JP3678593B2 - 携帯端末装置用プロテクタ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は携帯端末装置用プロテクタ、特に落下による衝撃での装置破損を防止し、かつ取付時における携帯端末装置の操作性、機能性を損なわないようにするための構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
携帯端末装置は、オフィス等に設置される端末装置に比べて小型軽量であるため、オフィス外に持ち出し、また装置を手に持った状態で使用することが容易である。しかし、その反面、不注意等により使用者が携帯端末装置を落としてしまい、携帯端末装置はその衝撃で破損してしまうおそれがあった。そのため、携帯端末装置に破損防止のために衝撃を極力和らげるための何らかの手段を設けることが望ましい。特に、落下の際、最初に地面と衝突するであろう装置の角部(コーナー)を確実にカバーすることによって携帯端末装置の破損を極力防止できるようにすることが望まれる。
【0003】
そこで、従来においては、携帯端末装置にコーナーを被うようなプロテクタを取り付けたり、装置本体と衝撃吸収部材とを一体成形するなどして落下時における衝撃を吸収させ破損を防止できるようにしていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、装置本体と衝撃吸収部材とを一体成形すると、装置製造時における作業負荷、装置本体のコストが余計にかかってしまい、また、衝撃吸収部材にはある程度の厚みを持たせる必要があるため、装置本体の、より一層の小型化を図ることができないという問題があった。
【0005】
また、プロテクタを着脱可能とすることで装置本体の作業コストや小型化等の問題は解消するが、携帯端末装置の角部近傍を全体的に単に被うような形状のプロテクタを取り付けていたのでは、プロテクタで携帯端末装置の接続端子の配設部分まで被ってしまい、プロテクタを装着した状態で周辺機器等を使用することができなかった。
【0006】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、取付時においても装置の操作性、機能性を損なうことのない携帯端末装置用プロテクタを提供することにある。
【0007】
更に、他の目的は、操作部を付加的に設けることによって装置の操作性を向上させる携帯端末装置用プロテクタを提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明に係る携帯端末装置用プロテクタは、携帯端末装置に着脱可能に取り付けられる携帯端末装置用プロテクタにおいて、前記携帯端末装置の対向する各側面からはめ込むことで前記携帯端末装置の角部を被い、かつ前記携帯端末装置に配設された接続端子、操作部位及び表示部位を被わないように開口部が設けられ、あるいは外縁が屈曲した着脱可能な1組の保護部材を有し、前記保護部材は、前記携帯端末装置と当接する内側を剛性のある部材で形成された内層部と、保持される外側を前記内層部と比較して相対的に柔らかい部材で形成された外層部との2層構造で形成されているものである。
【0009】
また、少なくともいずれか一方の前記保護部材には、前記携帯端末装置への取付時に前記携帯端末装置の該当する接続端子と電気的に接続される操作手段が配設されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施の形態について説明する。
【0014】
実施の形態1.
図1は、本発明に係る携帯端末装置用プロテクタの実施の形態1とこの携帯端末装置用プロテクタ(以下、単に「プロテクタ」)が取り付けられる携帯端末装置の外観を示した斜視図である。また、図2及び図3はプロテクタのみの、図4は携帯端末装置(以下、単に「端末」)のみの斜視図である。
【0015】
プロテクタにより保護される端末1において、ディスプレイ2が配設されている前面の左下コーナー付近にはマイク3が、右下コーナー付近にはスピーカ4が、更に右上コーナー付近にはスイッチ用、バッテリ用、通信状態表示用等のLED5及びスイッチ16が配設されている。また、下側面には、右側面方向から抜き差し可能に収納される入力ペン6のペンホルダ7が配設されている。右側面には、AC電源8と、バッテリカバー9と、PS/2端子10、RS232C端子11、USB端子12及びテンキー用端子13の各周辺機器接続用の接続端子が配設されている。また、プロテクタ21をネジ止めするためのネジ穴14,15が設けられている。なお、図示しないが、端末1の左側面にはPCカードスロットが、上側面にはオーディオ機器接続端子等が、裏面にはメモリカバー等が配設されている。
【0016】
本実施の形態では、保護部材であるプロテクタ21,22に端末1の左右の各側面をはめ込むようにして取り付けるので、プロテクタ21,22の内側は端末1の各側面近傍の外形にフィットする形状に加工されている。プロテクタ21の上面には、端末1への取付時にスピーカ4を完全にふさがないようにスピーカ穴23が設けられている。また、上面の外縁の一部に切欠部24を設けて端末1への取付時にLED5を被わずに表示内容が確認できるように、また、スイッチ16が押せるようにしている。また、プロテクタ21の側面の上方には、端末1を取り付けることによって抜き差しができなくなる入力ペン6を収納するためのペンホルダ25が配設されている。ペンホルダ25の下方には、開口部26が形成されており、端末1への取付時にAC電源8、バッテリカバー9及びPS/2端子10等の各接続端子の使用を可能にしている。また、ヒンジ部分で回動して開くバッテリカバー9の開閉動作の妨げとならないように、開口部26の下辺側はプロテクタ21の下面にまで達している。また、プロテクタ21を端末1にネジ止めできるように各ネジ穴14,15に対応した位置にネジ孔27,28がそれぞれ設けられている。図5にプロテクタ21を取り付けた状態の端末1を右側面から見たときの図を示す。
【0017】
一方、プロテクタ22の上面には、端末1への取付時にマイク3を完全に被わないようにマイク穴30が設けられている。また、プロテクタ22の側面には、開口部31が形成されており、端末1への取付時において端末1のPCカードスロット等の使用を可能にしている。更に、プロテクタ22を端末1にネジ止めできるように図示しない端末1の各ネジ穴に対応した位置にネジ孔32,33がそれぞれ設けられている。なお、端末1の左右側面以外の側面及び裏面にもメモリカバー等使用者によって操作されうる接続端子及び操作部位が配設されているが、これらの接続端子等の各部分を被わないように、プロテクタ21,22は開口部26,31のような開口部が適宜設けられ、あるいは切欠部24のように外縁の一部を屈曲させる。
【0018】
本実施の形態では、以上のプロテクタ21,22を次のようにして端末1に取り付ける。すなわち、端末1の左右の各側面側から各プロテクタ21,22をはさみ込むようにして各プロテクタ21,22に端末1をはめ込む。プロテクタ21,22の内側は、端末1の左右側面近傍の外形にフィットする形状に加工されているので、端末1を隙間なくはめ込むことができる。そして、各プロテクタ21,22をネジ孔27,28,32,33からネジ34で端末1に固定することができる。
【0019】
本実施の形態において特徴的なことは、前述したようにプロテクタ21,22の取付時においても端末1に配設された接続端子、操作部位及び表示部位を被わないようにしたことである。すなわち、例えば、図6はプロテクタ21,22を取り付けた状態の端末1を示した正面図であるが、図6に示したように、切欠部24を設けたのでLED5とスイッチ16を被うことはない。また、マイク3、スピーカ4に対応する箇所にそれぞれスピーカ穴23,マイク30を設けて、完全に被ってしまうことはない。また、図5に示したように端末1の右側面に配設された各接続端子やバッテリカバー9の操作部位は、プロテクタ21によって被われることはない。もちろん、左側面においても同様にPCカードスロット等はプロテクタ22によって被われることはない。更に、プロテクタ21,22によって表裏面及び上下側面に配設した接続端子等を被うことはない。
【0020】
ところで、本実施の形態におけるプロテクタ21は、端末1のコーナーを完全に被うようにしたことから端末1のペンホルダ7の使用ができなくなってしまう。そこで、本実施の形態では、プロテクタ21にペンホルダ25を設けるようにして入力ペンの収納箇所を確保した。ペンホルダ25の中央付近には、収納した入力ペンの離脱を防止するために把持部25aが設けられている。把持部25aは、ペンホルダ25の中央付近の開口部位を入力ペンの太さより若干細くなるように狭めて成形する。また、入力ペンが収納される細長い溝の両端側を相対的に深く形成し、溝の中央部分にその両端より相対的に浅くした山部25bを形成する。本実施の形態においては、このような形状でペンホルダ25を設けて入力ペンを押し込むようにして収納する。すなわち、入力ペンを収納する際には入力ペンを把持部25aに押し付ける。これにより、入力ペンは、把持部25aの弾力性により挟まれ保持される。このようにして入力ペンを収納する。また、入力ペンを取り出す際には収納した入力ペンのペン先又はペン頭部を内部に押し込む。これにより、中央部分の山部25bを支点にしたてこの作用で入力ペンの押し込んだ反対側がペンホルダ25から飛び出す。この飛び出した部分をひっぱり出すことで入力ペンを取り出すことができる。なお、本実施の形態では、端末1の右側面に取り付けるプロテクタ21にペンホルダ25を設けるようにしたが、左側面に取り付けるプロテクタ22に設けるようにしてもよい。また、双方に設けてユーザが好きな方を使用できるようにしてもよい。
【0021】
本実施の形態によれば、プロテクタ21,22の端末1への取付時においても周辺機器等を各接続端子へ接続することができる。また、入力ペンを収納するためのペンホルダ25を設けたので、プロテクタ21,22を取り付けたとしても入力ペンの収納箇所を確保することができる。このように、本実施の形態においては、プロテクタ21,22を取り付けたことによって取り付けていない状態の端末1と比較して機能性、操作性を何ら損なうことがない。
【0022】
以上のように、プロテクタ21,22を取り付けた状態でも端末1を取り付けていないときと同様に使用することができるが、ユーザの不注意等により端末1を地面に落としてしまったとしてもプロテクタ21,22が端末1のコーナーをカバーしているので破損する可能性を大幅に低下することができる。また、プロテクタ21,22には、多少の厚みがあるので端末1のコーナーのみならずいずれの辺がプロテクタ21,22より先に地面に当たることがなく、端末全体を保護することができる。
【0023】
更に、本実施の形態において特徴的なことは、プロテクタ21,22を内層部と外層部との2層構造で形成したことである。すなわち、端末1と当接する内層部は、やや堅く剛性のある部材で形成される。本実施の形態においては、内層部をプラスティック部材で成形し、その厚みを2mm程度にした。内層部を被覆する外層部は、内層部と比較して相対的に柔らかい部材で形成される。本実施の形態においては、外層部を重合物質であるエラストマーで成形し、その厚みを10mm程度にした。プロテクタ21,22をこのような構造とすることで以下のような効果がある。
【0024】
端末1の筐体は、一般に横長でプラスティック部材で成形されているため、端末の両側端にプロテクタを取り付け机においた状態で使用すると端末の中央部は浮いた状態になるので撓んでしまう。例えば、衝撃吸収部材として一般に使用するゴムだけでプロテクタを成形したとすると、筐体の撓みをほとんど阻止することができない。そこで、本実施の形態では、端末1の筐体と当接する部分をゴムに比べて剛性のあるプラスティック部材で形成するようにして筐体の撓みをより抑えることができるようにした。また、外層部を形成するエラストマーの弾力性により落下時における衝撃を吸収することができるが、落下速度によっては、エラストマーの弾力性によって端末本体が地面に当たってしまうおそれがある。本実施の形態では、このような場合にも弾力性の少ないプラスティック部材で筐体を被うようにしているので、プラスティック部材の厚さの分端末1が地面に当たる可能性を低くすることができる。また、端末1と当接する内層部に剛性を持たせることで柔らかい部材より端末1を比較的容易にはめ込むことができる。また、外層部として使用されるエラストマーは、ユーザが手に持ったときに指が多少食い込む程度であり、手に持って端末1を使用するときにその使用位置を固定しやすい。
【0025】
本実施の形態では、以上の効果を適切に奏するように、また、軽量化の観点からプラスティック部材の厚みを2mm程度、エラストマーの厚みを10mm程度としたが、各層に使用する部材や保護する端末の重量、品質等に応じて適切な厚みに設定すればよい。
【0026】
なお、本実施の形態では、端末1の筐体に着脱可能に収納される器具として入力ペンを想定し、プロテクタ21を取り付けたことによって所定の収納箇所(ペンホルダ7)に収納できなくなった入力ペンを収納できるようにペンホルダ25をプロテクタ21に確保したが、器具として入力ペンに限定するものではない。また、各プロテクタ21,22にスペースが確保できれば、他の器具や付属品等を収納するホルダを設けるようにしてもよい。
【0027】
また、本実施の形態では、プロテクタ21,22を端末1と別個に設けてネジ34により着脱可能に固定できる固着機構とした。これによって、端末1を衝撃から保護する必要がないときには取り外した状態で端末1を使用することができる。すなわち、端末1に付加的に設ければよい落下衝撃吸収構造を取り外し可能に形成したので、端末自身の製造コストを低減し、また、端末製造時における落下衝撃吸収構造の取付負荷を生じさせない。
【0028】
実施の形態2.
図7は、本発明に係る携帯端末装置用プロテクタの実施の形態2とこのプロテクタ22,40が取り付けられる端末1の外観を示した斜視図である。また、図8は端末1の右側面に取り付けるプロテクタ40のみの斜視図である。本実施の形態において端末1の左側面側に取り付けるプロテクタは、実施の形態1と同じ構成の物を使用できるので、図8から省略している。また、プロテクタ40には、本実施の形態の特徴的な構成を明確に示すために、ペンホルダを便宜的に図示していない。
【0029】
本実施の形態では、プロテクタ40の使用されていないスペースを有効に利用して、その上面にテンキー41を配設したことを特徴としている。テンキー41の使用を可能とするため、端末1に設けられたテンキー専用のテンキー用端子13と対向する位置にコネクタ42を配設する。本実施の形態におけるプロテクタ22,40の取付方法及び取り付けた状態は、実施の形態1と同じであるため説明を省略するが、プロテクタ40を取り付けた際、コネクタ42はテンキー用端子13に電気的に接続される。つまり、テンキー41からの入力信号を端末1に搭載されたキーボードコントローラへ送ることができる。このようにして、テンキー41の使用が可能となるため、ユーザにテンキーを別途用意し接続させることなくテンキー入力をさせることができる。
【0030】
なお、本実施の形態では、右手でテンキー入力を行うユーザを想定してテンキー41を端末1の右側面に取り付けるプロテクタ40に配設したが、左手でテンキー入力を行うユーザのために左側面用のプロテクタ22に配設するようにしてもよい。もちろん、両方に設けてもかまわない。また、本実施の形態では、操作手段として代表的なテンキーを例にして説明したが、他の入出力機器を配設するようにしてもよい。他の機器を接続する場合は、機器を対応する接続端子と電気的に接続する必要があるが、本実施の形態のように直接接続できないような場合はケーブルにより接続するようにしてもよい。
【0031】
【発明の効果】
本発明によれば、携帯端末装置に取り付けたときに携帯端末装置に設けられた接続端子、操作部位及び表示部位を被わないような形状としたので、携帯端末装置への取付時においても周辺機器等を使用することができる。これにより、保護部材を取り付けたとしても携帯端末装置の機能性を損なうことはない。
【0032】
また、保護部材を2層構造とし、その2層のうち携帯端末装置と当接する内層部に剛性を持たせたことで、携帯端末装置への取付を比較的容易に行うことができる。また、保護部材を取り付けたときに保護部材の厚みの分机上から浮いた状態で使用される携帯端末装置の撓みを比較的抑えることができる。また、2層のうち内層部を被う外層部を内層部と比較して相対的に柔らかい部材で形成するようにしたので、落下による衝撃を吸収できると共にユーザが手に持って携帯端末装置を使用するときにその使用位置を固定しやすい。
【0033】
また、保護部材にテンキー等の操作手段を配設するようにしたので、ユーザはその操作手段を別途用意する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る携帯端末装置用プロテクタの実施の形態1とこの携帯端末装置用プロテクタにより保護される携帯端末装置の外観を示した斜視図である。
【図2】 実施の形態1におけるプロテクタの斜視図である。
【図3】 実施の形態1におけるプロテクタの斜視図である。
【図4】 実施の形態1における携帯端末装置の斜視図である。
【図5】 実施の形態1において携帯端末装置にプロテクタを取り付けたときの状態を示した側面図である。
【図6】 実施の形態1において携帯端末装置にプロテクタを取り付けたときの状態を示した正面図である。
【図7】 本発明に係る携帯端末装置用プロテクタの実施の形態2とこの携帯端末装置用プロテクタにより保護される携帯端末装置の外観を示した斜視図である。
【図8】 実施の形態2における一方のみのプロテクタの斜視図である。
【符号の説明】
1 携帯端末装置、21,22,40 プロテクタ、23 スピーカ穴、24切欠部、25 ペンホルダ、25a 把持部、25b 山部、26,31 開口部、27,28,32,33 ネジ孔、30 マイク穴、34 ネジ、41 テンキー、42 コネクタ。
Claims (2)
- 携帯端末装置に着脱可能に取り付けられる携帯端末装置用プロテクタにおいて、
前記携帯端末装置の対向する各側面からはめ込むことで前記携帯端末装置の角部を被い、かつ前記携帯端末装置に配設された接続端子、操作部位及び表示部位を被わないように開口部が設けられ、あるいは外縁が屈曲した着脱可能な1組の保護部材を有し、
前記保護部材は、前記携帯端末装置と当接する内側を剛性のある部材で形成された内層部と、保持される外側を前記内層部と比較して相対的に柔らかい部材で形成された外層部との2層構造で形成されていることを特徴とする携帯端末装置用プロテクタ。 - 少なくともいずれか一方の前記保護部材には、前記携帯端末装置への取付時に前記携帯端末装置の該当する接続端子と電気的に接続される操作手段が配設されることを特徴とする請求項1記載の携帯端末装置用プロテクタ。
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