JP3676731B2 - 透明加工紙およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、透明加工紙の製造方法、特にグラビア印刷方式、フレキソ印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー方式に適した透明加工紙の製造方法およびその製造方法により製造された透明加工紙に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、紙を透明加工する方法としては、例えば、(1)紙の一部に窓にあたる開口部を設けて封筒にし、その開口部に透明フィルムを貼る方法、(2)吸収性の紙の全面または一部に、熱溶融性ワックス類と熱可塑性樹脂の混合物を、トルエンなどの有機溶剤に溶融させたものを塗布し、加熱処理して、前記有機溶剤を蒸発させた後に、前記混合物を固化させる方法、(3)前記熱溶融性ワックス類と熱可塑性樹脂の混合物の代わりに、紫外線硬化型樹脂組成物を吸収性の紙に塗布し、浸透させた後、紫外線を照射して、硬化させて透明紙を作る方法(特公昭50−21561号公報、特開昭51−23314号公報、特開平3−8898号公報など)などが、知られている。
【0003】
しかし、(1)の方法では、紙と透明フィルムとの貼り合わせに手間が掛かるという問題がある。また、自動封入機を用いて封筒に内容物を封入する際に、フィルムと紙との間に段差があるために、内容物の引っ掛かり事故が発生するなどの問題がある。
【0004】
また、(2)の方法では、熱溶融性ワックス類と熱可塑性樹脂の混合物が、常温で固体である場合が多く、使用に際して混合物を溶融させる必要がある。このため、塗布前に混合物を入れたタンクや塗布ロールを加熱しなければならず、適切な温度条件や塗布条件を選択しなければならないという問題がある。また、有機溶剤を除去する際に、有機溶剤が大気中に飛散する。このため、飛散した溶剤の回収設備が必要となる。また、上記混合物を塗布した後、溶剤を蒸発させるため、およびワックス類を溶融固化させるために、高温(200℃〜220℃)の加熱炉を必要とする。このため、長い加熱炉と多量の熱量が必要となり、かつ蒸発した溶剤の臭気が問題となる。さらに、(2)の方法で得られる透明紙は、経日的に透明性が低下する、紙が黄変する、紙の弾性が少ないために、折れ易く、折れた場合に透明性が低下するなど品質的に劣るという問題もある。
【0005】
さらに、(3)の方法では、使用する紫外線硬化型樹脂組成物が液状である場合が多い。このため、上記組成物を加熱して塗布する必要はない。しかし、上記組成物を紙に浸透させるためには、トルエン、キシレン、メチルエチルケトンなどの低沸点の有機溶剤で希釈して、粘度を低下させて用いるのが一般的である。このため、上記組成物を紙に浸透させた後に、有機溶剤を除去する必要がある。有機溶剤の除去は、紫外線を照射する前に、赤外線ヒータなどの加熱装置で紙を加熱して行う。この場合の加熱装置は、上記(2)の方法で用いる加熱炉ほどの大きな装置は必要ではない。しかし、有機溶剤の飛散により、大気汚染や臭気の問題を生ずる。すなわち、本来溶剤を使用しなくてもよい紫外線硬化型樹脂組成物の長所が生かせないという問題がある。
【0006】
一方、紫外線硬化型樹脂組成物を用いると、経日的に透明加工紙の透明性は低下しない。また、適切な組成物を選択することにより、紙の黄変や折れ易さをはるかに減らすことができる。さらに、適切な重合開始剤を選択することにより、硬化時に発生する臭気を抑制することもできる。しかし、紫外線硬化型樹脂を有機溶剤を用いないで使用する場合(特開昭52−51279号公報、特開昭61−41397号公報、特開昭63−126997号公報など)には、粘度を小さくするには用いる紫外線硬化型樹脂に制限があり、粘度が大きいと紙への浸透性が悪いという問題がある。一方、紫外線硬化型樹脂を水溶液にして用いる場合(特開平3−146798号公報など)には、紙がカールする、透明度が低下する、あるいは水を紙から蒸発させるための加熱工程が必要となるなどの問題がある。
【0007】
上記問題を解決するために、本発明者らは、光重合性ビニールオリゴマーと,光重合性ビニールモノマーと,光重合開始剤と,浸透剤と,重合禁止剤とを含む無水性組成物であり,全組成物中の水可溶性成分が50〜100%の範囲にあり,かつ粘度が100mPa・s(25℃)以下の範囲にある水可溶性紫外線硬化型ワニスを開発した。しかし、透明部分を介してカスタマーコードを識別するためには、さらに透明度の高い透明加工紙が要求される。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記に鑑みなされたものであり、その目的は、透明度が高く、長期間透明度が維持でき、かつ臭気が発生しない透明加工紙の製造方法、およびその製造方法により製造した透明加工紙を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、滲みの少ない透明加工紙を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の透明加工紙の製造方法は、吸収性の紙の全面または部分的にワニスを塗布し、浸透させた後、硬化乾燥させて得られる透明加工紙の製造方法であって、前記塗布されるワニスは、光重合性ビニールオリゴマーと、光重合性ビニールモノマーとを含む無溶媒性紫外線硬化型組成物であり、かつ粘度が100mPa・s(25℃)より大きく、500mPa・s(25℃)以下の範囲にあり、前記ワニスを紙に浸透させた後、紫外線を照射する前に、前記ワニスを浸透させた紙に遠赤外線を照射することを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、光重合性ビニールオリゴマーと、光重合性ビニールモノマーとを含む無溶媒性紫外線硬化型組成物であるので、溶媒を除去するための加熱工程を必要としない。
【0011】
従来は、組成物の粘度を低下させて、ワニスの紙への浸透を向上させていた。このため、光重合性ビニールオリゴマーと、光重合性ビニールモノマーとを含む無溶媒性紫外線硬化型組成物において、光重合性ビニールモノマーの含有率を増加させて、粘度を100mPa・s(25℃)以下にしていた。しかし、光重合性ビニールモノマーの含有率を増加させると、上記組成物に紫外線を照射して硬化乾燥させる際の硬化乾燥時間が長くなる。このため、紙に上記組成物が塗布された領域のエッジに滲みを生じ、紙の透明化部分と不透明部分との境界がシャープでなくなる。一方、粘度が低すぎる場合には、フレキソ印刷やグラビア印刷を行ってワニスを塗布する場合に、ワニスタンクから版に至るロール間のワニスの巻上げ効果が少なくなり、所望の膜厚(30μm〜40μm)が得られない。このため、紙に十分な量のワニスを塗布することができず、十分な透明性が得られない。
【0012】
本発明者らは、光重合性ビニールオリゴマーと、光重合性ビニールモノマーとを含む無溶媒性紫外線硬化型組成物であり、かつ粘度が100mPa・s(25℃)より大きく、500mPa・s(25℃)以下の範囲にあるワニスを用いると、所望の膜厚で、ワニスを塗布できることを見出した。また、上記粘度の範囲にあると、ワニスの紙への浸透性が低下する。そこで、紫外線を照射する前に、遠赤外線を照射して、ワニスの紙への浸透性を向上させる。この結果、透明部分を介してカスタマバーコードを識別できる、透明度80%以上(不透明度20%以下)の透明加工紙を得ることができる。本発明の構成によると、紙の叩解度を考慮しなくても、透明度の高い透明紙を製造できる。
【0013】
前記遠赤外線を照射時の紙面温度が、100℃〜160℃であればよい。
【0014】
さらに、上記紙面温度において、遠赤外線の照射時間が1秒〜3秒であればよい。
【0015】
また、前記遠赤外線の照射が、ワニスを塗布した面に、あるいはワニスを塗布した面および反対の面の両面に行われてもよい。
【0016】
【発明の実施の形態】
本発明の透明加工紙の製造方法に用いられるワニスは、(1)紫外線を照射することにより硬化する光重合性ビニールオリゴマー、(2)紫外線を照射することにより硬化する光重合性ビニールモノマー、(3)光重合開始剤、(4)浸透剤、(5)重合禁止剤を含む組成物である。上記組成物以外に、光敏感剤、ゲル化剤などを更に含んでいても良い。
【0017】
使用される光重合性ビニールオリゴマーとしては、特に制限はなく、公知のオリゴアクリレートが使用できる。具体的には、エポキシアクリレート、エポキシ化油アクリレート、ウレタンアクリレート、ポリエステルアクリレート、ポリエーテルアクリレート、ジアリルフタレート樹脂などが挙げられる。これらのオリゴアクリレートの中で、粘度が1500mPa・s(25℃)以下のオリゴアクリレートが好ましく、粘度が1000mPa・s(25℃)以下のオリゴアクリレートが特に好ましい。
【0018】
使用される光重合性ビニールモノマーとしては、特に制限はなく、公知の光重合性ビニールモノマーが使用できる。具体的には、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ポリエチレングリコール#300ジアクリレート、ブタンジオールモノアクリレート、モルホリンアクリレート、N−ビニールホルムアミド、ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ラウリルアクリレート、ステアリルアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートなどが挙げられる。これらのビニールモノマーの中で、粘度が1500mPa・s(25℃)以下のビニールモノマーが好ましく、粘度が1000mPa・s(25℃)以下のビニールモノマーが特に好ましい。
【0019】
使用される光重合開始剤としては、特に制限はなく、公知の光重合開始剤が使用できる。具体的には、ジエトキシアセトフェノン、ヒドロキシアセトフェノン、α−アミノアセトフェノンなどのアセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイソエチルエーテル、ベンジルジメチルケタールなどのベンゾフェノン系光重合開始剤、ベンゾフェノンなどのベンゾフェノン系光重合開始剤、2,4−ジエチルチオキサンソンなどのチオキサンソン系光重合開始剤、メチルフェニルグリオキシレート、アシルホスフィンオキサイドなどが挙げられる。これらの光重合開始剤は、単独で使用しても、二種以上を併用してもよい。好ましい光重合開始剤は、光重合性ビニールオリゴマーや光重合性ビニールモノマーと相溶性の良いものである。常温で液状のヒドロキシアセトフェノンにアシルホスフィンオキサイドを50℃〜60℃で溶融させたものが、臭気が少なく、黄変しにくい点から好ましい。
【0020】
使用される浸透剤としては、特に制限がなく、公知の浸透剤が使用できる。具体的には、ポリエチレングリコールラウリルエーテルなどのポリエチレングリコールアルキルエーテル類、ポリエチレングリコールオクチルフェニルエーテルなどのポリエチレングリコールアルキルアリルエーテル類、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸ナトリウム類、パーフロロアルキルEO付加物などが挙げられる。これらの浸透剤として、好ましくは表面張力を低下する能力のすぐれたもの、泡立ちの少ないものである。
【0021】
重合禁止剤としては、特に制限はなく、公知のものが使用できるが、具体的には、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、モノ−t−ブチルハイドロキノン、フェノチアジン、カテコールなどが挙げられる。
【0022】
本発明の透明加工紙の製造に用いられるワニス中の上記各物質の配合量は特に制限されない。しかし、粘度を100mPa・s(25℃)より大きく、500mPa・s(25℃)以下にする必要性から、光重合性ビニールモノマーのワニス中に占める割合は、5重量%〜60重量%、より好ましくは10重量%〜50重量%の範囲にあればよい。光重合性ビニールモノマーの配合量が5重量%以下であると、紙への浸透性が劣り、ワニスの粘度を500mPa・s(25℃)以下にすることができない。一方、光重合性ビニールモノマーの配合量が60重量%以上であると、ワニスの粘度を100mPa・s(25℃)より大きくできないので、ワニスと塗布した部分に滲みが生ずるので、好ましくない。また、光重合性ビニールオリゴマーのワニス中に占める割合は、40重量%〜95重量%、より好ましくは60重量%〜90重量%の範囲にあればよい。光重合性ビニールオリゴマーの配合量が40重量%以下であると、ワニスの粘度を100mPa・s(25℃)より大きくできないので、ワニスと塗布した部分に滲みが生ずるので、好ましくない。光重合性ビニールオリゴマーの配合量が95重量%以上であると、紙への浸透性が低下するので、好ましくない。
【0023】
浸透剤のワニス中に占める割合は、0.5重量%〜5重量%の範囲にあればよく、グラビア印刷方式、フレキソ印刷方式において、ワニスタンクから版に至るロール間の巻き上げ効果を得るためには1重量%〜3重量%の範囲にあればより好ましい。光重合開始剤のワニス中に占める割合は、10重量%以下の範囲で、使用する光重合性オリゴマーおよび光重合性モノマーを硬化させるのに十分な量を使用すればよい。重合禁止剤のワニス中に占める割合は、ワニスの貯蔵安定性を考慮して、使用する光重合性オリゴマーおよび光重合性モノマーに対して、0.01重量%〜0.1重量%の範囲にあればよい。光鋭敏剤としては、N,N−ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを、ゲル化剤としては、金属キレート、金属石けん、有機ベントナイトなどの公知の材料を適宜使用すればよい。
【0024】
上記ワニスは、常温で、液状である。したがって、ワニスを塗布する前に、ワニスタンクおよび塗布ロールを加熱しなくても良い。
【0025】
また、上記ワニスは、粘度が100mPa・s(25℃)より大きく、500mPa・s(25℃)以下である。したがって、紙が十分な透明性を有するに必要な30μm〜40μmの膜厚で、ワニスを塗布することができる。
【0026】
上記ワニスを塗布した紙に、遠赤外線を照射する。遠赤外線は、有機溶剤や水を飛散させるために用いるのではない。まず、遠赤外線を照射することにより、熱により塗布されたワニスの粘度が低下する。これにより、ワニスが塗布面から紙内により深く浸透し、透明度の高い透明加工紙が得られる。また、遠赤外線炉は、炉内雰囲気温度が、最高で約200℃程度と比較的低く、温度制御が容易である。ワニスを低粘度化させるという点から見ると、ス熱風炉、近赤外線炉などの一般的な加熱処理方法が利用できる。しかし、ス熱風炉では、100℃〜160℃という所望の紙面温度を得るためには、炉長が長くなるという問題がある。一方、近赤外線炉では、炉長は短くなる。しかし、炉内雰囲気温度が300℃以上となり、紙質が劣化したり、紙が燃えてしまう危険性がある。
【0027】
また、遠赤外線を照射することで、別の効果が得られる。すなわち、遠赤外線は、近赤外線と同様の電磁波である。しかし、遠赤外線の波長は4μmより長く、通常5μm以上である。遠赤外線の深達力は、波長が長いほど大きくなる。理論的には、深達力は波長の1/2乗に比例する。遠赤外線を照射することで、遠赤外線は紙面の奥に到達できるので、ワニスをより奥まで浸透させることができる。したがって、透明度の高い透明加工紙を得ることができる。
【0028】
本発明の透明加工紙の製造方法に用いられる遠赤外線炉としては、公知の遠赤外線発生装置が使用できる。紙面温度としては、100℃〜160℃の範囲にあればよい。好ましい温度範囲としては、紙質への影響、透明度、および印刷速度による作業性(照射時間)を考慮すれば、120℃〜140℃の範囲にあることが好ましい。また、照射時間は、紙面温度が上記の範囲にあれば、1秒〜3秒である。照射時間が1秒未満であれば、所望の透明度が得られず、3秒より長ければ、紙が劣化するからである。
【0029】
遠赤外線発生装置の遠赤外線発生面と紙面との距離は、紙面温度が上記温度の範囲にあるように設定すれば良い。紙を走行させるために生ずる踊り、蛇行を考慮すれば、約5cm程度である。
【0030】
遠赤外線発生装置は、単独に用いても良いが、2台以上を組み合わせて使用してもよい。2台以上を組み合わせて使用する場合、走行紙面に対して直列に設置して同一面に遠赤外線を照射しても良い。この場合には、炉長が長くなる。一方、紙面の両面から遠赤外線を照射できるようにしてもよい。炉長を長くせずに、十分な照射をすることができる。
【0031】
図1は、本発明の透明加工紙の製造方法の一例を説明するための図である。吸収性の巻紙1は、ロール2によって引き出される。次に、この巻紙1は、地模様印刷印版4と圧胴ロール3との間を通り、巻紙1上に、フレキソインキタンク5から供給されたフレキソインキが、地模様印刷用印版4を介して、封筒の地紋様および封筒窓の窓枠がフレキソ印刷される。次に、この巻紙1は、プラマド型印版6と圧胴ロール13との間を通り、ワニスタンク7から供給されたワニスが、印版6を介して上記窓枠内にフレキソ印刷される。なお、この例では、巻紙の例を示したが、枚葉の紙にフレキソ印刷を施してもよい。
【0032】
次に、上記ワニスが印刷された巻紙1は、遠赤外線炉8に送られ、遠赤外線照射装置9により、遠赤外線を照射される。遠赤外線を照射させることにより、ワニスは紙に深く浸透される。次に、この巻紙1は、ロール10により紫外線照射装置11に導かれ、紫外線を照射されて、ワニスが乾燥固化され、透明加工紙を得る。ワニスが乾燥固化された巻紙1は、ロール12により、製袋機に導かれ、透明窓付きの封筒が得られる。また、フレキソ印刷方式のみならず、グラビア印刷方式、ロールコータ印刷方式、カーテンスプレー印刷方式によっても、透明加工紙を製造することができる。
【0033】
本発明の製造方法で得られる透明加工紙は、透明度に優れる。具体的には、透明度80%以上の透明加工紙である。なお、本発明にいう透明度とは、JIS P−8138に準じて得られた不透明度(%)から、次式を用いて得られる。
透明度(%)=100%−不透明度(%)
【0034】
【実施例】
以下、実施例に基づいて、本発明の内容を具体的に説明する。本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例で部というときは、重量部を意味する。
Figure 0003676731
上記のような配合物をセパラブルフラスコ中で60℃、30分保温、攪拌して400mPa・s(25℃)のワニスAを得た。
【0035】
Figure 0003676731
上記のような配合物をセパラブルフラスコ中で60℃、30分保温、攪拌して103mPa・s(25℃)のワニスBを得た。
【0036】
(実施例1)
図1に示す装置を用いて、吸収性の紙(再生紙、中越パルプ(株)製、〈62.5〉)にワニスAを印刷速度30rpmで、印刷した。次に遠赤外照射装置(セラミックヒータ、2kw、有効長0.4m)を、直列に置き、走行紙面から5cmの距離に設置した。この装置を用い、紙面温度140℃、封筒窓部の遠赤外線照射時間2.9秒で、遠赤外線を照射した。次に紫外線照射装置(高圧水銀ランプ、6kw、120w/cm)を2台を、紙の走行紙面の両側から10cmのところにそれぞれ設置し、ワニスAを硬化乾燥させて、製袋機に送り、実施例1の窓付封筒紙を得た。
【0037】
(実施例2)
印刷速度を45rpmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例2の窓付封筒を得た。
なお、紙面温度124℃、封筒窓部の遠赤外線照射時間1.94秒で、遠赤外線を照射した。
【0038】
(実施例3)
印刷速度を50rpmにした以外は、実施例1と同様にして、実施例3の窓付封筒を得た。
なお、紙面温度130℃、封筒窓部の遠赤外線照射時間1.75秒で、遠赤外線を照射した。
【0039】
(実施例4)
ワニスAをワニスBに代えた以外は、実施例1と同様にして、実施例4の窓付封筒を得た。
【0040】
(実施例5)
4台の遠赤外線照射装置を用いた。遠赤外線照射装置2台ずつを紙面の両側に並列に配置した以外は、実施例1と同様にして、実施例5の窓付封筒を得た。
なお、紙面温度135℃、封筒窓部の遠赤外線照射時間1.03秒で、遠赤外線を照射した。
【0041】
(比較例1)
遠赤外線を照射しなかったこと以外は、実施例3と同様の条件で、窓付封筒を作成し、比較例1の窓付封筒を得た。
【0042】
(比較例2)
印刷速度を180rpmとした以外は、実施例5と同様の条件で、窓付封筒を作成し、比較例2の窓付封筒を得た。
なお、紙面温度120℃、封筒窓部の遠赤外線照射時間0.48秒で、遠赤外線を照射した。
【0043】
上記の実施例1〜5の窓付封筒と、比較例1、2の窓付封筒を以下の方法で、評価テストを行った。
【0044】
[透明度の評価]
ハンターレフレクトメータ(不透明計)により、JIS P−8138に準じて不透明度(%)を測定した。計算式、透明度(%)=100%−不透明度(%)から、透明度を求めた。
【0045】
[黄変性の評価]
アトラス型フェードメータを用いて、40時間透明紙に紫外線を照射し、ブルースケールで判定し、8段階に分類した。8が最も黄変が少ない。
【0046】
エッジのシャープさは、ワニスを塗布した領域のエッジより3mm以内の滲みを良とした。
【0047】
なお、上記従来技術(2)の方法で製造した透明窓付封筒用紙を参考例1とした。
【0048】
結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
Figure 0003676731
【0050】
表1から明らかなように、本発明の製造方法で製造した窓付封筒は、透明性に優れており、長期間安定に透明性が維持された。また、紫外線硬化型樹脂を用いるので、黄変しにくかった。さらに、溶剤を用いないので、臭気の発生も少なかった。また、滲みの少ない透明加工紙が得られた。
【0051】
【発明の効果】
以上で説明したように、本発明では、透明度の高く、長期間透明度が維持でき、かつ臭気が発生しない透明加工紙の製造方法、およびその製造方法により製造した透明加工紙を提供することができる。
また、滲みの少ない透明加工紙を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の透明加工紙の製造方法の一例を説明するための図である。
【符号の説明】
1 巻紙
2、10、12 ロール
3、13 圧胴ロール
4 地模様印刷用印版
5 フレキソインキタンク
6 プラマド型印版
7 ワニスタンク
8 遠赤外線炉
9 遠赤外線照射装置
11 紫外線照射装置

Claims (2)

  1. 吸収性の紙の全面または部分にワニスを塗布し、浸透させた後、硬化乾燥させて得られる透明加工紙の製造方法であって、
    前記塗布されるワニスは、
    光重合性ビニールオリゴマーと、光重合性ビニールモノマーとを含む無溶媒性紫外線硬化型組成物であり、
    かつ前記ワニス中に占める、前記光重合性ビニールオリゴマーの割合が40重量%〜95重量%、前記光重合性ビニールモノマーの割合が5重量%〜60重量%であり、
    前記ワニスの粘度が100mPa・s(25℃)より大きく、500mPa・s(25℃)以下の範囲にあり、
    前記ワニスを塗布した紙面の温度が遠赤外線の1〜3秒間の照射で100℃〜160℃となるように当該紙面と遠赤外線発生面との距離を制御して当該紙面に対して遠赤外線を1〜3秒間照射して、紙面温度を100℃〜160℃とした後に、当該紙面に紫外線を照射する
    ことを特徴とする透明加工紙の製造方法。
  2. 前記遠赤外線の照射が、ワニスを塗布した面およびその反対の面に対して行われることを特徴とする
    請求項1に記載の透明加工紙の製造方法。
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