JP3675957B2 - 排煙処理装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、水平方向から供給される排煙を効率良く吸収液と気液接触させることにより排煙の脱硫等を小型な装置構成かつ低コストで効率良く実現できる排煙処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば排煙の脱硫や除塵を行う排煙処理装置に使用される気液接触装置としては、充填式の吸収塔(接触処理塔)や、スプレー式又は液柱式の吸収塔を使用し、石灰石等の吸収剤が懸濁した吸収液(吸収剤スラリ)と排煙とを気液接触させることにより排煙中の硫黄酸化物(主に亜硫酸ガス)やフライアッシュ等の粉塵を除去するものが知られている。
【0003】
従来の充填式の排煙処理装置としては、例えば特開昭60−179120号公報に開示されたものがあり、従来の液柱式の排煙処理装置としては、例えば実開昭59−53828号公報や特開平6−327927号公報に開示されたものがあり、また従来のスプレー式の排煙処理装置としては、例えば特開平8−19726号公報に開示されたものがある。
【0004】
ところで、上記公報等に示された従来の充填式の排煙処理装置でも、或いは従来のスプレー式又は液柱式の排煙処理装置であっても、基本構成は、排煙が上下方向に通過する吸収塔内に、長手方向に複数のノズルが設けられたスプレーパイプを水平に複数配設し、このスプレーパイプのノズルから吸収液を噴射させることにより、吸収液(液体)と排煙(気体)とを気液接触させる処理を行うものであり、発電設備におけるボイラ等から排出される排煙を、水平に配設されたダクトを経由して前記吸収塔内に水平方向から導入する構成となっていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このため、吸収塔への排煙の流入部は、ほぼ直角に湾曲する流路形状となっており、慣性力によって排煙が外側に偏った状態で流入し、気液接触効率を劣化させていた。
【0006】
すなわち、流入時の慣性力によって、吸収塔における上下方向の流路における排煙の流速は、図5に示すような流入する側と反対側に流速のベクトルの方向が偏った流速分布となっており、流速の大きさもばらつきが非常に大きなものとなっていた。
【0007】
このため、前記スプレーパイプから吸収塔内の水平方向において一様に噴射される吸収液と排煙との気液接触は、排煙が流入する側と反対側に偏った位置で主に行われ、排煙が流入する側において噴射される吸収液は一部が無駄になっており、この点で効率の悪いものとなっていた。
【0008】
この問題の解決策としては、流入部の形状を緩やかに湾曲した形状にする、或いは前記スプレーパイプからの吸収液の噴射量を前記流速分布等の偏りに対応させて異ならせるといったことが考えられるが、これら解決策は当然装置の大型化(塔長の増加等)や相当なコスト増を招き実用的でない。
【0009】
このため、現状ではこのような排煙の偏りを放置し、所望の脱硫率や除塵率が達成できるように吸収液の噴射量を一様に高めており、少ない消費動力で高い脱硫又は除塵性能を達成するという観点からは効率の悪いものとなっていた。
【0010】
そこで本発明は、水平方向から供給される排煙を偏り少なく接触処理塔内に導入して効率良く吸収液と気液接触させることにより排煙の脱硫等を小型な装置構成かつ低コストで効率良く実現できる排煙処理装置を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前記課題を解決するため、排煙が水平方向から流入して上下方向に通過する接触処理塔内に吸収液を噴射させることにより、吸収液と排煙とを気液接触させて排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収液に吸収して除去するように構成した排煙処理装置において、その接触処理塔内の前記吸収液が噴射される領域よりも前流位置に、複数の棒状材を平行に配設し、これら棒状材の長手方向を、排煙の前記接触処理塔への流入方向と直交する方向に設定し、かつ、前記棒状材の水平断面における幅寸法dと、隣り合う前記棒状材の間隔sとの比率s/dが、0.5≦s/d≦2.0でとした排煙処理装置を提供する。
【0013】
このように構成した本発明の排煙処理装置によれば、その接触処理塔内に配設された棒状材が水平方向から流入して上下方向に通過する排煙の偏りを抑制する整流作用を発揮する。
【0014】
従って、本発明の排煙処理装置では簡単な構成によって低コストで、圧力損失を増加させずに、接触処理塔内に流入した排煙の偏りを抑制し、スプレーパイプから噴射される吸収液と効率良く気液接触させることができる。
【0016】
この排煙処理装置によれば、吸収剤スラリの循環流量を従来より少なくしても所定の脱硫及び脱塵が効率良く実現され、消費動力を節約して運転コストを低減可能である。
【0017】
また、本発明の排煙処理装置においては、流入部の形状を緩やかに湾曲した形状にするといった対策を採用する必要がないので、装置を小型かつ低コストなものに維持できる。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態を示す図面に基づいて具体的に説明する。
図1は、本例の排煙処理装置の要部構成を示す図であり、図2は、図1におけるII断面拡大図であって、同排煙処理装置における気液接触装置の排煙流入部を示す図である。
【0019】
この排煙処理装置は、この場合石灰石よりなる吸収剤が懸濁した吸収液(以下、吸収剤スラリという。)が供給されるタンク11と、このタンク11の一側部から上方に延設され、未処理排煙Aとタンク11内の吸収剤スラリとを気液接触させる液柱式の導入側吸収塔12(接触処理塔)と、タンク11の他側部から上方に延設され、前記導入側吸収塔12から導出された排煙をタンク11内の吸収剤スラリと再度気液接触させる液柱式の導出側吸収塔13(接触処理塔)とよりなる気液接触装置10を備える。
【0020】
ここで、導入側吸収塔12は、未処理排煙Aを水平方向から導入するための排煙導入部12a(図2に示す)がその上端部に形成されて排煙が下方に向って流れるいわゆる並流式の吸収塔であり、導出側吸収塔13は、処理済排煙Bを導出するための排煙導出部14がその上端部に形成されて、導入側吸収塔12を通過しタンク11内上部を経由した排煙が上方に向って流れるいわゆる向流式の吸収塔である。
【0021】
また、導入側吸収塔12の流路断面積が、ある程度の脱硫が可能になるとともに特に高性能な粉塵の捕集が実現できる高い排煙の流速が得られるように他方の導出側吸収塔13に比して小さく設定され、導出側吸収塔13の流路断面積が、向流式気液接触における亜硫酸ガスの吸収に好ましい低い排煙の流速が得られるように導入側吸収塔12に比し大きく設定されている。
【0022】
また各吸収塔12,13には、スプレーパイプ15,16がそれぞれ複数平行に設けられ、これらスプレーパイプ15,16には、吸収剤スラリを上方に向って液柱状に噴射するノズル(図示略)が長手方向(図1では左右方向)に複数形成されている。なお、各スプレーパイプ15,16や各ノズルは、例えば500mm程度の配置間隔で多数設けられている。
【0023】
また、タンク11の両側には、タンク11内の吸収剤スラリを吸上げる循環ポンプ17,18が設けられ、循環ライン19,20を介して吸収剤スラリが各スプレーパイプ15,16に送り込まれ、各ノズルから噴射されるように構成されている。
【0024】
さらにこの場合、導出側吸収塔13の排煙導出部14には、同伴ミストを補集除去するためのミストエリミネータ(図示略)が設けられている。なお、このミストエリミネータで補集されたミストは、例えば下部ホッパ(図示略)へ集められホッパ低部のドレン抜き配管を介してタンク11内に戻る構成となっている。
【0025】
そしてこの装置は、タンク11内のスラリを攪拌しつつ酸化用の空気を微細な気泡として吹込むいわゆるアーム回転式のエアスパージャ21を備え、タンク11内で亜硫酸ガスを吸収した吸収剤スラリと空気とを効率良く接触させて全量酸化し石膏を得る構成となっている。
【0026】
すなわちこの装置では、吸収塔12又は13でスプレーパイプ15又は16から噴射され排煙と気液接触して亜硫酸ガス及び粉塵を吸収しつつ流下する吸収剤スラリは、いずれもタンク11内においてエアスパージャ21により攪拌されつつ吹込まれた多数の気泡と接触して酸化され、さらには中和反応を起こして石膏となる。なお、これらの処理中に起きる主な反応は以下の化学式1に示す反応式(1)乃至(3)となる。
【0027】
【化1】
【0028】
こうしてタンク11内には、定常的には石膏と吸収剤である少量の石灰石と僅かな粉塵が懸濁するようになっており、このタンク11内のスラリがこの場合スラリポンプ22により固液分離機23に供給され、ろ過されて水分の少ない石膏C(通常、水分含有率10%程度)として採り出される。一方、固液分離機23からのろ液は、吸収剤スラリを構成する水分としてスラリ調整槽24に供給される。
【0029】
スラリ調整槽24は、攪拌機25を有し、図示省略した石灰石サイロから投入される石灰石(吸収剤)と、固液分離機23より送られる水とを攪拌混合して吸収剤スラリを生成するもので、内部の吸収剤スラリがスラリポンプ26によりタンク11に適宜供給されるようになっている。
【0030】
なお、運転中、このスラリ調整槽24では、例えば図示省略したコントローラ及び流量制御弁により、投入される水量が調整され、また、石灰石サイロの例えばロータリーバルブ(図示省略)の作動が制御されることにより、投入される水量に応じた石灰石が適宜供給され、所定濃度(例えば20重量%程度)の吸収剤スラリを常に一定範囲のレベル内に蓄えた状態に維持される。
【0031】
また、例えばスラリ調整槽24には、適宜補給水(工業用水等)が供給され、気液接触装置10における蒸発等により漸次減少する水分が補われる。また運転中には、脱硫率と石膏純度とを高く維持すべく、未処理排煙A中の亜硫酸ガス濃度やタンク内のPHや石灰石濃度等がセンサにより検出され、図示省略した制御装置によりスラリ調整槽24への石灰石の供給量やタンク11への吸収剤スラリの供給量等が適宜調節される構成となっている。
【0032】
そして、気液接触装置10の導入側吸収塔12には、前記スプレーパイプ15の各ノズルから液体が噴射される領域よりも前流位置(この場合には図2に示すように排煙導入部12aの近傍位置)に、複数の棒状材30が平行かつ水平に配設され、これら棒状材30の長手方向が、未処理排煙Aの排煙導入部12aへの流入方向と直交する方向(図1では左右方向、図2では紙面に直交する方向)に設定されている。
【0033】
これら棒状材30は、この場合断面一定のパイプ材(角材)よりなり、前述した排煙の偏りを抑制する整流作用を発揮するものである。なお、棒状材30は、角材に限られず、単なる丸棒材或いは断面円形のパイプ材であってもよい。
【0034】
この棒状材30及びその周辺の各部寸法(図2に示す各部寸法)は、例えば、1000MW石炭焚きボイラの排煙(流量約3000000m3 /h)を処理する場合で、導入側吸収塔12の奥行寸法Lが例えば24.1m程度で、導入側吸収塔12の横幅寸法L1が4.4m程度で、排煙導入部12aの内面高さ寸法H1が10m程度に設定された場合には、以下のように設定するのが好ましい。
【0035】
排煙導入部の底面から棒状材までの垂直距離h=1m〜1.5m、棒状材の配置間隔P=400mm〜600mm、棒状材の外径寸法W1(横方向)=200mm〜300mm、棒状材の外径寸法W2(縦方向)=200mm〜300mm、隣り合う棒状材の間隔s=100mm〜400mm、塔天井部分の傾斜高さH2=5m〜10mとする。
【0036】
なお、本発明者らの研究によれば、棒状材30の水平断面における幅寸法d(棒状材が角材である場合には上記横方向外径寸法W1、棒状材が丸棒材又はパイプ材である場合にはその外径寸法D)と、隣り合う前記棒状材の間隔sとの比率s/d(即ち開口率)が、0.5≦s/d≦2.0となるように、棒状材の寸法や配置間隔を設定するのが好ましい。
【0037】
上記排煙処理装置の気液接触装置10では、排煙導入部12aから流入した未処理排煙Aが導入側吸収塔12の上端部で垂直方向に向きを変えて流下する際に、前記複数の棒状材30によって抵抗を受け、特に横方向(図2において右向き方向)への流れが抑制される。
【0038】
これにより、流入した側と反対側(図2において右側)に排煙の流速の方向が偏り、かつ流速の大きさがばらつく現象が、図4の流速分布のデータに示すように抑制される。
【0039】
ここで、図4或いは前述の図5は、上記気液接触装置10と同様な構成の実験装置を用いて吸収塔上部の流速分布の測定結果をベクトル表示したもので、図4は前述の棒状材からなる整流装置がある場合、図5はこの整流装置がない場合である。なおこの実験では、平均流速を9.4m/s程度としている。
【0040】
また図3は、上記気液接触装置10と同様な構成の実験装置を用いて、前述の比率s/dと偏流度(偏流度=(実流速と平均流速の差)÷平均流速×100)の関係を測定した実験結果を示している。この図3からもわかるように、0.5≦s/d≦2.0となるように寸法設定された前述の整流装置がある場合には、偏流度が25パーセント程度以下に低減される。
【0041】
このため、図2において排煙は水平方向に比較的一様に分布して図1に示すスプレーパイプ15の方に流下し、水平方向において一様に噴射される吸収剤スラリと効率良く気液接触して、循環ポンプ17による吸収剤スラリの循環流量を従来より少なくしても所定の脱硫及び脱塵が効率良く実現される。
【0042】
すなわち、タンク11内の吸収剤スラリは、循環ポンプ17,18によりそれぞれ循環パイプ19,20を通ってスプレーパイプ15,16に供給される。一方、排煙は、まず導入側吸収塔12内に前述の如く水平方向に偏り少なく導入され下降する。
【0043】
スプレーパイプ15に供給された吸収剤スラリは、スプレーパイプ15の各ノズルから上方へ噴射され、上方に噴き上げられた吸収剤スラリは、頂部で分散し次いで下降し、下降するスラリと噴き上げたスラリとが相互に衝突して微細な粒子状になる。
【0044】
このように微細な粒子状になったスラリが次々に生じるようになり、粒子状のスラリは吸収塔12内にほぼ一様に分散して存在するようになる。こうして、亜硫酸ガスを含む排煙がこのように粒子状のスラリがほぼ一様に存在する塔内を偏り少なく流下するため、体積当たりの気液接触面積が前記棒状材30がない従来よりも大きくなる。
【0045】
また、ノズル近傍では排煙がスラリの噴き上げ流れに効果的に巻き込まれるので、スラリと排煙とは効果的に混合し、まずこの並流式の吸収塔12においてかなりの量の亜硫酸ガスが除去される。例えば、この導入側吸収塔12における吸収剤スラリの循環流量や液柱高さを従来のものよりも低く設定したとしても、60〜80%程度の脱硫率で亜硫酸ガスを吸収除去することが可能である。
【0046】
しかも、導入側吸収塔12では、流路断面積が特に高い除塵性能が得られるように設定され、除塵にとっても好ましい排煙の流速となっているため、いわゆる拡散除塵とともに衝突除塵が有効に実現され、この導入側吸収塔12だけで所望の除塵率に近い除塵が達成できる。
【0047】
次に、導入側吸収塔12を流下した排煙は、タンク11の上部を横方向に流れた後、この場合下部から導出側吸収塔13に入り、この吸収塔13を上昇する。この導出側吸収塔13でも、吸収剤スラリが、スプレーパイプ16の各ノズルから上方へ噴射され、導入側吸収塔12と同様に、微細な粒子状となって落下して、向い合って流れる排煙と接触する。
【0048】
また、ノズル近傍では排煙がスラリの噴き上げ流れに効果的に巻き込まれるので、スラリと排煙とは効果的に混合し、さらにこの向流式の吸収塔13において残りのほとんどの亜硫酸ガスが除去される。
【0049】
この場合、相当量の亜硫酸ガスが導入側吸収塔12で除去されているとともに、導出側吸収塔13の流路断面積が前述のように設定されて排煙の流速が向流式気液接触での脱硫にとって最適なものとされているので、最終的に95%以上の高脱硫率で亜硫酸ガスが吸収除去される。
【0050】
したがって、上記気液接触装置10を使用した排煙処理装置によれば、循環ポンプ17による吸収剤スラリの循環流量を従来より少なくしても所定の脱硫及び脱塵が効率良く実現されるので、消費動力を節約して運転コストを低減できる。
【0051】
また、排煙導入部12aの高さ寸法H1又は設置位置を高くするといった改造を行って、導入側吸収塔12の上端部の湾曲を緩やかにするといった対策を採用する必要がないので、装置を小型かつ低コストなものに維持できる。
【0052】
なお本発明は、以上説明した実施形態に限られず、各種の態様が有り得る。例えば、本発明は、上述したような二つの吸収塔を有する気液接触装置に限らず、一塔式の気液接触装置にも適用できる。
【0053】
また、液柱式の吸収塔からなるものに限られず、スプレー式や充填式の吸収塔からなるものにも応用可能である。さらに、吸収塔に排煙が流入する箇所は、吸収塔の上端部に限られず、吸収塔の下部から排煙が流入して吸収塔内を上方に向って流れるタイプでもよいことはいうまでもない。
【0054】
(実証データ)
次に、本発明の作用効果を実証すべく、発明者らが実施した計算及び実験結果のデータについて説明する。このデータは、上記図1により説明した排煙処理装置において棒状材30を削除した装置▲1▼と、上記図1により説明した排煙処理装置(棒状材30のあるもの)▲2▼とについての、同一の条件による性能のデータであり、その計算条件を表1、装置性能を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
以上のデータによれば、図4及び図5に示すように棒状材のない装置▲1▼に比較して、棒状材のある装置▲2▼では、流速分布の偏り及びばらつきが格段に改善されている。また、棒状材のない装置▲1▼に比較して、棒状材のある装置▲2▼では、僅かに塔圧力損失(排煙ファン動力)が高まるが、導入側吸収塔の循環流量が低減でき、全体としては消費動力が低減される。
【0058】
【発明の効果】
本発明の排煙処理装置によれば、接触処理塔内に平行に配設された棒状材という極めて簡単かつ低コストで、しかも圧力損失の少ない構成で、接触処理塔内に流入した排煙の偏りを抑制し、スプレーパイプから噴射される吸収液とより効率良く気液接触させることができる。
【0059】
このため、所定の気液接触性能(脱硫率及び除塵率)を確保しつつスプレーパイプから噴射する吸収液の流量を格段に低減して、従来の限界を越えて運転コストを低減することができる。また、接触処理塔の気体導入部の湾曲を緩やかにするといった対策を採用する必要がないので、装置を小型かつ低コストなものに維持できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態である排煙処理装置の要部構成を示す図である。
【図2】図1に示した排煙処理装置における気液接触装置の排煙流入部を示す図であって、図1におけるII断面拡大図である。
【図3】本発明の作用効果を説明する実験データであって、開口率s/d(棒状材の水平断面における幅寸法dと隣り合う棒状材の間隔sとの比率)と偏流度との関係を示す線図である。
【図4】本発明の作用効果を説明する実験データであって、棒状材がある場合の吸収塔内における排煙の水平方向流速分布を示す図である。
【図5】棒状材が無い場合の吸収塔内における排煙の水平方向流速分布を示す図である。
【符号の説明】
10 気液接触装置
11 タンク
12 導入側吸収塔(接触処理塔)
13 導出側吸収塔(接触処理塔)
15,16 スプレーパイプ
23 固液分離機
24 スラリ調整槽
30 棒状材
Claims (1)
- 排煙が水平方向から流入して上下方向に通過する接触処理塔内に吸収液を噴射させることにより、吸収液と排煙とを気液接触させて排煙中の少なくとも亜硫酸ガスを吸収液に吸収して除去するように構成した排煙処理装置において、前記接触処理塔内の前記吸収液が噴射される領域よりも前流位置に、複数の棒状材を平行に配設し、これら棒状材の長手方向を、排煙の前記接触処理塔への流入方向と直交する方向に設定し、かつ、前記棒状材の水平断面における幅寸法dと、隣り合う前記棒状材の間隔sとの比率s/dが、0.5≦s/d≦2.0であることを特徴とする排煙処理装置。
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- 1996-06-25 JP JP16445396A patent/JP3675957B2/ja not_active Expired - Lifetime
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