JP3675312B2 - 薄膜構造体、及びその応力調整方法 - Google Patents

薄膜構造体、及びその応力調整方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、駆動装置や検出装置等に用いられる、薄膜構造体、及び薄膜構造体の応力調整方法に関するものであり、特に薄膜構造体の内部応力により駆動装置・検出装置等の特性が影響を受けることに対して、装置の特性均質化のために、低温で形成した薄膜構造体、及び形成された構造体を低温で応力調整する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、薄膜構造体を用いた駆動装置や検出装置として、センサやフィルタが基板上に形成されたマイクロメカニカルシステムが注目されている。代表的な例として、マイクロホンの振動板に窒化シリコン膜からなる薄膜構造体を用いたもの、例えば、(W. Kronast et al., IEEE Proceedings of MEMS 98, p.591 (1998))が知られている。
【0003】
従来より窒化シリコン膜の応力制御方法としては、特開昭63−132433号に記されているような成膜時の水素流量を変化させことにより応力を制御する方法(図9)や、特開平5−6889号に記されているような成膜時の原料ガスの圧力を変化させることにより応力を制御する方法、特開平4−88632号に記されているような成膜時の原料ガスであるモノシランとアンモニアガスの流量比を制御することにより応力を制御する方法、あるいは、特開平8−153718号に記されているような原料ガスのガス流量とプラズマ発生のためのRF電力量を規定することで応力を制御する方法などが知られている。
【0004】
一方従来の技術による、窒化シリコン膜を堆積後に膜の応力を調整する方法としては、特開昭60−12737号に示されるような、スパッタ法で形成した堆積膜に熱処理を行うことで膜の内部応力を調整する方法が知られている。図10はスパッタ成膜した厚さ約2400ÅのSiN膜にタングステンハロゲンランプ光を照射したときの、照射時間(秒)とSiN膜の内部応力との関係を示す特性図であり、窒化シリコン膜の成膜後、600℃〜800℃の熱処理を行うことで内部応力を安定化させることができることがわかる。
【0005】
その他、窒化シリコン膜の堆積方法として一般的なプラズマCVD法により堆積した膜に関しても、高温の熱処理で膜の内部応力が変化することが知られている。例えば、シン・ソリッド・フィルムズ1983年、第110巻298ページ(Thin Solid Films, 110 p.p.291-304(1983))に記された方法は、シラン流量を300cm3min-1、アンモニア流量580cm3min-1、窒素流量720cm3min-1とし、シラン流量/アンモニア流量比 0.51程度の原料ガスにてRFパワー1000Wm-2、基板温度300℃の条件で薄膜を堆積し、その薄膜に対して熱処理を行ったもので、ニュートン環法を用いて応力変化を測定した結果を、図11に示す。横軸は熱処理温度、縦軸は内部応力の変化を示す干渉縞の数であり、550℃程度の熱処理で、圧縮応力から引っ張り応力へと変化することがわかる。
【0006】
また、薄膜構造体自体に導電性を持たせることで、電極を形成する必要のないものも提案されている。例えば、マイクロホンの振動板としてn型不純物を導入しかつ内部応力の制御を行ったポリシリコン膜を薄膜構造体として用いたもの(P.-C. Hsu et al., IEEE Proceedings of MEMS 98, p.580 (1998))が知られており、容量を形成する電極の一方がn型に高濃度不純物を導入されたポリシリコン膜を用いた構造体としたものがある。このマイクロホンでは、薄膜構造体であるポリシリコン膜が、入力した音に応じた振動を行うことで、不純物拡散を行った基板の一部からなる対向電極との距離に変化が生じることで、入力した音に応じた電極間の容量変化を発生し、音を検出するマイクロホンとして働くものである。
【0007】
薄膜構造体を用いた加速度センサの例としては、特開平9−211020号に記されるように基板の一部に薄膜構造体からなる共振体を形成する。加速度が加わることによりこの共振体の両端に加わる張力が変化し、その張力の変化に伴い、共振体の共振周波数が変化する。この共振周波数の変化を検出することで加速度を検出するセンサが知られている。
【0008】
薄膜構造体を圧力センサに応用した例としては、アイトリプルイー、1986年インターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミーティング予稿集184ページ(IEDM Tech. Digest 86, p184, 1986)に記されており、シリコン窒化膜による薄膜構造体内に設けられたポリシリコンを用いてピエゾ抵抗体を形成したもので、雰囲気の圧力変化によりシリコン窒化膜からなる薄膜構造体は変形する。その変形量に応じてピエゾ抵抗体が抵抗変化を発生する。この抵抗の変化量を検出することで、圧力の変化を検出する圧力センサが知られている。
【0009】
薄膜構造体を用いたフィルタの例としては、アイトリプルイー、1996年インターナショナル・エレクトロン・デバイス・ミーティング予稿集773ページ(IEDM Tech. Digest 96, p773, 1996)に記されており、ポリシリコンからなる構造体が2つの共振体を形成し、この共振体がスプリングカップラにより接続され、特定の周波数成分のみ効率よく伝達するフィルタとして動作することが知られている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
このような駆動装置・検出装置等に用いられる薄膜構造体は、一定の力を加えられることで駆動し、もしくは薄膜構造体のもつ振動特性の変化により物理量を検出するため、薄膜構造体において、膜応力や膜厚または膜質により変化する特性を、駆動部・検出部の形成後に補正する必要がある。
【0011】
例えば、共振周波数の変化量を用いた両端固定はり構造を持つ検出装置の場合、両端固定はりの1次の共振周波数fは、次の(数1)で表されることが知られている。
【0012】
【数1】
Figure 0003675312
【0013】
ここで(数1)からわかるように、内部応力を有する材料を用いると、張力Sが変化し、それに伴い共振周波数fが変化することが知られている。そのため、共振周波数を精度良くあわせるために薄膜構造体の内部応力を制御する必要があり、成膜プロセスのより詳細な制御が必要とされてきた。
【0014】
このような、成膜後に内部応力を調整する方法としては、スパッタ法で堆積した膜に対して熱処理を行う方法が知られている。しかしながら従来の方法では、内部応力調整のための熱処理温度が600℃〜800℃という温度と高い。そのため、薄膜構造体をトランジスタなどと同一基板上に形成する場合にこのような温度で熱処理を行うと、トランジスタ配線として広く用いられているALなどの配線材料が、溶けてしまったり、あるいは基板に拡散してしまうため、LSI等の製造において広く用いられているAL配線を形成した後に内部応力を調整することは、この方法では不可能である。
【0015】
したがって従来の方法では、駆動装置・検出装置の特性を確認しながら、薄膜構造体の応力調整を行うことは困難となる。すなわち、AL配線やシリコン基板とのコンタクト部分に影響を与えることのない熱処理温度は、高くても400℃以下で行う必要があり、可能であれば300℃程度以下の熱処理であることが望ましい。
【0016】
また、薄膜構造体に導電性を持たせることで電極を形成する必要のないものの場合、薄膜構造体は不純物を添加したポリシリコンにより形成されている。不純物添加を行ったポリシリコンの場合、成膜の温度として550℃程度以上の温度が必要となる。そのため、薄膜構造体をトランジスタなど同一基板上に形成する場合においても、前述のような成膜後に内部応力を調整する場合と同様に、ALなどの配線材料が溶けるもしくは基板に拡散してしまうため、配線の形成を行う前に薄膜構造体を作り込むことが必要とされた。
【0017】
また、低温で導電性を有する構造体材料としてはアモルファスシリコンがあるが、アモルファスシリコンの場合、下地の材料によって密着性が悪い場合があるため、プロセスの自由度が低くなるという問題があった。例えば、シリコン酸化膜上に堆積した場合は極端な密着性の低下はみられないが、シリコン上に堆積した場合には密着性が低下する。実際に、アモルファスシリコン膜を、シリコン基板上に水素流量を変化させて堆積した場合、基板上に堆積した堆積薄膜は、膜の密着性の低下が原因で、膜剥がれが発生することが確認されている。したがってアモルファスシリコンを用いた場合には、下地選択の自由度が低下するという問題を有していた。
【0018】
さらに、薄膜構造体上に電極を形成する必要がある場合、薄膜構造体が導電性を有しない場合、薄膜構造体を用いた素子は、薄膜構造体と電極材との2層構造となる。このような構造物を用い、共振特性などの変化を検知することで物理量を測定するセンサを形成した場合、共振特性は薄膜構造体と電極材との両方を制御する必要があり、素子特性の均一性が悪くなるという問題を有していた。
【0019】
本発明は、上述した従来の問題点に鑑み、内部応力を調整した薄膜を低温でかつ密着性良く堆積し、また堆積後内部応力の調整を低温で行うことが可能な薄膜構造体とその応力調整方法を提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明は、原料としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)と窒素(N2)とを用い、シラン流量/アンモニア流量比を1以上の条件で混合し、更に水素(H2)を0以上の流量で追加し、プラズマCVD法にて薄膜堆積温度400度以下で成膜を行い、Si/Nの組成比が 1.0以上の組成を有するシリコン窒化膜を形成してなる薄膜構造体であって、導電性を有する不純物を含むことで導電性を有することを特徴とする薄膜構造体である。
【0022】
また本発明は、前記薄膜構造体の内部応力を調整する応力調整方法であって、薄膜形成時には、所望の応力が引っ張り応力の場合はより弱い引っ張り応力となるように、または所望の応力が圧縮応力の場合はより強い圧縮応力となるように、前記薄膜構造体の堆積を
行い、前記堆積の後、薄膜形成時の薄膜堆積温度以上かつ400度以下の温度で熱処理を行うことで、薄膜の内部応力を調整し所望の応力を得ることを特徴とする、薄膜構造体の応力調整方法としたものである。
【0024】
また本発明は、前記薄膜構造体の応力調整方法において、熱処理をレーザ照射により行うことを特徴としたものである。
【0025】
また本発明は、前記薄膜構造体の応力調整方法のいずれかを用いて内部応力を調整した薄膜構造体である。
【0026】
また本発明は、前記薄膜構造体を、圧力センサのダイヤフラムとして、またはマイクロホンの振動板として、あるいは加速度センサやフィルタの共振部として用いることを特徴としたものである。
【0027】
これら発明により、内部応力を調整した薄膜を低温でかつ密着性良く堆積し、また堆積後内部応力の調整を低温で行うことが可能な薄膜構造体、及びその応力調整方法、そしてこれにより形成した薄膜構造体を用いた応用素子を提供することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の発明は、原料としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)と窒素(N2)とを用い、シラン流量/アンモニア流量比を1以上の条件で混合し、更に水素(H2)を0以上の流量で追加し、プラズマCVD法にて薄膜堆積温度400度以下で成膜を行い、Si/Nの組成比が 1.0以上の組成を有するシリコン窒化膜を形成してなる薄膜構造体であって、導電性を有する不純物を含むことで導電性を有することを特徴とする薄膜構造体であり、成膜中の水素流量を変化させることで、従来より低温で応力の制御が可能な薄膜を形成することができるとともに、薄膜構造体はシリコンが過剰な組成のシリコン窒化膜であるため、通常のシリコン窒化膜とは異なり不純物添加を行うことでシリコン窒化膜に導電性を持たせることができるという作用を有する。
【0032】
本発明の第2の発明は、前記薄膜構造体の内部応力を調整する応力調整方法であって、薄膜形成時には、所望の応力が引っ張り応力の場合はより弱い引っ張り応力となるように、または所望の応力が圧縮応力の場合はより強い圧縮応力となるように、前記薄膜構造体の堆積を行い、前記堆積の後、薄膜形成時の薄膜堆積温度以上かつ400度以下の温度で熱処理を行うことで、薄膜の内部応力を調整し所望の応力を得ることを特徴とする、薄膜構造体の応力調整方法であり、熱処理を加える調整の場合、引っ張り方向となる非可逆的な調整であるため、調整可能となるように成膜段階では設計値より強い圧縮方向の応力で成膜を行った後、熱処理により最終的な所望の内部応力にすることができ、特に、薄膜構造体の形成後に、従来より低温で薄膜中の水素結合状態を変化させて薄膜の内部応力を調整することができるという作用を有する。
【0033】
本発明の第3の発明は、第2の発明において、前記熱処理をレーザ照射により行うことを特徴とする薄膜構造体の応力調整方法であり、レーザ光線を薄膜構造体のみに照射するように光学系を設定することで、薄膜構造体を含む例えばチップ全体の温度を上昇させることなく、薄膜構造体部分のみの温度を上昇させることが可能となるという作用を有する。
【0034】
そして本発明の第4の発明は、第2または第3の発明による薄膜構造体の応力調整方法を用いて内部応力の調整を行った薄膜構造体である。
【0035】
本発明の第5の発明は、第4の発明による薄膜構造体をダイヤフラムとして有することを特徴とする圧力センサであり、圧力センサ各個体において初期状態での変形の差による感度、絶対値の差を、熱処理による薄膜構造体の応力調整を行い均一な特性に合わせ込むことができるという作用を有する。
【0036】
本発明の第6の発明は、第4の発明による薄膜構造体を振動板として有することを特徴とするマイクロホンであり、マイクロホン各個体の周波数特性ならびに感度特性の安定化を行い均一な特性に合わせ込むことができるという作用を有する。
【0037】
本発明の第7の発明は、第4の発明による薄膜構造体を共振部として有することを特徴とする加速度センサであり、各加速度センサにおいて共振周波数特性が薄膜構造体形成時のプロセスばらつきによりばらついた場合においても、加速度センサの形成後熱処理を行うことで内部応力を調整することができるという作用を有する。
【0038】
本発明の第8の発明は、第4の発明による薄膜構造体を共振部として有することを特徴とするフィルタであり、各フィルタの共振周波数特性が薄膜構造体形成時のプロセスのばらつきによりばらついた場合においても、薄膜構造体からなる共振部を持つフィルタに熱処理を行うことで共振部の内部応力を調整することができるという作用を有する。
【0039】
以下に、本発明の実施の形態について、図1から図8を用いて説明する。
【0040】
(実施の形態1)
本実施の形態では、原料としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)と窒素(N2)とを用い、シラン流量/アンモニア流量比を1以上の条件で混合し、更に水素(H2)を0以上の流量で追加し、プラズマCVD法にて薄膜堆積温度400度以下で成膜を行い、Si/Nの組成比が 1.0以上の組成を有するシリコン窒化膜を薄膜構造体として形成する薄膜構造体の形成方法を説明する。
【0041】
本実施の形態における具体的な薄膜構造体の形成条件としては、シラン流量36sccm、アンモニア流量9sccm、N2流量420sccmという、シラン流量/アンモニア流量が 4.0という条件で原料ガスを流し、さらに原料ガスとして水素ガスを0から360sccmの範囲で追加した。成膜はグロー放電式のp−CVD法を用い、成膜時のRFパワーは170W、圧力 0.5Torr、基板温度は250℃である。
【0042】
薄膜の内部応力の測定は、シリコン基板の片面に薄膜を堆積し、薄膜堆積による基板曲がりの変化量から内部応力を求める。内部応力は(数2)により基板の曲率半径を求めることで測定が可能である。
【0043】
【数2】
Figure 0003675312
【0044】
(数2)を用いて求めた薄膜の内部応力の水素流量依存性を図1に示す。水素量を増加することで薄膜の内部応力が引っ張り応力、無応力、圧縮応力と変化していることがわかる。水素流量を制御することで内部応力の調整が可能である。
【0045】
さらにアモルファスシリコンの場合と異なり、膜の密着性の低下に伴う膜の剥がれを抑えることが可能となる。
【0046】
一般的に膜の剥がれは、薄膜の内部応力が圧縮応力よりも引っ張り応力の条件で顕著に現れることが知られている。本実施の形態では、前記シリコン窒化膜堆積条件としてシラン流量36sccm、アンモニア流量9sccm、N2流量420sccmというシラン流量/アンモニア流量が 4.0という条件で原料ガスを流し、水素の流量のみ0として、成膜はグロー放電式のp−CVD法を用い、成膜時のRFパワーは170W、圧力 0.5Torr、基板温度を250℃の条件で成膜を行った。
【0047】
この条件は、もっとも引っ張り応力が強い条件であり一般的には最も膜の剥がれが発生しやすい条件である。しかしながら、本発明を適用することで堆積薄膜の剥がれを発生させることなく応力制御した膜の形成が可能である。
【0048】
なお、本実施の形態では、基板温度を250℃として成膜を行ったが、配線材料として例えばALなどが溶けたり拡散したりしない温度として、400℃以下の範囲で行うことで、同様の効果を得ることができる。
【0049】
また、上記形成方法により形成した薄膜構造体は、以下のようにして導電性を持たせることができる。すなわち、導電性を有する不純物を含むように薄膜構造体を形成するもので、これにより薄膜構造体は、導電性を有することができる。
【0050】
具体的には、上記に記載したシリコン窒化膜を形成した場合、理想的なシリコン窒化膜の化学量論比ではSiNX:X= 1.33であるのに対し、よりXの値が小さくなり、シリコン窒化膜中にシリコンが過剰に存在する形となるが、薄膜の形成時に、原料ガスとしてドーパントとなる不純物ガス、例えばp型不純物としてジボラン(B26)、n型不純物としてホスフィン(PH3)を原料ガスに混入し、成膜することで、過剰に存在するシリコンと不純物が結合するため、通常の成膜ではシリコン窒化膜は絶縁体となるのに対して、この方法では導電性を有する薄膜構造体を形成することが可能となる。
【0051】
この導電性を有する薄膜構造体は、薄膜構造体自体を電極として用いることが可能となり、薄膜構造体を用いて素子を形成した場合、素子形成行程の簡略化が可能となる。さらに、薄膜構造体の共振特性などの変化を検知することにより物理量を測定するセンサにおいても電極材を省略することが可能なため、共振特性は薄膜構造体のみの制御により制御可能となり、素子特性の均一性が向上する。
【0052】
(実施の形態2)
以下、本発明の第2の実施の形態について図を用いて説明する。本実施の形態の具体的な熱処理条件は、真空中で行い、熱処理温度250℃から300℃の範囲で、また熱処理時間はすべて30分とした。本実施の形態に用いた薄膜の形成条件は、原料ガスのシラン、アンモニア、窒素、水素各流量がそれぞれ36、9、45、420sccm、RFパワーは170W、基板温度は250℃で堆積を行った薄膜により評価した。
【0053】
熱処理前の薄膜の内部応力は、圧縮応力−10MPaである。内部応力は(実施の形態1)の場合と同じ方法で測定した。熱処理を行った場合の薄膜の内部応力を図2に示す。薄膜の内部応力は圧縮応力であったものが、250℃の熱処理により引っ張り応力と変化し、応力の値は約15MPaであった。さらに熱処理温度をあげるに従い、引っ張り応力が大きくなり、280℃では26MPa、300℃では59MPaとなった。
【0054】
従って図2より、熱処理の効果は、およそ堆積温度未満では効果が見られないが、およそ堆積温度以上であれば、その効果は明確となることがわかる。しかしながら(実施の形態1)に記載した温度条件と同様に、熱処理においても基板の配線材料が溶けない温度400℃以下で行うことが必要である。従って、熱処理を行うために、より効率的な温度範囲は、堆積温度以上でかつ400℃以下となる。
【0055】
一方、本実施の形態を用いて熱処理を行った場合の、熱処理の時間依存性を図3に示す。薄膜の形成条件は前記温度依存性の場合と同一である。熱処理温度は250℃である。熱処理条件に関しても、前記温度依存性の場合と同様真空中で行った。熱処理時間は30、60、120分である。図3より、熱処理時間を増加しても、内部応力の大きな変化は見られない。内部応力の調整には30分以上の時間の熱処理で十分であり、応力の調整は、時間ではなく温度で調整することが可能であることがわかる。
【0056】
なお、上記の薄膜構造体の内部応力調整方法においては、薄膜構造体は所望の応力が引っ張り応力の場合、より弱い引っ張り応力で、圧縮応力の場合、より強い圧縮応力で薄膜構造体の堆積を行った後、熱処理を行うことで所望の応力を得ることが可能となる。これは、熱処理により薄膜構造体の応力を調整する場合、応力の調整方向は引っ張り応力方向にしか働かないため、成膜時より圧縮応力方向の状態で成膜を行うことで、調整が可能になるのである。
【0057】
(実施の形態3)
以下、本発明の第3の実施の形態について図4を用いて説明する。本実施の形態は、(実施の形態2)記載の薄膜構造体の内部応力調整方法において、熱処理をレーザ照射により行う応力調整方法であり、レーザ光線を薄膜構造体のみに照射するように光学系を設定することで、薄膜構造体を含むチップ全体の温度を上昇させることなく、薄膜構造体部分のみの温度を上昇させることが可能となる。
【0058】
したがって、薄膜構造体以外のチップ部分に温度上昇により特性の劣化する素子もしくは領域があった場合においても、薄膜構造体の応力の調整が可能となる。
【0059】
さらに、レーザ光線を照射することによる応力調整方法は、図4に示すような、UV−EPROMで用いられる窓502のついたセラミックパッケージ501内に、薄膜構造体503を有する素子504を封止する場合に有効である。すなわち、素子504を封止してしかる後に、素子504の特性を測定しながらレーザ光線505を照射し、例えば薄膜構造体503の応力の変化に伴う共振周波数を調整することで、特性の均一化が可能となるのである。このような方法でなければ、とりわけ高周波部品等のウエハー上にある素子状態では、正確な特性の評価が困難であるため、この方法は、パッケージング後に測定する必要のある部品の特性均一化という点で、とりわけ有効な手法である。
【0060】
(実施の形態4)
以下、本発明の第4の実施の形態について図5を用いて説明する。本実施の形態は、内部応力を制御した薄膜構造体を圧力センサのダイヤフラムとして用いる場合の、その形成工程を示す。
【0061】
図5(a)〜(e)は、本実施の形態における薄膜構造体を有する圧力センサの形成工程を示す工程断面図である。まず、シリコン基板601上に減圧CVD法を用い膜厚50nmのシリコン窒化膜602を形成する。しかる後、シリコン窒化膜602をフォトリソグラフィによりレジストパターンを形成し、所望の部分のみエッチング除去する(図5(a))。
【0062】
次に、シリコン基板601上にポリシリコン犠牲層603を150nmの膜厚で減圧CVD法を用いて形成し、その後レジストマスクにて所望部分のみエッチング除去する。さらにシリコン窒化膜604を減圧CVD法にて200nmの膜厚で堆積する(図5(b))。
【0063】
その後、減圧CVD法にてポリシリコンを200nmの膜厚で堆積、その後、ボロンのイオン注入を行い、さらに900℃で30分の熱処理を行い、不純物活性化を行う。しかる後、レジストマスクにて所望部分のみエッチング除去することでポリシリコンピエゾ抵抗605を形成し、さらに減圧CVD法にて膜厚200nmのシリコン窒化膜606を形成する(図5(c))。
【0064】
しかる後、レジストマスクにて所望の部分をエッチング除去することでエッチング用穴608を形成し、エッチング用穴608を通してKOH水溶液を用い、エッチングを行うことでシリコン基板601内にキャビティ607が形成される(図5(d))。
【0065】
その後、シラン流量36sccm、アンモニア流量9sccm、N2流量420sccm、水素流量45sccmの原料ガスを用い、グロー放電式のp−CVD法を用い、成膜時のRFパワーは170W、圧力 0.5Torr、基板温度を250℃の条件で1μmの膜厚で成膜し、シリコン窒化膜609を形成し、ダイヤフラム610を形成する(図5(e))。
【0066】
キャビティ内はシリコン窒化膜堆積時の圧力 0.5Torrに保たれており、圧力センサ雰囲気の圧力に伴いダイヤフラムが変形するため、ダイヤフラムの変形量をポリシリコンピエゾ抵抗605の抵抗変化により求めることで、圧力の測定が可能となる。
【0067】
このようにして形成した圧力センサを用い絶対的な圧力測定を行う場合、プロセスのばらつきにより、ダイヤフラムの膜厚、ダイヤフラムの内部応力、キャビティ内の圧力等が各センサにより異なるため、校正を行う必要がある。絶対値の校正のみであれば、ポリシリコンピエゾ抵抗605とブリッジを組む抵抗値の調整を行うことで可能であるが、出力抵抗の傾きに関してはダイヤフラムの内部応力の調整が必要となる。この内部応力は、(実施の形態2)や(実施の形態3)に示したような熱処理を行うことで、シリコン窒化膜609の内部応力の調整を行い、均一な特性の圧力センサを得ることが可能となる。
【0068】
以上のように、薄膜構造体を圧力センサのダイヤフラムとして用いる場合には、圧力センサのダイヤフラムに本発明の内部応力を制御したシリコン窒化膜を適用することで、正確な圧力の測定が可能となる。
【0069】
(実施の形態5)
以下、本発明の第5の実施の形態について図6を用いて説明する。本実施の形態は、内部応力を制御した薄膜構造体をマイクロホンの振動板として用いる場合の、その形成方法と構造を示す。
【0070】
図6は本実施の形態におけるマイクロホンを示す断面図である。シリコン基板701上に、固定電極702ならびにシリコン酸化膜からなる層間絶縁膜705を形成した後、シリコン窒化膜からなる振動板703を、シラン流量36sccm、アンモニア流量9sccm、N2流量420sccm、水素流量23sccmの原料ガスを用い、グロー放電式のp−CVD法を用い、成膜時のRFパワーは170W、圧力0.5Torr、基板温度を250℃の条件で2μmの膜厚で形成する。振動板703上には可動電極704が形成されている。
【0071】
シリコン基板の所望の部分には貫通穴706が設けられており、背部気室707と接続されている。振動板703に音波が伝わった場合、音波に伴う振動が振動板703に発生し、その結果振動板703上の可動電極704と固定電極702間の距離が、入力音に伴い変化する。その結果、固定電極702と可動電極704から形成される容量が変化することで、入力した音を電気信号に変換するマイクロホンとして働く。
【0072】
この構造のマイクロホンにおいては、振動板の形状ならびに振動板が持つ張力によりマイクロホンの特性が左右される。例えば、振動板をなすシリコン窒化膜が内部応力として圧縮応力を有している場合、振動板は上に凸もしくは凹型形状となる。この形状は可動電極材料により制御可能な場合もあるが、上に凸か凹型のどちらかになるかを制御するのは、一般的に困難である。
【0073】
振動板が上に凸形状となった場合、可動電極と固定電極間の距離が遠くなり、その結果可動電極と固定電極間容量が小さくなってしまう。その結果、振動板の移動距離に対する容量変化が、同じ移動距離においても、振動板形状が平坦であった場合より小さい容量変化しか得られず、感度が低下してしまう。
【0074】
一方、凹型の場合、可動電極と固定電極間の距離が小さくなるため、容量変化は大きくマイクロホンの感度特性は良くなる。しかしながら、振動板の可動距離が小さくなり、その結果マイクロホンのダイナミックレンジ特性が悪くなる。
【0075】
一方、シリコン窒化膜が内部応力として引っ張り応力を有している場合、入力した音に対して振動板の変位量が異なる。具体的には、シリコン窒化膜の有する引っ張り応力が大きい場合は、入力した音波に対して振動板の変位量が小さくなり、その結果容量変化が小さく感度特性は悪くなる。
【0076】
この感度低下を防ぐため、(実施の形態2)や(実施の形態3)に示したような熱処理を用い、必要に応じ入力音波に対する出力特性を検出しながら、400℃以下の熱処理を行うことで、シリコン窒化膜からなる振動板の内部応力を調整し、マイクロホンの特性を均一にすることが可能となる。
【0077】
なお、本実施の形態においては、シリコン窒化膜に不純物を含んでいないシリコン窒化膜を用いたが、不純物を導入したシリコン窒化膜を用い、シリコン窒化膜自体に電極としての働きを持たせることで、可動電極を省くことが可能となる。可動電極の省略は、振動板の膜厚距離分の容量を増加させることが可能となるため、マイクロホンの感度特性の向上が可能となる。
【0078】
以上のように、薄膜構造体をマイクロホンの振動板として用いる場合には、マイクロホンの振動板に本発明の内部応力を制御したシリコン窒化膜を適用することで、マイクロホンの周波数特性並びに感度特性の安定化を行うことができ、均一な特性を有するマイクロホンが作製可能となる。
【0079】
(実施の形態6)
以下、本発明の第6の実施の形態について図7を用いて説明する。本実施の形態は、内部応力を制御した薄膜構造体を加速度センサの共振部として用いる場合の、その形成方法と構造を示す。
【0080】
図7は本実施の形態における加速度センサを示す断面図である。シリコン基板801上にシラン流量36sccm、アンモニア流量9sccm、N2流量420sccm、水素流量45sccmの原料ガスを用い、グロー放電式のp−CVD法を用い、成膜時のRFパワーは170W、圧力 0.5Torr、基板温度を250℃の条件で3μmの膜厚で形成したシリコン窒化膜からなる共振体802を形成する。
【0081】
共振体802は、ZnOやPZT等の圧電体からなる出力側圧電素子803により励震され、共振体802固有の共振周波数成分のみが、効率的に圧電体からなる入力側圧電素子804に伝搬される。この加速度センサに加速度805が加わった場合、加速度センサは膜厚の薄いたわみ発生部807で加速度に応じたたわみが発生する。
【0082】
一方、たわみはセンサたわみ中心線808を中心として発生するため、センサたわみ中心線808より上の部分では、下方向の加速度が加わった場合、引っ張り方向の力が加わり、上方向の加速度が加わった場合は、縮み方向の力が加わる。従って、図7に示す加速度センサの構成においては、下方向の加速度が加わった場合は、共振体には引っ張り方向の力が、上方向の加速度が加わった場合は、共振体には圧縮方向の力が加わる。
【0083】
共振体は両端固定の梁構造であるため、加わった力に伴い、(数1)の共振周波数特性を示し、加速度に伴う力は張力Sを変化させる。その結果、入力側圧電素子804の出力信号の周波数は、加速度を受けていない場合は、共振体の共振周波数に、一方下方向の加速度が加わった場合は、加速度に応じより高い周波数に、また上方向の加速度が加わった場合は、より低い周波数が出力され、出力信号の周波数を検知することで加速度センサが受けた加速度を測定することができる。
【0084】
一方、共振体自体が保有する内部応力によっても張力Sを変化させるため、共振体のもつ固有共振周波数を、内部応力を調整することで設定することが必要となる。多数の加速度センサ間で共振周波数がばらついた場合においても、(実施の形態2)や(実施の形態3)に示したような熱処理を用いることで、加速度センサ間の共振周波数のばらつきを抑えた加速度センサを得ることが可能となる。
【0085】
以上のように、薄膜構造体を加速度センサの共振部として用いる場合には、加速度センサの共振部に本発明の内部応力を制御したシリコン窒化膜を適用することで、センサ間のばらつきのない加速度センサの形成が可能となる。
【0086】
(実施の形態7)
以下、本発明の第7の実施の形態について図8を用いて説明する。本実施の形態は、内部応力を制御した薄膜構造体をフィルタの共振部として用いる場合の、その形成方法と構造を示す。
【0087】
図8は本実施の形態におけるフィルタを示す斜視図である。シリコン基板901上に、シラン流量36sccm、アンモニア流量9sccm、N2流量420sccm、水素流量22sccm、フォスフィン流量40sccmの原料ガスを用い、グロー放電式のp−CVD法を用い、成膜時のRFパワーは170W、圧力 0.5Torr、基板温度を250℃の条件で3μmの膜厚で形成したシリコン窒化膜共振体902を形成する。
【0088】
共振体902は、入力側アクチュエータ903部分と出力側トランジスタ907部分からなり、入力側アクチュエータ部と出力側トランジスタ部はスプリングカップラ906により接続されている、また、入力側アクチュエータ端部と出力側トランジスタ端部は共振体固定部911において基板に固定されているが、入力側アクチュエータ中心部および出力側トランジスタ中心部ならびにスプリングカップラは、基板表面より約100nmの距離で浮いた状態となっている。
【0089】
入力側アクチュエータ部の固定電極904と可動電極905間に電圧が印加された場合、静電引力により入力側アクチュエータ部の中心付近は、両電極への印加電圧の極性により、基板側への引力もしくは斥力が働き、入力信号に応じた振動が発生する。
【0090】
入力側アクチュエータ部で発生した振動は、スプリングカップラ906を介し出力側トランジスタ部へと伝えられる。この振動伝達の際、シリコン窒化膜共振体902の共振周波数成分のみ、効率的に入力側アクチュエータ部から出力側トランジスタ部へと伝達される。
【0091】
出力側トランジスタ部ではゲート部が共振周波数で上下に振動することで、MOSトランジスタのチャネル部の電界が変化し、電界に応じた電流がソース部からドレイン部へと流れる。この結果、入力側アクチュエータ部の固定電極904ならびに可動電極905間に入力された信号成分のうち、共振体のシリコン窒化膜共振体の共振周波数成分のみ効率的に伝達され、MOSトランジスタの出力信号として取り出すことが可能なフィルタとして働く。
【0092】
前記構成では、シリコン窒化膜共振体の共振周波数は、シリコン窒化膜共振体902の形、大きさ、周囲の圧力、シリコン窒化膜のもつ内部応力により決定されることが知られている。従って、形成したフィルタの共振周波数がばらついた場合においても、(実施の形態2)や(実施の形態3)に示したような熱処理を行うことで、特性のそろったフィルタを得ることが可能となる。
【0093】
以上のように、薄膜構造体をフィルタの共振部として用いる場合には、加速度センサの共振部に本発明の内部応力を制御したシリコン窒化膜を適用することで、薄膜構造体の持つ共振周波数を安定させることが可能となり、周波数特性のそろったフィルタを安定して作製することが可能となる。
【0094】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、シラン、アンモニア、窒素、水素の原料ガスを用い、シラン/アンモニア流量比1以上の条件でかつ、所望の内部応力に応じた水素ガス流量で、プラズマCVD法にて堆積温度400℃以下で成膜することで、内部応力を調整した薄膜を得ることが可能となり、また、形成後に内部応力を、薄膜堆積温度以上400℃以下で調整することが可能となるため、内部応力を調整した薄膜を低温でかつ密着性良く堆積し、また堆積後内部応力の調整を低温で行うことが可能な薄膜構造体の形成方法及び応力調整方法を提供できるとともに、このような薄膜構造体を応用素子として駆動装置や検出装置に用いることで、これら装置の特性を調整可能とすることができ、特性を安定化することができるという有利な効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態によるシリコン窒化膜内部応力の成膜時の水素流量依存性を示す特性図
【図2】本発明の一実施の形態によるシリコン窒化膜内部応力の熱処理温度依存性を示す特性図
【図3】本発明の一実施の形態によるシリコン窒化膜内部応力の熱処理時間依存性を示す特性図
【図4】本発明の一実施の形態によるレーザ光線による応力調整方法を示す斜視図
【図5】本発明の一実施の形態による圧力センサの形成方法を示す工程断面図
【図6】本発明の一実施の形態によるマイクロホンを示す断面図
【図7】本発明の一実施の形態による加速度センサを示す断面図
【図8】本発明の一実施の形態によるフィルタを示す斜視図
【図9】従来例によるシリコン窒化膜内部応力の成膜時の水素流量依存性を示す特性図
【図10】従来例によるシリコン窒化膜内部応力の調整方法のランプアニール温度ならびにアニール時間依存性を示す特性図
【図11】従来例によるシリコン窒化膜の内部応力の熱処理温度依存性を示す特性図
【符号の説明】
601、701、801、901 シリコン基板
501 セラミックパッケージ
502 窓
503 薄膜構造体
504 素子
505 レーザ光線
602、604、606、609 シリコン窒化膜
603 ポリシリコン犠牲層
605 ポリシリコンピエゾ抵抗
607 キャビティ
608 エッチング用穴
610 ダイヤフラム
702 固定電極
703 振動板
704 可動電極
705 層間絶縁膜
706 貫通穴
707 背部気室
802 共振体
803 出力側圧電素子
804 入力側圧電素子
805 加速度
806 慣性体
807 たわみ発生部
808 センサたわみ中心線
902 シリコン窒化膜共振体
903 入力側静電アクチュエータ
904 固定電極
905 可動電極
906 スプリングカップラ
907 出力側トランジスタ
908 ソース
909 ゲート
910 ドレイン
911 共振体固定部

Claims (8)

  1. 原料としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)と窒素(N2)とを用い、シラン流量/アンモニア流量比を1以上の条件で混合し、更に水素(H2)を0以上の流量で追加し、プラズマCVD法にて薄膜堆積温度400度以下で成膜を行い、Si/Nの組成比が 1.0以上の組成を有するシリコン窒化膜を形成してなる薄膜構造体であって、導電性を有する不純物を含むことで導電性を有することを特徴とする薄膜構造体
  2. 原料としてシラン(SiH4)とアンモニア(NH3)と窒素(N2)とを用い、シラン流量/アンモニア流量比を1以上の条件で混合し、更に水素(H2)を0以上の流量で追加し、プラズマCVD法にて薄膜堆積温度400度以下で成膜を行い、Si/Nの組成比が 1.0以上の組成を有するシリコン窒化膜を形成してなり且つ導電性を有する不純物を含むことで導電性を有する薄膜構造体の内部応力を調整する応力調整方法であって、薄膜形成時には、所望の応力が引っ張り応力の場合はより弱い引っ張り応力となるように、または所望の応力が圧縮応力の場合はより強い圧縮応力となるように、前記薄膜構造体の堆積を行い、前記堆積の後、薄膜形成時の薄膜堆積温度以上かつ400度以下の温度で熱処理を行うことで、薄膜の内部応力を調整し所望の応力を得ることを特徴とする、薄膜構造体の応力調整方法
  3. 前記熱処理はレーザを照射することにより行うことを特徴とする請求項記載の薄膜構造体の応力調整方法。
  4. 請求項2または3記載の薄膜構造体の応力調整方法を用いて内部応力の調整を行った薄膜構造体。
  5. 請求項記載の薄膜構造体をダイヤフラムとして有することを特徴とする圧力センサ。
  6. 請求項記載の薄膜構造体を振動板として有することを特徴とするマイクロホン。
  7. 請求項記載の薄膜構造体を共振部として有することを特徴とする加速度センサ。
  8. 請求項記載の薄膜構造体を共振部として有することを特徴とするフィルタ。
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