JP3672052B2 - 油圧ショベルのキャブヘッドガード - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベルのキャブ天井部および天窓の上面に取着するヘッドガードに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の油圧ショベルを用いて採石場での上方掘削やビル等の取り壊し作業を行う場合、オペレータの前上方確認を容易にするため、キャブに天窓が設けられている。しかし、作業中に天窓に落石等があると、天窓の破損は勿論、天窓を破ってキャブ内のオペレータに災害が及ぶ危険性があり、このような上方掘削やビルの取り壊し作業を行うときは安全対策として、キャブ天井部や天窓を防護金属板で覆うようにしたヘッドガードが用いられている。このヘッドガードを装着すると、天窓を通して前上方の視界が確保できなくなるので、オペレータは前方に身を乗り出してフロントガラスから前上方を確認しなければならない。
【0003】
このため、オペレータが前方に身を乗り出さなければならないとなると、オペレータの疲労が増し、作業能率が低下する。
そこで、最近は天窓による前上方視界を確保したヘッドガードとして、防護金属板の代わりに格子状のガードや防護金属ネット(エキスパンドメタル等)が用いられている。
格子状のガードを用いた例として、実開平5−57047号公報に示されている油圧ショベルのキャブ天窓ガードがある。この天窓ガードは図7に示すように、緩やかなへの字状に屈曲する天窓11をキャブ12の天井に設け、その上方に、天窓11より角度の小さいへの字状に屈曲したガード13を取着する構成で、ガード13は鋼棒または鋼管を四角形状に成形してなる枠と、この枠内に左右方向または前後方向に等間隔に固着した鋼棒または鋼管の仕切り桟とによって構成されており、上方掘削作業等を行う場合、オペレータは仕切り桟の間から前上方を確認するようになっている。
【0004】
また、実開平7−15858号公報に示されているキャブのガード取付装置は、図8に示すように、キャブ14の天窓ガラス部15および前窓ガラス部16の周囲に枠状のガード取付用サブフレーム17を着脱自在に取着し、その上に天窓ネットガード18および前窓ネットガード19を取着している。上方掘削作業等を行う場合、オペレータは主として天窓ネットガード18を通して前上方を確認するようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記実開平5−57047号公報による油圧ショベルのキャブ天窓ガードでは、天窓を鋼棒または鋼管の仕切り桟で覆っているが、仕切り桟による死角部分を小さくして前上方視界を確保しようとすると、仕切り桟を太くすることができないので、落石等によってガードが変形しやすい。
また、仕切り桟を前後方向に等間隔に設けた場合は、天窓の前端に近づくにつれて死角部分が密になり、前上方の視界を妨げるとの問題がある。
【0006】
これに対し、実開平7−15858号公報によるキャブのガード取付装置では、天窓をネットガードのみで被覆しているため、上方掘削作業時に発生する落石等によってネットガードが変形しやすいとの問題がある。
【0007】
ところで、落石等のエネルギーを前記ガードによって吸収し、キャブ天井部や天窓の破損等を防止するためにキャブ天井部とヘッドガードとの隙間を十分に確保することが考えられるが、この場合は車高が高くなりヘッドガード装着時の車高が輸送制限を超えてしまうとの問題がある。
【0008】
また、従来のヘッドガードはたとえば図9および図10に示すように、四角形状の枠体を構成する鋼管20の所定位置に外方に突出する取り付け金具21を固着し、これらの取付け金具21に設けたキリ穴21aに挿通したボルト22をキャブ23の天井部に設けた取付けボス24に締着してヘッドガードを固定している。しかし、落石等によりヘッドガードに外力Fが加えられたとき、鋼管20の中心Aは取付けボス24の中心Bに対してオフセットしているため、外力Fによるモーメントが作用して取付け金具21あるいは取り付けボス24の変形、破損が起こりやすい。更に、取付け金具21を鋼管20の外周面に固着する作業工数が大となり、かつ、取付け金具21の位置を高精度に保って固着しないと取付けボス24に対する位置ずれを生じ、ヘッドガードをキャブに取付けることができないとの問題もある。
【0009】
本発明は上記従来の問題点に着目してなされたもので、天窓を備えた油圧ショベルのキャブ天井部および天窓を覆い、落石等の外力に対して変形しにくく、前上方視界性が良好で、かつ、ヘッドガード装着時の車高が輸送制限を超えないキャブヘッドガードを提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明に係る油圧ショベルのキャブヘッドガードは、オペレータキャブの天井部および天窓を覆うヘッドガードを備えた油圧ショベルのキャブヘッドガードであって、そのヘッドガードは、鋼管を成形した枠体と、この枠体にオペレータの頭上近傍で密に、前方に向かって疎となる取付け間隔で固着した複数の補強リブと、この枠体を挿通し所定位置に固着された取付けボスとを備え、この取付けボスを挿通したボルトによりオペレータキャブの天井部に締着して枠体をオペレータキャブに固定する構成としたものである。
【0011】
また、上記構成において、その枠体および補強リブの上面にオペレータキャブの天窓を覆う防護金属ネットと、その枠体および補強リブの上面で天窓以外のオペレータキャブの天井部を覆う防護金属板とを取着した構成としたものである。
【0013】
【作用】
上記構成によれば、油圧ショベルのキャブ天井部および天窓を覆う防護金属ネットと、天窓以外のキャブ上面部分を覆う防護金属板は、枠体のみならず複数の補強リブによっても担持される。従って、落石等がキャブヘッドガードに当たった場合、防護金属ネットおよび防護金属板に加えられる衝撃荷重は補強リブによって吸収され、防護金属ネットおよび防護金属板の変形が軽減するので、キャブヘッドガードとキャブ上面との間隔を従来のように大きく取る必要はない。
【0014】
また、前記補強リブの設置間隔はオペレータの頭上近傍で密に、前方に向かって次第に疎となる不等ピッチとしたので、落下物からオペレータを確実に保護するとともに、補強リブによる前上方の死角部分は天窓前端に近づくにつれて疎となり、前上方視界を妨げない。
【0015】
更に、キャブヘッドガードをキャブに取着する手段として、キャブヘッドガードの枠体を構成する鋼管に挿通し固着した取り付けボスを用いることにより、構造が単純化されるとともに取付け部が強化され、落下物の衝撃荷重によって前記取り付け部が変形、破損することはない。
【0016】
そして、本発明のキャブヘッドガードはキャブの天井部に近接して装着するようにしたので車高を低くくすることができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る油圧ショベルのキャブヘッドガードの実施例について、図面を参照して説明する。図1はキャブヘッドガードの第1実施例を示す平面図、図2は図1に示したキャブヘッドガードの側面図、図3は図2のP部詳細を示す斜視図、図4は第1実施例のキャブヘッドガード装着時の前上方視界の死角を示す側面説明図、図5は図4のZ視図で、前上方視界を示す説明図である。
【0018】
先ず、本発明の油圧ショベルのキャブヘッドガードの第1実施例について図1乃至図5により説明する。
図1に示すキャブヘッドガード1は、鋼管を四角形状に成形してなる枠体2(以下、フレーム2と言う。)を備えている。このフレーム2によって囲まれた部分に、前後方向に仕切る複数の補強リブ3a,3b,3c,3d,3e,3fを固着している。このフレーム2によって囲まれた部分を覆うようにフレーム2の上面に防護金属板4を固着している。この防護金属板4に設けられた窓部4aを覆うように防護金属板4の上面に防護金属ネット5を固着している。
前記補強リブ3は鋼板からなり、防護金属ネット5はエキスパンドメタルが用いられている。この防護金属ネット5はオペレータの前上方視界が確保されるものであればエキスパンドメタル以外の網状の金属ネットでも良い。
【0019】
前記防護金属板4に設けられた窓部4aの前後方向長さLa は、防護金属板4の前端から後部に向かって防護金属板4の長さLA の約2/3であり、窓部4aの幅Wa は、防護金属板4の右端から左端に向かって防護金属板4の幅WA の約2/3である。この窓部4aは、オペレータの前上方視界を確保するために必要な範囲に設けられ、前記の数値に限定されるものではない。
図示しない油圧ショベルの作業機はキャブの右側に設置され、作業機の先端を見るには運転席中心よりやや右寄りの前上方視界が重要となるため、窓部4aは防護金属板4の右前寄りに設けられている。
【0020】
前記補強リブ3a,3b,3c,3d,3eはキャブヘッドガード1の左右方向に平行に配設され、その両端はフレーム2の左右両辺に固着している。
図1に示す、補強リブ3a,3b,3c,3d,3e,3fの取付け間隔はフレーム2の前端から後端に向かって順にL1 ,L2 ,L3 ,L4 ,L5 ,L6 とすると、前記間隔の大きさはL1 >L2 >L3 >L4 >L5 であり、かつ、L6 =L2 である。ただし、L6 の大きさは一例であり、必ずしもL2 に等しくなくてもよい。補強リブ3a,3b,3c,3d,3e,3fは防護金属板4を担持するとともに、フレーム2の剛性をアップするようになっている。
【0021】
また、フレーム2の左右両辺には図1に示すように複数箇所、たとえば左右各3箇所に、キャブヘッドガード1をキャブに固定するための取り付けボス6が設けられている。この取り付けボス6は、図3に示すように、フレーム2を構成する鋼管2aの軸心に垂直に、鋼管2aより小径の鋼管を挿通して固着したもので、取付けボス6に挿通した図示しないボルトによりキャブに締着することにより、キャブヘッドガード1がキャブ7に固定される。
このキャブヘッドガード1は、キャプ7の天井部に近接して装着されている。
【0022】
次に、第1実施例のキャブヘッドガードの作動について説明する。
図4および図5に示すように、キャブ7内のオペレータ8は、天窓9およびキャブヘッドガード1の防護金属ネット(図1参照)を通して前上方を確認するが、補強リブ3a,3b,3c,3d,3eの取付け間隔を前側が広い不等ピッチとしたので、死角部分は前側ほど疎になり、前上方が見やすくなる。
また、オペレータ8の頭上は補強リブ3c,3d,3eの取付け間隔が短いので、落石等による外力に対して特に変形しにくくしており安全である。
更に、図1および図5に示すように、防護金属板4の窓部4aをキャブヘッドガード1の右前寄りに設けているので、天窓視界角度θは右側が広く、上方掘削作業等の際に前上方右寄りにある図示しない作業機(バケット等)を容易に確認することができる。
【0023】
また、キャブヘッドガード1をキャブに取着する取付けボス6は、フレーム2を構成する鋼管2aの軸心を貫通して設けられているので、キャブヘッドガード1に落石等があったとき、取り付けボス6やキャブ上面のボスにモーメントが作用せず、変形、破損等が起こらない。
【0024】
更に、キャブヘッドガード1は、キャブ7の天井部に近接して装着しているので車高を低くできるので輸送時の高さ制限に対して問題ないようにしている。
【0025】
次に、本発明の油圧ショベルのキャブヘッドガードの参考例について図6乃至図7により説明する。尚、図1と同一符号を付したものは同一部品であり、ここでは説明を省略する。
図6に示す、帯状の鋼板からなる補強リブ10は、キャブヘッドガード1の前後方向に平行に配設され、その両端はフレーム2の前後両辺に等間隔に固着されている。
【0026】
この参考例の作動について説明する。
油圧ショベルが落石等がほとんど無い作業現場(道路工事等)においては、図6に示すキャブヘッドガードを用いると、更に前上方視界が向上し作業がしやすくなる。
【0027】
そして、本発明のキャブヘッドガードは、オペレータキャブ上面の形状が平面である場合に限らず、たとえば実開平5−57047号公報に開示されたキャブ12の天窓ガード(図7参照)のように、天窓11が前下がりに屈曲し、ヘッドガード13もへの字状に屈曲しているものに対しても適用可能である。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る油圧ショベルのキャブヘッドガードによれば、落石によりキャブヘッドガードに当たった場合、防護金属ネットおよび防護金属板に加えられる衝撃荷重は補強リブによって吸収され、防護金属ネットおよび防護金属板の変形が軽減するので、安全性および耐久性が向上する。
【0029】
また、補強リブの取付け間隔はオペレータの頭上近傍で密に、前方に向かって次第に疎となる不等ピッチとしたので、落下物からオペレータを確実に保護するとともに、補強リブによる前上方の死角部分は天窓前端に近づくにつれて疎となり、前上方視界性が向上する。
【0030】
更に、キャブヘッドガードをキャブに取着する手段として、キャブヘッドガードの枠体を構成する鋼管に挿通し固着した取り付けボスを用いることにより、構造が単純化されるとともに取付け部が強化され、落下物の衝撃荷重によって前記取付け部が変形、破損することはない。
【0031】
そして、本発明のキャブヘッドガードはキャブの天井部に近接して装着可能なので、車高を低くすることができ、輸送性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の油圧ショベルのキャブヘッドガードの第1実施例を示す平面図である。
【図2】同、キャブヘッドガードの側面図である。
【図3】同、図2のP部詳細を示す斜視図である。
【図4】同、第1実施例のキャブヘッドガード装着時の前上方視界の死角を示す説明図である。
【図5】同、図4のZ視図で、前上方視界を示す説明図である。
【図6】 本発明の油圧ショベルのキャブヘッドガードの参考例を示す平面図である。
【図7】従来のキャブヘッドガードの一例を示す説明図である。
【図8】従来のキャブヘッドガードの分解した斜視図である。
【図9】従来のキャブヘッドガード取り付け金具の一例を示す斜視図である。
【図10】従来のキャブヘッドガードの取り付け状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1…キャブヘッドガード、2…枠体(フレーム)、2a,20…鋼管、3a,3b,3c,3d,3e,3f,10…補強リブ、4…防護金属板、4a…窓部、5…防護金属ネット、6…取付けボス、7,11,14,23…キャブ、9,12…天窓。

Claims (2)

  1. オペレータキャブの天井部および天窓を覆うヘッドガードを備えた油圧ショベルのキャブヘッドガードにおいて、前記ヘッドガードは、鋼管を成形した枠体と、この枠体にオペレータの頭上近傍で密に、前方に向かって疎となる取付け間隔で固着した複数の補強リブと、前記枠体を挿通し所定位置に固着された取付けボスとを備え、この取付けボスを挿通したボルトにより前記オペレータキャブの天井部に締着して前記枠体をオペレータキャブに固定することを特徴とする油圧ショベルのキャブヘッドガード。
  2. 前記枠体および補強リブの上面にオペレータキャブの天窓を覆う防護金属ネットと、前記枠体および補強リブの上面で天窓以外のオペレータキャブの天井部を覆う防護金属板とを取着したことを特徴とする請求項1記載の油圧ショベルのキャブヘッドガード。
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