JP3672364B2 - アクチュエータ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アクチュエータに関し、特に、電動送りねじ式アクチュエータに係り、例えば、重量のある負荷を往復直線運動させるのに利用して有効なものに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、負荷を持ち上げたり下げたりするのに使用される電動送りねじ式アクチュエータとして、ハウジングに形成されたシャフト挿通部には軸心方向に移動する移動筒を支持した支持筒の基端部が挿入されて固定され、この支持筒内にはモータによって正逆回転駆動されるシャフトが挿通されており、シャフトの外周に形成された雄ねじ部には前記移動筒を連結された雌ねじ部材が進退自在に螺合されているものである。
なお、このような電動送りねじ式アクチュエータが記載されている文献としては、例えば、特開平6−109094号公報がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前記した従来のアクチュエータにおいては、その構成部品の組付性に困難なものがあり、伸長作動時において移動筒がハウジングに対して長く突出した状態となるため、作動中の振動に対してハウジングの支持筒挿入口部の強度も問題となっていた。
【0004】
本発明の目的は、組付性を高めることができるとともに、作動中の振動に対してハウジングの支持筒挿入口部の強度を向上することができるアクチュエータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係るアクチュエータは、ハウジングに形成されたシャフト挿通部には軸新方向に移動する移動筒を支持した支持筒の基端部が挿入されて固定され、この支持筒内にはモータによって正逆回転駆動されるシャフトが挿通されており、このシャフトの外周に形成された雄ねじ部には前記移動筒を連結された雌ねじ部材が進退自在に螺合されているアクチュエータにおいて、
前記ハウジングは一対のシェルが合わされて締結されているとともに、この両シェルの合わせ面には前記シャフト挿通部が形成されており、
前記両シェルにおける前記シャフト挿通部の前記支持筒挿入口部には、前記支持筒の外側を取り囲む前記両シェルの前記支持筒挿入口部の強度を向上させるためのバンドが前記支持筒を挿通されて嵌着されていることを特徴とする。
【0006】
【作用】
モータや支持筒、シャフト、雌ねじ部材等の内蔵部品は、ハウジングが二つ割りにされた状態で一方のシェルに適宜に組み付けられる。したがって、ハウジングへの組付作業は挿入作業に比べてきわめて能率的に実行されることになる。そして、組み付けられたシェルに他方のシェルが被せられて締結されて組み立てられたハウジングにバンドが支持筒挿入口部の外側に嵌着される。このバンドによってハウジングの支持筒挿入口部が束縛されるため、移動筒の伸長作動時にこじり力が作用しても、ハウジングが口開きすることは確実に防止され、ハウジングの支持筒挿入口部の強度が向上する。
【0007】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の一実施形態であるアクチュエータを示す縦断面図である。図2はその主要部を示す一部切断一部省略分解斜視図である。図3はハウジングの作用を説明するための説明図である。
【0008】
本実施形態において、本発明に係るアクチュエータは、各種の負荷に搭載される汎用のアクチュエータとして構成されている。アクチュエータ1は汎用性を有するため、連結具の負荷に対する連結位置の変動の可能性を有している。本実施形態に係るアクチュエータ1はハウジング2を備えており、ハウジング2には正逆回転可能なモータ12を装着されたモータ装着部3が開設されているとともに、送りねじ軸としてのシャフト15を挿通されるシャフト挿通部4が開設されている。モータ12の出力軸側にはウオーム歯車減速装置13が連設されている。ウオーム歯車減速装置13の出力軸14はシャフト挿通部4の軸心と直交する方向に延在されている。
【0009】
ハウジング2は左右で一対のシェル5、5を組み合わされて構成されている。両シェル5、5は樹脂が用いられて互いに左右対称形の大略長方形の皿形に形成されており、最中合わせにされた合わせ面同士にモータ装着部3およびシャフト挿通部4がそれぞれ形成されている。両シェル5、5は最中合わせに組み付けられた状態でねじ部材10によって締結されているとともに、シャフト挿通部4の一端(以下、前端とする。)開口の外側に形成された嵌合部6の外周に金属製のバンド7を嵌着されている。このバンド7によって左右のシェル5、5のシャフト挿通部4における左右方向への開きは防止されるようになっている。また、両方のシェル5、5の側面にはこのアクチュエータ1を負荷に組み付けるための組付穴8、8が没設されている。組付穴8は支持軸9を側方から挿入されることにより、アクチュエータ1を支持軸9を中心にして回動自在に支承し得るようになっている。
【0010】
ハウジング2のシャフト挿通部4に挿通されたシャフト15の前側には送り用の雄ねじ部16が形成されており、この雄ねじ部16には雌ねじ部17が螺合された雌ねじ部材としてのナット18が進退自在に装着されている。また、ハウジング2のシャフト挿通部4には支持筒19がナット18の外側においてシャフト15と同心的に配されて左右のシェル5、5によって挟持され、固定部20によって抜け止めされている。ナット18はこの支持筒19に筒心方向に摺動可能に嵌入されている。
【0011】
ナット18には移動筒22がシャフト15および支持筒19と同心に配されてねじ結合部23によって連結されており、移動筒22の前端にはアクチュエータ1を負荷(図示せず)に連結するための連結具24が、負荷に対する連結位置を調節可能に装着されている。すなわち、移動筒22の前端部内周には位置調節用雌ねじ部25が刻設されているとともに、位置調節用雌ねじ部25の軸心方向の中央位置には筒心方向に長い長孔26が一対、互いに対向されて筒心方向に延在するようにそれぞれ開設されている。連結具24は移動筒22と略等しい外径の円柱形状に形成されており、円周には位置調節用雄ねじ部27が刻設されている。連結具24の一端部にはスパナ等の工具を係合するための工具係合部28が面取りされて一体的に形成されており、連結具24の他端部には連結ピンを挿通するための連結孔29が軸心と直交する方向に貫通されて開設されている。
【0012】
そして、連結具24は位置調節用雄ねじ部27を位置調節用雌ねじ部25に螺合されることにより、移動筒22の前端部に軸心方向の位置を調節可能に装着されているとともに、その回転位置を調節されることによって連結孔29が両長孔26、26に位置合わせされるようになっている。連結孔29の外径と両方の長孔26、26の短手方向の幅とは等しく設定されているとともに、連結ピン30の外径に略等しく設定されている。連結ピン30は長孔26、連結孔29に挿通可能に設定されているとともに、負荷側のブラケット31に開設されている連結孔32にも挿通可能に設定されており、挿通された状態でブラケット31の外側において鍔部30aおよび割ピン33によって抜け止めされるように構成されている。
【0013】
なお、連結具24が負荷に連結されることによって、ナット18および移動筒22は支持筒19に対して回り止めされた状態となるため、移動筒22はナット18の回転運動に対して回転を阻止する状態になり、ナット18の進退運動に伴って支持筒19に対して直線運動する状態になる。
【0014】
シャフト15の前端には円筒形状に形成されたナットストッパ35が同軸に配されて固定されており、ナットストッパ35は移動軸22の内周面に滑動自在に支承された状態になっている。移動筒22の位置調節用雌ねじ部25から後端寄りの前端部内周にはダンパを兼ねる位置規制部材36が位置調節可能に固定されている。すなわち、位置規制部材36はゴムまたは樹脂の弾性材料が用いられて移動筒22の内径と等しい外径を有する円柱形状に形成されている。位置規制部材36の後端部にはリベットを挿通するための挿通孔37が軸心と直交する方向に開設されている。また、位置規制部材36の後端面にはナットストッパ35から突出したシャフト15の凸部を逃げるための凹部38が没設されている。他方、支持筒22の前端部における位置調節用雌ねじ部25から適当に離れた位置にはリベットを挿通するための挿通孔39が筒心と直交する方向に貫通するように開設されている。
【0015】
そして、連結具24を外された状態で、かつ、挿通孔37と39とが取付治具(図示せず)によって位置合わせされた状態で、位置規制部材36は移動筒22内に前端開口から挿入され、双方の挿通孔37と39とにリベット40を挿通されてかしめ加工されることにより移動筒22の所望の位置に固定されている。
【0016】
支持筒19の前端部には前後端に内向き鍔部を有する円筒形状に形成されたキャップ41が嵌着されており、キャップ41は後端側の鍔部を支持筒19の環状溝に係合されて支持筒19に固定されている。キャップ41は前端側の鍔部の内周を移動筒22の外周に摺接することにより、支持筒19内をシールするようになっている。
【0017】
ハウジング2のシャフト挿通部4における軸心方向の略中央部には円形リング形状の前側隔壁部42が径方向内向きに突設されており、この前側隔壁部42の前端面に没設された凹部42aにはシャフト15の雄ねじ部16の段差端面が挿入されて突き当てられている。シャフト挿通部4の前側隔壁部42の後ろ側にはブレーキプレート等を収容するための収容室43が、支持筒19よりも若干大径の円形中空室に形成されている。すなわち、収容室43にはブレーキプレート、ワンウエイクラッチ、スラスト軸受、ストッパおよびスペーサが前端側から順に配置されており、これの部品は収容室43に挿通されたシャフト15の被制御軸部44の外周に嵌合されている。
【0018】
ブレーキプレート45はナイロン等の樹脂が用いられて円形リング形状に形成されており、被制御軸部44の外周における前端部に遊嵌されている。ブレーキプレート45はその前端面と隔壁部42の後端面との間に形成された凹凸結合部46によってシャフト挿通部4に回り止めされている。シャフト15の被制御軸部44の外周におけるブレーキプレート45の後ろ側にはローラ式のワンウエイクラッチ48が装着されている。
【0019】
詳細な説明および図示は省略するが、ローラ方式のワンウエイクラッチ48は円筒形状に形成されたクラッチケース(以下、ケースという。)48aと、ケース48aの内周面に没設された楔形状の溝48bと、楔形状溝48bに転動自在に収納されて被制御軸部44の外周面に転動自在に接触されたローラ48cとを備えており、シャフト15が正回転する状態において、ローラ48cが楔形状溝48b内を大径側に変位することによりケース48aのシャフト15に対する空回りを許容し、シャフト15が逆転する状態において、ローラ48cが楔形状溝48b内を大径側に変位して楔効果を発揮することによりケース48aをシャフト15と一体回転させるように構成されている。
【0020】
さらに、ワンウエイクラッチ48の前端面は前側で隣接するブレーキプレート45の後端面に押接されている。このブレーキプレート45のワンウエイクラッチ48との押接面にはグリース溜め溝47が正方形の環状溝形状に没設されており、この押接面間にはグリース(図示せず)が塗布されている。グリース溜め溝47が正方形の環状溝形状に形成されているため、ブレーキプレート45とワンウエイクラッチ48との押接面間に塗布されたグリースは全面にわたって均一に拡散される状態になる。そして、このブレーキプレート45とワンウエイクラッチ48との押接面間の摩擦力は、シャフト15に対する負荷側からの逆回転作用力よりも大きく、かつ、それらの差がモータ側からの逆回転駆動力よりも小さくなるように設定されている。すなわち、ワンウエイクラッチ48がモータ12の駆動力によって逆回転される場合には、ブレーキプレート45とワンウエイクラッチ48との押接面間で滑りが発生し、他方、ワンウエイクラッチ48がナット18側の駆動力によって逆転される場合には、その押接面間で滑りが発生しないように設定されている。
【0021】
シャフト15の被制御軸部44の外周におけるワンウエイクラッチ48の後ろ側で隣接する位置には、スラスト転がり軸受49が嵌合されており、スラスト転がり軸受49はその後ろ側で隣接する位置に嵌合されたストッパ50によって軸心方向の移動を規制されている。
【0022】
シャフト挿通部4における収容室43の後ろ側で隣接する後側隔壁部52の収容室43と反対側の後ろ脇には、ラジアル転り軸受53が隣接して固定されており、このラジアル転り軸受53によってシャフト15の後端部が回転自在に支承されている。シャフト15の外周におけるラジアル転がり軸受53の後側隔壁部52と反対側の位置には、従動側傘歯車55がワッシャ54を挟み込まれて嵌合されており、一体回転するように一方取りされて結合されている。
【0023】
従動側傘歯車55には原動側傘歯車56が噛合されており、原動側傘歯車56はハウジング2にシャフト挿通部4と直交するように配されたウオーム歯車減速装置13の出力軸14に一体回転するように嵌着されている。すなわち、従動側傘歯車55にはハウジング2のモータ装着部3に設備されたモータ12の回転駆動力が、ウオーム歯車減速装置13の出力軸14および原動側傘歯車56を介して伝達されるようになっており、したがって、シャフト15はモータ12によって正逆回転駆動されるようになっている。
【0024】
次に作用を説明する。
まず、前記構成に係るアクチュエータの組立作業について説明する。
モータ12や支持筒19、シャフト15、送り用ナット18等のハウジング2への組み付けに際して、ハウジング2は一対のシェル5、5に二つ割りされた状態になっている。そして、図3(b)、(c)、(d)に示されているように、一方のシェル5のモータ装着部3にはウオーム歯車減速装置13を連結されたモータ12が組み付けられ、シャフト挿通部4には送り用ナット18から従動側傘歯車55までを組み立てられたシャフト15が組み付けられる。このようにモータアッシーおよびシャフトアッシーが組み付けられた一方のシェル5には他方のシェル5が被せられ、複数本のねじ部材10によって締結される。次いで、締結されて一体的に組み上げられたハウジング2における嵌合部6にバンド7が支持筒19を挿通されて嵌着される。このようにしてハウジング2への内蔵部品は二つ割り状態で組み付けられるため、一体中空体のハウジングへ内蔵部品を順次挿入して組み付けて行く場合に比べて、組付作業をきわめて能率的に実行することができる。
【0025】
以上のようにして組み立てられたアクチュエータ1は負荷の固定端と自由端との間に架設される。例えば、アクチュエータ1のハウジング2が組付穴8に挿入された支持軸9を負荷の固定端において軸支されることにより回動自在に支承され、負荷の自由端においてアクチュエータ1の移動筒22が連結具24にブラケット31に挿通された連結ピン30を挿通されることにより回動自在に支承される。
【0026】
以上のようにしてアクチュエータ1が負荷の固定端と自由端との間に架設された後に、例えば、図1の状態からモータ12が正方向に回転運転されると、モータ12の駆動力がウオーム歯車減速装置13、原動側傘歯車56および従動側傘歯車55を介してシャフト15に伝達される。シャフト15の正回転時にはワンウエイクラッチ48のローラ48cが楔形状溝48bに係合しないため、クラッチケース48aはシャフト15に対して空回りし、相対的にシャフト15はそのまま回転される。シャフト15がモータ12により正回転されると、ナット18は支持筒19に沿って前進される状態になるため、ナット18に連結された移動筒22は支持筒19から押し出されて行く。この移動筒22の前進によって移動筒22の連結具24に連結された負荷が駆動されることになる。
【0027】
負荷の要求する所定のストロークだけ移動筒22が伸長すると、モータ12の駆動電気回路(図示せず)に介設された自動停止装置等によってモータ12の運転が自動的に停止される。
【0028】
モータ12の運転が停止されると、負荷の荷重がナット18へ後退させる方向の力(アクチュエータに負荷が引張荷重として作用する場合には引張力)として移動筒22を介して作用するため、シャフト15には逆回転させようとする力(以下、負荷側逆回転作用力という。)が、ナット18の雌ねじ部17およびシャフト15の送り用雄ねじ部16の作用によって作用する状態になる。負荷側逆回転作用力がシャフト15に作用すると、ワンウエイクラッチ48のローラ48cが楔形状溝48bに係合する状態になるため、シャフト15とワンウエイクラッチ48のケース48aとは一体回転する状態になる。しかし、ワンウエイクラッチ48のケース48aはブレーキプレート45に押接した状態になり、ブレーキプレート45はハウジング2に固定された状態になっているため、回転することができない。この場合、ワンウエイクラッチ48のケース48aはブレーキプレート45に両者の押接面間に作用する摩擦力により回り止めされた状態になる。その結果、ワンウエイクラッチ48のケース48aと一体回転しようとするシャフト15は回転することができない状態になる。つまり、シャフト15はワンウエイクラッチ48を介してハウジング2に固定された状態になるため、負荷側からの逆回転作用力に対して逆回転を防止された状態になる。したがって、負荷はアクチュエータ1によって駆動された状態を維持することができる。
【0029】
その後、モータ12が逆方向に回転運転されると、モータ12の逆回転駆動力がウオーム歯車減速装置13、原動側傘歯車56、従動側傘歯車55を介してシャフト15に伝達される。ここで、シャフト15の逆回転時にはワンウエイクラッチ48のローラ48cが楔形状溝48bに係合するため、シャフト15とワンウエイクラッチ48のケース48aとは一体回転する状態になる。そして、ワンウエイクラッチ48のケース48aはブレーキプレート45に押接した状態になり、ブレーキプレート45はハウジング2に固定された状態になっているため、回転することができない状態になる。しかし、シャフト15をモータ12の駆動力によって強制的に逆回転させようとするモータ側からの逆回転駆動力と負荷側逆回転作用力とは、ワンウエイクラッチ48のケース48aとブレーキプレート45との押接面間に作用する摩擦力による回り止め力を上回るため、ワンウエイクラッチ48のケース48aはブレーキプレート45との間で滑り回りする状態になる。その結果、シャフト15はワンウエイクラッチ48のケース48aと一緒に逆回転することができる。
【0030】
このようにしてシャフト15が逆回転駆動されると、雄ねじ部16に進退自在に螺合されて支持筒19に回り止めされたナット18は支持筒19に沿って後退される状態になるため、ナット18に連結された移動筒22は支持筒19に引き込まれて行く。この移動筒22の後退によって、移動筒22の連結具24に連結された負荷が復帰移動される。
【0031】
負荷が元の位置まで復帰移動されると、モータ12が自動的に停止される。そして、ナット18が元の後退位置に戻った状態において、通常、負荷は支持具(図示せず)によって機械的に支持されるため、負荷側からの逆回転力がシャフト15に加わることは無い。但し、この後退位置に戻った状態で、負荷側からの逆回転作用力がシャフト15に加わったとしても、前述した作用によってシャフト15の逆回転は確実に防止される。この逆転防止作用は、ナット18が雄ねじ部16の途中で停止された場合でも同様に発現される。
【0032】
なお、本実施形態に係るアクチュエータは負荷が引張荷重として作用する場合に使用するのに好適なように構成されている。負荷が圧縮荷重として作用する場合に使用するアクチュエータにおいては、シャフトの送り用雄ねじ部の向きが引張荷重の場合と逆になり、ワンウエイクラッチ、ブレーキプレート等の配置が逆になる。
【0033】
ところで、図3(a)に示されているように、送りねじ式アクチュエータ1は支持筒19および移動筒22がハウジング2から前方に突出した状態になってモーメントが大きくなるため、移動筒22の先端に矢印で示す左右方向のこじり力が作用すると、ハウジング2における支持筒挿入口部にこれを左右方向に口開きしようとする大きな力が作用することになる。しかし、本実施形態においては、ハウジング2における支持筒挿入口部の外側に形成された嵌合部6にバンド7が嵌着されているため、支持筒挿入口部がバンド7によって束縛された状態になり、移動筒22の伸長作動時にこじり力が作用してもハウジング2が口開きすることは確実に防止される。特に、本実施形態のように一対のシェル5、5が合わされてねじ部材10によって締結されたハウジング2の場合にバンド7による口開き防止効果は大きい。つまり、口開き現象がバンド7によって確実に防止されるため、ハウジング2を一対のシェル5、5による二つ割り構造を採用することができ、その結果、前述した通り、組付作業を効率的に実施することができる。
【0034】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、ハウジングを一対のシェルを合わせて締結させる構造とすることによって、内蔵部品のハウジングへの組み付け作業性を向上することができるとともに、ハウジングの支持筒挿入口部をバンドによって束縛することによって、ハウジングの支持筒挿入口部の強度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態であるアクチュエータを示す縦断面図である。
【図2】その主要部を示す一部切断一部省略分解斜視図である。
【図3】ハウジングの作用を説明するための説明図であり、(a)は一部切断平面図、(b)は(a)のb−b線に沿う一部省略拡大部分断面図、(c)は(a)のc−c線に沿う一部省略拡大部分断面図、(d)は(a)のd−d線に沿う一部省略拡大部分断面図である。
【符号の説明】
1…アクチュエータ、2…ハウジング、3…モータ装着部、4…シャフト挿通部、5…シェル、6…嵌合部、7…バンド、8…組付穴、9…支持軸、10…ねじ部材、12…モータ、13…ウオーム歯車減速装置、14…出力軸、15…シャフト、16…送り用雄ねじ部、17…雌ねじ部、18…送り用ナット、19…支持筒、20…固定部、22…移動筒、23…ねじ結合部、24…連結具、25…位置調節用雌ねじ部、26…長孔、27…位置調節用雄ねじ部、28…工具係合部、29…連結孔、30…連結ピン、31…ブラケット、32…連結孔、33…割ピン、35…ナットストッパ、36…位置規制部材、37…挿通孔、38…凹部、39…挿通孔、40…リベット、41…キャップ、42…前側隔壁部、43…収容室、44…被制御軸部、45…ブレーキプレート、46…凹凸結合部、47…グリース溜め溝、48…ワンウエイクラッチ、49…スラスト転がり軸受、50…ストッパ、52…後側隔壁部、53…ラジアル転り軸受、54…ワッシャ、55…従動側傘歯車、56…原動側傘歯車。
Claims (1)
- ハウジングに形成されたシャフト挿通部には軸新方向に移動する移動筒を支持した支持筒の基端部が挿入されて固定され、この支持筒内にはモータによって正逆回転駆動されるシャフトが挿通されており、このシャフトの外周に形成された雄ねじ部には前記移動筒を連結された雌ねじ部材が進退自在に螺合されているアクチュエータにおいて、
前記ハウジングは一対のシェルが合わされて締結されているとともに、この両シェルの合わせ面には前記シャフト挿通部が形成されており、
前記両シェルにおける前記シャフト挿通部の前記支持筒挿入口部には、前記支持筒の外側を取り囲む前記両シェルの前記支持筒挿入口部の強度を向上させるためのバンドが前記支持筒を挿通されて嵌着されていることを特徴とするアクチュエータ。
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JP27979195A Expired - Lifetime JP3672364B2 (ja) | 1995-10-03 | 1995-10-03 | アクチュエータ |
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- 1995-10-03 JP JP27979195A patent/JP3672364B2/ja not_active Expired - Lifetime
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