JP3673078B2 - 切羽安定用泥水管理システムおよび方法 - Google Patents

切羽安定用泥水管理システムおよび方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、泥水式シールド工法における掘削停止時の切羽安定用泥水管理システムおよび方法に関する。
【0002】
【背景技術および発明が解決しようとする課題】
泥水式シールド工法を用いてトンネル等を構築する場合、ある一定期間掘削を止める場合がある。例えば、土地取得交渉や、盆休み、初期掘進、障害物検知時等において、一時的または長期的に掘削を止める場合がある。
【0003】
このような場合、泥水の性状管理を行わないと、泥水性状が変化してしまい、切羽に生成された泥膜がその止水機能等を果たさなくなり、切羽が崩壊したり、シールド機のチャンバー内に地下水が浸入する場合が生じ得る。このような事態を防止するため、従来は地上設備の作泥装置で高濃度泥水を作泥し、切羽へ向け送泥していた。
【0004】
しかし、この方法では、停止期間が長くなるほど、作泥量も多くなり、大量の薬剤が必要となり、コストもかかる。さらに、排泥水も処理しなければならず、コストに加え、泥水を処理し、産業廃棄物等として廃棄する必要も生じる。
【0005】
本発明の目的は、掘削を停止した場合の切羽安定用泥水管理時において、作泥量および泥水処理量を低減させることのできる泥水式シールド工法における切羽安定用泥水管理システムおよび方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、請求項1記載の切羽安定用泥水管理システムは、
掘削坑内において送泥管と排泥管を結び、送泥管および排泥管と共に、チャンバーを経由しない第1の循環路を形成可能な連結管と、
少なくとも前記連結管に配置された流路開閉装置と、
前記流路開閉装置を制御し、前記第1の循環路を形成する制御装置と、
前記第1の循環路における泥水の性状を測定する泥水性状測定装置と、
を有し、
前記第1の循環路を循環する泥水の性状を測定することを特徴とする。
【0007】
本発明によれば、掘削停止時に、流路開閉により第1の循環路を形成し、掘削坑内で泥水を循環させることができる。すなわち、循環中に泥水性状を測定することができるため、切羽安定用泥水の劣化を測定することができる。これにより、掘削停止時に、切羽にできた泥膜の劣化状況が予測できる。ここで、切羽安定用泥水とは、切羽を安定させることを目的として、例えば増粘剤等の薬剤が添加された泥水をいう。
【0008】
また、チャンバーを経由させないことにより、チャンバー内泥水の変化を最小限に抑え、切羽に影響を与えることなく泥水劣化の状況を予測できる。
【0009】
【0010】
【0011】
【0012】
【0013】
【0014】
【0015】
また、請求項2記載の発明は、請求項1において、
前記泥水性状測定装置により測定された前記第1の循環路で循環している泥水に薬剤を添加可能に形成されている薬剤添加装置を有し、
前記制御装置は、前記泥水性状測定装置により測定された泥水性状に基づき、前記薬剤の添加を制御することを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、第1の循環路で泥水を循環させている時に廃棄泥水を生じさせずに、必要時だけ切羽供給用の泥水を作泥して切羽へ向け供給し、切羽の安定を図ることができる。これにより、掘削停止時に、作泥量と泥水廃棄量を低減させることができる。なお、薬剤としては、泥水の粘性を高める増粘剤、泥水の粘性を低下させる分散剤等があるが、特に増粘剤を用いることが好ましい。
【0017】
また、本発明によれば、第1の循環路で泥水を循環させながら、泥水性状の測定および薬剤の添加が行える。これにより、切羽供給用の泥水を作泥する場合、徐々に泥水性状を所望の性状に近づけることができ、薬剤添加量を必要最小限に抑えることができる。
【0018】
さらに、必要に応じて、切羽に供給する泥水を第1の循環路内であらかじめ作泥しておき、作泥した切羽安定用泥水を切羽へ向け供給することができる。これにより、切羽状態が急変した場合にも即座に対応できる。
【0019】
【0020】
【0021】
また、請求項3記載の発明は、請求項2において、
前記第1の循環路に設けられ、前記薬剤の添加量に基づき、前記第1の循環路から過剰な泥水を取り出すための泥水取り出し管を有することを特徴とする。
【0022】
本発明によれば、増粘剤添加等により、総泥水循環量が増加した場合や、各循環路の泥水圧が上がった場合も、泥水を取り出すことにより泥水圧を下げることができる。これにより、循環中の泥水圧を常に安定した状態に保つことができる。
【0023】
また、請求項4記載の発明は、請求項2、3のいずれかにおいて、
前記チャンバー内の切羽水圧を測定する水圧計を有し、
前記制御装置は、前記水圧計の測定結果に基づき、前記薬剤の添加を制御することを特徴とする。
【0024】
本発明によれば、チャンバー内水圧の状態に応じて、チャンバーに供給する泥水圧を調整することができる。これにより、チャンバー内の泥水を常に安定した状態に保つことができる。
【0025】
また、請求項5記載の発明は、泥水式シールド工法において、
掘削内において送泥管と排泥管を結ぶ第1の連結管と、当該第1の連結管よりも切羽側の前記送泥管と前記第1の連結管よりも切羽側の前記排泥管とを結ぶ第2の連結管と、が設けられ、
掘削を停止する工程と、
泥水流路を開閉制御し、前記第1の連結管と、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの送泥管と、前記第2の連結管と、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの排泥管とを含む、チャンバーを経由しない第1の循環路を形成する工程と、
ポンプを制御することにより、前記第1の循環路内に泥水を循環させる工程と、
この循環させた泥水の性状を測定する工程と、
を含むことを特徴とする。
【0026】
本発明によれば、掘削停止時に、掘削坑内で泥水を循環させ、切羽安定用泥水の劣化を測定することにより、切羽にできた泥膜の劣化状況を予測できる。
【0027】
また、チャンバーを経由させずに泥水を循環させることにより、チャンバー内泥水の変化を最小限に抑え、切羽に影響を与えることなく泥水劣化の状況を予測できる。
【0028】
【0029】
【0030】
また、請求項6記載の発明は、請求項5において、
前記第2の連結管よりも切羽側の前記送泥管と前記第2の連結管よりも切羽に対して後方にある前記排泥管とを結ぶクロス連結管が設けられ、
、前記第1の循環路を閉鎖する工程と
測定した泥水の性状に基づき、泥水流路を開閉制御することにより、前記第1の連結管と、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの送泥管と、前記第2の連結管と、前記第2の連結管の接続部分よりも切羽側の排泥管と、前記チャンバーと、前記クロス連結管の接続部分よりも切羽側の送泥管と、前記クロス連結管と、前記クロス連結管の接続部分から前記第1の連結管の接続部分までの排泥管とを経由する第2の循環路を形成する工程と
前記第2の循環路における泥水の性状を測定する工程と、
を更に含むことを特徴とする。
【0031】
本発明によれば、第1の循環路で切羽に影響を与えず、泥水劣化を予測できるとともに、必要に応じて第2の循環路に切り替え、より正確に泥水性状を測定することもできる。
【0032】
また、請求項7記載の発明は、請求項6において、
泥水性状の測定結果に基づき、前記第1の循環路または前記第2の循環路で循環している泥水に薬剤を添加する薬剤添加工程を含んでもよい。
【0033】
本発明によれば、第1の循環路および第2の循環路内で泥水を循環させている時は廃棄泥水を生じさせずに、必要時だけ、切羽供給用の泥水を作泥して切羽へ向け供給することにより、切羽の安定を図ることができる。これにより、作泥量と泥水廃棄量を低減させることができる。なお、薬剤としては、泥水の粘性を高める増粘剤、泥水の粘性を低下させる分散剤等があるが、特に増粘剤を用いることが好ましい。
【0034】
【0035】
また、本発明によれば、第1の循環路および第2の循環路内で泥水を循環させながら、泥水性状の測定および薬剤の添加が行える。これにより、切羽供給用の泥水を作泥する場合、徐々に泥水性状を所望の性状に近づけることができ、薬剤添加量を必要最小限に抑えることができる。
【0036】
さらに、必要に応じて、切羽に供給する泥水を第1の循環路内であらかじめ作泥しておき、必要になった場合に作泥した切羽安定用泥水を供給することができる。これにより、切羽状態が急変した場合にも即座に対応できる。
【0037】
【0038】
【0039】
【0040】
【0041】
また、請求項8記載の発明は、請求項7において、
前記チャンバー内の切羽水圧を測定する工程を含み、
前記薬剤添加工程は、前記切羽水圧の測定結果に基づき、前記薬剤を添加することを特徴とする。
【0042】
本発明によれば、チャンバー内水圧の状態に応じて、チャンバーに供給する泥水圧を調整することができる。これにより、チャンバー内の泥水を常に安定した状態に保つことができる。
【0043】
【発明の実施の形態】
以下、本発明による切羽安定用泥水管理システムを活用した好適な実施の形態について、泥水式シールド工法を例にとり、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0044】
図1は、本発明の実施の形態の一例に係る泥水式シールド工法におけるトンネル内設備の全体図である。
【0045】
シールド機2は、面板22上のカッタービットで切羽200を掘削しつつ、フード24と、セグメント26でトンネル周面の土圧および水圧に対抗し、面板22、フード24および隔壁26に囲まれたチャンバー20内に泥水を満たして切羽200の土圧および水圧に対抗しながら掘削抗であるトンネルを構築する。
【0046】
チャンバー20に切羽200を安定させるための泥水(切羽安定用泥水)を供給するのが送泥管50であり、チャンバー20から掘削された土砂と混合した泥水(掘削後泥水)を排出するのが排泥管52である。
【0047】
図2は、切羽200における土圧Aおよび水圧Bの分布を示す概念図である。図2に示すように地表300から下に行くにしたがって土圧Aは高くなり、地下水位350から下に行くにしたがって水圧Bは高くなる。
【0048】
したがって、チャンバー20の上端付近では土圧Aと水圧Bを加えた値210と、チャンバー20の下端付近では土圧Aと水圧Bを加えた値220とを比べると、220の方が大きい値となっている。
【0049】
このため、異なる圧力値210や220にシールド機2を適切に対抗させるため、シールド機2を推進させるジャッキ圧やチャンバー20内の泥水性状管理が重要となる。
【0050】
また、泥水は、増粘剤等の薬剤が添加されることにより、切羽200に泥膜を形成して切羽200の安定を保つものであるが、長期間掘削を停止する場合、時間が経つにつれてバクテリアによる腐食等が発生するため、泥膜が崩壊し、地下水がシールド機2内部に浸入することがある。
【0051】
従来は、掘削停止時でも掘削時と同様に地上の作泥設備で薬剤添加した泥水をチャンバー20に供給し、地上の泥水処理設備までチャンバー20内の泥水を排泥していた。
【0052】
このため、掘削を停止しているにも関わらず、作泥や排泥を行わなければならず、コストがかかり、管理も大変であり、さらには排泥水の廃棄量も無駄に発生していた。特に、盆休みや土地取得交渉時等のように掘削を停止する期間が長期になるほどこれらの問題も大きくなる。
【0053】
本実施の形態では、掘削坑内で切羽安定用泥水を作泥するとともに、掘削坑内、特に切羽付近で循環路を形成し、循環路内で切羽安定用泥水を循環させることにより、作泥量および廃棄量を低減させることができる。
【0054】
具体的には、図1に示すように、連結管54〜58を用いて送泥管50と排泥管52を結び、連結管54〜58等に配置された開閉装置であるバルブ70〜88の開閉を制御装置42で制御して複数の循環路および通常の送排泥路を選択可能に形成する。
【0055】
この複数の循環路としては、例えば、図4に示すチャンバー20を経由しない第1の循環路100と、図5に示すチャンバー20を経由する第2の循環路102がある。
【0056】
本実施の形態では、掘削停止時の切羽安定を図るため、図3に示す手順で、まず第1の循環路100を形成し(ステップ2)、次に第2の循環路102を形成して(ステップ8)連続的に泥水を循環して切羽200の安定を図る。以下、この手順に沿って説明する。
【0057】
図4は、第1の循環路100における切羽安定用泥水管理時の泥水の流れを示す図である。
【0058】
通常は、送泥管50を介してチャンバー20に切羽安定用泥水を供給し、排泥管52を介してチャンバー20から掘削後泥水を排出している。この状態から掘削を停止した場合、上述した第1の循環路100を形成する(ステップ2)。
【0059】
第1の循環路100形成のため、送泥管50と排泥管52を結ぶ連結管として、切羽200側で送泥管50と排泥管52を結ぶ連結管である連結管54と、連結管54より切羽200に対して後方で排泥管52と送泥管50を結ぶ連結管56が設けられている。
【0060】
また、送泥管50における泥水に増粘剤を添加して切羽安定用泥水を生成するよう掘削抗内に、増粘剤添加装置40と、送泥管50における泥水の粘性を測定する粘性計46と、流路開閉装置であるバルブ70〜88と、増粘剤添加装置40およびバルブ70〜88を制御する制御装置42とが設けられている。
【0061】
ここでは、説明の便宜上、送泥管50について、連結管54、連結管56、クロス連結管58との接続地点により区分し、4つの呼び名を用いる。すなわち、連結管56との接続位置より切羽200に対して後方の送泥管を50aと、連結管56との接続位置と連結管54との接続位置の間の送泥管を50bと、連結管54との接続位置と後述するクロス連結管58との接続位置との間の送泥管を50cと、クロス連結管58との接続位置より切羽側の送泥管を50dとする。
【0062】
同様に、排泥管52については、連結管56との接続位置より切羽200に対して後方の排泥管を52aと、連結管56との接続位置と後述するクロス連結管58との接続位置の間の排泥管を52bと、クロス連結管58との接続位置と連結管54との接続位置の間の排泥管を52cと、連結管54との接続位置より切羽側の排泥管を52dとする。
【0063】
ここで、クロス連結管58とは、ある連結管に対して、交差する形で送泥管50と排泥管52とを結ぶ連結管をいう。通常の連結管とクロス連結管を用いることにより、8の字状に循環路を形成することができる。
【0064】
第1の循環路100の形成(ステップ2)は、具体的には、以下のようにして行う。まず、上述した通常の切羽安定用泥水管理の状態において、制御装置42により、送泥管50a上のバルブ70、送泥管50c上のバルブ76、クロス連結管58上のバルブ78、排泥管52d上のバルブ86および排泥管52a上のバルブ80を閉じる。
【0065】
さらに、送泥管50b上のバルブ72、連結管54上のバルブ74、排泥管52c上のバルブ84、排泥管52b上のバルブ82および連結管56上のバルブ88を開く。
【0066】
このようにして、送泥管50b、連結管54、排泥管52c、排泥管52bおよび連結管56を含んで構成され、チャンバー20を経由しない第1の循環路100を形成する(ステップ2)。
【0067】
次に、制御装置42により、排泥管52bに設けられたポンプ30を制御して第1の循環路100に切羽安定用泥水を循環させる。
【0068】
この状態で、送泥管50bに設けられた粘性計46で循環中の泥水性状を測定する(ステップ4)。
【0069】
これによれば、切羽付近のトンネル内で泥水を循環させ、循環中に泥水性状を測定することができるため、切羽安定用泥水の劣化を予測できる。これにより、切羽200にできた泥膜の劣化状況を予測できる。
【0070】
泥水性状を測定した結果、切羽200の泥膜が劣化していると予測できる場合(ステップ6)、制御装置42を用いて第2の循環路102を形成する(ステップ8)。
【0071】
図5は、切羽掘削停止中の切羽安定用泥水管理時における第2の循環路102の泥水の流れを示す図である。制御装置42により、バルブ70〜88を制御して切羽付近のトンネル内においてチャンバー20、送泥管50および排泥管52を含む第2の循環路102を形成する。
【0072】
第2の循環路102を形成するため、上述した第1の循環路100の構成に加え、連結管54と送泥管50が連結された地点より切羽200側の送泥管50と、連結管54と排泥管52が連結された地点より切羽200に対して後方の排泥管52とを連結するクロス連結管58が設けられている。第2の循環路102は、以下のようにして形成される。
【0073】
第2の循環路102を形成する前の状態では、上述のように、第1の循環路100が形成され、第1の循環路100内で泥水が循環している。
【0074】
この状態で、制御装置42を用いて、排泥管52c上のバルブ84を閉じ、排泥管52d上のバルブ86およびクロス連結管58上のバルブ78を開くことにより、泥水が、送泥管50bから連結管54、排泥管52d、チャンバー20、送泥管50d、クロス連結管58、排泥管52b、連結管56を経由して送泥管50bに戻る第2の循環路102が形成される(ステップ8)。
【0075】
第2の循環路102でも第1の循環路100と同様に、切羽安定用泥水を循環させ、粘性計46により第2の循環路102で循環している泥水の粘性を測定する(ステップ10)。
【0076】
これによれば、チャンバー20内の掘削後泥水を直接循環させるため、チャンバー内の泥水劣化をより適切に把握することができる。
【0077】
また、通常は、チャンバー20の上端付近に接続された送泥管50からチャンバー20に切羽安定用泥水が供給され、チャンバー20の下端付近に接続された排泥管52からチャンバー20内の掘削後泥水が排出されている。
【0078】
これに対し、本実施の形態では、図5に示すように、チャンバー20の下端付近から、切羽安定用泥水を供給し、チャンバー20の上端付近からチャンバー20内の掘削後泥水を排出している。
【0079】
このように、チャンバー上端付近からチャンバー内泥水を排出することにより、チャンバー内底部に溜まった地山の砂礫等を送泥管等の管内に取り込むことがないため、管内の閉塞がなく、正確に泥水性状を測定できるとともに、連続して泥水の循環を行うことができる。
【0080】
また、掘削停止時に泥水性状の測定および作泥等を行っているため、掘削時に泥水性状の測定等を行う場合に比べ、循環させる泥水に、掘削により生じる礫等が混じることがなく、さらに上記の正確な泥水性状測定と、連続的な泥水循環の効果を高めている。
【0081】
以上のようにしてチャンバー20内の泥水の性状を測定した結果、性状が劣化しており、チャンバー内泥水を入れ換える必要がある場合は(ステップ12)、増粘剤添加装置40を制御して第2の循環路102で循環している泥水に増粘剤を添加して新たな切羽安定用泥水を作泥する(ステップ14)。
【0082】
これによれば、状況に応じた増粘剤添加を適切に行える。
【0083】
また、第2の循環路102は、チャンバー20を経由しているため、第2の循環路102内に泥水を循環させることにより、新たに生成した切羽安定用泥水と元のチャンバー20内の泥水とが入れ替わることになる(ステップ16)。
【0084】
チャンバー20内の泥水を新しい切羽安定用泥水と入れ換えることにより、常に切羽200を安定した状態に保つことができる。また、循環させながら増粘剤を添加するため、作泥量と泥水廃棄量を低減させることができる。
【0085】
なお、切羽安定用泥水は、増粘剤添加装置40からスタティックミキサー44内の泥水に増粘剤を供給し、スタティックミキサー44で撹拌混合することにより生成される。
【0086】
ここで、以上説明してきた掘削停止時の切羽安定の手順について、図3に示すフローチャートを用いて説明する。
【0087】
まず、チャンバー20を経由しない第1の循環路100を形成し(ステップ2)、この循環路100内を循環する泥水の性状を測定する(ステップ4)。
【0088】
次に、チャンバー内泥水の劣化が予測できる場合(ステップ6)、チャンバー20を経由する第2の循環路102を形成し(ステップ8)、この循環路102内を循環する泥水の性状を測定する(ステップ10)。
【0089】
測定の結果、チャンバー内泥水が劣化していると判断できる場合(ステップ12)、循環中の泥水に薬剤を添加し切羽安定用泥水を生成し(ステップ14)、チャンバー内泥水を生成した切羽安定用泥水と置換する(ステップ16)。
【0090】
以上のようにして、掘削を停止した場合の切羽安定用泥水管理時において、作泥量および泥水処理量を低減させることのできる切羽安定用泥水管理システムを実現できる。
【0091】
以上が基本的な切羽安定用泥水管理の流れであるが、以下に上記課題を解決する手段を補足する
【0092】
【0093】
例えば、チャンバー20内に設けられた切羽水圧計8を用いることにより、上述した切羽200における土圧および水圧と適切に対抗できているかどうか判断できる。この切羽水圧計8の測定結果に基づき、上述した増粘剤の添加量を調整する
【0094】
【0095】
【0096】
(泥水調整
また、循環路100、102で泥水に薬剤を添加した場合、その分全体の泥水量が増えるため、不必要な泥水が生じたり、泥水圧が高まる場合がある。このような場合は、循環させている泥水のうち、一部の泥水を取り出す必要がある。
【0097】
図6は、増粘剤添加分の泥水取り出し時の泥水の流れを示す図である。
【0098】
本実施の形態では、送泥管50に接続され、増粘剤添加量に基づき、第2の循環路102から過剰な泥水を取り出すための泥水取り出し管60が設けられている。なお、第1の循環路100で循環させた場合、第1の循環路100から泥水を取り出すことも可能である。
【0099】
泥水取り出し管60にはコントロールバルブ90が設けられ、泥水取り出し量は、制御装置42によりコントロールバルブ90の開閉が制御されることにより調整される。
【0100】
これによれば、増粘剤添加等により、総泥水循環量が増加した場合や、各循環路100、102の泥水圧が上がった場合も、過剰泥水を取り出すことができ、循環中の泥水圧および泥水量を常に安定した状態に保つことができる。
【0101】
(薬剤添加
例えば、増粘剤等の薬剤添加を第1の循環路100で行
【0102】
この場合、第1の循環路100内で泥水を循環させながら、泥水性状の測定および増粘剤の添加が行えるため、徐々に泥水性状を所望の性状に近づけることができ、増粘剤添加量を必要最小限に抑えることができる。
【0103】
具体的には、図4に示すように第1の循環路100で新たに作泥した切羽安定用泥水を循環させている状態において、制御装置42により、連結管54上のバルブ74を閉じ、送泥管50c上のバルブ76を開いて、第1の循環路100で循環させていた泥水の一部を、チャンバー20に供給する。
【0104】
これによれば、第1の循環路100内で泥水を循環させている時は廃棄泥水を生じさせずに、必要時だけ、切羽安定用泥水を作泥して切羽200へ向け供給することにより、切羽200の安定を図ることができる。これにより、作泥量と泥水廃棄量を低減させることができる。
【0105】
また、切羽安定用泥水をあらかじめ作泥しておき、必要になった場合に作泥した切羽安定用泥水を供給することができるため、切羽状態が急変した場合にも即座に対応できる。
【0106】
また、添加する薬剤としては、泥水の粘性を高める増粘剤だけでなく、泥水の粘性を低下させる分散剤等を用いることも可能である。
【0107】
また、増粘剤の添加位置は送泥管50に限られず、排泥管52や連結管54、56、58の少なくとも1つにおける泥水に増粘剤を添加すればよい。
【0108】
【0109】
【0110】
【0111】
【0112】
【0113】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例に係る泥水式シールド工法におけるトンネル内設備の全体図である。
【図2】 切羽における土圧および水圧の分布を示す概念図である。
【図3】 切羽安定用泥水管理の流れの概略を示すフローチャートである。
【図4】 第1の循環路における切羽安定用泥水管理時の泥水の流れを示す図である。
【図5】 第2の循環路における切羽安定用泥水管理時の泥水の流れを示す図である。
【図6】 増粘剤添加分の泥水取り出し時の泥水の流れを示す図である。
【符号の説明】
2 シールド機
8 水圧計
20 チャンバー
30 ポンプ
40 増粘剤添加装置
42 制御装置
44 スタティックミキサー
46 粘性計
50 送泥管
52 排泥管
54、56 連結管
58 クロス連結管
70〜88 バルブ
90 コントロールバルブ
200 切羽

Claims (8)

  1. 泥水式シールド工法における掘削停止時の切羽安定用泥水管理システムであって、
    掘削坑内において送泥管と排泥管を結ぶ第1の連結管と、
    当該第1の連結管よりも切羽側の前記送泥管と前記第1の連結管よりも切羽側の前記排泥管とを結ぶ第2の連結管と、
    前記送泥管、前記排泥管、前記第1および第2の連結管に配置された流路開閉装置と、
    前記流路開閉装置を制御することにより、チャンバーを経由せず、前記第1の連結管、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの送泥管、前記第2の連結管、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの排泥管を経由する第1の循環路を形成するとともに、ポンプを制御することにより、前記第1の循環路に泥水を循環させる制御装置と、
    前記第1の循環路における泥水の性状を測定する泥水性状測定装置と、
    を有することを特徴とする切羽安定用泥水管理システム。
  2. 請求項1において、
    前記泥水性状測定装置により測定された前記第1の循環路で循環している泥水に薬剤を添加可能に形成されている薬剤添加装置を有し、
    前記制御装置は、前記泥水性状測定装置により測定された泥水性状に基づき、前記薬剤の添加を制御することを特徴とする切羽安定用泥水管理システム。
  3. 請求項2において、
    前記第1の循環路に設けられ、前記薬剤の添加量に基づき、前記第1の循環路から過剰な泥水を取り出すための泥水取り出し管を有することを特徴とする切羽安定用泥水管理システム。
  4. 請求項2、3のいずれかにおいて、
    前記チャンバー内の切羽水圧を測定する水圧計を有し、
    前記制御装置は、前記水圧計の測定結果に基づき、前記薬剤の添加を制御することを特徴とする切羽安定用泥水管理システム。
  5. 泥水式シールド工法において、
    掘削内において送泥管と排泥管を結ぶ第1の連結管と、当該第1の連結管よりも切羽側の前記送泥管と前記第1の連結管よりも切羽側の前記排泥管とを結ぶ第2の連結管と、が設けられ、
    掘削を停止する工程と、
    泥水流路を開閉制御し、前記第1の連結管と、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの送泥管と、前記第2の連結管と、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの排泥管とを含む、チャンバーを経由しない第1の循環路を形成する工程と、
    ポンプを制御することにより、前記第1の循環路内に泥水を循環させる工程と、
    この循環させた泥水の性状を測定する工程と、
    を含むことを特徴とする切羽安定用泥水管理方法。
  6. 請求項5において、
    前記第2の連結管よりも切羽側の前記送泥管と前記第2の連結管よりも切羽に対して後方にある前記排泥管とを結ぶクロス連結管が設けられ、
    前記第1の循環路内に泥水を循環させ、前記第1の循環路内の泥水の性状を測定した後、前記第1の循環路を閉鎖する工程と
    測定した泥水の性状に基づき、泥水流路を開閉制御することにより、前記第1の連結管と、前記第1の連結管の接続部分から前記第2の連結管の接続部分までの送泥管と、前記第2の連結管と、前記第2の連結管の接続部分よりも切羽側の排泥管と、前記チャンバーと、前記クロス連結管の接続部分よりも切羽側の送泥管と、前記クロス連結管と、前記クロス連結管の接続部分から前記第1の連結管の接続部分までの排泥管とを経由する第2の循環路を形成する工程と
    前記第2の循環路における泥水の性状を測定する工程と、
    を更に含むことを特徴とする切羽安定用泥水管理方法。
  7. 請求項6において、
    泥水性状の測定結果に基づき、前記第1の循環路または前記第2の循環路で循環している泥水に薬剤を添加する薬剤添加工程を含むことを特徴とする切羽安定用泥水管理方法。
  8. 請求項7において、
    前記チャンバー内の切羽水圧を測定する工程を含み、
    前記薬剤添加工程は、前記切羽水圧の測定結果に基づき、前記薬剤を添加することを特徴とする切羽安定用泥水管理方法。
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