JP3671923B2 - 管球 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、低圧水銀蒸気放電ランプ、ハロゲン電球、高圧放電ランプ等の管球に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の管球である低圧水銀蒸気放電ランプ、例えば蛍光ランプ装置には、特開2000−357450号公報に記載されているようなものがある。
【0003】
このような従来のものは、点灯回路を収納したケースの一端部にねじ部が形成され、このねじ部に口金が螺合されて固着されるとともに、点灯回路に接続されたリード線が、ねじ部に設けられた溝部に沿って設置されかつねじ部と口金との間に挟持固定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような従来のものでは、単に溝部に沿ってリード線を設置するものであるため、口金をねじ部に螺合する際、リード線が浮き上がっている場合がある。そのため、リード線が溝部からずれた状態で口金とねじ部に螺合されてしまい、口金とねじ部との螺合に通常よりも強い力が必要となったり、口金の変形が生じる場合もある。
【0005】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、通常よりも強い力を必要とせず、また、口金の変形を生じることなく口金のねじ部への螺合を容易に行えることのできる管球を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の管球は、ねじ部に口金が螺合されて固着されるとともに、発光管の電源線となるリード線が前記ねじ部のねじ山に設けられた溝部に沿って設置され、かつ前記溝部で挟持固定され、さらに、前記溝部に挟持固定された前記リード線が前記ねじ部と前記口金との間に挟持固定されている。
【0007】
このような構成によれば、リード線が溝部で挟持されるためリード線の浮き上がりを防止でき、溝部からずれた状態で口金とねじ部との間に挟持固定されることを防止できる。また、口金とねじ部との間で挟持されるリード線部分が長いために半田等の部材を用いることなくリード線を強固に固定することができるので、部材や工程数を削減することができ、その結果、低コスト化を図ることができるとともに、生産性を向上させることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0009】
本発明の実施の形態である管球は、定格電力13Wの低圧水銀蒸気放電ランプである。この低圧水銀蒸気放電ランプは、図1に示すように、数本のU字状管1aをブリッジ接合して形成された外径11mmの発光管1と、この発光管1を保持したホルダ2と、このホルダ2の発光管1とは反対の側に保持され、かつ発光管1を点灯するための点灯回路3と、一端部にねじ部4aを有し、かつ点灯回路3を収納した樹脂からなるケース4と、ねじ部4aに螺合された後、かしめられて固着された例えば、エジソンタイプのE26型のようなねじ込み型の口金5とを備えている。
【0010】
発光管1の両端部には、フィラメントコイル(図示せず)が設けられている。また、発光管1の内面には、蛍光体が塗布されている。さらに、発光管1内には、希ガスと水銀とがそれぞれ所定量封入されている。
【0011】
図2に示すように、ねじ部4aの螺旋状のねじ山4bには、2つの凹状の溝部4cが設けられている。なお、溝部4cの底部の形状は、平坦又は円弧等でもよい。
【0012】
ねじ山4bの高さは、1.0mmである。
【0013】
溝部4cは、幅0.6mm、深さ0.6mmであり、その底面が平面状である。
【0014】
図3に示すように、点灯回路3には、発光管の電源線となる2本のリード線(以下、一方をトップリード線3a、他方をサイドリード線3bという)の一端部がそれぞれ接続されている。各リード線3a,3bの直径はそれぞれ0.5mmである。トップリード線3aの他端部は、口金5のアイレット端子部5aに半田付けまたは溶接等によって電気的に接続されている。
【0015】
一方、サイドリード線3bは、溝部4cに沿って設置されているとともに、溝部4cに挟持され、そして、ねじ部4aと口金5の本体端子部5bとの間に挟持固定されて、本体端子部5bに電気的に接続されている。
【0016】
以上のような本発明の構成によれば、サイドリード線3b部分が溝部4cに挟持され、かつねじ部4aと口金5との間に挟持されたサイドリード線3b部分が長いために、半田等の部材を用いなくても、サイドリード線3bを強固に固定することができるので、部材や工程数を削減することができ、その結果、低コスト化を図ることができるとともに、生産性を向上させることができる。
【0017】
また、口金5がねじ部4aに螺合されて固着されているために、横曲げ強度やトルク強度が強くなり、ねじ部4bから口金5を外れにくくさせることができる。つまり、ケース4への口金5の固着強度を向上させることができる。
【0018】
さらに、サイドリード線3bが溝部4cに挟持されているので、口金5をねじ部4bに螺合させる際にサイドリード線3bが溝部4cからずれて外れるのを防止することができる。したがって、口金をねじ部に螺合する際、強い力を必要としたり、口金の変形が生じることを防止でき、さらに、サイドリード線3bと口金5との電気的接続が不完全になることを防止することができる。
【0019】
ここで、サイドリード線3bが口金6の内面に沿った蛇行状の形状となっていることが好ましい。
【0020】
これにより、サイドリード線3bと口金5との接触面積が増加して、サイドリード線3bと口金5との電気的接続を確実に行うことができるので、信頼性に優れた低圧水銀蒸気放電ランプを得ることができるとともに、サイドリード線3bをより強固に固定することができる。
【0021】
また、溝部4cの最大深さは、サイドリード線3bの直径(溝部4cに挿入される部分のリード線径)の1/2以上1未満とすることが好ましい。
【0022】
つまり、口金5をねじ部4aに螺合する際、溝部4cの最大深さがサイドリード線3bの直径の1/2より浅くなればなるほど、溝部4cから外れる方向の大きな力がサイドリード線3bに作用し、サイドリード線3bが溝部4cから外れたり又は溝部4cのエッジ部で損傷、切断したりするため、サイドリード線3bと口金5との電気的接続が不完全になる。それに対し、溝部4cの最大深さをサイドリード線3bの直径の1/2以上にすると、サイドリード線3bが溝部4c内に挿入する方向に力が作用して、サイドリード線3bが溝部4cから外れるのを防止することができ、しかもサイドリード線3bと口金5との電気的接続をより一層確実に行うことができる。また、溝部4cの最大深さがサイドリード線3bの直径の1以上すると、サイドリード線3bと口金5との電気的接続が不安定となることがあり、溝部4cの最大深さをサイドリード線3bの直径の1未満とした。
【0023】
さらに、溝部4cの幅は、サイドリード線3bの直径の1.0倍以上1.3倍以下にすることが好ましい。
【0024】
つまり、溝部4cにサイドリード線3bを設置する際、溝部4cの幅がサイドリード線3bの直径の1.0倍未満の場合又は1.3倍を越えた場合、サイドリード線3bが溝部4cで挟持されないため、サイドリード線3bの配置作業性が悪くなる。それに対し、サイドリード線3bの直径の1.0倍以上1.3倍以下にすると、サイドリード線3bが溝部4cで挟持されるため、溝部4cにサイドリード線3bを容易に配置することができる。
【0025】
なお、上記実施の形態では、ねじ山4bにのみ溝部4cを設けたもので説明したが、これに限らず、図2のねじ谷4dにも溝部を設けても良い。この場合、ねじ谷4dに設けられた溝部の幅は、サイドリード線3bの直径の1.3倍を越えてもよい。つまり、サイドリード線3bが溝部4cに挟持されているので、サイドリード線3bの配置作業性が悪くなるという問題は発生しない。
【0026】
また、上記実施の形態では、数本のU字状管1aをブリッジ接合して形成された発光管1を用いた場合について説明したが、例えばダブルU形の発光管を用いても上記と同様の効果を得ることができる。
【0027】
また、上記実施の形態では、点灯回路を有するもので説明したが、点灯回路を有さないものでも適用できる。例えば、発光管のねじ部のねじ山に溝部を形成し、そのねじ部に口金が螺合されて固着されるとともに、発光管の電源線となるリード線が、前記ねじ部と前記口金との間に挟持固定されているとともに、前記リード線が前記溝部に挟持固定されたものでもよい。
【0028】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明は、リード線が溝部で挟持されるためリード線の浮き上がりを防止でき、溝部からずれた状態で口金とねじ部との間に挟持固定されることを防止できる。また、口金とねじ部との間で挟持されるリード線部分が長いために半田等の部材を用いることなくリード線を強固に固定することができるので、部材や工程数を削減することができ、その結果、低コスト化を図ることができるとともに、生産性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態である定格電力13Wの低圧水銀蒸気放電ランプの一部切欠正面図
【図2】同じく低圧水銀蒸気放電ランプに用いるケースを示す斜視図
【図3】同じく低圧水銀蒸気放電ランプの要部拡大断面図
【符号の説明】
1 発光管
2 ホルダ
3 点灯回路
3a トップリード線
3b サイドリード線
4 ケース
4a ねじ部
4b ねじ山
4c 溝部
5 口金

Claims (2)

  1. ねじ部に口金が螺合されて固着されるとともに、発光管の電源線となるリード線が前記ねじ部のねじ山に設けられた溝部に沿って設置され、かつ前記溝部で挟持固定され、さらに、前記溝部に挟持固定された前記リード線が前記ねじ部と前記口金との間に挟持固定されていることを特徴とする管球。
  2. 前記溝部の最大深さは、この溝部に挿入される部分における前記リード線の直径の1/2以上1未満とし、かつ、前記ねじ部と前記口金との間に挟持固定されている前記リード線の部分は、前記口金の内面に沿った蛇行状の形状となっているものであることを特徴とする請求項1記載の管球。
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