JP3679607B2 - 軟体部材の除去方法及び除去装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去方法及び除去装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ等のトナー容器を画像形成装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ化することによりメンテナンスを容易にしたものが実用化されている。
【0003】
このようなカートリッジは、近年の地球環境保護の高まりから、省資源、省エネルギー、ゴミの低減を目的として、部品の再生、再利用の動きが見られる。そのため、現像剤使用後のカートリッジを回収し、部品・ユニット・材料を再生、再利用(リサイクル)することが必要とされている。
【0004】
トナーカートリッジにおいては、カートリッジ内の現像剤を使用した後でも部品や製品寿命がある物であれば再利用可能である。例えば、ビスや金属部品・プラスチック部品などの機械部品、また帯電ローラ、現像スリーブ、転写ローラ等は検査後、良品は再利用、不良品は再生することでリサイクルが可能になる。消耗部品は、消耗部分を補って再生(リサイクル)が可能になる。
【0005】
また、現像剤容器等の容器体は現像剤を密閉するための軟体部材が貼り付けられている。この軟体部材はウレタンの発泡材で容器に接着剤で貼り付けられていて、貼り付け後は容易には剥がれ難いため、軟体部材を容器体に残存物がないように取り去ることができれば容器は純粋な材料としてリサイクルが可能になる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
近年樹脂の使い捨てによる環境破壊が大きな社会問題としてクローズアップされてきており、樹脂容器の樹脂材料のリサイクル使用に際しては、容器本体と材質の異なるラベル、モルトプレン、テープ等とそれを貼り付ける接着剤を取り除かなければならない。そのため、従来は工具(ピンセット)などで機械的にかつ強制的に剥離させていた。しかしながら、このような方法では接合強度の高い接着剤の一部が残るという問題が生じており、樹脂容器本体の純度の高い材質に戻らない問題があった。
【0007】
また、人手作業であるため、効率が悪く、人件費もかかるという問題があった。
【0008】
また、それを解決するため、自動的に除去する方法として図3に示すような方法が提案されている。
【0009】
この方法では軟体部材3と接着剤2と容器体1の一部とをエンドミルカッタ11により同時に機械的除去するもので、大量に連続して加工する場合には接着剤がカッタに付着するため、切れ味の低下により軟体部材が完全に除去できないことやそれによる容器体への損傷の程度が拡大する。従って、純度の高い材質の容器体を効率的に回収できないという問題点がある。
【0010】
従って、本発明は上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、物品から容易にしかも完全に軟体部材を除去することができる軟体部材の除去方法及び除去装置を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係わる軟体部材の除去方法は、物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去方法であって、前記物品の、前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分を除去して、前記軟体部材が貼り付けられた部分を前記物品の他の部分から分離することを特徴としている。
【0012】
また、本発明に係わる軟体部材の除去方法は、物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去方法であって、前記物品の、前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を所定の深さまで除去する第1の除去工程と、前記第1の除去工程で除去された部分に、バイトを前記所定の深さ以下の深さまで進入させ、該バイトにより前記軟体部材を前記物品の表面部ごと削り取る第2の除去工程とを具備することを特徴としている。
【0013】
また、この発明に係わる軟体部材の除去方法において、前記物品は、合成樹脂材料から形成されていることを特徴としている。
【0014】
また、この発明に係わる軟体部材の除去方法において、前記物品は、プリンターのトナーカートリッジの容器であることを特徴としている。
【0015】
また、この発明に係わる軟体部材の除去方法において、前記第1の除去工程では、エンドミルにより、前記物品の前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を除去することを特徴としている。
【0016】
また、この発明に係わる軟体部材の除去方法において、前記第2の除去工程では、平型バイトにより前記軟体部材を前記物品の表面ごと掻き取ることにより前記軟体部材を除去することを特徴としている。
【0017】
また、この発明に係わる軟体部材の除去方法において、前記第2の除去工程において、バイトの先端部分に低温流体を噴出することを特徴としている。
【0018】
また、本発明に係わる軟体部材の除去装置は、物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去装置であって、前記物品の、前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を所定の深さまで除去する第1の除去手段と、前記第1の除去手段により除去された部分に、バイトを前記所定の深さ以下の深さまで進入させ、該バイトにより前記軟体部材を前記物品の表面部ごと削り取る第2の除去手段とを具備することを特徴としている。
【0019】
また、この発明に係わる軟体部材の除去装置において、前記物品は、合成樹脂材料から形成されていることを特徴としている。
【0020】
また、この発明に係わる軟体部材の除去装置において、前記物品は、プリンターのトナーカートリッジの容器であることを特徴としている。
【0021】
また、この発明に係わる軟体部材の除去装置において、前記第1の除去手段は、前記物品の前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を除去するエンドミルを備えることを特徴としている。
【0022】
また、この発明に係わる軟体部材の除去装置において、前記第2の除去手段は、前記軟体部材を前記物品の表面ごと掻き取ることにより前記軟体部材を除去する平型バイトを備えることを特徴としている。
【0023】
また、この発明に係わる軟体部材の除去装置において、前記第2の除去手段は、バイトの先端部分に低温流体を噴出する噴出パイプを備えることを特徴としている。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0025】
(第1の実施形態)
図1は、トナーカートリッジなどの樹脂製の容器1に、ラベル、モルトプレーン、シートなどの軟体部材3が、接着剤2等により貼り付けられている状態を示した図である。また、図2は、図1のA−A断面図である。
【0026】
本実施形態の軟体部材の除去方法は、この容器1から軟体部材3を除去する方法を示すものである。
【0027】
具体的には、図2に示すように、エンドミルカッタ11を容器1の厚みを貫通するように切り込み、図1の矢印5のように移動させながら、容器1の軟体部材3が貼り付けられた周囲の部分を完全に切断する。これにより、軟体部材3が貼り付けられた部分のみが容器1から分離され、容器1から軟体部材3を除去することができる。
【0028】
この実施形態によれば、エンドミルカッタ11が軟体部材3に接触することがないので、カッタの切れ味が低下することなく、連続して軟体部材を除去することができる。
【0029】
なお、上記の説明では、エンドミルカッタ11を容器1の厚みを完全に貫通させてから矢印5のように移動させるように説明したが、矢印5のように移動させながらエンドミルカッタ11の切り込み深さを増加させていき、最終的に容器1を厚み方向に切断するようにしても良い。
【0030】
(第2の実施形態)
図3は、トナーカートリッジなどの樹脂製の容器1に、ラベル、モルトプレーン、シートなどの軟体部材3が、接着剤2等により貼り付けられている状態を示した図である。また、図4は、図3のB−B断面図である。
【0031】
本実施形態の軟体部材の除去方法は、この容器1から軟体部材3を除去する方法を示すものである。以下、その手順について説明する。
【0032】
まず、図3に示すように、エンドミルカッタ11を矢印5のように移動させながら、容器1の軟体部材3が貼り付けられた周囲の部分を、わずかな深さだけ削り取り、削り取り部分10(図4参照)を形成する。
【0033】
次に、図4に示すように削り取り部分10に、平型バイト15を進入させ、矢印Bの方向に移動させることにより、平型バイト15により軟体部材3と接着剤2とを容器1の一部ごと容器1から削り取る。このとき、平型バイト15に取り付けられた冷風ノズル12から平型バイト15の先端に冷風を吹きかける。これにより、接着剤2を固化させて平型バイト15に付着することを防止すると共に、切り屑を平型バイト15から吹き飛ばすことができる。
【0034】
上記のような方法で軟体部材を除去することにより、接着剤2がエンドミルカッタに付着することがなく、切れ味の低下等により軟体部材の除去が不完全になることを防止できる。また、除去作業の自動化により効率良く容器のリサイクルを行なうことができる。
【0035】
なお、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、上記実施形態を修正または変形したものに適用可能である。
【0036】
たとえば、上記の実施形態では、エンドミルカッタにより軟体部材の周囲を削り取った後、平型バイトで軟体部材を除去するように説明したが、エンドミルカッタによる加工を省略して、平型バイトのみで、容器に所定深さだけ切り込んで、軟体部材を容器の一部ごと除去するようにしてもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、カッタに接着剤が付着しないため、切れ味の低下が発生せず、軟体部材が完全に除去でき、純度の高い材質の容器体を効率的に回収することができる。
【0038】
【図面の簡単な説明】
【図1】容器を固定治具に固定した状態を示した図である。
【図2】容器から軟体部材を削り取る様子を示した図である。
【図3】容器を固定治具に固定した状態を示した図である。
【図4】容器から軟体部材を削り取る様子を示した図である。
【図5】従来例を示す図である。
【符号の説明】
1 容器
2 接着剤
3 軟体部材
4 固定治具
5 エンドミル軌跡
10 削り取り部分
11 エンドミルカッタ
12 冷風ノズル
15 平型バイト
Claims (13)
- 物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去方法であって、
前記物品の、前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分を除去して、前記軟体部材が貼り付けられた部分を前記物品の他の部分から分離することを特徴とする軟体部材の除去方法。 - 物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去方法であって、
前記物品の、前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を所定の深さまで除去する第1の除去工程と、
前記第1の除去工程で除去された部分に、バイトを前記所定の深さ以下の深さまで進入させ、該バイトにより前記軟体部材を前記物品の表面部ごと削り取る第2の除去工程とを具備することを特徴とする軟体部材の除去方法。 - 前記物品は、合成樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項2に記載の軟体部材の除去方法。
- 前記物品は、プリンターのトナーカートリッジの容器であることを特徴とする請求項3に記載の軟体部材の除去方法。
- 前記第1の除去工程では、エンドミルにより、前記物品の前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を除去することを特徴とする請求項2に記載の軟体部材の除去方法。
- 前記第2の除去工程では、平型バイトにより前記軟体部材を前記物品の表面ごと掻き取ることにより前記軟体部材を除去することを特徴とする請求項2に記載の軟体部材の除去方法。
- 前記第2の除去工程において、バイトの先端部分に低温流体を噴出することを特徴とする請求項2に記載の軟体部材の除去方法。
- 物品に接着剤等により貼り付けられた軟体部材を前記物品から除去するための軟体部材の除去装置であって、
前記物品の、前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を所定の深さまで除去する第1の除去手段と、
前記第1の除去手段により除去された部分に、バイトを前記所定の深さ以下の深さまで進入させ、該バイトにより前記軟体部材を前記物品の表面部ごと削り取る第2の除去手段とを具備することを特徴とする軟体部材の除去装置。 - 前記物品は、合成樹脂材料から形成されていることを特徴とする請求項8に記載の軟体部材の除去装置。
- 前記物品は、プリンターのトナーカートリッジの容器であることを特徴とする請求項9に記載の軟体部材の除去装置。
- 前記第1の除去手段は、前記物品の前記軟体部材が貼り付けられた周囲の部分の表面を除去するエンドミルを備えることを特徴とする請求項8に記載の軟体部材の除去装置。
- 前記第2の除去手段は、前記軟体部材を前記物品の表面ごと掻き取ることにより前記軟体部材を除去する平型バイトを備えることを特徴とする請求項8に記載の軟体部材の除去装置。
- 前記第2の除去手段は、バイトの先端部分に低温流体を噴出する噴出パイプを備えることを特徴とする請求項8に記載の軟体部材の除去装置。
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JP10976598A JP3679607B2 (ja) | 1998-04-20 | 1998-04-20 | 軟体部材の除去方法及び除去装置 |
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JPH11300514A JPH11300514A (ja) | 1999-11-02 |
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