JP3744765B2 - 光ディスク記録再生装置のレーザー出力設定方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光学式ピックアップより照射されるレーザーによってディスクに信号を記録するとともにレーザーによってディスクに記録されている信号の再生動作を行うように構成された光ディスク記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学式ピックアップを用いてディスクに記録されている信号の読み出し動作を行うディスクプレーヤーが普及しているが、最近では、再生機能に加えて光学式ピックアップより照射されるレーザーによってディスクに信号を記録することが出来るように構成された光ディスク記録再生装置が商品化されている。
【0003】
斯かる光ディスク記録再生装置では、レーザーによってディスク上にピットを形成するように構成されているが、レーザーの出力が最適でなかった場合には、ピットの形状が大きすぎたり小さすぎたりすることになる。そのため、斯かる光ディスク記録再生装置に使用されるディスクには、最内周側に試し書き領域が設けられており、その試し書き領域に信号を記録した後再生し、その再生信号を検出することによって記録のためのレーザー出力を設定するように構成されているが、斯かる技術としては、例えば特開平6−76288号公報に開示されたものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ディスクに信号を記録する動作は、レーザー素子より出力される光ビームによって該ディスク上に設けられている信号トラックにピットを形成することによって行われるが、そのピットの大きさは規定の大きさになるように設定されている。斯かる信号の記録動作は、ディスクを所定の線速度一定の状態にて回転駆動させることによって行われるが、最近では、記録動作時の線速度を所定の速度の数倍にした状態にて行うことが出来るようにした光ディスク記録再生装置が製品化されている。
【0005】
光ディスク記録再生装置における信号の記録動作は、ディスクに設けられている信号記録領域に対して行われるが、斯かる記録動作は、信号の記録位置を示す情報データをディスクの内周側に設けられているPMAと呼ばれるバッファ領域に記録し、そのバッファ領域に記録されている情報データを利用することによって所望の位置より信号の記録動作を開始させるように構成されている。
【0006】
また、斯かる光ディスク記録再生装置では、前記バッファ領域より更に内周側に設けられている試し書き領域にテスト信号を記録することによってディスクの特性に合致したレーザー出力を設定するように構成されているが、試し書き領域には制限があり、例えば100回の設定動作を行うことが出来るように規定されている。そして、斯かるディスクは、前述した設定動作が何回行われたかを示すカウント数を記録するカウント領域が前記試し書き領域とバッファ領域との間に設けられており、設定動作が終了する毎にカウント数が記録されるように構成されている。
【0007】
斯かる光ディスク記録再生装置では、テスト信号の記録動作によるレーザー出力の設定動作を100回行うと、次のレーザー出力の設定動作を行うことが出来ないため、最適なレーザー出力では無い出力によって記録動作が行われることになり、記録動作を正確に行うことが出来ないという問題がある。
【0008】
本発明は、斯かる問題を解決した光ディスク記録再生装置のレーザー出力設定方法を提供しようとするものである。
【0009】
【作用】
本発明は、ディスクの内周側に設けられている試し書き領域にテスト信号を記録することによってレーザー出力の設定動作を行うとともに試し書き領域の外側に設けられているバッファ領域に信号の記録位置を示す情報データを記録するように構成された光ディスク記録再生装置において、レーザー出力の設定動作が行われたとき、バッファ領域にその設定されたデータを記録データとして記録するようにしたものである。
【0010】
【実施例】
図1は本発明のレーザー出力設定方法を示すフローチャート、図2は本発明に係る光ディスク記録再生装置の一実施例を示すブロック回路図である。
【0011】
図2において、1はスピンドルモーター(図示せず)によって回転駆動されるターンテーブル(図示せず)に載置されるとともに該ターンテーブルの回転により回転駆動されるディスクであり、位置情報データがプリグルーブと呼ばれる蛇行した溝によって記録されており、この溝より得られるウォブル信号に基づいて信号の記録再生動作が行われるように構成されている。2はディスク1に光ビームを照射させるレーザー素子及び該レーザー素子より照射される光をモニターするモニター用ダイオードが組み込まれているとともにディスク1の信号面より反射される光ビームを受ける光検出器が組み込まれている光学式ピックアップ、3は前記光学式ピックアップ2をディスク1の径方向に移動させるピックアップ送り用モーターである。
【0012】
4は前記光学式ピックアップ2に組み込まれている光検出器から得られるRF信号を増幅するとともに波形成形するRF信号増幅回路、5は前記RF信号増幅回路4を介して得られる信号に基づいて前記光学式ピックアップ2の光ビームをディスク1の信号面に合焦させるフォーカシング制御動作及び該光ビームを前記信号面の信号トラックに追従させるトラッキング制御動作を行うピックアップ制御回路である。
【0013】
6は前記RF信号増幅回路4より出力される信号のデジタル信号処理を行うとともに各種信号の復調動作を行うデジタル信号処理回路、7は前記デジタル信号処理回路6にて信号処理されたデジタル信号が入力される信号再生用回路であり、ディスク1に記録されている情報がオーディオ信号である場合には、アナログ信号に変換した後増幅器等に出力し、コンピューターソフトのようなデータ信号の場合にはデジタル信号のままコンピューター装置8に出力する作用を成すものである。
【0014】
9は前記デジタル信号処理回路6により復調された信号が入力されるとともに前記コンピューター装置8の操作に応じて種々な制御動作を行うシステム制御回路である。10は前記システム制御回路9によって動作が制御されるピックアップ送り用モーター駆動回路であり、前記ピックアップ送り用モーター3を回転駆動制御する作用を有している。
【0015】
11は前記光学式ピックアップ2に組み込まれているレーザー素子を駆動する信号を供給するレーザー駆動回路、12は前記システム制御回路9によって動作が制御されるレーザー出力制御回路であり、前記レーザー駆動回路11を制御することによってレーザーの出力を設定するように構成されている。13はテスト信号や情報信号等の記録信号が入力されるとともにその信号に対応させて前記レーザー駆動回路11によるレーザーの照射動作を制御することによって信号を前記ディスク1に記録させる信号記録用回路である。
【0016】
斯かる構成において、ディスク1の特性に適したレーザー出力を設定する動作は、ディスク1の内周側に設けられている試し書き領域にテスト信号をレーザーの出力を変化させながら記録することによって行われるが、斯かる動作は周知であるため、その説明は省略する。また、レーザー出力の設定動作が終了するとカウント領域に設定された回数を示す信号を記録する動作が行われる。
【0017】
更に、レーザー出力の設定動作が終了すると、ディスク1に設けられているとともに信号の記録位置を示す情報データが記録されるバッファ領域にレーザー出力の設定動作によって得られた記録データを記録する動作が行われる。
【0018】
以上の如く、本発明に係る光ディスク記録再生装置は構成されているが、次に斯様に構成された回路における再生動作について説明する。コンピューター装置8より再生動作を行うための命令信号が出力されると、システム制御回路9による再生動作のための制御動作が開始される。斯かる再生動作が行われる場合には、光学式ピックアップ2に組み込まれているレーザー素子には、信号の読み出し動作を行うためのレーザー出力が得られる駆動電流がレーザー駆動回路11より供給されるように設定されている。
【0019】
斯かる再生動作のための制御動作が開始されると、スピンドルモーター駆動回路(図示せず)によるスピンドルモーターの回転制御動作が行われるとともに光学式ピックアップ2のフォーカシング制御動作及びトラッキング制御動作が開始されて該光学式ピックアップ2によるディスク1からの信号の読み出し動作が開始される。前記光学式ピックアップ2によって読み出された信号は、RF信号増幅回路4を通してデジタル信号処理回路6に入力されて信号の復調動作が行われる。前記デジタル信号処理回路6により信号処理が行われて情報データが抽出されると、該情報データは誤り訂正等の信号処理が行われた後、信号再生用回路7に印加される。
【0020】
そして、前記信号再生用回路7は、ディスク1から読み出された情報データがオーディオ信号である場合には、アナログ信号に変換した後増幅器等に出力し、コンピューターソフトのようなデータ信号の場合にはデジタル信号のままコンピューター装置8に出力することになる。
【0021】
以上に説明したように本実施例における再生動作は行われるが、次に本発明の要旨であるレーザー出力設定方法について、図1に示したフローチャートを参照にして説明する。
【0022】
斯かる回路構成において、信号の記録動作を行うためにディスク1をディスクの装着部に挿入すると、システム制御回路9内に設けられているメモリー回路に記憶されているプログラムに基づいてレーザー出力の設定動作が行われる。
【0023】
信号の記録動作を行うためにディスク1をディスクの装着部に挿入すると、まず挿入されたディスク1がブランクディスク、即ち信号が全く記録されていないディスクであるか否かの判定動作が行われる(ステップA)。ステップAの判定動作によってディスク1がブランクディスクであると判定されると、ディスク1の内周側に設けられている試し書き領域にテスト信号の記録動作を行うことによってレーザー出力等の記録条件を設定するとともに試し書き領域の外周側に設けられているカウント領域にカウント数を記録する(ステップB)。斯かる記録条件の設定動作が終了すると、前記カウント領域の外周側に設けられているバッファ領域に設定された記録条件を示す記録データを記録する(ステップC)。
【0024】
斯かる動作が終了すると、ステップBにて設定された記録条件によって信号の記録動作を行う(ステップD)。斯かる記録動作は、設定された記録条件に基づいてレーザー出力制御回路12による制御動作が行われ、レーザー駆動回路11より光学式ピックアップ2に組み込まれているレーザー素子にディスク1の特性に合致したレーザー出力が得られる駆動信号が出力される。そして、ピックアップ送り用モーター駆動回路10によるピックアップ送り用モーター3の回転駆動動作及びピックアップ制御回路5による制御動作によって光学式ピックアップ2を信号の記録動作を行う位置に移動せしめ、斯かる移動動作によって光ビームが所望の位置に移動したとき、ディスク1への記録動作が開始される。
【0025】
記録動作に使用されるディスク1がブランクディスクの場合の動作は前述したように行われるが、次にブランクディスクで無い場合の動作について説明する。ステップAにおいて、ブランクディスクでは無いと判定されると、光学式ピックアップ2をバッファ領域に移動させて該バッファ領域に記録されている信号を再生するための動作を行う(ステップE)。バッファ領域に記録されている信号の再生動作が行われると、該バッファ領域に記録データが記録されているか否かの判定動作が行われる(ステップF)。
【0026】
ステップFにて、記録データが記録されていないと判定されると、前述したブランクディスクの場合と同様にステップBの動作、即ち試し書き領域へのテスト信号の記録動作による記録条件の設定動作及びカウント領域へのカウント数の記録動作が行われる。斯かる動作が行われると、前述したようにステップCの動作を行った後、所望の記録領域への信号の記録動作を開始する。
【0027】
ステップFにて、記録データが記録されていると判定されると、読み出された記録データに基づいて記録条件が正しい条件か否かの判定動作が行われる(ステップG)。ステップGにて記録条件が正しい条件ではないと判定されると、前述したステップB、ステップC、そしてステップDの動作が行われて、信号の記録動作が行われる。
【0028】
ステップGにて、記録条件が正しい条件であると判定されると、その記録条件である記録データに基づいて記録条件の設定動作が行われる(ステップH)。このように記録条件の設定動作が終了すると、ステップDに進みディスク1の所望の位置における信号の記録動作が行われることになる。
【0029】
【発明の効果】
本発明のレーザー出力設定方法は、レーザー出力の設定動作を行う場合に使用するディスクがブランクディスクであるか否か、ブランクディスクではない場合には、バッファ領域に記録データが記録されているか否か、そして記録データが記録されている場合には、記録条件は正しいか否かを判定することによってレーザー出力の設定等の記録条件を設定するようにしたので、レーザー出力の設定動作を効率良く速やかに行うことが出来る。
【0030】
また、本発明は、試し書き領域にテスト信号を記録することによるレーザー出力の設定動作が行われると、設定されたレーザー出力等の記録データをバッファ領域に記録し、その記録された記録データを読み出すことによって記録動作を開始させるようにしたので、試し書き領域を利用するレーザー出力の設定動作を行う回数を減らすことが出来る。従って、本発明によれば試し書き領域を使用したレーザー出力の設定動作が行われた回数が記録されるカウント領域が不足するという問題の発生を防止することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のレーザー出力設定方法を示すフローチャートである。
【図2】本発明のレーザー出力設定方法に係る光ディスク記録再生装置の一実施例を示すブロック回路図である。
【符号の説明】
1 ディスク
2 光学式ピックアップ
4 RF信号増幅回路
5 ピックアップ制御回路
6 デジタル信号処理回路
9 システム制御回路
11 レーザー駆動回路
12 レーザー出力制御回路
Claims (1)
- ディスクの内周側に設けられている試し書き領域にテスト信号を記録することによってレーザー出力の設定動作を行うとともに試し書き領域の外側に設けられているバッファ領域に信号の記録位置を示す情報データを記録するように構成された光ディスク記録再生装置のレーザー出力設定方法であり、レーザー出力の設定動作を行うとき、ディスクがブランクディスクであるか否かの判定動作を行い、ブランクディスクであると判定されたとき、前記試し書き領域へのテスト信号の記録動作を行うことによって記録条件の設定動作を行うとともに設定された記録条件を示す記録データを前記バッファ領域に記録し、前記判定動作にてブランクディスクではないと判定されたとき、バッファ領域に記録データが記録されているか否かの判定動作を行い、バッファ領域に記録データが記録されていないとき、前記試し書き領域へのテスト信号の記録動作を行うことによって記録条件の設定動作を行うとともに設定された記録条件を示す記録データを前記バッファ領域に記録し、前記判定動作にてバッファ領域に記録データが記録されていると判定されたとき、記録データによる記録条件は正しいか否かの判定動作を行い、記録条件が正しくないと判定されたとき、前記試し書き領域へのテスト信号の記録動作を行うことによって記録条件の設定動作を行うとともに設定された記録条件を示す記録データを前記バッファ領域に記録し、前記判定動作にて記録条件が正しいと判定されたとき、該記録データに基く記録条件にて信号の記録動作を行うようにしたことを特徴とする光ディスク記録再生装置のレーザー出力設定方法。
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