JP3680104B2 - パック用シート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば缶ビールや缶ジュース等の多数の容器を並列した状態のまま包装するパック用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から缶ビールや缶ジュース等を纏め売りするために、これらの容器を複数個1列あるいは複数列で起立状態に整列させて置き、つぎに容器の上部、側部、および下部を囲繞して包装するようにした紙製のパック用シートが採用されており、これにより多数の缶類を1個の包装体とすることで一挙に運搬できることから前記パック用シートによる包装が広く普及されている。
【0003】
このような1個のパック用シートに収納された缶ビール等は例えば卸元から小売り店等に引き渡す場合には、通常1個のカートンケース内に手前側の開口部のフラップを開いてパック用シートでパックされた缶パック4個を2列2行に収納して搬出するようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
したがって小売り店等においては逆にカートンケース内に納められた缶入りのパックを個々に取出す作業が必要となる。
【0005】
この場合は前述とは逆の作業でカートンケースからは側面に設けられている開口面の上下のフラップを開いて手前の左右から1パックずつ引き出し、続いて奥の左右から1個ずつ引き出すようにしている。
【0006】
しかしながら従来から使用されているパック用シートには引き出しの際に手掛りがないため、その都度パック用シートの適当な部分を手で掴んで引き出さなければならず、最悪の場合にはパック用シートが破れてしまうこともあって取出し作業が容易ではなく、極めて非能率であった。
【0007】
本発明は上記従来の問題点に着目し、カートンケースからの引出しを容易とするパック用シートを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する手段として本発明は、複数個並列された容器の上面を覆うトップパネルと、このトップパネルの両側部に連設され前記容器列の側部を覆う左右のサイドパネルと、これらサイドパネルの先端に連設され互いに係着し得る係止部を有するボトムパネルとを備え、前記ボトムパネルを係着することにより前記容器の上部、側部、および下部を囲繞して包装するパック用シートにおいて、前記サイドパネルの各端部に内側に折り込んで前記トップパネルの隅部とサイドパネルの上下部とに容器の脱落を防ぐためのガゼットを構成する折り込み片を有し、この折り込み片のサイドパネル連設部から該折り込み片にかけて引張り片を打ち抜いて形成し、前記容器包装後、前記引張り片が前記サイドパネルの端部から突出して手掛け用の摘みを構成するとともに、この引っ張り片が前記容器および前記容器を覆うトップパネルの端部より突出しないように構成するようにしたことである。
【0009】
これによりパック用シートをカートンケースより引き出す際に引張り片が手掛け用の摘みとなるためカートンケースにきっちり詰まっていても引き出しが容易となる。
【0010】
また前記引張り片を対偶部に設ければ、カートンケース内に収納されたパック用シートは必ず引張り片が手前に位置するので引き出しが容易となる。
【0011】
さらに引張り片に手掛け用の孔を穿設しておけば引張り片を掴んだ指が滑ることがなくなり、引き出しが確実に行える。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を図面に示す実施の形態を参照して説明する。
【0013】
図1は本発明のパック用シートの一例の展開図を示すもので、この例では容器として500cc入りの缶ビール6缶を包装するためのパック用シートを示している。
【0014】
パック用シート1は、図1に示す展開図に示すよう横長に矩形状を有し、図における中央部分はトップパネル2に、その左側部分はサイドパネル3に、右側部分はサイドパネル4に、そしてサイドパネル3の先端側となる左側部分はボトムパネル5に、サイドパネル4の先端側となる右側部分はボトムパネル6にそれぞれ形成されている。
【0015】
トップパネル2は、直列3個を並列に起立状態に整列させたビール缶6個の上面を覆うように縦辺1aはビール缶3本分、横方向は2本分の長さからなる面積を有し、トップパネル2の両側にはビール缶の側部を覆うようにその高さに相当する幅を有するサイドパネル3,4がそれぞれ境界線をなす折り線2a,2bを介して連設されている。
【0016】
ボトムパネル5、6はビール缶の底部を覆うように設けられているもので、ボトムパネル5はサイドパネル3と、ボトムパネル6はサイドパネル4とそれぞれ境界線をなす折り目3a,4aを介して連設されている。
【0017】
ボトムパネル5、6には先端部に互いに係着し得る雌側の係止部7、および雄側の係止部8がそれぞれ形成されており、ボトムパネル5側の係止部7は、先端部を形成するパック用シート1の一方の縦辺1aに平行な第1係止部7aと、その内側に同じく縦辺1aに平行に設けられた第2係止部7bとからなり、これら第1係止部7a、第2係止部7bは縦辺1aの中央とその両端側の3個所にそれぞれ設けられている。
【0018】
この実施形態では第1係止部7aの形状は切抜かれた縦長の四角孔となっていて、その孔の一辺aが係合部に形成され、第2係止部7bの形状は切り込みとなっている。
【0019】
これに対しボトムパネル6側の雄側の係止部8は、前記第1係止部7a、および第2係止部7bとにそれぞれ係着し得るよう他方の縦辺1a上の中心とその両端側に設けられた第1係止部8aと、その係止部8aのからそれぞれ外側へ突出させて設けられた3個所の第2係止部8bとからなっている。
【0020】
この実施形態では第1係止部8aの形状は縦辺1aに平行な直線で中央が内側に凹部bとなる切り込みとなっており、第2係止部8bの形状は第1係止部8aの幅から縦辺1aの外側へ先細りとなって首部dに至りこれに続く先端は首部dより幅のある頭部cに形成されている。
【0021】
また前記サイドパネル3,4の横辺1b側の各端部には内側に折り込んで前記トップパネル2、およびボトムパネル5、6の隅部との間にビール缶の脱落を防ぐためのガゼット10a,10bを構成する折り込み片9が境界線をなす折り線3b,4bを介して連設されている。
【0022】
この折り込み片9は、4個あるうちの少なくとも2個にはサイドパネル3,4側を基辺として該折り込み片9側に3方が切れ目となるように台形状に打ち抜かれた引張り片11が対偶関係に設けられている。なおこの引張り片11は前記折り込み片9のすべてに設けておき、包装時に任意の引張り片11を使用するようにしてもよい。
【0023】
なお折り込み片9の折り目3b,4bには内側に折り易くするために切り込みを入れてもよいが、折り込み片9が内側へ折り込まれる際に引張り片11が追従して折り込まれるのを避けるため基辺側には折り線を設けない方が望ましい。
【0024】
この引張り片11はビール缶を包装する際にサイドパネル3,4の端部から突出させるように形成されるもので、パック用シート1全体を引出す際に手掛け用の摘みとなるものである。なおこの引張り片11には中央位置に指で挟んだ際に滑らないように指先が入らない程度の大きさの孔12を設けることができる。
【0025】
図中、符号13はコンプレッションホール(6個所)、符号14aは山折り線、符号14bは谷折り線、符号15aはトップガゼットホール(4個所)、符号15bはボトムガゼットホール(4個所)、符号16はフィンガーホール(2個所)、符号17は切取り線、符号18はロット確認窓である。
【0026】
つぎに作用を説明する。
【0027】
まず図1に示したパック用シート1を裏返して、そのトップパネル2部分の上部にビール缶6本の底部を上向きとして直列した3本を並列させて載置する。
【0028】
その上でビール缶の側部を覆うようにサイドパネル3,4を折り線2a,2bを境界線として内側に折り、さらにビール缶の底部を覆うようにボトムパネル5、および6を折り線3a,4aを境界線として内側に折り、ボトムパネル6の縦辺1aに設けられている雄側の第2係止部8bを頭部cからボトムパネル5側の縦辺1aに設けられている雌側の第1係止部7aの孔を通して第2係止部7bと互いに係着させて第1係止部8aの首部dで抜け止めするとともに、雄側の第1係止部8aの凹部bを雌側の第1係止部7aの横長の四角孔を形成する一辺aに係着させることによりパック用シート1は無端状態に形成されてビール缶に帯がかかった状態の缶入りパックとなる。
【0029】
このとき各折り込み片9が内側に折り込まれるとトップパネル2とサイドパネル3,4との隅部にトップガゼット10aが、またサイドパネル3,4とボトムパネル5,6との隅部にボトムガゼット10bがそれぞれ形成され、パック用シート1に包装されたビール缶の抜け止めがなされる。
【0030】
また折り込み片9が内側に折り込まれたとき、引張り片11は折り込み片9から打ち抜かれているために一緒に折り込まれずに折り込み片9から突出した状態となる。
【0031】
このパック用シート1をトップパネル2面が上になるように反転させると図2に示す斜視図のような形態となり、引張り片11はサイドパネル3,4から突出している状態となる。
【0032】
図3は図2の平面図で包装されたビール缶19とサイドパネル3,4から突出した引張り片11を示す。この場合引張り片11は図示からわかるように直列に並べられたビール缶19の先端より突出しない状態になる。
【0033】
図4は図2のような缶入りのパック用シート1を内装するカートンケース20の斜視図を示すもので、この中には図5に示すように缶入りパックが直列および並列に4個収納されるような大きさとなっており、4個を収納するときには短手側面の上下・左右のフラップ20a,20bを開いて図5のようにした後、フラップ20a,20bを閉じて収納が終了する。
【0034】
このように収納されたカートンケース20から缶入りパックを取り出す場合は、図5に示すようにフラップ20a,20bを開くと、パック用シート1には引張り片11の1個が必ず手前側に位置するように包装されているから、引張り片11に手を掛けて引っ張ることにより取り出しが容易に行える。取り出されたパック用シート1から個々のビール缶19を取出す場合は、図2に示すようにトップパネル2面に設けられている切取り線17を端面から引上げるように切取ることにより個々のビール缶19はパック用シート1の包装から解放されて取出すことができる。
【0035】
なお本発明の実施形態ではビール缶の包装の場合について説明したが、ビール缶の包装に限定したものでなく、ジュース缶、その他缶以外の例えば小瓶ドリンク等瓶の包装の場合にもこれに適した大きさのパック用シートを使用することにより実施可能である。
【0036】
またボトムパネル同士の結合に用いた係止部についてもこの実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することは自由である。
【0037】
【発明の効果】
本発明は以上説明したように構成したからつぎのような効果が得られる。
【0038】
1)請求項1によれば、パック用シートをカートンケースより引き出す際に引張り片が手掛け用の摘みとなるため引き出しが容易となる。
【0039】
2)請求項2によれば、少なくとも引張り片を対偶部に設けたことによりカートンケース内に収納されたパック用シートは必ず引張り片が手前に位置するので引き出しが容易となる。
3)請求項3によれば、引張り片に手掛け用の孔を有しているために引張り片を掴んだ指が滑ることなく引き出しが確実に行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるパック用シートの展開図。
【図2】図1のパック用シートにより包装された缶類を示す斜視図。
【図3】図2の平面図。
【図4】本発明のパック用シートにより包装された缶入りパックを収納するカートンケースを示す斜視図。
【図5】図4のカートンケース内に収納された複数個の缶入りパックの状態を示す斜視図。
【符号の説明】
1 パック用シート
2 トップパネル
3,4 サイドパネル
5,6 ボトムパネル
7a,7b,8a,8b 係止部
9 折り込み片
10a,10b ガゼット
11 引張り片
12 孔
19 容器
Claims (3)
- 複数個並列された容器の上面を覆うトップパネルと、このトップパネルの両側部に連設され前記容器列の側部を覆う左右のサイドパネルと、これらサイドパネルの先端に連設され互いに係着し得る係止部を有するボトムパネルとを備え、前記ボトムパネルを係着することにより前記容器の上部、側部、および下部を囲繞して包装するパック用シートにおいて、前記サイドパネルの各端部に内側に折り込んで前記トップパネルの隅部とサイドパネルの上下部とに容器の脱落を防ぐためのガゼットを構成する折り込み片を有し、この折り込み片のサイドパネル連設部から該折り込み片にかけて引張り片を打ち抜いて形成し、前記容器包装後、前記引張り片が前記サイドパネルの端部から突出して手掛け用の摘みを構成するとともに、この引っ張り片が前記容器および前記容器を覆うトップパネルの端部より突出しないように構成されていることを特徴とするパック用シート。
- 前記引張り片が対偶部に設けられている請求項1記載のパック用シート。
- 前記引張り片に手掛け用の孔を有している請求項1または2記載のパック用シート。
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