JP3674077B2 - 記録再生装置 - Google Patents
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】
この発明は、記録媒体として光磁気ディスクを用いる携帯用の小型ディスクプレーヤ装置等の記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光磁気ディスクを用いる録音再生可能な小型ディスクプレーヤ装置が知られている。この小型ディスクプレーヤ装置では、上面側が開口した筐型の装置本体内に、録音媒体(記録媒体)としての光磁気ディスクを回転させるスピンドルモータと再生用の光学ピックアップと録音用で磁界変調オーバーライトヘッド方式の磁気ヘッド等から成るメカデッキ部をセットシャーシを介して配設してある。また、上記装置本体の上面開口部に対して底面側が開口した筐型の蓋体としての上蓋を開閉自在に設けてある。この上蓋の開時に、該上蓋側にはカセットホルダーを介して上記光磁気ディスクを収納した合成樹脂製で筐型のディスクカセットが保持されるようになっている。
【0003】
そして、上記カセットホルダーにディスクカセットを保持した状態で上蓋を閉じると、該ディスクカセット内の光磁気ディスクは上記スピンドルモータで回転するターンテーブル上に装着され、光磁気ディスクに記録された情報が光学ピックアップ等を介して再生されるようになっている。また、上記装置本体の側面等に設けられた録音ボタンをスライド操作することにより、外部マイクロホン等からの入力情報が磁気ヘッド等を介して上記光磁気ディスクに録音されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の小型ディスクプレーヤ装置では、上記メカデッキ部のメカシャーシの端部を、上記セットシャーシに折り曲げ形成されたストッパー用の曲げ片等で係止するようにしていたため、小型ディスクプレーヤ装置を誤って落下等させた場合に、上記メカシャーシの端部が上記セットシャーシの曲げ片に強い衝撃力を伴って当たることにより該曲げ片が変形してストッパーとして機能しなくなる欠点があった。また、上記曲げ片は通常一方向(例えば下方向)のストッパーとしてしか機能せず、落下時等に他の方向(例えば後方向)に強い力が加わった場合にはストッパーとしての役割を果たさなかった。
【0005】
そこで、この発明は、落下等に発生するメカデッキ部のメカシャーシの2方向の動きを1つの軸で確実に受け止めることができ、セットシャーシ等の強度,耐久性を向上させることができる記録再生装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筐体の装置本体に取り付けられたセットシャーシと記録媒体用ターンテーブルが取り付けられたメカシャーシとを有し、上記メカシャーシが上記セットシャーシから衝撃止材で支持された記録再生装置において、上記セットシャーシに取り付けられ、衝撃による上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを規制する金属製の上記衝撃止材 1 個を有し、上記衝撃止材の形状を径の異なる軸により構成することによって上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを上記セットシャーシに設けられた 1 箇所の上記衝撃止材で規制可能とすることを特徴とする。
【0007】
【作用】
記録再生装置を誤って落としてメカデッキ部のメカシャーシがセットシャーシのストッパーとしての軸に強い衝撃力を伴って当たっても、該軸で上記メカシャーシが確実に受け止められる。この軸には段差が付いているので、上記メカシャーシの例えば下方向や該下方向に直交する方向の2方向の動きが上記1つの軸の段差の部分で確実に受け止められ、従来のものに比べて、メカシャーシやセットシャーシ等の強度,耐久性が大幅に向上する。
【0008】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述する。
【0009】
図1〜図3において、1は録音再生可能な携帯用の小型ディスクプレーヤ装置(記録再生装置)である。この小型ディスクプレーヤ装置1の装置本体2は、上面右側に位置する操作部2a以外の上面側が開口した合成樹脂製の筐型に形成してある。この筐型の装置本体2内には、金属製で枠形のセットシャーシ3を介して録音媒体(記録媒体)としての例えば直径64mmの光磁気ディスクDに情報を記録再生するメカデッキ部4を配設してあると共に、該装置本体2の上面開口部2bに対して底面側が開口した合成樹脂製で筐型の上パネル(蓋体)5を上記セットシャーシ3の左右両側壁にピン枢支された一対の支点板6,7を介して開閉動自在に設けてある。この上パネル5の閉状態は、セットシャーシ3の前壁部の内側にスライド自在に設けられたロックアーム(係止体)8の鉤形の爪部8aが上パネル5の前壁の内面側に溶着等により固定された合成樹脂製で正面凵字形のオープンロッカー(係合体)9の中央の係合部9aに係止されることによりロックされるようになっている。
【0010】
図1〜図3に示すように、筐型の装置本体2の右側面から正面及び左側面の上部には飾り帯部2cを突出形成してある。また、装置本体2の上面開口部2bの前縁部の略中央から左端側の上記飾り帯部2cには、上記オープンロッカー9の左側面9bに近接するようにリブ2dを上方へ一体突出形成してある。図3に示すように、リブ2dの右側面とオープンロッカー9の左側面9bとのクリアランス(隙間)Lは、例えばL=0.2〜0.5mmに設定してあり、ロックアーム8の爪部8aがオープンロッカー9の係合部9aに係止する距離S(例えばS=1.3mm)より小さくなっている(L<S)。この差の距離(例えばS−L=1.1〜0.8mm)により、セット(小型ディスクプレーヤ装置1)を図2の矢印Xで示す横方向に捻っても上パネル9の閉ロック状態(ロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aとの係止状態)が外れないようになっている。さらに、図2に示すように、装置本体2の上面右側に突設した操作部2aには、再生ボタンと早送りボタン及び巻戻しボタン等の操作ボタン類10を配置してある。
【0011】
図4に示すように、セットシャーシ3は、前壁部3aと左側壁部3bと後壁部3cとで平面コ字状に形成された金属板製のメインシャーシ3Aと、このメインシャーシ3Aの前,後壁部3a,3cの右側にかしめ固定され、右側壁部3dと上面片部3eで断面L字状に形成された金属板製のサブシャーシ3Bとで構成されて、前記筐型の装置本体2の内面にビス止めされている。このセットシャーシ3の前壁部3a及び後壁部3cの内面下側の左寄りと、右側壁部3dの内面下側の両端には各壁部に対して直角になるように水平曲げ片15をそれぞれ内側に折り曲げ形成してある。また、セットシャーシ3の後壁部3cの略中央には垂直曲げ片16等を内側に折り曲げ形成してあると共に、該後壁部3cの内面左下側にはストッパーとしての金属製の軸17をかしめ固定してある。この軸17は小径部17aと大径部17bの段差の付いた円柱状に形成してあると共に、図5,8に示すように、該軸17の基部17cを上記後壁部3cに形成された取付孔3fにかしめ固定してある。
【0012】
図8に示すように、上記セットシャーシ3の4つの各水平曲げ片15上には、メカデッキ部4のメカシャーシ20を該各水平曲げ片15の孔部15aを通るロッド21とゴム製のダンパー22及び圧縮コイルバネ23等を介して宙に浮くように取付けており、振動や落下時の衝撃力等の外力を吸収できるようになっている。また、このメカシャーシ20は金属製の板バネ24によって上側より押さえ付けられていると共に、該メカシャーシ20の左端側において下方に折り曲げられた折曲部の下端20aは、上記軸17の小径部17aの外周面及び大径部17bの正面との間にそれぞれ所定のクリアランス(例えば0.8mm)を有して位置している。
【0013】
図8に示すように、上記メカデッキ部4は、上記メカシャーシ20と、このメカシャーシ20の略中央にスピンドルモータ25等を介して取付けられて前記光磁気ディスクDを回転させるターンテーブル26と、ガイド軸27a及び送りねじ27b等を介して光磁気ディスクDの下方においてそのラジアル方向に往復移動自在に設けられた再生用の光学ピックアップ28と、この光学ピックアップ28の往復移動に同期して光磁気ディスクDの上方においてそのラジアル方向に往復移動するように設けられた録音用で磁界変調オーバーライトヘッド方式の磁気ヘッド29等で構成されている。
【0014】
図4,5に示すように、セットシャーシ3の左側壁部3bの内側後部には、ピン30を介して左側の金属製の支点板6を上下方向に揺動自在に支持してある。この支点板6は円弧状の長孔6aとピン31及び突出部6bを介して上方の揺動位置が規制されるようになっている。また、図6に示すように、セットシャーシ3の右側壁部3dの内側後部には、ピン32を介して右側の金属製の支点板7を上下方向に揺動自在に支持してある。この支点板7は円弧状の長孔7aとピン33及び突出部7bを介して上方の揺動位置が規制されるようになっている。この一対の支点板6,7の先端側と基端側には複数のねじ孔6c,7cを形成してあり、この各ねじ孔6c,7cを介して上パネル5を図3に示すようにビス34を介して締結固定してある。
【0015】
図4,7に示すように、セットシャーシ3の前壁部3aの内面の略中央には、一対のピン35,35を介して前記ロックアーム8の胴部8bに形成された一対の孔部8c,8cをスライド自在に支持してある。このロックアーム8は引張りコイルバネ36を介して左側に付勢されており、該ロックアーム8の胴部8bの左端8d側が上記前壁部3aに形成された矩形の孔部3gより少し露出するようになっている。また、セットシャーシ3の前壁部3aの外面の左側には、オープンレバー37をスライド自在にかしめ支持してある(このかしめ支持による軸部を図4,7中符号38で示す)。このオープンレバー37は引張りコイルバネ39を介して左側に付勢されており、該オープンレバー37の上右側の内曲げ部37aが上記前壁部3aに形成された矩形の孔部3g内に挿入されている。このオープンレバー37の下右側の外曲げ部37bは前記装置本体2の正面左側にスライド自在に設けられたオープンボタン11に連結されており、該オープンボタン11を引張りコイルバネ39の付勢力に抗して右側にスライドさせると、オープンレバー37の内曲げ部37a等を介して上記ロックアーム8を右側(ロック状態を解除する方向)に移動させるようになっている。さらに、録音,再生時には、装置本体2の左側面にスライド自在に設けられたホールドボタン12を前側にスライドさせておく。これにより、上記ホールドボタン12に連係されたホールドレバー40の先端部40aが図4中矢印で示すように矩形の孔部3g内のロックアーム8の胴部8bの左端8dとオープンレバー37の内曲げ部37aとの間に挿入されてオープンボタン11をスライド操作することができないようになっている。
【0016】
さらに、図4,図7に示すように、セットシャーシ3の前壁部3aの内面の両端側には、録音レバー41と電池検出レバー42をそれぞれスライド自在にかしめ支持してある(これらかしめ支持による軸部を図7中符号43,44でそれぞれ示す)。この各レバー41,42は引張りコイルバネ45,46を介してそれぞれ左側に付勢されており、該録音レバー41の右端下側の外曲げ部41aが上記前壁部3aに形成された矩形の孔部3hより外側の下方に露出していると共に、電池検出レバー42の左端の曲げ部42aが左側壁部3bの下方より外側に露出している。この録音レバー41の右端下側の外曲げ部41aは前記装置本体2の正面右側にスライド自在に設けられた録音ボタン13に連結されており、該録音ボタン13を引張りコイルバネ45の付勢力に抗して右側にスライドさせると、図示しない録音スイッチがオンとなって光磁気ディスクDに情報が録音されるようになっている。また、図1に示すように、電池検出レバー42の左端の曲げ部42aは前記装置本体2の左側面の前側に押圧操作自在に設けられた電池検出ボタン14に連結されており、該電池検出ボタン14を引張りコイルバネ46の付勢力に抗して奥の方に押圧操作させると、上パネル5の前側に設けられた液晶ディスプレイ(表示部)5aに装置本体2の電池収納部2hに収納された単三形の一次電池47のバッテリー残量が表示されるようになっている。
【0017】
図1に示すように、装置本体2の左側面略中央には、小径の丸孔部2iを形成してある。この丸孔部2iに対向するセットシャーシ3の左側壁部3bにはねじ孔3iを形成してある。このねじ孔3iは左側壁部3bの略中央をバーリング加工により孔開けした後にタップ加工によりねじ形成されて上記丸孔部2iより露出している。このねじ孔3iには、合成樹脂製で円板状の回転板51の中央に固定された金属製のねじ52を介して合成樹脂製で筐型のバッテリーケース(外付け部品)50を着脱自在に取付けられるようになっている。また、上記セットシャーシ3の左側壁部3bのねじ孔3iに対向する位置には、該左側壁部3bのねじ孔3iの下縁側を更に延ばして内側に180°折り曲げることにより目隠し片3jを一体突出形成してある。そして、この目隠し片3jの先端部3kで上記ねじ孔3iを内側から覆うようにしてある。さらに、図10(a),(b)に示すように、目隠し片3jの先端部3kのねじ孔3iに対向する側の肉厚tは、他の部分より薄肉(他の部分の肉厚を例えば0.6mmとした場合にはt=0.2mm)の略円板状になるようにプレス加工等により形成してある。
【0018】
尚、上記筐型のバッテリーケース50内には、蓋体53を開けて充電可能な図示しないリチウムイオン充電池(二次電池)等の電池が収納されている。また、図1の二点鎖線で示すように、前記光磁気ディスクDは、合成樹脂製のディスクカセットK内に回転自在に収納されており、上パネル5の開閉動に連動して上記一対の支点板6,7等を介して上下方向に揺動する金属製のカセットホルダー19に保持されてターンテーブル26に装着されるようになっている。
【0019】
以上実施例の小型ディスクプレーヤ装置1によれば、図1の二点鎖線で示すように、上パネル5を開き、カセットホルダー19に光磁気ディスクDを収納したディスクカセットKを保持させて上記上パネル5を図1の実線で示すように閉じると、ディスクカセットK内の光磁気ディスクDがメカデッキ部4のターンテーブル26に装着される。この上パネル5の閉動作時に、上パネル5に固定されたオープンロッカー9の係合部9aの下面側で装置本体2内のセットシャーシ3にスライド自在に設けられたロックアーム8の爪部8aの上左端のテーパ面を押すことにより、ロックアーム8は引張りコイルバネ36の引っ張り力に抗して右側にスライドする。そして、上パネル5により装置本体2の上面開口部2bが完全に閉じられると、オープンロッカー9の係合部9aがロックアーム8の爪部8aの下側に位置してロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aが係止されて上パネル5の閉状態が自動的にロックされる。
【0020】
この上パネル5の閉ロック状態において装置本体2の右上側に突設された操作部2aの操作ボタン類10の再生ボタンを押圧操作すると、光磁気ディスクDに記録された情報がメカデッキ部4の光学ピックアップ28等を介して再生され、また、装置本体2の前面右側に配置された録音ボタン13を右側にスライド操作すると、図示しない外部マイクロホン等からの入力情報がメカデッキ部4の磁気ヘッド29等を介して上記光磁気ディスクDに録音される。
【0021】
また、この上パネル5の閉ロック状態において、図2の矢印Xに示すように、セット(小型ディスクプレーヤ装置1)が横方向にひねられると、上パネル5の前側が図中左方向に移動してロックアーム8の爪部8aがオープンロッカー9の係合部9aからはずれようとするが、この時、オープンロッカー9の左側面9bが装置本体2の飾り帯部2cより上方へ一体突出形成されたリブ2dに当たって該リブ2dがオープンロッカー9のストッパとして機能する。これにより、ロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aとの係止状態が外れることがなく、セットの捻りによる上パネル5の閉ロック状態の不用意な解除を確実に防止することができる。
【0022】
さらに、小型ディスクプレーヤ装置1を誤って落下等させても、上パネル5のオープンロッカー9の左側面9bが装置本体2のリブ2dに当たってロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aとの係止状態が外れることがないため、上パネル5や該上パネル5内の一対の支点板6,7及び装置本体2内のセットシャーシ3やメカデッキ部4のメカシャーシ20等の過度の変形,破損等を確実に防止することができる。また、上記装置本体2のリブ2dは、上パネル5を開けた際に上記メカデッキ部4の目隠しとなるので、セット全体の見栄えを一段と向上させることができる。
【0023】
また、小型ディスクプレーヤ装置1の落下時等において、メカデッキ部4に強い衝撃力が加わって該メカデッキ部4のメカシャーシ20が図8の矢印Aに示す方向に動いても、セットシャーシ3にかしめ固定された軸17の大径部17bの正面でメカシャーシ20の折曲部の下端20aが受け止められ、また、メカシャーシ20が図8の矢印Bに示す下方向に動いても、セットシャーシ3にかしめ固定された軸17の小径部17aの外周面でメカシャーシ20の折曲部の下端20aが受け止められる。これにより、図4に示すセットシャーシ3の各水平曲げ片15の下方への変形や、垂直曲げ片16の開く方向(図4中右方向)の変形を確実に防止することができ、セットシャーシ3及びメカシャーシ20の耐久性及び強度を大幅に向上させることができる。また、ストッパーとして機能する軸17の小径部17aは比較的大きな径となっているので、図8の矢印Bに示す下方向の衝撃に対しても強度的に強いものとなっている。さらに、メカシャーシ20の2方向(図8の矢印A,Bに示す方向)の動きを1つの軸17で受け止めるストッパーとしての機能を持たせたので、その分部品点数及び組立工数の削減を図ってセット全体の低コスト化を図ることができる。これらにより、小型ディスクプレーヤ装置1を誤って落としても落下時の衝撃力等に十分耐えることができる強度を有した故障の少ない小型ディスクプレーヤ装置1を低コストで提供することができる。
【0024】
さらに、図1,図9に示すように、バッテリーケース50をねじ止めする装置本体2の左側面の丸孔部2iより露出したセットシャーシ3のねじ孔3iは、目隠し片3jの先端部3kで覆われているので、これら丸孔部2iとねじ孔3iからメカデッキ部4の中が見えたり、ゴミ等の異物が入ったり、使用者がいたずら(例えばシャープペン等の先端をねじ孔3iに挿入)したりすることを、確実に防ぐことができる。また、上記目隠し片3jをセットシャーシ3の左側壁部3bに折り曲げ加工(プレス加工)により一体突出形成したことにより、温度等による環境変化に関係なく、セットシャーシ3のねじ孔3iを上記目隠し片3jにより確実に覆うことができると共に、該ねじ孔3iを隠すために目隠しシール等をセットシャーシ3の左側壁部3bの内側に貼る必要がなく、その分、材料の有効利用や、部品点数及び組立工数の削減を図ってセット全体の低コスト化を図ることができる。さらに、上記目隠し片3jはプレス加工によりねじ孔3iの位置からずれることなく折り曲げ形成できるので、セットの量産によるバラツキの減少及び信頼性の向上をより一段と図ることができる。
【0025】
また、図10(a),(b)に示すように、上記目隠し片3jの先端部3kのねじ孔3iに対向する側の肉厚tを他の部分より薄肉の略円板状になるようにプレス加工等により形成したことにより、バッテリーケース50のねじ52をねじ孔3iに螺合してバッテリーケース50を装置本体2の左側面に取付ける際に、上記ねじ52のねじ部のストローク量を稼いでねじ52がねじ孔3iの途中で止まることがなく確実に螺合させることができる。これにより、バッテリーケース50を装置本体2の左側面に確実に取付けることができる。
【0026】
尚、前記実施例によれば、記録媒体として録音再生可能な光磁気ディスクを用いる小型ディスクプレーヤ装置について説明したが、記録媒体は光磁気ディスクに限らず、磁気ディスクや磁気テープ等を用いる他のディスクプレーヤ装置やVTR等の他の記録再生装置に前記実施例を適用できることは勿論である。また、合成樹脂製の上パネルに合成樹脂製のオープンロッカーを溶着等で固定したが、金属製の上パネルに金属製のオープンロッカーをかしめ等で固定してもよい。さらに、メカシャーシのストッパとして段差の付いた軸をセットシャーシの後壁部に1つ取付けたが、セットシャーシの前壁部と左側壁部と右側壁部にもそれぞれストッパとしての軸を取付けてもよい。さらにまた、外付け部品としてバッテリーケースを用いたが、外付け部品はバッテリーケースに限らないことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、筐体の装置本体に取り付けられたセットシャーシと記録媒体用ターンテーブルが取り付けられたメカシャーシとを有し、上記メカシャーシが上記セットシャーシから衝撃止材で支持された記録再生装置において、上記セットシャーシに取り付けられ、衝撃による上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを規制する金属製の上記衝撃止材 1 個を有し、上記衝撃止材の形状を径の異なる軸により構成することによって上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを上記セットシャーシに設けられた 1 箇所の上記衝撃止材で規制可能としたので、記録再生装置を誤って落として上記メカシャーシがストッパーとしての上記軸に強い衝撃力を伴って当っても、上記軸で上記メカシャーシを確実に受け止めることができる。この軸には段差がついているので、上記メカシャーシの例えば下方向と当該下方向とは直交する方向との2方向の動きを、上記1つの軸に段差を付けることで生じる小径部の外周面と大径部における小径部側の端面とで確実に受け止めることができ、従来のものに比べて、上記メカシャーシやセットシャーシ等の強度,耐久性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す小型ディスクプレーヤ装置の左側面図。
【図2】上記小型ディスクプレーヤ装置を正面側から見た部分斜視図。
【図3】上記小型ディスクプレーヤ装置の正面図。
【図4】上記小型ディスクプレーヤ装置に用いられるセットシャーシの全体斜視図。
【図5】上記セットシャーシの左側壁部にピン枢支された左側の支点板を内側から見た説明図。
【図6】上記セットシャーシの右側壁部にピン枢支された右側の支点板を内側から見た説明図。
【図7】上記セットシャーシの前壁部にスライド自在に支持されたロックアーム部分を内側から見た説明図。
【図8】上記セットシャーシに対して浮くように支持されたメカデッキ部の構成を示す説明図。
【図9】上記セットシャーシの左側壁部側と該左側壁部側に着脱自在に取付けられるバッテリーケースの斜視図。
【図10】(a)は、上記セットシャーシの左側壁部に形成されたバッテリーケース取付用のねじ孔を目隠しする目隠し片を内側から見た斜視図、(b)は同目隠し片の先端部を上記左側壁部側から見た斜視図。
【符号の説明】
1…ディスクプレーヤ装置(記録再生装置)
2…装置本体
3…セットシャーシ
3f…取付孔
4…メカデッキ部
17…軸(ストッパー)
17a…小径部
17b…大径部
17c…基部
20…メカシャーシ
D…光磁気ディスク(記録媒体)
【産業上の利用分野】
この発明は、記録媒体として光磁気ディスクを用いる携帯用の小型ディスクプレーヤ装置等の記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、光磁気ディスクを用いる録音再生可能な小型ディスクプレーヤ装置が知られている。この小型ディスクプレーヤ装置では、上面側が開口した筐型の装置本体内に、録音媒体(記録媒体)としての光磁気ディスクを回転させるスピンドルモータと再生用の光学ピックアップと録音用で磁界変調オーバーライトヘッド方式の磁気ヘッド等から成るメカデッキ部をセットシャーシを介して配設してある。また、上記装置本体の上面開口部に対して底面側が開口した筐型の蓋体としての上蓋を開閉自在に設けてある。この上蓋の開時に、該上蓋側にはカセットホルダーを介して上記光磁気ディスクを収納した合成樹脂製で筐型のディスクカセットが保持されるようになっている。
【0003】
そして、上記カセットホルダーにディスクカセットを保持した状態で上蓋を閉じると、該ディスクカセット内の光磁気ディスクは上記スピンドルモータで回転するターンテーブル上に装着され、光磁気ディスクに記録された情報が光学ピックアップ等を介して再生されるようになっている。また、上記装置本体の側面等に設けられた録音ボタンをスライド操作することにより、外部マイクロホン等からの入力情報が磁気ヘッド等を介して上記光磁気ディスクに録音されるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の小型ディスクプレーヤ装置では、上記メカデッキ部のメカシャーシの端部を、上記セットシャーシに折り曲げ形成されたストッパー用の曲げ片等で係止するようにしていたため、小型ディスクプレーヤ装置を誤って落下等させた場合に、上記メカシャーシの端部が上記セットシャーシの曲げ片に強い衝撃力を伴って当たることにより該曲げ片が変形してストッパーとして機能しなくなる欠点があった。また、上記曲げ片は通常一方向(例えば下方向)のストッパーとしてしか機能せず、落下時等に他の方向(例えば後方向)に強い力が加わった場合にはストッパーとしての役割を果たさなかった。
【0005】
そこで、この発明は、落下等に発生するメカデッキ部のメカシャーシの2方向の動きを1つの軸で確実に受け止めることができ、セットシャーシ等の強度,耐久性を向上させることができる記録再生装置を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、筐体の装置本体に取り付けられたセットシャーシと記録媒体用ターンテーブルが取り付けられたメカシャーシとを有し、上記メカシャーシが上記セットシャーシから衝撃止材で支持された記録再生装置において、上記セットシャーシに取り付けられ、衝撃による上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを規制する金属製の上記衝撃止材 1 個を有し、上記衝撃止材の形状を径の異なる軸により構成することによって上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを上記セットシャーシに設けられた 1 箇所の上記衝撃止材で規制可能とすることを特徴とする。
【0007】
【作用】
記録再生装置を誤って落としてメカデッキ部のメカシャーシがセットシャーシのストッパーとしての軸に強い衝撃力を伴って当たっても、該軸で上記メカシャーシが確実に受け止められる。この軸には段差が付いているので、上記メカシャーシの例えば下方向や該下方向に直交する方向の2方向の動きが上記1つの軸の段差の部分で確実に受け止められ、従来のものに比べて、メカシャーシやセットシャーシ等の強度,耐久性が大幅に向上する。
【0008】
【実施例】
以下、この発明の一実施例を図面と共に詳述する。
【0009】
図1〜図3において、1は録音再生可能な携帯用の小型ディスクプレーヤ装置(記録再生装置)である。この小型ディスクプレーヤ装置1の装置本体2は、上面右側に位置する操作部2a以外の上面側が開口した合成樹脂製の筐型に形成してある。この筐型の装置本体2内には、金属製で枠形のセットシャーシ3を介して録音媒体(記録媒体)としての例えば直径64mmの光磁気ディスクDに情報を記録再生するメカデッキ部4を配設してあると共に、該装置本体2の上面開口部2bに対して底面側が開口した合成樹脂製で筐型の上パネル(蓋体)5を上記セットシャーシ3の左右両側壁にピン枢支された一対の支点板6,7を介して開閉動自在に設けてある。この上パネル5の閉状態は、セットシャーシ3の前壁部の内側にスライド自在に設けられたロックアーム(係止体)8の鉤形の爪部8aが上パネル5の前壁の内面側に溶着等により固定された合成樹脂製で正面凵字形のオープンロッカー(係合体)9の中央の係合部9aに係止されることによりロックされるようになっている。
【0010】
図1〜図3に示すように、筐型の装置本体2の右側面から正面及び左側面の上部には飾り帯部2cを突出形成してある。また、装置本体2の上面開口部2bの前縁部の略中央から左端側の上記飾り帯部2cには、上記オープンロッカー9の左側面9bに近接するようにリブ2dを上方へ一体突出形成してある。図3に示すように、リブ2dの右側面とオープンロッカー9の左側面9bとのクリアランス(隙間)Lは、例えばL=0.2〜0.5mmに設定してあり、ロックアーム8の爪部8aがオープンロッカー9の係合部9aに係止する距離S(例えばS=1.3mm)より小さくなっている(L<S)。この差の距離(例えばS−L=1.1〜0.8mm)により、セット(小型ディスクプレーヤ装置1)を図2の矢印Xで示す横方向に捻っても上パネル9の閉ロック状態(ロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aとの係止状態)が外れないようになっている。さらに、図2に示すように、装置本体2の上面右側に突設した操作部2aには、再生ボタンと早送りボタン及び巻戻しボタン等の操作ボタン類10を配置してある。
【0011】
図4に示すように、セットシャーシ3は、前壁部3aと左側壁部3bと後壁部3cとで平面コ字状に形成された金属板製のメインシャーシ3Aと、このメインシャーシ3Aの前,後壁部3a,3cの右側にかしめ固定され、右側壁部3dと上面片部3eで断面L字状に形成された金属板製のサブシャーシ3Bとで構成されて、前記筐型の装置本体2の内面にビス止めされている。このセットシャーシ3の前壁部3a及び後壁部3cの内面下側の左寄りと、右側壁部3dの内面下側の両端には各壁部に対して直角になるように水平曲げ片15をそれぞれ内側に折り曲げ形成してある。また、セットシャーシ3の後壁部3cの略中央には垂直曲げ片16等を内側に折り曲げ形成してあると共に、該後壁部3cの内面左下側にはストッパーとしての金属製の軸17をかしめ固定してある。この軸17は小径部17aと大径部17bの段差の付いた円柱状に形成してあると共に、図5,8に示すように、該軸17の基部17cを上記後壁部3cに形成された取付孔3fにかしめ固定してある。
【0012】
図8に示すように、上記セットシャーシ3の4つの各水平曲げ片15上には、メカデッキ部4のメカシャーシ20を該各水平曲げ片15の孔部15aを通るロッド21とゴム製のダンパー22及び圧縮コイルバネ23等を介して宙に浮くように取付けており、振動や落下時の衝撃力等の外力を吸収できるようになっている。また、このメカシャーシ20は金属製の板バネ24によって上側より押さえ付けられていると共に、該メカシャーシ20の左端側において下方に折り曲げられた折曲部の下端20aは、上記軸17の小径部17aの外周面及び大径部17bの正面との間にそれぞれ所定のクリアランス(例えば0.8mm)を有して位置している。
【0013】
図8に示すように、上記メカデッキ部4は、上記メカシャーシ20と、このメカシャーシ20の略中央にスピンドルモータ25等を介して取付けられて前記光磁気ディスクDを回転させるターンテーブル26と、ガイド軸27a及び送りねじ27b等を介して光磁気ディスクDの下方においてそのラジアル方向に往復移動自在に設けられた再生用の光学ピックアップ28と、この光学ピックアップ28の往復移動に同期して光磁気ディスクDの上方においてそのラジアル方向に往復移動するように設けられた録音用で磁界変調オーバーライトヘッド方式の磁気ヘッド29等で構成されている。
【0014】
図4,5に示すように、セットシャーシ3の左側壁部3bの内側後部には、ピン30を介して左側の金属製の支点板6を上下方向に揺動自在に支持してある。この支点板6は円弧状の長孔6aとピン31及び突出部6bを介して上方の揺動位置が規制されるようになっている。また、図6に示すように、セットシャーシ3の右側壁部3dの内側後部には、ピン32を介して右側の金属製の支点板7を上下方向に揺動自在に支持してある。この支点板7は円弧状の長孔7aとピン33及び突出部7bを介して上方の揺動位置が規制されるようになっている。この一対の支点板6,7の先端側と基端側には複数のねじ孔6c,7cを形成してあり、この各ねじ孔6c,7cを介して上パネル5を図3に示すようにビス34を介して締結固定してある。
【0015】
図4,7に示すように、セットシャーシ3の前壁部3aの内面の略中央には、一対のピン35,35を介して前記ロックアーム8の胴部8bに形成された一対の孔部8c,8cをスライド自在に支持してある。このロックアーム8は引張りコイルバネ36を介して左側に付勢されており、該ロックアーム8の胴部8bの左端8d側が上記前壁部3aに形成された矩形の孔部3gより少し露出するようになっている。また、セットシャーシ3の前壁部3aの外面の左側には、オープンレバー37をスライド自在にかしめ支持してある(このかしめ支持による軸部を図4,7中符号38で示す)。このオープンレバー37は引張りコイルバネ39を介して左側に付勢されており、該オープンレバー37の上右側の内曲げ部37aが上記前壁部3aに形成された矩形の孔部3g内に挿入されている。このオープンレバー37の下右側の外曲げ部37bは前記装置本体2の正面左側にスライド自在に設けられたオープンボタン11に連結されており、該オープンボタン11を引張りコイルバネ39の付勢力に抗して右側にスライドさせると、オープンレバー37の内曲げ部37a等を介して上記ロックアーム8を右側(ロック状態を解除する方向)に移動させるようになっている。さらに、録音,再生時には、装置本体2の左側面にスライド自在に設けられたホールドボタン12を前側にスライドさせておく。これにより、上記ホールドボタン12に連係されたホールドレバー40の先端部40aが図4中矢印で示すように矩形の孔部3g内のロックアーム8の胴部8bの左端8dとオープンレバー37の内曲げ部37aとの間に挿入されてオープンボタン11をスライド操作することができないようになっている。
【0016】
さらに、図4,図7に示すように、セットシャーシ3の前壁部3aの内面の両端側には、録音レバー41と電池検出レバー42をそれぞれスライド自在にかしめ支持してある(これらかしめ支持による軸部を図7中符号43,44でそれぞれ示す)。この各レバー41,42は引張りコイルバネ45,46を介してそれぞれ左側に付勢されており、該録音レバー41の右端下側の外曲げ部41aが上記前壁部3aに形成された矩形の孔部3hより外側の下方に露出していると共に、電池検出レバー42の左端の曲げ部42aが左側壁部3bの下方より外側に露出している。この録音レバー41の右端下側の外曲げ部41aは前記装置本体2の正面右側にスライド自在に設けられた録音ボタン13に連結されており、該録音ボタン13を引張りコイルバネ45の付勢力に抗して右側にスライドさせると、図示しない録音スイッチがオンとなって光磁気ディスクDに情報が録音されるようになっている。また、図1に示すように、電池検出レバー42の左端の曲げ部42aは前記装置本体2の左側面の前側に押圧操作自在に設けられた電池検出ボタン14に連結されており、該電池検出ボタン14を引張りコイルバネ46の付勢力に抗して奥の方に押圧操作させると、上パネル5の前側に設けられた液晶ディスプレイ(表示部)5aに装置本体2の電池収納部2hに収納された単三形の一次電池47のバッテリー残量が表示されるようになっている。
【0017】
図1に示すように、装置本体2の左側面略中央には、小径の丸孔部2iを形成してある。この丸孔部2iに対向するセットシャーシ3の左側壁部3bにはねじ孔3iを形成してある。このねじ孔3iは左側壁部3bの略中央をバーリング加工により孔開けした後にタップ加工によりねじ形成されて上記丸孔部2iより露出している。このねじ孔3iには、合成樹脂製で円板状の回転板51の中央に固定された金属製のねじ52を介して合成樹脂製で筐型のバッテリーケース(外付け部品)50を着脱自在に取付けられるようになっている。また、上記セットシャーシ3の左側壁部3bのねじ孔3iに対向する位置には、該左側壁部3bのねじ孔3iの下縁側を更に延ばして内側に180°折り曲げることにより目隠し片3jを一体突出形成してある。そして、この目隠し片3jの先端部3kで上記ねじ孔3iを内側から覆うようにしてある。さらに、図10(a),(b)に示すように、目隠し片3jの先端部3kのねじ孔3iに対向する側の肉厚tは、他の部分より薄肉(他の部分の肉厚を例えば0.6mmとした場合にはt=0.2mm)の略円板状になるようにプレス加工等により形成してある。
【0018】
尚、上記筐型のバッテリーケース50内には、蓋体53を開けて充電可能な図示しないリチウムイオン充電池(二次電池)等の電池が収納されている。また、図1の二点鎖線で示すように、前記光磁気ディスクDは、合成樹脂製のディスクカセットK内に回転自在に収納されており、上パネル5の開閉動に連動して上記一対の支点板6,7等を介して上下方向に揺動する金属製のカセットホルダー19に保持されてターンテーブル26に装着されるようになっている。
【0019】
以上実施例の小型ディスクプレーヤ装置1によれば、図1の二点鎖線で示すように、上パネル5を開き、カセットホルダー19に光磁気ディスクDを収納したディスクカセットKを保持させて上記上パネル5を図1の実線で示すように閉じると、ディスクカセットK内の光磁気ディスクDがメカデッキ部4のターンテーブル26に装着される。この上パネル5の閉動作時に、上パネル5に固定されたオープンロッカー9の係合部9aの下面側で装置本体2内のセットシャーシ3にスライド自在に設けられたロックアーム8の爪部8aの上左端のテーパ面を押すことにより、ロックアーム8は引張りコイルバネ36の引っ張り力に抗して右側にスライドする。そして、上パネル5により装置本体2の上面開口部2bが完全に閉じられると、オープンロッカー9の係合部9aがロックアーム8の爪部8aの下側に位置してロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aが係止されて上パネル5の閉状態が自動的にロックされる。
【0020】
この上パネル5の閉ロック状態において装置本体2の右上側に突設された操作部2aの操作ボタン類10の再生ボタンを押圧操作すると、光磁気ディスクDに記録された情報がメカデッキ部4の光学ピックアップ28等を介して再生され、また、装置本体2の前面右側に配置された録音ボタン13を右側にスライド操作すると、図示しない外部マイクロホン等からの入力情報がメカデッキ部4の磁気ヘッド29等を介して上記光磁気ディスクDに録音される。
【0021】
また、この上パネル5の閉ロック状態において、図2の矢印Xに示すように、セット(小型ディスクプレーヤ装置1)が横方向にひねられると、上パネル5の前側が図中左方向に移動してロックアーム8の爪部8aがオープンロッカー9の係合部9aからはずれようとするが、この時、オープンロッカー9の左側面9bが装置本体2の飾り帯部2cより上方へ一体突出形成されたリブ2dに当たって該リブ2dがオープンロッカー9のストッパとして機能する。これにより、ロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aとの係止状態が外れることがなく、セットの捻りによる上パネル5の閉ロック状態の不用意な解除を確実に防止することができる。
【0022】
さらに、小型ディスクプレーヤ装置1を誤って落下等させても、上パネル5のオープンロッカー9の左側面9bが装置本体2のリブ2dに当たってロックアーム8の爪部8aとオープンロッカー9の係合部9aとの係止状態が外れることがないため、上パネル5や該上パネル5内の一対の支点板6,7及び装置本体2内のセットシャーシ3やメカデッキ部4のメカシャーシ20等の過度の変形,破損等を確実に防止することができる。また、上記装置本体2のリブ2dは、上パネル5を開けた際に上記メカデッキ部4の目隠しとなるので、セット全体の見栄えを一段と向上させることができる。
【0023】
また、小型ディスクプレーヤ装置1の落下時等において、メカデッキ部4に強い衝撃力が加わって該メカデッキ部4のメカシャーシ20が図8の矢印Aに示す方向に動いても、セットシャーシ3にかしめ固定された軸17の大径部17bの正面でメカシャーシ20の折曲部の下端20aが受け止められ、また、メカシャーシ20が図8の矢印Bに示す下方向に動いても、セットシャーシ3にかしめ固定された軸17の小径部17aの外周面でメカシャーシ20の折曲部の下端20aが受け止められる。これにより、図4に示すセットシャーシ3の各水平曲げ片15の下方への変形や、垂直曲げ片16の開く方向(図4中右方向)の変形を確実に防止することができ、セットシャーシ3及びメカシャーシ20の耐久性及び強度を大幅に向上させることができる。また、ストッパーとして機能する軸17の小径部17aは比較的大きな径となっているので、図8の矢印Bに示す下方向の衝撃に対しても強度的に強いものとなっている。さらに、メカシャーシ20の2方向(図8の矢印A,Bに示す方向)の動きを1つの軸17で受け止めるストッパーとしての機能を持たせたので、その分部品点数及び組立工数の削減を図ってセット全体の低コスト化を図ることができる。これらにより、小型ディスクプレーヤ装置1を誤って落としても落下時の衝撃力等に十分耐えることができる強度を有した故障の少ない小型ディスクプレーヤ装置1を低コストで提供することができる。
【0024】
さらに、図1,図9に示すように、バッテリーケース50をねじ止めする装置本体2の左側面の丸孔部2iより露出したセットシャーシ3のねじ孔3iは、目隠し片3jの先端部3kで覆われているので、これら丸孔部2iとねじ孔3iからメカデッキ部4の中が見えたり、ゴミ等の異物が入ったり、使用者がいたずら(例えばシャープペン等の先端をねじ孔3iに挿入)したりすることを、確実に防ぐことができる。また、上記目隠し片3jをセットシャーシ3の左側壁部3bに折り曲げ加工(プレス加工)により一体突出形成したことにより、温度等による環境変化に関係なく、セットシャーシ3のねじ孔3iを上記目隠し片3jにより確実に覆うことができると共に、該ねじ孔3iを隠すために目隠しシール等をセットシャーシ3の左側壁部3bの内側に貼る必要がなく、その分、材料の有効利用や、部品点数及び組立工数の削減を図ってセット全体の低コスト化を図ることができる。さらに、上記目隠し片3jはプレス加工によりねじ孔3iの位置からずれることなく折り曲げ形成できるので、セットの量産によるバラツキの減少及び信頼性の向上をより一段と図ることができる。
【0025】
また、図10(a),(b)に示すように、上記目隠し片3jの先端部3kのねじ孔3iに対向する側の肉厚tを他の部分より薄肉の略円板状になるようにプレス加工等により形成したことにより、バッテリーケース50のねじ52をねじ孔3iに螺合してバッテリーケース50を装置本体2の左側面に取付ける際に、上記ねじ52のねじ部のストローク量を稼いでねじ52がねじ孔3iの途中で止まることがなく確実に螺合させることができる。これにより、バッテリーケース50を装置本体2の左側面に確実に取付けることができる。
【0026】
尚、前記実施例によれば、記録媒体として録音再生可能な光磁気ディスクを用いる小型ディスクプレーヤ装置について説明したが、記録媒体は光磁気ディスクに限らず、磁気ディスクや磁気テープ等を用いる他のディスクプレーヤ装置やVTR等の他の記録再生装置に前記実施例を適用できることは勿論である。また、合成樹脂製の上パネルに合成樹脂製のオープンロッカーを溶着等で固定したが、金属製の上パネルに金属製のオープンロッカーをかしめ等で固定してもよい。さらに、メカシャーシのストッパとして段差の付いた軸をセットシャーシの後壁部に1つ取付けたが、セットシャーシの前壁部と左側壁部と右側壁部にもそれぞれストッパとしての軸を取付けてもよい。さらにまた、外付け部品としてバッテリーケースを用いたが、外付け部品はバッテリーケースに限らないことは勿論である。
【0027】
【発明の効果】
以上のように、この発明によれば、筐体の装置本体に取り付けられたセットシャーシと記録媒体用ターンテーブルが取り付けられたメカシャーシとを有し、上記メカシャーシが上記セットシャーシから衝撃止材で支持された記録再生装置において、上記セットシャーシに取り付けられ、衝撃による上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを規制する金属製の上記衝撃止材 1 個を有し、上記衝撃止材の形状を径の異なる軸により構成することによって上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを上記セットシャーシに設けられた 1 箇所の上記衝撃止材で規制可能としたので、記録再生装置を誤って落として上記メカシャーシがストッパーとしての上記軸に強い衝撃力を伴って当っても、上記軸で上記メカシャーシを確実に受け止めることができる。この軸には段差がついているので、上記メカシャーシの例えば下方向と当該下方向とは直交する方向との2方向の動きを、上記1つの軸に段差を付けることで生じる小径部の外周面と大径部における小径部側の端面とで確実に受け止めることができ、従来のものに比べて、上記メカシャーシやセットシャーシ等の強度,耐久性を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を示す小型ディスクプレーヤ装置の左側面図。
【図2】上記小型ディスクプレーヤ装置を正面側から見た部分斜視図。
【図3】上記小型ディスクプレーヤ装置の正面図。
【図4】上記小型ディスクプレーヤ装置に用いられるセットシャーシの全体斜視図。
【図5】上記セットシャーシの左側壁部にピン枢支された左側の支点板を内側から見た説明図。
【図6】上記セットシャーシの右側壁部にピン枢支された右側の支点板を内側から見た説明図。
【図7】上記セットシャーシの前壁部にスライド自在に支持されたロックアーム部分を内側から見た説明図。
【図8】上記セットシャーシに対して浮くように支持されたメカデッキ部の構成を示す説明図。
【図9】上記セットシャーシの左側壁部側と該左側壁部側に着脱自在に取付けられるバッテリーケースの斜視図。
【図10】(a)は、上記セットシャーシの左側壁部に形成されたバッテリーケース取付用のねじ孔を目隠しする目隠し片を内側から見た斜視図、(b)は同目隠し片の先端部を上記左側壁部側から見た斜視図。
【符号の説明】
1…ディスクプレーヤ装置(記録再生装置)
2…装置本体
3…セットシャーシ
3f…取付孔
4…メカデッキ部
17…軸(ストッパー)
17a…小径部
17b…大径部
17c…基部
20…メカシャーシ
D…光磁気ディスク(記録媒体)
Claims (1)
- 筐体の装置本体に取り付けられたセットシャーシと記録媒体用ターンテーブルが取り付けられたメカシャーシとを有し、上記メカシャーシが上記セットシャーシから衝撃止材で支持された記録再生装置において、
上記セットシャーシに取り付けられ、衝撃による上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを規制する金属製の上記衝撃止材 1 個を有し、
上記衝撃止材の形状を径の異なる軸により構成することによって上記メカシャーシの互いに方向が異なる 2 方向の動きを上記セットシャーシに設けられた 1 箇所の上記衝撃止材で規制可能とすることを特徴とする記録再生装置。
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