JP3681332B2 - 自動車用の永久磁石回転電機及び自動車 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用の永久磁石回転電機及び自動車に係り、特に、内部磁石型回転電機に好適な自動車用の永久磁石回転電機及び自動車に関する。
【0002】
【従来の技術】
電動車両,特に、電気自動車において使用される駆動電動機は、電気自動車として積載されるバッテリーの量が限定され、かつ、そのバッテリー容量で十分な一充電走行距離を確保することが必要なために、小型軽量、高効率であることが望まれている。
【0003】
電動機を小型軽量化するためには、高速回転に適していることが要望される。また、高効率電動機としては、直流電動機や誘導電動機よりも永久磁石電動機が推奨できる。
【0004】
永久磁石回転子には、永久磁石を回転子の外周に配置する表面磁石回転子と、永久磁石よりも高い透磁率を有する,例えば、珪素鋼板の中に永久磁石保持部を有する,いわゆる内部磁石回転子とがある。
【0005】
表面磁石永久磁石電動機は、磁石磁束のため制御が簡単であることや、固定子巻線の反作用磁束の影響が弱いため低騒音にできる反面、高速回転のためには磁石の補強が必要であること、弱め界磁制御が困難であるため、速度制御範囲が狭く、高速低負荷時の効率が低いこと等の欠点を有していた。
【0006】
一方、内部磁石永久磁石電動機は、表面磁石回転子と反対に、弱め界磁制御によって高速まで運転できる点、弱め界磁制御によって高速低負荷時を高効率にできる点、磁石外周の磁性体の磁極片部によって高速時まで回転可能である点、リラクタンストルクを利用できる等の利点を有している。
【0007】
内部永久磁石回転電機としては、例えば、特開平5−219669号公報や特開平7−39091号公報の図5に記載のものが知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
従来の内部永久磁石回転電機において、電動車両等に用いることができる大型回転電機では、その固定子の構造としては、分布巻固定子が採用されている。しかしながら、分布巻固定子は、固定子の巻線のエンド部が長くなるため、回転電機本体の大きさを小型化するには限界があるという問題があった。特に、電動車両に用いる回転電機においては、高速に適し、高効率であることが要求されるとともに、さらに、小型軽量であることが要求されている。本発明の目的は、高速に適し、高効率であるとともに、小型軽量な自動車用の永久磁石回転電機及びその永久磁石回転電機を備えた自動車を提供するにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明は、車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、集中的に巻回された固定子巻線を有する固定子と、前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子とを備え、前記回転子鉄心の外周から径方向の内側に位置し、前記回転子鉄心の周方向に配置されるように、前記回転子鉄心に複数の孔を設け、前記複数の孔に極毎に交互に極性が反転するようにして複数個の永久磁石を配置し、前記永久磁石の外周側の前記回転子鉄心に磁極片部を作り、前記極毎の永久磁石の間に存在する前記回転子鉄心にリラクタンストルクを発生させる補助磁極部を作り、前記永久磁石により発生するトルクと前記リラクタンストルクとに基づいて回転トルクを発生するように構成し、前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けて磁束を発生させ、前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させるように構成し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたものである。
また、本発明の永久磁石回転電機は、更に下記の構成を備えるものである。
永久磁石回転電機はバッテリの電力により駆動される。
積層した回転子鉄心で構成される磁極片部は永久磁石に作用する固定子からの脈動磁束を緩和する。
固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されている。
また、本発明は、上記永久磁石回転電機を搭載した自動車を提供するものであり、この自動車は更に下記の構成を備えるものである。
自動車は直流電源と永久磁石回転電機と制御回路とを搭載している。
自動車は直流電源から制御回路を介して固定子巻線に電流を供給するように構成されている。
自動車は、回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備えている。
制御回路は、磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて固定子巻線に流れる電流を制御して固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により補助磁極部にリラクタンストルクを発生させるとともに、永久磁石回転電機の高速回転時に弱め界磁制御を行う。
また、本発明の永久磁石式回転電機及び自動車は、弱め界磁制御において、固定子巻線には、低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように制御された電流が供給される。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態による永久磁石回転電機について、図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の正面側から見た部分断面図である。
【0011】
図1において、回転電機10の固定子20は、固定子鉄心22と、この固定子鉄心22に巻回された多相の固定子巻線24と、固定子鉄心22をその内周面に固定保持するハウジング26から構成されている。回転子30は、回転子鉄心32と、回転子鉄心32に設けられた永久磁石挿入孔34に挿入された永久磁石36と、シャフト38とから構成されている。シャフト38は、ベアリング42,44によって回転自在に保持されている。ベアリング42,44は、エンドブラケット46,48によって支持されており、エンドブラケット46,48は、ハウジング26の両端にそれぞれ固定されている。
【0012】
また、回転子30の永久磁石36の位置を検出する磁極位置検出器PS及び回転子30の位置を検出するエンコーダEが、回転子30の側面側に配置されている。回転電機10は、磁極位置検出器PSの信号と、エンコーダEの出力信号によって、図3によって後述する制御装置によって運転制御される。
【0013】
図2は、図1のA−A矢視の断面図であるが、ハウジングの図示は省略してある。
図2において、回転電機10は、固定子20と回転子30とから構成されている。固定子20は、固定子鉄心22と固定子巻線24から構成される。固定子鉄心22は、円環状の固定子ヨ−ク22Aと固定子磁極22Bとからなり、固定子磁極22Bには、固定子巻線24が集中的に巻回される構成である。各巻線24は、空隙面での磁路を共有することのない構成である。固定子巻線を集中巻とする固定子構造とすることにより、エンドコイル部の長さを短くすることができるため、回転電機の体格を小さくすることができる。エンドコイル部は、図1において、固定子鉄心22の左右から固定子巻線24が飛び出ている部分であり、このエンドコイル部を短くできるため、回転電機の長さを短くでき、小型化できる。
【0014】
固定子巻線24のU相には、U1+,U1-,U2+,U2-がそれぞれ接続され、V相には、V1+,V1-, V2+,V2-がそれぞれ接続され、W相には、W1+,W1-,W2+,W2-がそれぞれ接続される。
【0015】
回転子30は、高透磁率磁性材料である,例えば、複数枚の珪素鋼板が積層されている回転子鉄心32と、回転子鉄心32に設けられた10個の永久磁石挿入孔34に挿入された10個の永久磁石36と、シャフト38から構成されている。10個の永久磁石36は、極性が互いに反対方向になるように、回転子鉄心32の周方向に等間隔で配置されている。
【0016】
回転子鉄心32は、永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれる構造となっている。永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれ珪素鋼板を積層し、貫通する永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔の中に永久磁石36及びシャフト38が挿入されて回転子30を構成する。
回転子鉄心32を半径方向に分けると、内周側のヨーク部32Aと、外周部32Bに分けられる。また、回転子鉄心32の外周部32Bを周方向に2つの部分に分けると、補助磁極部32B1と、磁極片部32B2に分けられる。補助磁極部32B1は、隣合う永久磁石挿入孔34に挟まれる領域であり、磁石の磁気回路をバイパスして、固定子の起磁力によって直接磁束を固定子側に発生させる領域である。磁極片部32B2は、回転子鉄心32の外周部32Bの中で、永久磁石36の外周側に位置する領域であり、永久磁石36からの磁束Bφがギャップを介して固定子20側に流れて磁気回路を構成する領域である。
【0017】
永久磁石36は、補助磁極部32B1によって周方向を覆われ、磁極片部32B2によって外周を覆われた永久磁石挿入穴34の中に収納することができ、高速回転に適した電動機とすることができる。
【0018】
ここで、集中巻固定子は、一般には、リラクタンスモータや小型のブラシレスモータに使用されている。この場合、リラクタンスモータの場合には、回転子は補助磁極のみであり、ブラシレスモータの場合には、永久磁石を回転子外表面に直接配置する構成である。従って、リラクタンスモータの場合には脈動トルクが大きく、また、トルクが小さいものである。
【0019】
一方、表面磁石回転子の場合には、弱め界磁制御が比較的困難であり、表面磁石に発生する渦電流によって損失を発生し、効率を低下させるものであった。
【0020】
それに対して、内部永久磁石の回転子と、集中巻固定子を組み合わせた構成とすることによって、永久磁石の磁束によるトルクと補助磁極のリラクタンス成分によるトルクの両方を活用でき、高効率とすることができる。また、後述のように補助磁極の効果によって弱め界磁が可能となり、運転領域,特に、高速領域での運転領域が格段に広くすることができる。
【0021】
さらには、磁極片部が磁性体であるため、固定子磁極の脈動磁束を緩和することができる。また、積層鉄心であるため、渦電流損を発生しないものである。
【0022】
なお、図2に示す例では、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが10極、固定子の磁極数Mが12極の構成としている。固定子磁極をM,回転子磁石の極数をPとしたとき、M:P=6n:6n±2 (ここでnは正の整数)なる構成とすることにより、トルク脈動が少なく、かつ、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができる。
【0023】
以上は、電動機の例で示したが、発電機でも同様であることはいうまでもないことである。
【0024】
次に、図3を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機を制御する制御装置について説明する。
図3は、本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の制御回路の回路図である。
【0025】
直流電源80よりインバータ82を介して回転電機10の固定子巻線24に電力を供給する。速度制御回路(ASR)84は、速度指令ωsと、エンコーダEからの位置情報θからF/V変換器86を介して得られる実際の速度ωfとから速度差ωeを算出し、これにPI制御(P:比例項、I:積分項)等によってトルク指令,即ち、電流指令Isと回転子30の回転角θ1を出力する。
位相シフト回路88は、エンコーダEよりのパルス,即ち、回転子の位置情報θを、速度制御回路(ASR)84からの回転角θ1の指令に応じて位相シフトして出力する。正弦波・余弦波発生器90は、回転子30の永久磁石磁極の位置を検出する位置検出器PSと、位相シフト回路88からの位相シフトされた回転子の位置情報θに基づいて、固定子巻線24の各巻線(ここでは3相)の誘起電圧を位相シフトした正弦波出力を発生する。位相シフト量は、零の場合でもよい。
【0026】
2相−3相変換回路92は、速度制御回路(ASR)84からの電流指令Isと正弦波・余弦波発生器90の出力に応じて、各相に電流指令Isa,Isb,Iscを出力する。各相はそれぞれ個別に電流制御系(ACR)94A,94B,94Cを持ち、電流指令Isa,Isb,Iscと電流検出器CTからの電流検出信号Ifa,Ifb,Ifcに応じた信号を、インバータ82に送って各相電流を制御する。この場合、各相合成の電流は、界磁磁束に直角,あるいは位相シフトした位置に常に形成され、これによって無整流子で、かつ直流機と同等の特性を得ることができる。
【0027】
ここで、電機自動車に適用する場合には、制御装置は、速度制御回路84ではなく、直接トルクを制御するトルク制御系を有する。即ち、速度制御回路84に替えて、トルク制御回路を使用する。トルク制御回路は、入力信号として、トルクTsと、トルク検出器によって得られる実際のトルクTfとからトルクTeを算出し、これにPI制御(P:比例項、I:積分項)等によってトルク指令,即ち、電流指令Isと回転子30の回転角θ1を出力する。
【0028】
永久磁石回転電機においては、トルクは電流に直接比例するために電流制御系を速度制御回路84の代わりに配置される。
【0029】
固定子巻線24の結線は、3相固定子巻線で、U相には、U1+,U1-,U2+,U2-が図示の順で接続され、V相には、V1+,V1-,V2+,V2-が図示の順で接続され、W相には、W1+,W1-,W2+,W2-が図示の順で接続される。ここで、各相を構成する巻線、例えば、U相ではU1+とU2-の間、U1-とU2+の間、V相ではV1+とV2-の間、V1-とV2+の間、W相ではW1+とW2-の間、W1-とW2+の間では、電気角で30度の位相差を有する。即ち、図1に示すように、例えば、固定子磁極U1+とU2-の間の角度θ1に対して、回転子30の隣合う永久磁石36の角度θ2となっており、電気角で30度の位相差を有するようになっている。このようにして、同一の相に接続される固定子巻線の巻回される固定子磁極は、永久磁石に対して少なくとも一つが位相が異なるようになっている。例えば、U1-が巻回される固定子磁石とU2+が巻回される固定子磁石を見ると、U1-に対して永久磁石36Aが同相とすると、永久磁石36Bに対しては、位相が30度異なるようになっている。これによって、集中巻の固定子において問題となる脈動トルクが軽減されている。この理由については、図4を用いて後述する。
【0030】
集中巻きにおいては、図1に示すように、各巻線が空隙面でラップしないような構成にする。これによって、各巻線間の相互干渉は無くなり、小型軽量で、しかも、構成も簡単にすることができる。
【0031】
また、図示のように、隣あう巻線を同相に選択することによって、接続が容易になる。即ち、U相ではU1+とU2-とが隣あっており、U1-とU2+とが隣あっている。また、V相ではV1+とV2-とが隣あっており、V1-とV2+とが隣あっている。同様にして、W相ではW1+とW2-とが隣あっており、W1-とW2+とが隣あっているので、接続が容易になる。
次に、図4を用いて、トルク脈動の低減する理由について説明する。
図4は、本発明の一実施形態による永久磁石回転電機によって発生するトルクの説明図である。
【0032】
図4(a)は、U1+,U1-,V1+,V1-,W1+,W1-の各固定子巻線に、図3に示した正弦・余弦発生回路90からの信号に基づいて正弦波電流を加えた場合に発生するトルクを示している。高調波成分を含まなければ、均一なトルクになるが、永久磁石の高調波分や、補助磁極による高調波分等が含まれているため、図示のように、電気角で60度を周期とするトルク脈動を発生する。
【0033】
図4(b)は、U2+,U2-,V2+,V2-,W2+,W2-の各固定子巻線に、正弦波電流を加えた場合に発生するトルクを示している。図4(a)に示したのと同様に、永久磁石の高調波分や、補助磁極による高調波分等が含まれているため、図示のように、電気角で60度を周期とするトルク脈動を発生する。
【0034】
ここで、固定子巻線24のU1+,U1-,V1+,V1-,W1+,W1-が巻回されている固定子磁極22Bと、 固定子巻線24のU2-,V2+,V2-,W2+,W2-が巻回されている固定子磁極22B2とは、電気角で30度の位相差があるために、発生トルクの脈動は逆相となっている。
【0035】
従って、図4(c)に示すように、図4(a)と図4(b)の合成されたトルクは、脈動トルクを低減したものとなる。
図2において、永久磁石極数Mと固定子磁極数Pとの比を10:12の例では、永久磁石回転電機のコギングトルクは、永久磁石極数と固定子磁極数の最小公倍数、ここでは、60/回転の脈動となる。一般に、コギングトルクは脈動数/回転が大きくなるほど小さくなる。
ここで、従来からある一般的な表面磁石回転子で集中巻固定子においては、永久磁石極数Mと固定子磁極数Pとの比は、2:3であり、永久磁石極数M=2を図2に示した永久磁石極数M=10極に換算してみると、M:P=10:15に相当する。この場合、コギングトルクの脈動数/回転は、10と15の最小公倍数ということで、30となる。従って、本実施形態による方が、コギングトルクを小さくできるものである。
【0036】
また、電流通電時の脈動トルクの減少も図4で示した原理のよって小さくすることができる。
次に、本実施形態による永久磁石回転電機の弱め界磁制御による動作原理について、図5を用いて説明する。
図5は、本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の動作原理図である。
【0037】
永久磁石回転電機の発生トルクTは、一般には次式で表される。
【0038】
T={E0・Iq+(Xq−Xd)・Id・Iq}/ω
ここで、E0は誘起電圧、Xqはq軸リアクタンス、Xdはd軸リアクタンス、Idはd軸電流、Iqはq軸電流、ωは回転角速度を表している。
【0039】
図5(a)に示すように、永久磁石36はd軸に配置され、永久磁石より高い透磁率を有する補助磁極部32B1の位置はq軸に配置される。この場合、各ベクトルは、図5(a)で表される。ここで、d軸電流−Id,q軸電流Iqの合成である電流Imは、図3に示した制御回路の電流指令Isa,Isb,Iscや電動機の磁極位置検出器PSやエンコーダEの出力位置の計算等によって図示の位置に制御される。
【0040】
上式において、第一項が永久磁石による成分で、第二項がリラクタンス成分で補助磁極部32B1による成分である。
【0041】
電気自動車用駆動電動機では、特に低速時に電動機のトルク/電流を最大にするように制御する必要がある。図5(a)はトルク/電流を最大にするように制御した場合のベクトル図を示す。ここでは、補助磁極32B1に増磁起磁力がかかるように制御し、上式の第1項の永久磁石によるトルクとともに第2項の補助磁極32B1のよるリラクタンストルクをも十分に活用した制御となる。
【0042】
一方、高速領域においては、トルクは少なくともよく、むしろ永久磁石36の磁束を弱めるために、Id成分を大きくし、永久磁石E0をXd・Idによって打ち消し、高速領域まで回転できるようにしている。図5(b)は高速時のベクトル図を示している。
【0043】
以上の電流Id,Iqの制御は、図3の制御回路の位相シフト回路88によって行われる。
図5(c)において、破線T2は、従来の表面磁石回転電機によって発生するトルクを示しており、高速領域でのトルクは低下している。それに対して、実線T1は、上述した制御によって、本実施形態による永久磁石回転電機の速度トルクの関係を示しており、従来の表面磁石回転電機に比較して、電流が流れやすくなるため、高速領域まで運転することが可能になる。
本実施形態によれば、集中巻固定子とすることにより、固定子のエンドコイル部を短くでき、回転電機を小型化できる。
また、同一の相に接続される固定子巻線の巻回される固定子磁極は、永久磁石に対して少なくとも一つが位相が異なるようになっているので、集中巻の固定子において問題となる脈動トルクが軽減されている。
また、補助磁極を有する永久磁石回転子とすることにより、弱め界磁制御に適する構成となっており、高速回転に適した回転電機とすることができる。
また、永久磁石の間には、永久磁石よりも高い透磁率を有する磁性材料からなる補助磁極部を配置したため、発生するトルクを大きくすることができる。
また、永久磁石の周囲を珪素鋼板で覆う構成とすることにより、高速回転に適したものとなる。
【0044】
次に、本発明の他の実施形態による永久磁石回転電機について、図6を用いて説明する。
図6は、本発明の他の実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。
本実施形態の特徴とする点は、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが10極、固定子の磁極数Mが9極の構成としている。固定子磁極をM,回転子磁石の極数をPとしたとき、M:P=3n:3n±1 (ここでnは正の整数)なる構成とすることにより、トルク脈動が少なく、かつ、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができるものである。
【0045】
図6において、回転電機10は、固定子20と回転子30とから構成されている。固定子20は、固定子鉄心22と固定子巻線24から構成される。固定子鉄心22は、円環状の固定子ヨ−ク22Aと固定子磁極22Bとからなり、固定子磁極22Bには、固定子巻線24が集中的に巻回される構成である。各巻線24は、空隙面での磁路を共有することのない構成である。固定子巻線を集中巻とする固定子構造とすることにより、エンドコイル部の長さを短くすることができるため、回転電機の体格を小さくすることができる。
【0046】
固定子巻線24のU相には、U1+,U1-,U2+がそれぞれ接続され、V相には、V1+,V1-, V2+がそれぞれ接続され、W相には、W1+,W1-,W2+がそれぞれ接続される。
【0047】
回転子30は、高透磁率磁性材料である,例えば、複数枚の珪素鋼板が積層されている回転子鉄心32と、回転子鉄心32に設けられた10個の永久磁石挿入孔34に挿入された10個の永久磁石36と、シャフト38から構成されている。10個の永久磁石36は、極性が互いに反対方向になるように、回転子鉄心32の周方向に等間隔で配置されている。
【0048】
回転子鉄心32は、永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれる構造となっている。永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれ珪素鋼板を積層し、貫通する永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔の中に永久磁石36及びシャフト38が挿入されて回転子30を構成する。
回転子鉄心32を半径方向に分けると、内周側のヨーク部32Aと、外周部32Bに分けられる。また、回転子鉄心32の外周部32Bを周方向に2つの部分に分けると、補助磁極部32B1と、磁極片部32B2に分けられる。補助磁極部32B1は、隣合う永久磁石挿入孔34に挟まれる領域であり、磁石の磁気回路をバイパスして、固定子の起磁力によって直接磁束を固定子側に発生させる領域である。磁極片部32B2は、回転子鉄心32の外周部32Bの中で、永久磁石36の外周側に位置する領域であり、永久磁石36からの磁束Bφがギャップを介して固定子20側に流れて磁気回路を構成する領域である。
【0049】
永久磁石36は、補助磁極部32B1によって周方向を覆われ、磁極片部32B2によって外周を覆われた永久磁石挿入穴34の中に収納することができ、高速回転に適した電動機とすることができる。
【0050】
さらには、磁極片部が磁性体であるため、固定子磁極の脈動磁束を緩和することができる。また、積層鉄心であるため、渦電流損を発生しないものである。
【0051】
この例では、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが10極、固定子の磁極数Mが9極の構成としている。固定子磁極をM,回転子磁石の極数をPとしたとき、M:P=3n:3n±1(ここでnは正の整数)なる構成とすることにより、トルク脈動が少なく、かつ、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができる。
【0052】
固定子巻線24の結線は、3相固定子巻線で、U相には、U1+,U1-,U2+が図示の順で接続され、V相には、V1+,V1-,V2+が図示の順で接続され、W相には、W1+,W1-,W2+が図示の順で接続される。ここで、各相を構成する巻線、例えば、U相ではU1+とU1-の間、U1-とU2+の間、V相ではV1+とV1-の間、V1-とV2+の間、W相ではW1+とW1-の間、W1-とW2+の間では、電気角で20度の位相差を有する。このようにして、同一の相に接続される固定子巻線の巻回される固定子磁極は、永久磁石に対して少なくとも一つが位相が異なるようになっている。例えば、U1-が巻回される固定子磁石とU2+が巻回される固定子磁石を見ると、U1-に対して永久磁石36Aが同相とすると、永久磁石36Bに対しては、位相が20度異なるようになっている。これによって、集中巻の固定子において問題となる脈動トルクが軽減されている。
また、隣り合う固定子磁極22Bの電気的な角度は、180×(10/9)=200度となり、位相差を考えると20度となる。永久磁石回転電機のコギングトルクは、永久磁石極数と固定子磁極数の最小公倍数,ここでは、90/回転の脈動となる。
【0053】
一方、図2に示した永久磁石極数Mと固定子磁極数Pとの比を10:12の例では、上述したように、永久磁石回転電機のコギングトルクは、60/回転の脈動となる。従って、本実施形態では、コギングトルクをさらに、小さくすることができる。
【0054】
以上は、電動機の例で示したが、発電機でも同様であることはいうまでもないことである。
本実施形態によれば、集中巻固定子とすることにより、固定子のエンドコイル部を短くでき、回転電機を小型化できる。
また、同一の相に接続される固定子巻線の巻回される固定子磁極は、永久磁石に対して少なくとも一つが位相が異なるようになっているので、集中巻の固定子において問題となる脈動トルクが軽減されている。
また、コギングトルクをさらに、低減できる。
また、補助磁極を有する永久磁石回転子とすることにより、弱め界磁制御に適する構成となっており、高速回転に適した回転電機とすることができる。
また、永久磁石の間には、永久磁石よりも高い透磁率を有する磁性材料からなる補助磁極部を配置したため、発生するトルクを大きくすることができる。
また、永久磁石の周囲を珪素鋼板で覆う構成とすることにより、高速回転に適したものとなる。
【0055】
次に、本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機について、図7を用いて説明する。図7は、本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。本実施形態の特徴とする点は、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが8極、固定子の磁極数Mが12極の構成としている。かかる構成とすることにより、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができるものである。
【0056】
図7において、回転電機10は、固定子20と回転子30とから構成されている。固定子20は、固定子鉄心22と固定子巻線24から構成される。固定子鉄心22は、円環状の固定子ヨ−ク22Aと固定子磁極22Bとからなり、固定子磁極22Bには、固定子巻線24が集中的に巻回される構成である。各巻線24は、空隙面での磁路を共有することのない構成である。固定子巻線を集中巻とする固定子構造とすることにより、エンドコイル部の長さを短くすることができるため、回転電機の体格を小さくすることができる。
【0057】
固定子巻線24のU相には、U1,U2,U3,U4がそれぞれ接続され、V相には、V1,V2,V3,V4がそれぞれ接続され、W相には、W1,W2,W3,W4がそれぞれ接続される。
【0058】
回転子30は、高透磁率磁性材料である,例えば、複数枚の珪素鋼板が積層されている回転子鉄心32と、回転子鉄心32に設けられた8個の永久磁石挿入孔34に挿入された8個の永久磁石36と、シャフト38から構成されている。8個の永久磁石36は、極性が互いに反対方向になるように、回転子鉄心32の周方向に等間隔で配置されている。
【0059】
回転子鉄心32は、永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれる構造となっている。永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれ珪素鋼板を積層し、貫通する永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔の中に永久磁石36及びシャフト38が挿入されて回転子30を構成する。
回転子鉄心32を半径方向に分けると、内周側のヨーク部32Aと、外周部32Bに分けられる。また、回転子鉄心32の外周部32Bを周方向に2つの部分に分けると、補助磁極部32B1と、磁極片部32B2に分けられる。補助磁極部32B1は、隣合う永久磁石挿入孔34に挟まれる領域であり、磁石の磁気回路をバイパスして、固定子の起磁力によって直接磁束を固定子側に発生させる領域である。磁極片部32B2は、回転子鉄心32の外周部32Bの中で、永久磁石36の外周側に位置する領域であり、永久磁石36からの磁束Bφがギャップを介して固定子20側に流れて磁気回路を構成する領域である。
【0060】
永久磁石36は、補助磁極部32B1によって周方向を覆われ、磁極片部32B2によって外周を覆われた永久磁石挿入穴34の中に収納することができ、高速回転に適した電動機とすることができる。
【0061】
さらには、磁極片部が磁性体であるため、固定子磁極の脈動磁束を緩和することができる。また、積層鉄心であるため、渦電流損を発生しないものである。
【0062】
この例では、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが12極、固定子の磁極数Mが8極の構成としている。かかる構成とすることにより、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができる。
【0063】
固定子巻線24の結線は、3相固定子巻線で、U相には、U1,U2,U3,U4が図示の順で接続され、V相には、V1,V2,V3,V4が図示の順で接続され、W相には、W1,W2,W3,W4が図示の順で接続される。ここで、各U相,V相,W相を構成する巻線の間では、電気角で60度の位相差を有する。
本例では、同一の相に接続される固定子巻線の巻回される固定子磁極は、永久磁石に対して同相となっており、トルク脈動の低減ななし得ないが、同一の相は、対称に配置される構成となっているため、バランスがよい構造となっている。即ち、U相についてみると、各U1,U2,U3,U4は、シャフト38を中心として、点対称になっている。
【0064】
以上は、電動機の例で示したが、発電機でも同様であることはいうまでもないことである。
本実施形態によれば、集中巻固定子とすることにより、固定子のエンドコイル部を短くでき、回転電機を小型化できる。
また、補助磁極を有する永久磁石回転子とすることにより、弱め界磁制御に適する構成となっており、高速回転に適した回転電機とすることができる。
また、永久磁石の間には、永久磁石よりも高い透磁率を有する磁性材料からなる補助磁極部を配置したため、発生するトルクを大きくすることができる。
また、永久磁石の周囲を珪素鋼板で覆う構成とすることにより、高速回転に適したものとなる。
【0065】
次に、本発明の第4の実施形態による永久磁石回転電機について、図8を用いて説明する。図8は、本発明の第4の実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。本実施形態の特徴とする点は、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが8極、固定子の磁極数Mが12極の構成としている。かかる構成とすることにより、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができるものである。
また、回転子の磁極片部を、固定子の磁極側に突出させる形状とすることにより、磁束分布を正弦波状にするようにしたものである。
【0066】
図8において、回転電機10は、固定子20と回転子30とから構成されている。固定子20は、固定子鉄心22と固定子巻線24から構成される。固定子鉄心22は、円環状の固定子ヨ−ク22Aと固定子磁極22Bとからなり、固定子磁極22Bには、固定子巻線24が集中的に巻回される構成である。各巻線24は、空隙面での磁路を共有することのない構成である。固定子巻線を集中巻とする固定子構造とすることにより、エンドコイル部の長さを短くすることができるため、回転電機の体格を小さくすることができる。
【0067】
固定子巻線24のU相には、U1,U2,U3,U4がそれぞれ接続され、V相には、V1,V2,V3,V4がそれぞれ接続され、W相には、W1,W2,W3,W4がそれぞれ接続される。
【0068】
回転子30は、高透磁率磁性材料である,例えば、複数枚の珪素鋼板が積層されている回転子鉄心32と、回転子鉄心32に設けられた8個の永久磁石挿入孔34に挿入された8個の永久磁石36と、シャフト38から構成されている。8個の永久磁石36は、極性が互いに反対方向になるように、回転子鉄心32の周方向に等間隔で配置されている。
【0069】
回転子鉄心32は、永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれる構造となっている。永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔が打ち抜かれ珪素鋼板を積層し、貫通する永久磁石挿入孔34とシャフト38を通す孔の中に永久磁石36及びシャフト38が挿入されて回転子30を構成する。
回転子鉄心32を半径方向に分けると、内周側のヨーク部32Aと、外周側であって、永久磁石36の外周に位置する磁極片部32B2に分けられる。磁極片部32B2は、永久磁石36からの磁束Bφがギャップを介して固定子20側に流れて磁気回路を構成する領域であり、ここでは、回転子の磁極片部を、固定子の磁極22B側に突出させる形状とすることにより、磁束分布を正弦波状にしている。
【0070】
永久磁石36は、補助磁極部32B1によって周方向を覆われ、磁極片部32B2によって外周を覆われた永久磁石挿入穴34の中に収納することができ、高速回転に適した電動機とすることができる。
【0071】
さらには、磁極片部が磁性体であるため、固定子磁極の脈動磁束を緩和することができる。また、積層鉄心であるため、渦電流損を発生しないものである。
【0072】
この例では、電動機構成で、3相、かつ永久磁石回転子36の極数Pが12極、固定子の磁極数Mが8極の構成としている。かかる構成とすることにより、巻線の利用率(巻線係数)を大きくできることから、高効率,小型軽量とすることができる。
【0073】
固定子巻線24の結線は、3相固定子巻線で、U相には、U1,U2,U3,U4が図示の順で接続され、V相には、V1,V2,V3,V4が図示の順で接続され、W相には、W1,W2,W3,W4が図示の順で接続される。ここで、各U相,V相,W相を構成する巻線の間では、電気角で60度の位相差を有する。
本例では、同一の相に接続される固定子巻線の巻回される固定子磁極は、永久磁石に対して同相となっており、トルク脈動の低減ななし得ないが、同一の相は、対称に配置される構成となっているため、バランスがよい構造となっている。即ち、U相についてみると、各U1,U2,U3,U4は、シャフト38を中心として、点対称になっている。
【0074】
以上は、電動機の例で示したが、発電機でも同様であることはいうまでもないことである。
本実施形態によれば、集中巻固定子とすることにより、固定子のエンドコイル部を短くでき、回転電機を小型化できる。
また、永久磁石回転子とすることにより、弱め界磁制御に適する構成となっており、高速回転に適した回転電機とすることができる。
また、永久磁石の周囲を珪素鋼板で覆う構成とすることにより、高速回転に適したものとなる。
【0075】
以上、各実施形態においては、制御方式として回転子の位置に対して、正弦波状の電流制御を行う方式について述べたが、電流制御を行わない120度通電型のブラシレスモ−タ方式でも適用できることは言うまでもないことである。
【0076】
また、以上の説明では、内転形の電動機で示したが、外転型及び発電機あるいはリニアモータにも適用可能である。
次に、本発明の第5の実施形態による永久磁石回転電機を用いた電気自動車について、図9を用いて説明する。
図9は、本発明の第5の実施形態による永久磁石回転電機を搭載した電気自動車のブロック構成図である。
電気自動車の車体100は、4つの車輪110,112,114,116によって支持されている。この電気自動車は、前輪駆動であるため、前方の車軸154には、永久磁石回転電機120が直結して取り付けられている。永久磁石回転電機120の構成は、図2,図6,図7,図8に示したような構成となっている。永久磁石回転電機120は、制御装置130によって駆動トルクが制御される。制御装置130の動力源としては、バッテリ140が備えられ、このバッテリ140から電力が制御装置130を介して、永久磁石回転電機120に供給され、永久磁石回転電機120が駆動されて、車輪110,114が回転する。ハンドル150の回転は、ステアリングギア152及びタイロッド,ナックルアーム等からなる伝達機構を介して、2つの車輪110,114に伝達され、車輪の角度が変えられる。
なお、以上の実施例では、永久磁石回転電機を電気自動車の車輪の駆動に用いるものとして説明したが、電気機関車等の車輪の駆動にも使用できるものである。
本実施形態によれば、永久磁石回転電機を電動車両、特に電気自動車に適用すれば、小型軽量高効率の永久磁石回転電機駆動装置を搭載でき、一充電走行距離の長い電気自動車を提供することができる。
【0077】
【発明の効果】
本発明によれば、永久磁石回転電機を、高速に適し、高効率であるとともに、小型軽量にできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の正面側から見た部分断面図である。
【図2】図1のA−A断面を示し、本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。
【図3】本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の制御回路の回路図である。
【図4】本発明の一実施形態による永久磁石回転電機によって発生するトルクの説明図である。
【図5】本発明の一実施形態による永久磁石回転電機の動作原理図である。
【図6】本発明の他の実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。
【図7】本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。
【図8】本発明の第4の実施形態による永久磁石回転電機の断面図である。
【図9】本発明の第5の実施形態による永久磁石回転電機を搭載した電気自動車のブロック構成図である。
【符号の説明】
10…永久磁石回転電機
20…固定子
22…固定子鉄心
22A…固定子ヨーク
22B…固定子磁極
24…固定子巻線
26…ハウジング
30…回転子
32…回転子鉄心
32A…ヨーク
32B…外周部
32B1…補助磁極部
32B2…磁極片部
34…永久磁石挿入穴
36…永久磁石
38…シャフト
39…風孔
46,48…エンドブラケット
42,44…ベアリング
80…直流電源
82…インバータ
84…速度制御回路
86…F/V変換器
88…位相シフト回路
92…2相−3相変換回路
90…正弦波・余弦波発生器
94A,94B,94C…電流制御系
100…車体
110,112,114,116…車輪
130…制御装置
140…バッテリ
150…ハンドル
152…ステアリングギア
154…車軸
PS…位置検出器
E…エンコーダ
CT…電流検出器
Claims (14)
- 車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、
集中的に巻回された固定子巻線を有する固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子とを備え、
前記回転子鉄心の外周から径方向の内側に位置し、前記回転子鉄心の周方向に配置されるように、前記回転子鉄心に複数の孔を設け、前記複数の孔に極毎に交互に極性が反転するようにして複数個の永久磁石を配置し、前記永久磁石の外周側の前記回転子鉄心に磁極片部を作り、
前記極毎の永久磁石の間に存在する前記回転子鉄心にリラクタンストルクを発生させる補助磁極部を作り、
前記永久磁石により発生するトルクと前記リラクタンストルクとに基づいて回転トルクを発生するように構成し、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けて磁束を発生させ、前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させるように構成し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 車両に搭載されたバッテリの電力により駆動される、車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、
巻線が集中的に巻回された固定子巻線を備えた固定子鉄心を有する固定子と、
積層した回転子鉄心を有し、前記固定子の内側に回転可能に保持された回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に、極毎に磁石の極性が反転するようにして挿入された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成され、リラクタンストルクを発生する補助磁極部とを備え、
前記積層した回転子鉄心で構成される磁極片部により、前記永久磁石に作用する固定子からの脈動磁束を緩和し、
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するように構成し、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けて磁束を発生させ、前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させるように構成し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、
複数の固定子突極を有し、集中巻の巻き方で巻かれた多相の巻線を備えた固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の珪素鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に挿入され、極毎に極性が反対になるようにして、周方向に全周にわたって配置された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成された補助磁極部とを備え、
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するようになし、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けて磁束を発生させ、前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させるよう構成し、
前記固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されているようにし、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 車両に搭載されたバッテリの電力により駆動される自動車用の永久磁石回転電機であって、
3相の巻線を集中巻の巻き方で巻いた固定子巻線を有する固定子突極を備えた固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の珪素鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子と、
前記回転子鉄心の周方向に周全体に渡って前記回転子鉄心に設けられ複数の孔と、
極毎に極性が交互に変わるようにして、前記複数の孔に配置された複数個の永久磁石と、
前記極毎の永久磁石の間に形成された補助磁極部とを備え、
前記永久磁石から固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するようになし、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けて磁束を発生させ、前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させるよう構成し、
前記固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されているようにし、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 直流電源と永久磁石回転電機と制御回路とを搭載した自動車であって、
前記永久磁石回転電機は、
集中的に巻回された固定子巻線を有する固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子とを備え、
前記回転子鉄心の外周から径方向の内側に位置し、前記回転子鉄心の周方向に配置されるように、前記回転子鉄心に複数の孔を設け、前記複数の孔に極毎に交互に極性が反転するようにして複数個の永久磁石を配置し、前記永久磁石の外周側の前記回転子鉄心に磁極片部を作り、
前記極毎の永久磁石の間に存在する前記回転子鉄心にリラクタンストルクを発生させる補助磁極部を作り、
前記永久磁石により発生するトルクと前記リラクタンストルクとに基づいて回転トルクを発生するように構成し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個とし、
前記直流電源から前記制御回路を介して上記固定子巻線に電流を供給するようになし、
前記自動車は、前記回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備え、
前記制御回路は、前記磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により前記補助磁極部に前記リラクタンストルクを発生させるとともに、前記永久磁石回転電機の高速回転時に弱め界磁制御を行うことを特徴とする自動車。 - 電力を供給するためのバッテリと永久磁石回転電機とバッテリから永久磁石回転電機に供給される電力を制御する制御回路とを搭載した自動車であって、
前記永久磁石回転電機は、
巻線が集中的に巻回された固定子巻線を備えた固定子鉄心を有する固定子と、
積層した回転子鉄心を有し、前記固定子の内側に回転可能に保持された回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に、極毎に磁石の極性が反転するようにして挿入された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成され、リラクタンストルクを発生する補助磁極部とを備え、
前記積層した回転子鉄心で構成される磁極片部により、前記永久磁石に作用する固定子からの脈動磁束を緩和し
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個とし、
前記自動車は、前記回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備え、
前記制御回路は、前記磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により前記補助磁極部に前記リラクタンストルクを発生させるとともに、前記永久磁石回転電機の回転が低速時の回転トルクより高速時の回転トルクの方が小さくなるように、固定子巻線に供給する電流を制御することを特徴とする自動車。 - 直流電源と永久磁石回転電機と制御回路とを搭載した自動車であって、
前記永久磁石回転電機は、
複数の固定子突極を有し、集中巻の巻き方で巻かれた多相の巻線を備えた固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の珪素鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に挿入され、極毎に極性が反対になるようにして、周方向に全周にわたって配置された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成された補助磁極部とを備え、
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するようになし、
前記固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されており、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個とし、
前記自動車は、前記回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備え、
前記制御回路は、前記磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により前記補助磁極部に前記リラクタンストルクを発生させるとともに、前記直流電源から前記永久磁石回転電機に供給する電力を弱め界磁制御することを特徴とする自動車。 - 電力を供給する直流電源と永久磁石回転電機と制御回路とを搭載した自動車であって、
前記永久磁石回転電機は、
3相の巻線を集中巻の巻き方で巻いた固定子巻線を有する固定子突極を備えた固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の珪素鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子と、
前記回転子鉄心の周方向に周全体に渡って前記回転子鉄心に設けられ複数の孔と、
極毎に極性が交互に変わるようにして、前記複数の孔に配置された複数個の永久磁石と、
前記極毎の永久磁石の間に形成された補助磁極部とを備え、
前記永久磁石から固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するようになし、
前記固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されており、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個とし、
前記自動車は、前記回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備え、
前記制御回路は、前記磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により前記補助磁極部に前記リラクタンストルクを発生させるとともに、前記永久磁石回転電機の弱め界磁制御を行うことを特徴とする自動車。 - 車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、
集中的に巻回された固定子巻線を有する固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子とを備え、
前記回転子鉄心の外周から径方向の内側に位置し、前記回転子鉄心の周方向に配置されるように、前記回転子鉄心に複数の孔を設け、前記複数の孔に極毎に交互に極性が反転するようにして複数個の永久磁石を配置し、前記永久磁石の外周側の前記回転子鉄心に磁極片部を作り、
前記極毎の永久磁石の間に存在する前記回転子鉄心にリラクタンストルクを発生させる補助磁極部を作り、
前記永久磁石により発生するトルクと前記リラクタンストルクとに基づいて回転トルクを発生するように構成し、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けるとともに、弱め界磁制御においては低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように制御された電流の供給を受け、供給された電流に基づいて磁束を発生させ、
前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させ、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 車両に搭載されたバッテリの電力により駆動される、車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、
巻線が集中的に巻回された固定子巻線を備えた固定子鉄心を有する固定子と、
積層した回転子鉄心を有し、前記固定子の内側に回転可能に保持された回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に、極毎に磁石の極性が反転するように挿入された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成され、リラクタンストルクを発生する補助磁極部とを備え、
前記積層した回転子鉄心で構成される磁極片部により、前記永久磁石に作用する固定子からの脈動磁束を緩和し、
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するように構成し、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けるとともに、弱め界磁制御においては低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように制御された電流の供給を受け、供給された電流に基づいて磁束を発生させ、
前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させ、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 車両に搭載される自動車用の永久磁石回転電機であって、
複数の固定子突極を有し、集中巻の巻き方で巻かれた多相の巻線を備えた固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の珪素鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に挿入され、極毎に極性が反対になるようにして、周方向に全周にわたって配置された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成された補助磁極部とを備え、
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するようになし、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けるとともに、弱め界磁制御においては低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように制御された電流の供給を受け、供給された電流に基づいて磁束を発生させ、
前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させ、
前記固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されており、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 車両に搭載されたバッテリの電力により駆動される自動車用の永久磁石回転電機であって、
3相の巻線を集中巻の巻き方で巻いた固定子巻線を有する固定子突極を備えた固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の珪素鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子と、
前記回転子鉄心の周方向に周全体に渡って前記回転子鉄心に設けられ複数の孔と、
極毎に極性が交互に変わるようにして、前記複数の孔に配置された複数個の永久磁石と、
前記極毎の永久磁石の間に形成された補助磁極部とを備え、
前記永久磁石から固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生するようになし、
前記固定子巻線は、前記回転子の永久磁石の位置に基づいて制御された電流の供給を受けるとともに、弱め界磁制御においては低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように制御された電流の供給を受け、供給された電流に基づいて磁束を発生させ、
前記補助磁極部は、前記固定子巻線が発生する磁束により前記リラクタンストルクを発生させ、
前記固定子突極では、同相の巻線が複数の突極に巻回され、かつ同相の巻線が巻回される複数の突極のうち少なくとも1つの突極に巻回される巻線が、他の同相の巻線とは永久磁石に対して位相が異なるように配置されており、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個としたことを特徴とする自動車用の永久磁石回転電機。 - 直流電源と永久磁石回転電機と制御回路とを搭載した自動車であって、
前記永久磁石回転電機は、
集中的に巻回された固定子巻線を有する固定子と、
前記固定子の内側に回転可能に保持され、複数枚の鋼板を積層した回転子鉄心を有する回転子とを備え、
前記回転子鉄心の外周から径方向の内側に位置し、前記回転子鉄心の周方向に配置されるように、前記回転子鉄心に複数の孔を設け、前記複数の孔に極毎に交互に極性が反転するようにして複数個の永久磁石を配置し、前記永久磁石の外周側の前記回転子鉄心に磁極片部を作り、
前記極毎の永久磁石の間に存在する前記回転子鉄心にリラクタンストルクを発生させる補助磁極部を作り、
前記永久磁石により発生するトルクと前記リラクタンストルクとに基づいて回転トルクを発生するように構成し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個とし、
前記直流電源から前記制御回路を介して上記固定子巻線に電流を供給するようになし、
前記自動車は、前記回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備え、
前記制御回路は、前記磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により前記補助磁極部に前記リラクタンストルクを発生させるとともに、前記永久磁石回転電機の低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記永久磁石回転電機の弱め界磁制御を行うことを特徴とする自動車。 - 電力を供給するためのバッテリと永久磁石回転電機とバッテリから永久磁石回転電機に供給される電力を制御する制御回路とを搭載した自動車であって、
前記永久磁石回転電機は、
巻線が集中的に巻回された固定子巻線を備えた固定子鉄心を有する固定子と、
積層した回転子鉄心を有し、前記固定子の内側に回転可能に保持された回転子と、
前記回転子鉄心に設けられた複数の孔に、極毎に磁石の極性が反転するようにして挿入された永久磁石と、
前記永久磁石の外周側の回転子鉄心に作られた磁極片部と、
前記回転子鉄心の極毎の永久磁石の間に形成され、リラクタンストルクを発生する補助磁極部とを備え、
前記積層した回転子鉄心で構成される磁極片部により、前記永久磁石に作用する固定子からの脈動磁束を緩和し、
前記永久磁石から前記磁極片部を介して固定子に作用する磁束に基づいて発生するトルクと、前記補助磁極部が発生するリラクタンストルクとに基づき回転トルクを発生し、
前記永久磁石を有する回転子の極数を8個或いは10個とし、
前記自動車は、前記回転子の永久磁石の位置を検出する磁極位置検出手段を備え、
前記制御回路は、前記磁極位置検出手段によって検出された永久磁石の位置に基づいて前記固定子巻線に流れる電流を制御して前記固定子巻線に磁束を発生させ、この磁束により前記補助磁極部に前記リラクタンストルクを発生させるとともに、前記永久磁石回転電機の低速回転時の電流に対して高速回転時の電流の位相が進んだ位置となるように前記固定子巻線に流れる電流を制御し、前記永久磁石回転電機の回転が低速時の回転トルクより高速時の回転トルクの方が小さくなるように制御することを特徴とする自動車。
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