JP3676506B2 - 缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法 - Google Patents

缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、板体の両側縁を溶接等により接合してなる缶胴の接合部に軸方向に塗布された補正塗料の塗布状態の良否を検査する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲料缶等の缶体にあっては、方形状の金属板体の両側縁を溶接して接合することで缶胴を形成したものが一般に知られており、この種のものでは、前記金属板体の表裏面には、缶胴の外観の美粧性や内容物の保護、防錆等のために、あらかじめ塗装処理やフィルム貼着等の表面処理が施されている。但し、金属板体の両側縁は、その溶接を行うために、上記の表面処理が施されておらず、該金属板体の両側縁を溶接により接合した後に、その未塗装接合部に補正塗料を塗布することで、該接合部の金属露出部を被覆する。
【0003】
このように製造される缶胴は、特に缶内面側にあっては、接合部の補正が不良で金属露出部があると内容物中に金属が溶出し、内容物のフレーバ等に悪影響を及ぼす虞れがあることから、その接合部を確実に補正塗料により被覆する必要がある。
【0004】
このため、従来は前記補正塗料の塗布ノズルに流量センサを設けて該センサにより塗布ノズルの詰まりを検出し、詰まりがない場合に補正塗料が缶胴の接合部に正しく塗布されていると判断するようにしていた。
【0005】
しかしながら、この手法では、次のような不都合を生じることが本願発明者等の検討により判明した。
【0006】
すなわち、缶胴の接合部に補正塗料を塗布する際には、基本的には、その接合部が所定の方向を向くように(例えば上向きとなるように)磁石等により保持されつつ搬送されるのであるが、その搬送途中で該缶胴がその軸心回りに僅かに回転してしまうこともある。そして、このような場合には、前記塗布ノズルが正常であっても、前記補正塗料は、缶胴の接合部の正規の塗布箇所とは異なる箇所に塗布され、缶胴の軸心回りの回転が大きい場合は接合部の金属面に未塗装部が生じる虞れがあり、正規の缶胴を得ることはできない。
【0007】
尚、缶胴に塗布した補正塗料等の検査手法としては、例えば特開平6−18469号公報に見られるように、缶胴の開口端に第1の電極を接触させると共に、缶胴の内外周面に電解液を付着させつつ該電解液を介して第2の電極を接触させ、この状態で、缶胴を軸方向に移動させたり、軸心回りに回転させながら両電極間に電圧を付与して両電極間に流れる電流を測定することで、補正塗料等の塗布状態及び金属露出状態を検査するものが知られている。
【0008】
しかしながら、この手法では、缶胴に第1及び第2の電極を接触させたり、電解液を付着させ、さらには缶胴を軸方向に移動させたり、回転させるための装置構成が必要となるため、その構成が複雑で大がかりなものとなる。また、検査を行うためには、個々の缶胴を装置にセットしなければならず、その検査を効率よく行うことが困難である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はかかる背景に鑑み、缶胴の接合部に塗布した補正塗料の塗布状態の良否を複雑な装置構成を必要とすることなく効率よく確実に行うことができる缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、かかる目的を達成するために、板体の両側縁を接合してなる缶胴の接合部に軸方向に帯状に塗布された補正塗料の塗布状態の良否を検査する方法であって、前記缶胴の前記補正塗料の塗布箇所に照光しつつ該塗布箇所を撮像する工程と、該撮像により得られた画像データの前記缶胴の周方向における明暗度の変化を示す基準明暗度データを前記画像データから作成して保持する工程と、該基準明暗度データを前記缶胴の周方向に所定長分、ずらしてなるずらし明暗度データを作成して保持する工程と、両明暗度データの一方から他方を減算してなる減算明暗度データを作成する工程とを具備し、前記基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データを、前記缶胴の軸方向の複数箇所について作成すると共に、各組の基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データ毎に前記減算明暗度データを作成し、各組の基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データに対応する各減算明暗度データを相互に加算してなる総合減算明暗度データに基づき前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の相互の位置関係を特定し、その特定した位置関係に基づき該補正塗料の塗布状態の良否を検査することを特徴とする。
【0011】
かかる本発明によれば、前記缶胴の前記補正塗料の塗布箇所に照光しつつ該塗布箇所を撮像して得られる画像データにあっては、前記補正塗料の両側縁は塗料の塗布縁部の反射光の減少により、また、前記接合部は溶接接合時に生成した酸化皮膜の色調のために、それらの箇所における明暗度が前記缶胴の他所の明暗度に比して急激に暗いものとなる。従って、前記画像データの前記缶胴の周方向における明暗度によって、その画像データにおける前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の位置を認識してそれらの相互の位置関係を特定することができる。それによって、前記補正塗料の塗布状態の良否、すなわち、該補正塗料が前記接合部を正しく被覆するように塗布されているのか、あるいは、補正塗料の塗布時の缶胴の回転等によって、補正塗料の塗布箇所が接合部からずれてしまっているのか等の検査を適正に行うことが可能となる。また、この場合、該塗布状態の検査に際しては、前記照光や撮像は、単なるランプやCCDカメラ等を用いて行うことができると共に、その撮像した画像データの明暗度の解析は、マイクロコンピュータ等を用いて行うことができるので、複雑な装置類を要することなく検査を行うことが可能である。さらに、該検査は、缶胴と非接触状態で行うことができるので、その検査を缶胴の搬送途中で行うことも可能である。
【0012】
よって、本発明によれば、缶胴の接合部に塗布した補正塗料の塗布状態の良否を複雑な装置構成を必要とすることなく効率よく行うことができる。
また、本発明ではより具体的には、前記画像データの前記缶胴の周方向における明暗度の変化を示す基準明暗度データを前記画像データから作成して保持する工程と、該基準明暗度データを前記缶胴の周方向に所定長分、ずらしてなるずらし明暗度データを作成して保持する工程と、両明暗度データの一方から他方を減算してなる減算明暗度データを作成する工程とを具備し、該減算明暗度データに基づき前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の相互の位置関係を特定する。
すなわち、前記基準明暗度データでは、基本的には前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の位置で他所に比して暗いものとなる。このため、この基準明暗度データを所定長分、缶胴の周方向にずらしてなる前記ずらし明暗度データにあっては、基準明暗度データにおける前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の位置に対応する位置では明るいものとなる。逆に、基準明暗度データにあっては、ずらし明暗度データにおける前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の位置(明暗度が暗い位置)に対応する位置では明るいものとなる。また、補正塗料の両側縁及び接合部の位置以外の位置では、両明暗度データ同士でさほど大きな明暗度の差異は生じにくい。従って、両明暗度データの一方から他方を減算してなる前記減算明暗度データにあっては、補正塗料の両側縁及び接合部の位置での明暗度が他所に比して大きく強調されて鮮明なものとなる。このため、この減算明暗度データに基づいて、前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の相互の位置関係を特定することで、その特定をより容易に的確に行うことができる。
この場合、前記基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データを、前記缶胴の軸方向の複数箇所について作成すると共に、各組の基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データ毎に前記減算明暗度データを作成し、各組の基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データに対応する各減算明暗度データを相互に加算してなる総合減算明暗度データに基づき前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の相互の位置関係を特定する。
これによれば、缶胴の軸方向の複数箇所について作成する前記減算明暗度データが相互に加算されるので、その加算してなる前記総合減算明暗度データにあっては、個々の減算明暗度データよりも前記補正塗料の両側縁及び接合部の位置での明暗度がさらに大きく強調されて鮮明なものとなる。従って、この総合減算明暗度データによって、前記補正塗料の両側縁及び接合部の位置をさらに精度よく特定することができ、ひいては、補正塗料の塗布状態の良否をより確実に検査することができる。
【0013】
かかる本発明における前記補正塗料の良否の検査では、具体的には、前記特定した位置関係において、前記接合部が前記補正塗料の両側縁の間に有り、且つ該接合部と前記補正塗料の各側縁との間の距離が所定の管理値内にあるとき、該補正塗料の塗布状態が良好であると判断する。これにより、前記補正塗料が缶胴の接合部に適正に塗布されている状態では、該塗布状態が良好であると判断することができる一方、補正塗料の塗布箇所が接合部からずれて、該接合部の未塗装の金属露出部分があるような場合(接合部が補正塗料の両側縁の間に無い場合や接合部と補正塗料の各側縁との間の距離が所定の管理値内に無い場合)には、塗布状態が不良であると判断することができ、塗布状態の良否を適正に検査することができる。
【0018】
さらに、本発明では、詳しくは、前記総合減算明暗度データの明暗度レベルの大きさが正側又は負側で所定レベル以上となる位置を前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の各位置として特定する。
【0019】
すなわち、総合減算明暗度データを得るための前記減算明暗度データにあっては、例えば前記基準明暗度データから前記ずらし明暗度データを減算した場合、基準明暗度データにおける前記補正塗料の両側縁及び前記接合部に対応する位置では、該基準明暗度データの明暗度が相対的に暗い(明暗度レベルが低い)と共にずらし明暗度データの明暗度が相対的に明るい(明暗度レベルが高い)ため、前記減算明暗度データにおける明暗度レベルが負となり、逆に、ずらし明暗度データにおける前記補正塗料の両側縁及び前記接合部に対応する位置では、該基準明暗度データの明暗度が相対的に明るく(明暗度レベルが高い)と共にずらし明暗度データの明暗度が相対的に暗い(明暗度レベルが低い)ため、前記減算明暗度データにおける明暗度レベルが正となる。そして、このことは前記ずらし明暗度データから前記基準明暗度データを減算した場合も同様である(但し、正負の極性は上記と逆になる)。従って、この減算明暗度データを加算してなる総合減算明暗度データの明暗度レベルの大きさが正側又は負側で所定レベル以上となる位置を前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の各位置として特定することで、その特定を適正に行うことができる。
【0020】
また、本発明では、前記補正塗料の各側縁の位置を、前記基準明暗度データを互いに逆向きにずらしてなる各別の前記ずらし明暗度データを用いて特定することが好ましい。
【0021】
すなわち、前記撮像により得られる画像データは、一般に周辺側が中央箇所よりも暗くなる傾向がある。このため、仮に前記基準明暗度データを一方向のみにずらした前記ずらし明暗度データを用いると、このずらし明暗度データと基準明暗度データとの差をとってなる前記減算明暗度データにあっては、前記補正塗料の両側縁の位置において、その一方に比して他方の減算明暗度データの強調効果が薄れる場合がある。そこで、前記基準明暗度データを互いに逆向きにずらしてなる各別の前記ずらし明暗度データを用いて前記補正塗料の各側縁の位置を特定することで、補正塗料の各側縁の位置について、効果的に強調された前記減算明暗度データを得ることができ、それにより、補正塗料の各側縁の位置をより精度よく特定することができる。尚、前記接合部については、該接合部に正常に補正塗料が塗布されておれば、該接合部の位置は前記画像データの略中央箇所(この箇所は明るい)に存することとなるため、いずれの方向にずらした前記ずらし明暗度データを用いても、該接合部の位置を特定することが可能である。
【0022】
また、本発明では、前記補正塗料の塗布箇所の撮像を該補正塗料の乾燥前に行うことが好ましい。すなわち、本発明者等の検討によれば、前記画像データにおいて補正塗料の両側縁は、該補正塗料が完全に固化して缶胴自身になじんだ状態よりも未乾燥状態の方が他所よりも顕著に暗いものとなりやすい。従って前記補正塗料の塗布箇所の撮像を該補正塗料の乾燥前に行うことで、その撮像により得られる画像データの明暗度に基づいて補正塗料の両側縁の位置を容易に特定することが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態を図1乃至図6を参照して説明する。図1は本実施形態の検査システムを具備する缶胴の製造ラインのシステム構成図、図2は缶胴の要部の横断面図、図3乃至図6は図1の検査システムによる検査方法を説明するための説明図である。
【0024】
図1を参照して、この製造ラインでは、図示しない方形状の金属板体を丸めてその両側縁を溶接により接合してなる円筒状の缶胴1が、コンベア2,3上を、該缶胴1の軸心部に内挿されたロッド状のアーム体4に沿って軸心方向に搬送される。この場合、缶胴1は、基本的にはその溶接された接合部1a(図2参照)が上方を向くように図示しない磁石等により保持されつつコンベア2,3上を搬送される。そして、コンベア3の下流端部に搬送された缶胴1は、該コンベア3の下流端部の上方から延設されたマグネットコンベア5により該缶胴1の外周上面部(接合部1a)が吸着保持されつつ該コンベア5の下流側に搬送される。
【0025】
尚、缶胴1を形成する前記金属板体の表裏面には、その溶接された両側縁の部分を除いてあらかじめ塗装処理やフィルム貼着等の表面被覆処理が施されている。このため、該金属板体の両側縁を溶接して接合してなる缶胴1にあっては、図2に示すように接合部1aの箇所を除いて内外周面にそれぞれ表面処理層1b,1cが形成されている。そして、接合部1aの箇所は、金属が露出した部分となっており、この部分は、缶胴1の周方向に多少の幅を有して該缶胴1の軸心方向に延在している。
【0026】
前記製造ラインのコンベア3の箇所には、缶胴1の接合部1aにこれを被覆するための補正塗料を塗布する塗布ステーションSaが設けられている。該塗布ステーションSaには、コンベア3上を搬送される缶胴1の内周面側でアーム体2の先端部に設けられた塗布ノズル6と、この塗布ノズル6の下流側でコンベア3上の缶胴1の上方に設けられた塗布ノズル7とが備えられている。そして、塗布ノズル6は、その箇所を缶胴1が軸心方向に搬送される過程で缶胴1の接合部1aの内面側に補正塗料8を塗布すべく、缶胴1の内周面の上部に向かって補正塗料を噴出し、塗布ノズル7は、その下方を缶胴1が軸心方向に搬送される過程で缶胴1の接合部1aの外面側に補正塗料9を塗布すべく、缶胴1の外周面の上部に向かって補正塗料を噴出するようにしている。
【0027】
尚、塗布ステーションSaには、塗布ノズル6による補正塗料8の塗布時に、缶胴1の開口端を介して外部に飛散する補正塗料8を吸引する塗料吸引装置10が、塗布ノズル6の上方に設けられ、さらに、塗布ノズル6,7から噴出されて小滴化した余剰の補正塗料の落下を受ける塗料受け11が両塗布ノズル6,7の下方でアーム体2の先端部から延設されている。
【0028】
このような塗布ステーションSaにおいては、缶胴1の接合部1aを上方に向けた状態で該缶胴1をコンベア3上で軸心方向に搬送しつつ、塗布ノズル6,7からそれぞれ補正塗料8,9を缶胴1の内周面の上部及び外周面の上部に向かって噴出することで、図2に示すように該接合部1aの内面側及び外面側に、それぞれこれらを被覆するようにして補正塗料8,9が塗布される。そして、この塗布された補正塗料8,9は基本的には接合部1aの幅よりも若干広い幅を有して缶胴1の軸心方向に帯状に延在することとなる。尚、缶胴1がコンベア2,3上で搬送される過程で、該缶胴1がその軸心回りに若干回転して、補正塗料8,9の塗布時に接合部1aが完全に上方を向く状態から周方向に位置ずれを生じている場合があり、このような場合には、該接合部1aが補正塗料8,9により完全に被覆されずに該接合部1aの金属露出部分が一部残存してしまうことがある。また、塗布ノズル8,9の詰まり等が生じた場合にも上記と同様の事態が生じることがある。
【0029】
一方、前記塗布ステーションSaの下流側には、マグネットコンベア5により搬送される缶胴1の内周面側の補正塗料8の塗布箇所(缶胴1の内周面の上部)を検査する検査ステーションSbが設けられ、この検査ステーションSbに本実施形態の検査システム12が設けられている。
【0030】
この検査システム12は、マグネットコンベア5の下方に缶胴1の軸心方向(缶胴1の搬送方向)に離間して配置された照明装置13及び撮像装置14と、この撮像装置14により得られる画像データを処理する画像処理装置15と、該画像データ等を表示するディスプレイ16とを具備する。
【0031】
照明装置13は、例えば蛍光灯により構成されたものであり、マグネットコンベア5により搬送される缶胴1の一端側の開口端を介して缶胴1の内周面側の補正塗料8の塗布箇所(缶胴1の内周面の上部)を照光する。尚、この照明装置13として例えばハロゲンランプを使用することも可能であるが、本実施形態では、補正塗料8の塗布箇所を含めて比較的広い範囲にわたって缶胴1の内周面に照光することが好ましいことから、蛍光灯を採用した。
【0032】
撮像装置14は、CCDカメラにより構成されたものであり、前記照明装置14により照光された缶胴1の内周面側の補正塗料の塗布箇所(缶胴1の内周面の上部)を缶胴1の他端側の開口端を介して撮像し、その撮像した画像データを画像処理装置15に出力する。この場合、この撮像装置14に得られる画像データは、例えば缶胴1の周方向を横方向(X軸方向)、缶胴1の軸心方向を縦方向(Y軸方向)としてマトリクス状に配列された複数の単位画素により構成されるものである。
【0033】
画像処理装置15は、マイクロコンピュータを用いて構成されたものであり、詳細は後述するが、撮像装置14から得られる画像データの明暗度を解析処理することで、補正塗料8の両側縁と接合部1aとの相互の位置関係を特定し、その特定した位置関係に基づき、補正塗料8が接合部1aに適正に塗布されているか否かを判断する。そして、その判断結果をディスプレイ16や外部に出力する。
【0034】
ディスプレイ16は、撮像装置14により得られた画像や、画像処理装置15による判断結果等を該画像処理装置15の制御により表示する。
【0035】
尚、かかる検査システム12を具備した検査ステーションSbの下流側には、図示は省略するが、缶胴1に塗布された補正塗料8を加熱・乾燥する乾燥ステーションが設けられており、従って、検査システム12による検査は、缶胴1の内周面側に塗布された補正塗料8の未乾燥状態で行われるようになっている。
【0036】
次に、前記検査システム12の作動を、前記画像処理装置15の解析処理を主体として説明する。
【0037】
補正塗料8,9の塗布後にマグネットコンベア5により搬送される缶胴1は、検査ステーションSbにおいて、照明装置13により該缶胴1の一端側の開口端を介して内周面の上部(補正塗料8の塗布箇所)が照光され、この照光状態で、撮像装置14により該補正塗料8の塗布箇所が撮像される。そして、その撮像により得られた画像データが画像処理装置15に取り込まれ、また、その画像がディスプレイ16に表示される。
【0038】
このとき、図2を参照して、缶胴1の接合部1aにあっては、前記金属板体の側縁に対応する位置に溶接時に生成された酸化皮膜(図示せず)が形成されており、この酸化皮膜は一般に黒色系の色調となる傾向がある。また、補正塗料8にあっては、未乾燥状態で、未だ、缶胴1の内周面の表面処理層1bに十分になじんでいないため、該補正塗料8の両側縁に缶胴1の内周面の表面処理層1bとの間に段差が生じている。このため、前記撮像装置14により得られる画像にあっては、それをディスプレイ16に表示すると、例えば図3に示すように、接合部1aの略中央に対応する位置(酸化皮膜の生成位置)で缶胴1の軸心方向(画像のY軸方向)に延在する略線状の暗部17(以下、接合部暗部17という)が現れ、この接合部暗部17の両側の補正塗料8の両側縁に対応する位置で缶胴1の軸心方向(画像のY軸方向)に延在する略線状の暗部18a,18b(以下、塗料側縁暗部18a,18bという)が現れる。
【0039】
これらの接合部暗部17及び塗料側縁暗部18a,18bは、基本的には、前述の撮像により得られた画像内の他所の明暗度に比して暗いものとなるが、撮像時の光の乱反射や外光等の影響で部分的に多少不鮮明なものとなることもある。
【0040】
尚、図3において、仮想線19a,19bで示した線は、缶胴1の接合部1a(金属露出部分)の内面側の両側縁の位置を示すものである。
【0041】
上記のような画像データを取り込んだ画像処理装置15は、図3に破線で示すようにあらかじめ定められたサイズの方形枠状のウィンドウ20を撮像により得られた画像上に設定し、このウィンドウ20内で、後述の処理を行うための複数(本実施形態では5本)の処理ラインX1 〜X5 を設定する。これらの処理ラインX1 〜X5 は、前記接合部暗部17及び塗料側縁暗部18a,18bを缶胴1の周方向(X軸方向)に横切るようにして、缶胴1の軸心方向(Y軸方向)に等間隔で設定される。
【0042】
そして、画像処理装置15は、上記ウィンドウ20内の各処理ラインX1 〜X5 について、各処理ラインX1 〜X5 上での画像の明暗度レベル(階調)のX軸方向の変化を示す基準明暗度データを作成してそれを図示しないメモリに保持する。
【0043】
さらに詳細には、画像処理装置15は、例えば処理ラインX1 について、この処理ラインX1 上におけるウィンドウ20内の各単位画素毎に画像の明暗度レベルを、該単位画素のX軸方向(缶胴1の周方向)における座標値(これは該単位画素のX軸方向におけるアドレス値により表される。以下、X軸アドレスと称する)と対応付けて求め、それを図示しないメモリに保持する。そして、このような基準明暗度データの作成処理は、他の処理ラインX2 〜X5 についても全く同様に行われ、各処理ラインX1 〜X5 毎に、それに対応する基準明暗度データが作成されてメモリに保持される。
【0044】
これにより、例えば次の表1に例示するように上記X軸アドレスと対応付けた基準明暗度データが各処理ラインX1 〜X5 毎に得られる。
【0045】
ここで、表1に示した基準明暗度データのレベル値(≧0)は、その値が大きい程、明るい(レベル値が小さい程、暗い)ことを示している。従って、前記接合部暗部17及び塗料側縁暗部18a,18bの位置にそれぞれ対応するX軸アドレス(これはそれぞれ表1中のX軸アドレス“225”,“150”,“300”に対応する)では、基準明暗度のレベル値が基本的には、他のX軸アドレスにおけるレベル値に比して小さなものとなる。尚、表1には、ずらし明暗度データや減算明暗度データも合わせて示してあるが、これらについては後述する。
【0046】
【表1】
Figure 0003676506
【0047】
次に、画像処理装置15は、図3に示したウィンドウ20内の画像(以下、これを元画像という)をそのまま、図4に示すようにX軸方向で前記塗料側縁暗部18b側(図3の右側)に例えば10ドット分の所定長、ずらして複製してなる画像(以下、これをずらし画像という)を作成する。このように作成されたずらし画像にあっては、図4に示すように、接合部暗部17や塗料側縁暗部18a,18bのX軸アドレスが前記元画像に対して10ドット分、増加することとなる。
【0048】
そして、画像処理装置15は、このずらし画像における前記複数(5本)の処理ラインX1 〜X5 のそれぞれについて、前記基準明暗度データの場合と全く同様に、各処理ラインX1 〜X5 上での画像の明暗度レベルのX軸方向の変化を示すずらし明暗度データを作成してそれを図示しないメモリに保持する。
【0049】
このようにして得られる各処理ラインX1 〜X5 毎のずらし明暗度データは、前記表1に示すように、各処理ラインX1 〜X5 に対応した前記基準明暗度データの各X軸アドレスにおけるレベル値を10ドット分、X軸アドレスの増加側にずらしたものとなる。尚、このずらし明暗度データは、前記ずらし画像を作成せずとも、単に、前記元画像により得られた各処理ラインX1 〜X5 毎の基準明暗度データの各X軸アドレスにおけるレベル値を10ドット分、X軸アドレスの増加側にずらして作成するようにしてもよい。
【0050】
次いで、画像処理装置15は、前述のように作成された各処理ラインX1 〜X5 毎の基準明暗度データ及びずらし明暗度データの各組について、例えば基準明暗度データからずらし明暗度データのレベル値を減算してなる減算明暗度データを作成して、それを図示しないメモリに保持する。この処理は、各処理ラインX1 〜X5 毎に、各X軸アドレスにおける基準明暗度のレベル値からずらし明暗度のレベル値を減算することで行われる。
【0051】
これにより、前記表1に例示するように、各処理ラインX1 〜X5 に対応する各組の基準明暗度データ及びずらし明暗度データについて、減算明暗度データが作成される。
【0052】
このようにして各処理ラインX1 〜X5 毎に作成される減算明暗度データにあっては、次のような傾向が現れる。
【0053】
すなわち、図4及び表1を参照して、例えば前記ずらし画像における前記各暗部17,18a,18bの位置にそれぞれ対応するX軸アドレス(これは、それぞれ前記表1のX軸アドレス,“235”,“160”,“310”に対応する)において、元画像では、ずらし画像に比して明るいものとなるため、それらのX軸アドレスにおける基準明暗度のレベル値はずらし明暗度のレベル値よりも比較的顕著に大きくなる。従って、それらのX軸アドレスにおける前記減算明暗度のレベル値は正の値で比較的大きなものとなる。
【0054】
また、例えば前記元画像における前記各暗部17,18a,18bの位置にそれぞれ対応するX軸アドレス(これは、それぞれ前記表1のX軸アドレス,“225”,“150”,“300”に対応する)において、ずらし画像では、元画像に比して明るいものとなるため、それらのX軸アドレスにおけるずらし基準明暗度のレベル値はずらし明暗度のレベル値よりも比較的顕著に小さくなる。従って、それらのX軸アドレスにおける前記減算明暗度のレベル値は負の値で比較的大きなものとなる。
【0055】
他方、元画像及びずらし画像の前記各暗部17,18a,18bの位置の近傍以外の箇所(例えば接合部暗部17と塗料側縁暗部18a又は18bとの間の中央箇所等)では、元画像とずらし画像とで明暗度のレベル差がさほど生じないため、そのような箇所のX軸アドレス(例えば表1のX軸アドレス“100”)における前記減算明暗度のレベル値は十分に小さなもの(略“0”)となる。
【0056】
従って、前記減算明暗度データにあっては、基本的には、前記元画像の各暗部17,18a,18bの位置に対応するX軸アドレスにおいて、減算明暗度のレベルが負側で比較的大きなものとなると共に、前記ずらし画像の各暗部17,18a,18bの位置に対応するX軸アドレスにおいて、減算明暗度のレベルが正側で比較的大きなものとなる。また、これらX軸アドレスから離れたX軸アドレスにおいては、基本的には、減算明暗度のレベルの大きさ(絶対値)が比較的小さなもの(“0”を含む)となる。
【0057】
尚、このことは前述の通り作成された減算明暗度データの基本的な傾向ではあるが、撮像時の光の乱反射や外光等の影響で、その傾向が多少薄れる場合もある。
【0058】
次に、画像処理装置15は、前述のように各処理ラインX1 〜X5 に対応して作成した減算明暗度データを全て、相互に加算してなる総合減算明暗度データを作成して、それを図示しないメモリに保持する。この処理は、各処理ラインX1 〜X5 毎の各X軸アドレスにおける減算明暗度のレベル値の総和を演算することで行われる。
【0059】
これにより、例えば各処理ラインX1 〜X5 に対応する減算明暗度データがいずれも、前記表1に例示したものと同一であったとすると、次の表2に例示するような総合減算明暗度データが作成される。
【0060】
【表2】
Figure 0003676506
【0061】
このようにして作成される総合減算明暗度データにあっては、各処理ラインX1 〜X5 に対応する減算明暗度データを相互に加算したものであるため、各減算明暗度データにおける前述の傾向が強調されてより顕著に現れる。すなわち、前記元画像の各暗部17,18a,18bの位置に対応するX軸アドレスにおいて、総合減算明暗度のレベルが他のX軸アドレスに比して顕著に負側で大きなものとなると共に、前記ずらし画像の各暗部17,18a,18bの位置に対応するX軸アドレスにおいて、総合減算明暗度のレベルが他のX軸アドレスに比して顕著に正側で大きなものとなる。
【0062】
このような総合減算明暗度データを作成した画像処理装置15は、次に、各X軸アドレスにおける総合減算明暗度のレベル値をあらかじめ定めた正の所定値と比較し、総合減算明暗度のレベル値が該所定値を越えてピーク値(極大値)となるX軸アドレスを抽出する。そして、その抽出したX軸アドレスのうち、最もアドレス値の低いX軸アドレスを前記ずらし画像における前記塗料側縁暗部18a,18bのうちの左側の塗料側縁暗部18aの位置として特定する。さらに、前記抽出したX軸アドレスのうち、2番目にアドレス値の低いX軸アドレスを前記ずらし画像における接合部暗部17の位置として特定する。
【0063】
具体的には、前述のように作成される総合減算明暗度データを図示すると、例えば図5に示すような波形データとなる(但し、図5では、総合減算明暗度のレベル値が負の値となるX軸アドレスについては、そのレベル値を強制的に“0”としている)。この場合、同図5に見られるように、前記塗料側縁暗部18a、接合部暗部17及び塗料側縁暗部18bにそれぞれ対応して、X軸アドレスの低い側から順に、総合明暗度のレベル値が所定値L0 を越える三つのピークP1,P2,P3 が現れる。そして、これらのピークP1,P2,P3 のうち、最もアドレス値の低いピークP1 のX軸アドレスをずらし画像における左側の塗料側縁暗部18aの位置として特定し、2番目にアドレス値の低いピークP2 のX軸アドレスをずらし画像における接合部暗部17の位置として特定する。
【0064】
このように特定した左側の塗料側縁暗部18aの位置及び接合部暗部17の位置は、元画像を右側に10ドット分、ずらしたずらし画像におけるX軸アドレスであるので、画像処理装置15は、さらに、左側の塗料側縁暗部18a及び接合部暗部17のそれぞれについて求めたX軸アドレスから“10”を減算してなるアドレス値を元画像における左側の塗料側縁暗部18a及び接合部暗部17の位置(X軸アドレス)として特定する。従って、図5に示した総合減算明暗度データによれば、元画像において特定される左側の塗料側縁暗部18a及び接合部暗部17のX軸アドレスは、それぞれ“150”、“225”となる。
【0065】
一方、同図5において、最もアドレス値の高いピークP1 のX軸アドレスをずらし画像における右側の塗料側縁暗部18bの位置として特定してもよいが、本実施形態では右側の塗料側縁暗部18bの位置は、以下に説明するようにして特定する。
【0066】
すなわち、画像処理装置15は、前述のようにして前記ずらし画像における左側の塗料側縁暗部18aの位置及び接合部暗部17の位置を特定した後、次に図6に示すように、前記図4に示したずらし画像(以下、これを必要に応じて第1のずらし画像という)とは逆に、前記元画像を左側(X軸アドレスの低い側)に10ドット分、ずらしてなる第2のずらし画像を作成し、この第2のずらし画像について、前記第1のずらし画像の場合と全く同様にして、各処理ラインX1 〜X5 毎のずらし明暗度データ(前記基準明暗度データを10ドット分、X軸アドレスの減少側にずらしたもの)及び減算明暗度データ(基準明暗度データから上記ずらし明暗度データを減算したもの)を作成し、さらに、それらの減算明暗度データを相互に加算してなる総合減算明暗度データを作成する。そして、このように第2のずらし画像を用いて作成した総合減算明暗度データにおいて、各X軸アドレスにおける総合減算明暗度のレベル値を前記所定値L0 (>0)と比較し、総合減算明暗度のレベル値が該所定値L0 を越えてピーク値(極大値)となるX軸アドレスを抽出し、その抽出したX軸アドレスのうち、最もアドレス値の高いX軸アドレスを前記第2のずらし画像における右側の塗料側縁暗部18bの位置として特定する。
【0067】
そして、このように特定した右側の塗料側縁暗部18bの位置は、元画像を左側に10ドット分、ずらした第2のずらし画像におけるX軸アドレスであるので、画像処理装置15は、さらに、右側の塗料側縁暗部18bについて求めたX軸アドレスに“10”を加算してなるアドレス値を元画像における右側の塗料側縁暗部18bの位置(X軸アドレス)として特定する。
【0068】
このように右側の塗料側縁暗部18bの位置の特定に際して、左側の塗料側縁暗部18aの位置の特定の場合と逆に、元画像を左側にずらした第2のずらし画像を用いるのは、次のような理由による。
【0069】
すなわち、前述の撮像により得られる画像にあっては、一般に、その画像の中央側程、明るく、逆に、周辺側は、缶胴1の曲面形状等に起因して暗いものとなり易い。このため、図4を参照して、前記第1のずらし画像の右側の塗料側縁暗部18bに対応するX軸アドレスの近傍箇所では、元画像における明暗度も比較的暗いものとなり易い。従って、元画像の基準明暗度データから第1のずらし画像のずらし明暗度データを減算して得られる減算明暗度データ、さらには、それを加算してなる総合減算明暗度データにあっては、第1のずらし画像の右側の塗料側縁暗部18bに対応するX軸アドレスにおいて、総合減算明暗度のレベル値が正側にさほど大きくならないことがあり、また、右側の塗料側縁暗部18bに対応するX軸アドレスの近傍箇所で、例えば図5の右端に示すような比較的大きなノイズ状のピークP4 を生じ易い。
【0070】
このため、前記第1のずらし画像のずらし明暗度データを用いて作成した総合減算明暗度データに基づき、該第1のずらし画像における右側の塗料側縁暗部18bの位置(X軸アドレス)を特定しようとすると、その特定が不正確なものとなる虞れがある。
【0071】
これに対して、本実施形態のように、前記第2のずらし画像を用いた場合には、図6を参照して明らかなように、該2のずらし画像の右側の塗料側縁暗部18bに対応するX軸アドレスの近傍箇所は、元画像における中央寄りの箇所であるため、その箇所における元画像の明暗度は比較的、均一的に明るい。従って、元画像の基準明暗度データから第2のずらし画像のずらし明暗度データを減算して得られる減算明暗度データ、さらには、それを加算してなる総合減算明暗度データにあっては、第2のずらし画像の右側の塗料側縁暗部18bに対応するX軸アドレスにおいて、総合減算明暗度のレベル値が比較的顕著に正側に大きくなる。
【0072】
このため、この総合減算明暗度に基づき、第2のずらし画像における右側の塗料側縁暗部18bの位置(X軸アドレス)を精度よく特定することができ、ひいては、元画像における右側の塗料側縁暗部18bの位置(X軸アドレス)を精度よく特定することができる。
【0073】
尚、左側の塗料側縁暗部18bの位置の特定は、上記と逆に元画像を右側にずらした第1のずらし画像を用いて行うので、その位置特定を精度よく行うことができることはもちろんである。
【0074】
また、本実施形態では、接合部暗部17の特定に際しては、第1のずらし画像を用いたが、第2のずらし画像を用いて特定するようにしてもよい。
【0075】
以上のようにして特定された接合部暗部17及び塗料側縁暗部18a,18bの位置(元画像におけるX軸アドレス)は、缶胴1の内面側における接合部1aの中央位置、及び補正塗料8の両側縁の位置を示すものとなるので、これによりそれらの位置が特定されることとなる。
次いで、画像処理装置15は、このように特定した缶胴1の内面側における接合部1aの中央位置と、補正塗料8の右側及び左側の各側縁の位置との間の距離とを求める。この演算は、接合部1aの中央位置のX軸アドレスと、補正塗料8の各側縁のX軸アドレスとの差を求めることにより行われる。
【0076】
そして、画像処理装置15は、接合部1aの中央位置と、補正塗料8の右側及び左側の各側縁の位置との間の求めた距離がそれぞれあらかじめ定めた所定の管理値内にあるか否かを判断し、それらの距離が管理値内にないときには、缶胴1の内面側の補正塗料8の塗布状態が不良である旨を前記ディスプレイ16に表示すると共に、その旨を示す信号を外部に出力する。
【0077】
これにより、例えば缶胴1の前述の搬送時に、該缶胴1がその軸心回りの若干回転した場合等、缶胴1の内面側に塗布された補正塗料8が、接合部1aを完全に被覆しておらず、該補正塗料8の一方の側縁側で、接合部1aの金属部分が露出してしまっているような場合には、接合部1aの中央位置と、補正塗料8の右側又は左側の側縁の位置との間の求めた距離が過剰に短くなって、上記管理値内に収まらないため、塗布状態が不良である旨の報知が確実になされる。そして、それにより該缶胴1を廃棄したり、製造ラインを一旦、休止する等の処置を迅速に施すことができる。
【0078】
このように本実施形態の検査システムによれば、缶胴1の接合部1aの内面側に塗布した補正塗料8の塗布状態の良否を、前記照明装置13や、撮像装置14、画像処理装置15等を用いた簡単なシステム構成で効率よく確実に行うことができる。
【0079】
以上説明した本実施形態においては、前記総合減算明暗度データにおいて、総合明暗度のレベル値が正側に所定値L0 を越えるピークのX軸アドレスにより、缶胴1の内面側における接合部1aの中央位置、及び補正塗料8の両側縁の位置を特定するようにしたが、総合明暗度のレベル値(絶対値)が負側に所定値を越えるピークのX軸アドレスにより、元画像における前記接合部暗部17及び塗料側縁暗部18a,18bの位置を特定し、それにより接合部1aの中央位置及び補正塗料8の両側縁の位置を特定するようにしてもよい。そして、この場合には、前述と同様の理由により、左側の塗料側縁暗部18aの位置を特定するに際しては、本実施形態と逆に、元画像を左側にずらした前記第2のずらし画像のずらし明暗度データを用い、右側の塗料側縁暗部18bの位置を特定するに際しては、元画像を右側にずらした前記第1のずらし画像のずらし明暗度データを用いることが好ましい。
【0080】
あるいは、例えば左側の塗料側縁暗部18aの位置を特定するに際しては、本実施形態と同様に、前記第1のずらし画像のずらし明暗度データを用いて求めた総合明暗度のレベル値が正側に所定値L0 を越えるピークのX軸アドレスにより前記接合部暗部17及び左側の塗料側縁暗部18aの位置を特定し、右側の塗料側縁暗部18bの位置を特定するに際しては、第1のずらし画像のずらし明暗度データを用いて求めた総合明暗度のレベル値が負側に所定値を越えるピークのX軸アドレスにより、該右側の塗料側縁暗部18bの位置を特定するようにすることも可能である。このようにした場合には、単一のずらし画像のみを用いて、両塗料側縁暗部18a,18bの位置を精度よく特定することができる。
【0081】
また、本実施形態では、補正塗料8の乾燥前に検査を行うようにしたが、乾燥後に行うようにすることも可能である。但し、本実施形態のように補正塗料8の乾燥前に検査を行うようにした方が、補正塗料8が缶胴1の内周面に十分になじんでいないため、特に、前記塗料側縁暗部18a,18bが鮮明に現れやすく、従って、それらの位置の特定をより確実なものとすることができる。
【0082】
また、本実施形態では、缶胴1の内面側の補正塗料8の検査について説明したが、缶胴1の外面側の補正塗料9についても本実施形態と同様に検査を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の検査システムを具備する缶胴の製造ラインのシステム構成図。
【図2】缶胴の要部の横断面図。
【図3】図1の検査システムによる検査方法を説明するための説明図。
【図4】図1の検査システムによる検査方法を説明するための説明図。
【図5】図1の検査システムによる検査方法を説明するための説明図。
【図6】図1の検査システムによる検査方法を説明するための説明図。
【符号の説明】
1…缶胴、1a…接合部、8…補正塗料。

Claims (5)

  1. 板体の両側縁を接合してなる缶胴の接合部に軸方向に帯状に塗布された補正塗料の塗布状態の良否を検査する方法であって、
    前記缶胴の前記補正塗料の塗布箇所に照光しつつ該塗布箇所を撮像する工程と、該撮像により得られた画像データの前記缶胴の周方向における明暗度の変化を示す基準明暗度データを前記画像データから作成して保持する工程と、該基準明暗度データを前記缶胴の周方向に所定長分、ずらしてなるずらし明暗度データを作成して保持する工程と、両明暗度データの一方から他方を減算してなる減算明暗度データを作成する工程とを具備し、前記基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データを、前記缶胴の軸方向の複数箇所について作成すると共に、各組の基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データ毎に前記減算明暗度データを作成し、各組の基準明暗度データ及びそのずらし明暗度データに対応する各減算明暗度データを相互に加算してなる総合減算明暗度データに基づき前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の相互の位置関係を特定し、その特定した位置関係に基づき該補正塗料の塗布状態の良否を検査することを特徴とする缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法。
  2. 前記特定した位置関係において、前記接合部が前記補正塗料の両側縁の間に有り、且つ該接合部と前記補正塗料の各側縁との間の距離が所定の管理値内にあるとき、該補正塗料の塗布状態が良好であると判断することを特徴とする請求項1記載の缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法。
  3. 前記総合減算明暗度データの明暗度レベルの大きさが正側又は負側で所定レベル以上となる位置を前記補正塗料の両側縁及び前記接合部の各位置として特定することを特徴とする請求項記載の缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法。
  4. 前記補正塗料の各側縁の位置を、前記基準明暗度データを互いに逆向きにずらしてなる各別の前記ずらし明暗度データを用いて特定することを特徴とする請求項1または請求項3のいずれかに記載の缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法。
  5. 前記補正塗料の塗布箇所の撮像を該補正塗料の乾燥前に行うことを特徴とする請求項1乃至のいずれかに記載の缶胴の接合部の補正塗料塗布状態検査方法。
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