JP3681016B2 - 樹脂組成物及びその硬化物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプラズマディスプレイ、蛍光表示管、電子部品等に用いる抵抗体パターン、導体回路パターン又は螢光体パターンあるいは隔壁等の製造工程において好適に用いられ、紫外線による露光、弱アルカリ水溶液又は水による現像後に400〜1000℃で焼成することにより電流を安定的に流す為の良好な抵抗体パターン、優れた導電性を有する回路パターン、螢光体パターンあるいは隔壁等を形成する樹脂組成物、その硬化物、及び焼成成型物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラズマディスプレー又は蛍光表示管用等の抵抗体、螢光体及び隔壁、あるいは回路用導体は、抵抗体ペースト(抵抗体をペースト状にしたもの)、螢光体ペースト(螢光体をペースト状にしたもの),隔壁ペースト(隔壁用物質をペースト状にしたもの)及び導体ペースト(銅粉、銀粉等の導電物質をペースト状したもの)をスクリーン印刷等によりパターン印刷し、次いで焼成することにより抵抗体パターン、螢光体パターン及び隔壁パターン、あるいは導体回路パターンを形成するものが知られている。しかし、これらは近年の抵抗体パターン、螢光体パターン、隔壁パターン、あるいは導体回路パターンの高密度、細線パターン化には対応できない。また、樹脂成分の熱分解温度が高く、焼成後の有機物の残渣のために、抵抗体、導体、蛍光体及び隔壁の機能を十分に果たすことが困難であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の欠点を改良し、細密なパターン作成が可能で紫外線で硬化後、弱アルカリ水溶液(例えば、1%炭酸ソーダ水溶液等)又は水で現像し、樹脂成分の熱分解温度が低いために良好な抵抗体パターン、螢光体パターン、隔壁パターンあるいは導体回路パターンを形成する樹脂組成物及びその硬化物を提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、
(1)一般式(1)
【0005】
【化2】
【0006】
(式中、R1 は水素又はメチル基、R2 は水素又はアルキル基であり、nは2〜30の整数である。)で表されるエチレン性不飽和単量体及び/又はグリセロールモノ(メタ)アクリレート(a)、グリシジル(メタ)アクリレート(b)、任意成分として(a)及び(b)成分以外の共重合可能なエチレン性不飽和単量体(c)を重合させて得られる重合体(d)に1分子中に(メタ)アクリロイル基又はビニル基とカルボキシル基を1ケづつ有する化合物を反応させた後、多カルボン酸化合物の酸無水物(e)との反応物(A)、希釈剤(B)、光重合開始剤(C)、金属粉、金属酸化物又はガラスの中から選択される1種又は2種以上(D)を含有することを特徴とする樹脂組成物、
(2)抵抗体パターン、導体パターン、螢光体パターン又は隔壁パターン用の上記(1)記載のの樹脂組成物、
(3)上記(1)及び(2)記載の組成物の硬化物、
(4)上記(3)記載の硬化物を焼成して得られる抵抗体、導体、蛍光体及び隔壁、に関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明では,前記重合体(d)と(メタ)アクリル酸を反応させた後、多カルボン酸の酸無水物(e)との反応物(A)を使用する。
本発明で用いる重合体(d)は、公知の重合方法、例えば、溶液重合やエマルジョン重合等によって得られる。溶液重合の場合について説明すると、上記(a)
、(b)及び(c)成分からなるエチレン性不飽和単量体混合物を、適用な有機溶剤中で重合開始剤を添加して窒素気流下に好ましくは50〜100℃で加熱攪拌する方法によって重合させる。前記有機溶剤としては、例えば、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、2−ブタノール、ヘキサノール、エチレングリコール等のアルコール類、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、プロピレングリコールメチルエーテル等のプロピレングリコールアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールメチルエーテル等のポリピロピレングリコールアルキルエーテル類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルアセテート等の酢酸エステル類、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル類、ジアルキルグリコールエーテル類等が挙げられる。これらの有機溶剤は単独又は混合して用いることかできる。
【0008】
本発明で用いる、1分子中に(メタ)アクリロイル基又はビニル基とカルボキシル基を1ケづつ有する化合物としては例えば(メタ)アクリル酸などが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、過酸化ベンゾイル等の過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物を用いることができる。
【0009】
(a)成分としては、一般式(1)で表されるエチレン性不飽和単量体、例えばジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシテトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、等のアルコキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらエチレン性不飽和単量体及びグリセロールモノ(メタ)アクリレートは単独若しくは組み合わせて用いることができる。
【0010】
(a)成分は、本発明の反応物(A)成分の水溶性を良好にする目的で、重合体(d)に使用する(a)、(b)及び(c)の不飽和単量体全量に対して20重量%以上、特に好ましくは30重量%以上を配合するのが望ましい。また、重量体(d)の分子量は約10000〜200000が好ましい。
【0011】
(b)成分は、グリシジルメタクリレート、グリシジルアクリレート等を挙げることができる。(b)成分は、重合体(d)に使用する(a)、(b)及び(c)の不飽和単量体全量に対して10〜70重量%が好ましく、特に好ましくは20〜50重量%である。
【0012】
(c)成分の具体例としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミド,N−メチル(メタ)アクリルアミド、スチレン等を挙げることができる。(c)成分は、重合体(d)に使用する(a)、(b)及び(c)不飽和単量体全量に対して0〜70重量%が好ましい。
【0013】
このようにして得られた重合体(d)のエポキシ基1当量に対して(メタ)アクリル酸0.5〜1.1当量を反応させるのが好ましい。反応を促進させるために反応触媒としてトリフェニルホスフィン、トリフェニルスチビン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリエチルアンモニウムクロライド、等の塩基性化合物を反応液中に0.1〜1%添加するのが好ましい。反応中、重合を防止するために重合禁止剤(例えば、メトキシフェノール、メチルハイドロキノン、ハイドロキノン、フェノチアジン等)を反応液中、0.05〜0.5%添加するのが好ましい。反応温度は、90〜150℃、反応時間は、5〜70時間が好ましい。
【0014】
(e)の多カルボン酸化合物の酸無水物としては、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等が例示される。これら酸無水物は、通常、重合体(d)のエポキシ基1当量に対して、0.1〜1.1当量反応させるのが好ましく、より好ましくは0.5〜0.9当量である。反応温度は、90〜150℃、反応時間は、1〜20時間が好ましい。
【0015】
本発明では希釈剤(B)を使用する。(B)成分の具体例としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、水酸基含有(メタ)アクリレート(例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等)と多カルボン酸化合物の酸無水物(例えば、無コハク酸、無水マレイン酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等)の反応物であるハーフエステル,ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンポリエトキシトリ(メタ)アクリレート、グリセンポリプロポキシトリ(メタ)アクリレート、ヒドロキシビバリン酸ネオペングリコールのε−カプロラクトン付加物のジ(メタ)アクリレート(例えば、日本化薬(株)製、KAYARAD HX−220、HX−620、等)、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールとε−カプロラクトンの反応物のポリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールポリ(メタ)アクリレート、モノ又はポリグリシジル化合物(例えば、ブチルグリシジルエーテル、フェニルグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、グリセリンポリグリシジルエーテル、グリセリンポリエトキシグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリエトキシポリグリシジルエーテル、等)と(メタ)アクリル酸の反応物であるエポキシ(メタ)アクリレート、等の反応性希釈剤(B−1)、エチレングリコールモノアルキルエーテル類、エチレングリコールジアルキルエーテル類、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレングリコールモノアリールエーテル類、ポリエチレングリコールモノアリールエーテル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エステル、酢酸ブチル等のエステル類、トルエン、キシレン、ベンジルアルコール等の芳香族炭化水素類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、ジプロピレングリコールジアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、ソルベントナフサ等の有機溶剤類(B−2)等を挙げることができる。希釈剤は、単独で用いても良く、2種類以上を混合して用いても良い。
【0016】
光重合開始剤(C)の具体例としては、例えば、2,4−ジエチルチオキサントン、2−クロロクチキキサントン、イソプロピルチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1,2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ミヒラーズケトン、ベンジルジメチルケタール、2−エチルアンスラキノン等を挙げることができる。又、これら光重合開始剤(B)の促進剤としての光重合促進剤(例えば、N,N−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルエステル等のアミン類)を併用することもできる。
【0017】
金属粉、金属酸化物又はガラス(D)の具体例としては、例えば、好ましくは粒径が10μm以下である酸化ルテニウム、酸化イットリウム、酸化ユーロピウム、酸化サマリウム、酸化セリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジム、酸化ネオジム、酸化ガドリニウム、酸化テルビウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、等の金属酸化物あるいは混合物、銅粉、銀粉、パラジウム粉、銀とパラジウムの混合粉、表面処理された金粉、ランタン、セリウム、サマリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、ツリウム、エルビウム、ルテニウム、イットリウム、スカンジウム等の金属粉あるいは混合物、ガラス粉、ガラスビーズ等を挙げることができる。これらが有する特性により,抵抗体用組成物、導体回路用組成物、螢光体用組成物、隔壁用組成物等に応用することができる。
【0018】
本発明の樹脂組成物は(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分を溶解、混合、混練することにより調製することができる。本発明の樹脂組成物中、各成分の使用割合は以下のようにすることができる(%は重量%)。
(A)+(B−1)+(C)の合計した使用量は組成物に対して5〜60%が好ましく、特に好ましくは10〜50%である。(D)成分は、組成物中、40〜95%が好ましく、特に好ましくは50〜90%である。(A)+(B−1)+(C)の合計量の中に占める各成分の好ましい使用量は以下の通りとなる。すなわち(A)成分の使用量は、30〜90%、(B−1)成分の使用量は、5〜65%、(C)成分の使用量は、5〜30%である。有機溶剤(B−2)の使用量は、本発明の組成物を使用するために適当な粘度調整等の目的のために任意の割合で使用することができる。
【0019】
本発明の樹脂組成物には、その性能を阻害しない範囲で、レベリング剤、消泡剤、カップリング剤、重合禁止剤、ワックス類、非反応性ポリマー(例えば、ポリエチレングリコール、ポリエチレングリコールと多塩基酸又はその無水酸との反応物であるポリエステル、アクリルポリマー、セルロース等)、その他等を使用することもできる。
【0020】
本発明の樹脂組成物は、前述のように抵抗体用組成物、螢光体用樹脂組成物、隔壁用樹脂組成物、導体回路用樹脂組成物として用いることができ、これらは、スクリーン印刷、カーテンフローコート、スプレーコート等の方法により、各種基板(例えば、ガラス、セラミック及び金属等)上の全面に塗布される。塗布後、必要に応じて遠赤外線又は温風により50〜250℃程度にプリベークし、有機溶剤を除去した後、パターニングしたい部分だけ紫外線を通すようにしたネガマスクを用いて紫外線を露光する。紫外線の露光量としては100〜10000mJ/cm2 が好ましい。次に液温10〜60℃の希アルカリ水溶液(例えば、1%炭酸ソーダ水溶液、1%苛性ソーダ水溶液等)又は水等の現像液を用い、スプレーなどの手段で現像を行ない、次いで、例えば、400〜1000℃で1〜24時間、焼成しパターンを形成する。
【0021】
【実施例】
以下、実施例1〜4及び参考例1〜4により本発明を説明する。例中、部とは重量部を表す。後記表1及び表2に示す組成にしたがって抵抗体用樹脂組成物を調製した。得られた樹脂組成物を150メッシュのポリエステル製スクリーンを用いてガラス基板上の全面に膜厚35μm(乾燥膜厚)で塗布し、80℃で30分間プリベークした後、ネガフィルムを接触させ超高圧水銀灯により1500mJ/cm2 照射し、次いで未露光部を1%炭酸水素ナトリウム水溶液又は水(40℃)を用いてスプレー圧2kg/cm2 で2分間現像した。現像後、空気中、450〜600℃で1時間焼成し、抵抗体及び蛍光体パターンを形成した。パターン中の残存樹脂分、現像性、現像後のパターンの状態、焼成後のガラス基板との密着性を評価した。
【0022】
(反応物(A)の合成例)
合成例1
グリセロールメタクリレート70部、グリシジルメタクリレート30部、カルビトールアセテート100部、ベンゾイルパーオキサイド3部を加え、窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行ない、50%重合体(d−1)溶液を得た。次いで、この50%重合体(d−1)溶液300部とアクリル酸22.8部、メチルハイドロキノン0.16部、トリフェニルホスフィン0.9部とを混合溶解し、95℃で32時間反応させた後、無水マレイン酸30.6部を95℃で5時間反応させ、反応物(A−1)溶液(固形分58%)を得た。反応物(A−1)の平均分子量は約12万であった。
【0023】
合成例2
テトラエチレングリコールモノメタクリレート50部、グリシジルメタクリレート25部、メチルメタクリレート25部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行ない、50%重合体(d−2)溶液を得た。次いで、この50%重合体(d−1)溶液300部、アクリル酸19部、メチルハイドロキノン0.16部、トリフェニルホスフィン0.9部とを混合溶解し、95℃で32時間反応させた後、無水コハク酸26部を95℃で4時間反応させ、(A−2)溶液(固形分57%)を得た。反応物(A−2)の平均分子量は約8万であった。
【0024】
合成例3
メトキシノナエチレングリコールモノメタクリレート50部、グリシジルメタクリレート20部、メチルメタクリレート30部、フェノキシエタノール100部、ベンゾイルパーオキサイド3部を加え、窒素気流下に加熱し、75℃で5時間重合を行ない、50%重合体(d−3)溶液を得た。次いで、この50%重合体(d−3)溶液300部、アクリル酸15.0部、メチルハイドロキノン0.16部、トリフェニルホスフィン0.9部とを混合溶解し、95℃で32時間反応させた後、ヘキサヒドロ無水フタル酸31.3部を95℃で6時間反応させ、反応物(A−3)溶液(固形分57%)を得た。反応物(A−3)の平均分子量約17万であった。
【0025】
合成例4
グリセロールメタクリレート70部、グリシジルメタクリレート30部、カルビトールアセテート100部、ベンゾイルパーオキサイド3部を加え、窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行ない、50%重合体(d−4)溶液を得た。次いで、この50%重合体(d−4)溶液300部とアクリル酸22.8部、メチルハイドロキノン0.16部、トリフェニルホスフィン0.9部とを混合溶解し、95℃で32時間反応させた後、無水マレイン酸3.0部を95℃で5時間反応させ、反応物(A−1)溶液(固形分54%)を得た。反応物(A−4)の平均分子量は約12万であった。
【0026】
合成例5
テトラエチレングリコールモノメタクリレート50部、グリシジルメタクリレート25部、メチルメタクリレート25部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート100部、アゾビスイソブチロニトリル2部を加え窒素気流下に加熱し、75℃において5時間重合を行ない、50%重合体(d−5)溶液を得た。次いで、この50%重合体(d−5)溶液300部、アクリル酸19.0部、メチルハイドロキノン0.16部、トリフェニルホスフィン0.9部とを混合溶解し、95℃で32時間反応させた後、無水コハク酸2.6部を95℃で4時間反応させ、(A−2)溶液(固形分53%)を得た。反応物(A−5)の平均分子量は約8万であった。
【0027】
合成例6
メトキシノナエチレングリコールモノメタクリレート50部、グリシジルメタクリレート20部、メチルメタクリレート30部、フェノキシエタノール100部、ベンゾイルパーオキサイド3部を加え、窒素気流下に加熱し、75℃で5時間重合を行ない、50%重合体(d−6)溶液を得た。次いで、この50%重合体(d−6)溶液300部、アクリル酸15.0部、メチルハイドロキノン0.16部、トリフェニルホスフィン0.9部とを混合溶解し、95℃で32時間反応させた後、ヘキサヒドロ無水フタル酸3.1部を95℃で6時間反応させ、反応物(A−3)溶液(固形分53%)を得た。反応物(A−3)の平均分子量約17万であった。
【0028】
【表1】
表1
参 考 例
1 2 3 4
合成例1で得た重合体溶液(A−1) 24.6 12.3
合成例2で得た重合体溶液(A−2) 24.6
合成例3で得た重合体溶液(A−3) 11.0
テトラエチレングリコールジグリシジル 3.0 1.0 13.0
エーテルのジアクリレート
KAYARAD PEG400DA*1 3.0 2.0
KAYARAD DPHA *2 3.0 2.0
KAYACURE DETX−S *3 0.5 0.5 0.5 0.5
KAYACURE EPA *4 0.5 0.5 0.5 0.5
酸化ルテニウム及びガラス粉末の混合物粉末 30 30 30 30
残存有機物(wt%) 0.2 0.3 0.1 0.15
現像性(1%炭酸水素ナトリウム水溶液) ○ ○ ○ ○
現像後のパターンの状態 ○ ○ ○ ○
密着性 ○ ○ ○ ○
【0029】
【表2】
表2
実 施 例
1 2 3 4
合成例4で得た重合体溶液(A−4) 11.0
合成例5で得た重合体溶液(A−5) 11.0
合成例6で得た重合体溶液(A−6) 11.0 6.0
Irg−651 *5 0.3 0.3 0.3 0.15
蛍光体粉末 30 30 30 30
残存有機物(wt%) 0.2 0.3 0.1 0.15
現像性(水) ○ ○ ○ ○
現像後のパターンの状態 ○ ○ ○ ○
密着性 ○ ○ ○ ○
【0030】
注
*1 KAYARAD PEG400DA:日本化薬(株)製、ポリエチレングリコールジアクリレート
*2 KAYARAD DPHA:日本化薬(株)製、ジペンタエリスリトールペンタ及びヘキサアクリレート混合物
*3 KAYACURE DETX−S:日本化薬(株)製、2,4−ジエチルチオキサントン、光重合開始剤
*4 KAYACURE EPA:日本化薬(株)製、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル
*5 Irg−651:チバ−ガイギー(株)製、2,2−ジメチキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
【0031】
(残存有機分):450または600℃で30分加熱焼成後の重量減少分を測定
(現像性):1%炭酸水素ナトリウム水溶液又は水で、液温40℃でスプレー圧2kg/cm 2 で2分間現像し、以下の様に評価した
○・・・・完全に現像できた
△・・・・わずかに残渣がある
×・・・・現像されない部分がある
(現像後のパターンので状態):
○・・・・パターンは正確に維持されている
△・・・・パターンの幅が細くなっている
×・・・・パターン部分の一部または、全部剥がれている
(密着性):セロテープ剥離試験を行なった
○・・・・全く剥がれない
△・・・・極一部剥がれがある
×・・・・剥がれの部分が多い
【0032】
表1及び2の結果から明らかなように、本発明の樹脂組成物及びその硬化物は、現像性に優れ、現像後のパターン精度が良好で、焼成後の有機物の残存が少なく、密着性に優れている。
【0033】
【発明の効果】
本発明の樹脂組成物は、パターンを形成したフィルムを通して選択的に紫外線により露光し、未露光部分を現像することによる抵抗体、螢光体、隔壁あるいは導体回路のパターン形成において、現像性に優れ、現像後のパターン精度が良好で、低温にて焼成しても有機物の残存が少なく、密着性に優れている。
Claims (4)
- 一般式(1)
- 抵抗体パターン、導体パターン、螢光体パターン又は隔壁パターン用の請求項1記載の樹脂組成物。
- 請求項1又は2記載の組成物の硬化物の製造方法において、紫外線を照射することを特徴とする請求項1又は2記載の組成物の硬化物の製造方法。
- 請求項3記載の硬化物を焼成して得られる抵抗体、導体、蛍光体及び隔壁。
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