JP3679951B2 - 制振装置 - Google Patents
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- F16L—PIPES; JOINTS OR FITTINGS FOR PIPES; SUPPORTS FOR PIPES, CABLES OR PROTECTIVE TUBING; MEANS FOR THERMAL INSULATION IN GENERAL
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は制振装置に係り、特に柱状構造物の定常振動を抑制することの可能な制振装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
ポンプ等の機械的振動、あるいは流体的脈動によって生じる配管の定常的な振動は、配管に繰り返し応力を与えることとなるため種々の方法で抑制される。
図1は従来の制振対策(その1)の説明図であって、主配管10から分岐する枝管11の振動を抑制するためにサポート12が使用される。
【0003】
図2は従来の制振対策(その2)の説明図であって、主配管10はダンパ20を介して固定台21に固定される。
図3は従来の制振対策(その3)の説明図であって、主配管10には重り30と板バネ31で構成される動吸振器が設置されている。即ち動吸振器は主配管10の定常振動数と等しい共振振動数を有する1自由度振動系であって、動吸振器が振動することによって主配管10の振動を抑制する。
【0004】
図4は従来の制振対策(その4)の説明図であって、柱状構造物40に取付けられた支持治具41からバネ42を介して重り43が吊り下げられている。重り43の内側には溝44が形成されており、溝44には球45が挿入されている。そして、柱状構造物40が振動すると球45が溝44の側壁と衝突して振動エネルギを衝突エネルギに変換することにより、柱状構造物40の振動が抑制される。
【0005】
さらに、振動エネルギを衝突体の運動エネルギに変換するインパクトダンパについても検討されている(日本機械学会D&D’9721世紀のダンピング技術シンポジウム講演論文集)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の制振対策(その1)にあっては、サポートを設置するためには主配管10に取付けバンド13を設置する必要があるが、配管が入り組んでいる場合には取付けバンド13の設置が困難であるだけでなく、保守の際には取付けバンド13を取り外すことが必要である等取扱い上の困難もあった。
【0007】
また、従来の制振対策(その2)にあっては、ダンパ自体高価格であって経済的に不利であるだけでなく、高温雰囲気においてはダンパ特性が劣化することもあった。
従来の制振対策(その3)にあっては、1つの動吸振器で吸収可能な振動は1方向の振動だけであり水平方向および垂直方向の振動を抑制するためには複数の動吸振器を設置する必要があるだけでなく、主配管の振動数に応じて動吸振器を設計・調整する必要があった。
【0008】
従来の制振対策(その4)にあっては、球45の数はさほど多くできないため、十分な制振特性が得られない。
さらに現在検討されているインパクトダンパは、複数個のインパクタ(衝突体)を垂直に積み重ねた形式であり、ある程度振動の振幅が大きくないとインパクタ同士の衝突は発生せず、制振効果が得られない。
【0009】
本発明は上記課題に鑑みなされたものであって、定常振動を効果的に抑制することの可能な制振装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係る制振装置は、振動体に取り付けられる中空の筐体と、中空の筐体の内部を複数の区画に区切る区切り手段と、区切り手段により区切られた複数の区画のそれぞれの中に移動可能に配置された複数の球と、を具備する。
本発明にあっては、筐体中の複数の区画のそれぞれに移動可能に球が収納されるため、筐体が振動すると、振動エネルギは衝突エネルギに変換される。
【0011】
第2の発明に係る制振装置は、区切り手段が、隣接する区画内の球同士の衝突を許容するとともに隣接する区画内への前記球の移動を防止する大きさの開口が穿孔された仕切り板である。
第3の発明に係る制振装置は、区切り手段が、隣接する区画内の球同士の衝突を許容するとともに隣接する区画内への球の移動を防止する隙間を有する突部である。
【0012】
本発明にあっては、各区画の仕切りに開口が穿孔されているため、筐体が振動すると、振動エネルギは球同士の衝突エネルギに変換される。
第4の発明に係る制振装置は、中空の筐体が、中空の筐体の中心に配管を貫通させる貫通孔と、中空の筐体の中心を通る対称軸によって分割される第1および第2の筐体片と、第1および第2の筐体片を開閉自在に対称軸の一端において接続する接続手段と、第1および第2の筐体片を閉状態に固定する固定手段と、で構成される。
【0013】
本発明にあっては、制振装置は、筐体を開とした状態で貫通孔内に配管を抱き込み、その後筐体を閉状態に固定することによって配管に取付けられる。
【0014】
【発明の実施の形態】
図5は本発明に係る制振装置を具備した配管系の斜視図であって、水平に延伸する主配管51から垂直上方向に枝管52が分岐している。枝管52には弁53が、そして弁53の上方に本発明に係る略円盤形状の制振装置54が設置されている。
【0015】
図6および7は本発明に係る制振装置の第1の実施形態の水平断面図および縦断面図(A−A断面)であって、円盤状の制振装置54の筐体541の中心に枝管52が貫通する貫通孔540が形成される。制振装置54の筐体541の内部は仕切り板542によってほぼ正方形の複数の区画に仕切られており、各部屋に中には各区画の中を自在に移動可能な球543が配置される。仕切り板542の中央部に球543は各区画から隣接する区画には移動しないが、隣接する区画に配置された球との衝突は可能である大きさの開口544を穿孔してもよい。
【0016】
図8および9は本発明に係る制振装置の第2の実施形態の軸直角方向断面図および軸方向縦断面図(B−B断面)であって、第1の実施形態における仕切り板に代えて筐体541の内側上面および下面に凹凸が形成される。
即ち、上面および下面の凹部545に球543が配置され、上面および下面の凸部546の隙間は球543は各部屋から隣接する区画には移動しないが、隣接する区画に配置された球との衝突は可能なように調整される。
【0017】
従って、枝管52が振動すると、ある区画に配置された球543は各区画内を移動し、隣接する区画に配置された球、仕切り板または凸部、および筐体と衝突を繰り返し、振動エネルギを衝突エネルギに変換して枝管52の振動を抑制する。
図10は本発明に係る制振装置の効果の説明図であって、(イ)は制振装置を具備しない場合の弁の振動を、(ロ)は制振装置を具備した場合の弁の振動(a)および球の動き(b)を示す。
【0018】
即ち、制振装置を具備しない場合は弁は大きい振幅で振動する。これに対し、制振装置を具備する場合は球が区画内で移動し球同士が衝突することにより振動エネルギが球の衝突エネルギに変換されるため弁自体の振幅は低減する。
さらに、本発明に係る制振装置によれば、球は各区画に1個づつ配置されて複数の球が一塊とならず、振幅が小さい場合にも球同士の衝突が発生するため、振幅が小さい場合であっても振動を抑制することが可能となる。
【0019】
図11は本発明に係る制振装置の第3の実施形態の斜視図であって、筐体541は筐体の中心を通る対称軸に沿って2分割され、対称軸の一端に設けられたヒンジ545によって開閉自在に接続される。即ち、枝管52に取付ける際には、筐体541を開状態として枝管52を抱き込み、その後対称軸に関しヒンジ547の反対側に設置されたバックル548によって、筐体541を閉状態に固定して取付けを完了する。
【0020】
従って、本実施形態によれば制振装置54の取付けは容易であり、既設の配管に対しても適用することが可能である。
以上、配管の振動を抑制する場合について説明したが、本発明に係る制振装置は橋梁、タワー、クレーン等の柱状構造物の振動の抑制に対しても適用することが可能である。
【0021】
【発明の効果】
第1の発明に係る制振装置によれば、中空の筐体内の複数の区画のそれぞれに球が配置されて、振動の振幅が小さい場合にも球が区画内で移動し、振動エネルギを衝突エネルギに変換して振動を抑制するので、保守はほとんど必要無くなる。
【0022】
また、第1の発明に係る制振装置は、構造物の振動数に応じて調整する必要がないため、既設の構造物に対しても容易に適用することができる。
さらに、第1の発明に係る制振装置は、すべて金属で製造することができるので高温の構造物に対しても適用することができる。
第2および第3の発明に係る制振装置によれば、隣接する区画の球が直接衝突するのでより効率的に振動を抑制することが可能となる。
【0023】
第4の発明に係る制振装置によれば、柱状構造物に簡単に取り付けることができるので、既設の構造物の振動を抑制することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の制振対策(その1)の説明図である。
【図2】従来の制振対策(その2)の説明図である。
【図3】従来の制振対策(その3)の説明図である。
【図4】従来の制振対策(その4)の説明図である。
【図5】本発明に係る制振装置を具備した配管系の斜視図である。
【図6】本発明に係る制振装置の第1の実施形態の水平断面図である。
【図7】本発明に係る制振装置の第1の実施形態の縦断面図である。
【図8】本発明に係る制振装置の第2の実施形態の水平断面図である。
【図9】本発明に係る制振装置の第2の実施形態の縦断面図である。
【図10】本発明に係る制振装置の効果の説明図である。
【図11】本発明に係る制振装置の第3の実施形態の斜視図である。
【符号の説明】
54…制振装置
540…貫通孔
541…筐体
542…仕切り板
543…球
544…開口
545…凹部
546…凸部
547…ヒンジ
548…バックル
Claims (3)
- 振動体に取り付けられる中空の筐体と、
前記中空の筐体の内部を複数の区画に区切る区切り手段と、
前記区切り手段により区切られた複数の区画のそれぞれの中に移動可能に配置される一つの球と、を具備し、
前記区切り手段が、隣接する前記区画内の前記球同士の衝突を許容するとともに隣接する前記区画内への前記球の移動を防止する大きさの開口が穿孔された仕切り板である制振装置。 - 振動体に取り付けられる中空の筐体と、
前記中空の筐体の内部を複数の区画に区切る区切り手段と、
前記区切り手段により区切られた複数の区画のそれぞれの中に移動可能に配置される一つの球と、を具備し、
前記区切り手段が、隣接する前記区画内の前記球同士の衝突を許容するとともに隣接する前記区画内への前記球の移動を防止する隙間を有する突部である制振装置。 - 前記中空の筐体が、
前記中空の筐体の中心に配管を貫通させる貫通孔と、
前記中空の筐体の中心を通る対称軸によって分割される第1および第2の筐体片と、
前記第1および第2の筐体片を開閉自在に対称軸の一方端において接続する接続手段と、
前記第1および第2の筐体片を閉状態に固定する固定手段と、で構成される請求項1または2に記載の制振装置。
Priority Applications (1)
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JP24927399A JP3679951B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 制振装置 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP24927399A JP3679951B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 制振装置 |
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ID=17190523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP24927399A Expired - Lifetime JP3679951B2 (ja) | 1999-09-02 | 1999-09-02 | 制振装置 |
Country Status (1)
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-
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