JP3677531B2 - 水中機械の圧力バランス装置及び潤滑油供給方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は水中機械の圧力バランス装置に係り、特に水中で使用される水中掘削機等の水中機械のシールの内外圧力をバランスさせて機械内部への砂、泥水等の侵入を防止するとともに、潤滑油内の残存空気をなくし、また潤滑油の熱膨張分にも対応できる水中機械の圧力バランス装置及び潤滑油供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、一般に地中に丸い孔を掘削する場合、掘削深さが増すにつれ地下水圧が上昇し掘削孔の孔壁を崩壊させる恐れがある。このため掘削時は掘削孔内を泥水で満たし、その水圧で孔壁の崩壊を押えながら掘削が行なわれるが、掘削された土砂は掘削孔内の泥水と共に孔の底から地上へ排出され、土砂分を分離した泥水を再び掘削孔内に戻し循環させることで掘削作業が連続的に行なわれる。
また、水中掘削においても掘削時に発生する土砂は、掘削孔内で泥水と混合され泥水と共に孔の底から地上へ排出され、土砂分を分離した泥水を再び掘削孔内に戻し循環させることで掘削作業が連続的に行なわれる。
【0003】
したがって、掘削機本体の切削ドラムを回転させるための軸とケーシングとの間などには常に水頭圧がかかるので、掘削機本体を構成するケーシング等の接合部や、切削ドラムを回転させるための軸とケーシングとの間などからの土砂の侵入を防ぐための工夫が行なわれている。
しかし、軸とケーシングとの間のシールなどには、常に水頭圧が作用しその耐久性の低下を余儀なくされていた。
【0004】
そこで、一般的に従来から掘削の際、アキュームレータを使用することが行なわれてきた。すなわち、図4に示した特公平7−23675号公報により提案された圧力バランス装置では、密封型に形成した掘削機本体1内に潤滑油を充満し、掘削機本体1とは別置きにしたアキュームレータ2内には収縮袋3とその中に透孔を有するマスク4とを設けておき、掘削機本体1とアキュームレータ2の上記収縮袋3内にパイピングホース5とキャップ6を介してその潤滑油を導き、その収縮袋3内にアキュームレータ2内に必要な量だけ充填する。キャップ6には空気抜き栓8が設けられている。一方、アキュームレータのキャップ6と反対側に設けた開口7から掘削孔内に満たされた泥水をアキュームレータ2内に導き、掘削作業時にアキュームレータ2のストッパー9を備えた収縮袋3を介して水頭圧を掘削機本体1内の潤滑油に作用させて、軸とケーシングとの間のシール部分に内外の圧力差が働かないようにし、機構内部に砂、泥水が侵入しないようにしたものである。
【0005】
また、上記アキュームレータ以外にもピストンを使用したものには特公昭51−17321号公報に記載された圧力バランス装置が知られており、さらに伸縮可能に形成された円筒状のダイヤフラムを利用したものでは実公昭56−37030号公報や特公昭62−40506号公報に記載された圧力バランス装置が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような水中機械が受ける水頭圧と水中機械本体内の圧力とをバランスさせる水中機械の圧力バランス装置では、水中機械本体内と圧力バランス装置として使用するアキュームレータなどに潤滑油を充満しておく必要があるが、実際には水中機械本体内に多少の空気が残る可能性があり、この空気が水頭圧の作用で圧縮され、その結果、見かけ上潤滑油の体積が減少することになる。また、反対に水中機械本体内の潤滑油は温度上昇によりその体積が増加する性質があるが、潤滑油の温度上昇は掘削作業中より休止中の太陽の直射熱等による影響の方が大きい。
【0007】
したがって、前記のアキュームレータなどにおいては、これらの潤滑油の体積変化を吸収することが必要となる。すなわち、アキュームレータのダイヤフラムを介して水頭圧を水中機械内部の潤滑油に作用させようと計画しているが、潤滑油を充填するときアキュームレータのダイヤフラムを押し広げ、アキュームレータ内部と水中機械内部の潤滑油の充填体積を増大し、増大した体積分余分に充填した潤滑油の体積以上に残った空気の水頭圧による体積減少があれば、ダイヤフラムが限度一杯まで縮んでしまい水中機械本体内部の潤滑油に水頭圧を作用させることができなくなり、結果的に圧力バランスの機能を発揮できなくなる欠点がある。また、逆に、先に述べたことを避けるため水中機械内部とアキュームレータに潤滑油を充填する際、アキュームレータのダイヤフラムを十分押し広げた場合、温度上昇による潤滑油の体積増加がアキュームレータのダイヤフラムの拡張限度一杯以上であれば、潤滑油の膨張は水中機械のケーシングとアキュームレータとで規制されケーシング内部には内圧が発生することになり、水中機械の軸とケーシングとの間のシールには大きな圧力が加わり、場合によってはシールが破損する恐れも考えられる。
【0008】
以上のことから、圧力バランスに使用するアキュームレータの容量(容積)Qaqは、 Qaq>Q1+Q2 にする必要がある。
但し Q1;水中機械本体内に残った空気が水頭圧で圧縮される体積
Q2;温度上昇による潤滑油の膨張体積
したがって、アキュームレータの容積は、アキュームレータ外筒内面の体積により決まるが、先に述べたように、水中機械内部とアキュームレータに潤滑油を充填する際には、予想される内部に残った空気が水頭圧により圧縮され見かけ上の潤滑油の体積減少分を見込んで充填する必要があり、アキュームレータ内の残りの体積が潤滑油の温度上昇による膨張分として十分かどうかも見きわめなければならないが、アキュームレータの外形は、一般的にダイヤフラムの膨張した時の形に合わせて球形をしており、予め幾何学的な計算でもしていなければ、その充填量、残りの容量を算定するのは困難である。
その上に、潤滑油の充填作業等は、通常工事現場等で行なうことが多く非常に不確実な作業となる確率が高い。
【0009】
また、アキュームレータのダイヤフラムを押し広げると言っても、これは水中機械内部に充填された潤滑油に圧力を加えなければならず、実際の作業としては非常に困難な作業である。
そのため水中機械の圧力バランスは、水中機械装置として重要な意味を持つものであるにもかかわらず、それが上記のような不確実な作業または困難な作業によらなければならないのでは安心して水中機械を使用することはできない。
そこで、近年特に水中機械の圧力バランス装置における残存空気の圧縮及び潤滑油の熱膨張の問題を解決した装置の開発が望まれていた。
【0010】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、大気中において水中機械とアキュームレータに潤滑油を充填しても、残存空気の圧縮分及び潤滑油の熱膨張分による増減に対応できる水中機械の圧力バランス装置及び潤滑油供給方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、水中機械が受ける水頭圧と、水中機械本体内の潤滑油の圧力とをバランスさせるようにした水中機械の圧力バランス装置において、該圧力バランス装置は、前記水中機械本体とは別体に設けられ、一方の端壁に開口と他方の端壁に内方に突設した円筒部を備えたシリンダーと該シリンダー内に往復動自在に配設されたピストンとからなり、前記水中機械本体内部とシリンダー内のピストンロッド側とを連通させて、水中機械内部の潤滑油が自由に連通できるようにし、該シリンダー内のピストンロッド側と他方側とを、ゴムと布とで形成された薄い膜を前記ピストンの円筒部と前記シリンダー内壁との間に位置させて分離するとともに、前記ピストンロッドをシリンダー内に突設した前記円筒部に支承し、該シリンダーの他方側は水頭圧を受けるように構成したことを特徴とし、また水中掘削機本体内の旋回可能な内筒の旋回支持部材に掘削部を揺動アームにより揺動可能に設け、該掘削部は油圧モータによって駆動される一対の回転ドラムカッタからなり、該一対の回転ドラムカッタの中間付近に排泥管のズリ吸い込み先端部を臨ませた水中掘削機の掘削機械本体内の潤滑油の圧力と、水中掘削機が受ける水頭圧とをバランスさせるようにした水中掘削機の圧力バランス装置において、該圧力バランス装置は、前記水中機械本体とは別体に設けられ、一方の端壁に開口と他方の端壁に内方に突設した円筒部を備えたシリンダーと該シリンダー内に往復動自在に配設されたピストンとからなり、前記水中機械本体内部とシリンダー内のピストンロッド側とを連通させて、水中機械内部の潤滑油が自由に連通できるようにし、該シリンダー内のピストンロッド側と他方側とを、ゴムと布とで形成された薄い膜を前記ピストンの円筒部と前記シリンダー内壁との間に位置させて分離するとともに、前記ピストンロッドをシリンダー内に突設した前記円筒部に支承し、該シリンダーの他方側は水頭圧を受けるように構成したことを特徴とし、さらに前記円筒部の基部に小孔を穿設したことを特徴としている。
【0012】
一方、減速歯車装置を介して油圧モータによって駆動される回転ドラムカッタからなる水中掘削機の掘削機械本体と、ピストン側と他方側との間をゴムと布とで形成された薄い膜を用いて分離し、該シリンダーの他方側は水中掘削機が受ける水頭圧を受けるようにしたシリンダーとを横方向に上下関係に設置し、前記掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの下部とシリンダー上部に設けた開口とを連通管によって連結した後、前記掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの上面に穿設した潤滑油の供給口から潤滑油を供給し、前記シリンダー内と掘削機械本体内がほぼ充填された後、シリンダーの他方側開口からピストンをロッド側へ押圧して該ピストンを所定の位置に移動させて余分な潤滑油と残存空気とを供給口から排出させてから前記潤滑油の供給口を閉塞することを特徴とし、さらにその後にシリンダーの他方側からピストンをロッド側へ水中掘削作業時の水頭圧相当の圧力により押圧して、その際のピストンの位置を確認することを特徴とする圧力バランス装置への潤滑油供給方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について説明すると、水中機械本体内と、ピストンとシリンダーとの間をゴムと布とで形成された薄い膜を用いたシリンダーとの内部に潤滑油を大気中で充填する際、水中機械本体と上記シリンダーとを横方向に上下関係に設置し、掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの上面に穿設した潤滑油の供給口から潤滑油を供給し、水中機械本体内の空気を潤滑油で押しだしながら充填していくが、その充填量は水中機械本体内に100%とシリンダーの中へ水中機械本体内の残存空気が水頭圧により圧縮され、見かけ上潤滑油の体積が減少する量に見合った量以上を充填すればよいが、実際には、水中掘削機本体の潤滑油が充填されるケーシング内の空気をできるだけ完全に排出してしまいたいため、潤滑油を一旦、水中掘削械本体ケーシング内と前記シリンダー内とに100%充填し、暫く間をおいて、ある程度空気が抜けたところで更に充填する方法を採り、最終的に前記シリンダーのピストンを木の棒のようなものでロッド側へ押し込み、供給口から余分な潤滑油と僅かに残った空気を押し出してピストンの位置をセットするが、その際のピストンの位置により前記シリンダー内に、見かけ上潤滑油の体積が減少する量に見合った量以上が充填されたか確認でき、かつシリンダーの残りの容量が潤滑油の熱膨張分として充分か確認しながら、充填作業を行なうことができる。
【0014】
さらに、充填が終わった後、給油口のネジ栓を閉めて、シリンダーのピストンを水中掘削作業時の水頭圧相当の圧力(力)でロット側へ押圧すれば、残った空気が圧縮され前記ピストンがロット側へ移動するが、その時ピストンがストロークエンドまで移動しないことが確認できれば、たとえ掘削機本体の潤滑油が充填されるケーシングの中に空気が残っていても、実際の掘削作業に於て確実に圧力バランスの機能を果たすであろうことが確認できる。
【0015】
したがって、水中掘削機等の水中機械が掘削作業中に受ける水頭圧により水中機械本体内の潤滑油の中に残存する空気が圧縮され、見かけ上潤滑油の体積が減少しても水中機械本体内の潤滑油と掘削孔内の泥水の水頭圧との圧力バランスが十分保たれる。また、水中機械を空気中に引き上げた時にも、太陽の直射熱等による潤滑油の熱膨張分をピストンとシリンダーとの間をゴムと布とで形成された薄い膜を用いた上記シリンダーの作用により水中機械本体内に油の膨張による内圧が発生することもない。
【0016】
【実施例】
本発明に係る水中機械の圧力バランス装置及び潤滑油供給方法を実施例によって図面を参照して説明する。図1は本実施例の潤滑油を供給する際の断面説明図、図2は本実施例の縦断面図、図3は要部拡大図である。
【0017】
図2および図3において、水中掘削機Aは杭打船のリーダで支持された鋼管杭11の中をワイヤロープ12で海底地盤まで吊り降ろされる。水中掘削機Aには前記鋼管杭11の内壁に着脱可能に固定するための上下2つのグリッパ13を備えており、またこの掘削機Aにはその内筒14を旋回駆動するための油圧モータ15と旋回用減速機16が配設されており、この旋回用減速機16の出力歯車は上記内筒14の上部に固設された歯車16Aと噛み合っている。一方、この内筒14の下部先端には旋回支持部材17が取付けられており、その旋回支持部材17にアーム揺動用液圧シリンダー18を具備した揺動アーム19の上端部が横軸19Aにより枢着され、揺動アーム19には旋回支持部材17に対して油圧モータ20、歯車装置21、軸受け部22、掘削部23などが一体として揺動可能に設けられている。
【0018】
さらに、上記揺動アーム19には上部に図3に示した圧力バランス装置Bが設置されており、また油圧モータ20と歯車装置21とからなる駆動装置により互いに反対方向に回転される一対の掘削部23が取付けられている。
したがって、掘削機Aに設けられた油圧モータ15の駆動力により内筒14、旋回支持部材17及び揺動アーム19を介して掘削部23が竪孔の中心線の周りに旋回されると共に、揺動アーム19の油圧モータ20の駆動力により歯車装置21を介して掘削部23が互いに反対方向に回転される。そしてこの2つの掘削部23の中間には上記掘削機本体Aの内筒14の下端部に可撓管24によって連通された排泥用のズリ吸い込み部の先端開口25が配設されている。
【0019】
次に、上記圧力バランス装置Bを図1によって詳細に説明すると、圧力バランス装置Bのシリンダー26内にはピストンロッド27付きピストン28が収容されており、そのピストンロッド27は円筒部29によって支承されている。そしてシリンダー26内はピストン28側とその反対側とはゴムと布とで形成された薄いベロフラム30によって2箇所で完全に分離されている。また前記円筒部29の基部には小孔31が穿設されている。
【0020】
上記圧力バランス装置Bへの潤滑油を充填する方法について説明すると、先ず油圧モータ20、歯車装置21、軸受け部22からなる掘削機械本体Cと圧力バランス装置Bのシリンダー26とを図に示したようにそれぞれ横方向に載置し、かつ空気抜きが便利なように掘削機械本体Cを上方に、圧力バランス装置Bを下方にして互いに上下関係に設置する。
次いで、前記掘削機械本体Cの歯車装置21ケーシングの下部とシリンダー26上部に設けた開口とをパイプホースなどの連通管32によって連結し、掘削機械本体Cの歯車装置21ケーシングの上面に穿設した潤滑油の供給口に取り付けたねじ栓33をはずし、潤滑油Oを供給口から注入する。
【0021】
前記シリンダー26内と掘削機械本体C内がほぼ充填された時、シリンダー26の一端のフィルター34を取外し、開口35から木の棒のようなものでピストン28を図1において右方へ押し込んで前記掘削機械本体C内に残った空気を押し出す。この操作を数回繰り返せば、掘削機械本体C内の余分な潤滑油とわずかに残った空気をほぼ100%押し出すことができる。この際、ピストンロッドが円筒部によって支承されているから、円滑に移動し確実な操作ができる。
さらに、潤滑油Oはシリンダー26内にも充填されていくが、その充填量は水中機械本体C内に100%とシリンダーの中へ水中機械本体内の残存空気が水頭圧により圧縮され、見かけ上潤滑油の体積が減少する量に見合った量以上を充填すことが必要である。その量は、上記シリンダー26のピストン28のストロークS1 により算定できるとともに、先に述べた方法によって確認することができる。
【0022】
すなわち、シリンダーへの充填油量Q3および残りの容量Q4の計算式は、 Q3=D×S1 Q4=D×S2 D;シリンダー断面積 したがって、その際のピストンの位置により潤滑油の熱膨張分としてシリンダーの残りの容量がストロークS2によって十分かどうか確認できる。さらに充填が終わり給油口のネジ栓を閉めた後、確認のためにシリンダーのピストンを水中掘削作業時の水頭圧相当の圧力(力)でロット側へ押圧すれば、僅かに残った空気が圧縮され前記ピストンがロット側へ移動するが、その時ピストンがストロークエンドまで移動しないことが確認できれば、たとえ掘削機本体の潤滑油が充填されるケーシングの中に空気が残っていても、実際の掘削作業において確実に圧力バランスの機能を果たすであろうことが確認できる。この際、ピストンロッドが円筒部によって支承されているから、円滑に移動し正確な確認作業ができる。このようにして、潤滑油の充填が終わればねじ栓33を取り付けて潤滑油の充填と圧力バランス装置Bの準備が終了し、圧力バランス装置Bと前記掘削機械本体Cとを前記水中掘削機Aの揺動アーム19に組み込む。
【0023】
本実施例によれば、圧力バランス装置Bのシリンダー26内と水中機械本体C内との残存空気をほぼ完全に排除でき、さらに水中機械本体C内に100%とシリンダー26の中へ水中機械本体内の残存空気が水頭圧により圧縮され、見かけ上潤滑油の体積が減少する量に見合った量以上を充填することができ、実際の水中作業時において確実に圧力バランス装置の機能を発揮できるため安全に水中作業ができる。
また、太陽熱による潤滑油Oの膨張の際にも水中機械の軸とケーシングとの間のシールに大きな圧力が加わることがなく、そのシール破損が防止できる。
【0024】
【発明の効果】
以上説明した本発明によれば、圧力バランス装置は、水中機械本体とは別体に設けられ、一方の端壁に開口と他方の端壁に内方に突設した円筒部を備えたシリンダーと該シリンダー内に往復動自在に配設されたピストンとからなり、水中機械本体内部の潤滑油とシリンダー内のピストンロッド側とを連通させて、水中機械内部の潤滑油が自由に連通できるようにし、このシリンダー内のピストンロッド側と他方側との間をゴムと布とで形成された薄い膜を前記ピストンの円筒部と前記シリンダー内壁との間に位置させて分離するとともに、前記ピストンロッドをシリンダー内に突設した円筒部に支承し、かつピストンロッドがシリンダー内に完全に収納されているから、水と潤滑油が完全に分離され、潤滑油中に水や泥水が混入することが完全に防止できる。
【0025】
潤滑油をシリンダーに供給する際、掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの上面に穿設した供給口から潤滑油を注入し、前記シリンダー内と掘削機械本体内がほぼ充填された後、シリンダーの他方側からピストンをロッド側へ所定の位置まで押し込み、余分な潤滑油と僅かに残った空気とを潤滑油の供給口から排出させるから、大気中において水中機械とアキュームレータに潤滑油を充填する際、アキュームレータにセットすべき残存空気の圧縮分及び潤滑油の熱膨張分に相当する容積をピストンの押し込み量を調節することにより自在に調節することができ、実際の掘削作業に於て確実に圧力バランス装置の機能を発揮し、安全に水中掘削作業ができる効果がある。また、太陽熱による潤滑油の膨張の際にも水中機械の軸とケーシングとの間のシールに大きな圧力が加わることがなく、そのシール破損が防止できる。
【0026】
さらに、充填が終わり給油口のネジ栓を閉めた後、確認のためにシリンダーのピストンを水中掘削作業時の水頭圧相当の圧力(力)でロット側へ押圧すれば、僅かに残った空気が圧縮され前記ピストンがロット側へ移動するが、その時ピストンがストロークエンドまで移動しないことが確認できれば、たとえ掘削機本体の潤滑油が充填されるケーシングの中に空気が残っていても、実際の掘削作業において確実に圧力バランスの機能を果たすであろうことが大気中で確認できる。しかも、この際ピストンロッドがシリンダー内の円筒部によって支承されているから、円滑に移動し正確な確認作業ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例の圧力バランス装置Bと水中機械本体Cとの断面説明図である。
【図2】本実施例の縦断面図である。
【図3】本実施例の要部拡大側面図である。
【図4】従来例の要部拡大縦断面図である。
【符号の説明】
11 鋼管杭
12 ワイヤーロープ
13 グリッパ
14 内筒
15 油圧モータ
16 旋回用減速機
17 旋回支持部材
18 液圧シリンダー
19 揺動アーム
20 油圧モータ
21 歯車装置
22 軸受け部
23 掘削部
24 可撓管
25 先端開口
26 シリンダー
27 ピストンロッド
28 ピストン
29 円筒部
30 ベロフラム
31 小孔
32 バイブホース
33 ねじ栓
34 フィルター
A 水中掘削機
B 圧力バランス装置
C 水中機械本体
O 潤滑油
Claims (4)
- 水中機械が受ける水頭圧と、水中機械本体内の潤滑油の圧力とをバランスさせるようにした水中機械の圧力バランス装置において、該圧力バランス装置は、前記水中機械本体とは別体に設けられ、一方の端壁に開口と他方の端壁に内方に突設した円筒部を備えたシリンダーと該シリンダー内に往復動自在に配設されたピストンとからなり、前記水中機械本体内部とシリンダー内のピストンロッド側とを連通させて、水中機械内部の潤滑油が自由に連通できるようにし、該シリンダー内のピストンロッド側と他方側とを、ゴムと布とで形成された薄い膜を前記ピストンの円筒部と前記シリンダー内壁との間に位置させて分離するとともに、前記ピストンロッドをシリンダー内に突設した前記円筒部に支承し、該シリンダーの他方側は水頭圧を受けるように構成したことを特徴とする水中機械の圧力バランス装置。
- 水中掘削機本体内の旋回可能な内筒の旋回支持部材に掘削部を揺動アームにより揺動可能に設け、該掘削部は油圧モータによって駆動される一対の回転ドラムカッタからなり、該一対の回転ドラムカッタの中間付近に排泥管のズリ吸い込み先端部を臨ませた水中掘削機の掘削機械本体内の潤滑油の圧力と、水中掘削機が受ける水頭圧とをバランスさせるようにした水中掘削機の圧力バランス装置において、該圧力バランス装置は、前記水中機械本体とは別体に設けられ、一方の端壁に開口と他方の端壁に内方に突設した円筒部を備えたシリンダーと該シリンダー内に往復動自在に配設されたピストンとからなり、前記水中機械本体内部とシリンダー内のピストンロッド側とを連通させて、水中機械内部の潤滑油が自由に連通できるようにし、該シリンダー内のピストンロッド側と他方側とを、ゴムと布とで形成された薄い膜を前記ピストンの円筒部と前記シリンダー内壁との間に位置させて分離するとともに、前記ピストンロッドをシリンダー内に突設した前記円筒部に支承し、該シリンダーの他方側は水頭圧を受けるように構成したことを特徴とする水中機械の圧力バランス装置。
- 減速歯車装置を介して油圧モータによって駆動される回転ドラムカッタからなる水中掘削機の掘削機械本体と、シリンダー内のピストンロッド側と他方側との間をゴムと布とで形成された薄い膜を用いて分離し、該シリンダーの他方側は水中掘削機が受ける水頭圧を受けるようにしたシリンダーとを横方向に上下関係に設置し、前記掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの下部とシリンダー上部に設けた開口とを連通管によって連結した後、前記掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの上面に穿設した潤滑油の供給口から潤滑油を供給し、前記シリンダー内と掘削機械本体内がほぼ充填された後、シリンダーの他方側開口からピストンをロッド側へ押圧して該ピストンを所定の位置に移動させて余分な潤滑油と残存空気とを供給口から排出させてから前記潤滑油の供給口を閉塞することを特徴とする圧力バランス装置への潤滑油供給方法。
- 減速歯車装置を介して油圧モータによって駆動される回転ドラムカッタからなる水中掘削機の掘削機械本体と、シリンダー内のピストンロッド側と他方側との間をゴムと布とで形成された薄い膜を用いて分離し、該シリンダーの他方側は水中掘削機が受ける水頭圧を受けるようにしたシリンダーとを横方向に上下関係に設置し、前記掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの下部とシリンダー上部に設けた開口とを連通管によって連結した後、前記掘削機械本体の潤滑油が充填されるケーシングの上面に穿設した潤滑油の供給口から潤滑油を供給し、前記シリンダー内と掘削機械本体内がほぼ充填された後、シリンダーの他方側開口からピストンをロッド側へ押圧して該ピストンを所定の位置に移動させて余分な潤滑油と残存空気とを供給口から排出させてから前記潤滑油の供給口を閉塞した後、シリンダーの他方側からピストンをロッド側へ水中掘削作業時の水頭圧相当の圧力により押圧して、その際のピストン位置を確認することを特徴とする圧力バランス装置への潤滑油供給方法。
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