JP2000089797A - 音声符号化装置 - Google Patents

音声符号化装置

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JP2000089797A
JP2000089797A JP10258352A JP25835298A JP2000089797A JP 2000089797 A JP2000089797 A JP 2000089797A JP 10258352 A JP10258352 A JP 10258352A JP 25835298 A JP25835298 A JP 25835298A JP 2000089797 A JP2000089797 A JP 2000089797A
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noise
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Hiroyuki Ebara
宏幸 江原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CELP型音声符号化装置において、背
景雑音等の非音声信号に対して符号化歪みが大きくなる
部分の聴覚的な不快感を改善すること。 【解決手段】 復号信号と入力信号の歪みに基づく尺度
を用いて、符号器側の振幅量子の前段において、入力信
号の振幅を減衰させることによって、不快な復号信号の
振幅レベルを減衰させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、音声信号を符号化
して伝送する移動通信システム等におけるCELP(Co
de Excited Linear Prediction)型の音声符号化装置及
び音声復号化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ディジタル移動通信や音声蓄積の分野に
おいては、電波や記憶媒体の有効利用のために音声情報
を圧縮し、高能率で符号化するための音声符号化装置が
用いられている。中でもCELP(Code Excited Linea
r Prediction:符号励振線形予測符号化)方式をベース
にした方式が中・低ビットレートにおいて広く実用化さ
れている。CELPの技術については、M.R.Schroeder
and B.S.Atal:"Code-Excited Linear Prediction (CEL
P):High-quality Speech at Very Low Bit Rates",Pr
oc.ICASSP-85, 25.1.1, pp.937-940, 1985" に示され
ている。
【0003】CELP型音声符号化方式は、音声をある
一定のフレーム長(5ms〜50ms程度)に区切り、
各フレーム毎に音声の線形予測を行い、フレーム毎の線
形予測による予測残差(励振信号)を既知の波形からな
る適応符号ベクトルと雑音符号ベクトルを用いて符号化
するものである。適応符号ベクトルは過去に生成した駆
動音源ベクトルを格納している適応符号帳から、雑音符
号ベクトルは予め用意された定められた数の定められた
形状を有するベクトルを格納している雑音符号帳から選
択されて使用される。雑音符号帳に格納される雑音符号
ベクトルには、ランダムな雑音系列のベクトルや何本か
のパルスを異なる位置に配置することによって生成され
るベクトルなどが用いられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の音声符号化装置においては、符号化歪みが大きい合
成信号も符号化歪みが小さい合成信号も同様に符号化・
復号化するため、非音声信号等従来の音声符号化装置に
おいて高品質で符号化できない信号の合成音が耳障りで
不自然な音として聞こえてしまうという問題があった。
【0005】本発明は、以上のような実情に鑑みてなさ
れたものであり、必要に応じて入力信号の振幅を小さく
してから符号化することにより、耳障りな雑音となる信
号の振幅レベルを抑圧し、不快感を軽減できる音声符号
化装置及び音声復号化装置を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、符号化歪みが特に大きくなる入力信号に
対しては、利得符号帳探索の直前にターゲット信号の振
幅を減衰させることにより、耳障りな雑音となる信号の
振幅レベルを抑圧するようにしたものである。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の第1の態様は、適応符号
帳成分及び雑音符号帳成分の振幅を符号化する前段で、
符号化対象とするターゲットベクトルの振幅を制御する
構成を採る。
【0008】この構成によれば、符号化対象とするター
ゲットベクトルの振幅を制御することができるので、新
たな情報を付加することなく、符号化データから復号さ
れる信号の振幅レベルを制御することができる。
【0009】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、入力音声信号の中から連続して大きな符号化歪みが
現われる部分を選んでターゲットベクトルの利得を減衰
させる構成を採る。
【0010】この構成によれば、連続して大きな符号化
歪みが現われる部分でターゲットベクトルの利得を減衰
するので、新たな伝送情報を要せずに背景雑音などを効
果的に抑圧することができる。
【0011】本発明の第3の態様は、第1、第2の態様
において、符号化対象とするターゲットベクトルについ
ての符号化歪みを算出する歪み算出器と、算出された符
号化歪みの大きさに応じて前記ターゲットベクトルの減
衰係数を決定する減衰係数決定器と、決定された減衰係
数を前記ターゲットベクトルに乗算する乗算器とを具備
する構成を採る。
【0012】この構成によれば、ターゲットベクトルを
符号化歪みの大きさに応じて減衰することができるの
で、符号化歪みの大きい信号を生成する際に生じる聴覚
的な不快感を軽減することができる。
【0013】本発明の第4の態様は、第3の態様におい
て、各々異なる強度で符号化歪みを平滑化処理する複数
の平滑化フィルタと、前記歪み算出器の算出した符号化
歪みの大きさに応じて当該符号化歪みを平滑化する平滑
化フィルタを切り替える第1のスイッチとを備え、平滑
化処理された符号化歪みを前記減衰係数決定器へ入力す
る構成を採る。
【0014】この構成によれば、符号化歪みの大小によ
って復号信号の振幅レベルをフレーム間において滑らか
に変化するように調節しながら符号化歪みの大きい部分
が連続するような場合には復号信号の振幅レベルを小さ
くすることによって符号化歪みの大きい合成データの不
快感を緩衝できるものである。
【0015】本発明の第5の態様は、第3、第4の態様
において、減衰係数がフレーム間で最大値から最小値の
間で徐々に変化するように制御する構成を採る。
【0016】この構成によれば、減衰係数がフレーム間
で最大値から最小値の間で徐々に変化するように制御す
るので、フレーム間で減衰係数が大きく変化することを
防ぐことができる。
【0017】本発明の第6の態様は、音声信号を電気的
信号に変換する音声入力装置と、前記音声入力信号装置
から出力される信号をディジタル信号に変換するA/D
変換器と、前記A/D変換器から出力されるディジタル
信号の符号化処理を行う第1から第5のいずれかに記載
の音声符号化装置と、前記音声符号化装置から出力され
る符号化情報に対して変調処理等を行うRF変調器と、
前記RF変調器から出力された信号を電波(RF信号)
として送信する送信アンテナと、を備える構成を採る。
【0018】この構成によれば、第1から第5のいずれ
かに記載の音声符号化装置で符号化された信号を無線送
信することができる。
【0019】本発明の第7の態様は、第1から第5の態
様のいずれかに記載の音声符号化装置とCELP型音声
復号化装置とからなり、前記CELP型音声復号化装置
は、スペクトル特性を表すパラメータの符号化情報を復
号化する手段と、過去に生成した駆動音源ベクトルを格
納した適応符号帳を用いて適応符号ベクトルを復号化す
る手段と、予め定められた数の定められた駆動音源ベク
トルを格納する雑音符号帳を用いて雑音符号ベクトルを
復号化する手段と、適応符号帳成分と雑音符号帳成分の
振幅を復号化する手段と、復号化されたスペクトルパラ
メータと駆動音源信号によって復号音声信号を合成する
手段とを具備する構成を採る。
【0020】この構成によれば、CELP型音声復号化
装置において第1から第5の態様のいずれかに記載の音
声符号化装置で符号化された音声信号を復号することが
できる。
【0021】本発明の第8の態様は、受信電波を受信す
る受信アンテナと、前記アンテナで受信した信号の復調
処理を行うRF復調器と、前記RF復調器によって得ら
れた情報の復号化処理を行う第7の態様の音声符号化復
号化装置と、前記音声符号化復号化装置によって復号さ
れたディジタル音声信号のD/A変換を行うD/A変換
器と、前記D/A変換器によって出力される電気的信号
を音声信号に変換する音声出力装置とを具備する構成を
採る。
【0022】この構成によれば、第7の態様の音声符号
化復号化装置で復号した音声信号を音声出力することが
できる。
【0023】本発明の第9の態様は、第1から第5の態
様のいずれかに記載の音声符号化装置を備えたことを移
動局装置を構成する。
【0024】この構成によれば、第1から第5の態様の
いずれかに記載の音声符号化装置を移動局装置に備えた
ので、符号化歪みの大きい信号を生成する際に生じる聴
覚的な不快感を軽減できる移動局装置を実現できる。
【0025】本発明の第10の態様は、第1から第5の
態様のいずれかに記載の音声符号化装置を備えた基地局
装置を構成する。
【0026】この構成によれば、第1から第5の態様の
いずれかに記載の音声符号化装置を基地局装置に備えた
ので、符号化歪みの大きい信号を生成する際に生じる聴
覚的な不快感を軽減できる基地局装置を実現できる。
【0027】本発明の第11の態様は、音声のスペクト
ル特性を表すパラメータを符号化し、過去に生成した駆
動音源ベクトルを格納した適応符号帳を用いて駆動音源
の周期性を符号化し、予め定められた数の定められた駆
動音源ベクトルを格納する雑音符号帳を用いて前記適応
符号帳では表せない駆動音源成分を符号化し、適応符号
帳成分と雑音符号帳成分の振幅を符号化し、これらの符
号化情報によって入力音声信号を表現するCELP型音
声符号化方法であって、前記振幅を符号化する直前に符
号化された適応符号帳成分と雑音符号帳成分と符号化対
象としているターゲットとを用いてターゲットの振幅調
整を行う構成を採る。
【0028】この構成によれば、CELP型音声符号化
において振幅を符号化する直前に符号化された適応符号
帳成分と雑音符号帳成分と符号化対象としているターゲ
ットとを用いてターゲットの振幅調整を行うので、符号
化歪みの大きい信号を生成する際に生じる聴覚的な不快
感を軽減できる。
【0029】本発明の第12の態様は、第11の態様に
おいて、符号化された適応符号帳成分と雑音符号帳成分
から合成される信号と、符号化対象とされている入力信
号との歪みを算出し、算出された前記歪みのフレーム間
における変動を平滑化するための処理を行い、前記平滑
化処理後の前記歪みを用いて前記符号化対象とされてい
る入力信号の振幅を減衰させる係数を決定する構成を採
る。
【0030】この構成によれば、歪みのフレーム間にお
ける変動を平滑化してから入力信号の振幅を減衰させる
係数を決定するので、フレーム間における変動に起因し
た劣化を防止できる。
【0031】本発明の第13の態様は、コンピュータ
に、音声のスペクトル特性を表すパラメータを符号化す
る手順と、過去に生成した駆動音源ベクトルを格納した
適応符号帳を用いて駆動音源の周期性を符号化する手順
と、予め定められた数の定められた駆動音源ベクトルを
格納する雑音符号帳を用いて前記適応符号帳では表せな
い駆動音源成分を符号化する手順と、適応符号帳成分と
雑音符号帳成分の振幅を符号化する手順と、前記振幅を
符号化する直前に符号化された適応符号帳成分と雑音符
号帳成分と符号化対象としているターゲットとを用いて
ターゲットの振幅調整する手順と、を実行させるための
プログラムを記録した機械読取可能な記録媒体である。
【0032】この構成によれば、記録媒体に記録された
プログラムをコンピュータに読取らせて各手順を実行さ
せることにより符号化歪みの大きい信号を生成する際に
生じる聴覚的な不快感を軽減できる装置を実現できる。
【0033】以下、本発明の実施の形態について図面を
参照しながら説明する。
【0034】(実施の形態1)図1に、実施の形態1に
かかる音声符号化装置の機能ブロックを示す。本実施の
形態では、符号化歪みの大きさに基づいてターゲットベ
クトルの振幅を制御する機構が備えられている。
【0035】本実施の形態1の音声符号化装置は、入力
ディジタル音声信号を1フレーム分づつ更新しながら符
号化に必要な長さのデータが入力バッファ101にバッ
ファリングされる。入力バッファ101にバッファリン
グされたデータはLPC分析器102、逆フィルタ10
3及びターゲット算出器104に出力される。
【0036】LPC分析器102は、入力バッファ10
1から分析に必要なディジタル音声信号を入力してLP
C分析を行い線形予測係数aを出力する。LPC量子化
器105は、LPC分析器102から出力された線形予
測係数を量子化して量子化LPCをqaとして出力し、
同時に量子化LPCの符号Lを復号器に出力する。
【0037】逆フィルタ103は、入力バッファ101
から入力した1フレーム分のディジタル音声信号とLP
C量子化器105から出力される線形予測係数qaとを
入力として、逆フィルタリング処理を行い、線形予測残
差信号をピッチ候補選択器106へ出力する。ピッチ候
補選択器106は、逆フィルタ103から出力された残
差信号を入力としてピッチ周期性の抽出を行いピッチ周
期候補を閉ループピッチ探索器107に出力する。
【0038】ターゲット算出器104は、入力バッファ
101から入力されるディジタル音声信号と直前のフレ
ームにおいてフィルタ状態更新器112から出力された
フィルタ状態stと量子化および未量子化LPCである
qaおよびaを入力として、ターゲットベクトルを算出
する。ターゲット算出器104の算出したターゲットベ
クトルは閉ループピッチ探索器107、雑音符号帳探索
器108及び減衰係数算出器110に入力される。
【0039】閉ループピッチ探索器107は、ターゲッ
トベクトルがターゲット算出器104から入力し、ピッ
チ候補がピッチ候補選択器106から入力し、ピッチ候
補に対応する適応符号ベクトル候補とインパルス応答ベ
クトルとが適応符号帳115とインパルス応答算出器1
14とからそれぞれ入力する。閉ループピッチ探索器1
07では、各ピッチ候補に対して閉ループピッチ探索を
行い閉ループピッチ周期Pを復号器に出力し、適応符号
ベクトルを音源生成器113に出力し、適応符号ベクト
ルにインパルス応答を畳み込んだ合成ベクトルを雑音符
号帳探索器108と利得符号帳探索器109とフィルタ
状態更新器112と減衰係数算出器110とにそれぞれ
出力する。
【0040】雑音符号帳探索器108は、ターゲットベ
クトルと適応符号合成ベクトルとインパルス応答ベクト
ルとをそれぞれターゲット算出器104と閉ループピッ
チ探索器107とインパルス応答算出器114とから入
力する。そして、雑音符号ベクトルにインパルス応答を
畳み込んだ雑音符号合成ベクトルと適応符号合成ベクト
ルと組合わせた場合において、ターゲットベクトルとの
歪みを最小とする雑音符号合成ベクトルを生成する雑音
符号ベクトルを雑音符号帳116の中から選択し、雑音
符号帳インデックスを復号器に、雑音符号ベクトルを音
源生成器113に、雑音符号合成ベクトルを減衰係数算
出器110と利得符号帳109とフィルタ状態更新器1
12とにそれぞれ出力する。
【0041】利得符号帳探索器は、減衰係数乗算後のタ
ーゲットベクトルと適応符号合成ベクトルと雑音符号合
成ベクトルとをそれぞれ乗算器111と閉ループピッチ
探索器107と雑音符号帳探索器108とからそれぞれ
入力して利得符号帳117の中から最適な量子化利得を
選択して音源生成器113とフィルタ状態更新器112
とに出力する。
【0042】フィルタ状態更新器112は、減衰係数乗
算後のターゲットベクトルと適応符号合成ベクトルと雑
音符号合成ベクトルと量子化利得をそれぞれ乗算器11
1と閉ループピッチ探索器107と雑音符号帳探索器1
08と利得符号帳探索器109とからそれぞれ入力す
る。そして、合成フィルタの状態更新を行いフィルタ状
態stを出力する。
【0043】インパルス応答算出器114は、未量子化
LPCであるaと量子化LPCであるqaとを入力とし
て聴覚重みづけフィルタと合成フィルタとを縦続接続し
たフィルタのインパルス応答を算出し閉ループピッチ探
索器107と雑音符号帳探索器108とに出力する。
【0044】雑音符号帳116は、予め定められた数の
予め定められた形状を有する雑音符号ベクトルを格納
し、雑音符号帳探索器108に雑音符号ベクトルを出力
する。音源生成器113は、適応符号ベクトルと雑音符
号ベクトルと量子化利得をそれぞれ閉ループピッチ探索
器107と雑音符号帳探索器108と利得符号帳探索器
109とから入力し、音源ベクトルを生成し、生成した
音源ベクトルを適応符号帳115に出力する。
【0045】適応符号帳115は、音源生成器113か
ら出力される音源ベクトルを入力として、適応符号帳を
更新し、適応符号ベクトル候補を閉ループピッチ探索器
107に出力する。また利得符号帳117は、予め用意
された量子化利得(適応符号ベクトル成分と雑音符号ベ
クトル成分)を格納し、利得符号帳探索器109に出力
する。
【0046】減衰係数算出器110は、ターゲットベク
トルと適応符号合成ベクトルと雑音符号合成ベクトルと
をそれぞれターゲット算出器104と閉ループピッチ探
索器107と雑音符号帳探索器108とから入力して減
衰係数を算出し、乗算器111に出力する。
【0047】乗算器111は、減衰係数算出器110か
ら入力された減衰係数をターゲット算出器104から出
力されたターゲットベクトルに乗算して、減衰係数乗算
後のターゲットベクトルをフィルタ状態更新器112と
利得符号帳探索器109とにそれぞれ出力する。
【0048】なお、LPC量子化器105から出力され
る量子化LPC符号Lと、閉ループピッチ探索器107
から出力されるピッチ周期Pと雑音符号帳探索器108
から出力される雑音符号帳インデックスSと利得符号帳
探索器109から出力される利得符号帳インデックスG
は符号化されビット列として伝送路を介して復号器に出
力される。
【0049】以上のように構成された音声符号化装置の
動作について説明する。
【0050】まず、図1において、音声信号は入力バッ
ファ101に入力される。入力バッファ101は入力さ
れた符号化対象となるディジタル音声信号を1フレーム
(例えば10ms)単位で更新し、LPC分析器102
と逆フィルタ103とターゲット算出器104に対して
必要なバッファリングデータを供給する。
【0051】LPC分析器102は入力バッファ101
から供給されたデータを用いて線形予測分析を行い、線
形予測係数(LPC)を算出し、LPC量子化器105
に出力する。なお、LPC分析器102で得られたLP
Cはaとして出力され、ターゲット算出器104および
インパルス応答算出器114で用いられる。
【0052】LPC量子化器105はLPCをLSP領
域に変換して量子化を行い、量子化LSPをqaとして
出力し、量子化LPCの符号Lを復号器に出力する。
【0053】逆フィルタ103は、入力バッファ101
から量子化対象となるディジタルデータ列を1フレーム
分(例えば10ms)入力し、量子化LPCであるqa
を用いて構成された逆フィルタでフィルタリングするこ
とによって残差信号を算出し、ピッチ候補選択器106
に出力する。
【0054】ピッチ候補選択器106は過去に生成した
残差信号をバッファリングしており、新たに生成した残
差信号をバッファに付け加えたデータ列から正規化自己
相関関数を求め、これに基づいて残差信号の周期を抽出
する。この時、正規化自己相関関数が大きいものから順
に、定められた数以下のピッチ候補が選択される。選択
されたピッチ周期の候補は閉ループピッチ探索器107
に出力される。
【0055】ターゲット算出器104は量子化LPCで
あるqaと未量子化LPCであるaとを用いて量子化合
成フィルタと重み付け合成フィルタとを構成し、直前の
フレームにおいてフィルタ状態更新器112で求められ
たフィルタ状態stを用いて量子化合成フィルタの零入
力応答を除去した後の重み付け入力音声信号(ターゲッ
トベクトル)を算出し、閉ループピッチ探索器107と
雑音符号帳探索器108と減衰係数算出器110と乗算
器111とにターゲットベクトルを出力する。インパル
ス応答算出器114は、量子化LPCであるqaを用い
て構成された量子化合成フィルタと未量子化LPCであ
るaを用いて構成された重み付け合成フィルタとを縦続
接続したフィルタのインパルス応答を求め、閉ループピ
ッチ探索器107と雑音符号帳探索器108とに出力す
る。
【0056】閉ループピッチ探索器107は適応符号帳
115の中から取り出した適応符号ベクトルにインパル
ス応答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベクト
ル(適応符号帳成分)を算出し、ターゲットベクトルと
の誤差を最小とする適応符号ベクトルを生成するピッチ
周期を抽出する。この時行われるピッチ探索は、ピッチ
候補選択器106から入力されたピッチ周期候補または
その近傍についてのみ行われる。求められたピッチ周期
によって生成される適応符号ベクトルは音源生成器11
3に出力されて音源ベクトルの生成に用いられ、適応符
号ベクトルにインパルス応答を畳み込んで生成される適
応符号合成ベクトルは雑音符号帳探索器108とフィル
タ状態更新器112と利得符号帳探索器109と減衰係
数算出器110とに出力される。
【0057】雑音符号帳探索器108は、雑音符号帳1
16の中から取り出した雑音符号ベクトルにインパルス
応答を畳み込むことにより、重み付け合成音声ベクトル
(雑音符号帳成分)を算出し、適応符号合成ベクトルと
組合わせて用いた場合においてターゲットベクトルとの
誤差を最小とする雑音符号ベクトルを選び出す。選ばれ
た雑音符号ベクトルは音源生成器113に出力され音源
ベクトルの生成に用いられる。また、雑音符号ベクトル
にインパルス応答を畳み込んで生成される雑音符号合成
ベクトルは利得符号帳探索器109とフィルタ状態更新
器112と減衰係数算出器110とに出力される。
【0058】減衰係数算出器110は、ターゲットベク
トルと適応符号合成ベクトルと雑音符号合成ベクトルと
をそれぞれターゲット算出器104と閉ループピッチ探
索器107と雑音符号帳探索器108とから入力し、タ
ーゲットベクトルと合成される音声ベクトルとの歪みに
基づいてターゲットベクトルを減衰させる係数を算出し
て乗算器111に出力する。
【0059】乗算器111は、減衰係数算出器110か
ら出力される減衰係数をターゲットベクトルに乗算して
フィルタ状態更新器112と利得符号帳探索器109と
に出力する。
【0060】利得符号帳探索器117は、乗算器111
と閉ループピッチ探索器107と雑音符号帳探索器10
8とから減衰係数乗算後のターゲットベクトルと適応符
号合成ベクトルと雑音符号合成ベクトルとをそれぞれ入
力する。そして、減衰係数乗算後のターゲットベクトル
と、適応符号合成ベクトルに量子化適応符号帳利得を乗
じたものと雑音符号合成ベクトルに量子化雑音符号帳利
得を乗じたものとの和のベクトルとの2乗誤差が最小と
なる、量子化適応符号帳利得と量子化雑音符号帳利得と
の組合わせを利得符号帳117の中から選択する。
【0061】選択された量子化利得は音源生成器113
とフィルタ状態更新器112とに出力され、音源ベクト
ルの生成と合成フィルタの状態更新とに用いられる。音
源生成器113は、閉ループピッチ探索器107から入
力される適応符号ベクトルと、雑音符号帳探索器108
から入力される雑音符号ベクトルとに、利得符号帳探索
器109から入力される量子化利得(適応符号帳成分)
と量子化利得(雑音符号帳成分)とをそれぞれ乗じ、量
子化利得乗算後の適応符号ベクトルと雑音符号ベクトル
の加算を行って音源ベクトルを生成する。生成された音
源ベクトルは適応符号帳115に出力されて適応符号帳
が更新される。適応符号帳の更新はフレーム毎に1回行
われ、適応符号帳のバッファを1フレーム分シフトした
後、新たに生成された音源信号がバッファの最後にコピ
ーされる。
【0062】フィルタ状態更新器112は、量子化合成
フィルタと重み付け合成フィルタを縦続接続したフィル
タの状態を更新する。フィルタの状態は乗算器111か
ら入力される減衰係数乗算後のターゲットベクトルか
ら、利得符号帳探索器109から出力される量子化利得
(適応符号帳成分)を乗じた閉ループピッチ探索器10
7から出力される適応符号合成ベクトルと利得符号帳探
索器109から出力される量子化利得(雑音符号帳成
分)を乗じた雑音符号帳探索器108から出力される雑
音符号合成ベクトルとを、減じることによって求められ
る。求められたフィルタ状態はstとして出力され、次
のフレームのフィルタ状態として、ターゲット算出器1
04で使用される。
【0063】次に、図2を用いて減衰係数算出器110
の詳細について説明する。
【0064】減衰係数算出器110は、最適利得算出器
201、歪み算出器202、切換スイッチ203、20
6、第1、第2の平滑化フィルタ204、205、減衰
係数決定器207を備えている。
【0065】最適利得算出器201は、ターゲットベク
トルと適応符号合成ベクトルと雑音符号合成ベクトルと
をそれぞれターゲット算出器104と閉ループピッチ探
索器107と雑音符号帳探索器108とからそれぞれ入
力し、これら3つのベクトルを用いて最適適応符号帳利
得と最適雑音符号帳利得を計算し、両利得を歪み算出器
202に出力する。また歪み算出器202は、ターゲッ
トベクトルと適応符号合成ベクトルと雑音符号合成ベク
トルと最適利得(適応符号成分と雑音符号成分)とをそ
れぞれターゲット算出器104と閉ループピッチ探索器
107と雑音符号帳探索器108と最適利得算出器20
1とからそれぞれ入力し、最適利得を用いた場合におけ
る合成ベクトルとターゲットベクトルとの歪みを算出し
て切換スイッチ203に出力する。切換スイッチ203
は、歪み算出器202から出力される歪みの値に応じて
前記歪みを第1の平滑化フィルタ204または第2の平
滑化フィルタ205のどちらかに出力させるスイッチで
ある。第1の平滑化フィルタ204はスイッチ203を
介して入力した前記歪みをフレーム間での変動を滑らか
にするための平滑化処理を行い、スイッチ206へ出力
する。また第2の平滑化フィルタ205はスイッチ20
3を介して入力した前記歪みをフレーム間での変動を滑
らかにするための平滑化処理を行い、スイッチ206へ
出力するフィルタである。切換スイッチ206は、第1
の平滑化フィルタ204または第2の平滑化フィルタ2
05から出力される平滑化処理後の歪みを減衰係数決定
器207に出力する。減衰係数決定器207はスイッチ
206を介して第1の平滑化フィルタまたは第2の平滑
化フィルタから平滑化処理後の歪みを入力として、減衰
係数の決定を行い、乗算器111に出力する。
【0066】以上の様に構成された減衰係数算出器につ
いて、その動作を説明する。図3は、図2の減衰係数算
出器の処理の流れ図を示したものである。
【0067】図2において、最適利得算出器201は、
図3のステップ301に示した式によって最適適応符号
帳利得と最適雑音符号帳利得とを算出する。ステップ3
01に示した式において、Xはターゲットベクトル、Y
は適応符号合成ベクトル、Zは雑音符号合成ベクトル、
Gpは最適適応符号帳利得、Gsは最適雑音符号帳利得
をそれぞれ示している。なお、ステップ301に示した
式は、ターゲットベクトルと、最適利得乗算後の適応符
号合成ベクトルと雑音符号合成ベクトルとの和ベクトル
との2乗誤差((X−Gp*Y−Gs*Z)*(X−G
p*Y−Gs*Z))を最小化することと等価である。
【0068】次に、歪み算出器202において、図3の
ステップ302に示した式によって歪み尺度Dが算出さ
れる。ステップ302ではDはいわゆるS/N比であ
り、以下このS/N比Dの値を用いて符号化歪みの大小
を判定する。なお、歪み尺度Dとしては、S/N比の他
に代用できる尺度を用いることもでき、その場合は後述
する閾値や大小の判定の仕方を代用する尺度用に変更す
れば良い。
【0069】次に、スイッチ203はS/N比Dの値に
よって切り替わり、これは図3の条件分岐303の処理
に相当する。ステップ303において、Th1は第1の
閾値であり、これによってS/N比Dの大小を分別す
る。D>Th1の場合(S/N比がTh1より高い、即
ち符号化歪みが少ない場合)は計算したS/N比Dを第
1の平滑化フィルタ204に入力し、D≦Th1の場合
(S/N比がTh1以下、即ち符号化歪みが大きい場
合)は計算したS/N比Dを第2の平滑化フィルタ20
5に入力する。
【0070】図3において、ステップ304が第1の平
滑化フィルタ、ステップ305が第2の平滑化フィルタ
に相当する。第1の平滑化フィルタと第2の平滑化フィ
ルタの違いは、平滑化の強さである。第1の平滑化フィ
ルタの方は平滑化が比較的弱く、ある程度のフレーム間
での変動を反映する出力が得られるが、第2の平滑化フ
ィルタの方は平滑化が強く、フレーム間での変動が非常
に滑らかになるような出力が得られる。この平滑化処理
はフレーム間における激しい変動を避けるため行われ
る。フレーム間での変動が激しいと、閾値処理の判定結
果もフレーム間で激しく変動する場合が有り、安定した
判定結果を得難いからである。
【0071】しかしながら、常に強い平滑化処理を行っ
ていると、無音部から有音部に切り替わったときのよう
にS/N比Dが急激に上昇しても、平滑化処理後のS/
N比の上昇が鈍くなるため、有音部の立ち上がり部に対
して閾値処理による有音部の判定が正確に行われなくな
る。
【0072】そこで、特にS/N比Dが大きく、明らか
に有声部に移行したと考えられる場合は、S/N比Dに
対する平滑化処理を弱めにしてS/N比の急な上昇に対
応できるようにしている。なお、図3のステップ304
および305において、0<α<β<1である。
【0073】次に、第1の平滑化フィルタ204または
第2の平滑化フィルタ205から出力された平滑化処理
後のS/N比Dはスイッチ206を介して減衰係数決定
器207に入力する。
【0074】減衰係数決定器207は、入力した平滑化
処理後のS/N比Dによって、減衰係数を決定するが、
その具体的方法の一例が図3の条件分岐306とステッ
プ307とステップ308に示されている。
【0075】まず、図3のステップ306において平滑
化処理後のS/N比Dが閾値Th2を越えているかどう
かを評価し、閾値Th2を越えていれば、符号化歪みは
小さく音声部であると判断し、ステップ308において
減衰係数は1(即ちターゲットの減衰はしない)とす
る。一方、平滑化処理後のS/N比Dが閾値Th2以下
の場合は、符号化歪みが大きく比音声部である可能性が
高いと判断し、ステップ307において1以下の減衰係
数を設定する。ステップ307ではさらに閾値Th3を
用いた閾値処理によって非音声部か音声部かの判定を行
うが、判定結果がフレーム間で頻繁に変化した場合に減
衰係数が大きく変動してしまうことを避けるために、減
衰係数が最大値(=1.0)から最小値(例えば0.2
5)の間で徐々に変化するような操作を行っている。
【0076】具体的には、減衰係数の急な変動を避ける
ために現在のフレームを含む過去Nフレームで決定され
た減衰係数の移動平均をとるような形で減衰係数を求め
るようにしている。すなわち、図3のステップ307に
示したように、減衰係数を現在を含む過去Nフレームに
おけるγの和で表し、γの値をS/N比Dが大きいか小
さいかによって各フレームにおけるγの値を切替える
(γの値は配列M_sup[N]に保持される)。つま
り、D<Th3の場合はγの値を小さくし(=γ1)、
D≧Th3の場合はγの値を大きくする(=γ2)。例
えば、25フレーム連続して平滑化処理後のS/N比D
がTh3未満であった場合に減衰係数が0.25になる
様にすると、ステップ307におけるγ1=0.01と
なり、その反対に25フレーム連続して平滑化処理後の
S/N比DがTh3以上であった場合には減衰係数を
1.00になるようにすると、ステップ307における
γ2=0.04となる。このようにすることによって、
フレーム間で平滑化処理後のS/N比が閾値Th3の前
後を変動するようなことがあっても、減衰係数G_su
pが大きく変動しないようにしている。また、過度に減
衰係数が小さくなるのを防ぐために減衰係数の最小値
(G_sup_min)も定められていて、それ以下の
値にはならないようなクリッピング処理も行う。
【0077】最後にステップ309において、M_su
p[i](i=0,...、N-1)の総和によって求められた
減衰係数G_supが出力される。出力された減衰係数
は乗算器111において、ターゲットベクトルに乗ぜら
れる。
【0078】なお、Th1≧Th2>Th3であり、T
h1は平滑化フィルタの選択に用いられ、Th2は音声
部かどうかの判定に用いられ、Th3は非音声部かどう
かの判定に用いられる。なお、Th2≧D≧Th3の範
囲にある場合は、音声部と判定されるが、過去Nフレー
ムにおける判定結果によって減衰係数が決定される。
【0079】図4は復号化装置を示している。以下、図
4を参照してその構成および動作を説明する。
【0080】図4において、401は符号器側から伝送
されたLPCの情報LからLPCを復号してqaとして
復号LPCを出力するLPC復号器、402は符号器側
から伝送されてきたピッチ周期Pを入力し、ピッチ周期
Pに基づいて適応符号帳403から適応符号ベクトルを
取り出して音源生成器408に出力する適応符号ベクト
ル復号器、403は音源生成器408から出力された音
源ベクトルをフレーム毎に更新しながらバッファリング
し、適応符号ベクトル復号器402に出力する適応符号
帳、404は符号器側から伝送されてきた雑音符号帳イ
ンデックスSを入力し、Sに対応する雑音符号ベクトル
を雑音符号帳405から取り出して音源生成器408に
出力する雑音符号ベクトル復号器、405は符号器のも
のと同一の内容を格納しており、雑音符号ベクトルを雑
音符号ベクトル復号器404に出力する雑音符号帳、4
06は符号器側から伝送されてきた利得符号帳インデッ
クスGを入力し、Gに対応する利得を利得符号帳407
から取り出して量子化利得を復号し、音源生成器408
に出力する利得復号器、407は符号器のものと同一の
内容を格納しており、量子化利得を利得復号器406に
出力する利得符号帳、408は適応符号ベクトルと雑音
符号ベクトルと復号利得とをそれぞれ適応符号ベクトル
復号器402と雑音符号ベクトル復号器404と利得復
号器406とからそれぞれ入力し、生成した音源ベクト
ルを合成フィルタ409と適応符号帳403とに出力す
る音源生成器、409はLPC復号器401から出力さ
れたqaを用いて合成フィルタを構築し、音源生成器4
08から出力された音源ベクトルをフィルタ入力として
フィルタ処理を行い、復号音声信号を出力する合成フィ
ルタである。
【0081】以上のように構成された復号器について、
以下にその動作を図4を参照しながら説明する。符号器
側から伝送されてきたLPC情報LはLPC復号器40
1によって復号される、復号LPCはqaとして出力さ
れ、合成フィルタ409を構成するのに用いられる。符
号器側から伝送されてきたピッチ周期Pは適応符号ベク
トル復号器402に入力される。Pを用いて適応符号ベ
クトルが適応符号帳403から切り出されて復号適応符
号ベクトルとして音源生成器408に出力される。符号
器側から伝送されてきた雑音符号帳インデックスSは雑
音符号ベクトル復号器に入力され、Sを用いて雑音符号
ベクトルが雑音符号帳405から取り出されて音源生成
器408に出力される。符号器側から伝送されてきた利
得符号帳インデックスGは利得復号器406に入力さ
れ、Gを用いて量子化利得が利得符号帳407から取り
出され適応符号帳利得と雑音符号帳利得が復号されて音
源生成器408に出力される。音源生成器408は適応
符号ベクトル復号器402から出力された適応符号ベク
トルに利得復号器406から出力された適応符号帳利得
とを乗算したベクトルと、雑音符号ベクトル復号器40
4から出力された雑音符号ベクトルと利得復号器406
から出力された雑音符号帳利得とを乗算したベクトルと
の加算を行い、合成フィルタ409に出力する。合成フ
ィルタ409に出力された復号音源ベクトルは同時に適
応符号帳403にも出力され、次のサブフレームで用い
る適応符号帳の一部となる。合成フィルタ409は音源
生成器408から出力された復号音源ベクトルを入力と
してqaを用いて構成した合成フィルタを用いて復号音
声を合成し、出力する。
【0082】このように上記実施の形態によれば、入力
信号の中から連続して符号化歪みが大きいような部分を
選んで利得を減衰させるため、非音声信号のように符号
化歪みが大きくなる信号が連続するような背景雑音部等
を雑音抑圧装置等を用いずに抑圧し、抑圧しない場合に
発生する聴覚的な不快感を軽減することができる音声符
号化装置および音声符号化復号化装置を実現することが
出来る。
【0083】また、判定を誤って音声部分に対して減衰
処理が適応された場合においても、減衰係数の変動が緩
衝されているため大きな不快感はなく、単に振幅レベル
が小さくなるだけなので、音色に対しては影響がほとん
どない。
【0084】なお、本実施の形態においては、ピッチ探
索、雑音符号帳探索、利得符号帳探索をフレーム単位で
行うように示したが、1フレームを複数のサブフレーム
に分割してサブフレーム単位の処理で行う場合も同様で
ある。
【0085】また、復号化装置において合成された復号
音声は、後処理を加えることによって聴覚的な品質を向
上することができる。
【0086】なお、本実施例では減衰係数110と乗算
器111を有する部分に特徴があるので、図1のその他
のブロックについてはどのような構成であっても良く、
図1に示した構成以外のCELP型音声符号化装置に対
して適用できるものである。
【0087】(実施の形態2)図5は上記実施の形態1
の音声符号化装置、復号化装置を備えた音声信号送信機
および受信機を示したブロック図である。図5におい
て、501はマイク等音声信号を電気的信号に変換して
A/D変換器502に出力する音声信号入力装置、50
2は音声信号入力装置から出力されたアナログ音声信号
をディジタル信号に変換して音声符号化器503に出力
するA/D変換器、503は本発明の第1の実施の形態
の音声符号化装置によって音声符号化を行ってRF変調
器504に出力する音声符号化器、504は音声符号化
器503によって符号化された音声情報を電波等の伝播
媒体に載せて送出するための信号に変換し、送信アンテ
ナ505に出力するRF変調器、505はRF変調器5
04から出力された送出信号を電波(RF信号)として
送出する送信アンテナ、506は送信アンテナ505か
ら送出された電波(RF信号)である。また、507は
電波(RF信号)506を受信してRF変調器508に
出力する受信アンテナ、508は受信アンテナ507か
ら入力した受信信号を符号化された音声信号に変換して
音声復号化器509へ出力するRF復調器、509はR
F復調器から出力された符号化された音声信号を入力と
して本発明の第1の実施の形態に示される音声復号化装
置によって復号処理を行い、復号音声信号をD/A変換器
510に出力する音声復号化器、510は音声復号化器
509から復号音声信号を入力してアナログ音声信号に
変換し、音声出力装置511に出力するD/A変換器、
511はD/A変換器510からアナログ音声信号を入
力して音声を出力するスピーカ等の音声出力装置であ
る。
【0088】以上のように構成された音声信号送信機お
よび受信機について、図5を参照して説明する。まず、
音声が音声入力装置501によって電気的アナログ信号
に変換され、A/D変換器502に出力される。続いて
前記アナログ音声信号がA/D変換器502によってデ
ィジタル音声信号に変換され、音声符号化器503に出
力される。続いて音声符号化器503は音声符号化処理
を行い、符号化した情報をRF変調器504に出力す
る。続いてRF変調器は符号化された音声信号の情報を
変調・増幅・符号拡散等の電波として送出するための操
作を行い、送信アンテナ505に出力する。最後に送信
アンテナ505から電波(RF信号)506が送出され
る。一方、受信機においては、電波(RF信号)506
を受信アンテナ507で受信し、受信信号はRF復調器
508に送られる。RF復調器508は符号逆拡散・復
調等電波信号を符号化情報に変換するための処理を行
い、符号化情報を音声復号化器509に出力する。音声
復号化器509は、符号化情報の復号処理を行ってディ
ジタル復号音声信号をD/A変換器510へ出力する。
D/A変換器510は音声復号化器509から出力され
たディジタル復号音声信号をアナログ復号音声信号に変
換して音声出力装置511に出力する。最後に音声出力
装置511が電気的アナログ復号音声信号を復号音声に
変換して出力する。
【0089】上記送信装置および受信装置は携帯電話等
の移動通信機器の移動機または基地局装置として利用す
ることが可能である。
【0090】なお、情報を伝送する媒体は本実施の形態
に示したような電波に限らず、光信号などを利用するこ
とも可能であり、さらには有線の伝送路を使用すること
も可能である。
【0091】なお、上記実施の形態1に示した音声符号
化装置または符号化復号化装置および上記実施の形態2
に示した送信装置および送受信装置と同等の機能を提供
するプログラムを、磁気ディスク、光磁気ディスク、R
OMカートリッジ等の記録媒体にソフトウェアとして記
録する。その記録媒体を使用することにより、このよう
な記録媒体を使用するパーソナルコンピュータ等により
音声符号化装置/復号化装置および送信装置/受信装置
を実現するとができる。
【0092】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、符
号化歪みが大きくなるような背景雑音等の非音声部分に
おいて合成信号の振幅を減衰させる機能を符号器側の利
得符号化手段の前段に設けているため、新たな伝送情報
を要せずに背景雑音等の抑圧を行い、符号化歪みの大き
い信号を生成する際に生じる聴覚的な不快感を軽減する
ことができるものである。
【0093】また本発明によれば、上記音声符号化装置
または音声符号化復号化装置を音声符号化器または音声
符号化復号化器として備えることにより、より背景雑音
の不快感を軽減できる音声信号送信装置または送受信装
置を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における音声符号化装置
の構成を示すブロック図
【図2】実施の形態1における減衰係数算出器の構成を
示すブロック図
【図3】実施の形態1における減衰係数算出器の処理の
流れを示す流れ図
【図4】実施の形態1における音声復号化装置の構成を
示すブロック図
【図5】本発明の実施の形態2における音声信号送信装
置および受信装置の構成を示すブロック図
【符号の説明】
101 入力バッファ 102 LPC分析器 103 逆フィルタ 104 ターゲット算出器 105 LPC量子化器 106 ピッチ候補選択器 107 閉ループピッチ探索器 108 雑音符号帳探索器 109 利得符号帳探索器 110 減衰係数算出器 111 乗算器 112 フィルタ状態更新器 113 音源生成器 114 インパルス応答算出器 115 適応符号帳 116 雑音符号帳 117 利得符号帳 201 最適利得算出器 202 歪み算出器 203 切換スイッチ 204 第1の平滑化フィルタ 205 第2の平滑化フィルタ 206 切換スイッチ 207 減衰係数決定器

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 適応符号帳成分及び雑音符号帳成分の振
    幅を符号化する前段で、符号化対象とするターゲットベ
    クトルの振幅を制御することを特徴とする音声符号化装
    置。
  2. 【請求項2】 入力音声信号の中から連続して大きな符
    号化歪みが現われる部分を選んでターゲットベクトルの
    利得を減衰させることを特徴とする請求項1記載の音声
    符号化装置。
  3. 【請求項3】 符号化対象とするターゲットベクトルに
    ついての符号化歪みを算出する歪み算出器と、算出され
    た符号化歪みの大きさに応じて前記ターゲットベクトル
    の減衰係数を決定する減衰係数決定器と、決定された減
    衰係数を前記ターゲットベクトルに乗算する乗算器とを
    具備する請求項1又は請求項2に記載の音声符号化装
    置。
  4. 【請求項4】 各々異なる強度で符号化歪みを平滑化す
    る複数の平滑化フィルタと、前記歪み算出器の算出した
    符号化歪みの大きさに応じて当該符号化歪みを平滑化す
    る平滑化フィルタを切り替える第1のスイッチとを備
    え、平滑化された符号化歪みを前記減衰係数決定器へ入
    力することを特徴とする請求項3記載の音声符号化装
    置。
  5. 【請求項5】 減衰係数がフレーム間で最大値から最小
    値の間で徐々に変化するように制御することを特徴とす
    る請求項3又は請求項4に記載の音声符号化装置。
  6. 【請求項6】 音声信号を電気的信号に変換する音声入
    力装置と、前記音声入力信号装置から出力される信号を
    ディジタル信号に変換するA/D変換器と、前記A/D
    変換器から出力されるディジタル信号を符号する請求項
    1から請求項5のいずれかに記載の音声符号化装置と、
    前記音声符号化装置から出力される符号化情報に対して
    変調処理を行うRF変調器と、前記RF変調器から出力
    された信号を電波(RF信号)として送信する送信アン
    テナと、を備える音声信号送信装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の音声符号化装置とCELP型音声復号化装置とからな
    り、前記CELP型音声復号化装置は、スペクトル特性
    を表すパラメータの符号化情報を復号化する手段と、過
    去に生成した駆動音源ベクトルを格納した適応符号帳を
    用いて適応符号ベクトルを復号化する手段と、予め定め
    られた数の定められた駆動音源ベクトルを格納する雑音
    符号帳を用いて雑音符号ベクトルを復号化する手段と、
    適応符号帳成分と雑音符号帳成分の振幅を復号化する手
    段と、復号化されたスペクトルパラメータと駆動音源信
    号によって復号音声信号を合成する手段とを具備する音
    声符号化復号化装置。
  8. 【請求項8】 受信電波を受信する受信アンテナと、前
    記アンテナで受信した信号の復調処理を行うRF復調器
    と、前記RF復調器によって得られた情報の復号化処理
    を行う請求項7記載の音声符号化復号化装置と、前記音
    声符号化復号化装置によって復号されたディジタル音声
    信号のD/A変換を行うD/A変換器と、前記D/A変
    換器によって出力される電気的信号を音声信号に変換す
    る音声出力装置とを具備する音声信号受信装置。
  9. 【請求項9】 請求項1から請求項5のいずれかに記載
    の音声符号化装置を備えたことを特徴とする移動局装
    置。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項5のいずれかに記
    載の音声符号化装置を備えたことを特徴とする基地局装
    置。
  11. 【請求項11】 音声のスペクトル特性を表すパラメー
    タを符号化し、過去に生成した駆動音源ベクトルを格納
    した適応符号帳を用いて駆動音源の周期性を符号化し、
    予め定められた数の定められた駆動音源ベクトルを格納
    する雑音符号帳を用いて前記適応符号帳では表せない駆
    動音源成分を符号化し、適応符号帳成分と雑音符号帳成
    分の振幅を符号化し、これらの符号化情報によって入力
    音声信号を表現するCELP型音声符号化方法であっ
    て、前記振幅を符号化する直前に符号化された適応符号
    帳成分と雑音符号帳成分と符号化対象としているターゲ
    ットとを用いてターゲットの振幅調整を行うことを特徴
    とする音声符号化方法。
  12. 【請求項12】 符号化された適応符号帳成分と雑音符
    号帳成分から合成される信号と、符号化対象とされてい
    る入力信号との歪みを算出し、算出された前記歪みのフ
    レーム間における変動を平滑化するための処理を行い、
    前記平滑化処理後の前記歪みを用いて前記符号化対象と
    されている入力信号の振幅を減衰させる係数を決定する
    ことを特徴とする請求項12に記載の音声符号化方法。
  13. 【請求項13】 コンピュータに、 音声のスペクトル特性を表すパラメータを符号化する手
    順と、 過去に生成した駆動音源ベクトルを格納した適応符号帳
    を用いて駆動音源の周期性を符号化する手順と、 予め定められた数の定められた駆動音源ベクトルを格納
    する雑音符号帳を用いて前記適応符号帳では表せない駆
    動音源成分を符号化する手順と、 適応符号帳成分と雑音符号帳成分の振幅を符号化する手
    順と、 前記振幅を符号化する直前に符号化された適応符号帳成
    分と雑音符号帳成分と符号化対象としているターゲット
    とを用いてターゲットの振幅調整する手順と、を実行さ
    せるためのプログラムを記録した機械読取可能な記録媒
    体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6799161B2 (en) * 1998-06-19 2004-09-28 Oki Electric Industry Co., Ltd. Variable bit rate speech encoding after gain suppression
US7024354B2 (en) 2000-11-06 2006-04-04 Nec Corporation Speech decoder capable of decoding background noise signal with high quality
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