JP3732983B2 - 光ディスク記録再生装置のレーザー出力制御方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式ピックアップより照射されるレーザー光によってディスクに信号を記録するとともにレーザー光によってディスクに記録されている信号の再生動作を行うように構成された光ディスク記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学式ピックアップを用いてディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うディスクプレーヤーが普及しているが、最近では、再生機能に加えて光学式ピックアップより照射されるレーザー光によってディスクに信号を記録することが出来るように構成された光ディスク記録再生装置が商品化されている。
【0003】
斯かる光ディスク記録再生装置では、レーザー光によってディスク上にピットを形成するように構成されているが、レーザー光の出力が最適でなかった場合には、ピットの形状が大きすぎたり小さすぎたりすることになる。そのため、斯かる光ディスク記録再生装置に使用されるディスクには、最内周側に試し書き領域が設けられており、その試し書き領域に信号を記録した後再生し、その再生信号を検出することによって記録のためのレーザー出力を設定するように構成されているが、斯かる技術としては、例えば特開平6−76288号公報に開示されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクに信号を記録する動作は、レーザー素子より出力されるレーザー光によって該ディスク上に設けられている信号トラックにピットを形成することによって行われるが、そのピットの大きさは規定の大きさになるように設定されている。斯かる信号の記録動作は、ディスクを所定の線速度一定の状態にて回転駆動させることによって行われるが、最近では、記録動作時の線速度を所定の速度の数倍にした状態にて行うことが出来るようにした光ディスク記録再生装置が製品化されている。
【0005】
ディスクに信号を記録する場合には、レーザー素子より照射されるレーザー光の出力を記録に適した値に保持する必要があり、斯かるレーザー光の出力制御動作は、レーザー素子より照射されるレーザー光をモニターダイオードにてモニターし、そのモニターされた信号に基づいてレーザー素子に供給する駆動電流を制御することによって行われている。しかしながら、ディスクに信号を記録している状態では、ディスク面より反射される光がモニターダイオードに照射されるため、正確なモニター信号を得ることが出来ずレーザー光の出力制御動作を正確に行うことが出来ないという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる問題を解決した光ディスク記録再生装置のレーザー出力制御方法を提供しようとするものである。
【0007】
【作用】
本発明は、オフフォーカス状態においてレーザー出力制御回路を動作させることによりレーザー素子に供給される記録電流値を求め、前記レーザー出力制御回路による制御動作を行わない状態にて前記記録電流値をレーザー素子に供給することによりディスクへの信号の記録動作を行うようにしたものである。
【0008】
【実施例】
図1は本発明に係る光ディスク記録再生装置の一実施例を示すブロック回路図である。図1において、1はスピンドルモーター(図示せず)によって回転駆動されるターンテーブル(図示せず)に載置されるとともに該ターンテーブルの回転により回転駆動されるディスクであり、位置情報データがウォブルと呼ばれる溝によって記録されており、この溝より得られるウォブル信号に基づいて信号の記録再生動作が行われるように構成されている。2はディスク1にレーザー光を照射させるレーザー素子及び該レーザー素子より照射されるレーザー光をモニターするモニター用ダイオードが組み込まれているとともにディスク1の信号面より反射されるレーザーを受ける光検出器が組み込まれている光学式ピックアップであり、ディスク1の径方向へ変位せしめられるように構成されている。
【0009】
3は前記光学式ピックアップ2に組み込まれている光検出器から得られるRF信号を増幅するとともに波形成形するRF信号増幅回路、4は前記RF信号増幅回路4を介して得られる信号に基づいて前記光学式ピックアップ2より照射されるレーザー光をディスク1の信号面に合焦させるフォーカシング制御動作及び該レーザー光を前記信号面の信号トラックに追従させるトラッキング制御動作を行うピックアップ制御回路である。
【0010】
5は前記RF信号増幅回路3より出力される信号のデジタル信号処理を行うとともに各種信号の復調動作を行うデジタル信号処理回路、6は前記デジタル信号処理回路5にて信号処理されたデジタル信号が入力される信号再生用回路であり、ディスク1に記録されている情報がオーディオ信号である場合には、アナログ信号に変換した後増幅器等に出力し、コンピューターソフトのようなデータ信号の場合にはデジタル信号のままコンピューター装置7に出力する作用を成すものである。
【0011】
8は前記デジタル信号処理回路5により復調された信号が入力されるとともに前記コンピュータ装置7より出力される動作切換用の制御信号に応じて種々な制御動作を行うシステム制御回路であり、ディスク1に設けられている試し書き領域にテスト信号を記録するためのプログラムが記憶されているメモリ回路が組み込まれているとともに前記ピックアップ制御回路4の光学式ピックアップ2に対する制御動作を制御するように構成されている。
【0012】
9は前記光学式ピックアップ2に組み込まれているレーザー素子に駆動信号を供給するレーザー駆動回路、10は前記システム制御回路8によって動作が制御されるとともにレーザー駆動回路9よりレーザー素子に供給される駆動信号の制御動作を行うレーザー出力制御回路であり、前記光学式ピックアップ2に組み込まれているモニター用ダイオードより得られるモニター信号に基づいてレーザー素子に供給される駆動信号の制御動作を行うように構成されている。11はテスト信号や情報信号等の記録信号が入力されるとともにその信号に対応させて前記レーザー駆動回路9によるレーザー光の照射動作を制御することによって信号を前記ディスク1に記録させる信号記録用回路である。12は前記光学式ピックアップ2の温度を検出する温度検出回路であり、その出力信号は前記システム制御回路8に入力されるように構成されている。
【0013】
以上の如く、本発明に係る光ディスク記録再生装置は構成されているが、次に斯様に構成された回路における再生動作について説明する。コンピューター装置7より出力される再生用の切換信号がシステム制御回路8に入力されると、システム制御回路8による再生動作のための制御動作が開始される。斯かる再生動作が行われる場合には、光学式ピックアップ2に組み込まれているレーザー素子には、信号の読み出し動作を行うためのレーザー出力が得られる駆動電流がレーザー駆動回路9より供給されるように設定されている。
【0014】
斯かる再生動作のための制御動作が開始されると、スピンドルモーター駆動回路(図示せず)によるスピンドルモーターの回転制御動作が行われるとともに光学式ピックアップ2のフォーカシング制御動作及びトラッキング制御動作が開始されて該光学式ピックアップ2によるディスク1からの信号の読み出し動作が開始される。前記光学式ピックアップ2によって読み出された信号は、RF信号増幅回路3を通してデジタル信号処理回路5に入力されて信号の復調動作が行われる。前記デジタル信号処理回路5により信号処理が行われて情報データが抽出されると、該情報データは誤り訂正等の信号処理が行われた後、信号再生用回路6に印加される。
【0015】
そして、前記信号再生用回路6は、ディスク1から読み出された情報データがオーディオ信号である場合には、アナログ信号に変換した後増幅器等に出力し、コンピューターソフトのようなデータ信号の場合にはデジタル信号のままコンピューター装置7に出力することになる。
【0016】
斯かる回路構成において、信号の記録動作を行うためにディスク1をディスクの装着部に挿入すると、レーザー出力の設定動作が行われる。斯かるレーザー出力の設定動作は、記録動作に使用されるディスクの特性に最も適したレーザー出力を得るために行われるものであり、システム制御回路8内に設けられているメモリー回路に記憶されているプログラムに基づいて行われる。
【0017】
記録動作に使用されるディスク1の種類を検出し、その種類に合わせて設定されているレーザー出力が得られる値の記録電流をレーザー駆動回路9よりレーザー素子に対して供給する。斯かる記録電流をレーザー駆動回路9よりレーザー素子に供給した状態にてレーザー出力制御回路10による制御動作を行うが、このときシステム制御回路8のピックアップ制御回路4に対する制御動作によってレーザー光をディスク1の信号面に合焦させない状態、即ちオフフォーカス状態にする。オフフォーカス状態では、ディスク1の信号面からの反射光が無いため、光学式ピックアップ2内に設けられているモニター用ダイオードに反射光が照射されることはない。
【0018】
従って、斯かる状態において、モニター用ダイオードより得られるモニター信号はレーザー素子より照射された光が直接モニター用ダイオードに照射された信号に対応した信号となるため、レーザー出力制御回路10によるレーザー出力制御動作が正確に行われることになる。このようなレーザー出力制御動作が行われているときには、レーザー駆動回路9よりレーザー素子に供給される記録電流は一定の値になるように制御されることになる。このとき、レーザー素子に供給される記録電流値をシステム制御回路8によって取り込みメモリー回路に記憶させる。
【0019】
このようにして記録電流値の測定動作が完了すると、次にこの記録電流値に基づいて記録電流値を段階的に変化させながらテスト信号を記録するとともにその記録された信号を再生することによってディスク1に信号を記録するために最適な記録電流値の設定動作が行われる。
【0020】
レーザー素子へ供給される駆動電流の大きさを段階的に変化させるとレーザー素子より出力されるレーザー光の出力が変化するため、ディスク1に記録される信号のレベルも変化することになる。そして、レーザー出力に対するディスク1に記録される信号のレベルを検出し、再生される信号のレベルが所望の値になると、そのときのレーザー出力が記録動作を行うためのレーザー出力として設定される。このようにして設定されたレーザー出力によって信号記録領域へのデータ信号の記録動作が開始される。そして、斯かる記録動作は、レーザー出力制御回路10による制御動作、即ちモニター信号に基づく制御動作が行われないレーザー光によって行われる。
【0021】
以上に説明したようにレーザー出力の設定動作及び信号の記録動作は行われるが、記録動作が行われるとき、温度検出回路12による光学式ピックアップ2の温度検出動作が行われた状態にあり、その検出信号がシステム制御回路8に入力された状態にある。斯かる検出信号がシステム制御回路8に入力されると、該システム制御回路8よりレーザー出力制御回路10に対して制御信号が印加され、レーザー出力を補正する動作が行われる。即ち、光学式ピックアップ2の温度変化に応じてレーザー駆動回路9よりレーザー素子に供給される駆動電流値を補正することによってレーザー素子より照射されるレーザー光の出力を補正する動作が行われる。従って、光学式ピックアップ2の温度が変化してもディスク1に信号を記録するために最適なレーザー出力を維持することが出来る。
【0022】
【発明の効果】
本発明は、光学式ピックアップに組み込まれているレーザー素子より照射されるレーザー光の出力変化を検出することによってレーザー素子より出力されるレーザー光の出力を自動制御するレーザー出力制御回路を備えた光ディスク記録再生装置において、オフフォーカス状態においてレーザー出力制御回路を動作させることによりレーザー素子に供給される記録電流値を求め、前記レーザー出力制御回路による制御動作を行わない状態にて前記記録電流値をレーザー素子に供給することによりディスクへの信号の記録動作を行うようにしたので、ディスクより反射される光による影響を受けることが無く、最適な記録電流値による記録動作を行うことが出来る。
【0023】
また、本発明は、オフフォーカス状態にて決定された記録電流値に基づいてディスクの特性に合致した最適記録電流値を設定するようにしたので、正確な最適記録電流値を得ることが出来る。
【0024】
そして、本発明は、光学式ピックアップの温度変化を検出するとともにその温度変化に基づいてレーザー素子に供給される記録電流値を補正制御するようにしたので、長時間の記録動作を行っても常に記録動作に適したレーザー出力を得ることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザー出力制御方法に係る光ディスク記録再生装置の一実施例を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 光学式ピックアップ
3 RF信号増幅回路
4 ピックアップ制御回路
5 デジタル信号処理回路
7 コンピューター装置
8 システム制御回路
9 レーザー駆動回路
10 レーザー出力制御回路
12 温度検出回路
Claims (3)
- 光学式ピックアップに組み込まれているレーザー素子より照射されるレーザー光の出力変化を検出することによってレーザー素子より出力されるレーザー光の出力を自動制御するレーザー出力制御回路を備えた光ディスク記録再生装置において、オフフォーカス状態においてレーザー出力制御回路を動作させることによりレーザー素子に供給される記録電流値を求め、前記レーザー出力制御回路による制御動作を行わない状態にて前記記録電流値をレーザー素子に供給することによりディスクへの信号の記録動作を行うようにしたことを特徴とする光ディスク記録再生装置のレーザー出力制御方法。
- 記録電流値に基づいてディスクの特性に合致した最適記録電流値を設定するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザー出力制御方法。
- 光学式ピックアップの温度変化を検出するとともにその温度変化に基づいてレーザー素子に供給される記録電流値を補正制御するようにしたことを特徴とする請求項1に記載のレーザー出力制御方法。
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