JP3674608B2 - 光ディスク記録再生装置、及び光ディスク記録再生方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、光ディスクの記録面の状態に応じて光ディスクの回転速度を変化させて、記録・再生を行う光ディスク記録再生方法、及び光ディスク記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
CD−DAなどの光ディスクに記録された音楽データは、線速度一定で再生するように規定されており、CD−RやCD−RWなどの記録形光ディスクに音楽データやコンピュータ用データを記録・再生する際にも、従来、線速度一定で記録・再生するCLV(Constant Linear Velocity)方式が用いられてきた。しかし、ユーザからの記録速度や再生速度に対する高速化の要求により、様々な記録・再生方式が開発された。例えば、角速度一定で記録・再生するCAV(Constant Angular Velocity)方式とCLV方式とを組み合わせたパーシャルCAV方 式、光ディスクを半径方向に複数のゾーンに分け、各ゾーンはCLV方式で記録・再生を行い、光ディスクの外周側ほど記録・再生速度を高速にするゾーンCLV方式などである。近時、光ディスクを回転駆動するスピンドルモータの高性能化や、光ディスクへのデータ記録・再生技術の進歩などに伴い、光ディスクの全領域をCAV方式で高速記録・高速再生するフルCAV方式が用いられるようになってきた。上記の各方式においては、CLV方式を除いて、内周よりも外周の方が、記録・再生速度(線速度)が速くなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
光ディスクへの記録・再生速度は、高速になるほど、記録・再生条件が厳しくなる。そのため、光ディスクの記録領域の全域に亘り品質の安定した光ディスクが必要となる。
【0004】
しかしながら、一般的に光ディスクは、その外周ほど品質が悪くなる傾向にある。これは、光ディスクが以下のようにして製造されているからである。図5は、光ディスクの基板を射出成形する様子を示した概念図である。図5に示したように、光ディスクの基板を製造する際には、スタンパを射出成型機に取り付けて、光ディスクの中心に位置する金型のゲート(注入孔)から、溶解させたポリカーボネート樹脂を射出して、高圧で型締めしながら冷却して、光ディスクの基板を成型する。光ディスク基板は、ポリカーボネート樹脂が冷却して固まると、金型から取り出す。
【0005】
図6は、光ディスクのプリグルーブの歪みを示した模式図である。上記の製造工程において、光ディスク基板の射出成型時に、高温のポリカーボネート樹脂がスタンパの外周側に流れて円盤形状になる際に、スタンパや空気に触れて冷却されるので、樹脂の先端側ほど、つまり、光ディスクの基板の外周側ほど、樹脂の流れが悪くなり、ひけや反りなどの部分的な歪みが外周側ほど発生しやすくなる。例えば、図6に示したように、光ディスクの外周側ほどプリグルーブが変形する。また、射出圧力が弱かったり、ポリカーボネートの充填量が不足していたりするなど成形条件が悪い場合にも、光ディスク基板は、内周側よりも外周側の方がその影響を受けやすい。そのため、この場合も光ディスク基板の外周部ほどひけや反りなどの部分的な歪みが発生しやすくなる。
【0006】
上記のような製造時の問題によって部分的な歪みが発生した光ディスクを、高速(例えば40倍速)で記録・再生すると、光ディスク全体の偏芯や面振れ以外に、光ディスクのプリグルーブの歪み(変形)による偏芯加速度が、トラッキングエラー信号の高周波成分としてあらわれる。また、光ディスクの部分的なひけや窪みによる面振れ角速度が、フォーカシングエラー信号の高周波成分としてあらわれる。このため、光ディスク記録再生装置で光ディスクを高速で記録中に、偏芯加速度や面振れ加速度が大きくなると、サーボ系が追従できなくなり、最悪の場合、トラック飛びを起こして記録エラーが発生し、データの記録が失敗となる。さらに、光ディスク記録再生装置で光ディスクを高速で再生中に、偏芯加速度や面振れ加速度が大きくなると、トラック飛びを起こして再生エラーが発生し、何度もデータを再生しようとする。そして、それでもデータが再生できない場合は、再生速度を所定量低下させる。そのため、高速でデータを再生しているにもかかわらず、再生に長時間かかってしまう。
【0007】
しかし、光ディスクの部分的な歪みは、低速(例えば等倍速)または中速(例えば20倍速)で光ディスクを記録・再生した場合には、サーボ系が追従できるため、あまり影響が無く、これまで特に大きな問題とはならなかった。
【0008】
そこで、本発明は上記の問題を解決して、部分的な歪みのために外周ほど品質が低下した光ディスクに対して、高速でデータを記録・再生を行うことができる光ディスク記録再生方法、及び光ディスク記録再生装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記の課題を解決するための手段として、以下の構成を備えている。
【0010】
(1)光ディスクを回転させる光ディスク回転手段と、
光ディスクへデータを記録するとともに、光ディスクのデータを再生する記録再生手段と、
トラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号の一方または両方の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、
上記高周波成分検出手段が、所定の閾値を超えた高周波成分を検出したとき、上記光ディスク回転手段に、光ディスクへデータを記録・再生する線速度を、光ディスクの外周側ほど低下させる制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成においては、光ディスクを回転させてデータを記録、またはデータを再生する際に、トラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号の一方または両方の高周波成分を検出し、この高周波成分が予め設定された所定の閾値の範囲を超えた場合、上記光ディスク回転手段に光ディスクの回転速度を低下させる。一般的に光ディスクの外周側ほど品位が悪くなるため、データを記録・再生する線速度を外周側ほど低下させることで、品位が悪化した影響を抑えることができる。また、光ディスクの線速度を外周側ほど低下させる場合、一定の割合で、または段階的に低下させるようにしても良い。これによって、高周波成分である偏芯加速度や面振れ加速度を確実に下げることができるので、トラッキングサーボやフォーカシングサーボが追従可能になり、データを正常に記録または再生できる。また、品位の低下に応じて回転速度を下げることができ、安定してデータの再生や記録を行うことができる。
【0018】
【発明の実施の形態】
まず、本発明の概要を説明する。本発明の光ディスク記録再生装置は、光ディスクへデータを高速で記録・再生中に、光ディスクの品位を監視し、品位の低下に対応して、記録・再生速度を低下する。具体的には、本発明の光ディスク記録再生装置は、光ディスクへデータを記録・再生中に、トラッキングエラー信号やフォーカシングエラー信号の高周波成分を監視する。光ディスク記録再生装置は、外周側ほど高い線速度になるCAV方式、または線速度一定であるCLV方式(パーシャルCAV方式やゾーンCLV方式を含む)でデータを記録・再生中に、所定の閾値以上の偏芯加速度や面振れ加速度を検出すると、所定の割合で外周ほど線速度を下げて記録または再生を行う。これにより、偏芯加速度及び面振れ加速度の周波数を下げることができるので、トラッキングサーボやフォーカシングサーボの応答性が改善され、データを正常に記録または再生できる。
【0019】
以下、本発明の詳細について説明する。まず、本発明の光ディスク記録再生装置の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示したブロック図である。図1に示したように、光ディスク記録再生装置1は、フィードモータ8、ガイドレール9、光ピックアップ10、スピンドルモータ11、RFアンプ12、サーボ回路13、アドレス検出回路14、デコーダ15、制御部16、エンコーダ17、ストラテジ回路18、レーザドライバ19、レーザパワー制御回路20、周波数発生器21、エンベロープ検出回路22、β検出回路24、記憶部25、入力部26、及び表示部27を備えている。
【0020】
フィードモータ8は、光ピックアップ10を光ディスクDの半径方向に移動させるための駆動力を供給するモータである。
【0021】
ガイドレール9は、光ピックアップ10が光ディスクDの半径方向に移動するように、光ピックアップ10を支持する。
【0022】
スピンドルモータ11は、データを記録する対象である光ディスクDを回転駆動するモータである。また、スピンドルモータ11の回転軸先端部には、光ディスクDを保持(チャッキング)するためのターンテーブルなどからなる図外の光ディスク保持機構が設けられている。
【0023】
光ピックアップ10は、レーザダイオード、レンズ及びミラーなどの光学系、戻り光(反射光)受光素子、並びにフォーカスサーボ機構などを備えている。また、記録及び再生時には光ディスクDに対してレーザ光を照射し、ピットを形成してデータを記録する。また、光ピックアップ10は、光ディスクDからの戻り光を受光して受光信号であるEFM変調されたRF信号をRFアンプ12に出力する。なお、フォーカスサーボ機構は、光ピックアップ10のレンズと光ディスクDのデータ記録面との距離を一定に保つためのサーボ機構である。また、光ピックアップ10は、モニタダイオードを備えており、光ディスクDの戻り光によってモニタダイオードに電流が生じ、この電流がレーザパワー制御回路20へ供給されるようになっている。
【0024】
周波数発生器21は、スピンドルモータ11が出力した光ディスクDの相対位置信号を検出して、光ディスクDの回転角度や回転数を検出するための信号をサーボ回路13に出力する。
【0025】
RFアンプ12は、光ピックアップ10から供給されるEFM変調されたRF信号を増幅して、増幅後のRF信号をサーボ回路13、アドレス検出回路14、エンベロープ検出回路22、β検出回路24、及びデコーダ15に出力する。
【0026】
デコーダ15は、再生時には、RFアンプ12から供給されるEFM変調されたRF信号をEFM復調して再生データを生成し、データ記憶回路25に出力する。また、デコーダ15は、データ記録時には、テスト記録によって記録された領域を再生する際に、RFアンプ12から供給されたRF信号をEFM復調する。
【0027】
アドレス検出回路14は、RFアンプ12から供給されたEFM信号からウォブル信号成分を抽出し、このウォブル信号成分に含まれる各位置の時間情報(アドレス情報)、及び光ディスクDを識別する識別情報(ディスクID)や光ディスクDの色素などディスクの種類を示す情報を復号し、制御部16に出力する。なお、上記のウォブル信号成分に含まれる各位置の時間情報(アドレス情報)、及び光ディスクDを識別する識別情報(ディスクID)やディスクの色素などディスクの種類を示す情報は、ATIP(Absolute Time In Pregroove)情報とも称する。
【0028】
β検出回路24は、光ディスクDのテスト記録領域を再生している時に、RFアンプ12から供給されるRF信号から再生信号品位に関するパラメータとしてβ(アシンメトリ)を算出し、算出結果を制御部16に出力する。ここで、βは、EFM変調された信号波形のピークレベル(符号は+)をa、ボトムレベル (符号は−)をbとすると、β=(a+b)/(a−b)で求めることができる。
【0029】
エンベロープ検出回路22は、光ディスクDへテスト記録を行う前に、光ディスクDのテスト領域のどの部分からテスト記録を開始するかを検出するために、上述した光ディスクDのカウント領域112bにおけるEFM信号のエンベロープを検出する。
【0030】
サーボ回路13は、スピンドルモータ11の回転制御、並びに光ピックアップ10のフォーカス制御、トラッキング制御、及びフィードモータ8による光ピックアップ10の送り制御を行う。ここで、本実施形態に係る光ディスク記録再生装置1では、記録時には光ディスクDを角速度一定で駆動する方式であるCAV(Constant Angular Velocity)方式と、光ディスクDを線速度一定にして駆動 する方式であるCLV(Constant Linear Velocity)方式と、を切り替えて行うことができるようになっている。そのため、サーボ回路13は、制御部16から供給される制御信号に応じてCAV方式とCLV方式とを切り替える。サーボ回路13はCAV制御の場合、周波数発生器21によって検出されるスピンドルモータ11の回転数が、設定された回転数と一致するように制御する。また、サーボ回路13は、CLV制御の場合、RFアンプ12から供給された信号のウォブル信号成分が設定された線速度倍率相当になるようにスピンドルモータ11を制御する。また、サーボ回路13は、偏芯加速度検出回路23、及び面振れ加速度検出回路28を備えている。偏芯加速度検出回路23は、フォーカシングエラー信号の高周波成分を検出する。そして、偏芯加速度検出回路23は、図外のウインドコンパレータで、予め設定された2つの異なる閾値の範囲外であるフォーカシングエラー信号の高周波成分を検出すると、異常検出信号を制御部16に出力する。また、面振れ加速度検出回路28は、トラッキングエラー信号の高周波成分を検出する。そして、面振れ加速度検出回路28は、偏芯加速度検出回路23と同様、図外のウインドコンパレータで、予め設定された2つの異なる閾値の範囲外であるトラッキングエラー信号の高周波成分を検出すると、異常検出信号を制御部16に出力する。
【0031】
エンコーダ17は、メイン制御部7から出力された記録データをEFM変調し、ストラテジ回路18に出力する。ストラテジ回路18は、エンコーダ17からのEFM信号に対して時間軸補正処理などを行い、レーザドライバ19に出力する。レーザドライバ19は、ストラテジ回路18から供給される記録データに応じて変調された信号と、レーザパワー制御回路20の制御信号と、に従って光ピックアップ10のレーザダイオードを駆動する。
【0032】
レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のレーザダイオードから照射されるレーザ光のパワーを制御する。具体的には、レーザパワー制御回路20は、光ピックアップ10のモニタダイオードから出力される電流値と、制御部16から送信される最適なレーザパワーの目標値を示す情報と、に基づいて、最適なレーザパワーのレーザ光が光ピックアップ10から照射されるように、レーザドライバ19を制御する。
【0033】
制御部16は、CPU、ROM、及びRAM等から構成されており、ROMに格納されたプログラムに従って光ディスク記録再生装置1の各部を制御して、光ディスクにデータの記録や可視画像の形成を行う。また、光ディスクに記録されたデータの再生を行う。また、制御部16は、セットされた記録用光ディスクの種類を判別するために、サーボの自動調整を行い、サーボ回路13、レーザパワー制御回路20、エンコーダ17にそれぞれ所定の信号を出力する。これらの信号が出力されると、光ピックアップ10は、所定の位置に移動するとともに、レーザ光を記録用光ディスクに照射して、データの記録を行う。また、光ディスクに記録されたデータの確認、再生、光ディスクの記録エラー位置の検出などを行う場合、光ピックアップ10の受光素子は、照射光の戻り光を受光して、受光量に応じた電気信号をRFアンプ12に出力する。RFアンプ12は、この信号を増幅してデコーダ15やβ検出回路24、アドレス検出回路14、及びエンベロープ検出回路22に出力する。制御部16は、これらの回路からの信号に基づいて上記の各処理を行う。また、制御部16は、サーボ回路13の偏芯加速度検出回路23、または面振れ加速度検出回路28から異常検出信号が出力されると、この異常検出信号が所定の時間中に一定回数以上検出されるか否かを監視し、一定回数以上検出信号が検出されると、サーボ回路13に制御信号を出力して、スピンドルモータ11の回転を徐々に低下させる。
【0034】
記憶部25は、実験などを行って予め求めたデータや、光ディスク記録再生装置1のファームウェアなどを記憶する。入力部26は、ユーザが光ディスク記録再生装置1の各種制御や操作を行う。表示部27は、光ディスクDに記録したデータの信号品位や、光ディスク記録再生装置1からユーザに伝達する情報などを表示する。
【0035】
次に、光ディスク記録再生装置1が、図6に示したような光ディスクにデータを記録・再生し、トラッキングエラー信号やフォーカシングエラー信号の高周波成分を検出した際の動作について説明する。図2は、トラックの偏芯とトラッキングエラー信号の波形図である。サーボ回路13に設けられた図外のトラッキングエラー検出回路は、光ディスク全体の偏芯を検出してトラッキングサーボを行っている。また、偏芯加速度検出回路23は、ハイパスフィルタやコンパレータなどを備え、前記のように、光ディスクの部分的な歪みによるプリグルーブの変形などの偏芯を検出する。図2(A)は、光ディスクの回転中心からのトラックの距離の変化を示す図である。光ディスク全体の偏芯による信号41の波形に、部分的な歪みによる高周波成分42が重畳した波形となっている。このうち、光ディスク全体の偏芯については、トラッキングサーボを行うことで追従できるため、偏芯加速度検出回路23が検出する検出信号は、図2(B)に示したように、ほぼ偏芯加速度のみの波形になる。
【0036】
前記のように、偏芯加速度は、所定の大きさ以上になるとトラック飛びの原因となる。また、偏芯加速度による成分は、図2(C)に示したように、S字波形43となる。そのため、偏芯加速度検出回路23には、ウインドコンパレータが設けられており、偏芯加速度が、予め設定された2つの異なる閾値44,45の範囲外となると、異常検出信号46を制御部16に出力する。
【0037】
制御部16は、偏芯加速度検出回路23から出力された異常検出信号を検出すると、スピンドルモータ11の回転速度を下げるために、サーボ回路13へ制御信号を出力する。スピンドルモータ11の回転速度を低下させることで、光ディスクへのデータ記録速度、または光ディスクのデータ再生速度を低下することができる。
【0038】
ここで、上記のように、偏芯加速度検出回路23から異常検出信号が出力されると、すぐに光ディスクの回転速度を下げるようにしても良いが、以下のように設定することで、誤動作を防止できる。すなわち、光ディスク記録再生装置1の制御部16は、偏芯加速度検出回路23で検出した高周波成分(偏芯加速度)を一定時間中に一定回数以上検出した場合に、光ディスクの品位が悪化したとして、光ディスクの回転速度を低下させて、光ディスクの記録速度または再生速度を低下させると良い。これは、ゴミや埃による高周波成分を検出したために、光ディスク記録再生装置1が誤動作するのを防ぐためである。
【0039】
つまり、光ディスク記録再生装置1は、光ディスクの記録面にゴミや埃が付着していた場合でも、トラッキングエラーによる偏芯加速度を検出するが、ゴミは微少であるため、検出回数は、光ディスクの部分的な歪みによる偏芯加速度を検出する回数よりも少ない。そこで、部分的な歪みのみを検出できるように、閾値となる回数を実験などにより求めて、この回数を制御部16に設定する。これにより、光ディスク記録再生装置1がゴミや埃による誤動作するのを防止できる。なお、散在する複数のゴミで誤動作しないように、検出期間を所定時間に限っている。
【0040】
図3は、光ディスクの半径位置と、記録・再生速度と、の関係を示した図である。光ディスク記録再生装置1に、光ディスクへの記録・再生速度を低下させるように設定する場合、図3(A)に示したように、速度が一定の割合で低下するように設定すると良い。これは、前記のように光ディスクは、外周側ほど品位が悪い傾向にあるからである。
【0041】
また、図3(B)に示したように、異常を検出した位置以降の領域を半径方向に複数の領域に分割し、各領域内では線速度一定とし、外周側の領域ほど段階的に線速度を下げるように設定しても良い。さらに、図3(C)に示したように、異常を検出すると、記録を一時中断して記録速度を下げてから、書き継ぎするように設定しても良い。この場合、書き継ぎ後の記録速度は、一定の割合で低下するように設定すると良い。また、図3(D)に示したように、異常を検出して一定の割合で記録速度を低下中に、再度一定時間以上偏芯加速度を検出した場合、記録速度の低下率をさらに大きく設定するようにしても良い。
【0042】
また、光ディスクの回転速度を低下させて記録・再生速度を下げる場合、線速度を低下させても良いし、光ディスクの角速度を低下させても良い。
【0043】
また、部分的な歪みなどの異常検出は、データを記録中にリアルタイムで行っても良いし、データを記録する前に、光ディスク全体や光ディスクの所定の径よりも外周部をトレースして、偏芯加速度を検出して品位の悪い部分の位置を把握しておき、データの記録位置がその位置になると、記録速度を低下させるようにすることもできる。また、品位の悪い部分が複数ある場合は、その分布状況に応じて段階的に記録速度を低下させるようにしても良い。
【0044】
さらにまた、光ディスクの異常は光ディスクの外周側に多く発生するが、内周側ではほとんど発生しないので、上記のように光ディスク全体をトレースするのではなく、例えば光ディスクの外周側1/3の領域をトレースするように設定することもできる。
【0045】
次に、光ディスク記録再生装置1の偏芯加速度を検出した際の動作について、フローチャートを用いて説明する。図4は、光ディスク記録再生装置の偏芯加速度を検出した際の動作を説明するためのフローチャートである。なお、以下の説明では、光ディスク記録再生装置1がCAV方式で光ディスクへデータを記録した場合について説明する。また、光ディスク記録再生装置1は、異常を検出すると、記録速度(線速度)を一定の割合で低下させるように設定されているものとする。さらに、データの記録中または再生中には、偏芯加速度検出回路23が偏芯加速度を常に検出しているものとする。
【0046】
光ディスク記録再生装置1の制御部16は、以下の手順でトラッキングエラーを検出する。制御部16は、ユーザが入力部からデータの記録指示入力を行ったことを検出すると、光ディスクにデータの記録を開始する(s1)。なお、光ディスク記録再生装置1は、データの記録前にOPCを行うが、この処理の説明を省略する。また、光ディスク記録再生装置1は、データの記録中にランニングOPCを行うが、この処理の説明を省略する。
【0047】
偏芯加速度検出回路23は、データを光ディスクへ記録中に、2つの異なる閾値の間を超えた偏芯加速度を検出すると(s2)、制御部16へ異常検出信号を出力する(s3)。制御部16は、異常検出信号を検出すると、図外のタイマを起動して所定時間の計時を開始するとともに、引き続き異常検査信号を検出して、検出回数を図外のカウンタで計数する(s4)。
【0048】
制御部16は、一定時間が経過するまでに検出信号を検出した回数が一定回数未満の場合は(s5)、次にs1の処理を行う。一方、制御部16は、一定時間が経過するまでに一定回数以上検出信号を検出すると(s5)、サーボ回路13にスピンドルモータの回転速度を低下させるための制御信号を出力する(s6)。例えば、光ディスクに部分的な歪みがあり、光ディスクが1回転する間にこの歪みが1回偏芯加速度として検出され、光ディスクの回転数が120回転/秒の場合、90回以上異常検出信号を検出すると、スピンドルモータの回転速度を低下させるための制御信号を出力する。サーボ回路13はこの制御信号を検出すると、スピンドルモータ11の回転速度を一定の割合で低下させるように制御する(s7)。これにより、光ディスクDへのデータへ記録速度(線速度)は、一定での割合で外周側ほど低下する。
【0049】
光ディスク記録再生装置1の制御部16は、光ディスクDへのデータ記録が完了するまで一定の割合で記録速度を低下させ、データ記録が完了すると(s8)、データ記録処理を終了する。
【0050】
なお、上記の説明では、トラッキングエラー信号の高周波成分である偏芯加速度を検出する場合について説明するが、フォーカシングエラー信号の高周波成分である面振れ加速度を検出する場合も同様の処理を行うようにすると良い。
【0051】
また、上記の説明では、光ディスクへデータを記録する場合について説明したが、光ディスクに記録されたデータを再生する場合も、同様の処理を行うようにすると良い。これにより、再生エラーが発生しても、従来のように何度もデータを再生しようとするのではなく、すぐに再生速度を低下させるので、高周波成分の影響が緩和されて、スムーズにデータを再生することができる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0053】
(1)高周波成分である偏芯加速度や面振れ加速度を確実に下げることができるので、トラッキングサーボやフォーカシングサーボが追従可能になり、データを正常に記録または再生できる。また、品位の低下に応じて回転速度を下げることができ、安定してデータの再生や記録を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る光ディスク記録再生装置の構成を示したブロック図である。
【図2】トラックの偏芯とトラッキングエラー信号の波形図である。
【図3】光ディスクの半径位置と、記録・再生速度と、の関係を示した図である。
【図4】光ディスク記録再生装置の偏芯加速度を検出した際の動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】光ディスクの射出成形の様子を示した概念図である。
【図6】光ディスクのプリグルーブの歪みを示した模式図である。
【符号の説明】
D−光ディスク
1−光ディスク記録再生装置
10−光ピックアップ
16−制御部
18−ストラテジ回路
20−レーザパワー制御回路
23−偏芯加速度検出回路
28−面振れ加速度検出回路
25−記憶部
Claims (1)
- 光ディスクを回転させる光ディスク回転手段と、
光ディスクへデータを記録するとともに、光ディスクのデータを再生する記録再生手段と、
トラッキングエラー信号及びフォーカシングエラー信号の一方または両方の高周波成分を検出する高周波成分検出手段と、
上記高周波成分検出手段が、所定の閾値を超えた高周波成分を検出したとき、上記光ディスク回転手段に、光ディスクへデータを記録・再生する線速度を、光ディスクの外周側ほど低下させる制御手段と、を備えた光ディスク記録装置。
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