JP3680884B2 - 農用トラクタの耕耘部支持台 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
この発明は、農用トラクタの耕耘部の着脱を安全且つ容易になし得るものとし、しかもどのようなメーカーの各種トラクタにも取り付け可能とするようにした耕耘部支持台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
農用トラクタ後部には、通称ロータリーと呼ばれる耕耘部Kの外、代掻きのときはハロー、肥料を撒くときはブロードカスタ、運搬作業にはリヤーバケットなどと、作業内容に応じて色々な作業機を付け替えなければならず、その際の付け替え作業には、殆どが三点リンクと呼ばれるリンク機構の嵌め替えによってトラクタと作業機との着脱を実施しているが、近年はオートヒッチ方式で運転席に乗ったまま着脱作業が行えるものも一部出回るようになってきた。
【0003】
この着脱作業については、オートヒッチ方式以外、耕耘部の重量が数百キロと重いため、トラクタから降りての人手による作業となるが、三点リンクのヒッチがサビ付いていたり、そうでなくても作業機が傾いていたりすると外れにくなり、足で蹴ったりハンマーなどで叩いたりしての厄介な着脱作業を行わなければならず、しかも重い耕耘部はバランスが悪く、外れる瞬間に前後方向に倒れたりする危険が伴つてしまうことから、常に危険と隣り合わせの作業を覚悟しなければならない外、取り付けるときはどうしても二人掛かりで重い耕耘部の先端を上下させて微調整しながらヒッチ合わせをしなければならず、作業効率の悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする問題点】
さらに作業機の着脱時の問題点に、外した状態で如何に立たせるかという非常に難しい問題であり、殆どの場合、外した時点で前後どちらかの方向に傾いた状態になってしまうため、次回当該作業機の取り付けに際して時間を要してしまうということである。その対策の一つとして、オートヒッチ方式であれ、3点リンク式ヒッチであれ、トラクター耕耘部メーカーがそれ専用のものを一緒に開発し、その耕耘部に合うスタンドを用意して生産する方法もないではないが、それには製造が煩雑でコスト高になってしまい、他メーカー全機種に合わせたものを開発するとすれば、種類が多すぎて一層コスト高になってしまい、対応するのが非常に難しくなるだけではなく、既に使用されている従前の耕耘部へ対応できるようにするのは、さらに困難を伴うこととなってしまう。
【0005】
そこで、この発明では、そのような状況に対処して新型耕耘部には勿論のこと、既に実用に供されている旧型耕耘部であっても、さらにはメーカーも問わず殆どの耕耘部Kに取り付け可能になると共に、その着脱作業も安全且つ簡単になる耕転部支持台を提供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のトラクタ耕転部支持台は、図面に取り上げたこの発明を代表する実施例からも明確に把握されるように、基本的に次のとおりの構成からなるものである。
即ち、耕耘部Kの伝導管Dを掴むべく締め付け可能にして押え具2を組み合わせてなる受け板1からは、ギヤケースGの中心よりも下の位置に届く長さに設定した連結棒3を設け、該連結棒3下部には、ギヤケースG方向に出し入れ自在とするねじ10と共に、当該連結棒3に添設状とした中空軸7を設ける一方、該中空軸7に対し、耕耘部Kの前後方向に適当な長さとした足を有するスタンドSの立ち上り管S3が固定および抜き差し自在に組み合されるようにした上、それら中空軸7と立ち上り管S3とには、ピン差し込み用の1ないし複数のピン孔を穿設してなるものとした構成を要旨とする農用トラクタの耕耘部支持台である。
【0007】
そして、この発明には、耕耘部Kの伝導管Dを掴むべく締め付け可能にして押え具2を組み合わせてなる受け板1からは、ギヤケースGの中心よりも下の位置に届く長さに設定した連結棒3を設け、該連結棒3下部には、ギヤケースG方向に揺動自在にしたあて板9と該あて板9背面に当接した状態でギヤケースG方向に出し入れ自在とするねじ10と共に、当該連結棒3に添設状とした中空軸7を設ける一方、該中空軸7に対し、耕耘部Kの前後方向に適当な長さとした足を有するスタンドSの立ち上り管S3が固定および抜き差し自在に組み合されるようにした上、それら中空軸7と立ち上り管S3とには、ピン差し込み用の1ないし複数のピン孔を穿設してなるものとした構成の農用トラクタの耕耘部支持台が包含されている。
以下では、この発明の理解のため、図面に示すこの発明を代表する構成からなる農用トラクタの耕耘部支持台の具体例について説明を加えることとする。
【0008】
【実施例】
図1の側面図、および図2の一部を省略した斜視図に、耕耘部Kに接続した状態で示すものからも明白になるとおり、対象とする耕耘部K全機種には頑丈な伝導管DとギヤケースGという構成部位を必ず備えていることから、この2カ所を利用することを前提としたこの発明の農用トラクタの耕耘部支持台は、次のような構成から成り立っている。
伝導管Dの左右の両側面に取り付けるべく一方の受け板1は、断面が略くの字形で伝導管Dを受けるようになっており、もう一方の押え具2も同様の形をとって、ボルトとナットによって締め付けるようにしてある。ここで略くの字形としている受け板1は、断面が略半円状のものや平板状のものでも構わない。一方の押え具2の形状も、断面が略半円状のもので、ボルトとナットによって締め付けることができる。また押え具2そのものを直接Uボルトを使って締め付けることも可能である。なお、受け板1と押え具2の間にゴム板を挾めば滑り難く、傷も付けないので一層好都合のものとなる。
【0009】
連結棒3は、上部に受け板1と接続されており、下部はギヤケースの中心よりも下に届く長さに設定されていなければならず、連結棒3とギヤケースGとの位置関係は、伝導管Dの長さ分よりギヤケースGが外側にあるため、連結棒3の形状は、上部より下部が外側になり、結局上部の受け板1と下部のギヤケースGとの途中適当な箇所で、外側に折るか曲がった形を取るようにした加工が必要となるけれど、必ずしもこの形状を特定するものではない。そして、連結棒3下部の一部分に、ピン孔のある中空軸7を設けてある。
【0010】
スタンドSの立ち上がり管S3には、ピン孔5を複数開けた上、連結棒3の下部の中空軸7に差し込み可能なものとし、好みの高さでピン6を差し通し、固定できるものとする。また、スタンドSの下には、耕耘部Kの前後方向に該耕耘部Kが倒れないようにするのに必要とする長さの足を左右に設けている。なお、足S1は、引き伸し自在となる足S2となるようにしても構わず、さらに、足S1、足S2の先端が車輪S4であっても構わない。
【0011】
次に、耕耘部Kの据付角度の調節について、図3の要部拡大側面図を参照にして説明すると、連結棒3下部であって中空軸7を避けた箇所に、回動操作することによってギヤケースG方向に向けて出し入れ自在となるようにしたねじ10を設けてあり、このねじ10を設ける位置は、この実施例では連結棒3の外側に取り付けるようにした事例としているが、その反対の内側であっても同じ効果が期待できる。
【0012】
また、この実施例においては、当該ねじ10の上部位置に、ねじ10の出入り方向と同じ方向へ揺動するよう遊びを付けてなるあて板9が連結榛3に取り付られたものとし、揺動自在とした当該あて板9によって、ねじ10を進退操作してもその先端がギヤケースGに直接当接状にならないよう配慮したものとし、ねじ10によるギヤケースGへの損傷を防止できるようにした事例としているが、場合によっては、あて板9を外してしまい、ねじ10の先端が直接ギヤケースGに当接状となるようにしても、ギヤケースGに傷が付く欠点はあるものの、それを除けばあて板9を組み込んだものと同じ効果が得られる。
【0013】
【作用】
この発明の農用トラクタの耕耘部支持台の、耕耘部Kの伝導管Dの左右両側面への装着には、予めトラクタに耕耘部Kを接続した状態で取り付けるようにすると簡単に行えることから、先ず、連結棒3下部に相当する位置にあるあて板9を介してか、又は該あて板9抜きのねじ10の先端を直接当接状とするかしてギヤケースGの下部に位置決めをすると共に、上部の受け板1を伝導管Dに当てがい、一方の押え具2を反対側から当てがった上、双方をボルトで緩く動かぬ程度に仮固定状にしておき、次にトラクタを始動して耕耘部Kを上昇させてからスタンドSの上端を中空軸7に差し込み、耕耘部K全体が接地しないだけの高さ位置にしてピン孔5にピン6を差して固定する。
【0014】
次にスタンドSを静かに地面すれすれまで下降させたところで、スタンドSが正しく接地するようねじ10を回動操作し、実施例のようにあて板9を採用したときには当該あて板9が、あるいはそれを省略したときには直接ねじ10がギヤケースGの面に当接状となって滑らせ、当該ギヤケースGの傾斜角度を正しい位置になるようにして姿勢を決定した上、最後に受け板1と押え具2とを堅く動かぬようにボルト締めして固定してから、耕耘部Kを下降させ、接地させる。
【0015】
この状態に装着することにより、オートヒッチあるいは三点リンクの何れの方式によるものであっても、トラクタから耕耘部Kを外してしまったときに、当該耕耘部Kの状態は、トラクタに装着してあったときから姿勢を変化させていないので、そのまま保管、管理しておいて後日装着するときに、トラクタへの装着が簡単にできることになる。
【0016】
【発明の効果】
以上のとおり、この発明の農用トラクタの耕耘部支持台は、トラクタの耕耘部にこの発明の耕耘部支持台を予め角度を調節して正しく装着することにより、耕耘部をトラクタから外した瞬間でも前後方向に倒れたり、角度が変わったりするといった現象を起すこともなく支持可能にするものとなるため、手足に傷を負うといった危険もなく安全に外すことができ、一方、耕耘部をトラクタに装着するときには、対象とする耕耘部が外した状態の姿勢そのままにこの発明の支持台に支えられたものとなっているため、トラクタ装着のために改めて角度を合わせる必要はなく、したがって他の人手を借りることもなく簡単に一人で装着することができるという大きな特徴を有している上、殆どの機種に共通に装備されている伝導管DとギヤケースGという頑丈な構成部位の両側面に取り付けられるようにしてあるため、全メーカーの、しかも新旧を問わず殆ど全機種に取り付け、対応することができるという秀れた効果を兼ね備えたものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例を示すものであって、使用状態による側面図である。
【図2】同上実施例の一部を省略して示す斜視図である。
【図3】同上実施例における要部を示す拡大側面図である。
【符号の説明】
1 受け板
2 押え具
3 連結棒
5 ピン孔
6 ピン
7 中空軸
9 あて板
S スタンド
S1 同 足
S2 同 引き伸し自在の足
S3 同 立ち上がり管
S4 同 車輪
K 耕耘部
D 伝導管
G ギヤケース
Claims (2)
- 耕耘部Kの伝導管Dを掴むべく締め付け可能にして押え具2を組み合わせてなる受け板1からは、ギヤケースGの中心よりも下の位置に届く長さに設定した連結棒3を設け、該連結棒3下部には、ギヤケースG方向に出し入れ自在とするねじ10と共に、当該連結棒3に添設状とした中空軸7を設ける一方、該中空軸7に対し、耕耘部Kの前後方向に適当な長さとした足を有するスタンドSの立ち上り管S3が固定および抜き差し自在に組み合されるようにした上、それら中空軸7と立ち上り管S3とには、ピン差し込み用の1ないし複数のピン孔を穿設してなるものとしたことを特徴とする農用トラクタの耕耘部支持台。
- 耕耘部Kの伝導管Dを掴むべく締め付け可能にして押え具2を組み合わせてなる受け板1からは、ギヤケースGの中心よりも下の位置に届く長さに設定した連結棒3を設け、該連結棒3下部には、ギヤケースG方向に揺動自在にしたあて板9と該あて板9背面に当接した状態でギヤケースG方向に出し入れ自在とするねじ10と共に、当該連結棒3に添設状とした中空軸7を設ける一方、該中空軸7に対し、耕耘部Kの前後方向に適当な長さとした足を有するスタンドSの立ち上り管S3が固定および抜き差し自在に組み合されるようにした上、それら中空軸7と立ち上り管S3とには、ピン差し込み用の1ないし複数のピン孔を穿設してなるものとしたことを特徴とする農用トラクタの耕耘部支持台。
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP36002296A JP3680884B2 (ja) | 1996-12-30 | 1996-12-30 | 農用トラクタの耕耘部支持台 |
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| JP36002296A Expired - Lifetime JP3680884B2 (ja) | 1996-12-30 | 1996-12-30 | 農用トラクタの耕耘部支持台 |
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