JP3677302B2 - ポジ型レジスト溶液 - Google Patents

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【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は新規なポジ型レジスト溶液、さらに詳しくは、特に半導体素子製造分野において有効に用いられる、レジストの感光性成分の析出や感度の経時変化がなく、保存安定性に優れ、かつ高解像度でデフォーカスマージンが広い実用的なポジ型レジスト溶液に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体素子の製造工程におけるリソグラフィー技術では、解像性に優れたポジ型レジストが多用されており、このポジ型レジストはノボラック樹脂とキノンジアジド基含有化合物の混合物が多く、キノンジアジド基含有化合物は溶剤に対する相容性が良好でなく、レジスト組成物にすると析出しやすいことが知られている。このような異物の析出は、大量に生産される半導体素子の製造において、歩止まりを低下させたり、製造ラインの一時停止を余儀なくされるため、最も注意を必要とするものである。
【0003】
したがって、ポジ型レジストの開発は概ねこのようなレジスト組成物の相容性上の問題、特に異物の発生を解消するとともに、高生産性の点から高感度化、高解像度化に向けられている。
【0004】
例えば、ポリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン‐1,2‐ジアジドスルホニルクロリドとのエステル化反応物であるキノンジアジド基含有化合物のエステル化度を上げることで高感度化及び高解像度化されることが知られているが、キノンジアジド基含有化合物はレジストにすると相容性が良好でなく、さらにエステル化度を上げるとますます溶剤に対する溶解性が低下するという問題がある。
【0005】
そこで、このような溶解性を改善するため、レジストの溶液として種々の溶剤が検討されている。
【0006】
従来、ポジ型レジストの溶剤としては種々のものが知られているが、一般に用いられるエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートは溶解性が不足するため、この溶解性を改良したものとしてシクロペンタノンが提案された(特開昭59−155838号公報)。しかし、このものは溶解性は向上しているものの、樹脂成分や感光性成分と化学変化を起こしやすく、溶剤としての安定性が悪く、感度の経時変化が生じやすいという欠点がある。
【0007】
また、モノオキシモノカルボン酸アルキルも用いられているが(特開昭62−123444号公報)、これは吸湿性が高すぎて感光剤の析出を生じやすく、保存安定性が良好でないし、また、環状ケトンとアルコールとの組合せも提案されているが(米国特許第4,526,856号明細書)、これも感光剤が析出しやすく、保存安定性が悪い。その他、プロピレングリコールアルキルエーテルアセテートも知られているが(特開昭61−7837号公報)、これも感光剤との相容性が不十分で感度の経時変化が大きい。このように、従来の溶剤はいずれも様々な問題点を有していた。
【0008】
さらに、前記した溶剤を用いたポジ型レジストは、露光処理におけるデフォーカスマージンが狭いという欠点もある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような事情のもとで、レジストの感光性成分の析出や感度の経時変化がなく、溶解性、保存安定性に優れ、かつ高解像度でデフォーカスマージンが広い実用的なポジ型レジスト溶液を提供することを目的としてなされたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合物とを有機酸エステル溶剤に溶解して成るポジ型レジスト溶液について種々検討を重ねた結果、従来のポジ型レジスト溶液におけるレジストの感光性成分の析出や感度の経時的低下が、使用する有機酸エステル中に不純分として含まれる遊離有機酸に起因すること、したがってこれを所定値以下に減少させれば、これらの欠点が改善しうることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド基含有化合物を有機酸エステル溶剤に溶解してなるポジ型レジスト溶液において、有機酸エステル溶剤として、有機酸エステル中に不純分として含まれている遊離有機酸を有機酸エステルの酸価が0.02mg/g以下になるまで除去したものを用いることを特徴とするポジ型レジスト溶液を提供するものである。
【0012】
本発明溶液に用いるアルカリ可溶性樹脂としては、例えばノボラック樹脂、アクリル樹脂、スチレンとアクリル酸との共重合体、ヒドロキシスチレンの重合体、ポリビニルフェノール、ポリα‐メチルビニルフェノールなどが挙げられ、中でも特にアルカリ可溶性ノボラック樹脂が好ましい。このアルカリ可溶性ノボラック樹脂については特に制限はなく、従来ポジ型レジスト溶液において被膜形成用物質として慣用されているもの、例えばフェノール、クレゾール、キシレノールなどの芳香族ヒドロキシ化合物とホルムアルデヒドなどのアルデヒド類とを酸性触媒の存在下に縮合させたものなどが用いられる。このアルカリ可溶性ノボラック樹脂としては、低分子領域をカットした重量平均分子量が2000〜20000、好ましくは5000〜15000の範囲のものが好ましい。
【0013】
本発明溶液においては、感光性成分としてキノンジアジド基含有化合物が用いられる。このキノンジアジド基含有化合物としては、例えばオルトベンゾキノンジアジド、オルトナフトキノンジアジド、オルトアントラキノンジアジドなどのキノンジアジド類のスルホン酸又はその官能性誘導体(例えばスルホン酸クロリドなど)と、フェノール性水酸基又はアミノ基を有する化合物とを部分若しくは完全エステル化、あるいは部分若しくは完全アミド化したものなどが挙げられる。
【0014】
このフェノール性水酸基又はアミノ基を有する化合物としては、例えば(1)2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2′,4,4′‐テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4′‐テトラヒドロキシベンゾフェノンなどのポリヒドロキシベンゾフェノン類、(2)1‐〔1‐(4‐ヒドロキシフェニル)イソプロピル〕‐4‐〔1,1‐ビス(4‐ヒドロキシフェニル)エチル〕ベンゼン、(3)トリス(4‐ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐3,5‐ジメチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(4‐ヒドロキシ‐2,5‐ジメチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタンなどのトリス(ヒドロキシフェニル)メタン類又はそのメチル置換体、(4)ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐4‐ヒドロキシ‐6‐メチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐6‐ヒドロキシフェニル)‐3‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐6‐ヒドロキシフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐6‐ヒドロキシフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐6‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐2‐ヒドロキシフェニルメタン、ビス(3‐シクロヘキシル‐6‐ヒドロキシ‐4‐メチルフェニル)‐4‐ヒドロキシフェニルメタンなどのビス(シクロヘキシルヒドロキシフェニル)ヒドロキシフェニルメタン類又はそのメチル置換体、(5)その他水酸基又はアミノ基を有する化合物、例えばフェノール、フェノール樹脂、p‐メトキシフェノール、ジメチルフェノール、ヒドロキノン、ビスフェノールA、ポリヒドロキシジフェニルアルカン、ポリヒドロキシジフェニルアルケン、α,α′,α″‐トリス(4‐ヒドロキシフェニル)‐1,3,5‐トリイソプロピルベンゼン、ナフトール、ピロカテコール、ピロガロール、ピロガロールモノメチルエーテル、ピロガロール‐1,3‐ジメチルエーテル、没食子酸、水酸基を一部残してエステル化又はエーテル化された没食子酸、アニリン、p‐アミノジフェニルアミンなどが挙げられる。
【0015】
特に好ましいキノンジアジド基含有化合物は、ポリヒドロキシベンゾフェノンとナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホン酸又はナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐4‐スルホン酸との完全エステル化物や部分エステル化物であり、特に平均エステル化度が70%以上のものが好ましい。
【0016】
本発明溶液においては、該感光性成分として、前記のキノンジアジド基含有化合物から成る感光性成分を1種含有してもよいし、2種以上含有してもよい。
【0017】
このキノンジアジド基含有化合物は、例えば前記ポリヒドロキシベンゾフェノンと、ナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホニルクロリド又はナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐4‐スルホニルクロリドとをジオキサンなどの適当な溶媒中において、トリエタノールアミン、炭酸アルカリ、炭酸水素アルカリなどのアルカリの存在下に縮合させ、完全エステル化又は部分エステル化することにより製造することができる。
【0018】
本発明において用いる有機酸エステル溶剤について、例えば市販の有機酸エステルからアルカリ処理、あるいは該処理に続いて蒸留処理することにより、その中に不純分として含まれている遊離有機酸を、有機酸エステルの酸価0.02mg/g以下になるまで除去することが必要である。一般に、従来のレジスト溶液における溶剤として用いられている有機酸エステルは、その中に含まれる遊離有機酸により、その酸価は、おおよそ0.10mg/gになっているが、このような従来のレジスト溶液では、感度の経時変化が大きい。半導体素子製造においては、このような感度の経時変化がない、特に初期の感度が時間によらず変化しないものが好ましい。
【0019】
本発明においては、レジスト溶液の溶剤として用いる有機酸エステルとして、その酸価0.02mg/g以下になるまで遊離有機酸を除去したものを用いることにより、感度の経時変化がなく、感光剤等の析出が起こらず保存安定性に優れ、また解像性、デフォーカスマージンも向上したレジスト溶液を調製することができる。
【0020】
本発明における有機酸エステルの酸価とは、有機酸エステル1g中に含有されている遊離有機酸を中和するのに要する水酸化カリウムのミリグラム数で表し、JIS K0070の方法により求めることができる。
【0021】
本発明に用いる有機酸エステルとしては、具体的には、脂肪酸アルキ、あるいはアルキレングリコール又はそのモノアルキルエーテルの酢酸エステルを挙げることができる。脂肪酸アルキとしては、例えば乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3‐メトキシプロピオン酸メチル、3‐エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられる。またアルキレングリコール又はそのモノアルキルエーテルの酢酸エステルとしては、例えばエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノアセテート、ジプロピレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテートなどが挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を混合して用いてもよい。これらの有機酸エステル溶剤のうち、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましく、特にはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートが好ましい。
【0022】
本発明においては、キノンジアジド基含有化合物のエステル化度が高い場合、前記有機酸エステルを単独で溶媒として用いるのが好ましいが、このエステル化度の度合によっては、あるいはキノンジアジド基含有化合物としてエステル以外のアミド化物などを用いる場合には、従来、ポジ型レジストの溶媒として使用されている溶剤を、本発明の目的をそこなわない範囲で、併用することができる。この場合、併用できる溶剤としては、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ベンジルエチルエーテル、ジヘキシルエーテルなどのエーテル類、シクロヘキサノン、ジイソブチルケトンなどのケトン類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素などが挙げられる。
【0023】
本発明においては、上記有機酸エステル以外の溶剤を併用する場合、このものを溶剤全量の50重量%以下、好ましくは30重量%以下の割合で混合するのが望ましい。
【0024】
本発明溶液においては、前記キノンジアジド基含有化合物は前記アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、通常10〜40重量部、好ましくは18〜30重量部の範囲で用いられる。このキノンジアジド基含有化合物が少なすぎると実用的な形状を有するレジストパターンが得られにくいし、また多すぎると感度が低下する。
【0025】
また、本発明で用いる有機酸エステルは、前記したアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合物とを溶解するものであり、その使用量は限定されるものではなく、良好な塗膜性を与え、所望の膜厚の塗布膜が得られる範囲内で用いればよいが、具体的にはアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合物との合計量100重量部当り、通常50〜2000重量部、好ましくは100〜1000重量部の割合で用いられる。この量が50重量部未満では粘度が高くなり、取り扱いにくくなるし、また、2000重量部を超えると濃度が低くなって、塗布量の調節、乾燥に時間を要し、作業性が低下する。
【0026】
本発明溶液には、さらに必要に応じて相容性のある添加物、例えばレジスト膜の性能などを改良するための付加的樹脂、可塑剤、安定剤あるいは現像して得られるパターンをより一層可視的にするための着色料、またより増感効果を向上させるための増感剤、コントラスト向上剤などの慣用成分を添加含有させることができる。
【0027】
本発明溶液は、前記有機酸エステルに、前記のアルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合物及び必要に応じて用いられる添加成分をそれぞれ必要量溶解することにより調製される。
【0028】
本発明溶液の好適な使用方法について1例を示すと、まずシリコンウエーハのような支持体上に、アルカリ可溶性樹脂とキノンジアジド基含有化合物を、前記酸価が0.05mg/g以下の有機酸エステル溶剤に溶解して得られる溶液をスピンナーなどで塗布し、乾燥して感光層を形成させ、次いで紫外線を発光する光源、例えば低圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、アーク灯、キセノンランプなどを用い所要のマスクパターンを介して露光するか、縮小投影露光装置により露光するか、マスクパターンを介してエキシマレーザーやX線を照射するか、あるいは電子線を走査しながら照射する。次に、これを現像液、例えば1〜10重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液のようなアルカリ性水溶液に浸せきすると、露光によって可溶化した部分が選択的に溶解除去されて、マスクパターンに忠実な画像を得ることができる。
【0029】
このような方法は、半導体加工にかぎらず、リソグラフィを用いて加工する分野、例えばLCD、TAB、PCB、ケミカルミーリング、印刷などにも適用でき、同様に優れた効果が得られる。
【0030】
【発明の効果】
本発明のポジ型レジスト溶液は、レジストの感光性成分の析出や感度の経時変化がなく、保存安定性に優れ、かつ高解像度でデフォーカスマージンを広くすることができるので、特にハーフミクロンの微細加工度を必要とするULSIなどの半導体デバイス製造分野において極めて実用的に利用しうる。
【0031】
【実施例】
次に、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
【0032】
なお、各例における物性は次の方法によって求められたものである。
(1)感度
ポジ型レジスト溶液をスピンナーによりシリコンウエーハ上に塗布し、ホットプレートで110℃、90秒間乾燥して膜厚1.3μmのレジスト膜を形成し、この膜に縮小投影露光装置NSR‐1505G‐4D(ニコン社製)を用いて、所定のマスクを介して0.1秒から0.01秒間隔で露光したのち、2.38重量%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で1分間現像し、30秒間水洗、乾燥することによってパターニングのために要する(現像後の露光部の膜厚が0となる)最少露光時間を感度として測定した。
【0033】
(2)解像性
1.0μmのマスクパターンを再現する露光量における限界解像度で示した。
【0034】
(3)デフォーカスマージン
0.5μmのマスクパターンが正確に再現できる露光量における0.5μmレジストパターンの焦点深度幅で示した。
【0035】
(4)保存安定性(析出物の有無)
調製されたポジ型レジスト溶液を0.2μmメンブランフィルターを通してろ過したのち40℃において3か月間静置した後の溶液中の析出物の有無を観察した。析出物がないものを無、析出物のあるものを有と評価した。
【0036】
(5)保存安定性(感度変化率)
調製されたポジ型レジスト溶液を常温で3か月静置したものについて、感度を測定し、調製直後のものの感度との変化率で評価した。
【0037】
実施例1
m‐クレゾールとp‐クレゾールとを重量比で60:40の割合で混合し、これにホルマリンを加え、シュウ酸触媒を用いて常法により縮合反応させて得られたクレゾールノボラック樹脂100重量部、2,3,4‐トリヒドロキシベンゾフェノン1モルとナフトキノン‐1,2‐ジアジド‐5‐スルホニルクロリド1.6モルとの反応生成物25重量部を精製したプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート390重量部に溶解したのち、0.2μmのメンブランフィルターを用いてろ過し、ポジ型レジスト溶液を調製した。この溶液に用いたプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートの酸価をJIS K0070により求めたところ0.008mg/gであった。このポジ型レジスト溶液について物性を調べた結果を表1及び図1に示す。
【0038】
実施例2,3、比較例1〜6
表1に示すように有機酸エステル溶剤として種々の酸価を有するプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを用いた以外は、実施例1と同様にしてポジ型レジスト溶液を調製した。この溶液についての物性を表1及び図1に示す。
【0039】
【表1】
Figure 0003677302
【0040】
実施例4〜6、比較例7〜12
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートに代えて表2に示す種々の酸価を有するピルビン酸エチルを使用した以外は実施例1と同様にしてポジ型レジスト溶液を調製した。この溶液についての物性を表2及び図2に示す。
【0041】
【表2】
Figure 0003677302

【図面の簡単な説明】
【図1】 ポジ型レジスト溶液の1例中の酸価と感度変化率との関係を示すグラフ。
【図2】 ポジ型レジスト溶液の別の例中の酸価と感度変化率との関係を示すグラフ。

Claims (5)

  1. アルカリ可溶性樹脂及びキノンジアジド基含有化合物を有機酸エステル溶剤に溶解してなるポジ型レジスト溶液において、有機酸エステル溶剤として、有機酸エステル中に不純分として含まれている遊離有機酸を有機酸エステルの酸価が0.02mg/g以下になるまで除去したものを用いることを特徴とするポジ型レジスト溶液。
  2. 有機酸エステルが脂肪酸アルキルである請求項1記載のポジ型レジスト溶液。
  3. 脂肪酸アルキルがピルビン酸エチル、乳酸エチルから選ばれる少なくとも1種である請求項2記載のポジ型レジスト溶液。
  4. 有機酸エステルがアルキレングリコール又はそのモノアルキルエーテルの酢酸エステルである請求項1記載のポジ型レジスト溶液。
  5. アルキレングリコール又はそのモノアルキルエーテルの酢酸エステルがプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである請求項4記載のポジ型レジスト溶液。
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