JP3678448B2 - 内視鏡用高周波スネア装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、高周波を利用して体腔内の患部を切開・切除する内視鏡用高周波スネア装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の技術における内視鏡用高周波スネア装置には、実公平3−23213号公報に開示されているものがある。この従来の技術の要部を図4示す。これは、操作部本体20、可撓性を有するチューブ21及びワイヤ22からなり、操作部本体20での操作によりチューブ21の先端から先端ループ部25を突没させるものである。
【0003】
操作部本体20は、筒状本体23に操作子24を摺動自在に外嵌しており、その操作子24を図4の左右に移動させることにより、ワイヤ22の先端ループ部25をチューブ21の先端から突没させると同時に拡開または閉鎖させるようになっている。先端ループ部25をチューブ21の先端から突出させ拡開した状態で体腔内のポリープ等の患部の茎部に掛け、操作子24を後退させ先端ループ部25をチューブ21内に引き込み、先端ループ部25を適切な絞り量で患部の茎部を緊縛する。この後に、ワイヤに高周波電流を通電して患部を切除する。
【0004】
操作子24は、筒状本体23に対し摺動自在であるため、操作子24を図4の右側方向に移動させ先端ループ部25で患部を緊縛する際に、誤って操作子24を必要以上に移動させてしまうと、患部を先端ループ部25で機械的に切断する危険性がある。そこで、これを防止するために操作部本体20に操作子24の移動量を表示する目盛り26を設け、先端ループ部25のチューブ21内への引き込み量を予測する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、内視鏡用高周波スネア装置は、その構成要素としてのチューブ21やワイヤ22等の長さにばらつきがあり、このようなものを組み合わせた装置は、各装置ごとに固体差が生じてしまう。従って、このような内視鏡用高周波スネア装置は、操作部本体20に目盛り26を設けても操作子24の移動量と目盛り26が一致しないことがある。このような装置を多数操作する術者は、装置ごとに先端ループ部25の適切な絞り量を生じる操作子24の移動量を表示する目盛り26を記憶しなければならないという不具合があった。
【0006】
また、チューブ21内にワイヤ22が引き込まれた長さを正確に把握できないことにより、ワイヤ22に高周波電流を通電する前に、患者の体腔内の患部を先端ループ部25で機械的に切断してしまうという欠点があった。
【0007】
本発明は、前記従来の技術の欠点に着目してなされたもので、その目的とするところは、先端ループ部でポリープ等患部の茎部を緊縛する際に、誤って必要以上にワイヤを引き込み、ワイヤへ高周波電流を通電する前に患部を切断してしまう危険を未然に防止し、また、完全に患部の茎部を切断したことが把握できる内視鏡用高周波スネア装置を提供することにある。
【0008】
【問題を解決するための手段】
本発明は、チューブと、このチューブ内に進退自在に設けられ且つ前記チューブの先端から突没自在な先端ループを有するスネアワイヤと、前記チューブの基端部に連結されガイド部を有する操作部本体と、前記ガイド部に進退自在に係着されると共に前記スネアワイヤに連結されその進退移動によりスネアワイヤを進退させる操作スライダと、前記ガイド部に摺動可能に設けられ前記スライダを突き当てることで前記スライダの移動量を規制する規制部材と、を有する内視鏡用スネア装置である。
また、本発明は、ガイド部を有する操作部本体と、前記ガイド部上に摺動自在に設けられたスライダと、前記ガイド部上に摺動自在に設けられ前記スライダを突き当てることで前記スライダの進退移動量を規制する規制部材と、を有する操作部である。
【0009】
【作用】
これによれば、術者が操作スライダの基端部とガイド部に設けた規制部材の先端部の間隔から操作スライダの移動距離を認知することができ、患部の茎部に対する先端ループ部の適切な絞り量を設定可能にし、スネアワイヤに高周波電流を通電すべき操作スライダの位置がわかる。規制部材は、ガイド部に対して摺動可能であることにより、装置毎のばらつきに関係なく個別の装置について適切な先端ループ部の絞り量を設定することができる。また、先端ループ部が患部の茎部を完全に切断する位置に対応するガイド部上の操作スライダの位置で、規制部材が操作スライダに当接するように規制部材の位置をガイド部上に摺動設定すことにより、完全に患部の茎部を切断したことが把握できる。
【0010】
【実施例】
ここで、実施例の図面にAと示されている端部または方向は、基端または基端側であり、本内視鏡用高周波スネア装置を操作する術者側の端部または方向を意味し、Bと示されている端部または方向は、先端または先端側であり、術者より遠い方の端部または方向を意味する。また、各実施例を通して、同じ構成要素には同一の符号を付して説明する。
【0011】
(第1の実施例)
以下、図1乃至図3を参照して、本発明の第1の実施例を説明する。図1は、第1の実施例に係わる内視鏡用高周波スネア装置の概要を示している。患者の体腔内に挿入される電気的絶縁性を有する可撓性のチューブ2の基端部が操作部1に連結されている。チューブ2は、中空の管状をなし、その内径部にスネアワイヤ3が基端から先端方向に進退自在に挿通されている。操作部1は、操作部本体4とスライダ5からなり、操作部本体4の先端に中空の取付具8が固着されている。
【0012】
チューブ2の基端部から先端側に向かって、チューブ2の外周にチューブ2と同様の材質の折れ止め14が嵌合され、更に、この折れ止め14の基端側外周上の取付具8の内径部に内蔵される部分に口金7が嵌着されている。口金7は、取付具8に対して着脱自在に被嵌されている。すなわち、チューブ2と折れ止め14は、口金7と取付具8を介して一体的に操作部本体4に連結され、かつ着脱可能な構成になっている。
【0013】
また、操作部本体4の先端部の近傍で基端側の中間部から、チューブ2と同軸の方向と一致する操作部本体4の長手軸方向に柱状を成す一対のガイド部12a,12bが設けられ、ガイド部12a,12bの間には空間部13が形成されている。このガイド部12a,12bの基端部は、円環状の指掛け10に連結され、ガイド部12a,12b同志の間隔が一定に保持されている。
【0014】
このガイド部12a,12bに被嵌され、その基端部と先端部の間を進退可能に摺動するスライダ5を配設する。また、一対のガイド部12a,12bの外周上に摺動可能で、且つ適切な摺動抵抗を有するリング9がスライダ5の基端部に対向して嵌合されている。スネアワイヤ3が空間部13の略中心線上をを通過するように、スライダ5の略中心部にスネアワイヤ3の基端部に連結された操作パイプ15が固定されている。従って、スネアワイヤ3は、スライダ5の略中心部からチューブ2の先端方向に挿通され、スライダ5をガイド部12a,12bの基端部と先端部の間を摺動させることにより、スネアワイヤ3も進退するようになっている。
【0015】
スネアワイヤ3は、基端側から先端側に向かって、スライダ5に固定された金属製の操作パイプ15、チューブ2内に挿通配置される金属製の密巻きコイルからなるコイルワイヤ部11、先端ループ部6を順に連結して形成されている。先端ループ部6は、一本の金属製のワイヤからなり、その両端をコイルワイヤ部の先端に固着することで環を形成している。スライダ5を先端方向へ前進させると、先端ループ部6はチューブ2から突出してその環が拡開し、スライダ5を基端方向へ後退させると、先端ループ部6はチューブ2内に没入して収納される。また、スネアワイヤ3の基端部の操作パイプは端子16に電気的に接続され、端子16には図示されていない高周波電源装置から高周波ケーブルを介して高周波電流が通電される。
【0016】
次に図2を用いて、第1の実施例の作用を説明する。図2(a)は、第1の実施例の内視鏡用高周波スネア装置が内視鏡による観察下において、先端ループ部6を拡開して患者の体腔内のポリープ18に掛けた状態を示している。図2(a)の状態に至る前に、以下のような操作が行われる。予め患者の体腔内に挿入され図示されていない内視鏡の鉗子チャンネルを挿通して体腔内に挿入された状態で、患部に装置を対向させる。そして、図2(a)に示すように、操作部本体4のガイド部12a,12b上のスライダ5を先端側に前進させ、スネアワイヤ3の先端に設けられた先端ループ部6をチューブ2の先端部から突出させ、先端ループ部6が形成する環を拡開して患部ポリープ18に掛ける。
【0017】
これによって、ポリープ18の茎部を先端ループ部6で緊縛する。予めガイド部12a,12bの基端部側にスライダ5を後退させ、先端ループ部6の全体がチューブ2にちょうど収納される状態の位置で、スライダ5の基端部にリング9の先端面を当接させるように位置決めしておく。次に、図2(b)のようにスライダ5を基端側に後退させると、先端ループ部6はチューブ2の先端部内に収納され、その環が収縮閉鎖される。このとき、術者は、スライダ5の基端部とリング9の先端面の間隔17から先端ループ部6の引き込み量を認知できる。従って、ポリープ18を切除するために適切な絞り量まで先端ループ部6の環を収縮閉鎖させ、その状態にスライダ5の位置を保持して、スネアワイヤ3に端子16を介して高周波電流を通電することができる。
【0018】
次に図2(c)で図示されるように、スライダ5をガイド部12a,12bの基端側に後退させてリング9に当接させ、スネアワイヤ3に高周波電流を流す。このスライダ5の後退により、先端ループ部6の全体がチューブ2にちょうど完全に収納されるようになり、ポリープ18がその茎部で高周波電流により切除される。なおもスライダ5を基端側に後退させると、リング9は、スライダ5と共に基端側へ後退できるような摺動抵抗をもっている。図3(a)に示されるようなリング9に代えて、図3(b)のようなガイド部12a,12bに嵌合される2個所の凹部を有する略円筒形状の外径をもつ規制部材19を用いることも可能である。
【0019】
この第1の実施例の内視鏡用高周波スネア装置によれば、先端ループ部6の全体がチューブ2にちょうど完全に収納されるスライダ5の位置を術者に認知させるリング9を設けたことにより、スネアワイヤ3の先端ループ部6でポリープ等の患部を緊縛する際に装置間のばらつきに関係なく、患部の茎部の大きさとリング9の位置からスライダ5を移動させる最後端までの距離を認知できる。これにより先端ループ部6の引き込み量がわかるので、スネアワイヤ3への高周波電流の通電以前に先端ループ部6を必要以上にチューブ2内に引き込むことによる患部の機械的切断を防止することができる。また、術者がチューブ2の先端に先端ループ部6を引き込む前に高周波電流の通電を停止してしまい、その後に先端ループ6を引き込むことによる患部の機械的切断も防止することができるので、この第1の実施例の内視鏡用高周波スネア装置による手術は、安全性を確保できる。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の内視鏡用高周波スネア装置によれば、各装置間のばらつきに関係なく先端ループ部の引き込み量を正確に認識することができ、スネアワイヤの先端ループ部でポリープ等の患部を緊縛する際に、スネアワイヤへの高周波電流の通電以前にその患部を先端ループ部で機械的に切断してしまうことがない。また、術者がチューブにスネアワイヤの先端ループ部を引き込む前に、スネアワイヤへの高周波電流の通電を停止してしまい患部を機械的に切断してしまうことがない安全な内視鏡用高周波スネア装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波スネア装置の概略図。
【図2】本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波スネア装置を用いて患部を切除する手順を示す説明図。
【図3】本発明の第1の実施例の内視鏡用高周波スネア装置のガイド部に設けられる規制部材の説明図。
【図4】従来の内視鏡用高周波スネア装置の概略図。
【符号の説明】
1 操作部
2 チューブ
3 スネアワイヤ
4 操作部本体
5 スライダ
6 先端ループ部
9 リング
Claims (2)
- チューブと、このチューブ内に進退自在に設けられ且つ前記チューブの先端から突没自在な先端ループを有するスネアワイヤと、前記チューブの基端部に連結されガイド部を有する操作部本体と、前記ガイド部に進退自在に係着されると共に前記スネアワイヤに連結されその進退移動によりスネアワイヤを進退させる操作スライダと、前記ガイド部に摺動可能に設けられ前記スライダを突き当てることで前記スライダの移動量を規制する規制部材と、を有する内視鏡用スネア装置。
- 前記規制部材は、前記操作スライダの基端側に対向して設けられていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用スネア装置。
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JP32259294A JP3678448B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 内視鏡用高周波スネア装置 |
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JP32259294A JP3678448B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 内視鏡用高周波スネア装置 |
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JP32259294A Expired - Fee Related JP3678448B2 (ja) | 1994-12-26 | 1994-12-26 | 内視鏡用高周波スネア装置 |
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- 1994-12-26 JP JP32259294A patent/JP3678448B2/ja not_active Expired - Fee Related
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