JP3680009B2 - エコーキャンセラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えばハンズフリー通話機能を備えたディジタル音声通信装置において、スピーカからマイクロホンへの受話音声の回り込みにより発生する音響エコーを消去するために設けられるエコーキャンセラに関する。
【0002】
【従来の技術】
ハンドセットの代わりに、電話装置本体に設けられたスピーカとマイクロホンとを使用して通話を行なういわゆるハンズフリー通話機能を有している電話装置や、同様の通話形態を採るテレビ会議システムでは、スピーカから発生された受話音声が壁や天井で反射してマイクロホンに回り込むため、音響エコーが発生する。
【0003】
この音響エコーは、特にディジタル通信方式を採用した通信システムや、通信回線中に例えば通信衛星を介在する通信システムのように、伝送遅延量が比較的大きい通信システムにあっては、通信品質の著しい劣化を招き非常に好ましくない。
【0004】
例えば、ディジタル自動車・携帯電話システムにおいては、無線周波数の有効利用の観点から低ビットレートの音声符号化器が使用され始めている。低ビットレートの音声符号化器としては、例えば4〜8kbpsで比較的良好な音声品質を得ることが可能なCELP(Code Excited Linear Prediction)方式、あるいはその改良型であるVSELP(vector Sun Excited Linear Prediction)方式が用いられる。CELP方式の詳細な点については、M.R.Schroeder 氏とB.S.Atal氏の“Code-Excited Linear Prediction(CELP):High-Quality Speach At Very Low Bit Rates ”in Proc.ICASSP.1985,pp.937〜939 に述べられている。これらの符号化方式では、一般に音声信号を低ビットレートに圧縮するためにフレーム単位で符号化処理が行なわれ、またバースト誤りに対する訂正能力を高めるためにインタリーブが用いられている。このため、ディジタル自動車・携帯電話システムにおける伝送遅延は片道で約100msec にもなる。
【0005】
そこで、従来よりこの種のシステムでは、エコーパスの特性を適応フィルタにより推定してエコーパスと同一の特性を有する擬似エコーを生成し、この擬似エコーを通話信号から差し引くことにより通話信号中に含まれるエコー成分を消去する、いわゆる音響エコーキャンセラが使用されている。
【0006】
図5は、この音響エコーキャンセラと音声コーデックを備えたディジタル自動車電話装置の要部構成を示す回路ブロック図である。同図において、受信された符号化ディジタル信号は、音声復号回路(SP−COD)100によりディジタル音声信号に復号されたのちD/A変換器101でアナログ音声信号に変換されてスピーカ102から拡声出力される。これに対しマイクロホン103に入力された送話音声信号は、A/D変換器104でディジタル送話信号に変換された後音響エコーキャンセラ105に入力される。このエコーキャンセラ105は、適応フィルタ105aと加算器105bとからなり、適応フィルタ105aにおいて生成した疑似エコーを加算器105bで上記ディジタル送話信号から差し引くことにより、このディジタル送話信号に含まれる音響エコーをキャンセルする。そして、この音響エコーがキャンセルされたディジタル送話信号は、音声符号回路(SP−COD)106で符号化されさらに誤り訂正符号化された後、図示しない無線部から送信される。
【0007】
ところで、従来の適応フィルタには、安定性判別が不要なことや、一定の条件内での収束が保証されていることから、一般にFIR型のフィルタが使用される。またタップ係数の更新アルゴリズムには、最小自乗法(LS)を使用したアルゴリズムや再帰最小自乗法(RLS)を使用したアルゴリズム等がある。しかし、実現性の点から最小自乗平均法(LMS)を正規化した学習同定法(NLMS)が多く用いられている。この学習同定法によるアルゴリズムは、演算量が比較的少なくて済みしかも良好な特性を示すという利点を有する。なお、第(1) 式はP次の適応フィルタのタップ係数をhj (j=1〜P)とするときの学習同定法の更新式を示したものである。
【0008】
【数1】
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この学習同定法等のアルゴリズムを用いて適応フィルタのタップ係数を更新する場合には、適応フィルタの入力信号が白色雑音のような相関のない信号であれば、タップ係数の収束を高速に行なうことができる。しかし、音声のように相関が強く相関行列の固有値に広がりがある場合には、一般にタップ係数の収束速度は遅くなる。またその解決策として、線形予測分析により音声信号を白色化してこの白色化した音声信号を入力信号として用いる適応ラチスアルゴリズムの使用が提案されている。しかし、このアルゴリズムは学習同定法の4倍もの演算量を必要とするため、実用化が困難である。
【0010】
この発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的とするところは、タップ係数の大幅な更新が必要なときには高速度に収束されたタップ係数によりエコーキャンセル動作を開始できるようにし、一方定常動作時にはタップ係数をそのときの受信信号波形に応じたより最適な値に収束させて高精度のエコーキャンセル動作を可能としたエコーキャンセラを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためにこの発明は、受信された符号化音声信号を復号して受信音声信号を再生して出力する音声復号回路を備えたディジタル通信装置に設けられるエコーキャンセラにおいて、上記音声復号回路から出力された復号後の受信音声信号の相関を上記符号化音声信号から抽出した音声パラメータ情報を用いて除去して第1の白色雑音信号を出力する第1の逆フィルタと、送信音声信号に含まれるエコーの相関を上記符号化音声信号から抽出した音声パラメータ情報を用いて除去して第2の白色雑音信号を出力する第2の逆フィルタとに加え、第1の適応フィルタと、第2の適応フィルタと、エコー除去部と、選択手段とを備えている。上記第1の適応フィルタは、第1および第2の白色雑音信号を用い、上記受信音声信号と送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて第1のタップ係数を求める。上記第2の適応フィルタは、上記受信音声信号と送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて求めた第2のタップ係数、もしくは上記第1のタップ係数を用い、該第1もしくは第2のタップ係数と上記受信音声信号とから擬似エコーを生成する。そして、上記第2の適応フィルタが用いるタップ係数として、上記第1のタップ係数または第2のタップ係数の一方を選択手段により選択し、この選択されたタップ係数を用いてエコー除去部により上記第2の適応フィルタで生成された擬似エコーを送話音声信号から差し引くように構成したものである。
【0012】
またこの発明は、上記第1および第2の逆フィルタで使用する所定の音声パラメータ情報として、音声のスペクトラム包絡を表わすパラメータ情報かまたは音声のピッチ成分を表わすパラメータ情報を使用することを特徴としている。
【0013】
【作用】
したがってこの発明によれば、エコーキャンセラ本体では、受信音声信号および送信音声信号に含まれるエコーに代わって、第1および第2の逆フィルタにより相関が除去されて白色雑音化された信号を基に、受信音声信号と上記送信音声信号に含まれるエコーとの関係が学習される。このため、受信音声信号および送信音声信号に含まれるエコーを基に学習を行なう場合に比べて、学習を高速度に行なってタップ係数を短時間に収束させることができる。また、音声復号回路により再生される音声パラメータ情報を利用して受信音声信号および送信音声信号に含まれるエコーを白色雑音化しているので、新たに付加される演算は逆フィルタにおける演算のみとなり、これにより比較的簡単に実現できる。
【0014】
さらにこの発明では、音声復号回路から出力された復号再生後の受信音声信号を第1の逆フィルタに通すことで受話系の白色雑音信号を生成し、これをタップ係数の演算のためにエコーキャンセラ本体に入力している。すなわち、エコーキャンセラ本体には、疑似エコーを生成するための受信音声信号と同一の信号を基に生成された白色雑音信号が入力されることになる。このため、音声復号回路内の音声合成部(例えばLPC合成フィルタやポストフィルタ)において演算精度に起因する誤差が発生する場合でも、この誤差を含む同一条件の受信音声信号及びこの信号を基に生成した白色雑音信号がエコーキャンセラ本体に入力されることになる。したがって、エコーキャンセラ本体では、誤差の条件が同一の複数の入力信号をもとにエコーキャンセル処理が行われることになり、これにより精度的な安定な処理が可能となる。
【0015】
ちなみに、タップ係数の演算に使用する白色雑音信号として、復号再生後の受信音声信号を基に生成した白色雑音信号ではなく、音声復号回路内のコードブックから出力された白色雑音を使用すると、この白色雑音は音声復号回路内のLPC合成フィルタやポストフィルタの演算精度の影響を受けていないものであるため、エコーキャンセラ本体には誤差の条件が異なる受信音声信号と白色雑音とが入力され、これが結果的にエコーキャンセル処理の精度低下の原因となる場合があり、好ましくない。
【0016】
【実施例】
(第1の実施例)
図1は、本発明の第1の実施例に係わるエコーキャンセラを設けたディジタル自動車電話装置の構成を示す回路ブロック図である。
【0017】
図示しない基地局から無線通話チャネルを介して送られた無線通信信号は、アンテナ1およびアンテナ共用器(DUP)2を介して受信回路(RX)3に入力され、ここで周波数シンセサイザ(SYN)4から出力される受信局部発振信号と合成されて中間周波信号に変換される。そして、この受信中間周波信号は、A/D変換器7でサンプリングされたのちディジタル復調回路(DEM)6に入力され、この復調回路6でフレーム同期およびビット同期がとられたうえでディジタル復調される。尚、上記フレーム同期およびビット同期により得られた同期信号は制御回路(CONT)20に供給される。
【0018】
また、上記ディジタル復調回路6から出力されたディジタル復調信号には、ディジタル通話信号とディジタル制御信号とがあり、このうちディジタル制御信号は制御回路20に供給されて識別される。これに対しディジタル通話信号は、誤り訂正復号回路(CH−DEC)8で誤り訂正復号化される。そして、この誤り訂正復号されたディジタル通話信号は、音声復号回路(SP−DEC)9で後述する復号化処理が施され、さらにD/A変換器10でアナログ通話信号に戻されたのち、スピーカ11に供給されてこのスピーカ11から拡声出力される。
【0019】
一方、マイクロホン12により入力された送話信号は、A/D変換器13でサンプリングされたのち、音響エコーキャンセラ(AEC)14を介して音声符号回路(SP−COD)15に入力され、ここで符号化される。この符号化により得られた符号化ディジタル送話信号は、制御回路20から出力されるディジタル制御信号とともに誤り訂正符号回路(CH−COD)16で誤り訂正符号化されたのち、ディジタル変調回路(MOD)18に入力される。ディジタル変調回路18では、上記符号化ディジタル送話信号に応じた変調信号が発生され、この変調信号はD/A変換器17でアナログ信号に変換されたのち送信回路(TX)5に入力される。送信回路5では、上記変調信号が周波数シンセサイザ4から出力された送信局部発振信号と合成されて送信無線周波信号に変換され、さらに送信電力増幅器により増幅される。そして、この送信回路5から出力された無線周波信号は、アンテナ共用器2を介してアンテナ1から図示しない基地局へ向けて送信される。
【0020】
尚、21は発信キー、終了キー、ダイヤルキーおよび各種機能キーなどのキースイッチ群と、液晶表示器等が配置されたコンソールユニット(CU)、22は電池23の出力電圧を基に所要の動作電圧Vccを生成する電源回路(POW)である。
【0021】
ところで、上記音声復号回路9および音響エコーキャンセラ14は次のように構成される。図2はその構成を示す回路ブロック図である。
先ず音声復号回路9は、例えばCELPデコーダからなり、次のような復号化処理を実行する。
【0022】
すなわち、誤り訂正復号回路8から供給された符号化ディジタル通話信号は、デマルチプレクサ9aに入力される。このデマルチプレクサ9aでは、上記符号化ディジタル通話信号より合成音声を生成するために必要な音声の特徴を示すパラメータが再生される。パラメータには、フレーム単位(例えば20msec)の情報である線形予測分析(LPC:Linear Predictive Coding)パラメータα(i) (i=1〜10) と、サブフレーム単位(5msec)の情報であるピッチ周期L(i) 、ピッチゲインβq(i)、コードブック番号I(i) およびコードブックゲインrq(i)(i=1〜4)とが含まれる。
【0023】
上記デマルチプレクサ9aから各パラメータが出力されると、コードブック (CB)9cからはコードブック番号I(i) に対応する白色雑音uI(i)(n) (n=0〜39)が読み出される。この白色雑音uI(i)(n) には、乗算器9eにおいてコードブックゲインrq(i)が乗算される。また、適応コードブック(適応CB)9bからは、ピッチ周期L(i) に対応したピッチベクトルbL (n) (n=0〜39)が出力される。このピッチベクトルbL (n) には、乗算器9dにおいてピッチゲインβq(i)が乗算される。これらの乗算器9e,9dから出力された信号は、加算器9fで相互に加算されてサブフレーム毎の駆動信号r(n) となる。この駆動信号r(n) は第(2) 式のように表される。尚、上記適応コードブック9bから出力されるピッチベクトルbL (n) は、第(3) 式のように表される。ただし、 Lx」はx以下の最大の整数を生成するxのフロア関数である。
【0024】
【数2】
【0025】
【数3】
【0026】
そうして作成された駆動信号r(n) は、LPC合成フィルタ9gに入力される。このLPC合成フィルタ(LPCFIL)9gは、LPCパラメータα(i) (i=1〜10)を線形補間することにより求めた補間LPCパラメータα*(i) (i=1〜10)により第(4) 式のように表される伝達関数H(Z) を有しており、この伝達関数H(Z) にしたがって上記駆動信号r(n) に応じた合成音声x(n) (n=0〜39)を出力する。
【0027】
【数4】
【0028】
上記LPC合成フィルタ9gから出力された合成音声x(n) は、ポストフィルタ(PFIL)9hに入力される。このポストフィルタ9hは、聴感品質を高めるために用いられるもので、補間されたLPCパラメータα*(i) (i=1〜10)により第(5) 式のように表される伝達関数H(Z) を有している。上記合成音声x(n) は、この伝達関数H(Z) に従ってフィルタリングされ、合成音声y(n) (n=0〜39)となって出力される。なお、第(5) 式のβ,υには、それぞれ0.5 ,0.8 などの値が用いられる。
【0029】
【数5】
【0030】
また、ポストフィルタ9hには、上記第(5) 式に示した伝達関数の周波数特性の傾きを補正するために、第(6) 式で表される伝達関数を有するハイパスフィルタが縦続接続される場合がある。ここで、uには0.5 等の値が用いられる。
【0031】
【数6】
【0032】
次に音響エコーキャンセラ14は、第1の適応フィルタ14aおよび加算器14bと、第2の適応フィルタ14cおよび加算器14dと、第1の逆フィルタ14eと、第2の逆フィルタ14fとから構成される。なお、このとき第1の適応フィルタ14aおよび加算器14bと、第2の適応フィルタ14cおよび加算器14dとにより、エコーキャンセラ本体が構成される。
【0033】
このうち先ず第1の逆フィルタ14eは、上記音声復号回路9のデマルチプレクサ9aから出力されたLPCパラメータを基に、上記音声復号回路9から出力されたディジタル受話信号の相関を除去するもので、これにより白色雑音化された信号を出力する。第2の逆フィルタ14fは、同じく上記音声復号回路9のデマルチプレクサ9aから出力されたLPCパラメータを基に、A/D変換器13から出力されたディジタル送話信号に含まれる音響エコーの相関を除去するもので、これにより白色雑音化された信号を出力する。
【0034】
第2の適応フィルタ14cは、上記第1の逆フィルタ14eから出力された白色雑音信号と、上記第2の逆フィルタ14fから出力された白色雑音信号から第2の適応フィルタ14cにより生成された疑似エコーを差し引いた残差信号とを用いて学習同定法により学習を行なうもので、この学習により得られたタップ係数を第1の適応フィルタ14aに与える。
【0035】
なお、上記第1および第2の逆フィルタ14e,14fとしては、音声復号回路9に含まれるLPC合成フィルタの逆の特性を有するLPC分析フィルタを使用すればよい。
【0036】
第1の適応フィルタ14aおよび加算器14bは、上記第2の適応フィルタ14cから与えられたタップ係数と、上記音声復号回路9から出力されたディジタル受話信号とを基に第1の適応フィルタ14aで疑似エコーを生成し、この疑似エコーをA/D変換器13から出力されたディジタル送話信号から加算器14bにおいて差し引き、これにより上記ディジタル送話信号に含まれる音響エコーを消去する。
【0037】
次に、以上のように構成された音響エコーキャンセラ14の動作を説明する。先ず通信が開始されると、音声復号回路9から出力されたディジタル受話信号がデマルチプレクサ9aから出力されたLPCパラメータとともに第1の逆フィルタ14eに入力され、これにより第1の逆フィルタ14eからはLPCパラメータを基に上記ディジタル受話信号の相関を除去した白色雑音信号が出力される。また、それとともに第2の逆フィルタ14fには、マイクロホン12に入力されたのちA/D変換器13でディジタル化された音響エコーが上記LPCパラメータとともに入力され、これにより第2の逆フィルタ14fからはLPCパラメータを基に上記音響エコーの相関を除去した白色雑音信号が出力される。
【0038】
そうすると、第2の適応フィルタ14cでは、上記第1の逆フィルタ14eから出力された白色雑音信号と、上記第2の逆フィルタ14fから出力された白色雑音信号とを基に、自己の伝達関数を音響エコーパスECの伝達関数に近付けるべく学習が行なわれる。すなわち、第1の逆フィルタ14eから白色雑音信号が出力されると、第2の適応フィルタ14cではこの白色雑音信号を基に疑似エコーが生成され、この疑似エコーが加算器14dにおいて第2の逆フィルタ14fから出力された白色雑音信号から差し引かれる。そして、この加算器14dで消去し切れなかった残差信号が第2の適応フィルタ14cに入力される。第2の適応フィルタ14cは、上記残差信号を基に自己の伝達関数を音響エコーパスECの伝達関数に近付けるべく学習を行ない、これにより自己のタップ係数を更新する。
【0039】
そうして学習されたタップ係数は、第1の適応フィルタ14aに転送される。第1の適応フィルタ14aでは、この転送されたタップ係数と、音声復号回路9から出力されたディジタル受話信号とを基に疑似エコーが生成され、この疑似エコーは加算器14bに入力される。そして、この加算器14bでは、A/D変換器13から出力されたディジタル送話信号から、上記擬似エコーを差し引くための演算が行なわれ、これによりディジタル送話信号に含まれる音響エコーが消去される。
【0040】
このように本実施例のエコーキャンセラでは、送話信号中の音響エコーをキャンセルするための第1の適応フィルタ14aおよび加算器14bの他に、学習用の第2の適応フィルタ14cおよび加算器14dと、第1および第2の逆フィルタ14e,14fとを設けている。そして、これらの逆フィルタ14e,14fにおいて、音声復号回路9で再生されたLPCパラメータを基に、それぞれディジタル受話信号の相関および音響エコーの相関を除去した白色雑音信号を生成して、これらの白色雑音信号を基に第2の適応化フィルタ14cおよび加算器14dに学習を行なわせ、この学習により更新されたタップ係数を上記第1の適応フィルタ14aに転送して疑似エコーの生成を行なわせるようにしている。
【0041】
したがって本実施例によれば、音響エコーパスECの学習が逆フィルタ14e,14fにより生成された白色雑音信号を基に行なわれるため、例えば初期学習時や通話中にエコーパスECが急激に変化した場合に、学習を高速に行なって適応フィルタ14aのタップ係数を短時間に収束させることが可能となる。また、既存の音声復号回路9により生成されるLPCパラメータを用いることにより白色雑音信号を生成するようにしているので、比較的少ない演算量で簡単に実現できる利点がある。
【0042】
(第2の実施例)
本実施例は、第1の適応フィルタが使用するタップ係数の切り替えを行なう切替手段を設け、タップ係数の大幅な更新が必要な初期学習時等には第2の適応フィルタの学習により更新されたタップ係数を第1の適応フィルタに供給し、これに対し定常動作時には上記第2の適応フィルタにより学習されたタップ係数の供給を停止して、第1の適応フィルタ自身に学習を行なわせてタップ係数の更新を行なわせるようにしたものである。
【0043】
図3は、本実施例に係わる音響エコーキャンセラを備えたディジタル自動車電話装置の要部構成を示す回路ブロック図である。なお、同図において前記図2と同一部分には同一符号を付して詳しい説明は省略する。
【0044】
音響エコーキャンセラ141は、自身に学習機能を備えた第1の適応フィルタ141aおよび加算器141bと、第2の適応フィルタ14cおよび加算器14dと、第1の逆フィルタ14eと、第2の逆フィルタ14fとに加えて、切替スイッチ141cと、切替判定部141dとを備えている。なお、このとき第1の適応フィルタ141aおよび加算器141bと、第2の適応フィルタ14cおよび加算器14dとにより、エコーキャンセラ本体が構成される。
【0045】
このうち切替判定部141dは、加算器141bから出力された残差エコーの平均レベルを監視する。そして、この残差エコーの平均レベルが所定レベル以上のときには、上記切替スイッチ141cを閉成して第2の適応フィルタ14cの学習機能により更新されたタップ係数を第1の適応フィルタ141aに供給させる。一方残差エコーの平均レベルが所定レベル未満に低下したときには、上記切替スイッチ141cを開成して、第2の適応フィルタ14cから第1の適応フィルタ141aへのタップ係数の供給を断とし、これにより第1の適応フィルタ141a自身の学習機能によりタップ係数の更新を行なわせるものである。
【0046】
このような構成であるから、例えば初期学習時や通話中にエコーパスECが急激に変化した場合には、切替判定部141dにより切替スイッチ141cが閉成されて第2の適応フィルタ14cの学習機能により更新されたタップ係数が第1の適応フィルタ141aに供給される。このため、第1の適応フィルタ141aは、第2の適応フィルタ14cにより高速度に収束されたタップ係数に応じて音響エコーのキャンセル動作を開始することが可能となる。
【0047】
これに対し、上記タップ係数の収束により加算器141bから出力された残差エコーの平均レベルが所定レベル未満に低下すると、切替判定部141dにより切替スイッチ141cが開成される。このため、第2の適応フィルタ14cから第1の適応フィルタ141aへのタップ係数の供給は断たれ、この結果第1の適応フィルタ141aでは以後自身の学習機能によりタップ係数の更新が行なわれる。ここで、第2の適応フィルタ14cにおける学習は、音声復号回路9から出力されたディジタル受話信号と、A/D変換器13から出力されたディジタル送話信号から疑似エコー(第1の適応フィルタ141aの出力)を差し引いた残差信号とを基に行なわれる。したがって、白色雑音信号を用いて学習を行なう場合に比べて、タップ係数をその時の受話信号波形に応じたより最適な値に収束させることができ、これによりエコーキャンセルの精度を高めることができる。
【0048】
なお、本発明は上記各実施例に限定されるものではない。例えば、第1の実施例では第1および第2の逆フィルタ14e,14fにおいて、LPCパラメータを用いてディジタル受話信号の相関の除去およびディジタル送話信号に含まれる音響エコーの相関の除去を行なうようにしたが、LPCパラメータの代わりにLSPパラメータやKパラメータを使用してもよく、さらにはピッチ周期およびピッチゲインを表わすパラメータを使用してもよい。この場合には、逆フィルタとしてピッチ合成フィルタの逆の特性を有するピッチ分析フィルタを使用することができる。
【0049】
また、前記第2の実施例では、切替判定部141dにおいて加算器141bから出力された残差エコーの平均レベルに応じて切替スイッチ141cを切替制御するようにしたが、例えば図4に示すごとく切替判定部142dにおいて、加算器141bから出力された残差エコーの平均レベルと、音声復号回路9から出力されたディジタル受話信号の平均レベルとの比を検出し、この比に応じて切替スイッチ141cを切替制御するように構成してもよい。このように構成すると、残差エコーの平均レベルのみに着目する場合に比べて、より一層正確な制御を行なうことができる。
【0050】
さらに、前記各実施例では本発明のエコーキャンセラをディジタル自動車電話装置に適用した場合を例にとって説明したが、ディジタル自動車電話装置以外にディジタル携帯電話装置やディジタルコードレス電話装置、ディジタル有線電話装置、テレビ会議システムの通信装置、衛星通信回線を使用した通信装置等に適用してもよい。
【0051】
このうちディジタル携帯電話装置やディジタルコードレス電話装置は、通常ハンドセット通話モードしか有していないため音響エコーが発生することはほとんどなく、このためエコーキャンセラは不要である。しかし、これらのディジタル携帯電話装置またはコードレス電話装置をアダプタ等の接続ユニットを介して自動車電話装置の送受信ユニットに接続して使用する場合には、ハンドセット通話モード以外にハンズフリー通話モードが使用されることがあり、この場合にはエコーキャンセラが必要となる。
【0052】
そこで、この場合にはオプション部品であるアダプタ等の接続ユニットにエコーキャンセラを設けておき、このエコーキャンセラによりハンズフリー通話モードにおいて発生したエコーを消去するように構成するとよい。このように構成すれば、エコーキャンセラを携帯電話装置やコードレス電話装置に予め設けておく必要がなくなり、これにより装置の消費電力低減および低価格化を図ることができる。
【0053】
その他、第1および第2の逆フィルタの回路構成や第1および第2の適応フィルタの回路構成、信号選択手段の構成、エコーキャンセラの回路構成、音声復号回路の構成等についても、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できる。
【0054】
【発明の効果】
以上詳述したようにこの発明では、第1の適応フィルタと、第2の適応フィルタと、エコー除去部と、選択手段とを新たに備える。そして、上記第1の適応フィルタにより、第1および第2の白色雑音信号を用いて、上記受信音声信号と上記送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて第1のタップ係数を求める。一方第2の適応フィルタにおいては、上記受信音声信号と前記送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて求めた第2のタップ係数、もしくは前記第1のタップ係数を用いて、該第1もしくは第2のタップ係数と上記受信音声信号とから擬似エコーを生成する。そして、上記第2の適応フィルタが用いるタップ係数として、上記第1のタップ係数または第2のタップ係数の一方を選択し、この選択されたタップ係数を用いて上記第2の適応フィルタで生成された擬似エコーを送話音声信号から差し引くように構成している。
【0055】
したがって本発明によれば、タップ係数の大幅な更新が必要なときには高速度に収束されたタップ係数によりエコーキャンセル動作を開始できるようになり、一方定常動作時にはタップ係数をそのときの受信信号波形に応じたより最適な値に収束させて高精度のエコーキャンセル動作を行うことができるエコーキャンセラを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例に係わるエコーキャンセラを備えたディジタル自動車電話装置の構成を示す回路ブロック図。
【図2】図1に示した装置の音声復号回路およびエコーキャンセラの構成を示す回路ブロック図。
【図3】本発明の第2の実施例に係わるエコーキャンセラを備えたディジタル自動車電話装置の要部構成を示す回路ブロック図。
【図4】第2の実施例を改良したエコーキャンセラの回路ブロック図。
【図5】従来のエコーキャンセラの構成の一例を示す回路ブロック図。
【符号の説明】
EC…音響エコーパス
1…アンテナ
2…アンテナ共用器(DUP)
3…受信回路(RX)
4…周波数シンセサイザ(SYN)
5…送信回路(TX)
6…ディジタル復調回路(DEM)
7,13…A/D変換器
8…誤り訂正復号回路(CH−DEC)
9,9′,90,90′…音声復号回路(SP−DEC)
10,17…D/A変換器
11…スピーカ
12…マイクロホン
14,141,142,105…音響エコーキャンセラ(AEC)
15…音声符号回路(SP−COD)
16…誤り訂正符号回路(CH−COD)
18…ディジタル変調回路(MOD)
20…制御回路(CONT)
21…コンソールユニット(CU)
22…電源回路(POW)
23…電池
9a…デマルチプレクサ
9b…適応コードブック(適応CB)
9c…コードブック(CB)
9d,9e…乗算器
9f,14b,14d,141b…加算器
9g…LPC合成フィルタ(LPCFIL)
9h…ポストフィルタ(PFIL)
14a,141a…第1の適応フィルタ
14c…第2の適応フィルタ
14e…第1の逆フィルタ
14f…第2の逆フィルタ
141c…切替スイッチ
141d,142d…切替判定部
Claims (4)
- 受信された符号化音声信号を復号して受信音声信号を再生して出力する音声復号回路を備えたディジタル通信装置に設けられるエコーキャンセラにおいて、
前記音声復号回路から出力された復号後の受信音声信号の相関を、前記符号化音声信号から抽出した音声パラメータ情報を用いて除去し、第1の白色雑音信号を出力する第1の逆フィルタと、
送信音声信号に含まれるエコーの相関を、前記符号化音声信号から抽出した音声パラメータ情報を用いて除去し、第2の白色雑音信号を出力する第2の逆フィルタと、
前記第1および第2の白色雑音信号を用い、前記受信音声信号と前記送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて第1のタップ係数を求める第1の適応フィルタと、
前記受信音声信号と前記送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて求めた第2のタップ係数、もしくは前記第1のタップ係数を用い、該第1もしくは第2のタップ係数と前記受信音声信号とから擬似エコーを生成する第2の適応フィルタと、
前記第2の適応フィルタで生成された擬似エコーを送話音声信号から差し引くエコー除去部と、
前記第2の適応フィルタが用いるタップ係数として、前記第1のタップ係数または第2のタップ係数の一方を選択する選択手段と
を具備したことを特徴とするエコーキャンセラ。 - 前記音声パラメータ情報は、音声のスペクトラム包絡を表すパラメータであることを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ。
- 前記音声パラメータ情報は、音声のピッチ成分を表すパラメータであることを特徴とする請求項1に記載のエコーキャンセラ。
- 無線回線を介して受信した符号化音声信号を復号して受信音声信号を再生する復号手段と、送話音声信号を符号化する符号化手段とを備えた電話装置において、
前記音声復号回路から出力された復号後の受信音声信号の相関を、前記符号化音声信号から抽出した音声パラメータ情報を用いて除去し、第1の白色雑音信号を出力する第1の逆フィルタと、
送信音声信号に含まれるエコーの相関を、前記符号化音声信号から抽出した音声パラメータ情報を用いて除去し、第2の白色雑音信号を出力する第2の逆フィルタと、
前記第1および第2の白色雑音信号を用い、前記受信音声信号と前記送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて第1のタップ係数を求める第1の適応フィルタと、
前記受信音声信号と前記送話音声信号に含まれるエコーとの相関に基づいて求めた第2のタップ係数、もしくは前記第1のタップ係数を用い、該第1もしくは第2のタップ係数と前記受信音声信号とから擬似エコーを生成する第2の適応フィルタと、
前記第2の適応フィルタで生成された擬似エコーを送話音声信号から差し引くエコー除去部と、
前記第2の適応フィルタが用いるタップ係数として、前記第1のタップ係数または第2のタップ係数の一方を選択する選択手段と
を具備したことを特徴とする電話装置。
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