JP3674602B2 - 技術基準適合試験サーバ、ソフトウェア無線機、およびソフトウェア無線機の技術基準適合試験の方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソフトウェア無線モジュールを切り替えることで使用する通信システムを切り替えることのできるソフトウェア無線機、このソフトウェア無線機の技術基準適合試験を行う技術基準適合試験装置、およびこの技術基準適合試験装置を使用してこのソフトウェア無線機の技術基準適合試験の方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、製品としての無線通信機を製造、販売するには、その製品が国等の定める技術基準や通信事業者の技術的条件に適合しているかどうかを検査し、基準を満たした製品を認証するという、技術基準適合認証を認証機関から受けなければならない。この技術基準適合認証を受けるには、新しい製品ができる度に、その製品の一部サンプルまたは全てについてを当該認証機関に持ちこみ、この当該認証機関の検査室にてこの製品が規定の技術基準や技術的条件に適合しているか否かを判定する検査、すなわち技術基準適合試験を受け、この技術基準適合試験に合格することが必要である。
【0003】
また、近年ソフトウェア無線モジュールを変更するのみで無線通信機の機能を変更し、異なった通信システムに対応できるようなソフトウェア無線通信機の開発が進んでいる。このようなソフトウェア無線通信機は、利用する通信システムに対応するソフトウェア無線モジュールを必要に応じてダウンロードして使用することもありうる。また、無線通信機の製造時には対応を想定していなかった通信システムのためのソフトウェア無線モジュールが製造後に開発され、このソフトウェア無線モジュールが既に車両に搭載されているソフトウェア無線通信機によってダウンロードされて利用されることも考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように製造当初想定していなかった通信システムを、新たに開発されたソフトウェア無線モジュールをダウンロードしてこのソフトウェア無線通信機において使用する場合、このソフトウェア無線通信機は技術基準適合試験を再び受けなければならなくなる。
【0005】
その場合は、既に車両に装着されている無線通信機を取り外し、当該認証機関に持ち込んで技術基準適合試験を行うか、あるいは車両ごと当該認証機関に持ち込み、取り外しが非常に困難なアンテナ−無線通信機間の無線ケーブルを取り外し、測定用の無線ケーブルを接続して検査しなければならないので、技術基準適合試験の作業が非常に煩雑となってしまう。
【0006】
本発明は上記点に鑑みて、利用する通信システムに対応するソフトウェア無線モジュールをダウンロードして使用することによって、複数の通信システムが利用可能となるソフトウェア無線機が、当該車両に装着されたまま技術基準適合試験を受けられるようにすることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための、請求項1に記載の発明は、車両に搭載されるソフトウェア無線機であって、使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えることによって使用する通信システムを切り替えることができる通信システム切替手段と、当該ソフトウェア無線機の新たな通信システムの使用に対する技術基準適合試験のために使用されるアンテナを備えた技術基準適合試験設備に対して規定の位置に車両が停止したときにおける、当該ソフトウェア無線機からの電波の、送信されてからアンテナに受信されるまでの間の伝搬損失の情報を記録するためのメモリと、技術基準適合試験時において、伝搬損失の情報を用いて当該ソフトウェア無線機より受信する信号の受信電力レベルから、受信する信号がソフトウェア無線機から送信されたときの送信電力レベルを求め、この送信電力レベルを利用して、アンテナを使用した当該ソフトウェア無線機との無線通信によって技術基準適合試験を行う技術基準適合試験装置に、メモリに記録されている伝搬損失の情報を通知する伝搬損失情報送信手段と、を備えたソフトウェア無線機である。
【0008】
これによって、通信システム切替手段によって使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えて使用する通信システムを切り替えることができるソフトウェア無線機に対し、技術基準適合試験装置を使用して技術基準適合試験を行うとき、伝搬損失情報送信手段がメモリに記録されている伝搬損失の情報を技術基準適合試験装置に通知することができるので、技術基準適合試験装置はこの伝搬損失の情報を利用して、技術基準適合試験のために技術基準適合試験設備に対して当該車両が規定の位置に停止した車両に搭載されたソフトウェア無線機の出力レベルを検知することができるので、ソフトウェア無線機が、当該車両に装着されたまま技術基準適合試験を受けることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のソフトウェア無線機において、技術基準適合試験装置から、無線通信によって技術基準適合試験に合格したことを通知する情報である認証キーを受信する認証キー受信手段を備えたことを特徴としている。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えることで使用する通信システムを切り替えることができるソフトウェア無線機と無線通信を行うことによって、ソフトウェア無線機の新たな通信システムの使用に対する技術基準適合試験を行う技術基準適合試験装置であって、このソフトウェア無線機を搭載した車両が、無線通信のために使用されるアンテナを備えた技術基準適合試験設備に対して規定の位置に停止したときにおける、ソフトウェア無線機からの電波の、送信されてからアンテナに受信されるまでの間の伝搬損失の情報をソフトウェア無線機より受信する伝搬損失情報受信手段と、技術基準適合試験設備に対して規定の位置に停止している車両の技術基準適合試験を行うとき、伝搬損失の情報を、ソフトウェア無線機より受信する信号の受信電力レベルから、技術基準適合試験において必要となる受信する信号がソフトウェア無線機から送信されたときの送信電力レベルを求めるために用いる伝搬損失情報使用手段と、を備えたことを特徴とする技術基準適合試験装置である。
【0011】
これによって、ソフトウェア無線機に対し、この技術基準適合試験装置を使用して技術基準適合試験を行うとき、伝搬損失情報受信手段がこのソフトウェア無線機から伝搬損失の情報を受信し、伝搬損失情報使用手段がソフトウェア無線機より受信する信号の電力レベルから、受信する信号がソフトウェア無線機から送信されるときの電力レベルを求めるために用いるので、技術基準適合試験装置はこの伝搬損失の情報を利用して、技術基準適合試験のために技術基準適合試験設備に対して当該車両が規定の位置に停止した車両に搭載されたソフトウェア無線機の出力レベルを検知することができるので、ソフトウェア無線機が、当該車両に装着されたまま技術基準適合試験を受けることができる。
【0012】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の技術基準適合試験装置において、技術基準適合試験の結果に基づいてソフトウェア無線機が技術基準適合試験に合格したか否かを判定する技術基準適合認証機関と通信するために、技術基準適合認証機関が接続されたネットワークに接続する接続手段と、ソフトウェア無線機の技術基準適合試験の結果をネットワークを介して技術基準適合認証機関に送信する試験結果送信手段と、送信した試験結果に基づいて技術基準適合認証機関が返信する、技術基準適合試験に合格したことを示す情報である認証キーを受信し、受信したこの認証キーを無線通信によってソフトウェア無線機に送信する認証キー送信手段と、を備えたことを特徴としている。
【0013】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載のソフトウェア無線機を搭載した車両を、請求項3に記載の技術基準適合試験装置が技術基準適合試験のために使用するアンテナを備えた技術基準適合試験設備に対して規定の位置に停止させる手順と、ソフトウェア無線機から技術基準適合試験装置に伝搬損失の情報を通知する手順と、技術基準適合試験装置が、伝搬損失の情報を、ソフトウェア無線機より受信する信号の受信電力レベルから、技術基準適合試験において必要となる受信する信号がソフトウェア無線機から送信されたときの送信電力レベルを求めるために用いて、ソフトウェア無線機の技術基準適合試験を行う手順と、を備えた技術基準適合試験の方法である。
【0014】
このように、当該車両を規定の位置に停止させ、伝搬損失の情報をソフトウェア無線機から技術基準適合試験装置に通知することにより、技術基準適合試験装置はこの伝搬損失の情報を利用して、技術基準適合試験のために技術基準適合試験設備に対して当該車両が規定の位置に停止した車両に搭載されたソフトウェア無線機の出力レベルを検知することができるので、ソフトウェア無線機が、当該車両に装着されたまま技術基準適合試験を受けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1に、本発明の一実施形態に係る技術基準適合試験システムの全体構成図を示す。この技術基準適合試験システムは、基地局315、検査装置318、シールド室330を備えたカーディーラー310、基地局315が基地局網(図示せず)を介して接続するインターネット網320、およびインターネット網320に接続する技術基準適合認証機関325から構成される。このような技術基準適合試験システムにより、車両350に搭載される無線通信機の技術基準適合試験が行われるようになっている。
【0016】
シールド室330は、シールド室330内部において放出された電磁波が外部に伝搬することを防ぎ、また外部を伝搬する電磁波がシールド室330内部に侵入することを防ぐような材質の壁面、床面、および天井面から成る部屋である。この部屋内の所定の位置に、車両350が進入して停止することができるようになっている。またシールド室330は、その内部に基地局315から出力された電気信号をシールド室330内に電波として放出し、またシールド室330において車両350から放出された電波を電気信号に変換して基地局315に出力する技適用アンテナ335を有している。
【0017】
技術基準適合認証機関325は、インターネット320に接続されている、技術基準適合認証機関のサーバである。この技術基準適合認証機関325は、基地局315からインターネット320を介して、後述する技術基準適合試験の結果を受信し、この結果が規定の基準に適合するか否か、すなわち技術基準適合試験に合格か否かを判定するようになっている。
【0018】
またこの技術基準適合認証機関325は、受信した技術基準適合試験の結果が規定の基準に適合するか否かの判定において、適合する、すなわち技術基準適合試験に合格であると判定すれば、基地局315に対して認証キーを送信するようになっている。認証キーは、ソフトウェア無線機352の識別子とソフトウェア無線モジュールの名称のデータに対して技術基準適合認証機関325の電子署名が施されたデータである。電子署名の方法としては、本実施形態においては公開鍵暗号方式を用いる。公開鍵暗号方式による電子署名の具体的なソフトウェアとしては、例えばGPG(GNU Privacy Guard)を利用する。署名の正当性を確認するための公開鍵は、あらかじめ公に配布されている。
【0019】
図3は、本実施形態に係る車両350内の機器の構成図である。車両350は、車両アンテナ340、ソフトウェア無線機352、無線スイッチ356、ナビゲーションシステム353、ETC受信機361、キーレスエントリ装置362、Bluetooth通信機363、オーディオ装置364を有している。
【0020】
ナビゲーションシステム353は、GPS衛星との通信により自己の現在位置情報を取得するGPS受信機(図示せず)を有し、また地図情報を自己のメモリ(図示せず)内に記憶している。ナビゲーションシステム353はこの現在位置情報と地図情報から、車両350の地図上の位置を表示装置(図示せず)に表示するようになっている。
【0021】
ETC受信機361は、ETC(Electronic Toll Collection System)による道路走行料金自動徴収システムのために車両350に搭載される受信機である。
【0022】
キーレスエントリ装置362は、車両350のユーザが携帯する無線通信機から車両350のドアのロック/アンロックの制御コマンドを受信し、それに基づいて車両350のドアのロック/アンロックを制御する装置である。
【0023】
Bluetooth通信機363は、Bluetoothによる車内無線ネットワークを構成するための通信機である。
【0024】
オーディオ装置364は、車両350内でラジオ、CD、MD等の音楽を聴くための装置である。
【0025】
車両バッテリー354は、直接ソフトウェア無線機352に電力を供給するようになっている。また車両バッテリー354は、無線スイッチ356を介してナビゲーションシステム353、ETC受信機361、キーレスエントリ装置362、Bluetooth通信機363、オーディオ装置364に電力を供給するようになっている。
【0026】
無線スイッチ356は、車両バッテリー354からナビゲーションシステム353、ETC受信機361、キーレスエントリ装置362、Bluetooth通信機363、およびオーディオ装置364への電力供給のオン、オフを切り替えるスイッチである。この無線スイッチ356は、電波を受信してそれを無線信号に変換するスイッチ用アンテナ357を有している。また無線スイッチ356は、このスイッチ用アンテナ357を介してソフトウェア無線機352からの制御信号を受信し、この制御信号に従って電力供給線の接続、切断を切り替えるようになっている。このようになっていることで、例えば後述する技術基準適合試験において、ナビゲーションシステム353、ETC受信機361、キーレスエントリ装置362、Bluetooth通信機363、およびオーディオ装置364から通信電波や漏れ電波を車外に放出させたくない時には、この無線スイッチ356を切り替えることで、これらの機器の作動を停止させることが可能となる。
【0027】
ソフトウェア無線機352は、使用する通信システム毎に異なるソフトウェア無線モジュールを読み込んで実行することにより、特定の通信システムに特化した通信のためのハードウェアを複数持つことなく、複数の通信システムを切り替えて使用することができる無線機である。本実施形態においては、ソフトウェア無線機352はcdma2000による通信を行うことが可能になっており、今回新たにW−CDMAに対応するソフトウェア無線モジュールを使用するための技術基準適合試験を行うようになっている。cdma2000およびW−CDMAはそれぞれIMT2000の規格の1つである。このソフトウェア無線機352は、車両バッテリー354から直接電力の供給を受けて作動するようになっている。
【0028】
図2に、このソフトウェア無線機352の構成をブロック図として示す。このソフトウェア無線機352は、アンテナコネクタ114、統合無線部115、ベースバンド信号処理部120、ソフトウェア無線機能実現手段130、演算処理部140、メモリ150、画像表示部160、および操作部170から構成される。
【0029】
アンテナコネクタ114は、外部のアンテナやケーブルを接続することができるコネクタである。アンテナコネクタ114は、このアンテナコネクタ114に接続されるアンテナやケーブルからの信号をアンテナ共用器113に出力し、またアンテナ共用器113からの信号をこのアンテナやケーブルに出力するようになっている。アンテナコネクタ114には、通常車両アンテナ340が接続されているが、この車両アンテナ340を取り外してケーブルを接続することもできる。ケーブルを接続する場合としては、例えば後述するソフトウェア無線機352の車両350への設置時の検査がある。
【0030】
統合無線部115は、送信部111、受信部112、アンテナ共用器113から構成されている。この統合無線部115は、ベースバンド信号処理部120から出力された無線送信のためのIF信号に対して送信部111で周波数変換、フィルタリング、増幅を行い、この信号をアンテナ共用器113およびアンテナコネクタ114を介して車両アンテナ340に出力するようになっている。また統合無線部115は、車両アンテナ340からアンテナコネクタ114およびアンテナ共用器113を介して無線信号を受信し、この信号を受信部112にて増幅、周波数変換、フィルタリングを行い、これをIF信号としてベースバンド信号処理部120に出力するようになっている。本実施形態においては、統合無線部115はIMT2000で使用される帯域において使用可能となっている。
【0031】
ベースバンド信号処理部120は、統合無線部115から決められた手順によって受信した信号に対して復調、並べ替え、伸長、デコード等の処理を行い、演算処理部140が処理できるような形式の受信データに変換した後、それを演算処理部140に出力するものである。またベースバンド信号処理部120は、演算処理部140から出力された送信データの並べ替え、圧縮、エンコード、変調等の処理を行い、また演算処理部140からの命令に従ってデータを生成し、またそのデータを変調し、変調したIF信号を送信部111に決められた手順によって出力するものである。
【0032】
またベースバンド信号処理部120は、ソフトウェア無線機能実現手段130から変調・復調、データの並べ替え、圧縮、伸長、エンコード、デコード、送受信手順等の方式の切り替えの制御信号を受信し、この制御信号に基づいて変調・復調、データの並べ替え、圧縮、伸長、エンコード、デコード等の方式を切り替えることができるようになっている。
【0033】
ソフトウェア無線機能実現手段130は、演算処理部140から制御信号を受信することによって、作動を変えることができるプログラマブルな制御装置である。本実施形態においては、ソフトウェア無線機能実現手段130はFPGAによって構成される。このソフトウェア無線機能実現手段130は、ソフトウェア無線機352が利用する通信システムでの無線通信を実現するために、ベースバンド信号処理部120に制御信号を出力する制御装置である。このソフトウェア無線機能実現手段130は、ベースバンド信号処理部120に制御信号を出力することによって、ベースバンド信号処理部120の変調・復調、データの並べ替え、圧縮、伸長、エンコード、デコード、送受信手順等の方式を使用する通信システムのプロトコルに適合するよう切り替えるようになっている。
【0034】
画像表示部160は、演算処理部140からの制御によって画像を表示する装置である。
【0035】
操作部170は、車内のユーザの操作を受け、それに基づいて入力信号を演算処理部140に出力するユーザインターフェース装置である。
【0036】
メモリ150は、ソフトウェア無線機352において使用するための各種ソフトウェアおよびデータ等の情報を記録することのできる装置である。このメモリ150は、演算処理部140が利用するためのソフトウェア無線モジュールを記録するソフトウェア無線モジュール記憶部153、認証キーおよび認証キーの正当性を確認するための公開鍵を記憶する認証キー記憶部154、検査用データ記憶部155を含んでいる。
【0037】
ソフトウェア無線モジュールとは、演算処理部140によってロードされ実行されるためのプログラムである。演算処理部140によって1つのソフトウェア無線モジュールが実行され、それに基づいて演算処理部140がソフトウェア無線機能実現手段130に制御信号を送信し、ソフトウェア無線機能実現手段130の作動が切り替わることによって、このソフトウェア無線モジュールが対応する通信システムにおける無線通信がソフトウェア無線機352において可能となる。このソフトウェア無線モジュールは、対応する通信システムにおけるベースバンド信号処理部120の変調・復調、データの並べ替え、圧縮、伸長、エンコード、デコード、送受信手順等の方式の情報を含んでいる。このようなソフトウェア無線モジュールを実行する演算処理部140がソフトウェア無線機能実現手段130を制御してその作動を規定し、作動を規定されたソフトウェア無線機能実現手段130がベースバンド信号処理部120の作動を制御することによって、このソフトウェア無線モジュールが対応する通信システムにおける通信をソフトウェア無線機352が行うことが可能となる。
【0038】
また、認証キーとは、1つのソフトウェア無線モジュールをソフトウェア無線機352が通常時に使用することを許可するために、技術基準適合認証機関325が発効する情報である。1つの認証キーに対して1つのソフトウェア無線モジュールが対応するようになっている。
【0039】
また、検査用データとは、シールド室330内の規定の位置に車両350が止まっているときに、車両アンテナ340から出力された電波が技適用アンテナ335によって受信されるときの、電波の伝搬による電力損失レベル、すなわち伝搬損失を複数の周波数について表すデータを含むものである。規定の位置とは、例えばシールド室330の床に引かれた、車両350の先頭部を会わせるラインで特定することができる。ただし、この規定の位置は厳密な位置である必要はなく、後述する技術基準適合試験に大きな影響を与えない範囲のずれはあってもよい。図4は、この検査用データの一例を示す表である。この表から、例えば820MHzの電波は車両アンテナ340から送信されて技適用アンテナ335で受信されるまでに15dBの損失があることがわかる。
【0040】
演算処理部140は、メモリ150から作動のためのソフトウェアをロードして、ロードしたソフトウェアに基づいて通信のための処理を実行する処理装置である。この演算処理部140は、この通信処理において、処理の必要に応じて、無線送信のための送信データを生成し、生成した送信データをベースバンド信号処理部120に出力する。また演算処理部140は、ベースバンド信号処理部120から受信データを受信し、実行しているソフトウェアに基づいてこの受信データに対する処理を行う。
【0041】
また演算処理部140は、この通信処理において必要があれば画像表示部160に制御信号を出力し、それによって画像表示部160に画像を表示させるようになっている。また演算処理部140は、この通信処理において、操作部170から信号を受信することにより、車内のユーザからの無線通信のための情報入力および制御を受けるようになっている。
【0042】
また演算処理部140は、処理の必要に応じてメモリ150に情報を記録し、またメモリ150から情報を読み込むようになっている。例えば演算処理部140は、この通信処理において必要があれば、検査用データ記憶部155から検査用データを読み込む。また例えば演算処理部140は、車両アンテナ340、統合無線部115、ベースバンド信号処理部120を介して認証キーを受信すると、この認証キーを認証キー記憶部154に記録する。また例えばある通信システムの使用を開始するとき、ソフトウェア無線モジュール記憶部153から該当する通信システムに対応するソフトウェア無線モジュールをロードし、またこのソフトウェア無線モジュールに対応する認証キーがソフトウェア無線モジュール記憶部153に存在するか否かをチェックし、存在していればこのソフトウェア無線モジュールを実行する。
【0043】
また演算処理部140は、ベースバンド信号処理部120から所定の信号を受信すると、自己の動作状態をテストモードへと移行させる。このテストモードにおいて演算処理部140は、ベースバンド信号処理部120から受信した制御信号に基づいて作動するようになる。例えば、制御信号が特定の周波数の信号を特定の出力電力レベルで送信するよう指定するものであれば、この指定の周波数および出力電力レベルで信号を送信するようベースバンド信号処理部120に制御信号およびデータを出力する。また、制御信号が基地局への接続・切断を繰り返すよう指定するものであれば、この指定に従って基地局への接続・切断を繰り返すようベースバンド信号処理部120に制御信号およびデータを出力する。このテストモードにおいては、演算処理部140は対応する認証キーを有していないソフトウェア無線モジュールを使用することが可能である。
【0044】
上記のような構成のソフトウェア無線機352において、演算処理部140の実行しているソフトウェア無線モジュールに対応する通信システムによる無線受信を行うときは、まず車両アンテナ340が受信した無線電波を電気信号に変換し、それをアンテナ共用器113を介して受信部112に出力し、受信部112は受信した信号に対して復調、増幅、フィルタリングを行ってベースバンド信号処理部120に出力し、ベースバンド信号処理部120は受信した信号に対して復調、並べ替え、伸長、デコード等の処理を行って生成したデータを演算処理部140に出力し、演算処理部140は実行しているソフトウエアに基づいて受信したデータを処理する。また、ソフトウェア無線機352が無線送信を行う場合は、演算処理部140が実行しているソフトウェアに基づいて送信データを生成してこれをベースバンド信号処理部120に出力し、ベースバンド信号処理部120は受信した送信データに対して並べ替え、圧縮、デコード、変調等の処理を行って生成した信号を送信部111に出力し、送信部111はこの信号の周波数変換、増幅、フィルタリングを行い、この信号をアンテナ共用器113を介して車両アンテナ340に出力し、車両アンテナ340は受信した信号を無線電波に変換して放出する。
【0045】
なお、本実施形態においては、ソフトウェア無線機352は基地局315および検査装置318と無線通信を行い、またスイッチ用アンテナ357に無線送信を行う。
【0046】
図5は、基地局315および検査装置318の構成を示すブロック図である。基地局315は、受信アンテナ411、送信アンテナ412、送受信部413、制御部414、ネットワークインターフェース415、および操作部416を有している。基地局315は、カーディーラー310の建物の屋上に設置され、周囲の無線端末と通信を行うものである。この基地局315は、cdma2000とW−CDMAの通信方式に対応している。検査装置318は、アンテナスイッチ421、スペクトラムアナライザ422、分波器423、終端スイッチ424、終端器425、減衰器426、減衰器427、および技適用コネクタ428を有している。検査装置318は、基地局315と技適用アンテナ335との間の信号のやりとりを中継し、また技適用アンテナ335からの信号のスペルトル分布を調べるための装置である。
【0047】
受信アンテナ411は周囲の無線端末からの電波を受信し、この受信した電波を電気信号に変換して送受信部413および減衰器426に出力するアンテナである。送信アンテナ412は送受信部413から出力された電気信号を電波に変換して放出するアンテナである。
【0048】
送受信部413は、受信アンテナ411または減衰器426から受信した電気信号に対して周波数変換、フィルタリング、復調等の処理を施してベースバンド信号に戻し、制御部414に出力するものである。また送受信部413は、制御部414から出力されたベースバンド信号を受信し、このベースバンド信号に対して変調、周波数変換、フィルタリング等の処理を施して送信アンテナ412および減衰器427に出力するものである。また送受信部413は、受信アンテナ411または減衰器426から受信した電気信号の電力レベルを検知し、その値を制御部414に電気信号として通知するようになっている。
【0049】
制御部414は、送受信部413からベースバンド信号を受信し、受信した信号に対して返信データの生成、受信データのインターネット320への転送等の様々な処理をおこなう装置である。また制御部414は、ネットワークインターフェース415を介して基地局網、インターネット320と通信を行えるようになっている。また制御部414は、減衰器426および減衰器427を制御し、減衰器の減衰レベルの制御を行うようになっている。また制御部414は、スペクトラムアナライザ422を制御することにより、スペクトラムアナライザ422が受信する信号の所望の周波数成分の信号レベルの値をスペクトラムアナライザ422から受信することができるようになっている。また制御部414は、アンテナスイッチ421および終端スイッチ424の切り替えを制御するようになっている。また制御部414は、操作部416からの制御信号を受信し、それに基づいて作動することができるようになっている。
【0050】
ネットワークインターフェース415は、制御部414と基地局網、インターネット320との通信を実現するためにアドレス取得、データ転送タイミング制御等の処理を行い、また制御部414と基地局網、インターネット320との通信を中継するものである。
【0051】
操作部416は、基地局315を使用する作業者によって操作されることにより、その操作に基づいた制御信号を制御部414に送信することができる入力装置である。
【0052】
減衰器426は、分波器423から出力された信号のレベルを減衰させて送受信部413および受信アンテナ411に出力する装置である。この減衰器426は、制御部414の制御によって減衰のレベルを変化させることができるようになっている。本実施形態においては減衰器426として可変抵抗を用いている。
【0053】
減衰器427は、送受信部413から出力された信号のレベルを減衰させて終端スイッチ424に出力する装置である。この減衰器427は、制御部414の制御によって減衰のレベルを変化させることができるようになっている。本実施形態においては減衰器427として可変抵抗を用いている。
【0054】
終端スイッチ424は、制御部414の制御信号に基づき、減衰器427からの信号を終端器425と分波器423のいずれに出力するかを切り替える装置である。
【0055】
アンテナスイッチ421は、制御部414の制御信号に基づき、技適用コネクタ428を分波器423とスペクトラムアナライザ422のどちらに接続するかを切り替える装置である。
【0056】
スペクトラムアナライザ422は、アンテナスイッチ421から受信した信号のスペクトル分布を検知する装置である。このスペクトラムアナライザ422は、制御部414からの制御信号を受信し、受信した制御信号に基づいて、アンテナスイッチ421から受信した信号の特定の周波数成分の信号レベルを制御部414に通知するようになっている。
【0057】
分波器423は、減衰器426から受信した信号をアンテナスイッチ421に出力し、アンテナスイッチ421から受信した信号を終端スイッチ424に出力する装置である。
【0058】
技適用コネクタ428は、アンテナやケーブルを接続することができるコネクタである。この技適用コネクタ428は、この技適用コネクタ428に接続されるアンテナやケーブルからの信号をアンテナスイッチ421に出力し、またアンテナスイッチ421からの信号をこのアンテナやケーブルに出力するようになっている。技適用コネクタ428には、通常技適用アンテナ335が接続されているが、この技適用アンテナ335を取り外してケーブルを接続することもできる。ケーブルを接続する場合としては、例えば後述するソフトウェア無線機352の車両350への設置時の検査がある。
【0059】
以上のような構成の基地局315および検査装置318において、技術基準適合試験が行われるときは、終端スイッチ424は分波器423と減衰器427とが接続されるように切り替わっている。また、技術基準適合試験が行われず、受信アンテナ411および送信アンテナ412を使用した基地局315と端末の通常の通信が行われているときは、終端スイッチ424は終端器425と減衰器427とが接続されるように切り替わっている。このようになっていることで、通常の通信時における送信信号が技適用コネクタ428を介して技適用アンテナ335あるいはケーブルから出力されることを防ぐことができる。
【0060】
また、技術基準適合試験時においては、アンテナスイッチ421によって技適用コネクタ428と分波器423とが接続されるように切り替わっている場合、技適用コネクタ428に接続された技適用アンテナ335またはケーブルからの信号は分波器423および減衰器426を介して送受信部413で受信され、送受信部413はこの受信した信号に対して周波数変換、フィルタリング、復調等の処理を行い、この処理によって生成されたベースバンド信号を制御部414に送信し、制御部414はこのベースバンド信号を受信する。またこのとき、制御部414において生成された送信のためのベースバンド信号は送受信部413に出力され、送受信部413はこのベースバンド信号に対して変調、フィルタリング、周波数変換等の処理を行い、この処理によって生成された送信信号を減衰器427、分波器423を介して技適用アンテナ335またはケーブルに送信する。
【0061】
また、技術基準適合試験時においては、アンテナスイッチ421によって技適用コネクタ428とスペクトラムアナライザ422とが接続されるように切り替わっている場合、技適用コネクタ428に接続された技適用アンテナ335またはケーブルからの信号はスペクトラムアナライザ422によって受信され、スペクトラムアナライザ422は制御部414からの制御信号に従って受信した信号のスペクトル分布を検知し、その結果を制御部414に出力する。
【0062】
なお、技適用コネクタ428にケーブルが接続されている状態においては、制御部414は減衰器426および減衰器427の減衰のレベルを大きくし、技適用コネクタ428に技適用アンテナ335が接続されている状態においては、制御部414は減衰器426および減衰器427の減衰のレベルを小さくする。これによって、技適用コネクタ428に接続されたケーブルに過大な電力が出力されることを防ぐことができる。なお、技適用コネクタ428に技適用アンテナ335が接続されているかケーブルが接続されているかの検知は、操作部416からの作業者の入力によって行うようになっている。
【0063】
以上が、技術基準適合試験システムの構成である。
【0064】
本実施形態における技術基準適合試験システムにおいては、上記したような車両350に搭載されているソフトウェア無線機352が、新たな通信システムのためのソフトウェア無線モジュールを使用できるようにするために、このソフトウェア無線モジュールの使用時におけるソフトウェア無線機352の技術基準適合試験を行うようになっている。
【0065】
技術基準適合試験とは、無線通信機が、国等の定める技術基準や通信事業者の技術的条件に適合しているかどうかを判定するための試験である。製品としての無線通信機を製造、販売するには、その製品がこの技術基準適合試験に合格して、この無線通信機が基準を満たした製品であることの認証、すなわち技術基準適合認証を所定の認証機関から受けなければならない。この技術基準適合認証の基準は日本国内においては総務省によって定められており、また技術基準適合試験および技術基準適合認証を行う機関の指定も総務省によって行われる。
【0066】
無線通信機の技術基準適合試験の具体的な内容としては、例えば以下のようなものがある。1つは、無線通信機が利用する通信システムの使用周波数帯域中のいくつかの周波数において、最大送信電力が規定の範囲内(例えば基準値から±3dB以内)に収まっているか否かの検査(以下、最大電力検査と記す)である。
【0067】
また、上記した各周波数において、送信電力を最大値から特定の量(例えば12dB)だけ下げるように無線通信機を設定した場合における、実際の送信電力が設定した値から規定の範囲内(例えば±3dB)にあるか否かを判定する検査(以下、電力制御検査と記す)がある。
【0068】
また、ある周波数において電波を出力するように無線通信機を設定した場合において、実際の送信電波の周波数が設定した値から規定の範囲内(例えば5ppm以内)にあるか否かを判定する検査(以下、周波数ずれ検査)がある。
【0069】
また、ある周波数において電波を出力するように無線通信機を設定した場合において、設定した周波数の整数倍等の周波数のノイズ、すなわちスプリアスが規定値以下であるか否かを判定する検査(以下、スプリアス検査と記す)がある。
【0070】
また、無線通信機が受信状態にある場合において、無線通信機のアンテナから不要な電波の副次放出の電力が規定の値(例えば−54dBm)以下であるか否かを判定する検査(以下、副次放出検査)がある。
【0071】
また、無線通信の基地局あるいは擬似的に基地局の機能を有する装置と実際に位置登録等の接続の手続きを複数回繰り返し、接続に失敗した頻度が規定の値以下であるか否かを判定する検査(以下、接続検査と記す)がある。
【0072】
なお、これらの検査に使用される規定の範囲、値、および頻度は、あらかじめ定められたものである。基地局315は、自己のメモリ(図示せず)内にこれらの範囲、値、および頻度を記録しており、制御部414は必要に応じてこれらを参照できるようになっている。
【0073】
これらの検査は、無線通信機の検査を行う装置、例えば本実施形態においては基地局315および検査装置318が、無線通信機にテストモードに入るように通知する制御信号を無線によって送出し、それを受信した無線通信機がテストモードに入ることによって始まる。テストモードとは、無線通信機の作動状態の1つであって、外部からの無線による制御信号に従って出力する電波の電力や周波数を変える等の、通常では実行することのできない機能が使用可能になる状態のことである。テストモードに入った無線通信機は、検査を行う装置が無線によって送信する制御信号に従って作動することで、上記した検査を受けることができる。このテストモード時のソフトウェア無線機352の機能の1つとして、例えば検査用データ記憶部155に記録された伝搬損失の情報を要求する信号を外部から受信し、この信号に従って伝搬損失を要求元に送信する機能がある。本実施形態においてはソフトウェア無線機352の演算処理部140が所定の信号を受信することによりテストモードに移行することで、ソフトウェア無線機352は上記のようなテストモードに入る。
【0074】
このような技術基準適合認証を受けるには、新しい製品ができる度に、その製品の一部サンプルまたは全てについてを当該認証機関に持ちこみ、この当該認証機関の検査室にてこの技術基準適合試験を受け、合格することが従来必要となる。
【0075】
しかし、ソフトウェア無線機352は既に車両350に設置されているので、ソフトウェア無線機352を車両350から取り外して当該認証機関に持ち込むには非常に煩雑な作業が必要となる。そこで、本実施形態においては、カーディーラー310に設置されたシールド室330内の規定の位置に車両350を停止させ、それによって車両アンテナ340と技適用アンテナ335とが規定の位置関係になるようにする。そして、この状態で基地局315および検査装置318が技適用アンテナ335を介してソフトウェア無線機352の技術基準適合試験を行う。
【0076】
このような技術基準適合試験の際に問題となるのは、車両によって車両アンテナ340の取り付け位置、車両の形状、金属付属品の設置状況等、アンテナの周りの電波の伝搬の環境が異なることである。従って、車両がシールド室330の規定の位置に停止したとしても、車両によって車両アンテナ340と技適用アンテナ335との間の伝搬損失が異なる。このため、技術基準適合試験において、最大電力検査、電力制御検査等、無線機の出力電力レベルを基地局315が検知することが必要な検査のために、基地局315は検査する個々の車両における車両アンテナ340と技適用アンテナ335との間の伝搬損失を知っていなければならない。
【0077】
そこで、ソフトウェア無線機352の車両350への設置時に、この車両アンテナ340と技適用アンテナ335との間の伝搬損失のデータを実測し、その結果を図4の表のような形式で検査用データ記憶部155に保存しておくようにする。この実測に使用するため、設置を行う工場等には、カーディーラー310の基地局315、検査装置318、シールド室330と同様の構成を持つ装置がある。以下、設置を行う工場等におけるこれらの装置およびその構成要素の符号については、カーディーラー310におけるそれらと同等の装置符号にアポストロフィ(’)を付加して記載するものとする。
【0078】
図6は、ソフトウェア無線機352の車両350への設置時における、伝搬損失のデータの実測の手順を示すフローチャートである。まず、車両350のアンテナコネクタ114と検査装置318の技適用コネクタ428とを高周波ケーブルで直結する(ステップ510)。この高周波ケーブルを通る信号の電力の伝搬損失はあらかじめ知られている。そして基地局315’の制御部414’はあらかじめこの高周波ケーブルの伝搬損失の通知を操作部416’等から受けるようになっている。
【0079】
次に、制御部414’がアンテナスイッチ421’を制御し、分波器423’と技適用コネクタ428’とが接続されるようにする。また、制御部414’が終端スイッチ424’を制御し、減衰器427’と分波器423’とが接続されるようにする。
【0080】
次に制御部414’がこの高周波ケーブルを介し、ソフトウェア無線機352をテストモードに移行させるための所定の信号を送信する。これを受信した演算処理部140はテストモードに入る。
【0081】
次に、制御部414’が最大出力で複数の周波数の信号を順番に出力するよう要求する制御信号を送受信部413’、減衰器427’、終端スイッチ424’、分波器423’、アンテナスイッチ421’、技適用コネクタ428’を介してソフトウェア無線機352に出力する。それを受信した演算処理部140’は、指定の複数の周波数の信号を順番に最大出力で送信するようベースバンド信号処理部120に信号を出力する。このような制御によってソフトウェア無線機352は指定の複数の周波数の信号を順番に最大出力で送信する(ステップ520)。
【0082】
これらの信号を高周波ケーブルを介して受信した制御部414’は、あらかじめ通知を受けている高周波ケーブルの伝搬損失による補正を行うことで、これらの信号がソフトウェア無線機352において出力されたときの電力値を算出して取得する(ステップ525)。
【0083】
つぎに、この高周波ケーブルを技適用コネクタ428’およびアンテナコネクタ114から取り外す。そして技適用コネクタ428’には技適用アンテナ335’を接続させ、アンテナコネクタ114には車両アンテナ340を接続させる(ステップ530)。
【0084】
そして、シールド室330’内の規定の位置に車両350を停止させ、技適用アンテナ335’と車両アンテナ340とを介した無線通信により、制御部414’が最大出力で複数の周波数の信号を順番に出力するよう制御信号を出力し、それを受信した演算処理部140は指定の複数の周波数の信号を順番に最大出力で送信するようベースバンド信号処理部120に信号を出力する。このような制御によってソフトウェア無線機352は指定の複数の周波数の信号を順番に最大出力で送信する(ステップ540)。
【0085】
これらの信号を受信した制御部414’は、ステップ525で取得したソフトウェア無線機352の各周波数における最大送信電力と、今回取得した受信電力との比較を行う。そして、この比較によって各周波数における伝搬損失を算出する(ステップ550)。
【0086】
そして制御部414’はこの伝搬損失の情報をソフトウェア無線機352に送信し、ソフトウェア無線機352の演算処理部140はこれを受信して検査用データ記憶部155に記録する。
【0087】
このようにして、ソフトウェア無線機352の車両350への設置時に、伝搬損失の情報が検査用データ記憶部155に記録される。
【0088】
図7は、このような車両350に搭載されたソフトウェア無線機352が、新しい通信システムに対応するソフトウェア無線モジュールをダウンロードするときに行う技術基準適合試験の手順を示すフローチャートである。
【0089】
まずソフトウェア無線機352の演算処理部140は、新たな通信システムに対応するソフトウェア無線モジュールを従来から使用できている無線通信システムによって基地局等からダウンロードする(ステップ610)。そして演算処理部140はダウンロードしたソフトウェア無線モジュールをソフトウェア無線モジュール記憶部153に記録する。
【0090】
次の手順として、当該技術基準適合試験を行う作業者が、車両350のユーザから口頭等による通知を受けることにより、設置時等に検査用データ記憶部155に伝搬損失の情報が記録された後に車両350が改造されたか否かを判定する(ステップ630)。すなわちこの作業者が、キャリアの設置、アンテナの位置の移動等の改造によって技適用アンテナ335と車両アンテナ340との間の伝搬損失に変化があるか否かを判定する。
【0091】
そして改造したと作業者が判定すれば、すなわち再度伝搬損失の情報を算出する必要があると判定すれば、カーディーラー310における基地局315、検査装置318、シールド室330を使用して、図6のステップ510〜555に記載の手順を行うことで検査用データ記憶部155に新たな伝搬損失の情報を記録する(ステップ630)。
【0092】
また改造していないと作業者が判定すれば、すなわち現在検査用データ記憶部155が記録している伝搬損失の情報が現在有効であると判定すれば、この作業者は車両350をシールド室330内の規定の位置に停止させる(ステップ632)。そしてこの作業者は、基地局315が技術基準適合試験を開始するよう操作部416を操作する。これによって基地局315の制御部414は、技術基準適合試験を開始するために、まずソフトウェア無線機352をテストモードに移行させるための所定の信号を送信する。この際には、まず制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、分波器423と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414が終端スイッチ424を制御し、減衰器427と分波器423とが接続されるようにする。
【0093】
上記したテストモードへの移行のための所定の信号を受信した演算処理部140はテストモードに入る(ステップ635)。
【0094】
そして、制御部414はまずソフトウェア無線機352に伝搬損失の情報を送信するよう要求する制御信号を送出する。そしてその制御信号を受信した演算処理部140は検査用データ記憶部155から伝搬損失の情報を読み込み、この情報をベースバンド信号処理部120に送信する。これによってソフトウェア無線機352から基地局315に伝搬損失の情報が送信される(ステップ640)。
【0095】
そして基地局315の制御部414はこの送信された伝搬損失の情報を受信する(ステップ642)。
【0096】
また制御部414は、この受信した伝搬損失の情報を、以後ソフトウェア無線機352から受信する信号の電力レベルからソフトウェア無線機352で送出されたときの電力レベルを算出するためのデータとして採用する。すなわち、受信した信号の電力レベルに乗算して送出時の出力電力レベルを算出するためのファクターにこの伝搬損失の情報を設定する(ステップ645)。
【0097】
そして、制御部414は、無線スイッチ356のスイッチを切り替えて電力供給をオフにするよう求める信号をソフトウェア無線機352に送信する。この信号を受信した演算処理部140は、無線スイッチ356に対して無線によってスイッチオフの制御信号を送信する。この制御信号をスイッチ用アンテナ357を介して受信した無線スイッチ356は、車両バッテリー354からナビゲーションシステム353、ETC受信機361、キーレスエントリ装置362、Bluetooth通信機363、およびオーディオ装置364への電力供給がオフとなるようにスイッチを切り替える(ステップ650)。これによって、車両350内のソフトウェア無線機352以外の電子機器の作動が停止し、これらの電子機器から技術基準適合試験に不要な電波が放出されることを防ぐことができる。
【0098】
そして基地局315および検査装置318は、新たなソフトウェア無線モジュールについてソフトウェア無線機352の技術基準適合試験を行う(ステップ655)。この技術基準適合試験時における基地局315、検査装置318、ソフトウェア無線機352の作動の例については後述する。
【0099】
この技術基準適合試験が終了すると、制御部414は基地局網およびインターネット320を介して技術基準適合認証機関325に接続し、この技術基準適合認証試験の試験結果を技術基準適合認証機関325に送信する(ステップ665)。
【0100】
この試験結果を受信した技術基準適合認証機関325は、試験結果と規定の合格基準に基づいて、この新たなソフトウェア無線モジュールを使用するソフトウェア無線機352が技術基準適合試験に合格か否かを判定する(ステップ665)。
【0101】
不合格であると判定すると、技術基準適合認証機関325は基地局315に不合格であることを通知し、またこの通知を受信した基地局315の制御部414は、ソフトウェア無線モジュール記憶部153に不合格であることを通知する(ステップ670)。この不合格であることの通知を受信したソフトウェア無線モジュール記憶部153の演算処理部140は、技術基準適合試験に不合格であったことを画像表示部160に表示させる。
【0102】
この表示を見た作業者は、この不合格通知に基づき、ユーザからの要請があればソフトウェア無線機352の修理または交換を行う。
【0103】
ステップ665で技術基準適合試験に合格であることを技術基準適合認証機関325が判定すると、技術基準適合認証機関325はソフトウェア無線機352の識別子とソフトウェア名から認証キーを生成する。そしてこの認証キーを基地局315に送信する。そしてこの認証キーを受信した制御部414は、これをソフトウェア無線機352に転送する(ステップ680)。
【0104】
そしてソフトウェア無線機352の演算処理部140はこの認証キーを受信すると、認証キー記憶部154にそれを記録する(ステップ685)。
【0105】
ここで、上記した技術基準適合試験の各種検査における基地局315、検査装置318、およびソフトウェア無線機352の作動を、上記した最大電力検査、電力制御検査、周波数ずれ検査、スプリアス検査、副次放出検査、および接続検査の場合について説明する。
【0106】
最大電力検査においては、まず制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、分波器423と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414が終端スイッチ424を制御し、減衰器427と分波器423とが接続されるようにする。すなわち送受信部413から出力される送信信号が技適用アンテナ335から電波として放出され、技適用アンテナ335で受信された信号が送受信部413によって受信されるようにする。そして制御部414が、所定の複数周波数において最大出力で電波を送出するようソフトウェア無線機352に要求する信号を送受信部413に送出する。この信号を車両アンテナ340を介して受信したソフトウェア無線機352の演算処理部140は、要求に従って所定の複数周波数において最大出力で電波を送信するようベースバンド信号処理部120を制御する。これによってソフトウェア無線機352は要求に従って電波を車両アンテナ340から放出する。
【0107】
基地局315の送受信部413は、技適用アンテナ335によって電気信号に変換されたこの電波を、分波器423を介して受信し、この受信した電気信号の電力レベルを検知し、その値を制御部414に通知する。そしてこの電力レベル通知を受信した制御部414は、ステップ645でファクターとして採用した伝搬損失の情報を用い、受信した電力レベルからソフトウェア無線機352における送信時の出力電力レベルを算出する。そして、算出した出力電力レベルが規定の範囲内に入っているか否かを判定し、この判定結果を試験結果に含める。
【0108】
また、電力制御検査においては、まず制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、分波器423と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414が終端スイッチ424を制御し、減衰器427と分波器423とが接続されるようにする。そして制御部414が、所定の複数周波数において出力レベルを最大から特定の量(例えば12dB)だけ下げて電波を送出するようソフトウェア無線機352に設定する信号を送受信部413に送出する。この信号を車両アンテナ340を介して受信した演算処理部140は、要求に従って所定の複数周波数において最大出力で要求の量だけ出力電力を下げて電波を送信するようベースバンド信号処理部120を制御する。これによってソフトウェア無線機352は設定に従って電波を車両アンテナ340から放出する。
【0109】
送受信部413は、技適用アンテナ335によって電気信号に変換されたこの電波を受信し、この受信した電気信号の電力レベルを検知し、その値を制御部414に通知する。そしてこの電力レベル通知を受信した制御部414は、ステップ645でファクターとして採用した伝搬損失の情報を用い、受信した電力レベルからソフトウェア無線機352における送信時の出力電力レベルを算出する。そして、算出した出力電力レベルが設定したレベルの下がり量から規定の範囲内に入っているか否かを判定し、この判定結果を試験結果に含める。
【0110】
また、周波数ずれ検査においては、まず制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、分波器423と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414が終端スイッチ424を制御し、減衰器427と分波器423とが接続されるようにする。そして制御部414が、1つの周波数を持つ搬送波としての電波を送出するようソフトウェア無線機352に設定する信号を送受信部413に送出する。その後、制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、スペクトラムアナライザ422と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。すなわち、技適用アンテナ335が受信した信号がスペクトラムアナライザ422に出力されるようにする。また、制御部414がスペクトラムアナライザ422を制御し、このスペクトラムアナライザ422が受信する信号の周波数を制御部414に通知するようにする。
【0111】
そして、制御部414が送信した信号を車両アンテナ340を介して受信した演算処理部140は、設定に従って要求の周波数において電波を送信するようベースバンド信号処理部120を制御する。これによってソフトウェア無線機352は要求に従って電波を車両アンテナ340から放出する。
【0112】
スペクトラムアナライザ422は、技適用アンテナ335によって電気信号に変換されたこの電波を受信し、この受信した電気信号の周波数を検知し、その値を制御部414に通知する。そしてこの周波数の通知を受信した制御部414は、通知された周波数のずれが設定した周波数から規定の範囲内に入っているか否かを判定し、この判定結果を試験結果に含める。
【0113】
また、スプリアス検査においては、まず制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、分波器423と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414が終端スイッチ424を制御し、減衰器427と分波器423とが接続されるようにする。そして制御部414が、1つの周波数において電波信号を送出するようソフトウェア無線機352に設定する信号を送受信部413に送出する。その後、制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、スペクトラムアナライザ422と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414がスペクトラムアナライザ422を制御し、このスペクトラムアナライザ422が受信する信号の周波数−強度特性を制御部414に通知するようにする。
【0114】
そして、制御部414が送信した信号を車両アンテナ340を介して受信した演算処理部140は、設定に従って要求の周波数において電波信号を送信するようベースバンド信号処理部120を制御する。これによってソフトウェア無線機352は要求に従って電波を車両アンテナ340から放出する。
【0115】
スペクトラムアナライザ422は、技適用アンテナ335によって電気信号に変換されたこの電波を受信し、この受信した電気信号の周波数−強度特性を検知し、その値を制御部414に通知する。そしてこの周波数の通知を受信した制御部414は、通知された周波数−強度特性において、設定した周波数以外の周波数成分におけるノイズ、すなわちスプリアスが既定値以下であるか否かを判定し、この判定結果を試験結果に含める。
【0116】
また、副次放出検査においては、まず制御部414がアンテナスイッチ421を制御し、分波器423と技適用コネクタ428とが接続されるようにする。また、制御部414が終端スイッチ424を制御し、減衰器427と分波器423とが接続されるようにする。そして制御部414が、送信を停止するようソフトウェア無線機352に設定する信号を送受信部413に送出する。この信号を車両アンテナ340を介して受信した演算処理部140は、要求に送信を停止する。
【0117】
送受信部413は、この時に技適用アンテナ335によって電気信号に変換された電波を受信し、この受信した電気信号の電力レベルを検知し、その値を制御部414に通知する。そしてこの電力レベル通知を受信した制御部414は、ステップ645でファクターとして採用した伝搬損失の情報を用い、受信した電力レベルからソフトウェア無線機352における電波放出時の出力電力レベルを算出する。そして、算出した出力電力レベルが規定の値以下であるか否かを判定し、この判定結果を試験結果に含める。
【0118】
そして、基地局315はこの技術基準適合試験の結果を基地局網およびインターネット網320を介して技術基準適合認証機関325に送信する(ステップ660)。技術基準適合試験の結果、すなわち試験結果は、ソフトウェア無線機352の識別子、技術基準適合試験を行う対象のソフトウェア無線モジュールの種類、各種検査による判定結果を含むものである。ソフトウェア無線機352の識別子としては、本実施形態においてはロットナンバーを使用する。また各種検査による判定結果ではなく、各種検査時の電力のずれ、周波数のずれ、スプリアスの出力電力、副次放射の出力電力、接続の失敗の頻度等の値そのものが技術基準適合試験の結果に含まれるようになっていてもよい。
【0119】
技術基準適合認証機関325は、この試験結果を受信し、受信した試験結果が規定の基準に適合するか否かの判定を行う(ステップ665)。そして適合する、すなわち技術基準適合試験が合格であると判定すれば、基地局315に対して当該ソフトウェア無線モジュールをソフトウェア無線機352が使用することを認める認証キーを基地局315に送信する。そして基地局315はこの認証キーを受信し、これを無線通信によってソフトウェア無線機352に送信する(ステップ680)。そしてソフトウェア無線機352の演算処理部140はこの認証キーを受信し(ステップ685)、署名の正当性を認証キー記憶部154に記録された公開鍵を使用して確認した後、認証キー記憶部154にこの認証キーを記録する。
【0120】
また、ステップ665で試験に不合格であると技術基準適合認証機関325が判定すれば、技術基準適合認証機関325はその旨を基地局315に通知し、この通知を受信した基地局315はソフトウェア無線機352に不合格である旨を通知する(ステップ670)。そしてその通知を受信したソフトウェア無線機352の演算処理部140は、画像表示部160に技術基準適合試験に不合格である旨を表示する。
【0121】
このようにすることによって、車両350に搭載されたソフトウェア無線機352は、新たなソフトウェア無線モジュールの技術基準適合試験を、ソフトウェア無線機352が当該車両に装着されたまま技術基準適合試験を受けられるようになる。
【0122】
なお、本実施形態においては基地局315および検査装置318が技術基準適合試験装置を構成する。ただし、基地局315と検査装置318はこのように分離している必要はなく、例えば基地局315内に検査装置318が組み込まれていても良い。
【0123】
また、シールド室330が技術基準適合試験設備に相当する。
【0124】
また、技適用アンテナ335が技術基準適合試験装置が技術基準適合試験のために使用するアンテナに相当する。
【0125】
また、ソフトウェア無線機能実現手段130が使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えることによって使用する通信システムを切り替えることができる通信システム切替手段を構成する。
【0126】
また、検査用データ記憶部155が技術基準適合試験設備に対して車両が規定の位置に停止したときにおける、当該無線通信機からの電波の、送信されてからアンテナに受信されるまでの間の伝搬損失の情報を記録するためのメモリを構成する。
【0127】
また、図7のステップ640に記載の演算処理部140の送信処理が、技術基準適合試験時に伝搬損失の情報を、アンテナを介して技術基準適合試験装置に通知する伝搬損失情報送信手段を構成する。
【0128】
また、図7のステップ685に記載の演算処理部140の受信処理が、技術基準適合試験装置から、無線通信によって認証キーを受信する認証キー受信手段を構成する。
【0129】
また、図7のステップ642に記載の制御部414の受信処理が、伝搬損失の情報をソフトウェア無線機より受信する伝搬損失情報受信手段を構成する。
【0130】
また、図7のステップ645に記載の制御部414の処理が、技術基準適合試験設備に対して規定の位置に停止している車両の技術基準適合試験を行うとき、伝搬損失の情報を、ソフトウェア無線機より受信する信号の電力レベルから、受信する信号がソフトウェア無線機から送信されるときの電力レベルを求めるために用いる伝搬損失情報使用手段を構成する。
【0131】
また、図7のステップ660に記載の制御部414の送信処理が、ソフトウェア無線機の技術基準適合試験の結果をネットワークを介して技術基準適合認証機関に送信する試験結果送信手段を構成する。
【0132】
また、図7のステップ680に記載の制御部414の処理が、送信した試験結果に基づいて技術基準適合認証機関が返信する、技術基準適合試験に合格したことを示す情報である認証キーを受信し、受信したこの認証キーを無線通信によってソフトウェア無線機に送信する認証キー送信手段を構成する。
【0133】
また、インターネット320が技術基準適合認証機関が接続されたネットワークに相当する。
【0134】
また、ネットワークインターフェース415が、技術基準適合認証機関と通信するために、技術基準適合認証機関が接続されたネットワークに接続する接続手段に相当する。
【0135】
また、本実施形態においては、カーディーラー310において技術基準適合試験を行っているが、カーディーラー310で行う必要はなく、本実施形態のような技術基準適合試験のための設備がある場所であれば、どのような場所で技術基準適合試験を行ってもよい。
【0136】
また本実施形態においては、ソフトウェア無線機352が無線通信によって無線スイッチ356を制御し、ナビゲーションシステム353、ETC受信機361、キーレスエントリ装置362、Bluetooth通信機363、およびオーディオ装置364の作動を停止させているが、かならずしもこのようにする必要はなく、例えば手動でこれらの作動をを停止させてもよい。
【0137】
また本実施形態においては、基地局315はcdma2000やW−CDMA通信システムでの通信が可能となっているが、技術基準適合試験装置は必ずしもこのように決まった通信システムにのみに対応するような装置である必要はなく、例えば使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えることによって複数の通信システムによる通信が可能となるようなものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】技術基準適合試験システムの全体構成図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るソフトウェア無線機352の構成を示すブロック図である。
【図3】車両350内の機器の構成図である。
【図4】検査用データの一例を示す図表である。
【図5】基地局315および検査装置318の構成を示すブロック図である。
【図6】ソフトウェア無線機352の車両350への設置時における、伝搬損失のデータの実測の手順を示すフローチャートである。
【図7】車両350に搭載されたソフトウェア無線機352の技術基準適合試験の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
111…送信部、112…受信部、113…アンテナ共用器、
114…アンテナコネクタ、115…統合無線部、
120…ベースバンド信号処理部、130…ソフトウェア無線機能実現手段、
140…演算処理部、150…記憶装置、
153…ソフトウェア無線モジュール記憶部、154…認証キー記憶部、
155…検査用データ記憶部、160…画像表示部、170…操作部、
310…カーディーラー、315…基地局、318…検査装置、
320…インターネット、325…認証機関、330…シールド室、
335…技適用アンテナ、340…車両アンテナ、350…車両、
352…ソフトウェア無線通信機、353…ナビゲーションシステム、
354…車両バッテリー、356…無線スイッチ、
357…スイッチ用アンテナ、361…ETC受信機、
362…キーレスエントリ装置、363…Bluetooth通信機、
364…オーディオ装置、411…受信アンテナ、412…送信アンテナ、
413…送受信部、414…制御部、
415…ネットワークインターフェース、416…操作部、
421…アンテナスイッチ、422…スペクトラムアナライザ、
423…分波器、424…終端スイッチ、425…終端器、
426、427…減衰器、428…技適用コネクタ。
Claims (5)
- 車両に搭載されるソフトウェア無線機であって、
使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えることによって使用する通信システムを切り替えることができる通信システム切替手段と、
当該ソフトウェア無線機の新たな通信システムの使用に対する技術基準適合試験のために使用されるアンテナを備えた技術基準適合試験設備に対して規定の位置に前記車両が停止したときにおける、当該ソフトウェア無線機からの電波の、送信されてから前記アンテナに受信されるまでの間の伝搬損失の情報を記録するためのメモリと、
前記技術基準適合試験時において、前記伝搬損失の情報を用いて当該ソフトウェア無線機より受信する信号の受信電力レベルから、前記受信する信号が前記ソフトウェア無線機から送信されたときの送信電力レベルを求め、この送信電力レベルを利用して、前記アンテナを使用した当該ソフトウェア無線機との無線通信によって前記技術基準適合試験を行う技術基準適合試験装置に、前記メモリに記録されている前記伝搬損失の情報を通知する伝搬損失情報送信手段と、を備えたソフトウェア無線機。 - 前記技術基準適合試験装置から、前記無線通信によって前記技術基準適合試験に合格したことを通知する情報である認証キーを受信する認証キー受信手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載のソフトウェア無線機。
- 使用するソフトウェア無線モジュールを切り替えることによって使用する通信システムを切り替えることができるソフトウェア無線機と無線通信を行うことによって、前記ソフトウェア無線機の新たな通信システムの使用に対する技術基準適合試験を行う技術基準適合試験装置であって、
前記ソフトウェア無線機を搭載した車両が、前記無線通信のために使用されるアンテナを備えた技術基準適合試験設備に対して規定の位置に停止したときにおける、前記ソフトウェア無線機からの電波の、送信されてから前記アンテナに受信されるまでの間の伝搬損失の情報を前記ソフトウェア無線機より受信する伝搬損失情報受信手段と、
前記技術基準適合試験設備に対して前記規定の位置に停止している前記車両の技術基準適合試験を行うとき、前記伝搬損失の情報を、前記ソフトウェア無線機より受信する信号の受信電力レベルから、前記技術基準適合試験において必要となる前記受信する信号が前記ソフトウェア無線機から送信されたときの送信電力レベルを求めるために用いる伝搬損失情報使用手段と、を備えたことを特徴とする技術基準適合試験装置。 - 技術基準適合試験の結果に基づいてソフトウェア無線機が技術基準適合試験に合格したか否かを判定する技術基準適合認証機関と通信するために、前記技術基準適合認証機関が接続されたネットワークに接続する接続手段と、
前記ソフトウェア無線機の技術基準適合試験の結果を前記ネットワークを介して前記技術基準適合認証機関に送信する試験結果送信手段と、
前記送信した試験結果に基づいて前記技術基準適合認証機関が返信する、技術基準適合試験に合格したことを示す情報である認証キーを受信し、受信したこの認証キーを前記無線通信によって前記ソフトウェア無線機に送信する認証キー送信手段と、を備えたことを特徴とする請求項3に記載の技術基準適合試験装置。 - 請求項1に記載のソフトウェア無線機を搭載した車両を、請求項3に記載の技術基準適合試験装置が前記技術基準適合試験のために使用するアンテナを備えた技術基準適合試験設備に対して規定の位置に停止させる手順と、
前記ソフトウェア無線機から前記技術基準適合試験装置に前記伝搬損失の情報を通知する手順と、
前記技術基準適合試験装置が、前記伝搬損失の情報を、前記ソフトウェア無線機より受信する信号の受信電力レベルから、前記技術基準適合試験において必要となる前記受信する信号が前記ソフトウェア無線機から送信されたときの送信電力レベルを求めるために用いて、前記ソフトウェア無線機の技術基準適合試験を行う手順と、を備えた技術基準適合試験の方法。
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