JP3673209B2 - 両開きスクリーン装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、建物開口部に防虫、遮光等を目的とするネット等のスクリーンをアコーディオン式に伸縮させて両開き可能に設置した両開きスクリーン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の両開きスクリーン装置は、建物開口部に設けられた横引きの硝子窓や扉等に開閉方向を合わせて、その開口部に取り付けられたスクリーン枠に防虫等の目的でスクリーンが設置され、このスクリーンとして、交互に逆方向に折り返して多数のプリーツを施すことにより、アコーディオン式に折り畳み伸縮自在としたものを用い、そのスクリーンの左右一対を左右横方向に両開き可能とし、そして左右のスクリーンがスクリーン枠の中央位置で召し合わされ、全閉するようになったものが知られている。
しかしながら、上記のような両開きスクリーン装置では、スクリーンが召し合わせ位置を通過し、スクリーンの折り畳み部が展開し伸びきってしまうことで、スクリーンが破損したり、スクリーン枠より外れるという問題点があり、これを簡易な手段で防止することが望まれる。
【0003】
一方、この種のスクリーン装置においては、その組立時、あるいは修理、部品交換等に際して、ガイドレールに沿ってスライドさせる可動框あるいはそれとスクリーンの上端を、該ガイドレールに対して容易に着脱できるようにすることが望まれ、従来からそのための各種構成が採用されているが、より簡単で特別の加工等を行うことなくそれを実現することが望まれている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであって、可動框が召し合わせ位置を通過するのを防止し、スクリーンが伸びきってしまうことを簡易な手段で回避できるようにした両開きスクリーン装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、上記可動框が召し合わせ位置を通過するのを防止するための手段を有効に利用し、横枠からのガイドレールや可動框、スクリーンの着脱をも容易に行えるようにした両開きスクリーン装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は、一対の相対する縦枠及び少なくとも上部の横枠を備えたスクリーン枠の両縦枠に、多数の平行で等間隔な折曲部において交互に逆方向に折曲することによりアコーディオン式に伸縮する一対のスクリーンの基端部がそれぞれ固定され、該スクリーンの先端部に開閉操作用の可動框がそれぞれ取り付けられ、該可動框を上記横枠に設けられたガイドレールに沿ってスライドさせることにより、上記スクリーンが伸縮して開閉される両開きスクリーン装置において、上記ガイドレールが横枠と別体に形成され、上記スクリーンの閉動作時に上記可動框が所定の召し合わせ位置を越えて移動するのを防止するためのストッパーが、上記横枠の召し合わせ位置に対応する箇所に取り付けられると共に、該ストッパーにより上記ガイドレールが上記横枠に対して取り付けられていることを特徴とするものである。
【0006】
上記両開きスクリーン装置においては、左右の可動框をガイドする各ガイドレールの縦枠側の端部が、左右の縦枠の上部における段部と横枠との間に挿入保持され、両ガイドレールにおける召し合わせ側の端部を上記ストッパーにより支持させ、また、上記ストッパーは、胴部の先端部両側にガイドレールの端部を受ける一対の突片が水平方向に突設され、胴部の先端に凸部が突設されて、該凸部及び胴部を貫通するねじにより横枠に固定され、上記突片の先端及び/または凸部の側面を可動框の当接面とするのが適切である。
【0007】
このように、本発明では、スクリーンの召し合わせ位置にストッパーが取り付けられたので、スクリーンの移動は、召し合わせ位置で確実に止められ、それ以上の移動が阻止され、スクリーンの折曲部が展開して伸びきって破損したりするのが回避される。
また、上記ストッパーは、横枠との間においてガイドレールを支持するようにして横枠に取り付けられるので、ガイドレールは、ストッパーを取り付けると同時に横枠に取り付けられ、そのため、横枠からのガイドレールや可動框、スクリーンの着脱が容易になるばかりでなく、スクリーン装置の組立工数の低減化、組立性の向上が図られる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る両開きスクリーン装置の実施例を示す図1〜図5に基づいて説明する。
この両開きスクリーン装置は、本発明を防虫網戸に適用した例を示すもので、この網戸1は、上下の横枠2a,2b並びに一対の収納ケースとしても機能する縦枠2c,2cとからなる網戸枠(スクリーン枠)2を備え、この網戸枠2に、縦方向に形成された多数の平行で等間隔な折曲部において交互に逆方向に折り曲げることによりアコーディオン式に伸縮自在とした一対のネット(スクリーン)3A,3Bを、左右に両開き可能に取り付けている。すなわち、上記一対のネット3A,3Bの基端部は、それらを個別に収納可能にした縦枠2c,2c内に固定され、該ネット3A,3Bの先端部には、上下横枠2a,2bに沿って移動する開閉操作用の可動框4A,4Bがそれぞれ取り付けられている。
【0009】
なお、上記網戸枠2は、床面上に横枠2bによる段差をなくしてバリヤフリーを実現するために、下部の横枠2bを省略することができ、あるいは、下部の横枠2bが屈曲して縦枠2c,2c内に出入りし、それによって可動框4A,4Bの移動に伴って縦枠から出没するものであってもよい。
【0010】
上記横枠2a内には、左右一対の同長のガイドレール6A及び6Bが、スポンジ等の弾性を有する介在部材2dを介して、ネット3A,3Bの上端部が走行する位置に沿って一列状に配設されている。これらのガイドレール6A,6Bは、両縦枠2c,2c側の端部が、該縦枠2cの上部を段差状に切り欠いて形成された段部2eと横枠2aとの間に挿入されて保持され、また両ガイドレール6A,6Bの端部同士が突き合わされている位置、すなわち、横枠2aにおけるネット3A,3Bの閉動作時における上記可動框4A,4Bの召し合わせ位置に対応する箇所に、ストッパー7が取り付けられ、該ストッパー7により上記ガイドレール6A,6Bが上記横枠に対して取り付けられている。
【0011】
このストッパー7は、基本的には、上記ネット3A,3Bの召し合わせ位置において可動框4A,4Bを当接停止させ、該ネット3A,3Bの閉動作時に可動框4A,4Bが所定の召し合わせ位置を越えて移動するのを防止するためのものであるが、上述したように、ガイドレール6A,6Bの取付け機能をも備えている。
【0012】
具体的には、上記ストッパー7は、図1〜図3に示すように、略直方体状の胴部7aの先端部両側にガイドレール6A,6Bの端部を受ける一対の突片7b,7bが水平方向に突設され、胴部7aの先端中央部には円柱形の凸部7cが突設されて、該凸部7c及び胴部7aを貫通するねじ孔7dを通してねじ7eを横枠2aに螺合することにより固定されている。ガイドレール6A,6Bは、可動框の召し合わせ位置において上記突片7b,7bにより横枠2aとの間に挟持した状態で保持され、また、ストッパー7における可動框4A,4Bの当接面は、上記突片7b,7bの先端及び/または凸部7cの側面をとすることができる。
【0013】
上記ガイドレール6A,6Bには、その長手方向に沿って内側を拡大させたスリット状のレール部8がそれぞれ形成され、これらのレール部8によって可動框4A,4Bをガイドするようにしているが、後述するように、ネット3A,3Bをそれぞれガイドフック5を介してレール部8に係止させ、左右方向に案内させるようにすることもできる。
【0014】
図1〜図3における上記ガイドレール6A,6B及びストッパー7は、上部の横枠2aに取付けたものであるが、図5に示しているように、下方の横枠2b内にも、上記ガイドレール6A,6Bと同様のガイドレール6Cを設けることができる。このガイドレール6Cは、上記ガイドレール6A,6Bと全く同様に、一対のものの中央をストッパーによって固定することもできるが、他の構造のものとすることもできる。
また、下部の横枠2bを省略した場合には当然に下部のガイドレールも設けないことになるが、この場合には、可動框4A,4Bを上部のガイドレール6A,6Bのレール部8に摺動自在に吊下保持させる必要がある。
【0015】
上記ネット3A,3B中には、緊張状態にある複数の張紐9を水平に挿通している。この張紐9は、可動框4A,4Bを平行移動させ、あるいは両可動框4A,4Bを連動させるために用いることができ、更には、その張紐9の先端を可動框4A,4Bに連結し、縦枠2c内に内蔵されたスプリング(図示略す)によってそれを巻き取るようにして、可動框4A,4Bを開方向に付勢するものとして利用できるものである。
アコーディオン式の伸縮自在のネット3A,3Bの場合、ネット3A,3Bの折り畳み部が風圧等の作用により展開して膨らみ易いので、スプリング等で緊張した状態の張紐9をネット3A,3Bに挿通させておくことは、ネット3A,3Bの膨らみを防止してその張設状態を安定化するために有効である。
【0016】
上記ネット3A,3Bの上下部に挿通した張紐9には、所定間隔を置いて複数のガイドフック5を係着させ、ガイドレールにおけるスリット状のレール部8にそれらのガイドフック5の基部5a(図5)を摺動自在に係止させ、それによって、ネット3A,3Bの上下端をガイドレールに保持させることができる。なお、下方のガイドレール2bを設けないときには、ネット3A,3Bの下端部を保持できないのは勿論である。
【0017】
上部の横枠2aに対する上記ガイドレール6A,6Bの取付けに当たっては、上部の横枠2aとの間に介在部材2dを介装した状態で、ガイドレール6A,6Bの各一端を左右の縦枠2cの上部の段差状の段部2e上に保持させ、その他端を、可動框4A,4Bの召し合わせ位置において横枠2aにねじ7eで固定するストッパー7により保持させる。その際、可動框4A,4Bの端部をガイドレール6A,6Bのレール部8にガイドさせ、また、そのレール部8に摺動自在に係止させたガイドフック5をネット3A,3Bに挿通した張紐9に適宜間隔で係止させる。そのため、ガイドレール6A,6Bは、ストッパー7を取り付けると同時に横枠2aに取り付け、横枠2aに対するガイドレール6A,6Bや可動框4A,4B、ネット3A,3Bの組み付けが容易になる。
【0018】
逆に、横枠2aからのガイドレール6A,6Bや可動框4A,4B、ネット3A,3B等の離脱は、単純に上記ストッパー7を取外せばよく、それによってガイドレール6A,6B等を簡単に解体することができる。
このように、上記構成によれば、網戸枠2に対するガイドレール6A,6Bや可動框4A,4B、ネット3A,3B等の着脱が容易になり、網戸の組立工数の低減化、組立性の向上が図られる。
【0019】
上記構成を有する防虫網戸において、ネット3A,3Bを開放する場合は、可動框4A,4Bを開く方向に移動させると、ネット3A,3Bが折り畳まれながら縦枠内に収納され、該ネットを張設する場合には、可動框4A,4Bを召し合わせ位置まで移動させる。この場合、ネット3A,3Bの召し合わせ位置にストッパー7が取り付けられているので、可動框4A,4Bが召し合わせ位置で確実に止められ、それ以上の移動が阻止される。従って、ネット3A,3Bが召し合わせ位置を通過することにより、折り畳み部が展開し伸びきってしまうようなことが回避される。
【0020】
なお、ここでは、防虫に適したネット3A,3Bを備えた防虫網戸を例にとって説明しているが、これに代えて遮光性や目隠しに適したスクリーン等を用いてもよく、その場合にも同様の効果が得られることは言うまでもない。
【0021】
【発明の効果】
以上に詳述した本発明の両開きスクリーン装置によれば、スクリーンが所定の召し合わせ位置を越えて移動するのを防止するストッパーを取り付けたので、スクリーンの閉動作時に、スクリーンの折り畳み部を伸び切らせて、スクリーンを破損したり、スクリーンがスクリーン枠から外れてしまうといった不具合を解消することができる。また同時に、上記ストッパーによりガイドレールが横枠に対して取り付けられているため、ストッパーの取り付けによりガイドレールをも同時に取り付けることができので、施工工数が減り、取付施工を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る両開きスクリーン装置の実施例を部分断面によって示す正面図である。
【図2】上記実施例の要部斜視図である。
【図3】上記実施例におけるストッパーの斜視図である。
【図4】上記実施例の横断面図である。
【図5】上記実施例の縦断面図である。
【符号の説明】
1 網戸
2 網戸枠
2a,2b 横枠
2c 縦枠
3A,3B ネット
4A,4B 可動框
6A,6B,6C ガイドレール
7 ストッパー
Claims (3)
- 一対の相対する縦枠及び少なくとも上部の横枠を備えたスクリーン枠の両縦枠に、多数の平行で等間隔な折曲部において交互に逆方向に折曲することによりアコーディオン式に伸縮する一対のスクリーンの基端部がそれぞれ固定され、該スクリーンの先端部に開閉操作用の可動框がそれぞれ取り付けられ、該可動框を上記横枠に設けられたガイドレールに沿ってスライドさせることにより、上記スクリーンが伸縮して開閉される両開きスクリーン装置において、
上記ガイドレールが横枠と別体に形成され、
上記スクリーンの閉動作時に上記可動框が所定の召し合わせ位置を越えて移動するのを防止するためのストッパーが、上記横枠の召し合わせ位置に対応する箇所に取り付けられると共に、該ストッパーにより上記ガイドレールが上記横枠に対して取り付けられている、
ことを特徴とする両開きスクリーン装置。 - 左右の可動框をガイドするそれぞれのガイドレールの縦枠側の端部が、左右の縦枠の上部における段部と横枠との間に挿入保持され、両ガイドレールにおける召し合わせ側の端部を上記ストッパーにより支持させた、
ことを特徴とする請求項1に記載の両開きスクリーン装置。 - 上記ストッパーは、胴部の先端部両側にガイドレールの端部を受ける一対の突片が水平方向に突設され、胴部の先端に凸部が突設されて、該凸部及び胴部を貫通するねじにより横枠に固定され、上記突片の先端及び/または凸部の側面を可動框の当接面とした、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の両開きスクリーン装置。
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