JP3672840B2 - 異方導電性組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶デイスプレイ、有機、無機ELデイスプレイ、プラズマデイスプレイ、FEDなどのドライバーICからの入出力電気信号の接続に応用できる異方導電性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまでに、数多くの公知文献があるように(例えば特開平3−29207号等)、異方導電性組成物は、導電粒子を有機バインダーに分散させてなるものであり、公知文献にも記載されているように、目的とする被接続基板あるいは被接続チップ電極と基板上の電極との接続において、先ず異方導電性組成物を向かい合う電極間に挟みこみ(あるいは塗布し)、向かい合う電極同士を位置合わせして、加圧、加熱することで電極間に確率的に挟み込まれる導電粒子を介して上下方向に導通を確保し、隣り合う電極間方向には絶縁を確保する機能を有している。また、有機バインダーは接続される基板あるいはチップを固着する機能も同時に有している。
【0003】
異方導電性組成物に用いられる公知導電粒子としては、ニッケル、はんだ、銅粉、銀粉、銀と銅の複合粉などの金属粉や、金属メッキを施されたプラスチック粒子などがある。
【0004】
また、加圧条件としては、20〜50kgf/cm2(端子上)の荷重、および150℃〜220℃レベルの加圧温度下で圧着される場合が多い。
また、チップ接続の場合には、バンプ電極あたりの荷重が20gf以上のかなり大きな荷重をかけなければならない場合が多く、この接続時には一粒子当たり数gから数十gのかなり大きな範囲で荷重がかかることがあった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
異方導電性組成物として用いられている導電粒子には、最近のファインピッチ接続(すなわち接続面積が小さく、接続に寄与する導電粒子の数が少ない状態)が進む中で、いくつかの問題点があることが顕在化してきた。
【0006】
異方導電性組成物は、接続プロセス上、確率的に導電粒子を電極間に捕捉するために、ファインピッチ接続が進む中では電極間に挟みこまれる導電粒子の数には大きなばらつきが生じること判明してきた。すなわち接続面積が大きい場合には、挟み込まれる導電粒子の数が平均数十個もあるため、個数の変動はかなり少なかったが、ファインピッチの微小面積接続の場合には、粒子捕捉数が1電極で1個や10個と少なくかつばらつきが発生してしまう。
【0007】
そのため、捕捉粒子が少ない電極に同一の荷重がかかると導電粒子が接続過程において破壊してしまい、電極間導通が十分に確保されない問題が発生する。逆に、捕捉粒子数が多い電極に同じ荷重がかかると一粒子あたりにかかる荷重が少なく粒子変形性が悪くなり、接続面積を十分にとることができなくなるなどの問題があった。
【0008】
これらの問題に対して、公知の導電粒子においては、金メッキプラスチック粒子などの粒子数を多くして粒子あたりの荷重を低減させることによって粒子破壊を抑制したり、柔らかいプラスチック粒子を混入させることによって破壊を低減するなどの処置がなされてきた。しかし、粒子数を増加させることによりファインピッチ接続時の隣接電極間の絶縁性を損ねてしまうという問題が起こったり、また、粒子破壊を抑制するまでには至っていない。
また、ニッケル粉などの公知の金属粉末を用いた場合には、加圧時の粒子変形性に乏しく、十分な接続面積が得られないなどの問題があった。また、変形性の高い金属粉末として、共晶はんだ粉末が開示されているが、融点以下の接続温度でも、隣接電極間で融着や燒結が起こって隣接電極間での絶縁短絡を引き起こすという問題があった。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題に取り組んで鋭意検討した結果、異方導電性組成物において、導電粒子として特定の物性を有する金属粒子を採用することにより前記課題が解決されることを見出して本件発明をなすに至った。
【0010】
すなわち、本発明の主な態様は次のとおりである。
(1)平均粒子径1〜11μmの金属粉末と有機バインダーとから主としてなる異方導電性組成物であって、該金属粉末の含有量が体積率で0.1〜30%であり、かつ該金属粉末が下記1)〜4)の要件を満たすことを特徴とする異方導電性組成物。
1)1gf〜3gfの範囲において一定の加重を1粒子にかけた場合の粒子の加圧方向における粒子径の変形量が、粒子径1μm〜11μmの範囲で粒子径に対して極大値を有する。
2)少なくとも粒子径1μm〜11μmの範囲内にある粒子が、粒子径の変形率が55%以下では破壊しない。
3)少なくとも粒子径1μm〜11μmの範囲内にある粒子が、1粒子に3gf加重を加えた場合に10%以上90%未満の粒子径変形率を示す。
4)金属粉末の融点が190℃以上である。
(2)金属粉末がCu,Au,Ag,Snから選ばれた少なくとも1種類以上の成分を有することを特徴とする上記(1)記載の異方導電性組成物。
(3)上記(1)または(2)記載の異方導電性組成物を用いた液晶パネル、無機ELパネル、有機ELパネル、プラズマディスプレイパネルなどの表示パネル。(4)上記(3)記載の表示パネルを用いた携帯電話、テレビ、携帯端末、モニター、コンピューターディスプレイなどの電子機器。
【0011】
以下、本発明について説明する。
本発明の異方導電性組成物の金属粒子は、1粒子に1gfから3gfの範囲の一定荷重を加えた場合の粒子径の変形量が1μm〜11μmの範囲で極大値を有することを特徴とするが、この範囲で極大値を有することで、異方導電性組成物中の導電粒子が低荷重で圧接を受けた場合にも最大の接続面積を与えることができる。
【0012】
つまり、本発明の異方導電性組成物は、平均粒子径1μm〜11μmを特徴とするため、この粒子径の範囲で、想定される低荷重(例えば一粒子に1gf荷重)がかかる場合でも、粒子変形による接続面積が極大を与えることで十分な接続導電性の特性を発揮できるものである。
【0013】
さらに、本発明で用いる金属粉末は、少なくとも粒子径1μm〜11μmの範囲内にある粒子が、粒子径の変形率が55%以下では破壊しないような金属粉末であることが好ましい。
すなわち、異方導電性組成物を加圧、加熱して接続する際に、電極間に確率的に捕捉される導電粒子の数はバラつく。例えば、電極間に1個又は10個とかの接続粒子の端子電極も存在する。そのために、一粒子にかなりの荷重がかかる場合が発生し、公知のプラスチック粒子のように55%の変形性であっても破壊してしまい、接続が十分に取れないことがあるためである。好ましくは、変形率60%以下では破壊しないこと、さらには65%以下では破壊しないことがより好ましい。
【0014】
さらに、本発明で用いる金属粉末は、少なくとも粒子径1μm〜11μmの範囲内にある粒子が1粒子に3gf荷重を加えた場合に10%以上90%未満の変形性を有するような金属粉末であることが好ましい。
すなわち、あまり粒子の変形性が少ないと十分な接続面積が得られず、逆に90%以上の変形性を有すると変形しすぎてしまいバインダーの排除性が悪くなる。
つまり、加圧、加熱過程でバインダーも硬化が進みバインダー粘度が上昇する。このとき、変形性の大きな金属粒子であると高粘度になっているバインダーにより逆に金属粉末の方が変形してしまい、金属粉末によるバインダーの排除性が悪くなるためである。好ましくは、15から85%、さらに好ましくは20から80%である。
【0015】
さらに、本発明で用いる金属粉末は、融点が190℃以上であることが好ましい。190℃未満であると、圧接温度が170℃と融点より低温であっても隣接電極間での粉末同士の燒結や融着が起こり耐絶縁性が悪くなる。このため、190℃以上の融点を有するものが好ましい。しかし、1600℃以上の融点を有するものは必要なく、好ましくは190℃以上1550℃未満であることが好ましい。さらに、融点が200℃以上1400℃未満であることがより好ましい。あまり高い融点を有するタングステンやチタンなどでは金属粉末が硬すぎて変形性が悪く、適度な融点を有するものが好ましい。
【0016】
さらに、本発明で用いる金属粉末は、Cu,Au、Ag、Sn,Niから選ばれた1種類以上の成分を有する金属粉末が好ましい。前記成分の金属粉末であるために、導電性はともかく、適度の粒子変形性を得るための組み合わせが得られ易い。好ましくは、Cu成分を有するものが好ましく、さらに、合金粉がより好ましい。さらには、金属粉末表面に存在する成分がより柔軟であることが好ましい。ただし、すず−鉛のはんだ成分は、融着が起こり好ましくない。
【0017】
金属粉末としては、Au−Cu、Ag−Cu、Sn−An−Cu、Sn−Ag−Au−Cu、Ag−Ni−Cu、Sn−Ni−Cu−Ag、Au−Ni−Sn−Cu、Sn−Cuなどが挙げられるが、本発明の成分を有していれば構造上限定されるものではない。中でも、Ag−Cu、Ag−Ni−Cu、Au−Ni−Cuなどが好ましく、合金あるいはメッキされた構造でも構わない。さらに、本発明で用いる金属粉末の表面、絶縁性の樹脂をサブミクロンコートして隣接電極間の耐絶縁性を確保することもできる。このときの厚みは平均して0.8ミクロン以内であることが好ましい。
【0018】
さらに、本発明で用いる金属粉末は、加圧条件で必要以上のクリープが起こらず、十分な接続面積が得られるものである。すなわち、ACF接続時の加圧時間は通常数秒から15秒程度であるが、この時間内で電極との十分な接続面積が得られることが重要である。変形が容易すぎると(柔らかすぎると)電極間に挟み込まれる過程での硬化途中の高粘度化したバインダーにより変形してしまい、バインダーの粒子による排除性が悪くなるばかりか、電極への粒子の直接的な接触が起こりにくく導通が不足になるためである。
【0019】
本発明の異方導電性組成物は、金属粉末と有機バインダーを含有するが、金属粉末は有機バインダーに対して、体積率として0.1%から30%程度が好ましい。30%を超える場合には、隣接電極間の絶縁性が悪くなることは言うまでもなく、好ましくは、0.5%から25%、さらに好ましくは、0.6から20%である。また、金属粉末とともに金属を表面にメッキしたプラスチック粒子を混合して用いることもできる。
【0020】
本発明で用いる金属粉末の作成法としては、溶融法、金属塩還元法、蒸着法、CVD法、メッキ法などを単独あるいは複合して用いることが可能である。特に、粒子径の分布としては、粒子径数ミクロンから20ミクロン以内に90%以上含有する金属粉末が好ましい。
【0021】
このとき、粒子形状は、真球状、略球状、変形粉のいずれも採用することができるが、真球状よりもやや変形したものが好ましく、粉末表面にサブミクロンレベルのややでこぼこがある粉末が好ましい。また、特に分散性に優れるものがよい。異方導電性組成物として混合前に、分散効果を上げるためにカップリング剤により表面処理することもできる。このときのカップリング剤としては、チタンカップリング剤、シランカップリング剤等公知のカップリング剤を用いることが可能である。
【0022】
本発明で用いる金属粉末の平均粒子径の測定には気流式粒度分布測定装置(Heros&Rodos)を用い、体積積算50%相当の粒子径を平均径とした。
金属粒子の変形性は、島津製作所製の微小硬度測定装置によりガラスプレパラート上の被測定粒子に50ミクロン角の圧子により一定荷重で加圧していった場合の粒子径の変形量と荷重との関係より求めた。
例えば、3gf荷重を一粒子に加えて15秒後の変形量を読み取り、変形量を元の粒子径で割った値を変形率とした。変形率は3gf荷重で10%以上が好ましく、90%未満が良い。さらに好ましくは15%以上で85%未満である。90%以上の変形率の場合には、低荷重の圧接においても粒子が変形してしまい、圧接プロセスにおける電極間でのバインダーの排除性が悪く、導通性能が悪くなる。また10%未満であると、導電粒子と電極とが点接触になりやすく、十分な導通性が得られない。
【0023】
3gfの一定荷重を一粒子に加えた場合の、粒子径と変形量との関係をプロットしてこの粒子径範囲で極大値が得られることを確認した。この範囲で粒子の変形量の極大値が得られることで、接続面積の極大値を得ることが可能である。
【0024】
粒子の破壊性については、同じ圧縮変位測定法で検査することができるが、55%未満における粒子径の変形量で破壊が起こることがない粒子が好ましい。破壊が起こることで、電極同士が直接接触する効果を期待することもできるが、やはり十分な信頼性を得るまでには至らない。すなわち、電極同士の接触が必ずしも面接触で起こることはなく、点接触での接続もあるため十分な信頼性が得られないものである。粒子の圧縮時の破壊についての可否は、同じ圧縮試験機を用いて、粒子径の55%までの圧縮方向の変位における荷重と変位が非連続的に極端に荷重に対して変位するときと、ガラスプレパラート上の粒子の破壊の有無を画像より読み取り、破壊の有無を判定した。
【0025】
本発明の異方導電性組成物は、有機バインダーを含有しているが、有機バインダーは、加工条件(例えば、熱、光、電子線)で十分な硬化特性を有していて、また、接着力を有しているものであればその種類をとくに限定されるものではない。
有機バインダーとしては、熱硬化性、熱可塑性、電子線硬化性、光硬化性の有機バインダーを用いることができるが、特にパネルの信頼性の点から熱硬化性樹脂が好ましい。
【0026】
熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂を含むものがより好ましい。エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA、F、ノボラック型、脂環式、ナフタレン型、ビフェニル型などが挙げられる。硬化方法としては、潜在性硬化剤、例えばマイクロカプセル型、酸無水物、アミン系のものなど公知の硬化剤を用いることができ、特に限定されるものではない。また、熱可塑性樹脂としては、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、フェノキシ樹脂など公知の材料などを用いることができる。
【0027】
本願明細書で用いる「有機バインダー」という用語は、金属粒子以外の異方導電性組成物に含まれる有機成分の全てを意味するものであり、当然、硬化剤、カップリング剤及び熱可塑性樹脂の全てを含めたものを意味する。
【0028】
本発明の異方導電性組成物は、液晶パネル、ELデイスプレイ、プラズマデイスプレイなどに用いられて特に効果を発揮するものである。すなわち、プラズマデイスプレイのような大面積を有するものに接続する場合には、当然のことながら加圧荷重のばらつきがおこり、粒子への荷重が著しく異なる。また、ELパネルなどへの接続には、大電流特性、耐電圧特性が要求されるために、導電粒子が金属粉末であるのみならず、変形性に優れることが要求される。更に、液晶パネルにおいては、ファインピッチ接続性が求められているために、少数の導電粒子で接続がとれることが好ましく、そのため、導電粒子の破壊等がないことが好ましい。本発明の異方導電性組成物は上記の各用途に要求される性質を満足する特性を備えているため、これらの用途において優れた効果を発揮する。
【0029】
また、本発明の異方導電性組成物は、液状でもフィルム状でも用いることができるが、液状の場合には必要に応じて、希釈溶剤や反応性希釈剤で粘度調整して用いることができる。また、フィルム状の場合には、ベースフィルム(例えばPET、テフロン)上に異方導電性組成物を数ミクロンから数十ミクロンの厚さで塗工、乾燥してフィルム状にすることができる。
塗工方法としては、ダイコーター、ブレードコート等の公知の方法を用いることができる。
【0030】
本発明の異方導電性組成物を前述の用途に用いることで、加圧時にガラスパネル割れが起こるようなことがなく、かつ端子や電極数が数百本と多い高精細パネル、チップの基板接続への安定した接続が確保できる。すなわち、本発明の異方導電性組成物は、低荷重で接続でき、また捕捉粒子数が少ない場合でも、荷重に対して粒子が適度に変形性がよく、かつ導電性に優れるため、接続マージンが広い。また、本発明の異方導電性組成物は、数万枚以上の量産過程での接続安定性を十分確保できる等の生産性の歩留まり向上に絶大なる効果を発揮するものである。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施例及び比較例で使用した金属粉末は下記表1に示したとおりである。
本発明の実施例で使用した金属粉末は、アトマイズ法、メッキ法、化学還元法を用いて作成した。
【0032】
【表1】
Figure 0003672840
組成比
A,E:Cu-Ag(20wt%),B:Cu-Ni(1wt%)-Au(20wt%),
C:Cu-Ni(1wt%)-Ag(20wt%)
製造法
A〜E、H:アトマイズ法、 F:メッキ法、 G:化学還元法
【0033】
金属粉末の物性値等は次のようにして測定した。
(1)平均粒子径
各金属粉末の平均粒子径は、気流式粒度分布測定機(Heros&Rodes)を用い、体積積算50%値に相当する粒子径を平均粒子径とした。
【0034】
(2)粒子の変形性・破壊性試験
粒子をガラスプレパラート上に分散し、過剰の金属粉末をブラシでとばした後に、孤立粒子を顕微鏡で探し出して50ミクロン圧子で所定の荷重(1gf,3gf)で金属粉末圧縮変位を測定した。当然のことながら、圧子が金属粉末に接触して加圧を始める時からの変形量を測定した。このときの測定温度は、20℃から27℃の範囲でコントロールした。
変形前の金属粉末の粒子径は、変形前の粒子の縦横を測定してその平均値を変形前粒子径とした。また、変形量は当然圧縮方向の変形量とした。
【0035】
圧縮時の金属粉末の破壊については、圧子の変動からガラスプレパラート上の圧縮後の金属粉末の画像により0.2ミクロン以上の分裂粉が検知できる場合、および金属粉末の周囲に破壊による分裂亀裂が観測される場合を分裂があったと判断した。あるいは、破壊の有無については、ある荷重で変形量が大きく横滑りする状態(すなわち、荷重変位に対する粒子径の圧縮変形量が0.1変動で0.5ミクロンm以上の変動が観測される場合でも破壊ありとした。
【0036】
このときの荷重と変位との試験は、圧縮開始から終了までが30秒以内で済むようにセットした。すなわち、1分以上荷重をかけてしまうことがないように調整した。
さらに、変形率については、一定荷重をかけたあとの圧縮方向の変位量を変形前の粉末の縦横の粒子径を画面より読みとった平均の粒子径で割った値を変形率とした。
粉末の変形性の極大値については、1μm〜11μmまでの粉末について、1gf荷重を加えた時の変形量をプロットすることから極大値を求めた。
【0037】
(3)金属粉末の融点
金属粉末の融点は、金属粉末を所定量採取して、通常の融点測定法より求めた。測定方法は、金属粉末を熱電対付加熱炉で室温から昇温していった時の潜熱により温度上昇が不連続にあまりおこらなくなる温度から読み取った。
【0038】
【実施例】
実施例及び比較例の異方性導電組成物は次のような作製方法によって得た。
<異方性導電組成物の作製方法>
以下の表2で示したような配合割合で、金属粉末と有機バインダー(金属粉末以外の有機物例えば、硬化剤、樹脂、カップリング剤を含む)と少量の溶剤(有機バインダーではない)とを、必要に応じて潜在性硬化剤および希釈溶剤を追加して混合攪拌して、実施例1〜5及び比較例1〜4の均一な組成物を得た。
有機バインンダーについては、乾燥温度70℃で5分行ったときの不揮発分を有機バインダーの配合量とした。すなわち希釈溶剤等は有機バインダーとしての数量には含まれない。また反応性希釈剤は有機バインダーとして機能するために有機バインダーの数量としてカウントした。
得られた混合物を、ダイコーターを用いて、室温でベースフィルム上に十数μから50μの範囲で均一に塗布した。
【0039】
【表2】
Figure 0003672840
【0040】
上記のようにして得た各異方導電性組成物を次のような圧着接続条件を採用して評価用サンプルを作製した。
<圧着接続条件>
異方導電性組成物を、TCP基板(50ミクロンピッチ)とITO付きガラスパネルとの接続及びダミーICチップと銅配線付きFPCとの接続に用いて、その特性を評価した。
圧着接続条件は、FPCとITO付きガラス基板との接続においては、180℃・10秒・30kg/cm2とし、また、ダミーICチップ(バンプ接続面積1200ミクロンm2)と銅配線付きFPCとの接続においては、200℃・5秒・50gf/バンプとした。
【0041】
上記のようにして得たサンプルについて、その特性を次のような評価方法によって評価した。評価結果を表3に示す。
【0042】
<異方導電性組成物の評価方法>
接続の良否は、接続抵抗ばらつき、隣接電極間の絶縁性、生産性の観点から評価し、それぞれ次のような評価手法を採用した。
接続抵抗及びそのばらつき
ガラスパネル接続抵抗およびICチップ接続抵抗において、それぞれ0.8Ω以下、100mΩ以下になる場合を「良好」とした。また、抵抗がそれより大きい場合を「抵抗大」とし、さらに抵抗のばらつきとして、平均接続抵抗の3倍以上の抵抗端子がある場合をばらつき「あり」とし、それ以下を「なし」とした。
絶縁破壊
隣接電極間に100V印加して60℃90%で100時間経過した後の絶縁抵抗が106Ω以下である場合を絶縁破壊ありで「悪」とし、それ以上を「良好」とした。
生産性
生産性については、1000枚接続したときの、接続抵抗ばらつきが1%以内であるときを「良好」とし、ばらつきが1%を超える場合を「悪」とした。
【0043】
【表3】
Figure 0003672840
【0044】
表3に示した結果によれば、本発明の異方導電性組成物を使用して電気的接続を行った場合には、接続抵抗性、そのばらつき性、耐絶縁破壊性及び生産性において優れた接続が得られることがわかる。
【発明の効果】
本発明の異方導電性組成物を用いることにより、次のような効果が奏せられる。
(1)異方導電性組成物の導電粒子として用いられる最適粒子範囲での金属粉末が一定荷重のもとで粒子径の圧縮変形性が極大値を与えるため(すなわち接触面積を極大に得られる)、優れた導通特性を確保できる。
(2)導電粒子の変形率においても最大荷重がかかっても破壊がなく十分な接続面積が得られるために、加圧力マージンが広く、端子上に接続される粒子が少数であっても加圧による粒子破壊がなく安定した導通性が得られる。
(3)金属粉末の融点が190℃以上であることから、隣接電極間での粒子の燒結等による絶縁性破壊が起こらない、そのためファインピッチでの接続が可能である。
(4)異方導電性組成物を用いた接続時に、一粒子にかかる荷重が3〜5gf程度の生産的上起こりうる荷重に対して、変形率が少なすぎずかつ大きすぎないため粒子による接続面積の最適化が得られる。

Claims (4)

  1. 平均粒子径1〜11μmの金属粉末と有機バインダーとから主としてなる異方導電性組成物であって、該金属粉末の含有量が有機バインダーに対して体積率で0.1〜30%であり、かつ該金属粉末が下記(1)〜(4)の要件を満たすことを特徴とする異方導電性組成物。
    (1)1gf〜3gfの範囲において一定荷重を1粒子にかけた場合の粒子の加圧方向における粒子径の変形量が、粒子径1μm〜11μmの範囲で粒子径に対して極大値を有する。
    (2)少なくとも粒子径1μm〜11μmの範囲内にある粒子が、粒子径の変形率が55%以下では破壊しない。
    (3)少なくとも粒子径1μm〜11μmの範囲内にある粒子が、1粒子に3gf荷重を加えた場合に10%以上90%未満の粒子径変形率を示す。
    (4)金属粉末の融点が190℃以上である。
  2. 金属粉末がCu,Au,Ag,Snから選ばれた少なくとも1種以上の成分を有することを特徴とする請求項1記載の異方導電性組成物。
  3. 請求項1または2記載の異方導電性組成物を用いた表示パネル。
  4. 請求項3記載の表示パネルを有する電子機器。
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