JP3675995B2 - カムモータ装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、建設機械の走行用モータ等に用いられるカムモータ装置に関し、さらに詳しくは、そのモータ容量が大小2段階に変更されることにより、比較的低速で運転される低速モードとその倍速で運転される高速モードとに切換えられるように構成されたカムモータ装置に係る。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種のカムモータ装置として、複数個のピストン及びシリンダが4つの群に分けられ、これらの各群のピストン及びシリンダに対する作動油の分配状態を切換弁の切換操作により2段階に切換え得るように構成されたものが知られている(例えば、特開昭55−153871号公報の第2図参照)。このものでは、切換弁を低速モードに切換えることにより、これらのうちの選択された2つの群の各シリンダに作動油が供給される一方、他の2つの群の各シリンダが油タンクに接続されて作動油を排出するようにされ、これにより、カムモータ装置のモータ容量を最大にして比較的低速かつ高出力トルクの状態で回転作動されるようにしている。また、高速モードに切換えることにより、上記選択された2つの群のうちの一方の群の各シリンダに作動油が供給され、上記他の2つの群のうちの一方の群の各シリンダから作動油が排出される一方、残りの2つの群の各シリンダが互いに連通されて閉回路を構成するようにされる。これにより、カムモータ装置のモータ容量を上記低速モードの半分にして、上記低速モードの倍速の高速回転作動が行われるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記従来のカムモータ装置では、高速モードで作動油の供給が行われない2つの群の各シリンダが閉回路を構成しているため、これらの各シリンダ内の圧油の逃げ場がなく回転抵抗を生じる恐れがある上に、その圧油に機械損失分の熱量が蓄積されて異常高温になる恐れがあり、耐久性の低下を招くという不都合がある。
【0004】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、高速モードで回転駆動力を発揮しないピストンによる回転抵抗を極力防止しつつ、そのピストンに対応するシリンダ内の圧油の油温が異常に上昇することを防止して、カムモータ装置の耐久性の向上を図ることにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、円柱状のシリンダブロック(2)と、内周側にカム面(3a)が形成され、上記シリンダブロック(2)の外周面を囲んだ状態に配設されたカムリング(3)と、上記シリンダブロック(2)に対しその中心軸(X)を中心としてそれぞれ半径方向外方に延びてシリンダブロック(2)の外周面に開口するよう放射状に配設された複数のシリンダ(5,5,…)と、上記カム面(3a)に対して進退するように上記各シリンダ(5)に収容されたピストン(6)と、上記シリンダブロック(2)の一端面(2a)に対し相対回転可能に接合されるよう配設されて作動油供給系(150)から供給される作動油を上記複数のシリンダ(5,5,…)のうちの上記カム面(3a)に向い上昇行程にある各ピストン(6)に対応する各シリンダ(6)に対し分配供給する分配弁(7)とを備え、上記の上昇行程にある各ピストン(6)が上記カム面(3a)を押圧することにより、非回転状態に固定された上記シリンダブロック(2)もしくは上記カムリング(3)の一方に対して他方が回転するように構成されたカムモータ装置を前提とする。このものにおいて、上記分配弁(7)を介して複数のシリンダ(5,5,…)に対し4つの群に分けて作動油を供給する4つの連通路(8a,8b,8c,8d)と、これらの4つの連通路(8a,8b,8c,8d)を作動油供給系(150)の作動油の供給側もしくは排出側と選択的に接続して上記シリンダブロック(2)もしくはカムリング(3)の回転作動を低速もしくは高速に切換える切換弁(9)と、上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)のうちの特定の2つの連通路(8d及び8b)に対し選択的に接続されてこの2つの連通路(8d及び8b)から作動油をブリードオフするブリードオフ通路(911)とを備えるものとする。そして、上記シリンダブロック(2)に、各シリンダ(5)と連通されて上記一端面(2a)において中心軸(X)を中心とする円周上に等間隔に開口する被分配ポート(21,21,…)を設ける一方、上記シリンダブロック(2)と接合される上記分配弁(7)の接合端面(7a)に、4の倍数となる数の分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)を上記被分配ポート(21,21,…)と同一円周上に等間隔に開口するように配設し、上記分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)を、互いに同数の4つの分配ポート群にグループ分けしてその各分配ポートの他端を上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)と上記各分配ポート群ごとに個別に連通する。そして、上記切換弁(9)として、上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)のうちの選択された2つの連通路(8c,8d又は8a,8b)を上記作動油供給系(150)の供給側に接続しかつ他の2つの連通路(8a,8b又は8c,8d)を上記作動油供給系(150)の排出側に接続する低速位置と、上記選択された2つの連通路のうちの一方(8c又は8a)を上記供給側に接続し、かつ、上記他の2つの連通路のうちの一方(8a又は8c)を上記排出側に接続するとともに、残りの2つの連通路(8d及び8b)を、上記作動油供給系(150)の排出側にチャージ油を供給するチャージポンプ(16)の吐出側に接続しかつ上記ブリードオフ通路(911)に接続する高速位置とを備える構成とするものである。
【0006】
上記の構成の場合、切換弁(9)が低速位置にあるとき、4つの連通路のうちの選択された2つの連通路(8c,8d又は8a,8b)が作動油供給系(150)の供給側に接続され、かつ、他の2つの連通路(8a,8b又は8c,8d)が作動油供給系(150)の排出側に接続される。そして、ピストン(6,6,…)がカム面(3a)に向かって上昇する上昇行程にある各シリンダ(5)に対して上記の選択された2つの連通路(8c,8d又は8a,8b)から分配ポート(71,…,73,…又は72,…,74,…)と被分配ポート(21,21,…)とを介して作動油が供給され、これらの各シリンダ(5)に収容されたピストン(6)が上記カム面(3a)を押圧することにより、シリンダブロック(2)もしくはカムリング(3)のうちの一方が回転する。一方、ピストン(6,6,…)が回転軸(X)向かって下降する下降行程にある各シリンダ(5)からこのピストン(6)によって排出された作動油が、被分配ポート(21,21,…)と分配ポート(72,…,74,…又は71,…,73,…)とを通過して上記他の2つの連通路(8a,8b又は8c,8d)から作動油供給系(150)の排出側に還流される。つまり、カムモータ装置は、そのモータ容量が最大になって比較的低速かつ高出力トルクの低速モードで回転作動される。また、上記切換弁(9)が高速位置にあるとき、上記の選択された2つの連通路(8c,8d又は8a,8b)のうちの一方の連通路(8c又は8a)が作動油供給系(150)の供給側に接続され、かつ、上記他の2つの連通路(8a,8b又は8c,8d)のうちの一方の連通路(8a又は8c)が作動油供給系(150)の排出側に接続されるとともに、残りの2つの連通路(8d及び8b)が、作動油供給系(150)の排出側にチャージ油を供給するチャージポンプ(16)の吐出側に接続され、かつ、上記ブリードオフ通路(911)に接続される。このため、作動油の供給を受けるピストン(6,6,…)の本数が上記低速モードの半分になり、カムモータ装置は、モータ容量が半分になって上記低速モードの場合の2倍速でかつ2分の1出力トルクの高速モードで回転作動される。この際、上記の残りの2つの連通路(8d及び8b)を介して互いに接続された各シリンダ(5)内の圧油は、これらの2つの連通路(8d及び8b)を介して循還するとともに、その一部が上記ブリードオフ通路(911)を介してブリードオフされるため、上記各シリンダ(6)内の油圧上昇が防止されて回転抵抗の発生が防止される。一方、上記のブリードオフされる圧油と同量の圧油が上記チャージポンプ(16)から補充されるため、上記各シリンダ(5)の間で循還する圧油の一部が常に入れ替わることになる。これにより、その油温が異常に上昇することを防止してカムモータ装置の耐久性の向上を図ることが可能になる。
【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明におけるカムリング(3)を、カムモータ装置の本体側(13)に対して非回転状態に固定し、かつ、シリンダブロック(2)を、上記本体側(13)に回転可能に支持する構成とするものである。
【0008】
上記の構成の場合、請求項1記載の発明におけるシリンダブロック(2)及びカムリング(3)の構成が具体的に特定される。すなわち、カムリング(3)が上記カムモータ装置の本体側(13)に非回転状態に固定され、このカムリング(3)に対してシリンダブロック(2)が相対回転されることにより、このシリンダブロック(2)から回転駆動力が確実に出力されれる
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明における切換弁(9)を、チャージポンプ(16)から供給される圧油により低速位置と高速位置とに切換えられる構成とするものである。
【0009】
上記の構成の場合、請求項1記載の発明における切換弁(9)を切換作動させるための構成が具体的に特定され、作動油供給系(150)の排出側にチャージ油を供給するためのチャージポンプ(16)から供給される圧油により、上記切換弁(9)が確実に作動させられる。これにより、切換弁(9)の切換作動のための特別な駆動源を設けることなく、上記切換作動を行なわせることが可能になる。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1又は請求項3記載の発明における切換弁(9)に、柱状に形成された弁体(92)と、この弁体(92)内に形成され、一端側がチャージポンプ(16)に接続されかつ他端側が絞り部(927)を介して上記ブリードオフ通路(911)に連通される供給通路(926)とを備えるものとし、この供給通路(926)に上記弁体(92)の周面に開口する開口部を備え、この開口部を、上記切換弁(9)が高速位置にあるとき、作動油供給系(150)の供給側又は排出側のいずれにも接続されていない2つの連通路(8d及び8b)に臨んで開口するように配設する構成とするものである。
【0011】
上記の構成の場合、切換弁(9)が高速位置にあるとき、作動油供給系(150)の供給側又は排出側のいずれにも接続されていない2つの連通路(8d及び8b)内の圧油が、切換弁(9)の弁体(92)内に形成された供給通路(926)を介してブリードオフ通路(911)へ流出する一方、チャージポンプ(16)からの圧油が、上記供給通路(926)を介して上記2つの連通路(8d及び8b)へ補充され、これにより、請求項1記載の発明による作用が確実に得られる。さらに、上記供給通路(926)の上記ブリードオフ通路(911)の側に絞り部(927)を設けているため、上記供給通路(926)に対して供給するチャージ油による弁体(92)の低速位置から高速位置への切換えが可能になる。従って、チャージポンプ(16)からの圧油を供給するための油圧回路をコンパクトに構成することが可能になり、これにより、装置全体のコンパクト化を図ることが可能になる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面に基いて説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施形態に係るカムモータ装置を示し、1は環状に形成されたケーシング本体、2は厚肉の円柱状に形成されたシリンダブロック、3は上記シリンダブロック(2)の外周面を囲んで配設されたカムリング、4はエンドキャップである。また、5,5,…(図2参照)は上記シリンダブロック(2)内に配設された複数のシリンダ、6は上記各シリンダ(5)内に収容されたピストン、7は上記各シリンダ(5)に対して作動油を分配供給する分配弁である。さらに、8a,8b,8c,8dは上記分配弁(7)の外周面を囲んで配設された4つの連通路としての環状連通路、9はこれらの環状連通路(8a,8b,…)を作動油の供給側又は排出側に切換接続する切換弁としての給排操作弁、10は出力軸である。そして、上記カムモータ装置は、例えば、建設機械等の車体に配設されて車輪やクローラ等を駆動するものである。
【0014】
上記ケーシング本体(1)は、上記出力軸(10)の回転軸(X)と同軸に配置され、この回転軸(X)方向の一側(同図における左側:以下、単に左側という)に配設された略円錐状のケーシングカバー(11)と複数のボルト(11a,11a,…)により締結される一方、他側(同図における右側:以下、単に右側という)において、複数のボルト(12,12,…)(図2参照)により、上記カムリング(3)を挟んで上記エンドキャップ(4)と締結され、カムモータ装置の本体であるケーシング(13)を構成している。そして、上記出力軸(10)が、このケーシング(13)を左右に貫通した状態で上記ケーシングカバー(11)と上記エンドキャップ(4)とにそれぞれ配設されたテーパローラベアリング(111,41)により回転自由に支持されている。また、上記ケーシング本体(1)及び上記エンドキャップ(4)の外周面には、取り付けフランジ(14,14,…)が外方に突出して設けられており、これらの取り付けフランジ(14,14,…)を介して、上記ケーシング(13)が車体側に固定されるようになっている。
【0015】
上記シリンダブロック(2)は、上記出力軸(10)の外周面に例えばスプライン結合により結合されてこの出力軸(10)と同軸一体に回転するように配設されており、その内部には、図2に示すように、複数かつ偶数(図例では8個)のシリンダ(5,5,…)が上記回転軸(X)を中心として放射状にかつ周方向に等間隔に配設され、それぞれ、上記シリンダブロック(2)の半径方向外方に延びて外周面に開口している。そして、これらの各シリンダ(5)内にはピストン(6)が収容されており、これらの各ピストン(6)は、先端部に配設されたローラ(61)を上記カムリング(3)の内側に形成されたカム面(3a)に沿って転動させつつ、このカム面(3a)に案内されて上記各シリンダ(5)内で進退するようになっている。さらに、上記シリンダブロック(2)には、上記各シリンダ(5)と連通され、このシリンダブロック(2)の一端面(2a)(右側の端面)において上記回転軸(X)を中心とする円周上に等間隔に開口する8つの被分配ポート(21,21,…)が設けられている。
【0016】
上記カムリング(3)は、図2に示すように、そのカム面(3a)に、上記ピストンの本数及び配列との関係により定められた所定の数(図例では6つずつ)の凸部(31,31,…)と凹部(32,32,…)とが周方向に等間隔にかつ交互に形成されており、このカム面(3a)に対する上記8つのピストン(6,6,…)の位置関係は、同図において右上の位置にあるピストン(6)を第1番として時計回りに順番に第1〜第8番とすると、第1及び第5の各ピストン(6)が上記凹部(32)の略底点に、第2及び第6の各ピストン(6)が上記凸部(31)と凹部(32)との間の下り側の中間点に(すなわち、下降行程に)、第3及び第7の各ピストン(6)が上記凸部(31)の略頂点に、第4及び第8の各ピストン(6)が上記凸部(31)と凹部(32)との間の上り側の中間点に(すなわち、上昇行程に)それぞれ当接することになるように関係付けられている。従って、主に、上記第4及び第8の各ピストン(6)がカム面(3a)を押圧するように作動油を供給することにより、シリンダブロック(2)が中心軸(X)の回りに同図における反時計回り(矢印の方向)に回転し、次に、主に、第3及び第7の各ピストンに作動油を供給することにより、シリンダブロック(2)がさらに回転し、この回転により凸部(31)を乗り越えた第2及び第6の各ピストンに作動油を供給するというように順番に作動油を分配供給することにより、シリンダブロック(2)と出力軸(10)とが連続して回転駆動されるようになっている。
【0017】
上記分配弁(7)は、略円柱状に形成されて一端面(7a)(左側の端面:以下、接合端面という)がシリンダブロック(2)の右側の端面(2a)に対し相対回転可能に接合されるように配置されるとともに、エンドキャップ(4)に対して内周部に内嵌された状態で非回転状態に固定されている。また、このエンドキャップ(4)の内周面には、上記分配弁(7)の外周側の全周面と相対向して開口するように形成された環状の凹部が出力軸(10)の長手方向(左右方向)に4つ形成されており、これらの環状の凹部と上記分配弁(7)の外周面とにより、左側から順番に第2,第4,第1及び第3の4つの環状連通路(8a,8b,8c,8d)が画成されている。そして、上記接合端面(7a)には、図3に示すように、カム面(3a)の凸部(31,…)又は凹部(32,…)の数の倍数(図例では、12個)の分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)が、上記シリンダブロック(2)の右側の端面(2a)に配設された被分配ポート(21,21,…)と連通可能なように、これらの被分配ポート(21,21,…)と同一円周上に等間隔に開口するよう設けられている。
【0018】
上記分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)は、周方向に3つおきに配設された第1分配ポート(71,71,…)により構成された第1の分配ポート群と、上記第1の各ポートに対してシリンダブロック(2)の正転する向き(図3における反時計回り)に隣接して配設された第2分配ポート(72,72,…)により構成された第2の分配ポート群と、上記第2の各分配ポートに対して上記と同じ向きに隣接して配設された第3分配ポート(73,73,…)により構成された第3の分配ポート群と、上記第3の各分配ポートに対して上記と同じ向きに隣接して配設された第4分配ポート(74,74,…)により構成された第4の分配ポート群との互いに同数の分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)からなる4つの分配ポート群にグループ分けされている。そして、上記各第1分配ポート(71)の上記シリンダブロック(2)と反対側の端部(右側の端部)は、出力軸(10)の長手方向に第1環状連通路(8c)の位置まで延びてこの第1環状連通路(8c)と連通され、同様に、上記各第2分配ポート(72)は第2環状連通路(8a)と、上記各第3分配ポート(73)は第3環状連通路(8d)と、上記各第4分配ポート(74)は第4環状連通路(8b)と、それぞれ、個別に連通されている。
【0019】
上記4つの環状連通路(8a,8b,…)のうち、第1環状連通路(8c)は、供給通路(81)を介してメインポンプ(15)と接続され、このメインポンプ(15)から吐出される作動油の供給を受けるように構成されている。一方、第2環状連通路(8a)は、排出通路(82)を介して上記メインポンプ(15)と接続され、シリンダブロック(2)側から排出される作動油を上記メインポンプ(15)に還流させるように構成されている。そして、これらのメインポンプ(15)、供給通路(81)、排出通路(82)等により構成された閉回路と、この閉回路からの作動油の洩れを補充するために低圧側となる通路にチャージ油を供給するチャージポンプ(16)とにより作動油供給系(150)が構成されている。また、上記メインポンプ(15)は、作動油の吸入方向と吐出方向とを反転可能に構成されており、上記排出通路(82)に対して作動油を供給することにより、カムモータ装置の出力軸(10)を逆転させ得るようになっている。
【0020】
上記給排操作弁(9)は、エンドキャップ(4)の内部に形成された円形の横断面を有する弁室(91)と、この弁室(91)内に長手方向(左右方向)に摺動可能に収容された円柱状の弁体(92)とにより構成されている。上記弁室(91)は、図4及び図5に詳細を示すように、同図における左側(以下、単に左側という)から順番に配設された第1,第2,第3及び第4の4つの拡径部(91a,91b,91c,91d)を有しており、これらの4つの拡径部(91a,91b,91c,91d)は、上記エンドキャップ(4)内に形成された4つの連通路(83a,83b,83c,83d)により4つの環状連通路(8a,8b,8c,8d)と個別に連通されている。また、上記弁室(91)の同図における右側(以下、単に右側という)の端部には、シリンダ部(91e)が形成されており、切換弁(161)が右側位置にあるとき、チャージ油供給通路(93)を介してチャージポンプ(16)から圧油の供給を受け、上記弁体(92)を作動させるようになっている。さらに、上記弁室(91)の左側の端部には、ブリードオフ通路(911)が、シリンダブロック(2)が収容されたケーシング(13)の内部に臨んで開口するよう隔壁部(91f)を貫通して形成されている。
【0021】
上記弁体(92)は、左側から順番に形成された第1,第2及び第3の3つの大径部(921,922,923)と、これらの大径部(921,922,923)の間にそれぞれ形成された小径部(924,925)とを有し、さらに、右側の端面に開口する一方、内部を長手方向(左右方向)に左側の端面の近傍まで延びる供給通路(926)と、この左側の端面において上記ブリードオフ通路(911)と上記供給通路(926)とを連通可能なように貫通形成された絞り部(927)とを有している。また、上記供給通路(926)は、上記第2大径部(922)及び第3大径部(923)の外周面において、それぞれ、周方向に等間隔に4個所づつ形成された開口部を有している。
【0022】
そして、上記弁体(92)は、図4に示すように、ばね(94)の付勢力により右側に押し付けられて低速位置に位置付けられ、この低速位置において、上記第3拡径部(91c)と第4拡径部(91d)とを互いに連通するとともに、上記第1拡径部(91a)と第2拡径部(91b)とを互いに連通するように構成されている。このため、上記弁体(92)が上記低速位置にあるときには、上記第1及び第3環状連通路(8c及び8d)が供給通路(81)に連通されるとともに、上記第2及び第4環状連通路(8a及び8b)が排出通路(82)に連通されるようになっている。
【0023】
また、上記弁体(92)は、図5に示すように、シリンダ部(91e)に供給されるチャージ圧を受け、上記ばね(94)の付勢力に抗して左側に移動して高速位置に位置変換され、この高速位置において、上記第1拡径部(91a)と第3拡径部(91c)とが、それぞれ、他のいずれの拡径部からも遮断された状態になるとともに、上記第2拡径部(91b)と第4拡径部(91d)とが供給通路(926)を介して互いに連通され、さらに、この供給通路(926)の右側がチャージポンプ(16)の吐出側に接続される一方、左側が、絞り部(927)を介してブリードオフ通路(911)と接続された状態になる。そして、上記第1環状連通路(8c)が供給通路(81)に連通され、かつ、上記第2環状連通路(8a)が排出通路(82)に連通されるとともに、上記第3環状連通路(8d)と第4環状連通路(8b)とが互いに連通され、所定流量の圧油が、上記第3及び第4環状連通路(8d及び8b)から供給通路(926)と上記ブリードオフ通路(911)とを介して流出してケーシング(13)内に流入する一方、この流出する圧油と同量の圧油が上記チャージポンプ(16)側から補充されるようになっている。ここで、上記ブリードオフ通路(911)を通過して上記ケーシング(13)内に流入した圧油は、このケーシング(13)内を冷却しつつ図示省略のドレン管路を通って油タンク(19)に還流するようになっている。また、上記ブリードオフ通路(911)を通過する圧油の流量は、この流量の圧油を常に入れ替えることにより油温上昇を防止することができるような所定の流量に設定されている。
【0024】
従って、上記給排操作弁(9)の弁体(92)が低速位置(図4参照)にある場合には、供給通路(81)からの作動油が第3及び第4拡径部(91c及び91d)並びに第1及び第3環状連通路(8c及び8d)を通って第1及び第3の6個の各分配ポート(71,73)に供給されてこれらが高圧側にされる一方、他の6個の第2及び第4の各分配ポート(72,74)が第2及び第4環状連通路(8a及び8b)並びに第1及び第2拡径部(91a及び91b)を介して排出通路(82)に連通されて低圧側にされるようになっている。反対に、上記給排操作弁(9)の弁体(92)が高速位置(図5参照)にある場合には、供給通路からの作動油が第3拡径部(91c)及び第1環状連通路(8c)を通って第1の3個の各分配ポート(71)に供給されてこれらが高圧側にされる一方、第2の3個の各分配ポート(72)が第2環状連通路(8a)及び第1拡径部(91a)を介して排出通路に連通されて低圧側にされ、同時に、第3及び第4の6個の各分配ポート(73,74)が、第3及び第4環状連通路(8d及び8b)並びに第2及び第4拡径部(91b及び91d)を介して供給通路(926)により互いに連通され、これらの間で圧油が循還するとともに、この圧油の一部が上記供給通路(926)を介して常に入れ替わるようになっている。
【0025】
なお、図1において17は出力軸(10)の回転を拘束するネガティブブレーキ機構である。このネガティブブレーキ機構(17)は、上記出力軸(10)の外周面に固設された複数のプレッシャリングと、これらのプレッシャリングの間に介装されて上記ケーシング本体(1)の内周側に固設されたプレッシャプレートとを備え、チャージポンプ(16)からの圧油の供給を受けない間は、上記プレッシャリングとプレッシャプレートとを皿ばね(18)の押圧付勢力により互いに押し付け合わせることにより、それらの間の摺動摩擦力によって上記出力軸(10)を上記ケーシング本体(1)に対して非回転状態に拘束するように構成されており、一方、チャージポンプ(16)からの圧油の供給を受けて上記プレッシャリングとプレッシャプレートとが互いに引き離されることにより、上記出力軸(10)を回転自由状態に維持するように構成されている。
【0026】
次に、上記実施形態に係るカムモータ装置の作動及び作用・効果を説明する。まず、チャージポンプ(16)を運転状態にして圧油をネガティブブレーキ機構(17)に供給し、このネガティブブレーキ機構(17)による出力軸(10)の拘束状態を解除する。次に、メインポンプ(15)を運転状態にして作動油を供給通路(81)に供給する。
【0027】
ここで、上記カムモータ装置を低速モードで回転作動させる場合には、切換弁(161)を左側位置に切換えて給排操作弁(9)に対するチャージポンプ(16)からの圧油の供給を遮断する。これにより、上記給排操作弁(9)の弁体(92)が低速位置(図4参照)に位置付けられ、第1及び第3の合計6個の各分配ポート(71,73)が作動油の供給側にされ、かつ、第2及び第4の合計6個の各分配ポート(72,74)が作動油の排出側にされる。そして、8個のシリンダ(5,5,…)のうちの半数、すなわち、上昇行程にある4個のシリンダ(5,5,…:図2における第3,第4,第7及び第8番の4個のシリンダ)に対して作動油が供給され、これらの各シリンダ(5)に収容されたピストン(6)が駆動力を発生することによりシリンダブロック(2)と出力軸(10)とが一体に回転する。そして、この回転に伴い上記シリンダブロック(2)と分配弁(7)との位置関係が変化し、次に上昇行程に移行する4個のシリンダ(5,5,…:図2における第2,第3,第6及び第7番の4個の各シリンダ)に対して作動油が供給されて上記シリンダブロック(2)がさらに回転し、これが繰り返されて上記シリンダブロック(2)と出力軸(10)とが連続して回転する。一方、下降行程にある4個の各シリンダ(5)からは、作動油がピストン(6)によって排出されて排出通路(82)を介してメインポンプ(15)の吸入側に還流される。このように、上記低速モードでは、カムモータ装置は、モータ容量が最大になって比較的低速かつ高出力トルクの状態で回転作動される。
【0028】
また、上記カムモータ装置を高速モードで回転作動させる場合には、切換弁(161)を右側位置に切換えて給排操作弁(9)にチャージポンプ(16)から圧油を供給する。これにより、上記給排操作弁(9)の弁体(92)が高速位置(図5参照)に切換えられ、第1の3個の各分配ポート(71)が作動油の供給側に、第2の3個の各分配ポート(72)が作動油の排出側に切換えられるとともに、第3及び第4の合計6個の各分配ポート(73,74)は互いに接続された状態になる。そして、上昇行程にある4個のシリンダ(5,5,…)のうちの半分の2個の各シリンダ(5:図2における第4及び第7番の2つの各シリンダ)に対して作動油が供給され、これらの各シリンダ(5)に収容されたピストン(6)が駆動力を発生する一方、下降行程にある4個のシリンダ(5,5,…)のうちの半分の2個の各シリンダ(5:図2における第1及び第6番の2つの各シリンダ)から作動油が排出され、残りの4個の各シリンダ(5:図2における第2,第3,第5及び第8番の4つの各シリンダ)では、ピストン(6)は、カム面(3a)に沿って各シリンダ(5)内を往復動するだけで駆動力を発生しない。従って、カムモータ装置は、そのモータ容量が上記低速モードの場合の半分になって比較的高速かつ低出力トルクの状態で回転作動される。
【0029】
ここで、上記高速モードにおいて、作動油の供給側及び排出側のいずれにも接続されず駆動力を発生しない各シリンダ(5)内の圧油は、第3および第4の2つの環状連通路(8d及び8b)と供給通路(926)とを介して循還するとともに、その一部がブリードオフ通路(911)を介して油タンク(19)に還流される一方、この還流される圧油と同量の圧油が上記チャージポンプ(16)から補充されて常に入れ替わっている。このため、油圧上昇による回転抵抗の発生を防止しつつ、油温の異常な上昇を防止してカムモータ装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0030】
さらに、上記カムモータ装置では、給排操作弁(9)が高速位置に切換えられたときに、第3分配ポート(73,73,…)と第4分配ポート(74,74,…)とが、上記給排操作弁(9)の弁体(92)内に形成された供給通路(926)によって確実に接続されるとともに、これらの第3及び第4分配ポート(73,…,74,…)を介して循還する圧油の一部が上記供給通路(926)を介して確実に入れ替えられるようになっているため、チャージポンプ(16)からの圧油を供給するための油圧回路をコンパクトに構成することができ、これにより、装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【0031】
次に、上記カムモータ装置を逆転させる場合、メインポンプ(15)における作動油の吸入方向と吐出方向とを逆転させ、上記排出通路(82)に対して作動油が供給されるようにする。そして、低速モードで逆転作動させる場合には、上記低速モードの正転の場合と同様に給排操作弁(9)を低速位置とし、第2及び第4の合計6個の各分配ポート(72,74)を作動油の供給側に、第1及び第3の合計6個の各分配ポート(71,73)を作動油の排出側に切換えることにより、8個のシリンダ(5,5,…)のうちの上昇行程にある4個の各シリンダ(5)に対して作動油を供給する一方、下降行程にある4個の各シリンダ(5)から作動油を排出させ、カムモータ装置を、比較的低速かつ高出力トルクの状態で回転作動させることができる。また、上記カムモータ装置を高速モードで逆転作動させる場合には、上記高速モードの正転の場合と同様に給排操作弁(9)を高速位置に切換え、第2の3個の各分配ポート(72)を作動油の供給側に、第1の3個の各分配ポート(71)を作動油の排出側に切換えるとともに、第3及び第4の合計6個の各分配ポート(73,74)を互いに接続し、かつ、これらの各分配ポート(73,74)にチャージポンプ(16)からの圧油を供給する。これにより、上昇行程にある4個のシリンダ(5,5,…)のうちの半分の2個の各シリンダ(5)に対して作動油を供給する一方、下降行程にある4個のシリンダ(5,5,…)のうちの半分の2個の各シリンダ(5)から作動油を排出させ、カムモータ装置を、比較的高速かつ低出力トルクの状態で回転作動させることができる。
【0032】
この逆転作動の場合について、図6に示す従来のカムモータ装置と比較すると、この従来のカムモータ装置では、複数のピストン及びシリンダを3つの群に分け、各群のピストン及びシリンダに対し3つの連通路(108a,108b,108c)により作動油を分配供給するように構成されており、具体的には、12個の分配ポートが6個の第1分配ポート(図示省略)、3個の第2分配ポート(図示省略)及び3個の第3分配ポート(110)の3つの分配ポート群にグループ分けされており、同図における左側(以下、単に左側という)の第1連通路(108a)が上記各第1分配ポートに接続され、真ん中の第2連通路(108b)と同図における右側(以下,単に右側という)の第3連通路(108c)とがそれぞれ上記2及び第3の各分配ポートに接続され、さらに、上記第1連通路(108a)が作動油の排出通路と連通される一方、上記第3連通路(108c)が作動油の供給通路と連通されている。そして、高速モードで正転される場合、上記第3連通路(108c)を介して3個の各第3分配ポート(110)に作動油が供給されて高圧側にされる一方、給排操作弁(109)の切換えにより互いに連通された上記第1連通路(108a)と第2連通路(108b)とを介して6個の各第1分配ポートと3個の各第2分配ポートとが低圧側にされるようになっている。このため、高速モードで逆転される場合には、上記の正転の場合と反対に、上記第1連通路(108a)と上記第2連通路(108b)とが上記排出通路から供給される作動油を受けることにより、上記6個の各第1分配ポートと3個の各第2分配ポートとが高圧側にされる一方、上記第3連通路(108c)が上記供給通路と接続されることにより、上記3個の各第3分配ポート(110)が低圧側にされることになる。従って、逆転駆動の駆動力を発生するシリンダの他に、逆転駆動の駆動力を発生しないシリンダに対しても高圧の作動油が供給されることになってしまい、これにより、回転抵抗が著しく大きくなる上に、熱的悪影響も大きくなってしまう。これに対し、上記実施形態に係るカムモータ装置では、高速モードで逆転される場合、第2環状連通路(8a)(図5参照)に対して排出通路(82)から作動油が供給されて高圧側にされる一方、第1環状連通路(8c)が供給通路(81)と接続されて低圧側にされるとともに、高速モードで正転される場合と同様、第3及び第4の2つの環状連通路(8d及び8b)に対しチャージポンプ(16)からの圧油が供給されるようになっている。このため、上記の駆動力を発生しない各シリンダ(5)に対して作動油供給系(150)の排出側と略同圧の圧油が供給され、これらの各シリンダ(5)において、ピストン(6)の作動に伴う回転抵抗を上記従来の場合と比べて小さくして効率向上を図ることができ、併せて、熱的悪影響も小さくさせることができる。
【0033】
<他の実施形態>
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を包含するものである。すなわち、上記実施形態では、カムモータ装置の構成として、ケーシング(13)にカムリング(3)を固定し、このカムリング(3)に対して相対回転するシリンダブロック(2)に出力軸(10)を連結するようにしているが、これに限らず、例えば、シリンダブロックを装置本体側に固定し、このシリンダブロックに対してカムリングを含む環状ケーシングが回転されるように構成してもよい。
【0034】
上記実施形態では、カムリング(3)のカム面(3a)にそれぞれ6個づつの凸部(31)と凹部(32)とを形成し、これに対応して8個のピストン(6,6,…)を配設しているが、これに限らず、例えばカムリングの凸部や凹部をそれぞれ6個以外としてもよく、これに対応して8個以外のピストンを配設するようにしてもよい。
【0035】
上記実施形態では、ブリードオフ通路(911)を通過した圧油がケーシング(13)内を通って油タンク(19)に還流されるようにしているが、これに限らず、上記ケーシング(13)内を通らずに油タンク(19)に還流されるようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1記載の発明におけるカムモータ装置によれば、切換弁(9)が高速位置にあるとき、作動油供給系(150)の供給側又は排出側のいずれにも接続されていない各シリンダ(5)内の圧油を、これらの2つの連通路(8d及び8b)を介して循還させるとともに、その一部をブリードオフ通路(911)を介してブリードオフさせることにより、上記各シリンダ(6)内の油圧上昇を防止して回転抵抗の発生を防止することができる。さらに、この還流される圧油と同量の圧油をチャージポンプ(16)から補充することにより、上記各シリンダ(5)の間で循還する圧油の一部を常に入れ替えることができ、これにより、その油温が異常に上昇することを防止してカムモータ装置の耐久性の向上を図ることができる。
【0037】
請求項2記載の発明によれば、上記請求項1記載の発明におけるシリンダブロック(2)及びカムリング(3)の構成が具体的に特定され、出力軸(10)から駆動力を確実に出力することができる。
【0038】
請求項3記載の発明によれば、作動油供給系(150)の排出側に圧油を供給するためのチャージポンプ(16)から供給される作動油により、切換弁(9)を確実に作動させることができ、これにより、上記請求項1記載の発明による効果を確実に得ることができる。
【0039】
請求項4記載の発明によれば、上記請求項3記載の発明による効果に加えて、供給通路(926)のブリードオフ通路(911)の側に絞り部(927)を設けることにより、供給通路(926)に対して供給するチャージ油によって弁体(92)を低速位置から高速位置へ切換え作動させることができ、これにより、チャージポンプ(16)からの圧油を供給するための油圧回路をコンパクトに構成して装置全体のコンパクト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示す一部切欠図である。
【図2】図1のA−A線における断面図である。
【図3】分配ポートの構成を示す斜視図である。
【図4】給排操作弁の構成を示す拡大断面図である。
【図5】高速位置にあるときの図4相当図である。
【図6】従来のカムモータ装置における給排操作弁の構成例を示す図である。
【符号の説明】
2 シリンダブロック
2a シリンダブロックの一端面
3 カムリング
3a カム面
5 シリンダ
6 ピストン
7 分配弁
7a 分配弁の一端面(接合端面)
8a 第2環状連通路(連通路)
8b 第4環状連通路(連通路)
8c 第1環状連通路(連通路)
8d 第3環状連通路(連通路)
9 給排操作弁(切換弁)
13 ケーシング(本体)
16 チャージポンプ
21 被分配ポート
71,72,73,74 分配ポート
92 切換弁の弁体
150 作動油供給系
911 ブリードオフ通路
926 供給通路
927 供給通路の絞り部
X 回転軸(シリンダブロックの中心軸)

Claims (4)

  1. 円柱状のシリンダブロック(2)と、内周側にカム面(3a)が形成され、上記シリンダブロック(2)の外周面を囲んだ状態に配設されたカムリング(3)と、上記シリンダブロック(2)に対しその中心軸(X)を中心としてそれぞれ半径方向外方に延びてシリンダブロック(2)の外周面に開口するよう放射状に配設された複数のシリンダ(5,5,…)と、上記カム面(3a)に対して進退するように上記各シリンダ(5)に収容されたピストン(6)と、上記シリンダブロック(2)の一端面(2a)に対し相対回転可能に接合されるよう配設されて作動油供給系(150)から供給される作動油を上記複数のシリンダ(5,5,…)のうちの上記カム面(3a)に向い上昇行程にある各ピストン(6)に対応する各シリンダ(6)に対し分配供給する分配弁(7)とを備え、 上記の上昇行程にある各ピストン(6)が上記カム面(3a)を押圧することにより、非回転状態に固定された上記シリンダブロック(2)もしくは上記カムリング(3)の一方に対して他方が回転するように構成されたカムモータ装置において、
    上記分配弁(7)を介して複数のシリンダ(5,5,…)に対し4つの群に分けて作動油を供給する4つの連通路(8a,8b,8c,8d)と、
    上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)を作動油供給系(150)の作動油の供給側もしくは排出側と選択的に接続して上記シリンダブロック(2)もしくはカムリング(3)の回転作動を低速もしくは高速に切換える切換弁(9)と、
    上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)のうちの特定の2つの連通路(8d及び8b)に対し選択的に接続されてこの2つの連通路(8d及び8b)から作動油をブリードオフするブリードオフ通路(911)と
    を備えており、
    上記シリンダブロック(2)には、各シリンダ(5)と連通されて上記一端面(2a)において中心軸(X)を中心とする円周上に等間隔に開口する被分配ポート(21,21,…)が設けられ、
    上記分配弁(7)には、上記シリンダブロック(2)との接合端面(7a)において4の倍数となる数の分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)が上記被分配ポート(21,21,…)と同一円周上に等間隔に開口するうに配設され、上記分配ポート(71,…,72,…,73,…,74,…)は、互いに同数の4つの分配ポート群にグループ分けされてその各分配ポートの他端が上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)と上記各分配ポート群ごとに個別に連通され、
    上記切換弁は、
    上記4つの連通路(8a,8b,8c,8d)のうちの選択された2つの連通路(8c,8d又は8a,8b)を上記作動油供給系(150)の供給側に接続しかつ他の2つの連通路(8a,8b又は8c,8d)を上記作動油供給系(150)の排出側に接続する低速位置と、
    上記選択された2つの連通路のうちの一方(8c又は8a)を上記供給側に接続し、かつ、上記他の2つの連通路のうちの一方(8a又は8c)を上記排出側に接続するとともに、残りの2つの連通路(8d及び8b)を、上記作動油供給系(150)の排出側にチャージ油を供給するチャージポンプ(16)の吐出側に接続しかつ上記ブリードオフ通路(911及び927)に接続する高速位置とを備えている
    ことを特徴とするカムモータ装置。
  2. 請求項1において、
    カムリング(3)は、カムモータ装置の本体側(13)に対して非回転状態に固定されており、
    シリンダブロック(2)は、上記本体側(13)に回転可能に支持されていることを特徴とするカムモータ装置。
  3. 請求項1において、
    切換弁(9)は、チャージポンプ(16)から供給される圧油により高速位置と低速位置とに切換えられるように構成されている
    ことを特徴とするカムモータ装置。
  4. 請求項1又は請求項3において、
    切換弁(9)は、柱状に形成された弁体(92)と、この弁体(92)内に形成され、一端側がチャージポンプ(16)に接続されかつ他端側が絞り部(927)を介して上記ブリードオフ通路(911)に連通される供給通路(926)とを備えており、
    上記供給通路(926)は、上記弁体(92)の周面に開口する開口部を備え、この開口部は、上記切換弁(9)が高速位置にあるとき、作動油供給系(150)の供給側又は排出側のいずれにも接続されていない2つの連通路(8d及び8b)に臨んで開口するように配設されている
    ことを特徴とするカムモータ装置。
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