JP2012161243A - 永久磁石回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】
鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両を提供することにある。
【解決手段】
永久磁石回転電機1は、固定子巻線5が固定子鉄心に巻回された固定子2と、回転子鉄心7内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石6が挿入された永久磁石回転子3とからなる。永久磁石回転子鉄心7は、磁極片72と、補助磁極71と、固定子ヨーク74とからなり、さらに、永久磁石の回転子鉄心7の磁極片72の空隙面に設けられ、磁極中心部より端部にかけてなだらかな凹部76を備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、電動車両に用いるに好適な永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両に関する。
電動車両,特に、電気自動車(EV)やハイブリット自動車(HEV)の駆動等に用いる電動機としては、小形軽量,高効率であることが望まれる。近年、高性能磁石材の開発によって、電動車両(特に、EVやHEV)の駆動用モータは、誘導電動機やリラクタンスモータよりも小型軽量,高効率にできる点に着目して永久磁石電動機が主流となっている。永久磁石電動機では、大電流を流さなくても大きな磁束量が発生できるからである。特に低速時で、高トルクの領域において、その特徴を発揮することができる。その反面、高速時には、その磁束量による鉄損発生,高電圧発生が問題となることが多い。
電動車両,特にEVやHEV駆動等に用いる電動機の回転子構造としては、鉄損発生,高電圧発生対策,永久磁石の保持等を考慮して積層珪素鋼板の中に永久磁石を埋め込む埋め込み型の永久磁石回転電機が知られている。さらに、特表平8−821541号公報に記載されているように、磁石によるトルクの割合を少なくして永久磁石の磁束量を少なくする構造として、永久磁石間に補助突極を配置する構造が知られている。この構造では、永久磁石の磁束が少ないので比較的高速での鉄損が少ないのに反し、低速のトルクが必要な領域については補助突極によるリラクタンストルクを発生して少ない磁石トルクを補うことが可能である。
特表平8−821541号公報
しかしながら、特表平8−821541号公報に記載ものであっても、特に、ハイブリッド車用に使用される駆動モータの場合には永久磁石の磁束による鉄損は、ブレーキ力となって自動車の燃費を悪化させるために、高速域での鉄損は問題となるものである。
また、電動車両,特に、EVやHEV駆動等に用いる電動機としては、トルクリプルの低減も乗り心地、騒音低減からも重要であるが、この点については、従来の電動機では配慮されていないものである。
本発明の第1の目的は、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両を提供することにある。
また、本発明の第2の目的は、トルクリプルを低減でき、低トルクリプルの永久磁石回転電機及びそれを用いた電動車両を提供することにある。
(1)上記第1の目的を達成するために、本発明は、固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなる永久磁石回転電機であって、前記永久磁石回転子鉄心は、前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面に設けられ、磁極中心部より端部にかけてなだらかな凹部を備えたものである。
かかる構成により、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率とすることができる。
(2)上記(1)において、好ましくは、前記凹部の位置における磁極中心部の空隙長の変化が、磁極端部の空隙長の変化よりも小さいものとする。
(3)上記(1)において、好ましくは、前記補助突極部の空隙長が、前記磁極片部の空隙長より小さいものとする。
(4)上記第2の目的を達成するために、本発明は、固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなる永久磁石回転電機であって、前記永久磁石回転子鉄心は、前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面であって、磁極中心の両側に形成され、前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を2とするとき、磁極中心より電気角20度より30度の範囲の位置に、前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を1とするとき、磁極中心より電気角15度より45度の範囲の位置に形成された凹部を備えるようにしたものである。
かかる構成により、トルクリプルを低減できるものとなる。
(5)上記第1の目的を達成するために、本発明は、永久磁石回転電機と、この永久磁石回転電機により駆動される車輪と、前記永久磁石回転電機が出力する駆動トルクを制御する制御手段とを有する電動車両であって、前記永久磁石回転電機は、固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなり、前記永久磁石回転子鉄心は、前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面に設けられ、磁極中心部より端部にかけてなだらかな凹部を備えるようにしたものである。
かかる構成により、電動車両を低振動,低騒音にし得るものである。
(6)上記第2の目的を達成するために、本発明は、永久磁石回転電機と、この永久磁石回転電機により駆動される車輪と、前記永久磁石回転電機が出力する駆動トルクを制御する制御手段とを有する電動車両であって、前記永久磁石回転電機は、固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなり、前記永久磁石回転子鉄心は、前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面であって、磁極中心の両側に形成され、前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を2とするとき、磁極中心より電気角20度より30度の範囲の位置に、前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を1とするとき、磁極中心より電気角15度より45度の範囲の位置に形成された凹部を備えるようにしたものである。
かかる構成により、電動車両を低振動,低騒音にし得るものである。
本発明によれば、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機を得ることができ、燃費が良く、低振動で低騒音の電動車両を得ることができる。
また、本発明によれば、低トルクリプルの永久磁石回転電機得ることができ、低振動で低騒音の電動車両を得ることができる。
本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の詳細構成を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片における空隙長の説明図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損の説明図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損の説明図である。 本発明の第2の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77とトルクリプルの関係の説明図である。 本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77とトルクリプルの関係の説明図である。 本発明の各実施形態による永久磁石回転電機を搭載した電動車両の電機駆動システムの構成を示すブロック図である。
以下、図1〜図6を用いて、本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の構成について説明する。ここでは、一例として、回転電機は、固定子として分布巻の巻線構造で、回転子の極数は8極の永久磁石電動機の例で説明する。
最初に、図1及び図2を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の全体構成について説明する。
図1,図2は、本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。図1は回転軸に平行な方向の断面図であり、図2は回転軸に直交する方向の断面図であるとともに、図1のA−A矢視図である。なお、図1と図2において、同一符号は、同一部分を示している。
図1に示すように、永久磁石回転電機1は、固定子2と、回転子3と、エンドブラケット9A,9Bとを備えている。固定子2は、固定子鉄心4と、固定子巻線5とを備えている。回転子3は、磁性体からなる回転子鉄心7と、シャフト8とを備えている。また、回転子3は、回転子鉄心7に嵌挿したシャフト8を介して、エンドブラケット9A,9Bに嵌挿したベアリング10A,10Bにて、回転可能に保持されている。なお、固定子鉄心4の外周にフレームが無い構成で示したが、必要によってはフレームを用いてもよいものである。
回転子3のシャフト8上には、回転子3の位置を検出する磁極位置検出器PSと、位置検出器Eとが備えられている。回転子3の位置を検出する磁極位置検出器PS,位置検出器Eによって検出された回転子位置に応じて、固定子巻線5に3相の電流を加えることによって回転磁界を発生させる。この回転磁界と回転子3の永久磁石の間に磁気的な吸引,反発力を発生させて、連続的な回転力を発生させるものである。ここで、電流の位相を適切に選択することによって低速大トルク領域では永久磁石トルク6によるトルクと、補助突極71によるトルクとの合成トルクが最大になるように制御される。
一方、永久磁石の誘起電圧がモータの端子電圧以上となる高速領域では、電流のベクトルを進ませることによって永久磁石6の中心に固定子巻線電流による回転磁界が減磁力となってかかるようにように、弱め界磁制御によって制御する。これによって、効果的に永久磁石6の磁束を減少させることで、回転電機の鉄損を低減させて高効率の運転を可能にする。
次に、図2に示すように、固定子鉄心4は、円環状の固定子ヨ−ク41と、鉄心歯部42とからなる。隣接する固定子歯部42の間には、固定子巻線5を収納するスロット43が設けられている。ここで、固定子巻線5には、一般の3相(U相,V相,W相)の分布巻の巻線が巻回されている。固定子歯部42の数は48個であり、スロット43の数も48個である。一相辺りの固定子歯部(突極)42の数は、16個である。
回転子鉄心7は、周方向に等間隔に配置される永久磁石6の挿入孔70を有している。挿入孔70には、永久磁石6が挿入されている。回転子3の極数は、8極であり、挿入孔70は、16個備えられている。例えば、2個の挿入孔70A1,70A2に挿入された永久磁石6A1,6A2は、同極となり、これにより、1極を構成する。例えば、永久磁石6A1,6A2の極性をS極とすると、これに対して周方向に隣接する永久磁石6B1,6B2の極性はN極となっており、周方向に交互の極性となっている。挿入孔70A1,70A2は、回転子鉄心7の半径方向に対して、線対称に、しかも、V字形状となるように配置されている。したがって、一磁極当たり、2個の永久磁石6B1,6B2が配置されるため、一磁極当たりの磁束密度を高くできる。
回転子鉄心7は、永久磁石6の外周部に設けられた磁極片72を備えている。磁極片72は、永久磁石6が発生する磁束が回転子3と固定子2の間に形成される空隙を介して固定子2の側に流れて磁気回路を形成する。
各磁極を形成する永久磁石6は、回転子鉄心7の一部である補助突極71を介して隣接している。補助磁極71は、磁石の磁気回路をバイパスして、固定子の起磁力によって直接磁束を固定子側に発生させる。磁極片72と補助突極71は、ブリッジ73によって連結され、機械的強度を大きくしている。
磁石6A1,6A2とブリッジ73の間には、それぞれ、三角形状の空隙75A,75A2が設けられ、同極を構成する磁石6A1,6A2の間には、三角形状の空隙75A3が設けられている。空隙75A1,75A2,75A3の内部は、空気が存在しており、漏れ磁束を低減する。
挿入孔70,補助突極71,空隙75A1,75A2,75A3の内周側は、永久磁石6の磁路を構成する回転子ヨーク74である。以上の構成により、いわゆる埋め込み型の永久磁石回転子が構成される。
前述した弱め界磁電流による制御は電流を増加させることによってその鉄損の基本波分は少なくすることができるが、逆に鉄損の高調波成分が増加し、結局は鉄損の低減にならないことがある。
一方、空隙長を増加させることによって、高調波の鉄損は減少する。しかし、空隙長の増加に伴い、トルクの低下も生じる。従って、トルク発生の低下を押さえつつ、高速時の鉄損の増加を抑えることが重要である。
そこで、本実施形態では、回転子鉄心7の外周部であって、磁極片72の空隙面に、磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部76を設けている。特に、回転子鉄心の磁極片の空隙面に磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部76を設けることで、トルク発生に大きく寄与し、鉄損発生に影響を及ぼさない補助突極部71及び磁極片72の中心部の空隙長は小さくし、トルク発生よりむしろ高調波鉄損を引き起こす磁極の中心から磁極端部の磁極片の空隙部を図1で示すように大きくするすることによって鉄損の低減とトルク発生の確保を両立させることができる。その点については、図3を以降を用いて説明する。
次に、図3を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の回転子の詳細構成について説明する。
図3は、本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の詳細構成を示す拡大断面図である。図3は、図2の要部を拡大して示している。なお、図2と同一符号は、同一部分を示している。
同極を構成する永久磁石6A1,6A2の中心,すなわち、空隙75A3の中心と、回転子3の中心,すなわち、シャフト8の中心を結ぶ線をL1とする。この線L1に対して、挿入孔70A,70A2は、線対称に設けられている。従って、永久磁石6A1,6A2も、線L1に対して、線対称に配置されている。線L1が、一つの磁極の中心部を示す線となっている。
また、ブリッジ73A1,73A2の中心と、回転子3の中心,すなわち、シャフト8の中心を結ぶ線を、それぞれ、L2,L3とする。線L2〜線L3の範囲が、一磁極である。一磁極の角度θ1は、電気角で180°であり、8極の構成であるので、機械角で45°である。また、角度θ2は、図示の例では、電気角で130°である。
線L4,L5は、それぞれ、永久磁石6A1の右側の角部及び,永久磁石6A2の左側の角部と、回転子3の中心,すなわち、シャフト8の中心を結ぶ線である。
ここで、磁極中心部の位置において、回転子3の外周部と、固定子2の内周部の間の空隙長をG1とし、回転子3の外周に凹部76A1,76A2が形成された位置の空隙長をG2とし、磁極端部の空隙長をG3とする。空隙長G3に対して、空隙長G1,G2は大きくなっており、回転子3は、その磁極部の中央付近において、外周に凹部76が形成されている。しかも、空隙長G1は、空隙長G2よりも小さく、磁極片72の空隙面に、磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部76が形成されている。一例を挙げると、空隙長G1=0.5mm,空隙長G2=1.5mm,空隙長G3=0.3mmである。
ここで、図4を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片における空隙長について具体的に説明する。
図4は、本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片における空隙長の説明図である。
空隙長G1=0.5mmとし、また、空隙長G2=1.5mmとし、その間においては、空隙長の変化は、図4に実線X1で示すように、下に凸の形状としている。すなわち、磁極中心部の空隙長の変化が、磁極端部の空隙長の変化よりも小さくしている。なお、図中、破線X2は直線であり、一点鎖線X3は上に凸の曲線である。
ここで、図5及び図6を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損に説明する。なお、図5,図6における値は、理論計算により求めたものであり、図4の説明における値とは、相違するものである。
図5及び図6は、本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損の説明図である。
図5は、高速回転領域で、空隙長一定の場合の弱め界磁電流に対する全鉄損Wfeと、その基本波分及び高調波分との内訳を示している。前述のように弱め界磁電流を増加させることによって鉄損の基本波分は減少するが、高調波分は増加することを示し、全鉄損としては減少しないことを示している。
図6は、一定弱め界磁電流で、空隙長を変えた場合のトルクTと、鉄損Wfeの変化を示している。鉄損Wfe1は、空隙長Gが0.5mmで一定の場合の鉄損を示している。鉄損Wfe2は、一様に空隙長Gを変えた場合の鉄損を示しており、空隙長を増加させることによって、主に高調波分の減少による鉄損が急激に減少することを示しており、一方、磁束密度の基本波分の低下により発生トルクTも減少することを示している。
また、図中の鉄損WfeInvは、図1〜図4に示した本実施形態の構造の永久磁石回転電機に対する計算結果を示している。トルクが同一になる点の鉄損の低減比較では、従来より35%以上の鉄損低減効果を示し、鉄損比較では30%以上の鉄損減少となる。これによって、本実施形態によれば、単に空隙長を増加させることよりも、((鉄損の低減)/(トルクの低減))を大きくできることを示している。
凹部76の形状としては、図4に示した線X1,X2,X3のいずれにおいても、鉄損を低減しつつ、トルクの減少を抑えることができる。この中で、特に、図4に実線X1で示したように、凹部76の形状として磁極中心部の空隙長の変化が磁極端部の空隙長の変化よりも小さくすると、磁極片72の空隙の分布を磁極中心で大きく、端部で低くすることができ、全体に正弦波状にすることができて、鉄損を少なくすることができる。
また、本実施形態において。補助突極71の空隙長G3を、磁極片72の空隙長G1〜G2より小さくすることによって、永久磁石6の鉄損に大きく影響を与えない補助突極71のトルク発生比率を大きくすることによってトルク低減を少なくしたまま、鉄損低減が可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機を得ることができる。
次に、図7を用いて、本発明の第2の実施形態による永久磁石回転電機の構成について説明する。ここで、本実施形態による永久磁石回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図7は、本発明の第2の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。図7は、図2と同様に、回転軸に直交する方向の断面図であるとともに、図1のA−A矢視図である。なお、図1,図2と、同一符号は、同一部分を示している。
図2に示した構成では、回転子の一磁極を構成する永久磁石を2個としており、V字型に配置しているのに対して、本実施形態では、図7に示すように、回転子の一磁極を構成する永久磁石6Jを1個として、断面が長方形のブロック型の長辺が回転子3の周方向を向くように配置された挿入孔70Jの中に挿入されている。
永久磁石の配置,すなわち、磁極の構成は図2に示したものと異なるが、磁極片72に設けた回転子3の外周部の凹部76の形状は、図3に詳述したものと同様で、回転子鉄心の磁極片の空隙面に磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部となっている。したがって、空隙長G1,G2も、図4に示したものと同様である。
このような、ブロック型の配置とすることにより、図2に示したV字型の配置に対して、一磁極当たりの磁石数が少ないことにより、材料費の点、及び、組み立て工数が少なくなることにより、回転電機を低コスト化できる。
一方、永久磁石をブロック型に配置すると、V字型の配置に対して、磁石の空隙面側の磁束密度が低くなるため、その点で、トルクが多少低下する。
以上説明したように、本実施形態によっても、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機を得ることができる。
次に、図8〜図10を用いて、本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の構成について説明する。ここで、本実施形態による永久磁石回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図8は、本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。図8は、図2と同様に、回転軸に直交する方向の断面図であるとともに、図1のA−A矢視図である。なお、図1,図2と、同一符号は、同一部分を示している。
本実施形態では、永久磁石回転電機1の回転子3の磁極片72の外周部に、磁極中心よりθ4の位置に、凹部77を設けている。他の構成については、図2に示したものと同様である。但し、図2に示した凹部76は設けられていないものである。
次に、図9及び図10を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77について説明する。
図9及び図10は、本発明の第3の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77とトルクリプルの関係の説明図である。
図9は、磁極の中心と凹部77の中心位置とのなす角度θ4を変数としたときの最大トルク発生条件におけるトルクリプル値Y2を示している。図8に示した例では、毎極,毎相当たりのスロット数が2(48スロット,3相,8極)の場合(nspp=2)である。
また、図9に示したトルクリプル値Y1は、毎極,毎相当たりのスロット数が1の場合(nspp=2)の特性を示している。この場合には、スロットの幅,ティースの幅は、毎極,毎相当たりのスロット数が2の場合の値に対して2倍に設定している。図中、θの記号で+側は回転方向で、固定子巻線による起磁力の増磁力がかかる領域を示している。
溝(凹部77)が無い場合のトルクリプルY2は、毎極,毎相当たりのスロット数が2の場合には、20Nmである。一方、凹部77の位置が、磁極の中心位置より電気角θa1(15°〜45°)の範囲では、凹部がない場合に比べてトルクリプルを低減できる。
また、溝(凹部77)が無い場合のトルクリプルY1は、毎極,毎相当たりのスロット数が1の場合には、54Nmである。一方、凹部77の位置が、磁極の中心位置より電気角θa2(20°〜30°)の範囲では、凹部がない場合に比べてトルクリプルを低減できる。
図10は、毎極,毎相当たりのスロット数が2の条件で、θを電気角で24度、孔の大きさを最適化した場合のトルクリプル(実線Z2)と、孔が無い場合のトルクリプル(実線Z0)を比較して示している。図10から理解されるように、凹部77を磁極片の適当な位置に設けることによって、トルクリプルを約1/3に小さくできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、永久磁石回転電機のトルクリプルを低減することができる。
なお、例えば、特開8−251846号公報や、特開2002−171730号公報には、埋め込み磁石回転子において磁極片の両側に溝を配置したものが開示されている。しかしながら、特開8−251846号公報に記載のものは、回転子表面に配置された溝は、その溝の形状や、溝の位置が本実施形態とは異なり、磁極片と補助突極間の磁束漏洩防止のためのものであり、鉄損防止やトルクリプルの低減のためのものではない。また、特開2002−171730号公報に記載のものにおいては、溝は、その溝の形状や、溝の位置が本実施形態とは異なり、電機子反作用による磁束の遮断を目的としたもので、鉄損低減、トルクリプル低減を目的としたものではない。
次に、図11を用いて、本発明の各実施形態による永久磁石回転電機を搭載した電動車両の電機駆動システムの構成について説明する。
図11は、本発明の各実施形態による永久磁石回転電機を搭載した電動車両の電機駆動システムの構成を示すブロック図である。
図において、永久磁石回転電機1は、前述したいずれかの実施例に記載のものである。電動車両の車体100は、4つの車輪110,112,114,116によって支持されている。この電動車両は、前輪駆動であるため、前方の車軸154には、永久磁石回転電機1が直結して取り付けられている。永久磁石回転電機120は、制御装置130によって駆動トルクが制御される。制御装置130の動力源としては、バッテリ140が備えられ、このバッテリ140から電力が制御装置130を介して、永久磁石回転電機1に供給され、永久磁石回転電機1が駆動されて、車輪110,114が回転する。ハンドル150の回転は、ステアリングギア152及びタイロッド,ナックルアーム等からなる伝達機構を介して、2つの車輪110,114に伝達され、車輪の角度が変えられる。
尚、本実施形態では、永久磁石回転電機1によって前輪110,114を回転駆動して前輪110,114を回転駆動する場合について説明するが、後輪112,116を回転駆動するようにしてもよい。
電気自動車の力行時(始動時、走行時、加速時など)は、永久磁石回転電機1の電動機によって前輪110,114を駆動する。バッテリー140の電圧は制御装置130を介して、永久磁石回転電機1に供給され、永久磁石回転電機1は駆動され、回転出力を発生する。これにより、前輪110,114が回転駆動される。
電気自動車の回生時(ブレーキを踏み込み時,アクセルの踏み込みを緩めた時或いはアクセルの踏み込みを止めた時などの減速時)は、前輪110,114の回転出力を前輪車軸154を介して永久磁石回転電機1に伝達し、永久磁石回転電機1を回転駆動する。これにより、永久磁石回転電機1は発電機として動作する。この動作により、永久磁石回転電機1の固定子巻線に三相交流電力が発生する。この発生した三相交流電力はインバータによって所定の直流電力に変換され、バッテリ140に充電される。
なお、以上の説明では、永久磁石回転電機を電動車両の車輪の駆動に用いるものとして説明したが、エンジンとモータとによるハイブリッドの駆動機構を有するハイブリッド電動車両、あるいはエンジンと駆動機構の間に配置し、エンジン起動,発電装置等を行う、いわゆるエンジン始動装置に適用しても同様の効果によって、この場合には、上記のハイブリッド車の駆動部の高効率化と低騒音化を図れる。
以上説明したように、本実施形態によれば、電動車両に本発明の低鉄損,低トルクリップルの永久磁石回転電機を搭載することによって、簡単な構成で、高速時で鉄損の少ない,燃費の良い、低振動・低騒音の電動車両を得ることができる。
1…永久磁石回転電機
2…固定子
3…回転子
4…固定子鉄心
5…固定子巻線
6…永久磁石
7…回転子鉄心
8…シャフト
9A,9B…エンドブラケット
10A,10B…ベアリング
41…固定子ヨーク
42…鉄心歯部
43…スロット
71…補助磁極
72…磁極片
73…ブリッジ
74…回転子ヨーク
75…空隙
76,77…凹部
100…電気自動車の車体
110,112,114,116…車輪
130…制御装置
本発明の目的は、遠心力への抵抗が上がる永久磁石回転電機を提供することにある。
(1)上記目的を達成するために、本発明は、定子と、周方向に沿って複数の磁極が形成された回転子鉄心を有し、空隙を介して前記固定子対向するように支持された回転子と、備える永久磁石回転電機であって、前記回転子は、周方向において前記磁極間の前記回転子鉄心にリラクタンストルク発生させるための複数の補助磁極が形成されるとともに、周方向において磁極毎に極性が交互に変わるように磁化された第1と第2の永久磁石が前記回転子鉄心の内部に配置され、前記第1と第2の永久磁石は、固定子側が開くようにV字の形状に配置され、前記第1と第2の永久磁石と前記回転子鉄心の固定子側の外周面との間の回転子鉄心に磁極片が形成され、前記磁極片と周方向において隣接する前記補助磁極とを繋ぐ回転子鉄心にはそれぞれ第1のブリッジ部が形成され、前記磁極片と前記永久磁石より径方向における内側に位置する回転子鉄心とを繋ぐ第2のブリッジ部が、前記第1と第2の永久磁石の内側端部の間に設けられ、前記第1と第2の永久磁石の外周側端部と前記第1のブリッジ部との間に第1の空隙が設けられ、前記第2のブリッジ部は、周方向の幅がほぼ一定の部分を有しているものである。
かかる構成により、遠心力への抵抗が上がるものである。
本発明によれば、遠心力への抵抗が上がることができる。
本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の詳細構成を示す拡大断面図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片における空隙長の説明図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損の説明図である。 本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損の説明図である。 参考例による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。 本発明の第の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77とトルクリプルの関係の説明図である。 本発明の第の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77とトルクリプルの関係の説明図である。 本発明の各実施形態による永久磁石回転電機を搭載した電動車両の電機駆動システムの構成を示すブロック図である。
回転子3のシャフト8上には、回転子3の位置を検出する磁極位置検出器PSと、位置検出器Eとが備えられている。回転子3の位置を検出する磁極位置検出器PS,位置検出器Eによって検出された回転子位置に応じて、固定子巻線5に3相の電流を加えることによって回転磁界を発生させる。この回転磁界と回転子3の永久磁石の間に磁気的な吸引,反発力を発生させて、連続的な回転力を発生させるものである。ここで、電流の位相を適切に選択することによって低速大トルク領域では永久磁石6によるトルクと、補助磁極71によるトルクとの合成トルクが最大になるように制御される。
各磁極を形成する永久磁石6は、回転子鉄心7の一部である補助磁極71を介して隣接している。補助磁極71は、磁石の磁気回路をバイパスして、固定子の起磁力によって直接磁束を固定子側に発生させる。磁極片72と補助磁極71は、ブリッジ73によって連結され、機械的強度を大きくしている。
磁石6A1,6A2とブリッジ73の間には、それぞれ、三角形状の空隙75A1,75A2が設けられ、同極を構成する磁石6A1,6A2の間には、三角形状の空隙75A3が設けられている。空隙75A1,75A2,75A3の内部は、空気が存在しており、漏れ磁束を低減する。
挿入孔70,補助磁極71,空隙75A1,75A2,75A3の内周側は、永久磁石6の磁路を構成する回転子ヨーク74である。以上の構成により、いわゆる埋め込み型の永久磁石回転子が構成される。
そこで、本実施形態では、回転子鉄心7の外周部であって、磁極片72の空隙面に、磁極中心部より磁極片の端部にかけてなだらかに凹部76を設けている。特に、回転子鉄心の磁極片の空隙面に磁極中心部より磁極片の端部にかけてなだらかに凹部76を設けることで、トルク発生に大きく寄与し、鉄損発生に影響を及ぼさない補助磁極71及び磁極片72の中心部の空隙長は小さくし、トルク発生よりむしろ高調波鉄損を引き起こす磁極の中心から磁極片の端部における空隙部を図1で示すように大きくすることによって鉄損の低減とトルク発生の確保を両立させることができる。その点については、図3以降を用いて説明する。
また、補助磁極71A1,71A2の中心と、回転子3の中心,すなわち、シャフト8の中心を結ぶ線を、それぞれ、L2,L3とする。線L2〜線L3の範囲が、一磁極である。一磁極の角度θ1は、電気角で180°であり、8極の構成であるので、機械角で45°である。また、角度θ2は、図示の例では、電気角で130°である。
ここで、磁極中心部の位置において、回転子3の外周部と、固定子2の内周部の間の空隙長をG1とし、回転子3の外周に凹部76A1,76A2が形成された位置の空隙長をG2とし、磁極端部の空隙長をG3とする。空隙長G3に対して、空隙長G1,G2は大きくなっており、回転子3は、外周に凹部76が形成されている。しかも、空隙長G1は、空隙長G2よりも小さく、磁極片72の空隙面に、磁極中心部より端部にかけてなだらかに凹部76が形成されている。一例を挙げると、空隙長G1=0.5mm,空隙長G2=1.5mm,空隙長G3=0.3mmである。
空隙長G1=0.5mmとし、また、空隙長G2=1.5mmとし、その間においては、空隙長の変化は、図4に実線X1で示すように、下に凸の形状としている。すなわち、磁極中心部の空隙長の変化が、磁極片の端部の空隙長の変化よりも小さくしている。なお、図中、破線X2は直線であり、一点鎖線X3は上に凸の曲線である。
ここで、図5及び図6を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損について説明する。なお、図5,図6における値は、理論計算により求めたものであり、図4の説明における値とは、相違するものである。
図5及び図6は、本発明の第1の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の鉄損の説明図である。
また、本実施形態において、補助磁極71の空隙長G3を、磁極片72の空隙長G1〜G2より小さくすることによって、永久磁石6の鉄損に大きく影響を与えない補助磁極71のトルク発生比率を大きくすることによってトルク低減を少なくしたまま、鉄損低減が可能である。
以上説明したように、本実施形態によれば、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機を得ることができる。
また、第1と第2の永久磁石6A1,6A2の内側端部の間に、磁極片72と永久磁石より径方向における内側に位置する回転子鉄心とを繋ぐ第2のブリッジ部が設けられ、当該第2のブリッジ部は、周方向の幅がほぼ一定の部分を有している。すなわち、第2のブリッジ部が直線状であるので、この第2のブリッジ部には均一に引張応力がかかるため、遠心力への抵抗が上がる。
次に、図7を用いて、参考例の永久磁石回転電機の構成について説明する。ここで、参考例の永久磁石回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図7は、参考例の永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。図7は、図2と同様に、回転軸に直交する方向の断面図であるとともに、図1のA−A矢視図である。なお、図1,図2と、同一符号は、同一部分を示している。
以上説明したように、参考例によっても、鉄損の影響をさらに低減でき、高効率な永久磁石回転電機を得ることができる。
次に、図8〜図10を用いて、本発明の第の実施形態による永久磁石回転電機の構成について説明する。ここで、本実施形態による永久磁石回転電機の全体構成は、図1に示したものと同様である。
図8は、本発明の第の実施形態による永久磁石回転電機の構成を示す断面図である。図8は、図2と同様に、回転軸に直交する方向の断面図であるとともに、図1のA−A矢視図である。なお、図1,図2と、同一符号は、同一部分を示している。
次に、図9及び図10を用いて、本実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77について説明する。
図9及び図10は、本発明の第の実施形態による永久磁石回転電機の回転子の磁極片の外周に形成された凹部77とトルクリプルの関係の説明図である。
溝(凹部77)が無い場合のトルクリプルY2は、毎極,毎相当たりのスロット数が2の場合には、20Nmである。一方、凹部77のθa1(15°〜45°)の範囲では、凹部がない場合に比べてトルクリプルを低減できる。
また、溝(凹部77)が無い場合のトルクリプルY1は、毎極,毎相当たりのスロット数が1の場合には、54Nmである。一方、凹部77の位置が、磁極の中心位置より電気角θa1(15°〜45°)の範囲では、凹部がない場合に比べてトルクリプルを低減できる。
図10は、毎極,毎相当たりのスロット数が2の条件で、θ4を電気角で24度、孔の大きさを最適化した場合のトルクリプル(実線Z2)と、孔が無い場合のトルクリプル(実線Z0)を比較して示している。図10から理解されるように、凹部77を磁極片の適当な位置に設けることによって、トルクリプルを約1/3に小さくできる。
以上説明したように、本実施形態によれば、永久磁石回転電機のトルクリプルを低減することができる。
また、第1と第2の永久磁石の内側端部の間に、磁極片と永久磁石より径方向における内側に位置する回転子鉄心とを繋ぐ第2のブリッジ部が設けられ、当該第2のブリッジ部は、周方向の幅がほぼ一定の部分を有している。すなわち、第2のブリッジ部が直線状であるので、この第2のブリッジ部には均一に引張応力がかかるため、遠心力への抵抗が上がる。

Claims (6)

  1. 固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなる永久磁石回転電機であって、
    前記永久磁石回転子鉄心は、
    前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、
    前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、
    前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、
    かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面に設けられ、磁極中心部より端部にかけてなだらかな凹部を備えたことを特徴とする永久磁石回転電機。
  2. 請求項1記載の永久磁石回転電機において、
    前記凹部の位置における磁極中心部の空隙長の変化が、磁極端部の空隙長の変化よりも小さいことを特徴とする永久磁石回転電機。
  3. 請求項1記載の永久磁石回転電機において、
    前記補助突極部の空隙長が、前記磁極片部の空隙長より小さいことを特徴とする永久磁石回転電機。
  4. 固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなる永久磁石回転電機であって、
    前記永久磁石回転子鉄心は、
    前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、
    前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、
    前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、
    かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面であって、磁極中心の両側に形成され、
    前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を2とするとき、磁極中心より電気角20度より30度の範囲の位置に、
    前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を1とするとき、磁極中心より電気角15度より45度の範囲の位置に形成された凹部を備えたことを特徴とする永久磁石回転電機。
  5. 永久磁石回転電機と、この永久磁石回転電機により駆動される車輪と、前記永久磁石回転電機が出力する駆動トルクを制御する制御手段とを有する電動車両であって、
    前記永久磁石回転電機は、固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなり、
    前記永久磁石回転子鉄心は、
    前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、
    前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、
    前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、
    かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面に設けられ、磁極中心部より端部にかけてなだらかな凹部を備えたことを特徴とする電動車両。
  6. 永久磁石回転電機と、この永久磁石回転電機により駆動される車輪と、前記永久磁石回転電機が出力する駆動トルクを制御する制御手段とを有する電動車両であって、
    前記永久磁石回転電機は、固定子巻線が固定子鉄心に巻回された固定子と、回転子鉄心内に周方向に極性が交互に配置された複数の永久磁石が挿入された永久磁石回転子とからなり、
    前記永久磁石回転子鉄心は、
    前記永久磁石の空隙面に位置し、前記永久磁石の磁路を構成する磁極片と、
    前記複数の永久磁石間に空隙面まで突起し、リラクタンストルク発生用の補助磁極と、
    前記永久磁石の反空隙面に位置し、補助突極と永久磁石の磁路を形成する固定子ヨークとからなり、
    かつ、前記永久磁石の回転子鉄心の磁極片の空隙面であって、磁極中心の両側に形成され、
    前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を2とするとき、磁極中心より電気角20度より30度の範囲の位置に、
    前記固定子鉄心の毎極毎相当たりのスロット数を1とするとき、磁極中心より電気角15度より45度の範囲の位置に形成された凹部を備えたことを特徴とする電動車両。
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