JP3672430B2 - クリームはんだの評価装置、及び評価方法 - Google Patents

クリームはんだの評価装置、及び評価方法 Download PDF

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価装置、及び評価方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
クリームはんだは、球状あるいは真球状のはんだ粒子と粘ちょう流体であるフラックスとを混合したペーストであり、電子部品(例えば、半導体素子)を電子回路基板に実装する表面実装技術やフリップチップボンディング技術に使用されている。具体的に言えば、クリームはんだは、それらの実装技術において、電子回路基板の導電性パターン上に供給され、当該導電性パターンと電子部品とを接続、固定している。クリームはんだの導電性パターン上への供給は、稀にシリンジを用いたディスペンサ(塗布機)によって行われることがあるが、メタルマスクを装着した印刷機によって行われることが一般的である。このような印刷機によるクリームはんだの供給のプロセスは、周知のように、まずメタルマスクに設けられた開口部を導電性パターンの所定の位置、すなわち電子部品を実装する位置と一致して電子回路基板上にメタルマスクを配置する。次に、所定量のクリームはんだを開口部に供給して、スキージプレートを用いて開口部から溢れた余分なクリームはんだを取り除きつつ、開口部内にクリームはんだを充填する。その後、メタルマスクだけを上方に持ち上げ開口部内に充填したクリームはんだを残すことにより、導電性パターン上へのクリームはんだの供給を終了する。
【0003】
上述のクリームはんだは、粘着付与剤、活性剤、チキソ剤、及び溶剤を含んだフラックスに直径10〜50μm程度のはんだ粒子を混入することにより、構成されている。フラックスの各成分は、ロジン、ロジンエステル、グリセリン、あるいはレジンなどを含有している。なお、導電性パターンは、合成樹脂からなる電子回路基板上に印刷された金属箔(例えば、銅箔)、及び金属箔を被覆してその酸化を防止するための酸化膜により構成されている。
クリームはんだの開発(組成の決定)では、使用する印刷機やその印刷機によって供給される電子回路基板の導電性パターンに応じて、導電性パターンの酸化膜を化学反応によって除去する程度を示す活性度、上記金属箔との接続状態を示す濡れ性、及び高温高湿雰囲気下における金属箔の腐食の程度を示す信頼性等のはんだ付けに必要な特性を向上することが要求された。
さらに、クリームはんだの開発において、その印刷特性の向上、具体的にはメタルマスクを上方に持ち上げる、いわゆる版抜け動作を行った後での印刷だれ、かすれ、及び印刷にじみの発生を防止することが、強く要求されてきている。その理由は、近年、電子回路基板上での電子部品の著しい高密度化、さらに電子部品の電極及び上記導電性パターンのリードピッチ(配線間隔)での急速なファイン化(微細化)に伴って、クリームはんだの印刷特性の良否が電子部品を実装した電子回路基板の品質に直接的に影響することが多いからである。
【0004】
従来のクリームはんだの印刷特性の評価は、実際のメタルマスクを用いた下記の(1)、または(2)に示す方法により行われていた。
(1) 手作業による簡易的な試験印刷
(2) 印刷機を流用しての試験印刷
上記(1)に示した従来のクリームはんだの評価方法では、評価対象のクリームはんだをメタルマスクを用いて電子回路基板上に供給し、実験者の手で版抜け動作を行い電子回路基板上に残ったクリームはんだの形状に基づいて、印刷特性を評価していた。
また、上記(2)に示した従来のクリームはんだの評価方法では、印刷機にメタルマスクを装着し、当該印刷機により評価対象のクリームはんだを電子回路基板上に供給した後、(1)に示した方法と同様に、電子回路基板上に残ったクリームはんだの形状に基づいて、印刷特性を評価していた。
また、従来のクリームはんだの評価方法には、クリームはんだの粘度を既知の粘度計を用いて測定し、使用する印刷機のメタルマスクとの適合性を検証することも知られている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような従来のクリームはんだの評価方法では、手作業、または印刷機を流用しての試験印刷を行うことにより、クリームはんだの印刷特性を評価していた。このため、従来のクリームはんだの評価方法では、それぞれ下記に示す問題点を有していた。つまり、手作業による従来の評価方法では、クリームはんだの組成やメタルマスクの材質を変更したときでの大まかな比較評価を容易に行うことができた。しかしながら、この従来の評価方法では、メタルマスクを手で持ち上げるときの版抜け速度、ストローク等の試験(印刷)条件を実際の印刷機のものに合わせることが困難であり、その評価結果の精度は不十分なものであった。さらに、同一の試験条件による試験印刷の再現性もよくなかった。
一方、印刷機を流用した従来の評価方法では、一の試験条件で繰り返し、再現性よく試験印刷を行うことは可能であった。しかしながら、この従来の印刷方法では、印刷機を流用しているため、電子部品を実装する作業を中断して印刷機を確保する必要があった。このため、電子部品を電子回路基板に実装する製造工程が停止し、電子部品を実装した電子回路基板の製造効率の低下を招いた。また、印刷機では、その機種によってメタルマスクの保持方法、加圧方法、版抜け速度、ストローク等が異なり、所望の試験条件に設定、調整するための設定作業や調整作業などの付帯的な作業に要する時間が長くなった。詳細に言えば、例えば確保した印刷機に取り付け可能とするために、評価したい材質のメタルマスクの形状を加工する加工作業が必要であった。また、印刷機によっては、試験条件が限定され、試験印刷を実施できない恐れもあった。
さらに、従来のクリームはんだの評価方法では、版抜け時でのクリームはんだの挙動を観察することはできなかった。このため、従来のクリームはんだの評価方法では、印刷条件やメタルマスクの材質等を変更したときのクリームはんだの印刷特性に及ぼす影響を確実に把握することが困難であった。
【0006】
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、特性、特に印刷特性を容易、かつ再現性よく評価することができ、版抜け時でのクリームはんだの挙動を確認することも可能であるクリームはんだの評価装置、及び評価方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の第1の観点によるクリームはんだの評価装置は、クリームはんだを充填するための開口部を有し、取り外し可能な基板上に前記クリームはんだを供給する評価枠、
前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる駆動機構、及び
前記評価枠と駆動機構との間に設けられ、評価枠を引き上げるときに発生する荷重を検出する荷重検出センサ、を具備し、
前記評価枠の前記開口部が上下に貫通して構成され、前記評価枠の側面外観が矩形上の枠体で構成され、前記枠体の一辺が透明な部材により形成されて前記開口部内に充填されたクリームはんだの挙動を視認できるよう構成されている。このように構成することにより、クリームはんだの評価試験を容易、かつ再現性よく行え、クリームはんだの特性を評価することができる。また、このように構成することにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【0008】
本発明の第2の観点によるクリームはんだの評価装置は、クリームはんだを充填するための開口部を有し、取り外し可能な基板上に前記クリームはんだを供給する評価枠、
前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる駆動機構、及び
前記基板上に供給されたクリームはんだの表面及び側面の形状を検知する検知機構、を具備し、
前記評価枠の前記開口部が上下に貫通して構成され、前記評価枠の側面外観が矩形上の枠体で構成され、前記枠体の一辺が透明な部材により形成されて前記開口部内に充填されたクリームはんだの挙動を視認できるよう構成されている。このように構成することにより、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。また、このように構成することにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【0009】
本発明の第3の観点によるクリームはんだの評価装置は、クリームはんだを充填するための開口部を有し、取り外し可能な基板上に前記クリームはんだを供給する評価枠、
前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる駆動機構、
前記評価枠と駆動機構との間に設けられ、評価枠を引き上げるときに発生する荷重を検出する荷重検出センサ、及び
前記基板上に供給されたクリームはんだの表面及び側面の形状を検知する検知機構、を具備し、
前記評価枠の前記開口部が上下に貫通して構成され、前記評価枠の側面外観が矩形上の枠体で構成され、前記枠体の一辺が透明な部材により形成されて前記開口部内に充填されたクリームはんだの挙動を視認できるよう構成されている。このように構成することにより、クリームはんだの評価試験を容易、かつ再現性よく行え、クリームはんだの特性を評価することができる。さらに、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。また、このように構成することにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【0011】
別の観点による発明のクリームはんだの評価装置は、前記評価枠を上方に持ち上げるときの移動距離を設定できるよう構成した。
このように構成することにより、クリームはんだの評価試験を容易、かつ再現性よく行え、クリームはんだの特性を評価することができる。
【0012】
別の観点による発明のクリームはんだの評価装置は、前記評価枠を上方に持ち上げるときの加速度を設定できるよう構成した。
このように構成することにより、クリームはんだの評価試験を容易、かつ再現性よく行え、クリームはんだの特性を評価することができる。
【0013】
別の観点による発明のクリームはんだの評価装置は、前記検知機構が、クリームはんだの表面を撮影する画像センサを備えた。
このように構成することにより、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。
【0014】
別の観点による発明のクリームはんだの評価装置は、前記検知機構が、クリームはんだの表面にレーザ光を照射してその反射光を検知して形状を測定するレーザ方式の形状測定装置を備えた。
このように構成することにより、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。
【0015】
本発明のクリームはんだの評価方法は、前述の第1の観点によるクリームはんだの評価装置を用いて、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価方法であって、
開口部を設けた評価枠を導電性パターンを有する基板上におく工程、
評価対象のクリームはんだを前記開口部内に充填して、前記基板上に供給する工程、
駆動機構によって前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる工程、
前記持ち上げる工程において、駆動機構に加わる荷重を検出する工程、及び
前記持ち上げる工程において、前記評価枠に設けた透明な部材を通して、前記クリームはんだの挙動を観察する工程、を備えている。このように構成することにより、クリームはんだの評価試験を容易、かつ再現性よく行え、クリームはんだの特性を評価することができる。また、このように構成することにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【0016】
別の観点による発明のクリームはんだの評価方法は、前述の第2の観点によるクリームはんだの評価装置を用いて、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価方法であって、
開口部を設けた評価枠を導電性パターンを有する基板上におく工程、
評価対象のクリームはんだを前記開口部内に充填して、基板上に供給する工程、
駆動機構によって前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる工程、
前記基板上に供給したクリームはんだの表面及び側面を検知する工程、及び
前記持ち上げる工程において、前記評価枠に設けた透明な部材を通して、前記クリームはんだの挙動を観察する工程、を備えている。このように構成することにより、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。また、このように構成することにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【0017】
別の観点による発明のクリームはんだの評価方法は、前述の第3の観点によるクリームはんだの評価装置を用いて、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価方法であって、
開口部を設けた評価枠を導電性パターンを有する基板上におく工程、
評価対象のクリームはんだを前記開口部内に充填して、基板上に供給する工程、
駆動機構によって前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる工程、
前記持ち上げる工程において、駆動機構に加わる荷重を検出する工程、
前記基板上に供給したクリームはんだの表面及び側面を検知する工程、及び
前記持ち上げる工程において、前記評価枠に設けた透明な部材を通して、前記クリームはんだの挙動を観察する工程、を備えている。このように構成することにより、クリームはんだの評価試験を容易、かつ再現性よく行え、クリームはんだの特性を評価することができる。さらに、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。また、このように構成することにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明のクリームはんだの評価装置、及び評価方法を示す好ましい実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
《第1の実施例》
《構成》
図1は、本発明の第1の実施例であるクリームはんだの評価装置の構成を示す斜視図である。
図1において、クリームはんだの評価装置10は、操作パネル面1aと前記操作パネル面1aに垂直に設けられ、試料台2を設置した設置面1bとを有する装置本体1、及び評価試験に使用する基板3を前記試料台2に固定するための固定つめ4a,4bを具備している。さらに、評価装置10は、実際の印刷機での版抜け動作(クリームはんだを電子回路基板上に供給するために、メタルマスクを上方に持ち上げる動作)をシミュレート(模擬)するための構成部材を備えている。具体的に言えば、上述の構成部材は、評価対象のクリームはんだ5を充填するための開口部6aを有し、充填したクリームはんだ5を基板3上に供給する評価枠6、及び上記操作パネル面1aに取り付けらたレール部材7aに沿って、上下方向(図の矢印”V”にて図示)に駆動する駆動機構7である。つまり、評価枠6、及び駆動機構7は、印刷機のメタルマスク、及びその駆動部に相当するものである。評価装置10では、駆動機構7により評価枠6を持ち上げる速度、及びストローク(移動距離)を設定することにより、印刷機での版抜け動作を再現する。また、評価枠6と駆動機構7との間には、一端部分が接続治具8を介して評価枠6に装着され、他端部分が駆動機構7の凹部7b内に配置、装着された荷重検出センサ9が設けられている。この荷重検出センサ9は、上記版抜け動作を再現した評価試験を実施したとき、駆動機構7に加わる荷重を検出するものである。この荷重検出センサ9は、クリームはんだ5と開口部6aの表面との動摩擦により発生する荷重の変化を検出することができる。
【0021】
装置本体1は、金属製の筐体であり、クリームはんだ5の評価試験を卓上で行えるようコンパクトに構成されている。具体的には、装置本体1の幅、奥行き、及び高さの最大寸法は、例えばそれぞれ500mm、450mm、及び600mmである。装置本体1の内部には、当該評価装置10の各構成部材を駆動、制御するための電源回路、駆動回路、及び制御回路等が収納されている(図示せず)。また、装置本体1の内部には、試験条件及び試験結果のデータを保持して演算するためのマイクロコンピュータ(図示せず)もまた配置されている。
操作パネル面1aには、キー入力機器により構成され、評価試験での試験条件を設定する設定部1c、発光ダイオードまたは類似の発光素子により構成され、試験結果を表示する表示部1d、駆動機構7を上下方向に動作するための昇降スイッチ1e、及び当該評価装置10の電源スイッチ1fが設けられている。また、設置面1bの側面には、外部の計算機あるいはデータ記憶装置等に接続され、試験条件及び試験結果のデータ等を入出力するための入出力ポート1gが設けられている。尚、評価試験を行うとき、駆動機構7により評価枠6を上方に持ち上げる速度、及びストロークが、上述の試験条件として設定部1c、または入出力ポート1gから入力、設定される。
【0022】
試料台2は、金属板(例えば、ステンレス板)により構成され、図示しないネジ部材により設置面1bに固定されている。また、試料台2の表面には、固定つめ4a,4bの一端部分が溶接によって固着されている。クリームはんだ5の評価試験を行う場合、図に示すように、上記表面と固定つめ4a,4bの他端部分との隙間に基板3が挿入され、安定的に固定される。尚、この試料台2の下に位置する装置本体1の内部にヒータ部材を設けて、基板3及びクリームはんだ5を加熱する構成としてもよい。
基板3は、電子部品をクリームはんだ5により実装する電子回路基板と同様な材料により構成されたものである。基板3上のクリームはんだ5が供給されるべき表面上には、例えば銅箔とその銅箔の上面を覆う酸化膜からなる導電性パターン(図示せず)が既知の印刷方法により設けられている。基板3は、試料台2から取り外し可能に構成されている。従って、クリームはんだ5の評価試験を行うとき、基板3及び導電性パターンの材質や寸法を変更して、多くの種類の基板3や導電性パターンに対するクリームはんだ5の濡れ性、活性度、信頼性等のはんだ付けに必要な特性及び印刷特性を評価することができる。
【0023】
評価枠6は、例えば高さ寸法が2〜5mm、一辺の寸法が10mm〜20mm程度の矩形状の枠体であり、例えばステンレス材である金属部材、またはガラスにより構成されている。評価枠6の内部に設けられた開口部6aは、例えば一辺の寸法が8mm〜19.5mm程度に構成され、所定量のクリームはんだ5を充填して基板3上に供給することができる。このような評価枠6の材質や開口部6aの表面の面粗度(表面仕上げ状態)を変更することにより、多くの種類のメタルマスク(評価枠6)やその表面の面粗度に対するクリームはんだ5の印刷特性を容易に評価することができる。尚、評価枠6の外側表面には、金属部材からなる接続治具8がネジ部材(図示せず)によって取り付けられ、駆動機構7により上方に持ち上げられる。これにより、上述の版抜け動作を再現したクリームはんだ5の評価試験を行うことができる。
駆動機構7は、既知のモータ部材等を内蔵し、上記評価試験を行うとき例えば設定部1cによって設定された速度、及びストロークで荷重検出センサ9と当該荷重検出センサ9に接続された接続治具8及び評価枠6を上方に持ち上げる。本実施例の評価装置10では、機械的な駆動機構7により評価枠6を上方に持ち上げるので、評価試験を再現性よく、容易に行うことができる。
荷重検出センサ9は、例えば共和電業社製、タイプPS−2KBにより構成されている。荷重検出センサ9により検出された荷重の値は、表示部1dに表示、あるいは入出力ポート1gを経て外部機器にデータ送信される。
【0024】
《動作》
以下、本実施例のクリームはんだの評価装置10の動作について、図1、図2の(a)、図2の(b)、及び図2の(c)を参照して説明する。
図2の(a)は図1に示したクリームはんだの評価装置においてクリームはんだを評価枠の開口部に供給した後の状態を示す説明図であり、図2の(b)は図1に示したクリームはんだの評価装置において余分なクリームはんだをスキージプレートを用いて取り除く動作を示す説明図である。図2の(c)は、図1に示したクリームはんだの評価装置においてクリームはんだを評価枠の開口部内に充填した後の状態を示す説明図である。
図2の(a)に示すように、まず評価枠6を基板3上の所定の位置に配置した後、評価対象のクリームはんだ5を図示しない供給部材(例えば、シリンジ)を用いて評価枠6の開口部6aに供給する。このとき、同図に示すように、開口部6aの容積以上の量のクリームはんだ5を供給する。続いて、図2の(b)に示すように、スキージプレート11を用いて評価枠6の上面以上に盛り上がったクリームはんだ5の部分をかきおとし、図2の(c)に示すように、開口部6a内にクリームはんだ5を充填する。
続いて、図1に示すように、基板3を固定つめ4a,4bによって試料台2に固定し、接続治具8と評価枠6とを接続する。以上の作業により、評価試験の準備は終了する。
次に、例えば設定部1cを用いて、評価枠6を引き上げる速度、及びストロークを試験条件として入力、設定した後、昇降スイッチ1eを作動して駆動機構7を上方に駆動する。このことにより、評価枠6は垂直方向に引き上げられ、クリームはんだ5は評価枠6の開口部6aにほぼ一致した形状で基板3上に残って印刷される。そして、基板3上に残ったクリームはんだ5の形状を視認して、印刷だれ、かすれ、及び印刷にじみの発生の有無を調べることにより、クリームはんだ5の印刷特性を評価することができる。また、この引き上げ動作時に、駆動機構7に加わる荷重が荷重検出センサ9により検出され、検出した荷重の値が表示部1dに表示される。
【0025】
ここで、図3の(a)から図3の(d)を参照して、本実施例の評価装置10による評価試験の結果について具体的に説明する。
図3の(a)は図1に示した評価装置により得られた開口部の表面の面粗度と荷重検出センサにより検出された荷重の値との関係の一例を示すグラフであり、図3の(b)は図1に示した評価装置により得られた開口部の表面の面粗度とクリームはんだの印刷厚みのバラツキとの関係の一例を示すグラフである。図3の(c)は図1に示した評価装置により得られたクリームはんだのレジンの配合量と荷重検出センサにより検出された荷重の値との関係の一例を示すグラフであり、図3の(d)は図1に示した評価装置により得られたクリームはんだのレジンの配合量とクリームはんだの印刷厚みのバラツキとの関係の一例を示すグラフである。尚、図3の(a)乃至図3の(d)において、クリームはんだ5(図1)に含まれるはんだ粒子の粒径、及び駆動機構7(図1)による評価枠6(図1)を持ち上げる速度、及びストロークは同一の値として評価試験を実施した。図3の(c)、及び図3の(d)において、クリームはんだ5にフラックスとして含まれるレジンの配合量を変更してその評価試験を実施した。また、図3の(a)、及び図3の(c)に示す荷重の値は、荷重検出センサ9(図1)に検出され、表示部1d(図1)に表示された値である。また、図3の(b)、及び図3の(d)に示す印刷厚みのバラツキは、基板3(図1)上に印刷されたクリームはんだ5の厚み寸法(基板3の表面からの高さ寸法)の最大値と最小値との差の値であり、図4の”T”により示す寸法を既知の測定器により実測した値である。
【0026】
図3の(a)に示すように、開口部6a(図1)の表面の面粗度を大きくしたとき、荷重検出センサ9により検出した荷重の値もまた大きくなった。同様に、図3の(b)に示すように、開口部6aの表面の面粗度を大きくしたとき、クリームはんだ5の印刷厚みのバラツキも大きくなった。このように、開口部6aの表面の面粗度(メタルマスクの開口部表面の仕上げ状態)を変更したとき、上記荷重の値、及び印刷厚みのバラツキも変化した。これらの荷重の値、及び印刷厚みのバラツキには、相関関係を見い出すことができたので、荷重を測定することにより、クリームはんだ5の印刷特性を推定することが可能であった。
図3の(c)に示すように、クリームはんだ5のレジンの配合量を大きくしたとき、荷重検出センサ9により検出した荷重の値もまた大きくなった。同様に、図3の(d)に示すように、クリームはんだ5のレジンの配合量を大きくしたとき、クリームはんだ5の印刷厚みのバラツキも大きくなった。このように、クリームはんだ5の組成を変更したとき、上記荷重の値、及び印刷厚みのバラツキも変化した。これらの荷重の値、及び印刷厚みのバラツキには、相関関係を見い出すことができたので、荷重を測定することにより、クリームはんだ5の印刷特性を推定して、その組成を最適なものとすることが可能であった。
【0027】
さらに、基板3の導電性パターンとクリームはんだ5との接合部分を視認することにより、活性度や濡れ性を確認することができる。また、当該評価試験により印刷したクリームはんだ5と基板3とを評価装置10から取り外して、高温高湿雰囲気下に所定の時間の間、基板3及びクリームはんだ5を放置することにより、クリームはんだ5の信頼性を検証することができる。また、基板3及び導電性パターンの材質を適宜変更することにより、見いだした組成を有するクリームはんだ5の基板3及び導電性パターンとの適合性、すなわち活性度、濡れ性、さらには信頼性を検証することができる。
【0028】
以上のように、本実施例のクリームはんだの評価装置10では、クリームはんだ5を充填できる評価枠6、その評価枠6を任意の速度で上方に持ち上げる駆動機構7、及び評価枠6を持ち上げるさいに発生する荷重を検出できる荷重検出センサ9を備えている。このことにより、本実施例の評価装置10では、容易、かつ再現性よくクリームはんだ5の特性を評価することができる。その結果、クリームはんだ5の開発にあたって、印刷厚みのバラツキを最適化できる開口部6aの表面の面粗度(メタルマスクの開口部の表面の仕上げ状態)、及びクリームはんだ5の組成を見い出すことができ、使用される印刷機やその印刷機によって供給される電子回路基板の導電性パターンに応じて、クリームはんだ5の特性を向上できる。
【0029】
《第2の実施例》
図5は、本発明の第2の実施例であるクリームはんだの評価装置の構成を示す斜視図である。この実施例では、クリームはんだの評価装置の構成において、荷重検出センサを設けることなく評価枠を持ち上げ、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を撮影、検知する検知機構を設けた。それ以外の各部は、第1の実施例のものと同様であるのでそれらの重複した説明は省略する。
図5に示すように、本実施例のクリームはんだの評価装置20では、接続治具8が荷重検出センサを配設することなく駆動機構7’につながれている。この駆動機構7’は、第1の実施例のものと同様に、既知のモータ部材等を内蔵し、評価試験を行うとき例えば設定部1cによって設定された速度、及びストロークにより、操作パネル面1a’に設けられたレール部材7a’に沿って接続治具8及び評価枠6を上方に持ち上げる。また、評価対象のクリームはんだ5は、摺動可能な試料台12上に固定された基板3上に供給される。この試料台12は、クリームはんだ5の表面の形状が後述の第1、第2の検知機構13,14に撮影、検出されるとき、設定面1b’に取り付けられたスライド軸12aに沿って、設置面1b’上を所定の方向(図の矢印”H”にて図示)に動かされる。
さらに、本実施例の評価装置20には、基板3上に供給されたクリームはんだ5の表面の形状を撮影、検知する第1、第2の検知機構13,14が操作パネル面1a’、及び設置面1b’にそれぞれ設けられている。これらの第1、第2の検知機構13,14は、例えばCCD(Charge Coupled Device)センサからなる撮像センサ13a,14aを備え、基板3に印刷されたクリームはんだ5の上面、及び側面の形状をそれぞれ撮影して、映像データに変換する。これらの映像データは、入出力ポート1gを経て外部の表示装置(図示せず)に転送され、表示される。この構成により、本実施例の評価装置20では、クリームはんだ5の印刷特性をデータ処理することが可能となり、印刷特性を正確に把握して使用される印刷機やその印刷機によって供給される電子回路基板の導電性パターンに応じて、最適なクリームはんだ5を開発することができる。
【0030】
以下、本実施例のクリームはんだの評価装置20の動作について、図5、図6の(a)、及び図6の(b)を参照して説明する。尚、評価対象のクリームはんだ5を基板3上に供給する動作は、図2の(a)乃至図2の(c)を用いて説明した第1の実施例のものと同様であるので、それらの重複した説明は省略する。図6の(a)は図5に示した第1の検知機構の撮像センサにより撮影したクリームはんだの上面の画像の一例を示す説明図であり、図6の(b)は図5に示した第2の検知機構の撮像センサにより撮影したクリームはんだの側面の画像の一例を示す説明図である。
図5において、試料台12に取り付けられた基板3上にクリームはんだ5を印刷した後、第1の実施例のものと同様に、基板上3に駆動機構7’により評価枠6を上方に持ち上げる。
続いて、試料台12をスライド軸12aに沿って、第1、第2の検知機構の13,14の近くに移動し、それらの撮像センサ13a,14aによって基板3上のクリームはんだ5の上面、及び側面を撮影、測定する。これにより、図6の(a)、及び図6の(b)にそれぞれ示すように、基板3上に印刷したクリームはんだ5のはんだ粒子5aを撮影、測定することができる。さらに、第1の実施例のものと同様に、評価枠6を上方に持ち上げる速度、及びストロークは機械的な駆動機構7’により行われるため、評価試験を再現性よく実施できる。また、クリームはんだ5の表面の形状を第1、第2の検知機構13,14により撮影し映像データに変換しているので、クリームはんだ5の印刷特性を短時間で正確に把握することができる。
【0031】
以上のように、本実施例のクリームはんだの評価装置20では、クリームはんだ5を充填できる評価枠6、その評価枠6を任意の速度で上方に持ち上げる駆動機構7、及び基板3に印刷したクリームはんだ5の表面の形状を撮影、検知する第1、第2の検知機構13,14を備えている。このことにより、本実施例の評価装置20は、基板3上に印刷したクリームはんだ5の表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだ5の印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。さらに、本実施例の評価装置20は、評価枠6の材質、及びその開口部6aの面粗度、クリームはんだ5の組成、及び版抜け動作(評価枠6の持ち上げ動作)の条件がクリームはんだ5の特性、特に印刷特性に及ぼす影響を容易に、かつ短時間で確実に把握することができる。
尚、撮像センサ13a,14aを用いてクリームはんだ5の表面の形状を撮影、検知する構成について説明したが、撮像センサ13a,14aの代わりに、例えば半導体レーザを有する既知のレーザ方式の形状測定装置を用いて、クリームはんだ5の表面にレーザ光を照射して、クリームはんだ5の表面の形状をレーザ光の反射光に基づいて検知する構成としてもよい。
【0032】
《第3の実施例》
図7は、本発明の第3の実施例であるクリームはんだの評価装置の構成を示す斜視図である。この実施例では、クリームはんだの評価装置の構成において、荷重検出センサとともに、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を撮影、検知する検知機構を設けた。それ以外の各部は、第1の実施例のものと同様であるのでそれらの重複した説明は省略する。
図7に示すように、本実施例のクリームはんだの評価装置30は、第1の実施例に示した荷重検出センサ9と、第2の実施例に示した第1、第2の検知機構13,14を備えている。このように構成することにより、本実施例のクリームはんだの評価装置30は、印刷機での版抜け動作を再現したクリームはんだ5の評価試験を容易、かつ再現性よく行うことができ、印刷厚みのバラツキを最適化できる開口部6aの表面の面粗度(メタルマスクの開口部の表面の仕上げ状態)、及びクリームはんだ5の組成を見い出すことが可能となる。さらに、本実施例の評価装置30では、基板3上に印刷したクリームはんだ5の表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだ5の印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができ、評価枠6の材質、及びその開口部6aの面粗度、クリームはんだ5の組成、及び版抜け動作(評価枠6の持ち上げ動作)の条件がクリームはんだ5の特性、特に印刷特性に及ぼす影響を容易に、かつ短時間で確実に把握することができる。
【0033】
《第4の実施例》
図8は、本発明の第4の実施例であるクリームはんだの評価装置に用いられる評価枠の構成を示す斜視図である。この実施例では、クリームはんだの評価装置の構成において、メタルマスクの版抜け動作時でのクリームはんだの挙動を観察するために、評価枠の一部分に透明な部材を設けた。それ以外の各部は、第1の実施例のものと同様であるので、それらの重複した説明は省略する。
図8に示すように、本実施例のクリームはんだの評価装置に用いられる評価枠6’は、例えばガラスにより構成した透明な部材6b’とコ字型状の部材6c’により構成されている。評価枠6’は、止めビス6d’によって透明な部材6b’とコ字型状の部材6c’とを互いに固定し、図に示すように透明な部材6b’を一辺とした開口部6a’を有する枠体を構成する。このように構成することにより、版抜け動作を再現したクリームはんだ5の評価試験を行ったとき、クリームはんだ5の挙動を透明な部材6b’を通して視認することができる。
【0034】
以下、図9の(a)、図9の(b)、図9の(c)、及び図9の(d)を参照して、透明な部材6b’を持つ本実施例の評価枠6’の作用、効果について具体的に説明する。
図9の(a)は図8に示した評価枠の開口部内にクリームはんだを充填して基板上に供給した後の状態を示す説明図であり、図9の(b)は図9の(a)に示した状態から評価枠を上方に持ち上げた状態でのクリームはんだの挙動を示す説明図である。図9の(c)は図9の(b)に示した状態から評価枠をさらに上方に持ち上げた状態でのクリームはんだの挙動を示す説明図であり、図9の(d)は図9の(c)に示した状態から評価枠を上方に持ち上げて評価枠とクリームはんだとが離れたときの状態を示す説明図である。
図9の(a)から図9の(d)に示すように、評価枠6’の開口部6a’内に充填したクリームはんだ5は、評価枠6’を上方に持ち上げると、開口部6a’の表面に接触している部分が当該表面を滑り始める。このクリームはんだ5の滑り方は、評価枠6’の材質、その開口部6a’の表面の面粗度、評価枠6’の持ち上げるときの速度、クリームはんだ5の組成などに依存し、様々な挙動を視認することができた。また、クリームはんだ5は、結果として様々な形状で基板3上に残った。以上のように、透明な部材6b’を持つ評価枠6’を用いることにより、クリームはんだ5の挙動(開口部6a’の表面に対する滑り)を詳細に観察することができる。そして、クリームはんだ5の開発において、観察したクリームはんだ5の挙動に基づいて、クリームはんだ5の印刷特性が最も向上する評価枠6’の材質、開口部6a’の表面の面粗度、評価枠6’を持ち上げるときの速度(メタルマスクの版抜け速度)、及びクリームはんだ5の組成などを絞り込むことが可能となる。
透明な部材6b’は、上述のガラス以外に、プラスチック(例えばアクリル、ポリカーボネート)により構成してもよい。
また、上述の第2、及び第3の実施例に示した評価装置に、この枠体を適用することにより、撮像カメラを用いて版抜け時の挙動を撮影することができ、映像データによるデータ処理、管理を行うことができる。
【0035】
上述の第1乃至第4の実施例では、評価枠を持ち上げるときの速度を駆動機構に設定してクリームはんだの特性を評価する構成について説明した。これとは別に、評価枠を持ち上げるときの加速度を駆動機構に設定し、クリームはんだの特性を評価する構成としてもよい。このように加速度を任意に設定できる構成とすることにより、より細かな試験条件で評価試験を行うことができ、クリームはんだの特性をさらに詳細に検討することができる。
【0036】
【発明の効果】
以上のように、本発明のクリームはんだの評価装置、及び評価方法では、クリームはんだを充填できる評価枠、その評価枠を任意の速度で上方に持ち上げる駆動機構、及び評価枠を持ち上げるさいに発生する荷重を検出できる荷重検出センサを備えている。この構成によるクリームはんだの評価装置及び評価方法では、容易にかつ再現性よく、クリームはんだの特性を評価することができる。その結果、クリームはんだの開発にあたって、印刷厚みのバラツキを最小にできるメタルマスクの開口部の表面の面粗度(仕上げ状態)、及びクリームはんだの組成を見い出すことができる。それにより、使用される印刷機やその印刷機によって供給される電子回路基板の導電性パターンに応じて、クリームはんだの特性を向上できる。
また、別の観点による発明のクリームはんだの評価装置、及び評価方法では、クリームはんだを充填できる評価枠、その評価枠を任意の速度で上方に持ち上げる駆動機構、及び基板に印刷したクリームはんだの表面の形状を撮影、検知する第1、第2の検知機構を備えている。このことにより、クリームはんだの評価装置、及び評価方法では、基板上に印刷したクリームはんだの表面の形状を短時間で正確に把握して、クリームはんだの印刷特性やはんだ付けに必要な特性を容易に評価することができる。さらに、メタルマスクの材質、及びその開口部の表面の面粗度、クリームはんだの組成、及び版抜け動作の条件がクリームはんだの特性、特に印刷特性に及ぼす影響を容易にかつ短時間で確実に把握することができる。
さらに、別の観点による発明のクリームはんだの評価装置、及び評価方法では、一辺が透明な部材により構成された評価枠を用いて、版抜け時でのクリームはんだの挙動を観察、視認している。このことにより、観察したクリームはんだの挙動に基づいて、クリームはんだの印刷特性が最も向上するメタルマスクの材質、その開口部の表面の面粗度、メタルマスクの版抜け速度、及びクリームはんだの組成を絞り込むことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例であるクレームはんだの評価装置の構成を示す斜視図
【図2】図1に示した評価枠に評価対象のクリームはんだを充填して基板上に供給する工程を示す説明図
【図3】図1に示した評価装置により得られたクリームはんだの評価試験の結果の一例を示すグラフ
【図4】印刷厚みのバラツキを示す説明図
【図5】本発明の第2の実施例であるクリームはんだの評価装置の構成を示す斜視図
【図6】図5に示した検知機構の撮像センサにより撮影された基板と当該基板上に供給されたクリームはんだの表面を示す説明図
【図7】本発明の第3の実施例であるクリームはんだの評価装置の構成を示す斜視図
【図8】本発明の第4の実施例であるクリームはんだの評価装置に用いられる評価枠の構成を示す斜視図
【図9】図8に示した評価枠を用いた場合での版抜け動作(評価試験)での工程を示す説明図
【符号の説明】
3 基板
5 クリームはんだ
6,6’ 評価枠
6a,6a’ 開口部
6b’ 透明な部材
7,7’ 駆動機構
9 荷重検出センサ
13,14 検知機構
13a,14a 画像センサ

Claims (10)

  1. クリームはんだを充填するための開口部を有し、取り外し可能な基板上に前記クリームはんだを供給する評価枠、
    前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる駆動機構、及び
    前記評価枠と駆動機構との間に設けられ、評価枠を引き上げるときに発生する荷重を検出する荷重検出センサ、を具備し、
    前記評価枠の前記開口部が上下に貫通して構成され、前記評価枠の側面外観が矩形上の枠体で構成され、前記枠体の一辺が透明な部材により形成されて前記開口部内に充填されたクリームはんだの挙動を視認できるよう構成されたクリームはんだの評価装置。
  2. クリームはんだを充填するための開口部を有し、取り外し可能な基板上に前記クリームはんだを供給する評価枠、
    前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる駆動機構、及び
    前記基板上に供給されたクリームはんだの表面及び側面の形状を検知する検知機構、を具備し、
    前記評価枠の前記開口部が上下に貫通して構成され、前記評価枠の側面外観が矩形上の枠体で構成され、前記枠体の一辺が透明な部材により形成されて前記開口部内に充填されたクリームはんだの挙動を視認できるよう構成されたクリームはんだの評価装置。
  3. クリームはんだを充填するための開口部を有し、取り外し可能な基板上に前記クリームはんだを供給する評価枠、
    前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる駆動機構、
    前記評価枠と駆動機構との間に設けられ、評価枠を引き上げるときに発生する荷重を検出する荷重検出センサ、及び
    前記基板上に供給されたクリームはんだの表面及び側面の形状を検知する検知機構、を具備し、
    前記評価枠の前記開口部が上下に貫通して構成され、前記評価枠の側面外観が矩形上の枠体で構成され、前記枠体の一辺が透明な部材により形成されて前記開口部内に充填されたクリームはんだの挙動を視認できるよう構成されたクリームはんだの評価装置。
  4. 前記評価枠を上方に持ち上げるときの移動距離を設定できるよう構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載のクリームはんだの評価装置。
  5. 前記評価枠を上方に持ち上げるときの加速度を設定できるよう構成したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のクリームはんだの評価装置。
  6. 前記検知機構が、クリームはんだの表面及び側面を撮影する画像センサを備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のクリームはんだの評価装置。
  7. 前記検知機構が、クリームはんだの表面にレーザ光を照射してその反射光を検知して形状を測定するレーザ方式の形状測定装置を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のクリームはんだの評価装置。
  8. 請求項1記載の評価装置を用いて、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価方法であって、
    開口部を設けた評価枠を導電性パターンを有する基板上におく工程、
    評価対象のクリームはんだを前記開口部内に充填して、前記基板上に供給する工程、
    駆動機構によって前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる工程、
    前記持ち上げる工程において、駆動機構に加わる荷重を検出する工程、及び
    前記持ち上げる工程において、前記評価枠に設けた透明な部材を通して、前記クリームはんだの挙動を観察する工程、
    を備えたクリームはんだの評価方法。
  9. 請求項2記載の評価装置を用いて、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価方法であって、
    開口部を設けた評価枠を導電性パターンを有する基板上におく工程、
    評価対象のクリームはんだを前記開口部内に充填して、基板上に供給する工程、
    駆動機構によって前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる工程、
    前記基板上に供給したクリームはんだの表面及び側面を検知する工程、及び
    前記持ち上げる工程において、前記評価枠に設けた透明な部材を通して、前記クリームはんだの挙動を観察する工程、
    を備えたクリームはんだの評価方法。
  10. 請求項3記載の評価装置を用いて、電子部品を電子回路基板に実装するためのクリームはんだを評価するクリームはんだの評価方法であって、
    開口部を設けた評価枠を導電性パターンを有する基板上におく工程、
    評価対象のクリームはんだを前記開口部内に充填して、基板上に供給する工程、
    駆動機構によって前記評価枠を設定された速度で上方に持ち上げる工程、
    前記持ち上げる工程において、駆動機構に加わる荷重を検出する工程、
    前記基板上に供給したクリームはんだの表面及び側面を検知する工程、及び
    前記持ち上げる工程において、前記評価枠に設けた透明な部材を通して、前記クリームはんだの挙動を観察する工程、
    を備えたクリームはんだの評価方法。
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