた可動金型と、
(d)前記固定プラテン上に配設されたベースプレートと、
(e)該ベースプレート上に配設された一対のレールと、
(f)該レールに沿って移動自在に配設されたスライドテーブルと、
(g)該スライドテーブルに取り付けられた固定金型と、
(h)前記スライドテーブルを移動させるために回転運動を発生させる駆動手段と、
(i)前記ベースプレートに沿って配設された第1の部材、及び前記スライドテーブルに固定された第2の部材を備え、前記駆動手段の駆動に伴って、回転運動を直線運動に変換し、前記スライドテーブルを移動させ、前記固定金型を型締位置及び退避位置に選択的に置く一つの伝動ユニットとを有するとともに、
(j)前記スライドテーブルは下面に形成された溝内に、前記各レールと摺動する案内レールを備え、
(k)前記第1の部材は、前記溝内において一方の案内レールと隣接させられ、かつ、スライドテーブルを貫通させて延在させられることを特徴とする竪型射出成形機。 - 前記第1の部材は、前記一方のレールとベースプレートの縁との間で延在させられる請求項1に記載の竪型射出成形機。
- (a)前記ベースプレートは、互いに直角の方向に二つ配設され、
(b)前記スライドテーブルは各ベースプレートに沿ってそれぞれ配設され、
(c)前記各スライドテーブルに固定金型がそれぞれ取り付けられる請求項1に記載の竪型射出成形機。 - 前記スライドテーブルに二つの固定金型が取り付けられる請求項1に記載の竪型射出成形機。
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JP2000186574A JP3681617B2 (ja) | 2000-06-21 | 2000-06-21 | 竪型射出成形機 |
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