JP3676231B2 - 高周波加熱装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、マグネトロンから発生するマイクロ波を被加熱物に照射して暖め調理する高周波加熱装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は、例えば特開平10−267289号公報に開示された従来の二段温め調理方式の高周波加熱装置を示す正面構成図である。図12において、1は本体(図示なし)内に形成される加熱室、2は加熱室1の中央部に設置される角皿、3は角皿2の上に載置する第1の被加熱物、4は加熱室1の下部に設置されるロータリープレートであり、このロータリープレート4は加熱室1の外部に配設されるモータ5の回転軸6を介して回転する。7はロータリープレート4の上部に置かれる回転皿、8は回転皿7の上に載置する第2の被加熱物、9は加熱室1の上方側部に設けられて第1の被加熱物3から発生する蒸気の温度を検出する例えばサーミスタから成る第1の温度検出器、10は加熱室1の中央側部に設けられて第2の被加熱物8から発生する蒸気の温度を検出する例えばサーミスタから成る第8の温度検出器である。11は加熱室1の外側に配置するマグネトロン、12はマグネトロン11から発生するマイクロ波を加熱室1の壁面の上下2箇所に形成する給電口13を塞ぐ高周波透過性の部材から成る閉塞部材13aを介して加熱室1に導入させる導波管、14は前述のモータ5およびマグネトロン11の駆動を制御する制御部である。
【0003】
次に、二段温め調理方式の高周波加熱装置の動作について図12を併用して説明する。その装置を動作開始した場合に、マグネトロン11から発生するマイクロ波は第1の被加熱物3およびその下部に配置する第2の被加熱部8に照射される。このとき、回転皿7に載置する第2の被加熱物8はモータ5の回転駆動によって回転しながらマイクロ波を照射する。これにより、双方の被加熱物は加熱状態となって水蒸気が発生し、第1の温度検出器9の検出値がある閾値に至った場合に第1の被加熱物3は温め終了と判断される。一方、第2の温度検出器10の検出値がある閾値に至った場合に第2の被加熱物8は温め終了と判断され、双方の被加熱物の温め調理がスムーズに行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来の二段温め調理方式の高周波加熱装置は、前述のように加熱室の上下に配置する双方の被加熱物から発生する蒸気の温度を、加熱室の上部および中央部に設置される各々の温度検出器で検出し、その検出値に基づいて被加熱物の温度を間接的に計測する方法であった。しかし、温度検出器を複数個用いるために部品コストが高くなり、かつ双方の被加熱物の温度を精度良く検出することが無理であり、これによって暖め不十分或いは温めし過ぎという不具合を招くという問題点を生じる。
【0005】
この発明は、前述のような問題点を解決するためになされたもので、加熱室の上下に配置される双方の被加熱物の温度を、一つの温度検出器を用いて検出することで部品コストを低減し、さらに被加熱物の温度を直接検出する方法を採用して温め調理を正確に行うことができる高周波加熱装置を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る高周波加熱装置は加熱室内を上下に仕切る載置台を備え、加熱室内の上下各室にマグネトロンから高周波を供給できるようにした高周波加熱装置において、加熱室の側面部に設けた開口を通して加熱室内の上下各室に置かれた被加熱物から放射される赤外線を検出できるように、上下方向へ複数の赤外線検知素子をアレイ状に並設した赤外線検出器を設けるようにしたものである。
【0007】
また、赤外線検出器を載置台の側縁部の側方に対向して配設するようにしたものである。
【0008】
また、赤外線検出器をその赤外線検出領域が加熱室内の左右方向に移動するよう回動したものである。また赤外線検知素子による検出値の中で最高値を抽出してマグネトロンを駆動制御するようにしたものである。
【0009】
また、加熱室内を上下に仕切る載置台を備え、加熱室内の上下各室にマグネトロンから高周波を供給できるようにした高周波加熱装置において、上下各室それぞれに置かれた被加熱物から放射される赤外線を検出できるように、上下各室のそれぞれに対応する側面部の部位に開口を設けると共に、側面部に沿って開口間を移動する赤外線検出器を設置したものである。
【0010】
また、赤外線検出器は少なくとも加熱室側面部の上下方向へ複数の赤外線検知素子を並設したアレイ状のものから構成するようにしたものである。さらにまたオーブン調理を行う場合、赤外線検出器を開口と対向しない位置に移動したものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1はこの発明の高周波加熱装置に係る実施の形態1を示す上面構成図、図2は図1に示す加熱室1の対角線aを境界として見た場合の正面構成図である。図1と図2において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。15は加熱室1の角部かつその中央部の高さ位置であって、加熱室1の外側方向へ突出して設けられる箱状のカバーであり、このカバー15の側面に第1の被加熱物3および第2の被加熱物8から放射される熱エネルギー即ち赤外線を透過し、マイクロ波を遮断するように例えば直径8mm程度の赤外線透過窓16が形成される。17は赤外線透過窓16に近接して配設される例えば1×8の素子配列となっている焦電型或いはサーモパイル型のアレイ状赤外線センサ17である。なお、図1中のA部に示すように赤外線センサ17から遠ざかるに応じて赤外線の検知エリアが広くなっていることが分かる。
【0012】
ここで、加熱室1の角部に箱状のカバー15を設けてそのカバー15の外側に赤外線センサ17を配設する理由は、第1の被加熱物3および第2の被加熱物8と赤外線センサ17との距離を長くして双方の被加熱物から放射される赤外線に対しての検知エリアを広くするためである。また、赤外線センサ17を赤外線透過窓16に対して所定角度だけ傾斜させて配置し、加熱室1の上部に配置する第1の被加熱物3の側部における図中の検知エリアe1、e2の赤外線量を、その赤外線センサ17を構成する第1の素子17aおよび第2の素子17bで検出させる。また、加熱室1の中央部に位置する第1の被加熱物3を載置する角皿2の側部における図中の検知エリアe3〜e5の赤外線量を、第3の素子17cから第5の素子17eで検出させる。
【0013】
さらに、加熱室1の下部に配置する第2の被加熱物8の側部における図中の検知エリアe6〜e8の赤外線量を、第6の素子17fから第8の素子17hで検出させる。なお、前述のように角皿2の側部の赤外線量を第3の素子17cから第5の素子17eで検出する目的は、加熱室1の温度を計測するためである。そして、その温度情報を赤外線センサ17から出力される赤外線検出値を温度変化に基づいて補正するために用いる補正データの一つとする。
なお、赤外線センサ17の取り付け位置を限定し、赤外線センサ17の上下方向の検出エリア内に加熱室1の上下部に配置される第1の被加熱物3及び第2の被加熱物8が収まるように、角皿2や回転皿7の位置を適宜工夫しても良い。これに関しては、実施の形態2〜実施の形態5についても同様である。
【0014】
次に、加熱室4の上部に配置される第1の被加熱物3を載置する載置台を図3に示すように角状皿から丸状皿へ変更することにより、加熱室1の下方に対応した赤外線センサ17の検知エリアe4、e5は丸皿の側部で遮断されることがない。これにより、その検知エリアe4およびe5は加熱室1の下部に配置される第2の被加熱物8の上部を狙うことになる。したがって、第2の被加熱物8の上部に対しては赤外線センサ17が検知エリアe4とe5の個所の赤外線量を検出し、かつその側部に対しては検知エリアe6からe8でその個所から放射される赤外線量を検出することで、第2の被加熱物8の温度を精度良く検出することができる。このとき、加熱室1の上部に配置される第1の被加熱物3の側部の検知エリアはe1およびe2であり、その検知エリアの赤外線量を赤外線センサ17で検出して温度を計測する。
【0015】
次に、高周波加熱装置の動作について図1〜図3を併用して説明する。本体パネルに取り付けられるスタートボタン(図示なし)を押してONさせると、マグネトロン11が駆動する。これにより、マグネトロン11から発生するマイクロ波が導波管12を伝播して加熱室1の側壁部に形成される上下の給電口13から閉塞部材13aを介し、加熱室1に収容される第1の被加熱物3および第2の被加熱物8に照射する。このとき、加熱室1の中央部に配置される角皿2の上に第1の被加熱物3を置いた場合は、図1に示すように第1の被加熱物3が静止状態でマイクロ波を浴び、かつ加熱室1の下部に配置される回転皿7の上に置かれた第2の被加熱物8は回転状態でマイクロ波を浴びる。したがって、双方の被加熱物は効率的に温め調理される。
【0016】
次に、前述の温め調理の過程で赤外線センサ17を構成する第1の素子17aおよび第2の素子17bは、加熱室1内の上部に位置する第1の被加熱物1の検知エリアe1〜e2から放射された赤外線量を検出する。また、赤外線センサ17の第6の素子17f〜第8の素子17gで、加熱室1の下部に配置する第2の被加熱物8の側部に対応した検知エリアe6〜e8の赤外線量を検出する。そして、各検知エリアe1〜2、e6〜e8の個所に対応した赤外線センサ17の各素子から出力される信号に基づき、双方の被加熱物の温度が検出される。この後で、制御部14は赤外線センサ17の第1の素子17aと第2の素子17bとの検出値を所定時間毎に読み込み、それらの検出値の中の最高値m1のみを記憶する。そして、その最高値m1がある閾値s1に到達した場合に第1の被加熱物3の温度は所定温度t1に到達したと判断し、マグネトロン11の駆動を停止する。
【0017】
また、同時に制御部14は第6の素子17fから第8の素子17gの検出値を所定時間毎に読み込み、それらの検出値の中の最高値m2のみを記憶する。そして、その最高値m2がある閾値s2に到達した場合に第2の被加熱物8の温度は所定温度t2に到達したと判断し、マグネトロン11の駆動を停止する。なお、第1の被加熱物3を載置する皿を角皿から丸皿へ変更した場合に、前述の理由で赤外線センサ17の第2の被加熱物8に対応した検知エリアがe4〜e8に拡大し、その検知エリアe4〜e8の個所に対応した各素子から出力される信号に基づき、第2の被加熱物8の各個所の温度を検出する。そして、第4の素子17dから第8の素子17gの検出値を読み込み、それらの検出値の最高値m3を記憶する。それ以降は、前述と同様にその最高値m3とある閾値との関係を見ながらマグネトロン11の駆動を停止する。このような制御部14によるマグネトロン11の駆動制御方法は、後述の実施の形態2〜実施の形態5についても同様である。
【0018】
ここで、アレイ状の赤外線センサ17を構成する各赤外線検知素子の配列について図4を併用して説明する。赤外線センサ17は、加熱室1の上部と下部に配置される被加熱物の温度を検出する関係上、各素子の配列は図4に示すように縦長状であることが好ましい。例えば、各素子の縦サイズは全てHSの大きさ、素子同志の間隔は全てHGの大きさであり、即ち等分状に区分けされた配列方法となっている。また、各素子の縦サイズHSと間隔HGとの関係は、HS>HG、HS<HG、HS=HGの何れかの大きさとなるように適宜選択して設計する必要がある。さらに、各素子の配列は図4に示すように1×8の他に、例えば2×8、3×8、4×8の縦長状の形状であっても良い。
【0019】
以上のように、複数の赤外線検知素子が縦長状に配列された一つのアレイ状赤外線センサ17を、加熱室1の一方の側壁部の近傍に配設して加熱室1の上下部に配置する被加熱物の複数箇所の温度を検出し、この検出値に基づいてマグネトロン11を駆動制御するように構成しているので、双方の被加熱物を適切に温め調理することができる。
【0020】
実施の形態2.
図5は、この発明の高周波加熱装置に係る実施の形態2を示す正面構成図である。図5において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。ここでは、例えば1×8のアレイ状の赤外線センサ17を加熱室1の上部に配置される第1の被加熱物3の側部における検知エリアをe1〜e4、加熱室1の下部に配置される第2の被加熱物8の上部および側部における検知エリアをe5〜e8となるように、箱状のカバー15に形成する赤外線透過窓16に対して所定角度だけ傾斜させて配置する。なお、これを実現させるために、赤外線センサ17の素子配列を図6に示すように、第1の素子A1〜第4の素子A4の縦サイズを全てHS、素子同志の間隔を全てHGに設定し、即ち等分状に区分けされた配列方法とする。
【0021】
また、素子サイズHSと間隔HGとの大きさの関係は、実施の形態1と同様にHS>HG、HS<HG、HS=HGの何れかの大きさとなるように適宜選択して設計する必要がある。そして、第4の素子A4と第5の素子A5との間隔は図6に示すようにHGよりも大きいHG’となるように適宜設計する。さらに、第5の素子A5〜第8の素子A8の縦サイズを全てHS、素子同志の間隔を全てHGに設計して等分状に区分けされた配列方法とする。、なお、赤外線センサ17の各素子の配列は1×8の他に、例えば2×8、3×8、4×8という具合に縦長状の任意の形状となるように設計しても良い。
【0022】
以上のように、複数の赤外線検知素子が縦長状に配列され、かつ配列された素子郡の中央個所に大きい間隔を形成する一つのアレイ状赤外線センサ17を使用して加熱室1の上下部に配置する被加熱物の温度を検出することで、双方の被加熱物をより一層適切に温め調理することができる。
【0023】
実施の形態3.
図7は、この発明の高周波加熱装置に係る実施の形態3を示す上面構成図である。図7において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。18は加熱室1の外側に突出して設けられる箱状のカバー15に形成する赤外線透過窓16に対向し、アレイ状の赤外線センサ17を左右方向に往復回動させる即ち検知エリアを左右方向に往復回動させる左右回動機構部である。ここで、赤外線センサ17を左右回動機構部18により加熱室1の対角線bに対して右方向に回動した場合に、赤外線センサ17の検知エリアはReである。また、赤外線センサ17を中央部に回動した場合に検知エリアはCe、それを左方向に回動した場合に検知エリアはLeである。なお、加熱室1の上下部に配置される被加熱物に対しての赤外線センサ17の垂直方向側の検知エリアe1〜e8は、実施の形態1または実施の形態2と同様の配置構成である。
【0024】
次に、例えば高周波加熱装置で被加熱物のオーブン調理を行う場合は、その被加熱物から発生するオイルミストなどが赤外線透過窓16を介してアレイ状の赤外線センサ17の受光部に付着する恐れが生じる。この状態で、被加熱物の温め調理を行った場合は赤外線センサ17の検出精度が著しく低下する関係上、被加熱物の温めし過ぎの事態を招く。これを未然に防止するために、オーブン調理のメニューボタン(図示なし)を押してONさせた場合は、赤外線センサ17の受光部(図示なし)を左右回動機構部18により赤外線透過窓18に対して背を向けるように配置させて汚染対策を行う。
【0025】
こうした構成により、加熱室1の上部に固定設置される皿の上に置かれる第1の被加熱物3の側部に対し、アレイ状の赤外線センサ17の検知エリアが常に左右方向に回動する。したがって、赤外線センサ17により第1の被加熱物3の側部全体の温度を検出し、適切な温め調理を行うことができる。なお、この過程で加熱室1の下部に配置される第2の被加熱物8は、回転した状態でその側部の温度が赤外線センサ17によって検出される。
【0026】
実施の形態4.
図8〜図10は、この発明の高周波加熱装置に係る実施の形態4を示す正面構成図である。図8〜図10において、従来例と同一の符号は同一または相当部分を示す。19は加熱室1の外側に突出して設けられる箱状のカバー15の上部および中央部に形成する一対の赤外線透過窓、20はアレイ状の赤外線センサ17を加熱室1の外側であって上部の赤外線透過窓19aと中央部の赤外線透過窓19aを通過するように、往復移動させる垂直移動機構部である。
【0027】
次に、こうした構成を有する高周波加熱装置の動作を図8〜図10を併用して説明する。本体パネルに取り付けられるスタートボタン(図示なし)を押してONさせると、マグネトロン11が駆動して加熱室1の上部に配置する第1の被加熱物3、加熱室1の下部に配置する第2の被加熱物8に照射する。このとき、赤外線センサ17は図8に示すように箱状のカバー15の上部に形成する赤外線透過窓19aに対向して所定時間だけ静止配置させる。これにより、赤外線センサ17は第1の被加熱物3の側部における検知エリアe1〜e8の温度を精度良く検出する。
【0028】
次に、垂直移動機構部20により赤外線センサ17は下降移動し、図9に示すように箱状のカバー15の中央部に形成される赤外線透過窓19bに対向するようして、所定時間だけ停止する。これにより、赤外線センサ19は加熱室1の下部に配置される第2の被加熱物8の側部における検知エリアe1〜e8の温度を精度良く検出する。この後で、赤外線センサ19は箱状のカバー15の上部の赤外線透過窓19a側へ上昇移動し、この赤外線透過窓19bに対向した状態で所定時間だけ停止する。そして、赤外線センサ4は加熱室1の上部に配置される第1の被加熱物3の側部における検知エリアe1〜e8の温度を検出する。このように、赤外線センサ17は垂直移動機構部20により一対の赤外線透過窓19を対向するようして、箱状のカバー15の面を沿うように垂直移動するような動作を繰り返す。そして、加熱室1内の上下部に配置される被加熱物のそれぞれの温め温度に相当する赤外線センサ17の検出値が出力されたときに、マグネトロン11の駆動が停止して温め動作が終了する。
【0029】
次に、例えば高周波加熱装置で被加熱物のオーブン調理を行う場合は、その被加熱物から発生するオイルミストなどが一対の赤外線透過窓19を介してアレイ状の赤外線センサ17の受光部に付着する恐れを生じる。したがって、実施の形態3の記載内容と同様に、被加熱物の温めし過ぎの事態を招く。これを未然に防止するために、オーブン調理のメニューボタン(図示なし)を押してONさせた場合は、赤外線センサ17を図10に示すように垂直移動機構部20により箱状のカバー15の赤外線透過窓19が形成していない個所、例えば下部に配置するように下降移動させて汚染対策を行う。
【0030】
以上のように、一つのアレイ状の赤外線センサ17は一対の赤外線透過窓19を介して加熱室1の上部および下部に配置される被加熱物の側部に対応する検知エリアの数をe1〜e8に増やし、被加熱物の温度をより一層精度良く検出して温め調理を実行することができる。また、オーブン調理を行う場合は赤外線センサ17を一対の赤外線透過窓19が形成していない個所に配置することで、オイルミストなどの汚れ対策を施すことができる。
【0031】
実施の形態5.
図11は、この発明の高周波加熱装置に係る実施の形態5を示す正面構成図である。図11において、従来例および実施の形態1〜実施の形態4と同一の符号は同一または相当部分を示す。21は加熱室1の外側に突出して設けられる箱状のカバー15の上部から下部に跨って複数箇所に形成される複数の赤外線透過窓、22は垂直移動機構部20の動作により複数の赤外線透過窓21に対向するシングル状の赤外線センサ即ち1個の素子のみで構成する赤外線センサである。
【0032】
こうした構成により、高周波加熱装置の動作を開始させた場合に、赤外線センサ22は図11に示すように箱状のカバー15の最上部に形成する赤外線透過窓21aに所定時間だけ対向して静止配置する。そして、赤外線センサ22は加熱室1の上部に配置される第1の被加熱物3の側部Aに対応する検知エリアe1の赤外線量を検出する。次に、赤外線センサ22は垂直移動機構部20により所定量だけ下降移動し、赤外線透過窓21bに所定時間だけ対向して静止配置した状態で第1の被加熱物3の側部Bに対応する検知エリアe2(図示なし)の赤外線量を検出する。
【0033】
次に、赤外線センサ22は垂直移動機構部20によって所定量だけ順次下降移動しながら赤外線透過窓21cから21dを介し、加熱室1の下部に配置される第2の被加熱物8の側部CからDに対応する検知エリアe3(図示なし)の赤外線量を検出する。この後で、赤外線センサ22は垂直移動機構部20により上昇移動して、再び第1の被加熱物3の側部Aに対応する検知エリアe1の赤外線量を検出する。これ以降は、前述と同様の動作を繰り返す。そして、双方の被加熱物の側部に対応した検知エリアにおける赤外線センサ22の検出値がある閾値に至ったときに、マグネトロン11の駆動が停止して温め調理が終了する。
なお、例えば高周波加熱装置で被加熱物のオーブン調理を行う場合は、赤外線センサ22の汚れ対策を実施する上で、前述と同様に垂直移動機構部20で赤外線センサ22を赤外線透過窓21に対向しない位置に配置することが肝要である。
【0034】
以上のように、シングル状の赤外線センサ22は複数の赤外線透過窓21を介して加熱室1の上部および下部に配置される被加熱物の側部に対応する検知エリアの赤外線量を検出することで、双方の被加熱物の温度を計測して温め調理を実行することができる。
【0035】
【発明の効果】
この発明は、以上説明したように構成されているので以下に記載されるような効果を奏する。
【0036】
この発明に係る高周波加熱装置は、加熱室内を上下に仕切る載置台を設け、加熱室内の上下各室にマグネトロンから高周波を供給できるようにしたものにおいて、加熱室の側面部に設けた開口を通して加熱室内の上下各室に置かれた被加熱物から放射される赤外線を検出できるように、上下方向へ複数の赤外線検知素子をアレイ状に並設した赤外線検出器を設けるようにしたので、一つのアレイ状の赤外線検出器により加熱室の上下部に配置する被加熱物の複数箇所の温度を検出し、これらの検出値の中で最高値のみを抽出してマグネトロンを駆動制御することが可能である。したがって、双方の被加熱物を適切に温め調理することができると共に、その被加熱物の複数箇所の温度を検出する温度検出器が複数の温度検知素子から成る一つのアレイ状の赤外線センサで構成されるために、その取り付け作業が非常に容易であると共に部品コストが安くなるという利点を有する。
【0037】
また、赤外線検出器を載置台の側縁部の側方に対向して配設するようにしたので、一つのアレイ状の赤外線検出器で加熱室の上下部に配置する被加熱物の複数箇所の温度を検出し、検出した温度に基づいてマグネトロンの駆動を制御することができる。これにより、加熱室の上下部の被加熱物を適切に温め調理することが可能となる。
【0038】
また、赤外線検出器をその赤外線検出領域が加熱室内の左右方向に移動するよう回動したので、加熱室の上部に配置される静止状態である被加熱物の複数個所の温度を精度良く検出し、温め調理することができる。
【0039】
また、赤外線検出器を加熱室の側面部に沿って上下方向に移動できるよう設けると共に、側面部に加熱室の上下各室に対向して開口を設けるようにしたので、加熱室の上下部に配置する被加熱物の複数個所の温度をより一層精度良く検出し、温め調理することができる。さらに、例えば高周波加熱装置で被加熱物のオーブン調理を行う場合は、垂直移動機構部により赤外線センサを赤外線透過窓に対向しない位置に配置し、汚染対策を行うことができる。
【0040】
また、赤外線検出器は少なくとも加熱室側面部の上下方向へ複数の赤外線検知素子を並設したアレイ状のものから構成するようにしたので、高周波加熱装置への赤外線センサの取り付け作業を簡単にして、かつ部品コストを低減させながら加熱室の上下部に配置する被加熱物の温度を精度良く検出し、温め調理を実行することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の高周波加熱装置に係る実施の形態1を示す上面構成図である。
【図2】 実施の形態1を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図3】 実施の形態1を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図4】 実施の形態1の高周波加熱装置に使用されるアレイ状の赤外線センサの構成図である。
【図5】 実施の形態2を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図6】 実施の形態2の高周波加熱装置に使用されるアレイ状の赤外線センサの構成図である。
【図7】 実施の形態3を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図8】 実施の形態4を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図9】 実施の形態4を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図10】 実施の形態4を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図11】 実施の形態5を示す高周波加熱装置の正面図である。
【図12】 従来の高周波加熱装置を示す正面図である。
【符号の説明】
1 加熱室、2 角皿、3 第1の被加熱物、4 ロータリープレート、5 モータ、6 回転軸、7 回転皿、8 第2の被加熱物、9 第1の温度検出器、10 第2の温度検出器、11 マグネトロン、12 導波管、13 給電口、14 制御部、15 箱状のカバー、16 赤外線透過窓、17 アレイ状の赤外線センサ、18 左右移動機構部、19 一対の赤外線透過窓、20 垂直移動機構部、21 複数の赤外線透過窓。
Claims (7)
- 加熱室内を上下に仕切る載置台を備え、前記加熱室内の上下各室にマグネトロンから高周波を供給できるようにした高周波加熱装置において、前記加熱室の側面部に設けた開口を通して前記加熱室内の上下各室に置かれた被加熱物から放射される赤外線を検出できるように、上下方向へ複数の赤外線検知素子をアレイ状に並設した赤外線検出器を設置したことを特徴とする高周波加熱装置。
- 前記赤外線検出器を前記載置台の側縁部の側方に対向して配設したことを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置。
- 前記赤外線検出器をその赤外線検出領域が前記加熱室内の左右方向に移動するよう回動したことを特徴とする請求項1記載の高周波加熱装置。
- 前記赤外線検知素子による検出値の中で最高値を抽出して前記マグネトロンを駆動制御することを特徴とする請求項 1 記載の高周波加熱装置。
- 加熱室内を上下に仕切る載置台を備え、前記加熱室内の上下各室にマグネトロンから高周波を供給できるようにした高周波加熱装置において、上下各室それぞれに置かれた被加熱物から放射される赤外線を検出できるように、上下各室のそれぞれに対応する側面部の部位に開口を設けると共に、前記側面部に沿って前記開口間を移動する赤外線検出器を設置したことを特徴とする高周波加熱装置。
- 前記赤外線検出器は少なくとも前記加熱室側面部の上下方向へ複数の赤外線検知素子を並設したアレイ状のものから構成したことを特徴とする請求項5記載の高周波加熱装置。
- オーブン調理を行う場合、前記赤外線検出器を前記開口と対向しない位置に移動させることを特徴とする請求項5または6記載の高周波加熱装置。
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