JP3676910B2 - 半導体装置及び半導体アイランドの形成方法 - Google Patents

半導体装置及び半導体アイランドの形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、SOI(silicon-on-insulator)上のpチャネルとnチャネルの電界効果トランジスタに関し、特にシリコン平面で圧縮応力を受け、重い正孔帯の有効バンド・エッジ質量が減少し、伝導帯の有効質量も減少するSOI上のシリコン・アイランドに関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコン膜の応力は、電界効果トランジスタ(FET)の性質を改良するため利用できる。例えば、相補形金属酸化物半導体(CMOS)ロジック、メモリ、及びアナログ回路に用いられるpチャネルFETの正孔移動度は、シリコン等の半導体が層の平面で2軸応力を受ける場合には改良することができる。p−FETの性能が低い原因はキャリア速度が低いことにあり、これはまた正孔の有効質量が大きいこと、及び弱い電界での正孔の散乱性による。これにより移動度は低くなり、またそのため速度が電界と関連付けられる。これはキャリア輸送の通常の尺度である。正孔の速度つまり正孔移動度を改良することは、優れたpチャネルFET、CMOS回路及びメモリにつながる。また充分に高い応力を受けるとき、百分率の相対的変化は小さいものの、電子速度の増加によりnチャネル素子の改良も考えられる。
【0003】
W.Heywangによる1971年2月23日付け米国特許番号第3566215号では、半導体本体に機械的張力をかけることによって電界効果トランジスタのキャリア移動度が改良されている。シリコン層の被着時にシリコンとは異なる物質の基板の温度が上げられ、冷却の後、シリコン層に対する基板の熱収縮の差異によりシリコン層が張力を受ける。
【0004】
B.A.Ekらによる1995年10月24日付け米国特許番号第5461243号では、最初にSOI基板上にシリコン層があり、SiGe層がその上で形成され、層の厚みにより緩和される。SiGe層の上にはシリコン層が形成される。シリコン層は格子間隔の不整合により引張力を受ける。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、絶縁基板を含む半導体層のキャリアの正孔と電子の移動度を高める、半導体装置及び半導体アイランドの形成方法を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本願発明の内容は、価電子帯の縮退を解きキャリア移動度を高める半導体アイランドを有する半導体装置であって、絶縁層上に設けられた半導体層と、半導体層の所定の領域を囲んだトレンチと、半導体層の所定の領域からなる半導体アイランドと、トレンチに埋め込まれた酸化シリコンからなり、酸化シリコンは、トレンチに埋め込まれたポリシリコンを酸化して体積を膨張させることにより、前記半導体アイランドに2軸圧縮応力を加えており、半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けることにより、半導体アイランドの価電子帯の縮退を解きキャリアの散乱を抑え、半導体アイランドのキャリア移動度を高めることを特徴とする半導体装置である。
【0007】
本願発明の上記半導体装置の具体的な態様として、半導体アイランドにpチャネル電界効果トランジスタ又はnチャネル電界効果トランジスタが形成された半導体装置を含む。更なる具体的な態様として、これら p チャネル電界効果トランジスタ及びnチャネル電界効果トランジスタを少なくとも1組が配線により相互接続され、CMOSロジックが形成される半導体装置の提供も含む。
【0008】
本願発明の更なる内容は、価電子帯の縮退を解きキャリア移動度を高める半導体アイランドの形成方法であって、絶縁層上に半導体層を形成するステップと、半導体層の所定の領域をトレンチで囲むことにより半導体アイランドを形成するステップと、トレンチをポリシリコンで埋めるステップと、ポリシリコンを酸化させて体積を膨張させることにより半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けるステップとを含み、半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けることにより、半導体アイランドの価電子帯の縮退を解きキャリアの散乱を抑え、前記半導体アイランドのキャリア移動度を高めることを特徴とする半導体アイランドの形成方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1は、層の平面に2軸圧縮応力、無応力及び2軸引張応力を受けた直接バンドギャップ半導体層の図を示す。図1で縦軸はエネルギーを、横軸は応力を表す。曲線12は、圧縮応力下の半導体層の伝導帯エッジを示す。曲線13、14は、圧縮応力下の対応する層の価電子帯エッジを示す。曲線13、14は、エネルギーの低い曲線14とは分離している。曲線15は、無応力下の半導体層の伝導帯エッジを示す。曲線16、17は、無応力下の対応する層の価電子帯エッジを示す。曲線20は、引張応力下の半導体層の伝導帯エッジを示す。曲線21、22は、引張応力下の対応する層の価電子帯エッジを示す。点23での曲線21の最大値は点24での曲線22の最大値よりエネルギーが低い。曲線13、14及び曲線21、22からわかるように、層の価電子帯エッジはそれぞれ圧縮応力、引張応力の下で分離している。基準線26は、圧縮応力層からゼロ応力層に、また引張応力層に向かうときエネルギーが低くなる伝導帯エッジを示す。基準線27は、圧縮応力層からゼロ応力層へ、また引張応力層へ向かうとき、エネルギーが大きくなる価電子帯エッジを示す。
【0010】
図2は、(100)面での2軸ひずみ下のシリコン等の半導体層の間接バンドギャップを示す図である。図2で縦軸はエネルギーを、横軸は応力を表す。曲線29は、圧縮応力下の半導体層の伝導帯エッジを示す。曲線30、31は、圧縮応力下の対応する層の価電子帯エッジを示す。曲線30、31は、曲線30下で曲線31から分離している。曲線33は、ゼロ応力の半導体層の伝導帯エッジを示す。曲線34、35は、ゼロ応力下の対応する層の価電子帯エッジを示す。曲線37は、引張応力下の半導体層の伝導帯エッジを示す。曲線38、39は、引張応力下の対応する層の価電子帯エッジを示す。基準線41は、圧縮応力(点44)下で、ゼロ応力(点42)よりもエネルギーが低い伝導帯エッジを示す。基準線43は、引張応力(点45)下、ゼロ応力(点42)よりエネルギーが低い伝導帯エッジを示す。図1の基準線26は、圧縮応力からゼロ応力へと低い方へ向かっているが、逆に基準線41は圧縮応力からゼロ応力へと高い方へ向かっていることに注意されたい。従って図2で、曲線41の点44は、曲線43の点42、点45より低い。基準線47は、圧縮応力層からゼロ応力層、引張応力層へ向かうときエネルギーが高くなる価電子帯エッジを示す。
【0011】
図3を参照する。曲線51乃至68が示してある。図3の縦軸はエネルギー(eV)を、横軸はkベクトル(2π/a)を表す。曲線51乃至53は、kベクトルに対して描かれたEPで、互いに分離した3つの価電子帯を示す。EPは実験的(非局所的)擬ポテンシャルの略である。kp(kドットpと発音)は、価電子帯の近似解であり、kは電子または正孔の準運動量、pは運動量演算子である。
【0012】
曲線54乃至56はkベクトルに対して描かれたkpで、互いに分離した価電子帯を示す。曲線51乃至56はシリコン層の平面の格子パラメータaを1.034Åに等しくし、c/a0を0.975に等しくして引張ひずみについて計算された。cは<001>方向、つまり上面に垂直な方向の格子パラメータである。基準線70より左の曲線51乃至56は<110>方向、基準線70より右の曲線51乃至56は<100>方向である。
【0013】
曲線57乃至59はEPを、曲線60乃至62は、kベクトルに対して描かれたkpで3つの価電子帯を示す。価電子帯のうち2つは、曲線57、58、60及び61に示すように重なり、キャリアの散乱が増加する結果になっている。シリコン層はひずみを受けなかった。基準線71より左の曲線57乃至62は<110>方向、基準線71より右の曲線57乃至62は<100>方向である。
【0014】
曲線63乃至65はEPを、曲線66乃至68はkベクトルに対して描かれたkpで、圧縮ひずみ下のシリコン層の3つの価電子帯を示す。シリコン層は、単位胞の1に等しいc/a0、及び1.025に等しいa/a0から0.970に圧縮される。基準線72より左の曲線63乃至68は<110>方向、基準線72より右の曲線63乃至68は<100>方向である。曲線63乃至68は、3つの価電子帯が分離していることを示す。
【0015】
図4は、曲線81乃至98と基準線100乃至102を示す。図4で縦軸はエネルギー(eV)を、横軸はkベクトル(2π/a)を表す。図4の引張ひずみ下のシリコン層について計算された曲線81乃至86は、図3の曲線51乃至56に対応するがkベクトルの方向が異なる。基準線100より左の曲線81乃至86はシリコン層の<111>方向、基準線100より右の曲線81乃至86は<001>方向である。無ひずみ下のシリコン層について計算された曲線87乃至92は、図3の曲線57乃至62に対応するがkベクトルの方向が異なる。基準線101より左の曲線87乃至92はシリコン層の<111>方向、基準線101より右の曲線87乃至92は<001>方向である。
【0016】
圧縮ひずみ下のシリコン層について計算された曲線93乃至98は、図3の曲線63乃至68に相当するがkベクトルについては方向が異なる。基準線102より左の曲線93乃至98はシリコン層の<111>方向、基準線102より右の曲線93乃至98は<001>方向である。
【0017】
図3及び図4でシリコン層は、平面方向が<110>、<100>になるように配向している。図3及び図4は、前記の向きのシリコン層については、2軸圧縮応力または引張応力を与えられることで価電子帯の分割が生じる。価電子帯が互いに分離すると、キャリアの散乱が減少するためキャリア移動度が増加する。
【0018】
図5は、シリコン(001)の300Kでの計算された正孔移動度とひずみの図である。図5で縦軸は正孔移動度を、横軸はひずみc/ 0 を表す。曲線105は、層に対して平行な<100>方向でのシリコン層の正孔移動度("平面内")を、曲線106は層に対して垂直な<001>方向での正孔移動度を示す("平面外")。図5でc/ 0 が1.00に等しいとき、シリコン層にひずみはない。図5で、音響量子変形ポテンシャル(acoustic phonon deformation potential)Δacは5.55eVに等しく、光学量子変形ポテンシャル(optical phonon deformation potential)(DK)opは7.98×10 10 eV/cmに等しい。シリコン層にわずかな引張ひずみをかけると、平面内移動度が大きく増加する。例えばc/ 0 で0.99に等しく(点103)、平行移動度は約5×102から約3×103cm 2 /Vsに増加する。シリコン層にわずかな圧縮ひずみをかけると、平面内移動度が増加する。例えば横軸の1.01(点104)で、平面内移動度は5×10 2 から約1.3×10 3 cm 2 /Vsに増加する。図5及び図6で、格子空間cはシリコン層に対して垂直な方向であり、格子空間 0 はシリコン層に対して平行な方向である。
【0019】
図6は、シリコンの300Kでの計算された電子移動度とひずみの図である。図6で縦軸は電子移動度を、横軸はひずみc/a0を表す。曲線108はシリコン層の、層に平行な方向での電子移動度を、曲線109は層に垂直なシリコン層の電子移動度を示す。図6でc/a0が1.00に等しいとき、シリコン層にひずみはない。図6で膨張変形ポテンシャルXidは+1.1eVに等しく、1軸変形ポテンシャルXiuは10.5eVに等しい。曲線108に示すように、わずかな引張ひずみをシリコン層にかけると(例えば横軸で0.99おいて)、電子移動度が約1.3×103から点107まで増加する。わずかな圧縮ひずみをシリコン層にかけると(横軸で1.01等)、約1.3×103から約1.5×103と緩やかに増加するが、横軸で1.025等、わずかに大きいひずみをかけると、約1.5×103(点110)から約1.7×103cm2/Vsに増加する。曲線109に示すように、わずかな引張応力によりシリコン層に垂直な電子移動度が減少し、わずかな圧縮ひずみでは、シリコン層に垂直な電子移動度が増加する。従って、上面に平行な移動度の場合、c/a0で1%の変化等のわずかなひずみにより、2軸圧縮ひずみ、2軸引張ひずみのいずれも正孔移動度と電子移動度の両方が増加する。図7を参照する。SOI基板111が示してある。シリコン等のキャリア層112の上面上に絶縁層113(二酸化シリコン等)が形成される。絶縁層113は、酸化ステップの後の酸素のイオン注入によっても形成される。このようなプロセスで採用できるのは、例えばSIMOX(Separation by Implantation of Oxygen:酸素注入による分離)である。単結晶シリコン等の半導体層114は、SIMOXプロセスまたは、R.H.Dennardらによる1995年10月31日付け米国特許番号第5462883号に述べられている接合とエッチ・バックのプロセスにより形成されるかまたは残される。層114は250Å乃至5000Åの厚み、通常は2000Å以下である。
【0020】
図8を参照する。マスク116が示してあるが、これはシリコンの酸化物や窒化物を含む誘電物質等である。マスク116は保護領域を囲む層114の酸化中に、マスク116のすぐ下の半導体層114を保護する役目がある。マスク116は、最初に層114上に被着され、後でパターンが形成される層等である。上にマスク116を持つ半導体層114は酸化される。酸化は従来の熱乾燥または湿式酸化手段等による。後者の場合、マスク116はシリコンの酸化物や窒化物を含有しうる。酸化はまた、SIMOXプロセスによりSOIウエハを得る場合と同様に、高ドーズに酸素を注入することによっても行える。酸素を注入する場合、マスク116に用いられる物質は、実際にはフォトレジストを含む広範囲の物質群が考えられる。
【0021】
マスク116で保護される周囲領域の酸化により、図9に示すように、マスク116下のシリコンを囲む二酸化シリコンが膨張する。保護されていない層114は完全に酸化されて酸化物層118が形成され、層114からシリコン領域119が残る。マスク116はシリコン領域119上に残る。二酸化シリコンの容積の膨張は、2のファクタよりわずかに大きく、シリコンの分子量は12.056cm 3 を占める。この膨張により、間のシリコン領域119に圧縮応力が生じる。pチャネル電界効果トランジスタ122等の素子は、シリコン領域119上に、図10に示すように、マスク116の剥離に続いて前に部分的に、または後に完全に作成することができる。圧縮応力によりシリコン領域119で正孔移動度が改良される。応力は領域119の4つの側面全てで生じ、よって2軸であり、領域119の応力は領域119の平面を横切る2つの方向または、その上面に平行に生じる。応力は領域119の平面内で2つの直交方向にも考えられる。
【0022】
シリコン領域119の応力の量は、そのアスペクト比(長さ:幅)、面積、2次的には容積、及び酸化されている周囲のシリコンの量の関数である。従って、そのシリコン領域のアスペクト比が3:1であるようなトランジスタ形状では、シリコン領域のアスペクト比が1:1であるようなFETとは応力が異なる。後者は、周囲の酸化領域が対称である場合は均一な2軸応力を持つ。いずれにしろ応力は、シリコン領域と二酸化シリコン領域を制御することにより制御することができる。通常、c/ 0 の変化が2%未満となる小さい応力が望ましく、シリコンの領域119を囲むかなり小さい領域を酸化することによって得られる。領域119を囲む小領域の酸化により、分離酸化物の領域は浅いトレンチ分離部を持つpチャネル素子のそれと同様になる。従って、浅いトレンチ分離部に比べて集積密度が犠牲になることはない。更に重要なことは応力を設計し、非対称にできることである。
【0023】
図10を参照する。pチャネル電界効果トランジスタ122がシリコン領域119に形成される。ソース123とドレイン124はシリコン領域119の上面に形成される。ゲート酸化物126はシリコン領域119上に形成される。ゲート電極128はゲート酸化物126から形成され、アルミニウムやポリシリコン等である。ゲート電極128はリード129に接続できる。ソース123はリード131に、ドレイン124はリード133に接続できる。nチャネル電界効果トランジスタもトランジスタ122と同様に図示できる。n型、p型いずれのトランジスタも、周知のCMOSロジックを形成するために用いられる。
【0024】
図11は、詳細は図12に示しているが、側壁と下部を覆うトレンチ142の内側に二酸化シリコン等の誘電層を持つトレンチ142に囲まれた半導体アイランド141を持つ構造140の平面図である。図12は、図11の12−12に沿った断面図である。図11で、半導体アイランド141のアスペクト比(長さ:幅)は1に等しく、長さは幅に等しい。
【0025】
図12に示すように、シリコン、シリコン・ゲルマニウム合金、炭化シリコン、ガリウムひ素、ひ化ガリウム・インジウム、ひ化ガリウム・アルミニウム、リン化インジウム等の基板146は上面を持つ。二酸化シリコン等の誘電層149は上面上に形成される。半導体層150は層149上に形成される。層150は、基板146と同じかまたは異なる物質の単結晶半導体等であり、厚みは約2000Åである。トレンチ142は、層150、層149及び基板146の中に形成できる。
【0026】
トレンチ142はアモルファス・シリコンで埋めることができる。アモルファス・シリコンは後に600℃乃至750℃の範囲の熱処理によりポリシリコン153に変換可能である。多結晶シリコンは膨張して、半導体アイランド141に圧縮応力を、よって圧縮ひずみをかける。また別にポリシリコン153を酸化して二酸化シリコンを形成すると、二酸化シリコンは膨張して半導体アイランド141に圧縮力をかける。半導体アイランド141の周囲に連続したトレンチを形成する代わりに、複数の離隔した領域をトレンチの経路に沿って形成することもできる。または複数の短いトレンチを半導体アイランド141の周囲に形成して、半導体アイランド141に2軸圧縮応力をかけることもできる。
【0027】
図13は、基板146に適した物質等の半導体物質から形成された量子線157を持つ量子線素子156の平面図である。酸化物領域158は半導体層に形成される。図13で、図11及び図12の装置に対応する機能については同様の参照符号を用いている。電極161、162は、量子線157の対応する端部とオーミック・コンタクトを作ることができる。電極163は、量子線157の中間と電気的に接触可能か、または量子線157と電極162を絶縁する誘電領域164上にゲート電極を提供することができる。
【0028】
量子線157は、アスペクト比の大きい細線により形成できる。例えば0.2μm厚のシリコン上の0.45μm線では、線を囲むよう酸化を制御した後に500Å以下の浅い線が得られる。これらの量子線は次に作り込まれるか、またはプログラムされる応力に応じて、所望の特性をもつように設計できる。
【0029】
図14には量子ボックス170が示してある。図14で、図11及び図12の装置に対応する機能については同様の参照符号を用いている。半導体アイランド141は、半導体層150の酸化を周囲で制御することによって形成でき、アスペクト比1:1の構造つまり半導体アイランド141が得られる。周囲酸化物領域176が半導体アイランド141を囲む。
【0030】
シリコン領域119とシリコン層114は、基板146に適しているとされるもの等、他の半導体化合物に置き換えられることがわかる。
【0031】
まとめとして、本発明の構成に関して以下の事項を開示する。
【0032】
(1)半導体層のキャリア移動度を高める装置であって、
絶縁基板と、
前記絶縁層上に位置する半導体層と、を含み、
前記半導体層の第1領域は事実上、第2領域を囲み、前記第1領域は、合金化、酸化、沈殿及び反応で構成されるグループから選択され、前記半導体層の物質との合金、酸化物、沈殿物、または化合物が形成されるプロセスにより形成され、前記第1領域の容積は、前記物質の初期容積より大きく、よって前記第2領域は圧縮応力を受け、価電子帯の縮退がとれ、キャリアのバンド・エッジ質量が減少する、
半導体装置。
(2)前記第2領域はpチャネル電界効果トランジスタを含む、前記(1)記載の半導体装置。
(3)前記第2領域はnチャネル電界効果トランジスタを含む、前記(1)記載の半導体装置。
(4)複数の第1及び第2の領域を含み、該複数の第2領域の少なくとも1つにnチャネル電界効果トランジスタが形成される、前記(2)記載の半導体装置。
(5)前記pチャネルとnチャネルのトランジスタの少なくとも1つに相互接続配線を含み、CMOSロジックが形成される、前記(4)記載の半導体装置。
(6)絶縁層と、
前記絶縁層上の厚み、長さ及び幅を有し、該幅は500Å未満である半導体物質のワイヤーと、
前記ワイヤーの幅を圧縮し、よってバンド分離により前記ワイヤーのキャリア移動度が高められる物質の周囲領域と、
を含む、量子ワイヤー。
(7)絶縁層と、
前記絶縁層上の厚み、長さ及び幅を有し、該幅は500Å未満である半導体物質のアイランドと、
前記アイランドの長さと幅を圧縮し、よってキャリアのバンド分離により前記アイランドのキャリア移動度が高められる物質の周囲領域と、
を含む、量子ボックス。
(8)キャリアのバンド分離が進んだ半導体アイランドを形成する方法であって、
絶縁層を選択するステップと、
前記絶縁層上に半導体アイランドを形成するステップと、
前記半導体アイランドを囲むトレンチを形成し、前記トレンチをアモルファス物質で埋めるステップと、
前記アモルファス物質を結晶物質に変換し、よって前記アモルファス物質が結晶物質へ膨張することにより前記半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けるステップと、
を含む、方法。
(9)前記多結晶物質を酸化するステップを含む、前記(3)記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【図1】2軸圧縮応力、無応力、及び引張応力を受ける直接バンド・ギャップ半導体の図である。
【図2】(100)平面で2軸圧縮応力(ひずみ)、無応力、及び引張応力を受けるシリコン等の間接バンド・ギャップ半導体の図である。
【図3】引張ひずみ、無ひずみ、及び圧縮ひずみを受ける上面に平行な<110>、<100>方向でシリコンの価電子帯についての計算を示す図である。
【図4】引張ひずみ、無ひずみ、及び圧縮ひずみを受ける上面に平行な<111>、<001>方向でシリコンの価電子帯についての計算を示す図である。
【図5】ひずみを受けるシリコンの正孔移動度についての計算を示す図である。
【図6】ひずみを受けるシリコンの電子移動度についての計算を示す図である。
【図7】図6に示した本発明の実施例を形成するため段階的作製ステージのオプションを示す図である。
【図8】図6に示した本発明の実施例を形成するため段階的作製ステージのオプションを示す図である。
【図9】図6に示した本発明の実施例を形成するため段階的作製ステージのオプションを示す図である。
【図10】本発明の1実施例を示す図である。
【図11】本発明の第2実施例の平面図である。
【図12】図11の12−12に沿った断面図である。
【図13】本発明の第3実施例の平面図である。
【図14】本発明の第4実施例の平面図である。
【符号の説明】
12、13、14、15、16、17、20、21、22、29、30、31、33、34、35、37、38、39、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、64、65、66、67、68、81、82、83、84、85、86、86、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、105、108、109 曲線
23、24、42、44、45、103、104 点
26、27、41、43、70、71、100、101、102 基準線
111 SOI基板
112 キャリア層
113 絶縁層
114、150 半導体層
116 マスク
118 酸化物層
119 シリコン領域
122 pチャネル電界効果レジスタ
123 ソース
124 ドレイン
126 ゲート酸化物
128 ゲート電極
129、131、133 リード
140 構造
141 半導体アイランド
142 トレンチ
146 基板
149 誘電層
153 ポリシリコン
156 量子線素子
157 量子線
158 酸化物領域
161、162、163 電極
164 誘電領域
170 量子ボックス
176 周囲酸化物領域

Claims (6)

  1. 価電子帯の縮退を解きキャリア移動度を高める半導体アイランドを有する半導体装置であって、
    絶縁層上に設けられた半導体層と、
    前記半導体層の所定の領域を囲んだトレンチと、
    前記半導体層の所定の領域からなる半導体アイランドと、
    前記トレンチに埋め込まれた酸化シリコンからなり、
    前記酸化シリコンは、前記トレンチに埋め込まれたポリシリコンを酸化して体積を膨張させることにより、前記半導体アイランドに2軸圧縮応力を加えており、
    前記半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けることにより、前記半導体アイランドの価電子帯の縮退を解きキャリアの散乱を抑え、前記半導体アイランドのキャリア移動度を高めることを特徴とする、
    半導体装置。
  2. 前記半導体アイランドにpチャネル電界効果トランジスタが形成される、請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記半導体アイランドにnチャネル電界効果トランジスタが形成される、請求項1記載の半導体装置。
  4. 前記トレンチ及び前記半導体アイランドが複数形成され、前記複数の半導体アイランドの少なくとも1つにnチャネル電界効果トランジスタが形成される、請求項2記載の半導体装置。
  5. 前記pチャネル電界効果トランジスタ及びnチャネル電界効果トランジスタの少なくとも1組が配線により相互接続され、CMOSロジックが形成される、請求項4記載の半導体装置。
  6. 価電子帯の縮退を解きキャリア移動度を高める半導体アイランドの形成方法であって、
    絶縁層上に半導体層を形成するステップと、
    前記半導体層の所定の領域をトレンチで囲むことにより半導体アイランドを形成するステップと、
    前記トレンチをポリシリコンで埋めるステップと、
    前記ポリシリコンを酸化させて体積を膨張させることにより前記半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けるステップとを含み、
    前記半導体アイランドが2軸圧縮応力を受けることにより、前記半導体アイランドの価電子帯の縮退を解きキャリアの散乱を抑え、前記半導体アイランドキャリア移動度を高めることを特徴とする半導体アイランドの形成方法。
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