JP3678429B2 - ギャップワインディングリニアモータの電機子巻線方法 - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、超精密位置決めテーブル等の高精度位置決め装置駆動に用いられるギャップワインディングリニアモータに関し、特にその電機子巻線の固定を確実にし、信頼性を向上させる巻線方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
従来は、フラットな両側面を有する非磁性体で且つ電気抵抗率が高い材料からなるＩ字形の巻線ホルダに、帯状コイルを貼付する方法を取っていた（例えば、実願平３−４１２９８公報）。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、接着面がフラットのままであるがために、ヒートサイクル等がかかった際、巻線ホルダと帯状コイルが剥離する危険性が大きかった。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、巻線ホルダと帯状コイルの接着面積を増大させるために、巻線ホルダの両側面に溝加工したり、巻線ホルダの側面に貫通穴を開ける。また絶縁強度を上げるため、この両側面を粉体塗装し、巻線ホルダを挟む両側の帯状コイル同士を樹脂により一体モールド成形する。
【０００５】
【作用】
上記手段により、帯状コイルと巻線ホルダの接合面を、モールド樹脂が流動しやすくなる。
【０００６】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を図１に示して説明する。非磁性体で作られたＩ字形巻線ホルダ１の両側面に、帯状コイル２を固定する前に、図に示すようなローレットもしくはななこ目加工により表面に浅い溝加工面４を施し、この表面に粉体塗装で絶縁膜３を塗装する。更に、この両側面に帯状コイル２を配置し、含浸樹脂によりモールド固定する。
また、本発明の他の実施例を図２に示す。非磁性体で作られたＩ字形の巻線ホルダ１の側面部に多数の細い貫通穴１４を設け、巻線ホルダ１の側面と、貫通穴１４の内周面を粉体塗装で絶縁膜３を塗装する。そして、巻線ホルダ１の両側面に帯状コイル２を配置したのち、巻線ホルダ１に設けた貫通穴１４が樹脂で埋まるように、真空含浸法などを用いて、帯状コイル２、巻線ホルダ１をモールドし固定する。
【０００７】
【発明の効果】
以上に述べたように、本発明によれば帯状コイルの巻線ホルダへの接着強度を向上できるので、リニアモータ加減速時にかかるヒートサイクルに対しても十分耐え得るものとなるのでリニアモータのタクトタイムを短くでき、高出力・高精度のリニアモータの電機子を実現できる。
また、巻線ホルダ側面に設けた溝や穴により、巻線ホルダ表面に発生する渦電流損も低減でき、効率向上に役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明の実施例を示す斜視図
【図２】本発明の他の実施例を示す斜視図
【符号の説明】
１ 巻線ホルダ
２ 帯状コイル
３ 絶縁膜
４ 溝加工面
１４ 貫通穴

Claims (4)

1. 非磁性体で且つ電気抵抗率が高い材料からなるＩ字形の巻線ホルダの両側面に平滑な帯状コイルを貼付し電機子とするギャップワインディングリニアモータの電機子巻線方法において、前記巻線ホルダのＩ字形両側面に浅い溝加工を施し、この溝加工部に粉体塗装で絶縁膜を塗装し、巻線ホルダのＩ字形両側面に平滑な帯状コイルを樹脂によりモールド固定させることを特徴とするギャップワインディングリニアモータの電機子巻線方法。
2. 前記浅い溝加工がローレット加工による請求項１記載のギャップワインディングリニアモータの電機子巻線方法。
3. 前記浅い溝加工がななこ目加工による請求項１記載のギャップワインディングリニアモータの電機子巻線方法。
4. 前記非磁性体からなるＩ字形の巻線ホルダの側面を貫通する多数の細い貫通穴を設けた請求項１記載のギャップワインディングリニアモータの電機子巻線方法。

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