JP4734286B2 - 音声符号化装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ディジタル通信システムにおいて使用される音声符号化装置に関する。
携帯電話などのディジタル移動通信の分野では、加入者の増加に対処するために低ビットレートの音声の圧縮符号化法が求められており、各研究機関において研究開発が進んでいる。
日本国内においては、モトローラ社が開発したビットレート11.2kbpsのVSELPという符号化法がディジタル携帯電話用の標準符号化方式として採用され、同方式を搭載したディジタル携帯電話は1994年秋から国内において発売されている。
また、NTT移動通信網株式会社の開発したビットレート5.6kbpsのPSI−CELPという符号化方式が現在製品化されている。これらの方式はいずれもCELP(Code Exited Linear Prediction: 非特許文献1に記載されている)という方式を改良したものである。
このCELP方式は、音声を音源情報と声道情報とに分離し、音源情報については符号帳に格納された複数の音源サンプルのインデクスによって符号化し、声道情報についてはLPC(線形予測係数)を符号化するということ及び音源情報符号化の際に声道情報を加味して入力音声とを比較することを行う方法(A−b−S:Analysis by Synthesis)を採用していることに特徴がある。
このCELP方式においては、まず、入力された音声データ(入力音声)に対して自己相関分析とLPC分析を行ってLPC係数を得て、得られたLPC係数の符号化を行ってLPC符号を得る。さらに、得られたLPC符号を復号化して復号化LPC係数を得る。一方、入力音声は、LPC係数を用いた聴感重み付けフィルタを用いて聴感重み付けされる。
適応符号帳と確率的符号帳に格納された音源サンプル(それぞれ適応コードベクトル(又は適応音源)、確率的コードベクトル(又は、確率的音源)と呼ぶ)のそれぞれのコードベクトルに対して、得られた復号化LPC係数によってフィルタリングを行い、2つの合成音を得る。
そして、得られた2つの合成音と、聴感重み付けされた入力音声との関係を分析し、2つの合成音の最適値(最適ゲイン)を求め、求められた最適ゲインによって合成音をパワー調整し、それぞれの合成音を加算して総合合成音を得る。その後、得られた総合合成音と入力音声との間の符号化歪みを求める。このようにして、全ての音源サンプルに対して総合合成音と入力音声との間の符号化歪みを求め、符号化歪みが最も小さいときの音源サンプルのインデクスを求める。
このようにして得られたゲイン及び音源サンプルのインデクスを符号化し、これらの符号化されたゲイン及び音源サンプルをLPC符号と共に伝送路に送る。また、ゲイン符号と音源サンプルのインデクスに対応する2つの音源から実際の音源信号を作成し、それを適応符号帳に格納すると同時に古い音源サンプルを破棄する。
なお、一般的には、適応符号帳と確率的符号帳に対する音源探索は、分析区間をさらに細かく分けた区間(サブフレームと呼ばれる)で行われる。
ゲインの符号化(ゲイン量子化)は、音源サンプルのインデクスに対応する2つの合成音を用いてゲインの量子化歪を評価するベクトル量子化(VQ)によって行われる。
このアルゴリズムにおいては、予めパラメータベクトルの代表的サンプル(コードベクトル)が複数格納されたベクトル符号帳を作成しておく。次いで、聴感重み付けした入力音声と、適応音源及び確率的音源を聴感重み付けLPC合成したものとに対して、ベクトル符号帳に格納されたゲインコードベクトルを用いて符号化歪を下記式1により計算する。
Figure 0004734286
式1
ここで、
n:n番のゲインコードベクトルを用いたときの符号化歪み
i:聴感重み付け音声
i:聴感重み付けLPC合成済み適応音源
i:聴感重み付けLPC合成済み確率的音源
n:コードベクトルの要素(適応音源側のゲイン)
n:コードベクトルの要素(確率的音源側のゲイン)
n :コードベクトルの番号
i :音源データのインデクス
I :サブフレーム長(入力音声の符号化単位)
次いで、ベクトル符号帳を制御することによって各コードベクトルを用いたときの歪Enを比較し、最も歪の小さいコードベクトルの番号をベクトルの符号とする。また、ベクトル符号帳に格納された全てのコードベクトルの中で最も歪みが小さくなるコードベクトルの番号を求め、これをベクトルの符号とする。
上記式1は一見して各n毎に多くの計算を必要とするように見えるが、予めiについての積和を計算しておけばよいので、少ない計算量でnの探索を行うことができる。
一方、音声復号化装置(デコーダ)では、伝送されてきたベクトルの符号に基づいてコードベクトルを求めることによって符号化されたデータを復号化してコードベクトルを得る。
また、上記アルゴリズムを基本として、従来よりさらなる改良がなされてきた。例えば、人間の音圧の聴覚特性が対数であることを利用し、パワを対数化して量子化し、そのパワで正規化した2つのゲインをVQする。この方法は、日本国PDCハーフレートコーデックの標準方式で用いられている方法である。また、ゲインパラメータのフレーム間相関を利用して符号化する方法(予測符号化)がある。この方法は、ITU−T国際標準G.729で用いられている方法である。しかしながら、これらの改良によっても十分な性能を得ることができていない。
M.R.Schroeder "High Quality Speech at Low Bit Rates" Proc.ICASSP'85 pp.937-940
これまで人間の聴覚特性やフレーム間相関を利用したゲイン情報符号化法が開発され、ある程度効率の良いゲイン情報の符号化が可能になった。特に、予測量子化によって性能は大きく向上したが、その従来法では、状態としての値として以前のサブフレームの値をそのまま用いて予測量子化を行っていた。しかしながら、状態として格納される値の中には、極端に大きな(小さな)値をとるものがあり、その値を次のサブフレームに用いると、次のサブフレームの量子化がうまくいかず、局所的異音になる場合がある。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、局所的異音を生じることなく音声符号化を行うことができるCELP型音声符号化装置を提供することを目的とする。
本発明は、1つのフレームを複数のサブフレームに分解して符号化を行うCELP型音声符号化装置であって、適応符号帳及び確率的符号帳に格納された適応音源及び確率的音源に対して、入力音声から求めたLPC係数を用いてフィルタリングすることにより、合成音を得るLPC合成手段と、前記適応音源及び前記確率的音源のゲインを求めるゲイン演算手段と、前記入力音声と前記合成音との間の符号化歪みを用いて求められた適応音源及び確率的音源、並びに前記ゲインのベクトル量子化を行うパラメータ符号化手段と、フレームの最初のサブフレームの適応符号帳探索を行う前に、前記複数のサブフレームに対して前記入力音声の自己相関係数とパワ成分とを求め、前記自己相関係数と前記パワ成分とを用いて最もピッチ周期に近似する値を代表ピッチ周期として算出するピッチ分析手段と、前記自己相関係数、前記パワ成分及び前記代表ピッチ周期を用いて、ラグの探索範囲の中心となる仮ピッチを求め、前記仮ピッチの前後の指定の範囲を前記複数のサブフレームのラグの探索範囲として設定する探索範囲設定手段と、を備え、前記適応符号帳探索は、前記ラグの探索範囲に対して行われる構成を採る。
本発明によれば、第2サブフレームの探索の時に第2サブフレームの仮ピッチ付近を探索できるので、フレームの後半から音声が始まる場合などの非定常なフレームでも、第1,第2サブフレームにおいて適当なラグ探索が可能になり、局所的異音を生じることなく音声符号化を行うことができる。
以下、本発明の実施の形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1,2に係る音声符号化装置を備えた無線通信装置の構成を示すブロック図である。
この無線通信装置において、送信側で音声がマイクなどの音声入力装置11によって電気的アナログ信号に変換され、A/D変換器12に出力される。アナログ音声信号は、A/D変換器12によってディジタル音声信号に変換され、音声符号化部13に出力される。音声符号化部13は、ディジタル音声信号に対して音声符号化処理を行い、符号化した情報を変復調部14に出力する。変復調部14は、符号化された音声信号をディジタル変調して、無線送信部15に送る。無線送信部15では、変調後の信号に所定の無線送信処理を施す。この信号は、アンテナ16を介して送信される。なお、プロセッサ21は、適宜RAM22及びROM23に格納されたデータを用いて処理を行う。
一方、無線通信装置の受信側では、アンテナ16で受信した受信信号は、無線受信部17で所定の無線受信処理が施され、変復調部14に送られる。変復調部14では、受信信号に対して復調処理を行い、復調後の信号を音声復号化部18に出力する。音声復号化部18は、復調後の信号に復号処理を行ってディジタル復号音声信号を得て、そのディジタル復号音声信号をD/A変換器19へ出力する。D/A変換器19は、音声復号化部18から出力されたディジタル復号音声信号をアナログ復号音声信号に変換してスピーカなどの音声出力装置20に出力する。最後に音声出力装置20が電気的アナログ復号音声信号を復号音声に変換して出力する。
ここで、音声符号化部13及び音声復号化部18は、RAM22及びROM23に格納された符号帳を用いてDSPなどのプロセッサ21により動作する。また、これらの動作プログラムは、ROM23に格納されている。
図2は、本発明の実施の形態1に係るCELP型音声符号化装置の構成を示すブロック図である。この音声符号化装置は、図1に示す音声符号化部13に含まれている。なお、図2に示す適応符号帳103は図1に示すRAM22に格納されており、図2に示す確率的符号帳104は図1に示すROM23に格納されている。
図2に示す音声符号化装置においては、LPC分析部102において、入力された音声データ(入力音声)101に対して自己相関分析及びLPC分析を行ってLPC係数を得る。また、LPC分析部102では、得られたLPC係数の符号化を行ってLPC符号を得る。さらに、LPC分析部102では、得られたLPC符号を復号化して復号化LPC係数を得る。入力された音声データ101は、聴感重み付け部107に送られ、そこで上記LPC係数を用いた聴感重み付けフィルタを用いて聴感重み付けされる。
次に、音源作成部105において、適応符号帳103に格納された音源サンプル(適応コードベクトル又は適応音源)と確率的符号帳104に格納された音源サンプル(確率的コードベクトル又は、確率的音源)を取り出し、それぞれのコードベクトルを聴感重みLPC合成部106へ送る。さらに、聴感重みLPC合成部106において、音源作成部105で得られた2つの音源に対して、LPC分析部102で得られた復号化LPC係数によってフィルタリングを行い、2つの合成音を得る。
なお、聴感重みLPC合成部106においては、LPC係数や高域強調フィルタや長期予測係数(入力音声の長期予測分析を行うことによって得られる)を用いた聴感重み付けフィルターを併用してそれぞれの合成音に対して聴感重み付けLPC合成を行う。
聴感重みLPC合成部106は、2つの合成音をゲイン演算部108に出力する。ゲイン演算部108は、図3に示す構成を有する。ゲイン演算部108においては、聴感重みLPC合成部106で得られた2つの合成音及びを聴感重み付けされた入力音声を分析部1081に送り、そこで2つの合成音と入力音声との関係を分析し、2つの合成音の最適値(最適ゲイン)を求める。この最適ゲインは、パワ調整部1082に出力される。
パワ調整部1082では、求められた最適ゲインによって2つの合成音をパワ調整する。パワ調整された合成音は、合成部1083に出力されて、そこで加算されて総合合成音となる。この総合合成音は、符号化歪算出部1084に出力される。符号化歪算出部1084では、得られた総合合成音と入力音声との間の符号化歪みを求める。
符号化歪算出部1084は、音源作成部105を制御して、適応符号帳103及び確率的符号帳104の全ての音源サンプルを出力させ、全ての音源サンプルに対して総合合成音と入力音声との間の符号化歪みを求め、符号化歪みが最も小さいときの音源サンプルのインデクスを求める。
次に、分析部1081は、音源サンプルのインデクス、そのインデクスに対応する2つの聴感重み付けLPC合成された音源、及び入力音声をパラメータ符号化部109に送る。
パラメータ符号化部109では、ゲインの符号化を行うことによってゲイン符号を得、LPC符号、音源サンプルのインデクスをまとめて伝送路へ送る。また、ゲイン符号とインデクスに対応する2つの音源から実際の音源信号を作成し、それを適応符号帳103に格納すると同時に古い音源サンプルを破棄する。なお、一般的には、適応符号帳と確率的符号帳に対する音源探索は、分析区間をさらに細かく分けた区間(サブフレームと呼ばれる)で行われる。
ここで、上記構成を有する音声符号化装置のパラメータ符号化部109のゲイン符号化の動作について説明する。図4は、本発明の音声符号化装置のパラメータ符号化部の構成を示すブロック図である。
図4において、聴感重み付け入力音声(Xi)、聴感重み付けLPC合成済み適応音源(Ai)、及び聴感重み付けLPC合成済み確率的音源(Si)がパラメータ計算部1091に送られる。パラメータ計算部1091では、符号化歪計算に必要なパラメータを計算する。パラメータ計算部1091で計算されたパラメータは、符号化歪計算部1092に出力され、そこで符号化歪が計算される。この符号化歪は、比較部1093に出力される。比較部1093では、符号化歪計算部1092及びベクトル符号帳1094を制御して、得られた符号化歪から最も適当とされる符号(復号化ベクトル)を求め、この符号を基にベクトル符号帳1094から得られるコードベクトルを復号化ベクトル格納部1096に出力し、復号化ベクトル格納部1096を更新する。
予測係数格納部1095は、予測符号化に用いる予測係数を格納する。この予測係数はパラメータ計算及び符号化歪計算に用いられるために、パラメータ計算部1091及び符号化歪計算部1092に出力される。復号化ベクトル格納部1096は、予測符号化のために状態を格納する。この状態は、パラメータ計算に用いられるため、パラメータ計算部1091に出力される。ベクトル符号帳1094は、コードベクトルを格納する。
次に、本発明に係るゲイン符号化方法のアルゴリズムについて説明する。
予め、量子化対象ベクトルの代表的サンプル(コードベクトル)が複数格納されたベクトル符号帳1094を作成しておく。各ベクトルは、ACゲイン、SCゲインの対数値に対応する値、及びSCの予測係数の調整係数の3つの要素からなる。
この調整係数は、以前のサブフレームの状態に応じて予測係数を調整する係数である。具体的には、この調整係数は、以前のサブフレームの状態が極端に大きな値又は極端に小さな値である場合に、その影響を小さくするように設定される。この調整係数は、多数のベクトルサンプルを用いた本発明者らが開発した学習アルゴリズムにより求めることが可能である。ここでは、この学習アルゴリズムについての説明は省略する。
例えば、有声音に多くの頻度で用いるコードベクトルは調整係数を大きく設定する。すなわち、同じ波形が並んでいる場合には、以前のサブフレームの状態の信頼性が高いので調整係数を大きくして、以前のサブフレームの予測係数をそのまま利用できるようにする。これにより、より効率的な予測を行うことができる。
一方、語頭などに使用するあまり使用頻度の少ないコードベクトルは調整係数を小さくする。すなわち、前の波形と全然違う場合には、以前のサブフレームの状態の信頼性が低い(適応符号帳が機能しないと考えられる)ので、調整係数を小さくして、以前のサブフレームの予測係数の影響を小さくする。これにより、次の予測の弊害を防いで良好な予測符号化を実現することができる。
このように、各コードベクトル(状態)に応じて予測係数を制御することにより、これまでの予測符号化の性能をさらに向上させることができる。
また、予測係数格納部1095には、予測符号化を行うための予測係数を格納しておく。この予測係数はMA(moving average)の予測係数でACとSCの2種類を予測次数分格納する。これらの予測係数値は、一般に、予め多くのデータを用いた学習により求めておく。また、復号化ベクトル格納部1096には、初期値として無音状態を示す値を格納しておく。
次に、符号化方法について詳細に説明する。まず、パラメータ計算部1091に聴感重み付け入力音声(Xi)、聴感重み付けLPC合成済み適応音源(Ai)、聴感重み付けLPC合成済み確率的音源(Si)を送り、さらに復号化ベクトル格納部1096に格納された復号化ベクトル(AC、SC、調整係数)、予測係数格納部1095に格納された予測係数(AC、SC)を送る。これらを用いて符号化歪計算に必要なパラメータを計算する。
符号化歪計算部1092における符号化歪計算は、下記式2にしたがって行う。
Figure 0004734286
式2
ここで、
an,Gsn:復号化ゲイン
n:n番のゲインコードベクトルを用いたときの符号化歪み
i:聴感重み付け音声
i:聴感重み付けLPC合成済み適応音源
i:聴感重み付けLPC合成済み確率的音源
n :コードベクトルの番号
i :音源ベクトルのインデクス
I :サブフレーム長(入力音声の符号化単位)
この場合、演算量を少なくするために、パラメータ計算部1091では、コードベクトルの番号に依存しない部分の計算を行う。計算しておくものは、上記予測ベクトルと3つの合成音(Xi,Ai,Si)間の相関、パワである。この計算は、下記式3にしたがって行う。
Figure 0004734286
式3
xx,Dxa,Dxs,Daa,Das,Dss:合成音間の相関値、パワ
i:聴感重み付け音声
i:聴感重み付けLPC合成済み適応音源
i:聴感重み付けLPC合成済み確率的音源
n :コードベクトルの番号
i :音源ベクトルのインデクス
I :サブフレーム長(入力音声の符号化単位)
また、パラメータ計算部1091では、復号化ベクトル格納部1096に格納された過去のコードベクトルと、予測係数格納部1095に格納された予測係数を用いて下記式4に示す3つの予測値を計算しておく。
Figure 0004734286
式4
ここで、
ra:予測値(ACゲイン)
rs:予測値(SCゲイン)
sc:予測値(予測係数)
αm:予測係数(ACゲイン、固定値)
βm:予測係数(SCゲイン、固定値)
am:状態(過去のコードベクトルの要素、ACゲイン)
sm:状態(過去のコードベクトルの要素、SCゲイン)
cm:状態(過去のコードベクトルの要素、SC予測係数調整係数)
m:予測インデクス
M:予測次数
上記式4から分かるように、Prs、Pscについては、従来と異なり調整係数が乗算されている。したがって、SCゲインの予測値及び予測係数については、調整係数により、以前のサブフレームにおける状態の値が極端に大きいか小さい場合に、それを緩和する(影響を小さくする)ことができる。すなわち、状態に応じて適応的にSCゲインの予測値及び予測係数を変化させることが可能となる。
次に、符号化歪計算部1092において、パラメータ計算部1091で計算した各パラメータ、予測係数格納部1095に格納された予測係数、及びベクトル符号帳1094に格納されたコードベクトルを用いて、下記式5にしたがって符号化歪を算出する。
Figure 0004734286
式5
ここで、
n:n番のゲインコードベクトルを用いたときの符号化歪み
xx,Dxa,Dxs,Daa,Das,Dss:合成音間の相関値、パワ
an,Gsn:復号化ゲイン
ra:予測値(ACゲイン)
rs:予測値(SCゲイン)
ac:予測係数の和(固定値)
sc:予測係数の和(上記式4で算出)
an,Csn,Ccn:コードベクトル、Ccnは予測係数調整係数であるがここでは使用しない
n:コードベクトルの番号
なお、実際にはDxxはコードベクトルの番号nに依存しないので、その加算を省略することができる。
次いで、比較部1093は、ベクトル符号帳1094と符号化歪計算部1092を制御し、ベクトル符号帳1094に格納された複数のコードベクトルの中で符号化歪計算部1092にて算出された符号化歪みの最も小さくなるコードベクトルの番号を求め、これをゲインの符号とする。また、得られたゲインの符号を用いて復号化ベクトル格納部1096の内容を更新する。更新は、下記式6にしたがって行う。
Figure 0004734286
式6
ここで、
am,Ssm,Scm:状態ベクトル(AC、SC、予測係数調整係数)
m:予測インデクス
M:予測次数
J:比較部で求められた符号
式4から式6までで分かるように、本実施の形態では、復号化ベクトル格納部1096で状態ベクトルScmを格納しておいて、この予測係数調整係数を用いて予測係数を適応的に制御している。
図5は、本発明の実施の形態の音声復号化装置の構成を示すブロック図である。この音声復号化装置は、図1に示す音声復号化部18に含まれている。なお、図5に示す適応符号帳202は図1に示すRAM22に格納されており、図5に示す確率的符号帳203は図1に示すROM23に格納されている。
図5に示す音声復号化装置において、パラメータ復号化部201は、伝送路から、符号化された音声信号を得ると共に、各音源符号帳(適応符号帳202、確率的符号帳203)の音源サンプルの符号、LPC符号、及びゲイン符号を得る。そして、LPC符号から復号化されたLPC係数を得て、ゲイン符号から復号化されたゲインを得る。
そして、音源作成部204は、それぞれの音源サンプルに復号化されたゲインを乗じて加算することによって復号化された音源信号を得る。この際、得られた復号化された音源信号を、音源サンプルとして適応符号帳204へ格納し、同時に古い音源サンプルを破棄する。そして、LPC合成部205では、復号化された音源信号に復号化されたLPC係数によるフィルタリングを行うことによって、合成音を得る。
また、2つの音源符号帳は、図2に示す音声符号化装置に含まれるもの(図2の参照符号103,104)と同様のものであり、音源サンプルを取り出すためのサンプル番号(適応符号帳への符号と確率的符号帳への符号)は、いずれもパラメータ復号化部201から供給される。
このように、本実施の形態の音声符号化装置では、各コードベクトルに応じて予測係数を制御することが可能になり、音声の局所的特徴により適応したより効率的な予測や、非定常部における予測の弊害を防ぐことが可能になり、従来得られなかった格別の効果を得ることができる。
(実施の形態2)
音声符号化装置において、上述したように、ゲイン演算部では、音源作成部から得られた適応符号帳、確率的符号帳の全ての音源について合成音と入力音声との間の比較を行う。このとき、演算量の都合上、通常は2つの音源(適応符号帳と確率的符号帳)はオープンループに探索される。以下、図2を参照して説明する。
このオープンループ探索においては、まず、音源作成部105は適応符号帳103からのみ音源候補を次々に選び、聴感重みLPC合成部106を機能させて合成音を得て、ゲイン演算部108へ送り、合成音と入力音声との間の比較を行って最適な適応符号帳103の符号を選択する。
次いで、上記適応符号帳103の符号を固定して、適応符号帳103からは同じ音源を選択し、確率的符号帳104からはゲイン演算部108の符号に対応した音源を次々に選択して聴感重みLPC合成部106へ伝送する。ゲイン演算部108で両合成音の和と入力音声との間の比較を行って確率的符号帳104の符号を決定する。
このアルゴリズムを用いた場合、全ての符号帳の符号をそれぞれに対して全て探索するよりは符号化性能は若干劣化するが、計算量は大幅に削減される。このため一般にはこのオープンループ探索が用いられる。
ここで、従来のオープンループの音源探索の中で代表的なアルゴリズムについて説明する。ここでは、1つの分析区間(フレーム)に対して2つのサブフレームで構成する場合の音源探索手順について説明する。
まず、ゲイン演算部108の指示を受けて、音源作成部105は適応符号帳103から音源を引出して聴感重みLPC合成部106へ送る。ゲイン演算部108において、合成された音源と第1サブフレームの入力音声との間の比較を繰り返して最適な符号を求める。ここで、適応符号帳の特徴を示す。適応符号帳は過去において合成に使用した音源である。そして、符号は、図6に示すようにタイムラグに対応している。
次に、適応符号帳103の符号が決まった後に、確率的符号帳の探索を行う。音源作成部105は適応符号帳103の探索で得られた符号の音源とゲイン演算部108で指定された確率的符号帳104の音源とを取り出して聴感重みLPC合成部106へ送る。そして、ゲイン演算部108において、聴感重み付け済みの合成音と聴感重み付け済みの入力音声との間の符号化歪みを計算し、最も適当な(二乗誤差が最小となるもの)確率的音源104の符号を決める。1つの分析区間(サブフレームが2の場合)での音源符号探索の手順を以下に示す。
1)第1サブフレームの適応符号帳の符号を決定
2)第1サブフレームの確率的符号帳の符号を決定
3)パラメータ符号化部109でゲインを符号化し、復号化ゲインで第1サブフレームの音源を作成し、適応符号帳103を更新する。
4)第2サブフレームの適応符号帳の符号を決定
5)第2サブフレームの確率的符号帳の符号を決定
6)パラメータ符号化部109でゲインを符号化し、復号化ゲインで第2サブフレームの音源を作成し、適応符号帳103を更新する。
上記アルゴリズムによって効率よく音源の符号化を行うことができる。しかしながら、最近では、さらなる低ビットレート化を目指し、音源のビット数を節約する工夫が行われている。特に注目されているのは、適応符号帳のラグに大きな相関があることを利用して、第1サブフレームの符号はそのままで、第2サブフレームの探索範囲を第1サブフレームのラグの近くに狭めて(エントリ数を減らして)ビット数を少なくするというアルゴリズムである。
このアルゴリズムでは、分析区間(フレーム)の途中から音声が変化する場合や、2つのサブフレームの様子が大きく異なる場合には局所的劣化を引き起こすことが考えられる。
本実施の形態では、符号化の前に2つのサブフレーム両方についてピッチ分析を行って相関値を算出し、得られた相関値に基づいて2つのサブフレームのラグの探索範囲を決定する探索方法を実現する音声符号化装置を提供する。
具体的には、本実施の形態の音声符号化装置は、1つのフレームを複数のサブフレームに分解してそれぞれを符号化するCELP型符号化装置において、最初のサブフレームの適応符号帳探索の前に、フレームを構成する複数のサブフレームのピッチ分析を行って相関値を算出するピッチ分析部と、上記ピッチ分析部がフレームを構成する複数のサブフレームの相関値を算出すると共に、その相関値の大小から各サブフレームで最もピッチ周期らしい値(代表ピッチと呼ぶ)を求め、ピッチ分析部にて得られた相関値と代表ピッチとに基づいて複数のサブフレームのラグの探索範囲を決定する探索範囲設定部と、を備えることを特徴としている。
そして、この音声符号化装置では、探索範囲設定部において、ピッチ分析部で得た複数のサブフレームの代表ピッチと相関値を利用して探索範囲の中心となる仮のピッチ(仮ピッチと呼ぶ)を求め、探索範囲設定部において、求めた仮ピッチの周りの指定の範囲にラグの探索区間を設定し、ラグの探索区間を設定するときに、仮ピッチの前後に探索範囲を設定する。また、その際に、ラグの短い部分の候補を少なくし、ラグのより長い範囲を広く設定し、適応符号帳探索の際に上記探索範囲設定部で設定された範囲でラグの探索を行う。
以下、本実施の形態に係る音声符号化装置について添付図面を用いて詳細に説明する。ここでは、1フレームは2サブフレームに分割されているものとする。3サブフレーム以上の場合でも同様の手順で符号化を行うことができる。
この音声符号化装置においては、いわゆるデルタラグ方式によるピッチ探索において、分割されたサブフレームについてすべてピッチを求め、ピッチ間でどの程度の相関があるかどうかを求めて、その相関結果に応じて探索範囲を決定する。
図7は、本発明の実施の形態2に係る音声符号化装置の構成を示すブロック図である。まず、LPC分析部302において、入力された音声データ(入力音声)301に対して自己相関分析とLPC分析を行うことによってLPC係数を得る。また、LPC分析部302において、得られたLPC係数の符号化を行ってLPC符号を得る。さらに、LPC分析部302において、得られたLPC符号を復号化して復号化LPC係数を得る。
次いで、ピッチ分析部310において、2サブフレーム分の入力音声のピッチ分析を行い、ピッチ候補とパラメータを求める。1サブフレームに対するアルゴリズムを以下に示す。相関係数は、下記式7により、2つ求められる。なおこの時、CppはPminについてまず求め、あとのPmin+1、Pmin+2については、フレーム端の値の足し引きで効率的に計算できる。
Figure 0004734286
式7
ここで、
i,Xi-P:入力音声
p:自己相関関数
pp:パワ成分
i:入力音声のサンプル番号
L:サブフレームの長さ
P:ピッチ
min,Pmax:ピッチの探索を行う最小値と最大値
そして、上記式7で求めた自己相関関数とパワ成分はメモリに蓄えておき、次の手順で代表ピッチP1を求める。これはVpが正でVp×Vp/Cppを最大にするピッチPを求める処理となっている。ただし、割り算は一般的に計算量がかかるので、分子と分母を2つとも格納し、掛け算に直して効率化を図っている。
ここでは、入力音声と入力音声からピッチ分過去の適応音源との差分の二乗和が最も小さくなるようなピッチを探す。この処理はVp×Vp/Cppを最大にするピッチPを求める処理と等価となる。具体的な処理は以下のようになる。
1)初期化(P=Pmin、VV=C=0、P1=Pmin
2)もし(Vp×Vp×C<VV×Cpp)又は(Vp<0)ならば4)へ。それ以外なら3)へ。
3)VV=Vp×Vp、C=Cpp、P1=Pとして4)へ
4)P=P+1とする。この時P>Pmaxであれば終了、それ以外の場合には2)へ。
上記作業を2サブフレームのそれぞれについて行い、代表ピッチP1、P2と自己相関係数V1p、V2p、パワー成分C1pp、C2pp(Pmin<p<Pmax)を求める。
次に、探索範囲設定部311で適応符号帳のラグの探索範囲を設定する。まず、その探索範囲の軸となる仮ピッチを求める。仮ピッチはピッチ分析部310で求めた代表ピッチとパラメータを用いて行う。
仮ピッチQ1、Q2は以下の手順で求める。なお、以下の説明においてラグの範囲として定数Th(具体的には6程度が適当である)を用いる。また、相関値は上記式7で求めたものを用いる。
まず、P1を固定した状態でP1の付近(±Th)で相関の最も大きい仮ピッチ(Q2)を見つける。
1)初期化(p=P1−Th、Cmax=0、Q1=P1、Q2=P1
2)もし(V1p1×V1p1/C1p1p1+V2p×V2p/C2pp<Cmax)または(V2p<0)ならば4)へ。それ以外なら3)へ。
3)Cmax=V1p1×V1p1/C1p1p1+V2p×V2p/C2pp、Q2=pとして4)へ
4)p=p+1として2)へ。ただし、この時p>P1+Thであれば5)へ。
このようにして2)〜4)の処理をP1−Th〜P1+Thまで行って、相関の最も大きいものCmaxと仮ピッチQ2を求める。
次に、P2を固定した状態でP2の付近(±Th)で相関の最も大きい仮ピッチ(Q1)を求める。この場合、Cmaxは初期化しない。Q2を求めた際のCmaxを含めて相関が最大となるQ1を求めることにより、第1,第2サブフレーム間で最大の相関を持つQ1,Q2を求めることが可能となる。
5)初期化(p=P2−Th)
6)もし(V1p×V1p/C1pp+V2p2×V2p2/C2p2p2<Cmax)又は(V1p<0)ならば8)へ。それ以外は7)へ。
7)Cmax=V1p×V1p/C1pp+V2p2×V2p2/C2p2p2、Q1=p、Q2=P2として8)へ。
8)p=p+1として6)へ。ただし、この時p>P2+Thであれば9)へ。
9)終了。
このようにして6)〜8)の処理をP2−Th〜P2+Thまで行って、相関の最も大きいものCmaxと仮ピッチQ1、Q2を求める。この時のQ1、Q2が第1サブフレームと第2サブフレームの仮ピッチである。
上記アルゴリズムにより、2つのサブフレームの相関を同時に評価しながら大きさに比較的差のない(差の最大はThである)仮ピッチを2つ選択することができる。この仮ピッチを用いることにより、第2サブフレームの適応符号帳探索の際に、探索の範囲を狭く設定しても符号化性能を大きく劣化させることを防止できる。例えば、第2サブフレームから音質が急に変化した場合などで、第2サブフレームの相関が強い場合は、第2サブフレームの相関を反映したQ1を用いることで第2サブフレームの劣化を回避出来る。
さらに、探索範囲設定部311は、求めた仮ピッチQ1を用いて適応符号帳の探索を行う範囲(L_ST〜L_EN)を下記式8のようにして設定する。
Figure 0004734286
式8
ここで、
L_ST:探索範囲の始点
L_EN:探索範囲の終点
min:ラグの最小値(例:20)
max:ラグの最大値(例:143)
1:第1サブフレームの適応符号帳ラグ
上記設定において、第1サブフレームは探索範囲を狭める必要はない。しかしながら、本発明者らは、入力音声のピッチに基づいた値の付近を探索区間とした方が性能が良いことを実験により確認しており、本実施の形態では26サンプルに狭めて探索するアルゴリズムを使用している。
また、第2サブフレームは第1サブフレームで求められたラグT1を中心にその付近に探索範囲を設定している。したがって、合計32エントリで、第2サブフレームの適応符号帳のラグを5ビットで符号化できることになる。また、本発明者らは、この時もラグの小さい候補を少なく、ラグの大きい候補を多く設定することにより、より良い性能が得られることを実験により確認している。ただし、これまでの説明でわかるように、本実施の形態においては、仮ピッチQ2は使用しない。
ここで、本実施の形態における効果について説明する。探索範囲設定部311によって得られた第1サブフレームの仮ピッチの近くには、第2サブフレームの仮ピッチも存在している(定数Thで制限したため)。また、第1サブフレームにおいて探索範囲を絞って探索しているので、探索の結果得られるラグは第1サブフレームの仮ピッチから離れない。
したがって、第2サブフレームの探索の時には、第2サブフレームの仮ピッチから近い範囲を探索できることになり、第1,第2サブフレームの両方において適当なラグが探索できることになる。
例として、第1サブフレームが無音で、第2サブフレームから音声が立ち上がった場合を考える。従来法では、探索範囲を狭めることで第2サブフレームのピッチが探索区間に含まれなくなると、音質は大きく劣化してしまう。本実施の形態に係る方法においては、ピッチ分析部の仮ピッチの分析において、代表ピッチP2の相関は強く出る。したがって、第1サブフレームの仮ピッチはP2付近の値になる。このため、デルタラグによる探索の際に、音声が立ち上がった部分に近い部分を仮ピッチとすることができる。すなわち、第2サブフレームの適応符号帳の探索の時には、P2付近の値を探索できることになり、途中で音声の立ち上がり生じても劣化なくデルダラグにより第2サブフレームの適応符号帳探索を行うことができる。
次に、音源作成部305において、適応符号帳303に格納された音源サンプル(適応コードベクトル又は適応音源)と確率的符号帳304に格納された音源サンプル(確率的コードベクトル又は確率的音源)を取り出し、それぞれを聴感重みLPC合成部306へ送る。さらに、聴感重みLPC合成部306において、音源作成部305で得られた2つの音源に対して、LPC分析部302で得られた復号化LPC係数によってフィルタリングを行って2つの合成音を得る。
さらに、ゲイン演算部308においては、聴感重みLPC合成部306で得られた2つの合成音と聴感重み付け部307で聴感重み付けされた入力音声との関係を分析し、2つの合成音の最適値(最適ゲイン)を求める。また、ゲイン演算部308においては、その最適ゲインによってパワ調整したそれぞれの合成音を加算して総合合成音を得る。そして、ゲイン演算部308は、その総合合成音と入力音声の符号化歪みの計算を行う。また、ゲイン演算部308においては、適応符号帳303と確率的符号帳304の全ての音源サンプルに対して音源作成部305、聴感重みLPC合成部306を機能させることによって得られる多くの合成音と入力音声との間の符号化歪みを行い、その結果得られる符号化歪みの中で最も小さいときの音源サンプルのインデクスを求める。
次に、得られた音源サンプルのインデクス、そのインデクスに対応する2つの音源、及び入力音声をパラメータ符号化部309へ送る。パラメータ符号化部309では、ゲインの符号化を行うことによってゲイン符号を得て、LPC符号、音源サンプルのインデクスと共に伝送路へ送る。
また、パラメータ符号化部309は、ゲイン符号と音源サンプルのインデクスに対応する2つの音源から実際の音源信号を作成し、それを適応符号帳303に格納すると同時に古い音源サンプルを破棄する。
なお、聴感重みLPC合成部306においては、LPC係数や高域強調フィルタや長期予測係数(入力音声の長期予測分析を行うことによって得られる)を用いた聴感重み付けフィルタを用いる。
上記ゲイン演算部308は、音源作成部305から得られた適応符号帳303、確率的符号帳304の全ての音源について入力音声との間の比較を行うが、計算量削減のため、2つの音源(適応符号帳303と確率的符号帳304)については上述したようにしてオープンループにより探索する。
このように、本実施の形態におけるピッチ探索方法により、最初のサブフレームの適応符号帳探索の前に、フレームを構成する複数のサブフレームのピッチ分析を行って相関値を算出することにより、フレーム内の全サブフレームの相関値を同時に把握することができる。
そして、各サブフレームの相関値を算出すると共に、その相関値の大小から各サブフレームで最もピッチ周期らしい値(代表ピッチと呼ぶ)を求め、ピッチ分析で得られた相関値と代表ピッチに基づいて複数のサブフレームのラグの探索範囲を設定する。この探索範囲の設定においては、ピッチ分析で得た複数のサブフレームの代表ピッチと相関値を利用して探索範囲の中心となる差の少ない適当な仮のピッチ(仮ピッチと呼ぶ)を求める。
さらに、上記探索範囲の設定で求めた仮ピッチの前後の指定の範囲にラグの探索区間を限定するので、適応符号帳の効率の良い探索を可能にする。その際、ラグの短い部分の候補を少なくし、ラグのより長い範囲を広く設定するので、良好な性能が得られる適当な探索範囲を設定することができる。また、適応符号帳探索の際に上記探索範囲の設定で設定された範囲でラグの探索を行うので、良好な復号化音を得ることができる符号化が可能になる。
このように、本実施の形態によれば、探索範囲設定部311によって得られた第1サブフレームの仮ピッチの近くには第2サブフレームの仮ピッチも存在しており、第1サブフレームにおいて探索範囲を絞っているので、探索の結果得られるラグは仮ピッチから離れて行かない。したがって、第2サブフレームの探索の時には第2サブフレームの仮ピッチ付近を探索できることになり、フレームの後半から音声が始まる場合などの非定常なフレームでも、第1,第2サブフレームにおいて適当なラグ探索が可能になり、局所的異音を生じることなく音声符号化を行うことができる。
上記実施の形態1,2に係る音声符号化/復号化は、音声符号化装置/音声復号化装置として説明しているが、これらの音声符号化/復号化をソフトウェアとして構成しても良い。例えば、上記音声符号化/復号化のプログラムをROMに格納し、そのプログラムにしたがってCPUの指示により動作させるように構成しても良い。また、プログラム,適応符号帳,及び確率的符号帳(パルス拡散符号帳)をコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納し、この記憶媒体のプログラム,適応符号帳,及び確率的符号帳(パルス拡散符号帳)をコンピュータのRAMに記録して、プログラムにしたがって動作させるようにしても良い。このような場合においても、上記実施の形態1,2と同様の作用、効果を呈する。さらに、実施の形態1〜3におけるプログラムを通信端末でダウンロードし、その通信端末でプログラムを動作させるようにしても良い。
なお、上記実施の形態1,2については、個々に実施しても良く、組み合わせて実施しても良い。
本発明の音声符号化装置を備えた無線通信装置の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る音声符号化装置の構成を示すブロック図 図2に示す音声符号化装置におけるゲイン演算部の構成を示すブロック図 図2に示す音声符号化装置におけるパラメータ符号化部の構成を示すブロック図 本発明の実施の形態1に係る音声符号化装置で符号化された音声データを復号する音声復号化装置の構成を示すブロック図 適応符号帳探索を説明するための図 本発明の実施の形態2に係る音声符号化装置の構成を示すブロック図
符号の説明
102,302 LPC分析部
103,303 適応符号帳
104,304 確率的符号帳
105,305 音源作成部
106,306 聴感重みLPC合成部
107,307 聴感重み付け部
108,308 ゲイン演算部
109,309 パラメータ符号化部
310 ピッチ分析部
311 探索範囲設定部
1091 パラメータ計算部
1092 符号化歪計算部
1093 比較部
1094 ベクトル符号帳
1095 予測係数格納部
1096 復号化ベクトル格納部

Claims (3)

  1. 1つのフレームを複数のサブフレームに分解して符号化を行うCELP型音声符号化装置であって、
    適応符号帳及び確率的符号帳に格納された適応音源及び確率的音源に対して、入力音声から求めたLPC係数を用いてフィルタリングすることにより、合成音を得るLPC合成手段と、
    前記適応音源及び前記確率的音源のゲインを求めるゲイン演算手段と、
    前記入力音声と前記合成音との間の符号化歪みを用いて求められた適応音源及び確率的音源、並びに前記ゲインのベクトル量子化を行うパラメータ符号化手段と、
    フレームの最初のサブフレームの適応符号帳探索を行う前に、前記複数のサブフレームに対して前記入力音声の自己相関係数とパワ成分とを求め、前記自己相関係数と前記パワ成分とを用いて最もピッチ周期に近似する値を代表ピッチ周期として算出するピッチ分析手段と、
    前記自己相関係数、前記パワ成分及び前記代表ピッチ周期を用いて、ラグの探索範囲の中心となる仮ピッチを求め、前記仮ピッチの前後の指定の範囲を前記複数のサブフレームのラグの探索範囲として設定する探索範囲設定手段と、
    を備え、
    前記適応符号帳探索は、
    前記ラグの探索範囲に対して行われる
    声符号化装置。
  2. 前記探索範囲設定手段は、
    前記仮ピッチに対してラグが短い側の候補が、ラグが長い側の候補よりも少なくなるように、前記仮ピッチの前後の指定の範囲を設定する
    求項記載の音声符号化装置。
  3. 1つのフレームを複数のサブフレームに分解して符号化を行うCELP型の音声符号化プログラム;過去に合成した音源信号が格納された適応符号帳;複数の音源ベクトルを格納した確率的符号帳;を格納した、コンピュータにより読み取り可能な記録媒体であって、
    前記音声符号化プログラムは、
    フレームの最初のサブフレームの適応符号帳探索を行う前に、前記複数のサブフレームに対して前記入力音声の自己相関係数とパワ成分とを求め、前記自己相関係数と前記パワ成分とを用いて最もピッチ周期に近似する値を代表ピッチ周期として算出する手順と、
    前記自己相関係数、前記パワ成分及び前記代表ピッチ周期を用いて、ラグの探索範囲の中心となる仮ピッチを求め、前記仮ピッチの前後の指定の範囲を前記複数のサブフレームのラグの探索範囲として設定する手順と、
    前記ラグの探索範囲に対して前記適応符号帳探索を行う手順と、
    前記適応符号帳探索により求めた適応音源及び前記確率的符号帳に格納された確率的音源に対して、入力音声から求めたLPC係数を用いてフィルタリングすることにより、合成音を得る手順と、
    前記適応音源及び前記確率的音源のゲインを求める手順と、
    前記入力音声と前記合成音との間の符号化歪みを用いて求められた適応音源及び確率的音源、並びに前記ゲインのベクトル量子化を行う手順と、
    を含む
    録媒体。
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