JP3673066B2 - 配水圧力制御装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は配水管網の配水末端圧力一定制御を行う配水圧力制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
河川からの水は浄水場を経由して配水池に溜められた後、この溜められた水が配水ポンプにより送り出され、各家庭付近の道路下に埋設された配水管を通って各家庭に水道水として供給される。この所定地域内の配水管全体を配水管網と呼ぶ。
【0003】
ところで、各家庭で水道水を快適に使用するためには、水道水の圧力はできるだけ一定であることが望ましい。そのためには、配水管網における圧力すなわち配水末端圧力を一定にするための制御を行う必要があるが、配水管網のプロセスゲインが流量の需要量および需要変動の大きさに応じて時々刻々変動することから、配水末端の圧力を一定に制御することは難しい。
【0004】
従来、かかる配水圧力制御方式としては、推定末端圧力制御方式とPI圧力制御方式とが用いられている。この推定末端圧力制御方式とは、配水ポンプの吐出圧力と吐出流量とをそれぞれP0 、Qとしたとき、配水管網内の圧力損失分Rfを推定し、
P=P0 −Rf・Q1.85
なる演算式によって配水末端圧力Pを求めた後、この配水末端圧力Pが一定となるように配水ポンプの回転数を制御し吐出圧力P0 を調整する制御方式である。
【0005】
一方、PI圧力制御方式とは、配水管網内の所定個所に設置される圧力計により計測される配水末端圧力P0 と配水末端圧力設定値との偏差に基づいて比例積分演算を実行して得られる演算値を配水ポンプの吐出圧力目標値P0 とし、この吐出圧力目標値P0 に吐出圧力が追従するように配水ポンプの回転数を制御する方式である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前者の推定末端圧力制御方式は、圧力損失分の推定値と実際の圧力損失分の値との間に相当な誤差が生じ、所望の配水末端圧力とすることが難しい。
【0007】
一方、後者のPI圧力制御方式は、流量の需要量または需要変動が大きい場合にも小さい場合にも、比例ゲインや積分時間など,比例積分演算の制御パラメータが一定であることから、例えば夜間のように需要量または需要変動が小さい場合にあわせて制御パラメータを設定すると、昼間のように需要量または需要変動が大きい場合には十分な制御応答が得られない。逆に、昼間のように需要量または需要変動が大きい場合にあわせて制御パラメータを設定すると、夜間のような需要量または需要変動が小さい場合にはハンチングを起こすことがある。
【0008】
本発明は上記実情に鑑みてなされたもので、需要量や需要変動の大きさの変動にも拘らず、確実に配水末端圧力を一定に制御する配水圧力制御装置を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、配水池とこの配水池で浄化された浄水を供給する配水管網との間に配水ポンプを設置し、この配水ポンプの運転台数制御または回転数制御に基づく吐出圧力制御によって前記配水管網の末端圧力を一定に制御する配水圧力制御装置において、前記配水ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧力計と、前記配水ポンプの吐出流量を検出する吐出流量計と、前記配水管網の末端圧力を検出する配水末端圧力計と、前記配水管網の末端圧力設定値および前記配水末端圧力計の末端圧力計測値から得られる末端圧力偏差値と前記配水ポンプの吐出流量の変化率とに基づいてファジィ推論可能なファジィルールを格納したファジィルール格納手段と、前記吐出流量計で計測された前回吐出流量計測値と今回吐出流量計測値との変化分から吐出流量変化率を求める吐出流量変化率演算手段と、この吐出流量変化率演算手段で求めた吐出流量変化率と前記末端圧力偏差値に基づき前記ファジィルール格納手段に格納されるファジィルールより求められるファジィ推論値から吐出圧力目標値修正量を求め、この修正量を用いて前回吐出圧力目標値を修正し出力する吐出圧力目標値演算手段と、この吐出圧力目標値演算手段から出力される修正された吐出圧力目標値と前記吐出圧力計の吐出圧力計測値とに基づいて前記配水ポンプの運転台数または回転数をフィードバック制御する配水ポンプ制御手段とを設けた配水圧力制御装置である。
【0010】
この発明は、以上のような構成とすることにより、配水管網の末端圧力偏差値と配水ポンプの吐出流量の変化率とに基づいてファジィ推論可能なファジィルールを規定するファジィルール格納手段の他、吐出流量変化率演算手段および吐出圧力目標値演算手段を設け、吐出流量変化率演算手段では、前記吐出流量計で計測された前回吐出流量計測値と今回吐出流量計測値との変化分から吐出流量変化率を求めて吐出圧力目標値演算手段に送出する。吐出圧力目標値演算手段では、配水末端圧力計の末端圧力計測値および設定値から得られる末端圧力偏差値と前記吐出流量変化率演算手段で求めた吐出流量変化率とに基づいてファジィルールからファジィ推論値を求め、このファジィ推論値から吐出圧力目標値修正量を求める。しかる後、この吐出圧力目標値修正量を用いて前回吐出圧力目標値を修正し今回吐出圧力目標値を出力する。配水ポンプ制御手段では、今回吐出圧力目標値と吐出圧力計の吐出圧力計測値との偏差が零になるように配水ポンプの運転台数または回転数をフィードバック制御する。
【0011】
これにより、逐次変化する吐出流量の変化率と配水管網の末端圧力偏差値とに基づいて吐出圧力目標修正量を算出した後、当該吐出圧力目標修正量を用いて前回吐出圧力目標値に修正を加えながら今回吐出圧力目標値とし、配水ポンプの運転台数等を制御するので、流量の需要量または需要変動の大きさに対する吐出流量の変化率に敏感に反映し、ひいては吐出圧力目標値修正量に反映するので、迅速に配水末端圧力を一定に制御できる。
【0015】
さらに、別の発明は、末端圧力偏差値と配水ポンプの吐出流量値との組合わせに応じた第1のファジィルールが格納された第1のファジィルール格納手段と、吐出圧力目標値演算手段とを設け、この吐出圧力目標値演算手段は、末端圧力偏差値と前記配水ポンプの吐出流量の変化率との組合わせに応じた第2のファジィルールが格納された第2のファジィルール格納手段とを設け、さらに末端圧力偏差値と吐出流量値とに基づいて第1のファジィルール格納手段の第1のファジィルールより求められる第1のファジィ推論値から第1の吐出圧力目標値修正量を求め、また末端圧力偏差値と配水ポンプの吐出流量の変化率とに基づいて第2のファジィルール格納手段の第2のファジィルールより求められる第2のファジィ推論値から第2の吐出圧力目標値修正量を求めた後、これら第1の吐出圧力目標値修正量と第2の吐出圧力目標値修正量との和を最終吐出圧力目標値修正量とし、この修正量を用いて前回吐出圧力目標値を修正し、今回の吐出圧力目標値を得るようにしているので、吐出流量および吐出流量変化率に従ってゲインを非線形的に変える制御を行うことができ、需要量および需要変動の大きさが複雑に変化する場合でも確実に適正な吐出圧力目標値を得ることができる。
【0016】
さらに、別の発明は、吐出流量計の吐出流量を逐次保存し、この保存された過去の吐出流量値を用いて自己回帰演算によって配水ポンプの吐出流量変化率を算出することにより、過去の吐出流量を用いてより精度の高い吐出流量変化率を得ることができ、より安定した制御を実行できる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明装置の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1は本発明に係わる配水圧力制御装置の一実施形態を示す構成図である。
この配水圧力制御装置は、入出力部を含む配水系1および演算装置10からなっている。
【0018】
この配水系1は、河川から浄水場などを経由してくる水を一時的に溜める配水池2が設けられ、この配水池2により溜められた水はn台の配水ポンプ31 ,…,3n を用いて配水管網4に配水される。この配水ポンプ31 ,…,3n と配水管網4との間に、配水ポンプ31 ,…,3n の吐出圧力を検出する吐出圧力計5および吐出流量を検出する吐出流量計6が設置されている。この配水管網4の所定個所には配水末端圧力計7が設けられている。8はタッチパネル付き表示部、9はキーボード,マウス等の操作機器よりなるヒューマンインタフェィスである。従って、オペレータは、表示部7に表示されるプラント設備機器および設備機器からの計測値などの動作状態を監視しながら、ヒューマンインタフェィス9から吐出圧力目標値などを含む各種のデータを演算装置10に入力し、一方、表示部7には演算装置10で取り込んだ各種の設備機器(吐出圧力計,吐出流量計等)および各設備機器の計測値などを表示するようになっている。
【0019】
この演算装置10は、吐出流量変化率演算手段11、第1のファジィルールテーブル12、第2のファジィルールテーブル13、吐出圧力目標値演算手段14および配水ポンプ制御手段15が設けられている。
【0020】
前記吐出流量変化率演算手段11は、吐出流量計5により計測される吐出流量計測値を取り込み、その取り込んだ前回吐出流量計測値と今回吐出流量計測値との変分から吐出流量変化率を求めるものであるが、他の算出方法で求めてもよい。例えば吐出流量計測値を所定の周期ごとに取り込んで保存するとともに、現在の吐出流量計測値と過去の吐出流量計測値とをもとにカルマンフィルタ等の自己回帰演算により吐出流量変化率を求めてもよい。この自己回帰演算を用いれば、吐出流量変化率をより精度よく求めることができる。
【0021】
前記第1のファジィルールテーブル12は、図2,図3に示すように配水管網4の配水末端圧力の設定値と配水末端圧力計7の配水末端圧力計測値との偏差(配水末端圧力偏差)と、吐出流量計6の吐出流量とに基づいてファジィ推論可能なファジィルールを規定する。
【0022】
前記第2のファジィルールテーブル13は、図2,図4に示すように前記配水末端圧力偏差と吐出流量変化率とに基づいてファジィ推論可能なファジィルールを規定する。
【0023】
前記吐出圧力目標値演算手段14は、吐出流量計測値を用いるか、吐出流量変化率を用いるか、或いはこれら吐出流量計測値および吐出流量変化率の両方を用いるかに応じて、次の(1)〜(3)の演算方法が上げられる。
(1) 配水末端圧力計7の計測値と配水末端圧力設定値との配水末端圧力偏差と、吐出流量計6の吐出流量計測値とに基づいて、第1のファジィルールテーブル12に規定されるファジィルールからファジィ推論値を求めた後、このファジィ推論値から吐出圧力目標値修正量を求め、この修正量に基づいて修正された吐出圧力目標値を出力する方法である。
(2) 配水末端圧力計7の計測値と配水末端圧力設定値との配水末端圧力偏差と、吐出流量計6の過去および現在の吐出流量計測値から求める吐出流量変化率とに基づいて、第2のファジィルールテーブル13に規定されるファジィルールからファジィ推論値を求めた後、このファジィ推論値から吐出圧力目標値修正量を求め、この修正量に基づいて修正された吐出圧力目標値を出力する方法である。
【0024】
なお、吐出流量ではなく、吐出流量変化率に基づいてファジィ推論値を演算する場合には、流量の需要量や需要変動を敏感に反映させることができ、迅速にファジィ推論値,ひいては吐出圧力目標値修正量に反映させることができる。
(3) 前記(1)と前記(2)の両方の演算方法により得られる吐出圧力目標値修正量1と吐出圧力目標値修正量2との加算値を吐出圧力目標値修正量として求めた後、この修正量に基づいて修正された吐出圧力目標値を出力する方法である。
【0025】
次に、以上のような配水圧力制御装置の動作について説明する。なお、ここでは、説明の便宜上,前記(1)と前記(2)の両方の演算方法を用いた例について説明する。
【0026】
先ず、この配水圧力制御は、操作員がヒューマンインタフェィス9で設定された配水末端圧力設定値と配水末端圧力計7の配水末端圧力計測値とを用いてファジィ推論により配水ポンプの吐出圧力目標値を演算する。このとき、ファジィ推論では、吐出流量または吐出流量変化率と配水末端圧力に係わる情報,つまり配水末端圧力偏差とに基づいて吐出圧力目標値修正量を求めた後、この吐出圧力目標値修正量を前回吐出圧力目標値に加算修正し今回吐出圧力目標値を求め、配水ポンプ制御手段15に導入する。この配水ポンプ制御手段15は、吐出圧力目標値と吐出圧力計5の吐出圧力計測値との偏差に基づいてPI調節演算を実行し、得られた吐出圧力操作信号に見合う配水ポンプの運転台数制御または回転数制御を実施し、配水ポンプの吐出圧力を制御する。
【0027】
次に、ファジィ推論を用いて吐出圧力目標値修正量を演算する例について説明する。
このファジィ推論の入力となる対象は、配水末端圧力設定値と配水末端圧力検出値との配水末端圧力偏差と、配水ポンプの吐出流量または吐出流量変化率とである。ここで、吐出流量変化率とは、前述したように現在の吐出流量計測値と過去の吐出流量計測値とをもとにカルマンフィルタ等による自己回帰演算により求める。そして、以上のファジィ推論の入力情報をもとに、図2に示す2枚のファジィルールテーブル12,13のファジィルールを用いて吐出圧力目標値修正量を求める。
【0028】
すなわち、吐出圧力目標値演算手段14では、図2に示すように配水末端圧力偏差と吐出流量とに基づき、第1のファジィルールテーブル12に規定するファジィルールを用いてファジイ推論演算を実行し、吐出圧力目標値修正量1を求める。同様に、配水末端圧力偏差と吐出流量変化率とに基づき、第2のファジィルールテーブル13に規定するファジィルールを用いてファジイ推論演算を実行し、吐出圧力目標値修正量2を求める。そして、これら吐出圧力目標値修正量1と吐出圧力目標値修正量2とを加算し、最終の吐出圧力目標値修正量を算出し、配水ポンプ制御手段15に導入する。
【0029】
図3は第1のファジィルールテーブル12のルール例であり、図4は第2のファジィルールテーブル13のルール例を示す図である。
この図3のテーブル12において吐出流量側のPB:吐出流量が非常に多い、PS:吐出流量がやや多い、Z:吐出流量が平均的、NS:吐出流量がやや少ない、NB:吐出流量が非常に少ないを意味し、配水末端圧力偏差側のPB:末端圧力が設定値より小さい、PS:末端圧力が設定値よりやや小さい、Z:末端圧力が設定値と同じ、NS:末端圧力が設定値よりやや大きい、NB:末端圧力が設定値より大きいを意味する。なお、テーブルの( )内はテーブルNOを表わす。
【0030】
また、図4のテーブル13において吐出流量変化率側のPB:吐出流量が急激に増加、PS:吐出流量がやや増加、Z:吐出流量変化なし、NS:吐出流量がやや減少、NB:吐出流量が急激に減少していることを意味する。配水末端圧力偏差側のPB,PS,Z,NS,NBは図3と同じ意味をもつ。
【0031】
次に、図5を参照しながら吐出流量と配水末端圧力計測値とから吐出流量目標値修正量を推論する例について具体的に説明する。
今、配水末端圧力計測値Hpv(t) と吐出流量Qpv(t) とが図5(a),(b)に示すように推移しているものとする。すなわち、配水末端圧力計測値Hpv(t) は徐々に下降し、時刻tにおいて配水末端圧力計測値Hpv(t) が配水末端圧力設定値Hsvより小さくなり、偏差e(t) となっている。一方、吐出流量Qpv(t) は、需要家の需要量が多いことから、非常に多くなっている。
【0032】
そこで、吐出圧力目標値演算手段14では、第1のファジィルールテーブル12のファジィルールから、以上のように吐出流量Qpv(t) が非常に多く、配水末端圧力計測値Hpv(t) が配水末端圧力設定値Hsvより小さいことから、ルール(R1)が発火する。つまり、第1のファジィルールテーブル12から吐出圧力目標値修正量1を正で大きくするといった結果を取り出すことができる。
【0033】
一方、第2のファジィルールテーブル13のファジィルールから、吐出流量Qpv(t) が非常に大きく、その結果,吐出流量変化率dQpv(t) が急激に増加し、かつ、配水末端圧力計測値Hpv(t) が配水末端圧力設定値Hsvより小さいので、テーブル13のルール(R1)が発火する。つまり、第2のファジィルールテーブル13から吐出圧力目標値修正量2を正で大きくするといった結果を取り出すことができる。
【0034】
なお、実際の推論の場合には、ファジィ推論の入力となる配水末端圧力偏差e(t) 、吐出流量Qpv(t) 、吐出流量変化率dQpv(t) は下記に示すように正規化された値が用いられる。
【0035】
e(t) =Hsv−Hpv(t) ……(1)
E(t) =e(t) /Hemax ……(2)
m =(Qmax +Qmin )/2 ……(3)
g =(Qmax −Qmin )/2 ……(4)
Q(t) =(Qpv(t) −Qm )/Qg ……(5)
dQ(t) =dQpv(t) /dQmax ……(6)
但し、上式において、
e(t) :配水末端圧力設定値と配水末端圧力計測値との偏差
sv :配水末端圧力設定値
pv(t) :配水末端圧力計測値
emax :配水末端圧力偏差幅
Qmax :最大吐出流量
Qmin :最小吐出流量
m :Qmax とQmin との平均
g :Qmax とQmin との差の絶対値
pv(t) :吐出流量計測値
dQpv(t) :吐出流量変化率
dQmax :吐出流量変化率幅
E(t) :配水末端圧力偏差を正規化した値
Q(t) :吐出流量を正規化した値
dQ(t) :吐出流量変化率を正規化した値
t:時刻
従って、以上の式により正規化された配水末端圧力偏差E(t) 、吐出流量Q(t) 、吐出流量変化率dQ(t) により、吐出圧力目標値の修正量を演算することになる。
【0036】
これら配水末端圧力偏差、吐出流量、吐出流量変化率(入力)を規定するメンバーシップ関数は図6(a)に、吐出圧力目標値修正量1および吐出圧力目標値修正量2(出力)を規定するメンバーシップ関数のPB、PM、PS、Z、NS、NM、NBの記号の意味は図7に示す通りである。
【0037】
そして、以上のようにしてファジィ推論により求められたファジィ推論値をもとに、吐出圧力目標値の修正量は次式の演算により求める。
sv(t) =hsv(t-dt )+K1*dh1(t)+K2*dh2(t) ……(7)
dh1(t)=Hinf1*dhmax1 ……(8)
dh2(t)=Hinf2*dhmax2 ……(9)
但し、上式において、
sv(t) :吐出圧力目標値
dh1(t):吐出圧力目標値修正量1
dh2(t):吐出圧力目標値修正量2
dhmax1:吐出圧力目標値修正量幅1
dhmax2:吐出圧力目標値修正量幅2
K1 :吐出圧力目標値修正量1のゲイン
K2 :吐出圧力目標値修正量2のゲイン
dt :制御周期
Hinf1 :ファジィ推論値(吐出圧力目標値修正量1の正規化値)
Hinf2 :ファジィ推論値(吐出圧力目標値修正量2の正規化値)
上式においてK1+K2=1とすれば、K1,K2は配分係数に相当する。つまり、前記(7)式において、吐出圧力目標値修正量1のゲインK1=1、吐出圧力目標値修正量2のゲインK2=0とすれば、第1のファジィルールテーブル12からファジィ推論により得られた吐出圧力目標値修正量1が吐出圧力目標値の修正量となり、第1のファジィルールテーブル12のファジィルールを用いて吐出圧力目標値の修正量を得ることができる。
【0038】
また、吐出圧力目標値修正量1のゲインK1=0、吐出圧力目標値修正量2のゲインK2=1とすれば、第2のファジィルールテーブル13からファジィ推論により得られた吐出圧力目標値修正量2が吐出圧力目標値の修正量となり、第2のファジィルールテーブル13のファジィルールを用いて吐出圧力目標値の修正量を得ることができる。
【0040】
従って、以上のような実施の形態によれば、配水末端圧力偏差と配水ポンプの吐出流量の変化率とに基づくファジイルールを規定し、吐出流量計から得られる吐出流量計測値から吐出流量の変化率を求めた後、この吐出流量変化率と配水末端圧力偏差とに基づいてファジィルールからファジィ推論値を得た後、このファジィ推論値に基づいて吐出圧力目標値修正量を取り出すので、過去の吐出流量と今回の吐出流量との関係から流量の需要量や需要変動の大きさの変動を敏感に検知し、迅速に吐出圧力目標値修正量に反映させるので、迅速に配水末端圧力を一定に制御できる。
【0041】
さらに、配水末端圧力偏差と配水ポンプの吐出流量との組合わせによる第1のファジィルールと、配水末端圧力偏差と配水ポンプの吐出流量の変化率との組合わせによる第2のファジィルールとを用い、これら配水末端圧力偏差、吐出流量および吐出流量の変化率に応じて第1および第2のファジィルールからそれぞれファジィ推論値を得た後、これらファジィ推論値に基づいてファジィ演算により吐出圧力目標値修正量を取り出し、これら2つの吐出圧力目標値修正量の和を吐出圧力目標値修正量とするので、流量の需要量や需要変動を含む様々な変動を敏感に検知し、吐出圧力目標値修正量に反映させ、配水末端圧力を一定に制御することができる。
【0042】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、配水末端圧力偏差と吐出流量および吐出流量変化率とを入力とするファジィルールに基づいて吐出圧力目標値修正量を求めて吐出圧力目標値を修正することにより、流量の需要量や需要変動の大きさに応じて配水末端圧力偏差、吐出流量および吐出流量変化率により容易にゲインを変えることにより、確実に末端圧力を一定制御できる。
【0043】
また、現在の吐出流量計測値と過去の吐出流量計測値とを用いて自己回帰演算によりより精度の高い吐出流量変化率を得ることができ、より安定した末端圧力一定制御を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係わる配水圧力制御装置の一実施の形態を示す構成図。
【図2】 図1に示す第1のファジィルールテーブルと第2のファジィルールテーブルとの間の関係を説明する図。
【図3】 第1のファジィルールテーブルのファジィルールを表わす図。
【図4】 第2のファジィルールテーブルのファジィルールを表わす図。
【図5】 配水末端圧力および吐出流量の特性例を示す図。
【図6】 ファジィ演算の際に用いるメンバーシップ関数を示す図。
【図7】 図3、図4および図6の記号の意味を表わす図。
【符号の説明】
1…配水系
2…配水池
1 〜3n …配水ポンプ
4…配水管網
5…吐出圧力計
6…吐出流量計
7…配水末端圧力計
10…演算装置
11…吐出流量変化率演算手段
12…第1のファジィルールテーブル
13…第2のファジィルールテーブル
14…吐出圧力目標値演算手段
15…配水ポンプ制御手段

Claims (3)

  1. 配水池とこの配水池で浄化された浄水を供給する配水管網との間に配水ポンプを設置し、この配水ポンプの運転台数制御または回転数制御に基づく吐出圧力制御によって前記配水管網の末端圧力を一定に制御する配水圧力制御装置において、
    前記配水ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧力計と、
    前記配水ポンプの吐出流量を検出する吐出流量計と、
    前記配水管網の末端圧力を検出する配水末端圧力計と、
    前記配水管網の末端圧力設定値および前記配水末端圧力計の末端圧力計測値から得られる末端圧力偏差値と前記配水ポンプの吐出流量の変化率とに基づいてファジィ推論可能なファジィルールを格納したファジィルール格納手段と、
    前記吐出流量計で計測された前回吐出流量計測値と今回吐出流量計測値との変化分から吐出流量変化率を求める吐出流量変化率演算手段と、
    この吐出流量変化率演算手段で求めた吐出流量変化率と前記末端圧力偏差値に基づき前記ファジィルール格納手段に格納されるファジィルールより求められるファジィ推論値から吐出圧力目標値修正量を求め、この修正量を用いて前回吐出圧力目標値を修正し出力する吐出圧力目標値演算手段と、
    この吐出圧力目標値演算手段から出力される修正された吐出圧力目標値と前記吐出圧力計の吐出圧力計測値とに基づいて前記配水ポンプの運転台数または回転数をフィードバック制御する配水ポンプ制御手段と
    を備えたことを特徴とする配水圧力制御装置。
  2. 配水池とこの配水池で浄化された浄水を供給する配水管網との間に配水ポンプを設置し、この配水ポンプの運転台数制御または回転数制御に基づく吐出圧力制御によって前記配水管網の末端圧力を一定に制御する配水圧力制御装置において、
    前記配水ポンプの吐出圧力を検出する吐出圧力計と、
    前記配水ポンプの吐出流量を検出する吐出流量計と、
    前記配水管網の末端圧力を検出する配水末端圧力計と、
    前記配水管網の末端圧力設定値および前記配水末端圧力計の末端圧力計測値から得られる末端圧力偏差値と前記配水ポンプの吐出流量計測値とに基づいてファジィ推論可能な第1のファジィルールを格納した第1のファジィルール格納手段と、
    前記末端圧力偏差値と前記配水ポンプの吐出流量の変化率とに基づいてファジィ推論可能な第2のファジィルールを格納した第2のファジィルール格納手段と、
    前記吐出流量計で計測された前回吐出流量計測値と今回吐出流量計測値との変化分から吐出流量変化率を求める吐出流量変化率演算手段と、
    前記吐出流量計の吐出流量計測値および前記末端圧力偏差値に基づき前記第1のファジィルール格納手段に格納される第1のファジィルールより求められる第1のファジィ推論値から第1の吐出圧力目標値修正量を求め、また前記吐出流量変化率演算手段で求められる前記配水ポンプの吐出流量の変化率と前記末端圧力偏差値とに基づき前記第2のファジィルール格納手段に格納される第2のファジィルールより求められる第2のファジィ推論値から第2の吐出圧力目標値修正量を求め、これら第1の吐出圧力目標値修正量と第2の吐出圧力目標値修正量との和を最終吐出圧力目標値修正量とし、この修正量を用いて前回吐出圧力目標値を修正し出力する吐出圧力目標値演算手段と、
    この吐出圧力目標値演算手段から出力される修正された吐出圧力目標値と前記吐出圧力計の吐出圧力計測値とに基づいて前記配水ポンプの運転台数または回転数をフィードバック制御する配水ポンプ制御手段と
    を備えたことを特徴とする配水圧力制御装置。
  3. 前記配水ポンプの吐出流量変化率を算出手段は、前記吐出流量計で計測された前回吐出流量計測値と今回吐出流量計測値との偏差に代えて、前記吐出流量計の吐出流量計測値を逐次保存し、この保存された過去の吐出流量計測値を用いて自己回帰演算によって算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の配水圧力制御装置。
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