JP3673001B2 - X線ct装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば扇状のX線ビームのような、広がりに比べて厚みの薄いX線ビームをその厚みの方向に掃引することにより、被検体の透視像を撮影するX線撮影方法および装置並びにX線CT装置に関する。さらに詳しくは、X線検出器としてX線検出素子のアレイ(array) を複数個有するものを用いて品質の良い透視像を得るX線撮影方法および装置並びにX線CT装置である。
【0002】
【従来の技術】
X線CT装置においては、被検体を扇状のX線ビームでスキャンし、その測定データに基づいて被検体の断層像が再構成される。測定データは、多数のX線検出素子を扇状X線ビームの広がりの方向に配列した多チャンネルのX線検出器によって測定される。
【0003】
図11に、X線CT装置におけるX線照射・検出系の概念図を示す。図11において、X線照射器XSから放射されるX線が、アパーチャ(aperture)APを通して厚みtのX線ビームBMとなって被検体OBに照射され、その透過X線がX線検出器DTのX線検出素子DTeで測定される。
【0004】
X線ビームBMは厚みの方向(z方向)とは垂直な方向(x方向)に広がる扇状のビームとなっている。この扇状X線ビームの広がりの方向にX線検出素子DTeが複数個配列され、多チャンネルのX線検出器DTを構成している。すなわち、X線検出器DTはX線検出素子DTeのアレイによって構成される。
【0005】
被検体OBをスキャンするときには、このX線照射・検出系を体軸OAを中心として回転させ、被検体OBのスライス厚tの部分について周囲の複数方向から透過X線データが測定される。
【0006】
一般に、スキャンに先立ってスライス位置を決めるための透視撮影が行なわれる。透視撮影はX線を照射しながらX線照射・検出系を被検体OBに対して相対的に平行移動(掃引)させることによって行なわれる。
【0007】
掃引の各位置(ビュー(view))において測定されたX線透過データに基づいて透視像が形成される。操作者は透視像によって注目部位(病変部等)の正確な位置を確認し、その部位が含まれるようにスライス位置決めしてスキャンを実行する。このようなスキャン位置決めのための透視撮影はスカウトビュー(scout view)撮影と呼ばれる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
近年、X線検出素子のアレイを複数個有するX線検出器が開発されつつある。これをX線CT装置のX線検出器として用いれば1スキャンで複数スライスの測定データが得られるので、スループット(through put) の向上や複数スライスの測定データを用いて多様な画像再構成を行なう等の先進的なデータ処理が期待できる。
【0009】
この種のX線検出器においては、従来のX線検出器と同程度のz方向(幅)の寸法内に複数のアレイを形成することができる。その場合、アレイ1つ当たりのスライス厚が薄くなるので、スカウトビュー撮影により高精細(高分解能)の透視像を得ることが期待される。しかし、スライス厚の減少に伴って測定データのS/N(signal-to-noise ratio) が劣化するので画像の品質が低下し高精細の特徴は減殺される。
【0010】
本発明は上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、高精細で品質の良い透視像を撮影するX線撮影方法および装置並びにX線CT装置を実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
〔1〕課題を解決するための第1の発明は、広がりに比べて厚みの薄いX線ビームをその厚みの方向に被検体に関して相対的に掃引し、透過X線に基づいて被検体の透視像を形成するX線撮影方法において、X線検出素子のアレイを前記X線ビームの厚みの方向に複数個隣接させたX線検出器によって前記透過X線を検出し、前記複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成することを特徴とするX線撮影方法である。
【0012】
課題を解決するための第1の発明によれば、複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するようにしたので、X線ビームのボケを回復して高精細の透視像を得ることができるとともにS/Nを向上させて品質の良い透視像を得ることができるX線撮影方法を実現することができる。
【0013】
また、重み付き加算の重み係数を調節することにより任意の精細度の透視像を得ることができる。
課題を解決するための第1の発明において、前記重み付き加算のための重み係数を前記X線ビームの厚み方向の強度分布に対応したボケ回復関数に基づいて定めることがより高精細な透視像を得る点で好ましい。
【0014】
なお、課題を解決するための第1の発明においてX線ビームを被検体に関して相対的に掃引する形態としては下記のものがある。
(1)X線ビームを固定して被検体を移動させるもの
(2)被検体を固定してX線ビームを移動させるもの
(3)X線ビームと被検体を共に移動させるもの
〔2〕課題を解決するための第2の発明は、広がりに比べて厚みの薄いX線ビームをその厚みの方向に被検体に関して相対的に掃引し、透過X線に基づいて被検体の透視像を形成するX線撮影装置において、前記X線ビームの厚みの方向にX線検出素子のアレイが複数個隣接して透過X線を検出するX線検出手段と、前記X線検出手段における前記複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成する画像形成手段とを具備することを特徴とするX線撮影装置である。
【0015】
課題を解決するための第2の発明によれば、複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するようにしたので、X線ビームのボケを回復して高精細の透視像を得ることができるとともにS/Nを向上させて品質の良い透視像を得ることができるX線撮影装置を実現することができる。
【0016】
また、重み付き加算の重み係数を調節することにより任意の精細度の透視像を得ることができる。
課題を解決するための第2の発明において、前記重み付き加算のための重み係数を前記X線ビームの厚み方向の強度分布に対応したボケ回復関数に基づいて定めることがより高精細な透視像を得る点で好ましい。
【0017】
なお、課題を解決するための第2の発明においてX線ビームを被検体に関して相対的に掃引する形態は前述の通りである。
〔3〕課題を解決するための第3の発明は、X線検出素子のアレイを有するX線検出手段と、前記X線検出手段に前記X線検出素子の配列方向に広がりを有しそれとは垂直な方向に厚みを有するX線ビームを照射するX線照射手段と、前記X線検出手段の検出信号に基づいて画像再構成を行う画像再構成手段と、前記X線照射手段のX線ビームをその厚みの方向に被検体に関して相対的に掃引する掃引手段と、前記掃引手段によるX線ビームの掃引時の前記X線検出手段の検出信号に基づいて被検体の透視像を形成する画像形成手段とを有するX線CT装置において、前記X線検出手段はX線検出素子のアレイを前記X線ビームの厚みの方向に複数個隣接させて構成し、前記画像形成手段は前記X線検出手段における前記複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するように構成したことを特徴とするX線CT装置である。
【0018】
課題を解決するための第3の発明によれば、複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するようにしたので、X線ビームのボケを回復して高精細の透視像を得ることができるとともにS/Nを向上させて品質の良い透視像を得ることができるX線CT装置を実現することができる。
【0019】
また、重み付き加算の重み係数を調節することにより任意の精細度の透視像を得ることができる。
課題を解決するための第3の発明において、前記重み付き加算のための重み係数を前記X線ビームの厚み方向の強度分布に対応したボケ回復関数に基づいて定めることがより高精細な透視像を得る点で好ましい。
【0020】
なお、課題を解決するための第3の発明においてX線ビームを被検体に関して相対的に掃引する形態は前述の通りである。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1にX線撮影装置のブロック図を示す。本装置は本発明の実施の形態の一例である。なお、本装置の構成によって本発明の装置に関する実施の形態の一例が示される。また、本装置の動作によって本発明の方法に関する実施の形態の一例が示される。
【0022】
図1において、X線照射器XSから放射されるX線がアパーチャAPを通して厚みtのX線ビームBMとして被検体OBに照射される。X線照射器XSは本発明におけるX線照射手段の実施の形態の一例である。X線照射器XSは例えばX線管等をX線源とするものである。X線ビームBMは厚みの方向(z方向)とは垂直な方向(x方向)に広がる例えば扇状のビームとなっている。
【0023】
被検体OBは支持板TB上に載置される。支持板TBはX線吸収量の極めて小さい物質例えばカーボンファイバー等によって構成される。支持板TBはz方向すなわち被検体OBの体軸OAの方向に移動可能なようになっている。
【0024】
被検体OB(および支持板TB)を透過したX線はX線検出器DTで測定される。X線検出器DTは本発明におけるX線検出手段の実施の形態の一例である。X線検出器DTはz方向すなわちX線ビームBMの厚みの方向に隣接して配置された4つのX線検出素子DTe1〜DTe4を有する。
【0025】
4つのX線検出素子DTe1〜DTe4はX線ビームBMの広がりの方向(x方向)に複数個配列され、4系統の多チャンネルX線検出アレイを構成している。
【0026】
なお、アレイの数は4に限定されるものではなく、これ以上または以下の任意の複数として良い。
X線制御部XCはX線照射器XSを制御するものである。これによってX線の強度、照射タイミング等が制御される。支持板制御部TCは支持板TBを制御するものである。これによって支持板TBのz方向の移動が制御される。支持板制御部TCと支持板TBは本発明における掃引手段の実施の形態の一例である。なお、支持板TBを動かす代わりにX線照射・検出系を動かすようにしても良い。あるいは両方をそれぞれ動かすようにしても良い。要するに掃引は相対的に行なわれれば良い。
【0027】
データ収集部DASはX線検出器DTから出力される4系統の多チャンネルX線検出信号を収集するものである。
データ収集部DASの1チャンネル分の構成を図2に示す。図2に示すように、X線検出素子DTek(k:1〜4)の出力信号が積分器INTによって積分され、積分器INTの出力信号がマルチプレクサMXを通じてA/D(analog-to-digital) 変換器ADCに与えられ、ディジタル信号に変換されてメモリMEMに記憶される。
【0028】
マルチプレクサMXの入力側には他のチャンネルの積分器が複数個接続されており、それらが順次切り換えられてA/D変換器ADCに接続される。
制御装置CNTは積分器INTの動作を制御し、所定の周期で積分とリセットを行なわせる。すなわち、例えば図3に示すように、周期TsのうちTi時間で積分を行なわせTr時間でリセットを行なわせる。
【0029】
制御装置CNTはマルチプレクサMXを制御し、積分器INTがTi時間の積分を完了したタイミングでそれをA/D変換器ADCに接続する。制御装置CNTは、また、メモリMEMの書込アドレスを制御してA/D変換器ADCの出力信号をX線検出素子DTekのアレイ番号、チャンネル番号およびビュー番号に対応したアドレスに記憶する。
【0030】
図1に戻って、コンピュータCOMはX線制御部XCおよび支持板制御部TCを管制し、所定のシーケンスに基づく透視撮影を遂行するものである。コンピュータCOMは、また、データ収集部DASが収集した4系統の検出アレイの測定データに基づいて被検体OBの透視像を形成する。コンピュータCOMは本発明における画像形成手段の実施の形態の一例である。
【0031】
透視像は画像出力部IMを通じて出力される。画像出力部IMは例えばCRT(cathod-ray tube) 等を用いた画像表示装置やフィルム等に画像を撮影する写真撮影装置によって構成される。
【0032】
コンピュータCOMには表示部DISおよび操作部OPが接続される。これらは操作者のためのマンマシン・インタフェイス(man-machine interface) を構成する。
【0033】
次に、本装置の動作について説明する。
図4に本装置の動作のフロー図を示す。図4において、先ずステージST11で透視撮影のためのパラメータが設定される。パラメータの設定は操作者により操作部OPを通じて行なわれる。これによって、X線照射条件(管電圧、管電流)、被検体OBの撮影範囲、支持板TBの送り速度およびボケ回復用の重み係数等がコンピュータCOMに設定される。なお、ボケ回復用の重み係数については後に改めて説明する。
【0034】
パラメータ設定後、操作者は操作部OPを通じて撮影開始を指令する。
これにより、ステージST12において、被検体OBを載せた支持板TBの移送が開始される。
【0035】
次に、ステージST13において、被検体OBの撮影範囲の始端がX線照射域に入った時点でX線照射が開始される。
次に、ステージST14において、透過X線の測定データが収集される。このとき、支持板TBは定速で移送され、測定データは所定のビューレート(view rate) で収集される。ビューレートは単位時間当たりのビュー数で与えられる。データ収集は被検体OBの撮影範囲の終端がX線照射域を抜けるまで継続される。
【0036】
被検体OBの撮影範囲の終端がX線照射域を通過した時点でX線照射が停止され(ステージST15)、次いで、支持板TBの移送が停止される(ステージST16)。
【0037】
図5に、透視像形成のフロー図を示す。透視像の形成はステージST14で収集された測定データに基づいてコンピュータCOMにより行なわれる。
先ず、ステージST21において、測定データについての感度補正が行なわれる。感度補正は次式によって行なわれる。
【0038】
【数1】
【0039】
ここで、
data:透過X線データ
k:アレイ番号
i:チャンネル番号
j:ビュー番号
air:予め被検体OBが無い状態で測定したX線データ
(1)式は、被検体OBが無い状態で測定したX線データで透過X線データを除算することにより、個々のX線検出素子DTekの感度のバラツキによる測定データの誤差を補正することを示す。この感度補正はエアキャリブレーション(air calibration) とも呼ばれる。
【0040】
次に、ステージST22において、−log化処理が行なわれる。この処理は次式によって行なわれる。
【0041】
【数2】
【0042】
(2)式によって透過X線の強度を表す測定データがX線の減衰率を表すデータに変換される。透視像はX線の減衰率を表すデータによって形成される。以下これを投影データと呼ぶ。
【0043】
次に、ステージST23において、ボケ回復処理が行なわれる。ボケ回復処理の詳細は次の通りである。
アパーチャAPを通して厚みtのX線ビームBMをX線検出器DTに照射したとき、厚み方向におけるX線の強度分布(プロファイル(profile) )は一般に理想とされる矩形のプロファイルとはならずに鈍ったものとなる。
【0044】
この様子を図6に示す。図6において、曲線PFでX線ビームBMのプロファイルを示す。X線ビームBMがこのようなプロファイルPFを持つとき、それによって得られる透視像にはボケが生じる。
【0045】
ところで、X線CT装置によって断層像を再構成する際に、コンボリューション(convolution) によるボケ回復の手法が用いられる。この手法は、図7に示すように、プロファイル(ボケ関数)PFをボケ回復関数(コンボリューションカーネル(kernel))KRとコンボリューションするものである。ここで、コンボリューションカーネルKRをボケ関数PFに合わせて適切に定めることにより矩形プロファイルPRを回復することができる。
【0046】
矩形プロファイルPRの幅および急峻度はコンボリューションカーネルKRの選び方によって調節することができる。すなわち、例えばコンボリューションカーネルをKR’のようにすることによりコンボリューション後のプロファイルをPR’のようにすることができる。これによって、ボケ回復の強度すなわち画像の精細度を任意に調節することができる。
【0047】
ステージST23におけるボケ回復処理もこの手法に則って行なわれる。ボケ回復処理は次式によって行なわれる。
【0048】
【数3】
【0049】
ここで、
Wk:重み係数
(3)式は、各ビューの投影データを4つの投影データの重み付き加算によって合成することを示す。4つの投影データは4系統の検出アレイの測定データからそれぞれ求められたものである。重み係数Wk(k:1〜4)はボケ回復関数KRに基づいて与えられる。
【0050】
その際、重み係数W1は、例えば図8に示すように、X線検出素子DTe1の位置に相当するz方向の位置でのボケ回復関数KRの値で与えられる。同様に、重み係数W2〜W4はそれぞれX線検出素子DTe2〜DTe4の位置に相当するz方向の位置でのボケ回復関数KRの値で与えられる。
【0051】
これら重み係数が掛けられる投影データは、検出アレイの系統に応じて異なるビュー番号のものが用いられる。ビュー番号はΔの整数倍ずつ異ならせる。
Δは次式で与えられる。
【0052】
【数4】
【0053】
ここで、
t:X線ビームの厚み
v:支持板移送速度
view−rate:単位時間当たりのビュー数(ビューレート)
(4)式において、t/4は検出アレイ1つ当たりのスライス厚を表す。それを支持板移送速度vで除したものは被検体OBが距離t/4だけ移動する時間となる。したがって、それにビューレートを乗じて得られるものは、被検体OBが距離t/4だけ移動する時間内に発生するビュー数となる。これがΔである。
【0054】
図6に示すように、4系統の検出アレイを持つX線検出器DTに厚みtのX線ビームBMが入射するとき、X線検出素子DTe1〜DTe4には四分割されたX線ビームbm1〜bm4がそれぞれ入射する。これらX線ビームbm1〜bm4の強度はそれぞれX線ビームBMのプロファイルPFの対応部分の強度となる。
【0055】
被検体OBはこのようなX線ビームbm1〜bm4の照射域をz方向に移送される。ここで、被検体OBにおける厚みがt/4の特定のスライスSLに着目すると、このスライスSLはX線ビームbm1〜bm4の照射域を順番に通過し、その投影データがX線検出素子DTe1〜DTe4によってそれぞれ測定される。その様子を図9に示す。
【0056】
すなわち、スライスSLの投影データは先ずX線ビームbm1とX線検出素子DTe1で測定され(図9(A))、以下順次、X線ビームbm2とX線検出素子DTe2(同図(B))、X線ビームbm3とX線検出素子DTe3(同図(C))、X線ビームbm4とX線検出素子DTe4(同図(D))でそれぞれ測定される。
【0057】
これら各測定の間に被検体OBはt/4ずつ移動するから、各測定間のビュー数の差はΔとなる。したがって、(3)式は同一のスライスSLに関し、X線ビームbm1とX線検出素子DTe1、X線ビームbm2とX線検出素子DTe2、X線ビームbm3とX線検出素子DTe3、およびX線ビームbm4とX線検出素子DTe4でそれぞれ測定した投影データをボケ回復関数に基づく重みを付けて加算するものとなる。
【0058】
これは、データ点数は少ないが、コンボリューションに他ならない。したがって、(3)の演算によって投影データについてボケ回復処理がなされることになる。なお、このとき、複数の検出アレイの投影データの重み付き加算が行なわれるのでノイズが平均化され、S/Nの良い投影データを得ることができる。
【0059】
次に、ステージST24において、透視像形成が行なわれる。透視像の形成はボケ回復処理された投影データをチャンネル番号iおよびビュー番号jに応じて2次元空間に配置することによって行なわれる。このとき扇状X線ビームに由来する像の歪みの補正や投影データの補間等、適宜の補正が加味される。
【0060】
次に、ステージST25において、透視像の表示が行なわれる。これによって、画像出力部IMによる透視像の表示またはフィルム撮影等が行なわれる。
透視像は投影データのボケ回復処理により高精細(高分解能)なものとなる。ボケ回復の強度は重み係数(ボケ回復関数)によって調節することができ、それによって任意の精細度(分解能)の透視像を得ることができる。また、投影データのS/Nが良いので品質の良い透視像を得ることができる。
【0061】
上記のようなX線透視装置は、X線CT装置に組み込むこともできる。図10に、X線透視装置を組み込んだX線CT装置のブロック図を示す。
図10において、X線照射器XSとX線検出器DTが支持枠FMによって支持され図1に示したものと同様なX線照射・検出系を構成している。X線検出器DTは複数の検出アレイを有するものである。X線照射器XSとX線検出器DTが取り付けられた支持枠FMはX線CT装置のガントリを構成する。
【0062】
扇状のX線ビームBMの開き角の範囲内に被検体OBが配置される。被検体OBは支持板TB上に載置される。支持板TBは上下方向に移動できるようになっており、これによって被検体OBの上下方向の位置が調節できるようになっている。支持板TBは、また、紙面に垂直な方向(z方向)に進退できるようになっており、それによって被検体OBをX線照射領域に搬入および搬出できるようになっている。
【0063】
X線制御部XC、支持板制御部TCおよびデータ収集部DASは図1に示したものと同様なものである。ただし、支持板制御部TCは支持板TBの上下移動をも制御する。回転制御部RCは支持枠FMの回転を制御するものである。これによって支持枠FMの回転速度、起動および停止等が制御される。
【0064】
コンピュータCOMはX線制御部XC、回転制御部RCおよび支持板制御部TCを管制して所定のシーケンスに基づくスキャンを遂行し、データ収集部DASが収集したデータに基づいて被検体OBの断層像を再構成する。コンピュータCOMは本発明における画像再構成手段の実施の形態の一例である。
【0065】
再構成画像は画像出力部IMを通じて出力される。画像出力部IMは図1に示したものと同様なものである。
コンピュータCOMには図1と同様な表示部DISと操作部OPと接続され、操作者からの各種の指令等をコンピュータCOMに与えることができるようになっている。
【0066】
コンピュータCOMは、また、X線制御部XCおよび支持板制御部TCを管制し、前述と同様な動作により被検体OBの透視像を撮影(スカウトビュー撮影)するようになっている。
【0067】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、課題を解決するための第1の発明によれば、複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するようにしたので、X線ビームのボケを回復して高精細の透視像を得ることができるとともにS/Nを向上させて品質の良い透視像を得ることができるX線撮影方法を実現することができる。また、重み付き加算の重み係数を調節することにより任意の精細度の透視像を得ることができる。
【0068】
また、課題を解決するための第2の発明によれば、複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するようにしたので、X線ビームのボケを回復して高精細の透視像を得ることができるとともにS/Nを向上させて品質の良い透視像を得ることができるX線撮影装置を実現することができる。また、重み付き加算の重み係数を調節することにより任意の精細度の透視像を得ることができる。
【0069】
また、課題を解決するための第3の発明によれば、複数のX線検出素子のアレイの検出信号を重み付き加算した信号に基づいて被検体の透視像を形成するようにしたので、X線ビームのボケを回復して高精細の透視像を得ることができるとともにS/Nを向上させて品質の良い透視像を得ることができるX線CT装置を実現することができる。また、重み付き加算の重み係数を調節することにより任意の精細度の透視像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデータ収集部のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態の一例の装置におけるデータ収集部の動作のタイムチャートである。
【図4】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図5】本発明の実施の形態の一例の装置の動作のフロー図である。
【図6】本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線検出器におけるX線の入射状態を示す図である。
【図7】ボケ回復の原理を説明する図である。
【図8】ボケ回復処理のための重み係数を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態の一例の装置におけるX線ビームの掃引を説明する図である。
【図10】本発明の実施の形態の一例の装置のブロック図である。
【図11】従来のX線照射・検出系の模式図である。
【符号の説明】
XS X線照射器
AP アパーチャ
BM X線ビーム
OB 被検体
TB 支持板
DT X線検出器
DTe1〜DTe4,DTek X線検出素子
XC X線制御部
TC 支持板制御部
DAS データ収集部
COM コンピュータ
IM 画像出力部
DIS 表示部
OP 操作部
INT 積分器
MX マルチプレクサ
ADC アナログ・ディジタル変換器
MEM メモリ
CNT 制御装置
FM 支持枠
RC 回転制御部
Claims (3)
- X線検出素子のアレイを有するX線検出手段と、
前記X線検出手段に前記X線検出素子の配列方向に広がりを有しそれとは垂直な方向に厚みを有するX線ビームを照射するX線照射手段と、
前記X線検出手段の検出信号に基づいて断層画像の再構成を行う画像再構成手段と、
スカウトビュー撮影のために前記X線照射手段のX線ビームをその厚み方向に被検体に関して相対的に掃引する掃引手段と、
前記掃引手段によるX線ビームの掃引時の前記X線検出手段の検出信号に基づいて被検体の透過像を形成する画像形成手段とを有するX線CT装置において、
前記X線検出手段は、X線検出素子のアレイを前記X線ビームの厚みの方向に複数個隣接させて構成し、
前記画像形成手段は、前記X線検出手段における前記X線ビームの厚みの方向における前記複数のX線検出素子の検出信号を、X線ビームのボケを回復する重み係数により重み付き加算した信号に基づいて、被検体の透過像を形成するように構成したことを特徴とするX線CT装置。 - 請求項1に記載のX線CT装置において、
前記掃引手段による掃引時のX線ビームのプロファイルが、前記X線検出素子をX線ビームの厚みの方向に複数個隣接させて構成した前記X線検出手段の全体の幅にわたって広がっていることを特徴とするX線CT装置。 - 請求項2に記載のX線CT装置において、
前記掃引手段による掃引時のX線ビームのプロファイルがボケ関数に相当するとき、前記重み付き加算における重み係数がそのボケを回復するボケ回復関数に基づいて与えられることを特徴とするX線CT装置。
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